JP2769206B2 - ころ軸受 - Google Patents

ころ軸受

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JP2769206B2 JP1253099A JP25309989A JP2769206B2 JP 2769206 B2 JP2769206 B2 JP 2769206B2 JP 1253099 A JP1253099 A JP 1253099A JP 25309989 A JP25309989 A JP 25309989A JP 2769206 B2 JP2769206 B2 JP 2769206B2
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建治 日比
俊英 後藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ころ軸受、更に詳しくは、相手面が粗面
でも仕上げの良い面でも長寿命を示すころ軸受に関す
る。
〔従来の技術および解決しようとする課題〕
ころ軸受における軌道輪及び転動体の寿命は、軌道面
もしくは転動面の表面粗さが重要な因子であることは良
く知られており、また、一般に転がり疲れ寿命は、硬さ
と表層の残留応力に影響される。
前者の表面粗さについては、従来、軌道面と転動面の
仕上げをできるだけ滑らかな面にするのがよいと考えら
れていたが、軸受の転動疲労寿命を向上させるための試
行錯誤を繰り返すなかで、軌道面又は転動面の仕上りを
良くしなくても長寿命に効果のあることを見い出した。
上記のような軌道輪もしくは転動体は、軌道面又は転
動面をRmax0.3〜0.8μmのランダムなすり傷の粗面に形
成した構造であり、長寿命の効果を発揮することができ
るが、仕上げ面の良い相手に対しては、油膜形成が不十
分となり、相手面の摩耗や相手面のピーリング損傷が発
生する場合があり、相手面の仕上げ条件に対して使用で
きる範囲が狭いという点で改善の必要性が見い出され
た。
また、後者の転がり疲れ寿命は、硬さについて言えば
高硬度が長寿命で、表層の残留応力については圧縮応力
の大きい状態が長寿命であることが知られている。
〔発明の目的〕
そこでこの発明は、軌道輪と転動体における軌道面又
は転動面の面粗さの評価を軸方向だけでなく転がり方向
にも着目し、軸方向と円周の表面粗さを一定範囲に抑え
ることで湯膜形成が有利に行なえ、しかも表面の硬度と
表層の残留反応が好ましい状況を示し、相手面の面粗さ
の良否何れにも対応できる長寿命のころ軸受を提供する
ことが目的である。
〔目的を達成するための手段〕
上記のような目的を達成するため、この発明は、ころ
軸受における軌道輪の表面及び転動体の表面の少なくと
も一つの表面に、独立した微小な凹形状のくぼみを無数
にランダムに形成したころ軸受において、上記微小なく
ぼみを設けた表層の硬さを内部硬度に対してHvで30〜60
高い硬度とし、合わせて表層の圧縮残留応力を600MPa以
上とした構成としたものである。
〔作用〕
軌道輪と転動体の表面の一方又は両方をランダムな微
小粗面に形成し、例えば、この微小粗面の仕上げ面粗さ
パラメータRMSを軸方向(L)、円周方向(C)で求
め、その比RMS(L)/RMS(C)を1.0以下とし、合わせ
てパラメータSK値を軸方向、円周方向とも−1.6以下と
すると、軌道面又は転動面の油膜形成率が向上し、相手
面の面粗さのいかんにかからず相手面にピーリング損傷
や摩耗の発生がなく、長寿命を得ることができる。
また、上記の微小なくぼみを施すことによって、軌道
輪及び転動体の表面が高硬度になり、しかも表層の残留
応力については圧縮応力が大きくなり、 転がり疲れ寿命が向上する。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は内輪1と外輪2の内に多数の円筒ころ転動体
3を配置したころ軸受4を例示している。
上記ころ軸受4における内輪1と外輪2の表面又は転
動体3の表面の少なくとも一つの表面がランダムな方向
の微小粗面5に形成され、この微小粗面5は、表面の軸
方向と円周方向のそれぞれを求めてパラメータRMSで表
示したとき、軸方向面粗さRMS(L)と円周方向の面粗
さRMS(C)の比RMS(L)/RMS(C)を1.0以下、例え
ば、0.7〜1.0にすると共に、表面粗さのパラメータSK値
が軸方向、円周方向とも−1.6以下になっている。
上記のような表面の粗面条件を得るための表面加工処
理は、特殊なバレル研磨によって、所望する仕上面を得
ることができる。
前記パラメータSK値とは、表面粗さの分布曲線の歪み
度(SKEWNESS)を指し、ガウス分布のような対象形分布
はSK値が0となるが、パラメータSK値を円周方向、軸方
向も−1.6以下とした設定値は、表面凹部の形状、分布
が油膜形成に有利な範囲である。
第2図は標準ころ転動体の仕上げ面状況を、また第3
図に内輪又は転動体の表面に微小粗面加工を施した仕上
げ面状況を比較している。
前記微小粗面5を得るために、ころ軸受の構成部材で
ある内外輪1、2又は転動体3の表面に特殊なバレル研
磨を施すと、微小粗面5を設けた部材の表層の硬さを内
部に比べて高硬度とすることができると同時に、表層の
圧縮残留応力を積極的に生成させることができる。
第4図は表面に微小粗面5を加工したころ転動体と、
表面をミガキタンブラー仕上げした標準ころ転動体の断
面硬度分布の測定結果を示している。
第4図で明らかな如く、標準ころ転動体は表層の硬さ
と内部硬度に大きな差はない。
これに対して微小粗面5を加工したころ転動体は、表
層の硬さが内部硬度に対してHvで30〜60ポイント硬度ア
ップしている。
次に、表面を研磨仕上げしたころ転動体とミガキタン
ブラー仕上げしたころ転動体及び微小粗面を加工したこ
ろ転動体の各表層の圧縮残留応力を測定した結果を第5
図に示す。
同図の如く、圧縮残留応力は、研磨仕上げが250MPa、
ミガキタンブラー仕上げが450〜500MPaであるのに対
し、微小粗面の場合は600MPa以上、具体的には850〜900
MPaである。
このように、微小粗面を加工したころ転動体は、表層
が高硬度となると共に、表層の残留応力についても圧縮
応力が大きく、転がり疲れ寿命を向上させることができ
る。
次に、内輪の軌道面及び転動体の転動面に、仕上げ面
の異なる表面処理を施した複数種類のニードル軸受を製
作し、微小粗面の効果を確認する寿命試験を行なった結
果について説明する。
寿命試験に用いたころ軸受は、第6図に示すように、
外径Dt=38mm、内径dr=28mm、転動体3の直径D=5m
m、長さL=13mmで、14本の転動体を用いた保持器6付
のニードル軸受である。
試験軸受は、内輪が研削仕上げで転動体も標準仕上げ
の従来軸受Aと、内輪の軌道面に微小粗面を加工し、転
動体に標準仕上品を用いたこの発明の第1の軸受Bと、
内輪の軌道面及び転動体の転動面を共に微小粗面に加工
したこの発明の第2の軸受Cとの3種類を製作した。
なお、各試験軸受において、標準仕上げ面と微小粗面
加工を施した仕上げ面の状況は第2図と第3図で示した
通りである。
また、使用した試験装置は、第7図に概略図で示した
ようなラジアル荷重試験機11を使用し、回転軸12の両側
に試験軸受A乃至Cを取付け、回転と荷重を与えて試験
を行うものである。
なお、内輪研削仕上面は、Rmax0.4〜4μmである。
又、軸受B、Cの微小粗面はRmax2.5μm及び4μmで
ある。アウターレース(外輪)は研削仕上Rmax1.6μm
で何れの場合も共通である。
また、試験条件は以下の通りである。
軸受ラジアル荷重 1465kgf 回転数 3050rpm 潤滑剤 タービン油 以上の条件で各試験軸受A、B、Cに対して行なった
試験結果を第8図と第9図に示す。
第8図は各試験軸受A、B、Cにおける転動体の寿命
データを、第9図は各試験軸受における内輪研削仕上面
粗さと耐久寿命の結果を示している。上記のような試験
結果から明らかなように、この発明の試験軸受BとCは
従来の試験軸受Aに比べて全て長寿命を示した。
即ち、従来の試験軸受Aに比べ、この発明の試験軸受
Bは第3倍、試験軸受Cは約7倍の長寿命となる。
また、上仕上面と粗面の転動のとき上仕上面側にピー
リング損傷が見られることが多いが、この発明の試験軸
受BとCには認められなかった。
第10図と第11図は、各試験軸受A、B、CのSK値、RM
SのL/Cと寿命(L10)求めた結果を示している。
第10図の如く、SK値−1.6以下の試験軸受B、Cでは
長寿命を示している。
また、軸方向粗さRMS(L/C)は、第11図の如くバレル
研磨特殊加工の1.0でも長寿命であることが判明した。
なお、RMS(L/C)値のみで長寿命軸受の転動体を評価
するには不充分であることも判明した。
次に上記試験条件下において、試験軸受AとBの標準
ころとの組合せによるGrubinの式に基づく油膜パラメー
タΛの計算値を表1に示す。
計算の結果、油膜パラメータΛは相手面粗さにより大
きく左右され、Rmax2.5μmでは軸受Aが1.15、軸受B
は0.78となる。
一般に油膜パラメータと油膜形成率には第12図に示す
関係があり、寿命の観点からも油膜パラメータは大きい
方が良いと言われているが、寿命試験結果からも明らか
な通り、一概にΛだけでは説明できない。
内輪仕上面の油膜形成状況の確認及び耐ピーリング性
について、2円筒の試験機を用いて、自由転がり条件下
で、本発明試験軸受B及び従来の試験軸受Aと同一の表
面状態の試験片を用いて加速ピーリング試験を行なっ
た。油膜形成状態の確認は、直流通電方式により行なっ
た。
試験条件 最大接触面圧 227Kgf/mm2 周速 4.2m/sec(2000rpm) 潤滑剤 タービン油 繰り返し負荷回数 4.8×105(4hr) この試験による油膜の形成率は、第13図と第14図に示
す通りであり、本発明試験軸受Bの仕上面の油膜形成率
は、従来の試験軸受Aに比較して運転開始時で20%程度
油膜形成率が向上した。
また、繰り返し負荷回数1.2×105でほぼ完全に油膜を
形成することが確認された。
更に、従来の試験軸受Aの仕上面では、長さ0.1mm程
度のピーリングの発生、進展が多数認められるのに対
し、本発明の試験軸受Bの仕上面では、損傷は認められ
なかった。
〔効果〕
以上のように、この発明によると、軌道輪の表面及び
転動体の表面の少なくとも一つの表面に、独立した微小
な凹形状のくぼみを無数にランダムに形成したころ軸受
において、上記微小なくぼみを設けた表層の硬さを内部
硬度に対してHvで30〜60高い硬度とし、合わせて表層の
圧縮残留応力を600MPa以上としたので、表層は高硬度化
と圧縮応力が大きくなり、これによって、転がり疲れ寿
命の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はころ軸受の断面図、第2図と第3図は転動体に
おける仕上げ面状況を示す概略図、第4図は転動体の断
面硬度分布の測定結果を示すグラフ、第5図は転動体表
層の圧縮残留応力を測定した結果を示すグラフ、第6図
は寿命試験に用いたニードル軸受の断面図、第7図は試
験装置の概略図、第8図と第9図の各々は転動疲労寿命
試験の結果を示すグラフ、第10図はSK値と寿命の関係を
示すグラフ、第11図はRMS(L/C)値と寿命の関係を示す
グラフ、第12図は油膜パラメータと油膜形成率を示す関
係図、第13図と第14図は油膜形成率を示すグラフであ
る。 1……内輪、2……外輪、 3……転動体、4……ころ軸受、 5……微小粗面。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ころ軸受における軌道輪の表面及び転動体
    の表面の少なくとも一つの表面に、独立した微小な凹形
    状のくぼみを無数にランダムに形成したころ軸受におい
    て、上記微小なくぼみを設けた表層の硬さを内部硬度に
    対してHvで30〜60高い硬度とし、合わせて表層の圧縮残
    留応力を600MPa以上としたことを特徴とするころ軸受。
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