JP2768173B2 - 高耐候性鋼材 - Google Patents

高耐候性鋼材

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JP2768173B2
JP2768173B2 JP27076092A JP27076092A JP2768173B2 JP 2768173 B2 JP2768173 B2 JP 2768173B2 JP 27076092 A JP27076092 A JP 27076092A JP 27076092 A JP27076092 A JP 27076092A JP 2768173 B2 JP2768173 B2 JP 2768173B2
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正人 山下
英昭 幸
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常の大気中だけでな
く、海岸地帯等厳しい大気腐食環境中でも優れた耐候性
を有する鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼材にP、Cu、Cr、Ni等の
元素を添加することにより、大気中における耐食性を向
上させることができる。この鋼材は耐候性鋼と呼ばれる
が、屋外において数年で腐食に対して保護性のある錆(
以下耐候性錆という) を形成し、以後塗装等の耐食処理
作業を不要とするいわゆるメンテナンスフリー鋼であ
る。 しかしながら、海岸地帯等の腐食環境の厳しい大
気中においては、数年を経過しても耐候性のある錆が形
成され難く、なお、腐食性の赤錆や黄錆等の浮き錆や流
れ錆を生じてしまい、外見的に好ましくないばかりでな
く周囲環境の汚染原因にもなり、メンテナンスフリーと
はならないという問題点も残している。浮き錆や流れ錆
についての対策としては、たとえば特開平1−1420
88号公報にあるように、リン酸塩皮膜を形成させる表
面処理方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の労働力
不足の問題は、金属表面処理の技術分野にも及び、表面
処理や塗装の手間あるいはコストのかからないメンテナ
ンスフリーの高耐候性鋼の開発が強く望まれている。そ
こで、本発明は通常の大気中は勿論のこと、海塩粒子の
飛来する場所でも、外見を著しく損なう浮き錆や流れ錆
の発生を低減し早期に緻密な耐候性錆が形成されること
が求められているメンテナンスフリーの高耐候性鋼材を
提供することを解決課題とするものである。このことは
社会資本の充実の要求に由来して、最近増えている大気
環境中で使用される構造物の需要を満たす上でも非常に
重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、鋼材中にCr、Mo
を適当量添加し、かつPあるいはSあるいはその両者を
同時添加することにより鋼材に早期に耐候性錆が形成さ
れるという知見を得た。
【0005】本発明はこれらの知見を基礎として開発さ
れたものであり、その要旨は以下のとおりである。 1.C:0.15%以下、Si:1.0%以下、Mn:
2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:2.0%を超
え3.0%未満、Ni:5.0%以下、Mo:0.05〜
5.0%、Al:0.003〜0.2%、P:0.15〜
0.30%、残部は鉄および不可避的成分から成る高耐
候性鋼材。
【0006】2.C:0.15%以下、Si:1.0%以
下、Mn:2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:
2.0%を超え3.0%未満、Ni:5.0%以下、M
o:0.05〜5.0%、Al:0.003〜0.2%、
S:0.010〜0.020%、残部は鉄および不可避的
成分から成る高耐候性鋼材。
【0007】3.C:0.15%以下、Si:1.0%以
下、Mn:2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:
2.0%を超え3.0%未満、Ni:5.0%以下、M
o:0.05〜5.0%、Al:0.003〜0.2%、
P:0.15〜0.30%、S:0.010〜0.020
%、残部は鉄および不可避的成分から成る高耐候性鋼
材。
【0008】
【作 用】以下、本発明の耐候性鋼材の成分元素の含有
量の数値限定の理由について説明する。Cは鋼材の強度
を確保するために有効な元素であるが、一般に溶接性を
低下させる元素でもある。PおよびSの添加量が多い場
合、特にそれらとCとの相互作用により鋼材の耐溶接割
れ性が大きく劣化する。したがって、C含有量の上限を
0.15%とした。
【0009】Siは溶鋼の脱酸のために添加されるが、
溶接性と耐候性には悪影響を及ぼし、特に1.0%を超
えると耐候性がかなり低下するので、Si含有量の上限
を1.0%とした。
【0010】Mnは鋼材の耐候性には影響を及ぼさない
が、一般に強度、靱性を向上させるために添加する。し
かしながら、2.0%を越えると鋼材の溶接性が著しく
劣化するため、Mn含有量を2.0%以下とした。
【0011】Cuは鋼材の耐候性錆の防食性を向上させ
る効果を有する元素であり特にCrとの共存でその効果
が大きいが、3.0%を超える場合は耐候性向上効果は
飽和し、かつコストを上昇させるので、Cu含有量を
3.0%以下とした。
【0012】Crは鋼材の耐候性錆の防食性を向上させ
る効果を有する元素であり、2.0%を越える場合は形
成される錆を緻密にし、かつ耐海塩粒子性を付与するこ
とができる。しかしながら、3.0%以上添加しても耐
候性向上効果は飽和し、かつコストを上昇させるので、
Cr含有量を3.0%未満とした。
【0013】Niは鋼材の耐候性錆の防食性を向上させ
る効果を有する元素であり、特にCrとの共存でその効
果が大きいが、5.0%を越える場合は耐候性向上効果
は飽和し、かつコストを上昇させるので、Ni含有量を
5.0%以下とした。
【0014】Moは鋼材の耐候性錆の防食性を向上させ
る効果を有する元素であり、Crとの共存で0.05%
以上の含有により効果があるが、5.0%を越える場合
は耐候性向上効果は飽和し、かつコストを上昇させるの
で、Mo含有量を0.05〜5.0%の範囲とした。
【0015】Alは鋼材の脱酸、組織微細化のため、ま
た耐食性改善の点から添加するが、特に0.003%以
上の含有でCr の効果を一層大きくすることができる。
それらの効果の飽和を考慮し、Al含有量の上限は0.
2%とした。
【0016】PはCrと共存することにより耐候性に大
きな効果を及ぼす。そのためには0.15%以上含有さ
せる。しかし0.3%を越えて添加される場合はその効
果が飽和すると共に溶接性が劣化してくるので、P含有
量の上限を0.3%とした。
【0017】Sを鋼材に0.010%以上含有させた場
合、特にSがCrと共存する場合鋼材の大気曝露時の板
厚減少量が小さくなることが明らかとなった。すなわ
ち、Crと共に0.010%以上Sを含有させることに
より、鋼材に早期に高い防食能力を有する耐候性錆が形
成される。しかし、Sは鋼材の溶接割れ感受性を低くす
るために、Sの含有量は0.020%を上限とした。な
お、P,Sは単独添加でも耐候性に効果があるが、同時
添加により、より優れた耐候性が得られる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例に基づき詳説す
る。本発明の実施例に用いた試験鋼の化学成分を表1に
示す。試験片の寸法は100mm×60mm×3mmとし、処
理前の表面はエメリー紙研磨およびバフ研磨を施されて
おり鏡面となっている。
【0019】
【表1】
【0020】上記処理を施した各試験片を同一条件のも
とに、福岡県北九州市の海岸地帯(海から5mの位置の
厳しい大気腐食環境)に300日間曝露した。流れ錆量
を評価するために試験片から流れ落ちる雨水を採取し、
流れ出たFe イオンおよび錆の合計質量を測定した。ま
た、試験終了後表面の錆層を除去し、板厚減少量(表裏
両面の平均腐食深さの平均)を測定した。その試験結果
を表2および表3に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】その結果、いずれの試験においても、本発
明鋼2,3,5,6,8,9,11,12,14,1
5,18〜22では、板厚減少量および流れ錆が非常に
少なく表面の色調は均一な黒褐色となった。これに対し
比較例の1,17,23〜25でははるかに多くの板厚
減少量および流れ錆が確認され、表面の色調は赤茶色で
ありさらに点状に赤錆が分布していた。
【0024】なお、比較例4,7,10,13,16に
ついては本発明鋼と同様の結果であったが、それぞれ
5,6,9,12,15の結果との比較から明らかなよ
うに本発明の成分範囲より過剰に添加した元素の効果は
飽和している。また、P、S共に添加した場合の方が、
P,S単独添加の場合よりも優れた耐候性を有してい
る。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
の鋼材は、赤錆や黄錆等の浮き錆をほとんど生じること
なく大気腐食環境中で防食性の高い安定な錆層を形成
し、通常の大気中だけでなく、海岸地帯等厳しい大気腐
食環境中でも優れた耐候性を有する鋼材であり、従来問
題となっている耐海塩粒子性に優れた鋼材を提供するこ
とができる。したがって、本発明の耐候性鋼材は、屋外
の建築物や構造物などの優れた材料として好適な、かつ
メンテナンスフリーの材料を提供するもので、このこと
による経済的効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−17060(JP,A) 特開 昭56−9356(JP,A) 特開 昭61−106750(JP,A) 特開 平6−88127(JP,A) 特公 昭48−14528(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.15%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:
    2.0%を超え3.0%未満、Ni:5.0%以下、M
    o:0.05〜5.0%、Al:0.003〜0.2%、
    P:0.15〜0.30%、残部は鉄および不可避的成分
    から成る高耐候性鋼材。
  2. 【請求項2】 C:0.15%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:
    2.0%を超え3.0%未満、Ni:5.0%以下、M
    o:0.05〜5.0%、Al:0.003〜0.2%、
    S:0.010%〜0.020%、残部は鉄および不可避
    的成分から成る高耐候性鋼材。
  3. 【請求項3】 C:0.15%以下、Si:1.0%以
    下、Mn:2.0%以下、Cu:3.0%以下、Cr:
    2.0%を超え3.0%未満、Ni:5.0%以下、M
    o:0.05〜5.0%、Al:0.003〜0.2%、
    P:0.15〜0.30%、S:0.010〜0.020
    %、残部は鉄および不可避的成分から成る高耐候性鋼
    材。
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ES2392791T3 (es) 2010-05-25 2012-12-13 Beele Engineering B.V. Un conjunto y un procedimiento para proporcionar un sistema de sellado en una abertura
EP2703705B1 (en) 2012-08-30 2017-03-29 Beele Engineering B.V. Sealing system for an annular space
NL2010304C2 (en) 2013-02-14 2014-08-18 Beele Eng Bv System for sealingly holding cables which extend through an opening.

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