JP2763669B2 - 洗面ユニットの組立て方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、設置するに際し、壁等の間隔が不同な場合
に好適する洗面ユニットの組立て方法に関するものであ
る。

［従来の技術］ トイレルームや化粧室に洗面ユニットが設けられ、洗
面ユニットは、カラン、洗面ボール等を有するカウンタ
ーと、これ等を支持する内装された支持枠と、前面を覆
うパネル等からなる。かかる洗面ユニットは、トイレル
ームや化粧室用のものでは、複数人の利用を前提とし
て、カウンターの左右の長さを大きくし、複数の洗面ボ
ール、カランを並設して備える。

［発明が解決しようとする課題］ 従来の、この種洗面ユニットは、洗面ボール、カラン
等を複数備える連装並設式のものであっても、カウンタ
ー、前面板、これを支持する支持枠は、夫々が一体に形
成されることから、左右方向の寸法が一義的に設定され
て製作されている。

従って、現場に設置するに際し、設置空間の壁間の寸
法が上記ユニット合わない場合、例えば空間が大きい場
合には、壁側に何等かのスペーサを介装して施工等し、
外観を整える必要が有り、施工が面倒で、工数も増え、
コストが高くなる虞が有り、外観性の点でもベストとは
いえない。一方、設置空間が小さい場合には、この間に
ユニットを設置することができないので、壁間の寸法を
拡大したり、ユニットを製作の段階で寸法を設置空間に
合わせる必要が有る。これに従えば、壁の移動が可能で
あれば設置可能となるが、設置作業が面倒、煩雑で、
又、工数も増え、一方、設置空間の幅に合せてユニット
を個々に製作するのではコストが極めて高くなる。

従って、洗面ボール、カランを複数備える。左右方向
の長い大型の洗面ユニットの設置には、設置室内の壁間
の寸法、付帯設備との取合い等施工上多くの困難性を伴
う。

本発明はかかる課題を解決すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、設置室内の壁間等の寸法が不揃いで
あっても、容易に左右方向の寸法を調節することが可能
で、決められた既設の空間に合せて精度良く、外観性良
好に、そして容易な施工で洗面ユニットを設置できる方
法を得せしめるにある。

［課題を解決するための手段］ 上記した課題を解決するための手段は、洗面ボールを
支持するに充分の幅の支持枠を床上に配設し、該支持枠
上にはこれよりも左右方向の寸法が大きいカウンターを
載置固定し、支持枠の前面には開閉扉を取り付けるとと
もに、該扉の左右と壁との間には、この間の間隔に切断
された左右の側部前面板を取り付けた洗面ユニットの組
立て方法である。又、上記洗面ユニットは、洗面ボー
ル、カラン等を複数並設した洗面ユニットの組立て方法
に於て、支持枠を複数床上に並設し、一体物の長いカウ
ンターを支持枠上に載置し、左右の支持枠に取り付けた
開閉扉の外側左右の側部前面板を、壁等との間の寸法に
切断して取り付けるようにした組立て方法である。

［上記手段による作用］ 上記手段によれば、カウンターを支持する支持枠は、
洗面ボール毎に所定幅で用意され、これを複数左右に離
間して並設し、この上にカウンターを載置し、前面板は
支持枠前面を覆う開閉扉と、この間、或いはこれと左右
の壁との間を覆う側部前面板とからなり、側部前面板を
規格化して製作し、これを間隔に合せて切断して壁との
間を調節することができる。

［実施例］ 次に、本発明の一実施例を添付した図面に従って詳述
する。

第１図は本発明に係る組立て方法を説明する分解斜視
図、第２図は組立てられた洗面ユニットの正面図、第３
図は前面パネルの正面図、第４図はカウンターの正面
図、第５図は洗面ユニットの縦断側面図、第６図は側部
前面板の取付構造の一例を示す拡大横断平面図である。

第１図、第４図に於て１はカウンターであり、カウン
ターは平面視左右方向に長い長方形に形成され、材質
は、例えば人工大理石等で形成されている。カウンター
１は、フラットな本体をなす棚板部１−１、前端部の折
曲垂下されたフランジ部１−２、後端部の折曲起立した
水切片１−３を備える。棚板部１−１には、実施例では
洗面装置を２個並設したタイプなので、左右に離間して
洗面ボール2,2が設けられ、この洗面ボール2,2が臨む円
形の開口部１−4,1−４が設けられている。そして、実
施例では洗面ボール2,2の後壁部２−1,2−１が棚板部１
−１迄延出し、これの後端上面部２−2,2−２に吐水金
具、給湯・給水栓等からなる給水器具3,3が設けられて
いる。

４は支持枠で、支持枠４は略立方枠状をなし、前後、
及び左右のメンバからなる下枠部４−１、これの四隅か
ら立設された４本のメンバからなる縦枠部４−２、実施
例では前面を除去した平面視凹型の上枠部４−３で構成
され、角パイプ材やチャンネル材等を組合せて構成され
る。この支持枠４は、幅が上記した洗面ボール２の左右
方向の寸法より若干大きく設定され、上枠部４−３は後
部４−４が後方に延出され、前後方向の長さは、カウン
ター１の棚板部１−１の下面の前後方向を支持するに充
分の長さに設定されている。かかる支持枠４は、実施例
では一つのカウンター１に２個の洗面ボール、給水器具
を並設するタイプなので、同一寸法、同一構造のものを
２個用意する。

５は前面板の一部を構成する開閉扉で、該扉５は左右
の半体５−1,5−１からなり、正面の上部には開閉操作
用の把手５−2,5−２が設けられている。かかる開閉扉
５は、実施例では上記に従い２個用意される。

更に、前面板として、上記した左右の開閉扉5,5間に
配設される中央前面板６、そして左右の開閉扉5,5の各
外側に配設される側部前面板7,8が用意される。

以上の開閉扉５、中央前面板６、側部前面板7,8は何
れも外観を構成するので、化粧板で構成される。

以上に於て、第２図の如く洗面ユニットを組立てる場
合、設置する部屋Ｒの左右の壁W1,W2間の距離Ｌが予め
決められている。カウンター１はこの間の寸法のものを
用意し、一般に、カウンター１は第４図に示すように長
さL1が予め設定され、所定L1寸法が異なるものが複数種
予め製作されており、この中から最適なものを用意す
る。尤も、寸法が合わない場合には、カウンター１の左
右端部を切断し、寸法を適合させても良く、材質が人工
大理石の場合には、比較的容易に切断でき、工場出荷の
段階で予め切断し、現場に搬入する。尚、現場で切断し
ても良く、この場合は、微小寸法合わせとなる。

先ず、カウンター１の上記した左右の洗面ボール2,2
の各下面の両端部から左右に若干離間した位置に、各上
部支持部４−3,4−３の左右の部材が臨むように、２個
の支持枠4,4を配設し、床面Ｆ上に据え付ける。据え付
けに際し、第５図に示すように床面Ｆに対する高さを調
節する必要があり、各支持枠4,4の下枠部４−１の左右
の底部材４−５に高さ調節用ネジ９…を螺合しておき、
該ネジ９…で高さを調節する。各支持枠4,4は、上枠部
の後方に延出した後部４−４を背面の壁W3に埋め込みボ
ルト10で連結、支持せしめる。支持枠4,4の縦枠部４−
２の後部の左右の部材４−6,4−６間には、アングル材
等のクロス部材４−７を架設し、これと壁W3間は離間し
てこの間にスペースがあるので、壁W3の埋め込みボルト
11と該部材４−７とを連杆12で連結する。このように支
持枠4,4を床Ｆ上に据え付け、壁W3に固定する。

以上により、洗面ボール2,2、従って給水器具3,3を離
間して２個並設した一体もののカウンター１は、各洗面
ボール2,2下の両側に支持部材を臨ませた相互に離間せ
る支持枠4,4で、壁W1,W2間の床Ｆ上に据え付けられる。

第５図に示すように、各洗面ボール２の底部の排水部
２−３はトラップ13−１を介して排水管13に接続され、
排水管13は排水本管13−２に接続されている。又、各給
水器具３は、給湯管、給水管14に接続されている。

カウンター１の洗面ボール2,2間の距離は規格的に所
定に設定され、洗面ボール2,2の各下に配設された支持
枠4,4は規格化された寸法に形成され、従って、左右の
前縦枠部材４−8,4−８間の間隔は同一である。かかる
支持枠4,4の該部材４−8,4−８間には扉５を開閉自在に
設ける。扉５は左右の半体５−1,5−１からなり、各半
体５−1,5−１の各外側寄り部分の裏面を上記部材４−
8,4−８にヒンジ金具15…に介して連結し、半体５−1,5
−１を手前側に開くように開閉自在に取付支持する。

扉5,5を前面に取り付けて前面を覆った支持枠4,4間、
即ち、扉5,5間の空間には前面板６を設け、かかる前面
板６は支持枠４、従って、扉5,5間の寸法が規格的に決
められているので規格化されたものを用いることができ
る。第３図は規格化された前面板を示し、縦、横の寸法
a,bは所定に設定されている。上記した扉5,5間の寸法L2
に前面板５の幅ｂを規格化しておけば、前面板６はその
侭用いることができる。

一方、左右の扉5,5の各外側、即ち、左側の扉の左
側、右側の扉の右側は、夫々壁W1,W2との間の距離が異
なる場合がある。即ち、一方がL3で他方がL4のように寸
法が異なる場合がある。上記した前面板６は、その幅ｂ
が上記したように規格的に所定の寸法に設定されてい
る。この幅ｂはL3,L4よりも充分に大きい、そこで、前
面板６を複数枚用意し、上記したようにカウンター１、
支持枠4,4、扉5,5を設置した状態下で、左右の扉5,5
と、壁W1,W2との間の間隔を計り、２枚の前面板の幅を
夫々の寸法に合せて切断する。この作業は、現場でのみ
寸法L3,L4が正確に決定されることから、カウンター
１、支持枠4,4、扉5,5、中間の前面板６を設置した後、
距離L3,L4を計測し、これに合せて２枚の前面板夫々を
各寸法L3,L4に合うようにb1、b2の幅に切断する。

前面板を各寸法b1,b2に切断て側部前面板7,8を得、こ
れを左右の扉5,5の各外側左右に取り付け、扉左右の空
間を覆う。このように、規格化された所定幅の前面板を
予め用意し、これを扉5,5の左右外側に取り付け、第２
図の如き洗面ユニットＡを得る。

第６図は側部前面板の取付構造の一例を示し、例え
ば、側部前面板８の一側端部８−１は、断面略十字型の
取付部材16のコ字型部16−１に嵌装挟入し、部材16は後
方延出片16−２を支持枠４の前縦枠部材４−８にボルト
17で取付支持し、他端部８−２は同様の部材16で同様に
支持し、片16−２を壁W2にボルト18を介して取付支持す
る。壁W2とコ字型部16−１間に隙間が発生下場合にはコ
ーキング材19を充填する。

［効果］ 以上で明らかなように本発明によれば、 洗面ユニットを、壁間の距離が決められている洗面所
や化粧室に据え付けるに際し、洗面ユニットのカウンタ
ーを壁間に合わせ、床には、洗面ボールよりも若干幅の
大きく、これと同数の支持枠を洗面ボールの間隔離間し
て据え付け、これでカウンターの洗面ボール下側を支持
し、支持枠は開閉扉で覆うとともに、この間は洗面ボー
ルの間隔で規格的に決められているので、規格化された
幅の前面板を取り付けて覆い、一方、左右は壁との関係
で変化しても、規格化された前面板を必要な寸法に切断
して取り付ければ良く、従って、壁間の距離が不安定で
あっても、現場で左右の前面板を調節して壁間等に周囲
と違和感なく、壁との取合いも良好に洗面ユニットを設
置することができる。

特に支持枠は、上記のように洗面ボールより若干幅を
大きく設定され、これを個々に洗面ボールの数に合せて
用意し、カウンターの下に離間して据え付け、爾後、
扉、中間前面板を取り付け、そして側部前面板を必要な
幅に切断して取り付けるだけで足り、現場作業において
簡単であり、施工が容易で、且つ、短時間で施工でき、
施工費も低減できる。そして、洗面ユニットが洗面ボー
ル等を複数有する連装、並設式のものであっても、カウ
ンター、支持枠、扉、前面板、側部前面板等規格化する
ことができ、規格化しつつ上記のように簡単に施工で
き、施工の容易化とあい俟ってユニットも量産化、規格
化が大幅に図れ、コストダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は本発明
に係る組立て方法を説明する分解斜視図、第２図は組立
てられた洗面ユニットの正面図、第３図は前面パネルの
正面図、第４図はカウンターの正面図、第５図は洗面ユ
ニットの縦断側面図、第６図は側部前面板の取付構造の
一例を示す拡大横断平面図である。 尚図面中１はカウンター、２は洗面ボール、３は給水器
具、４は支持枠、５は扉、６は中間前面板、7,8は側部
前面板である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−272119（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−142694（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−171280（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−91853（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭52−5706（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A47K 1/00 - 1/14

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗面ボールを支持するに充分の幅の支持枠
   を床上に配設し、該支持枠上にはこれよりも左右方向の
   寸法が大きいカウンターを載置固定し、支持枠の前面に
   は開閉扉を取り付けるとともに、該扉の左右と壁等との
   間には、この間の間隔に切断された左右の側部前面板を
   取り付けたことを特徴とする洗面ユニットの組立て方
   法。
2. 【請求項２】洗面ボールを支持するに充分の幅の支持枠
   を、複数床上に相互に離間して並設し、該複数の支持枠
   上には支持枠間、及びこれの各外側よりも外方に突出す
   る長いカウンターを載置固定し、各支持枠の前面には開
   閉扉を取り付けるとともに、外開閉扉間にはこの間を覆
   う前面板を取り付け、各開閉扉と側方の壁等との間に
   は、この間の間隔に切断された左右の側部前面板を取り
   付けたことを特徴とする洗面ユニットの組立て方法。