JP2762872B2 - 減衰力可変ショックアブソーバ制御装置 - Google Patents

減衰力可変ショックアブソーバ制御装置

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JP2762872B2
JP2762872B2 JP4290164A JP29016492A JP2762872B2 JP 2762872 B2 JP2762872 B2 JP 2762872B2 JP 4290164 A JP4290164 A JP 4290164A JP 29016492 A JP29016492 A JP 29016492A JP 2762872 B2 JP2762872 B2 JP 2762872B2
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明 福島
則之 中島
伸也 竹本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショックアブソーバの
減衰力を調節することによって、車両の加減速時に発生
するスクォート、ノーズダイブを抑制する減衰力可変シ
ョックアブソーバ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特公昭63−63401号
公報には、車体の減速度を演算し、その減速度が基準値
以上となったとき、ショックアブソーバの減衰力を高め
て、車体のノーズダイブを抑制することが開示されてい
る。また、特開昭60−47717号公報には、エンジ
ンの回転速度からエンジン回転加速度を演算し、その加
速度が基準値以上となったとき、ショックアブソーバの
減衰力を高めて車両のスクォートを抑制することが開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ショックアブ
ソーバの減衰力は、車体の姿勢変化を抑制するように働
くので、車体の姿勢が変化する状態に的確に対応して減
衰力を高めることが望ましい。
【0004】しかしながら、従来の装置のように単に車
体の加減速度やエンジン回転加速度が基準値以上である
ときに減衰力を高めてしまうと、ノーズダイブやスクォ
ート等の姿勢変化に対応して減衰力制御を行うことは困
難である。
【0005】なぜならば、本発明者らの検討により、車
両にノーズダイブやスクォート等の姿勢変化が発生する
のは、車体の加減速度の変化の度合いが大きいときであ
ることが明らかとなったためである。
【0006】そこで、特開昭61−150809号公報
や実開平3−1807号公報に開示されるように、車体
に加速度センサを取りつけ、加速度センサから検出され
る車体加速度から車体加速度の変化分を算出し、この加
速度の変化分に基づき、ノーズダイブやスクォート等の
姿勢変化に対応して減衰力制御を行う装置が提案されて
いる。
【0007】しかしながら上記従来の装置では、加速度
の変化分を検出するために、加速度センサからの信号を
用いているため、制御の応答遅れが大きいという問題が
ある。すなわち、ノーズダイブやスクォートは、エンジ
ン回転数の変化や車輪速度に変動が発生した後の車体の
姿勢変化であるので、上記公報の装置のように車体に加
速度を取りつけたものでは、車体に完全な姿勢変化が発
生した後に初めて加速度が検出され、制御が開始された
ときには、既に大きな姿勢変化が発生しているというこ
とになりかねない。
【0008】本願発明者らは上記問題に鑑みて、近年搭
載車両が増加しているアンチスキッド制御装置を備える
車両等に車輪速度センサが装備されていることに着目
し、この車輪速度センサからの信号を用いることによっ
て、従来時のようにわざわざ加速度センサを用いること
なく車体加速度の変化分を検出できることを見出した。
【0009】そこで本発明は、車輪速度センサを用いて
正確に車体加速度の変化分を検出し、この加速度の変化
分に応じてショックアブソーバの減衰力を調節してノー
ズダイブやスクォート等の姿勢変化を防止するサスペン
ション制御装置を提供することを第1の目的とする。
【0010】さらに本発明は、エンジン回転加速度の変
化分を算出し、この変化分に応じてショックアブソーバ
の減衰力を調節してノーズダイブやスクォート等の姿勢
変化を防止するサスペンション制御装置を提供すること
を第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に本発明の第1の減衰力可変ショックアブソーバ制御装
置は、車輪速度を検出する車輪速度センサと、前記車輪
速度センサにて検出された車輪速度信号に含まれる周波
数成分のうち車体の共振周波数よりも大きい周波数成分
除去する除去手段と、前記除去手段によって車体の共
振周波数以下の周波数成分のみとされた車輪速度信号に
基づいて、所定の演算式にて車体前後加速度を算出する
車体加速度算出手段と、前記車体加速度算出手段によっ
て算出された車体前後加速度に基づいて、この車体加速
度の変化分を算出する変化分算出手段と、前記変化分算
出手段によって算出される前記車体加速度の変化分に基
づいてショックアブソーバの減衰力を調節するように制
御信号を出力する制御手段と、前記制御手段からの制御
信号に応じて、前記ショックアブソーバの減衰力を調節
する調節手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】また、本発明の第の減衰力可変ショック
アブソーバ制御装置は、エンジンの回転数を検出するエ
ンジン回転数検出手段と、前記エンジン回転数からエン
ジン回転加速度を算出するエンジン回転加速度算出手段
と、前記エンジン回転加速度からエンジン回転加速度の
変化分を算出する変化分算出手段と、前記エンジン回転
加速度の変化分に基づいてショックアブソーバの減衰力
を調節する調節手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
【作用】上記構成により、請求項1記載の減衰力可変シ
ョックアブソーバ制御装置は、車輪速度センサにて検出
された車輪速度信号に含まれる周波数成分のうち車体の
共振周波数よりも大きい周波数成分を除去し、車体の共
振周波数以下の周波数成分のみとされた車輪速度信号に
基づいて、所定の演算式にて車体前後加速度を算出して
いる。
【0014】ここで、車輪速度信号に含まれる周波数成
分のうち車体の共振周波数よりも大きい周波数成分を除
去する理由について説明する。車輪速度センサによって
検出される車輪速度信号には、車体の共振周波数(バネ
上共振周波数)やバネ下共振周波数を含む様々な周波数
成分が含まれている。前述したように本願発明では、車
体の姿勢変化を抑制するものであるから、車体の共振周
波数よりも大きい周波数成分を含んでいる場合には、正
確な車体の姿勢変化を判断できない可能性が高いすな
わち、バネ下共振周波数成分には、通常路面状態(路面
凹凸等)による車輪挙動変化が現れており、車体の姿勢
変化を検知する妨げとなる。また、このバネ下共振周波
数成分は、車体の共振周波数すなわちバネ上共振周波数
よりも大きい値を取り、且つバネ上共振周波数よりも小
さい共振周波数域は車体加速度を検出する上でほとんど
悪影響を及ぼさないということが出願人の鋭意実験結果
により明らかになった。そこで、除去手段によって車体
の共振周波数よりも大きい周波数成分を除去し、ショッ
クアブソーバによる姿勢制御に用いるべき車体の共振周
波数以下の周波数成分のみを抽出する。
【0015】そして、このように車体の共振周波数以下
の共振周波数成分のみを含む信号に基づいて検知された
車体前後加速度を用いて車体加速度変化分を算出するこ
とにより、正確な車体前後加速度の変化を検出できる。
そして、このように車体前後加速度の変化を見てショッ
クアブソーバの減衰力を調節すれば、実際に抑制すべき
姿勢変化が車両に生じている時を的確に検知しながら適
切な制御を実現できる。また、車両姿勢変化は、車体前
後加速度がー定であれば、たとえ車体前後加速度が正の
方向あるいは負の方向に大きな値であっても、乗員には
それほどのノーズダイブ感覚、スクォート感覚を与えな
い。しかしながらー定の車体前後加速度から加速度変化
があった場合では、たとえ車体前後加速度自体がある程
度小さくても、乗員には大きなノーズダイブ感覚あるい
はスクォート感覚を与える。よって、車体前後加速度の
変化に基づいてショックアブソーバを調節すれば、実際
の車体姿勢変化にあった制御が実現できるに加えて、乗
員が最も姿勢変化を感じる時に適切な制御を実現でき
る。
【0016】また、上記構成により請求項2記載の減衰
力可変ショックアブソーバ制御装置は、エンジン回転数
の変化分に基づいてショックアブソーバの減衰力を調節
するので、実際に抑制すべき姿勢変化が車両に生じてい
るときに、この姿勢変化が乗員にもたらす感覚が強い状
況を的確に検知したタイミングでショックアブソーバの
減衰力を調節することができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の第1実施例について説明す
る。図1は、本発明の第1実施例の構成を示すブロック
図である。
【0018】図1において、電子制御装置(ECU)1
は、CPU1−1,ROM1−2,RAM1−3等から
構成され、所定の演算処理を実行する。車輪速度センサ
2は、少なくとも左右前輪或いは左右後輪に対応して、
各車輪の近傍に配置され、各車輪の回転速度に応じた信
号を出力する。なお、車輪速度センサ2は、もちろん車
両の4輪にそれぞれ設けても良い。この車輪速度センサ
2からの出力信号は入力バッファ4を介してECU1に
入力される。入力バッファ4は、車輪速度センサ2で発
生した信号を波形整形及び増幅してECU1に出力す
る。
【0019】ショックアブソーバ6〜9は、車両の4輪
に対応して車体と車輪との間にそれぞれ設けられてお
り、発生減衰力が変更可能に構成されている。駆動回路
10〜13は、ECU1からの制御信号に応じて、ショ
ックアブソーバ6〜9の発生減衰力を調節する。また、
14はイグニッションスイッチであり、このスイッチが
ONとなったとき、ECU1を含む制御系に電源が供給
される。
【0020】図2は、ECU1が実行する処理内容を示
すフローチャートである。また、図3は、車両の加減速
時の各信号の状態を示す波形図である。図2において、
ステップ100では車輪速度センサ2から出力された信
号に基づいて、左右輪の車輪速度Vl,Vr をそれぞれ演
算する。この車輪速度Vl,Vrは、運転者のアクセル操
作により、例えば図3に示すように増減する。ステップ
110では、ステップ100で演算された左右輪の車輪
速度Vl,Vr の平均速度を演算し、さらにその平均速度
にローパスフィルタ処理(カットオフ周波数3Hz)を
施した速度を、車体速度VBFとして求める。このローパ
スフィルタ処理により、車輪速度に含まれる様々な周波
数成分のうち、バネ上の共振周波数成分のみが抽出され
る。すなむち、車体の姿勢変化に基づく車輪速度信号変
動が抽出されることになる。そして、この車体速度VBF
に基づいて、次式より車体加速度GBFを算出する。
【0021】
【数1】GBF(i) =K・( VBF(i) −VBF(i-1))/T 但し、Tは図2に示すフローチャートの演算周期であ
る。
【0022】この算出された車体加速度GBFは、例えば
図3に示すように変化する。ステップ120では、ステ
ップ110にて算出した車体加速度GBFの所定時間内の
変化分ΔGBFを次式により算出する。
【0023】
【数2】ΔGBF(i) =GBF(i) −GBF(i-1) そして、この車体加速度の変化分ΔGBFに基づいて、シ
ョックアブソーバ6〜9の減衰力の大きさを2レベル
(ソフト,ハード)に切り換える指令信号を出力する処
理200を実行する。
【0024】この指令信号出力処理200について説明
する。まず、ステップ210において減衰力が既にハー
ドに切り換えられているか否かを判定する。ハードに切
り換えられていない場合には、ステップ220に進み、
ハードへの切り換え条件が満足されたか否かを判定す
る。このハード切り換え条件は以下に示す通りである。
【0025】
【数3】アンチスクォート制御 ΔGBF≧kSH1 アンチダイブ制御 ΔGBF<kDH1 すなわち、図3に示すように車体加速度の変化分ΔGBF
がアンチスクォート制御のための切換基準値kSH1 以上
となったとき、或いはアンチダイブ制御のための切換基
準値kDH1 より小さくなったときに減衰力をハードに切
り換える。なお、実際に減衰力をハードに切り換えるに
は、上記条件が複数回連続して満足された場合としても
良い。
【0026】ステップ220にて、車体加速度の変化分
ΔGBFがスクォート切換基準値kSH 1 よりも小さい、或
いはダイブ切換基準値kDH1 以上であると判定される
と、ステップ240に進み、減衰力をソフトとする指令
信号を出力し、本ルーチンを終了する。一方、車体加速
度の変化分ΔGBFがスクォート切換基準値kSH1 以上と
判定されるか、或いはダイブ切換基準値kDH1 よりも小
さいと判定されると、ステップ250に進み、減衰力を
ハードとする指令信号を出力し、本ルーチンを終了す
る。
【0027】また、ステップ210において、減衰力が
ハードに切り換えられていると判定されると、ステップ
230に進み、アンチスクォート制御或いはアンチダイ
ブ制御におけるソフトへの復帰条件が満足されたか否か
を判定する。このソフト復帰条件は以下に示す通りであ
る。
【0028】
【数4】アンチスクォート制御 ΔGBF<kSH2 アンチダイブ制御 ΔGBF≧kDH2 すなわち、アンチスクォート制御時には、車体加速度の
変化分ΔGBFがスクォート復帰基準値kSH2 よりも小さ
くなったとき、アンチダイブ制御時には、ダイブ復帰基
準値kSH2 以上となったときに減衰力をソフトに切り換
える。なお、この復帰条件としては、図3に示すよう
に、 スクォート復帰基準値kSH2 をスクォート切換基準値
SH1 よりも小さくする(ダイブ復帰基準値kDH2 をダ
イブ切換基準値kSH1 よりも大きくする)。 車体加速度の変化分ΔGBFがスクォート復帰基準値k
SH2 よりも小さくなった(ダイブ復帰基準値kDH2 以上
となった)時間が所定時間Td 継続したとき減衰力をソ
フトに切り換える。
【0029】等の条件を付加することにより、車体加速
度の変化分ΔGBFの大きさが確実に小さくなったとき
に、減衰力をソフトに切り換えることができる。なお、
上記の条件は、何方か一方だけを付加してもよく、上記
所定時間Td に関しては、車速が大きくなるほど長くす
る、或いは車体加速度の変化分ΔGBFのピーク値が大き
くなるほど長くする等、その時間を可変としても良い。
【0030】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。上述の第1実施例では、車体加速度の変化分ΔGBF
に基づき、アンチスクォート制御及びアンチダイブ制御
を行っていたが、第2実施例では、エンジン回転加速度
dNeの変化分ΔdNeに基づいてアンチスクオート制
御及びアンチダイブ制御を行う。
【0031】特に手動変速機を備える車両においては、
エンジン回転速度Neは、車両の速度の上昇とほぼ同様
に上昇する。このため、エンジン回転加速度dNeは、
車両の加速度に対応する信号とみなすことができる。し
かも、車体加速度の変化分ΔGBFに代えてエンジン回転
加速度の変化分ΔdNeを用いてアンチスクォート制御
を行うと、より早く車両の姿勢変化(スクォート)を捉
えて、減衰力を高めることができるという効果がある。
【0032】つまり、図4に示すように、運転者がアク
セル操作を開始してエンジンのスロットルバルブが開か
れると、まずエンジンの吸気管圧力Pmが上昇し、僅か
に遅れてエンジン回転数Neが上昇する。エンジンが発
生する駆動トルクは、このエンジン回転数Neの上昇と
ほぼ同時に増加し始め、エンジン回転数の上昇割合が低
下すると徐々に減少していく。
【0033】ここで、スクォートが発生する際の車両の
姿勢変化と駆動トルクTとの関係について説明する。車
両にスクォートを発生させる力をスクォート力Ws,車
体の重心から駆動輪までの距離をl,車体の重心から路
面までの距離をh,駆動輪のイナーシャをIとすると、
スクォート力Wsは次式より算出される。
【0034】
【数5】Ws=h×(T−I×dω)/l すなわち、スクォート力Wsは、駆動トルクTからイナ
ーシャIを有する駆動輪を回転させるために要する力を
減じた力(T−I×dω)に比例する。このため、スク
ォートを適切に防止するためには、駆動トルクが上昇し
始めたときに減衰力を高めることが望ましい。
【0035】この駆動トルクTとスクォート力Ws、及
び駆動輪速度Vωとの関係を図5に示す。図5から明ら
かなように、駆動トルクTの上昇とともにスクォート力
Wsも上昇し、その後両者はほぼ同様に変化する。一
方、駆動輪速度Vωは、駆動トルクT及びスクォート力
Wsの上昇から僅かに遅れて(約0.1秒)、増加し始
める。
【0036】従って、駆動輪速度のような車輪速度Vに
基づく車体加速度の変化分ΔGBFに基づいてアンチスク
ォート制御を行うと、車両の姿勢変化の初期に遅れが生
ずることは避けられない。しかし、上述したようにエン
ジン回転数Neは、駆動トルクTとほぼ同時に上昇を開
始するため、このエンジン回転数Neに基づくエンジン
回転加速度の変化分ΔdNeを用いてアンチスクォート
制御を行うと、その遅れを低減することが可能となる。
【0037】この第2実施例では、図6に示すように、
第1実施例の車輪速度センサに代えて、エンジン(図示
せず)の回転数を検出するエンジン回転数センサを設け
る。このエンジン回転数センサ3からの出力信号も、入
力バッファ5を介して波形整形及び増幅された後にEC
U1に入力される。
【0038】第2実施例におけるECU1の処理内容を
示すフローチャートを図7に示す。図7において、ステ
ップ300では、エンジン回転数センサ3からの出力信
号に基づいて、エンジン回転数Neを演算する。ステッ
プ310では、ステップ300にて演算されたエンジン
回転数Neに基づき、次式よりエンジン回転加速度dN
eを算出する。
【0039】
【数6】dNe(i) =(Ne(i) −Ne(i-1))/T なお、Tは演算周期である。
【0040】ステップ320では、ステップ310で演
算されたエンジン回転加速度dNeに基づき、次式より
エンジン回転加速度dNeの所定時間内の変化分ΔdN
eを算出する。
【0041】
【数7】ΔdNe(i) =ΔdNe(i) −ΔdNe(i-1) ステップ330では、ステップ320にて演算されたエ
ンジン回転加速度dNeの所定時間内の変化分ΔdNe
に基づき、減衰力切換指令信号出力処理を実行する。こ
の処理は、基本的に第1実施例の指令信号出力処理20
0と同様であり、ハード切り換え条件及びソフト復帰条
件のみが若干相違する。
【0042】第2実施例におけるハード切り換え条件
は、次式に示す通りである。
【0043】
【数8】ΔdNe≧kSH3 すなわち、エンジン回転加速度の変化分ΔdNeが切換
基準値kSH3 以上となったとき、減衰力をハードに切り
換える。
【0044】なお、上記のハード切り換え条件に、車速
条件を付加しても良い。つまり、例えば、車速が20k
m/h以下の低車速域にあるときにのみ、上記ハード切
り換え条件を判別して、減衰力の切り換えを行うように
する。これは、車両にスクォートが発生するのは、低車
速域から急加速するときがほとんどであり、中高速域で
はスクォートが発生することは稀であるとの事実に基づ
いている。そして、アンチスクォート制御による減衰力
のハードへの切り換え条件をより限定することにより、
ハードへの切り換え頻度を減少させて、乗り心地の向上
を図ることができる。
【0045】一方、ソフト復帰条件は、次式に示すよう
に、エンジン回転加速度の変化分ΔdNeが復帰基準値
SH4 よりも小さくなることである。
【0046】
【数9】ΔdNe<kSH4 この復帰条件に関しては、第1実施例で説明したと同様
に、その継続時間や復帰基準値kSH4 のレベルによりさ
らに条件を付加することができる。
【0047】以上説明したように、エンジン回転加速度
の変化分ΔdNeによるスクォート制御は、車両にスク
ォートが発生してから制御を開始するまでの遅れを減少
させる上で有効である。
【0048】ただし、自動変速機を備える車両において
は、エンジンと駆動輪との間に存在するトルクコンバー
タの働きにより、エンジン回転数と車速とが正確に対応
しない場合がある。これは、特にエンジン回転数が急激
に上昇したとき等にトルクコンバータにすべりが発生す
るためである。しかし、この現象を逆に利用すれば、車
両のスクォートの発生をより簡単に検知することが可能
になる。
【0049】すなわち、自動変速機(トルクコンバー
タ)を備える車両では、エンジン回転数が急激に上昇す
ると、トルクコンバータにすべりが発生するため、駆動
トルクTが駆動軸(ドライブシャフト)に伝達されるま
でに時間的な遅れがある。このため、敢えてエンジン回
転加速度の変化分ΔdNeを算出しなくとも、エンジン
回転数の速度変化、すなわちエンジン回転加速度dNe
によりその後の駆動トルクTの上昇が検出できるため
(駆動トルクTと車体加速度GBFとは対応関係にあり、
駆動トルクTが上昇するときには、車体加速度GBFも上
昇する)、エンジン回転加速度Neに基づいて、適切な
アンチスクォート制御を行うことができる。
【0050】この場合のECU1における処理として
は、図7に示すフローチャートのステップ320の処理
を省略し、ステップ310で算出されたエンジン回転加
速度dNeを直接基準値と比較すれば良い。このため、
ECU1における処理内容を簡略なものとすることがで
きる。以上、エンジン回転加速度dNe,又は、その変
化分ΔdNeが正の所定値以上のときアンチクォート制
御したが、逆に負の所定値以下のときエンジンブレーキ
を判定し、アンチダイブ制御してもよい。
【0051】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。上記第1実施例では、車体加速度の変化分ΔGBFに
基づき、アンチスクォート制御及びアンチダイブ制御を
行い、第2実施例では、エンジン回転加速度dNeの変
化分ΔdNeに基づいてアンチスクオート制御を行うこ
とについて説明した。
【0052】第3実施例では、この第1実施例と第2実
施例とを組み合わせてアンチスクォート制御を行うもの
である。この場合、図8に示すように、アンチスクォー
ト制御の開始は主にエンジン回転加速度dNeの変化分
ΔdNeによって規定され、その終了は主に車体加速度
の変化分ΔGBFによって規定される。この車体加速度の
変化分ΔGBFが小さくなれば、実際に車両に発生するス
クォート力も低下する。このため、第3実施例によれ
ば、より早く車両の姿勢変化(スクォート)を捉えてシ
ョックアブソーバの減衰力を高めることができるととも
に、その減衰力を高めた状態を車体の姿勢変化を防止す
る必要がある時点まで確実に維持することが可能にな
る。
【0053】この第3実施例における構成は、車輪速度
センサとエンジン回転数センサとの両者を備える点のみ
が、上述の第1,第2実施例と異なり、その他の構成は
同様である。
【0054】第3実施例における、ECU1の処理内容
を図9に示す。図9において、ステップ400では車輪
速度が、ステップ410では車体加速度が、ステップ4
20では車体加速度の変化分ΔGBFが演算される。ま
た、ステップ430ではエンジン回転数が、ステップ4
40ではエンジン回転加速度が、ステップ450ではエ
ンジン回転加速度の変化分ΔdNeが演算される。
【0055】そして、これら車体加速度の変化分ΔGBF
及びエンジン回転加速度の変化分ΔdNeに基づいて、
ショックアブソーバ6〜9の減衰力の大きさを2レベル
(ソフト,ハード)に切り換える指令信号を出力する処
理500を実行する。
【0056】ステップ510では、既に減衰力がハード
に切り換えられているか否かを判定し、ハードに切り換
えられていないときには、ステップ520に進む。ステ
ップ520では、エンジン回転加速度の変化分ΔdNe
が切換基準値kSH3 以上となったか否か、またステップ
530では、車体加速度の変化分ΔGBFが切換基準値k
SH1 以上となったか否かを判定する。そして、ステップ
520,530での判定において、何方か一方でも満足
されればステップ580に進んで、減衰力をハードに切
り換える。一方、ステップ520,530の条件がいず
れも満たされなかったときには、ステップ540に進
み、減衰力をソフトにする。
【0057】また、ステップ510において、減衰力は
ハードに切り換えられていると判定されると、ステップ
550に進む。ステップ550では、エンジン回転加速
度の変化分ΔdNeが復帰基準値kSH4 よりも小さいか
否かを判定し、ステップ560では、車体加速度の変化
分ΔGBFが復帰基準値kSH2 よりも小さいか否かを判定
する。そして、ステップ550,560での判定におい
て、何方か一方でも満足されなければ、ステップ580
に進んで、減衰力をハードのままとする。一方、ステッ
プ550,560の条件がいずれも満たされた場合に
は、ステップ570に進み、両者の条件が満足されてか
ら所定時間Tdが経過したか否かを判定する。そして、
所定時間Td経過していればステップ540に進んで減
衰力をソフトに切り換え、経過していなければステップ
540に進んで減衰力をハードのままに維持する。
【0058】なお、前述したように、アンチスクォート
制御の開始は主にエンジン回転加速度dNeの変化分Δ
dNeによって規定され、その終了は主に車体加速度の
変化分ΔGBFによって規定される。このため、減衰力の
ハードへの切換条件として、ステップ520の処理のみ
を実行し、ステップ530の処理を省略しても良い。ま
た、減衰力のソフトへの復帰条件として、ステップ56
0の処理のみを実行し、ステップ550の処理を省略し
ても良い。これにより、ECU1における演算処理を簡
略化することが可能になる。
【0059】また、前述の第2実施例及び第3実施例で
は、エンジン回転加速度dNeの変化分ΔdNeに基づ
き、アンチスクォート制御を行うようにしていたが、こ
のエンジン回転加速度dNeの変化分ΔdNeに代え
て、エンジンの吸気管圧力Pmの微分値の変化分ΔdP
mを用いることも可能である。前述したように、エンジ
ンの吸気管圧力Pmの上昇とエンジン回転数Neの上昇
には関連があり、吸気管圧力Pmの方が僅かに早く上昇
する。
【0060】また、自動変速機(トルクコンバータ)を
備える車両では、第2実施例で述べたのと同様の理由
で、エンジン回転加速度の変化ΔdNeの代わりに、エ
ンジン回転加速度dNeを用いても良い。
【0061】次に本発明の第4実施例について説明す
る。前述の第3実施例では、車体加速度の変化分ΔGBF
とエンジン回転加速度dNeの変化分ΔdNeとを組み
合わせて、アンチスクオート制御を行っていたが、第4
実施例では、車体加速度の変化分ΔGBFとストップスイ
ッチからの信号とを組み合わせて、アンチダイブ制御を
行うものである。
【0062】このため、第4実施例では、図10に示す
ように第1実施例の構成に加えて、ストップスイッチ1
5を設ける。このストップスイッチ15は、運転者がブ
レーキペダルを踏み込んだとき信号を出力するものであ
る。
【0063】第4実施例では、車体加速度の変化分ΔG
BFに加え、ストップスイッチ15からの信号を用いてア
ンチダイブ制御を行うようにしたため、応答性に優れた
アンチダイブ制御を行うことが可能となる。すなわち、
図11に示すように、制動開始時或いは制動終了時に減
衰力を即座に高めることができるため、その後に発生す
る車両の姿勢変化(ダイブ及びダイブからの復帰)を確
実に防止するができる。
【0064】第4実施例において、ECU1が実行する
処理内容を図12に示す。図12において、ステップ6
00からステップ620までの処理により、前述の第1
実施例と同様に、車体加速度の変化分ΔGBFを演算す
る。ステップ630にて、ストップスイッチ信号を取り
込み、前回取り込んだストップスイッチ信号からレベル
が変化したか否かを検出する。
【0065】このストップスイッチ信号のレベル変化と
車体加速度の変化分ΔGBFとに基づき、減衰力切換指令
信号出力処理700を実行する。この指令信号出力処理
700では、まずステップ710において、既に減衰力
がハードに切り換えられているか否かを判定する。ハー
ドに切り換えられていない場合にはステップ720に進
み、ストップスイッチ信号のレベル変化があったか否か
を判定する。レベル変化があった場合には、ステップ7
70に進み減衰力をハードに切り換える。一方、レベル
変化がなかった場合には、ステップ730に進み、車体
加速度の変化分ΔGBFに基づき、減衰力のハードへの切
換条件が満足されたか否かを判定する。またステップ7
50,760での処理は、車体加速度の変化分ΔGBFに
基づき減衰力のソフトへの復帰判定を行うもので、前述
の第1実施例等と同様である。
【0066】以上のように、第4実施例では、ストップ
スイッチ信号のレベル変化に応じて即座に減衰力を高
め、その後、車体加速度の変化分ΔGBFに応じて減衰力
をソフトへ切り換えるようにしたため、応答性に優れ、
かつ車体の姿勢変化に的確に対応したアンチダイブ制御
を行うことが可能になる。
【0067】なお、ストップスイッチ信号のレベル変化
によって減衰力を高める処理は、例えば車両の速度が6
0km/h以上のときに限定して実行しても良い。これ
は、高速時に運転者が制動を行う場合は、大きな姿勢変
化(ダイブ)が発生する可能性が大きい(例えば、急制
動の場合が多い)ためである。
【0068】また、アンチダイブ制御の開始時は、スト
ップスイッチ信号のレベル変化のみによって判別しても
よい。この場合、図12のフローチャートのステップ7
30の処理を省略することができる。
【0069】次に、本発明の第5実施例について説明す
る。第5実施例では、前述の第1実施例と同様に車体加
速度GBFと車体加速度の変化分ΔGBFを演算し、両者を
組み合わせてアンチスクォート制御及びアンチダイブ制
御を行うものである。この第5実施例について、アンチ
スクォート制御を例にとって説明する。
【0070】すなわち、図13に示すように、車体加速
度の変化分ΔGBFと比較するためのハード切換基準値k
0,及びソフト復帰基準値k1 を、車体加速度GBFに基づ
いて設定する。ハード切換基準値k0,及びソフト復帰基
準値k1 と車体加速度GBFとの関係は、図13から明ら
かなように、車体加速度GBFが大きくなるほど、ハード
切換基準値k0,及びソフト復帰基準値k1 が小さくなる
ようにマップが設定されている。このため、車体加速度
GBFが大きくなるほど、減衰力がハードに切り換えられ
易くなり、小さな車両の姿勢変化をも抑制することがで
き、車両の走行安定性が向上する。
【0071】この第5実施例において、ECU1が実行
する処理内容を図14のフローチャートに示す。なお、
このフローチャトは、図2に示すフローチャートと車体
加速度の変化分ΔGBFを演算するまでの処理が同一であ
るため、その処理については省略している。
【0072】図14において、ステップ800では、図
13に示す如き、予め設定され記憶されたマップに従っ
て、車体加速度GBFに基づいて、減衰力をハードに切り
換えるための切換基準値k0 及び減衰力をハードからソ
フトへ復帰させるための復帰基準値k1 を決定する。ス
テップ810から860までの処理は、前述の第1実施
例等と同様に、車体加速度の変化分ΔGBFをそれぞれの
基準値k0 ,k1 と比較して、減衰力を切り換えるもの
である。
【0073】なお、上述の説明では、車両の加速時に発
生するスクォートを抑制するための処理について説明し
たが、車両の減速時に発生するダイブも同様の処理によ
り抑制することができる。
【0074】また、図15に示すように、低車速域,中
車速域,高車速域等の車速域に応じて複数のマップを設
定するようにしても良い。この場合、車速域が高くなる
ほど、より小さな車体加速度GBFで、ハード切換基準値
0,及びソフト復帰基準値k 1 が小さくなるように設定
する。これにより、さらに中高速域において、減衰力が
ハードに切り換えられやすくなるので、車両の走行安定
性のさらなる向上を図ることができる。
【0075】また、第5実施例では、車体加速度GBFと
車体加速度の変化分ΔGBFを演算し、両者を組み合わせ
てスクォート制御及びダイブ制御を行ったが、エンジン
回転加速度dNeとエンジン回転加速度の変化分ΔdN
eとを演算し、両者を組み合わせても同様の制御ができ
ることはいうまでもない。
【0076】次に、本発明の第6実施例について説明す
る。前述の第5実施例では、車体加速度GBFと車体加速
度の変化分ΔGBFとを組み合わせてスクォート制御及び
ダイブ制御を行っていたが、第6実施例では、車体加速
度GBFによってサスペンションのばね定数を調節し、か
つ車体加速度の変化分ΔGBFによってサスペンションの
減衰力を調節するものである。
【0077】このため、第5実施例では、サスペンショ
ンのばね定数と減衰力とをそれぞれ独立に調節できるシ
ステムが前提となる。このシステムの一例を、図16に
示す。図16において、30〜33は内部に空気室を有
するエアスプリングであり、その空気室の圧力を調節す
ることにより、ばね定数を変更することができる。34
は、エアコンプレッサを含む空気圧調節装置であり、エ
アスプリング30〜33の空気圧を調節する。この空気
圧調節装置34は、ECU1からの指令信号に応じた空
気圧を発生する。
【0078】第5実施例における、ECU1が実行する
処理内容を図17のフローチャートに示す。なお、この
フローチャトは、図2に示すフローチャートと車体加速
度の変化分ΔGBFを演算するまでの処理が同一であるた
め、その処理については省略している。
【0079】図17において、ステップ900から95
0までの処理は、前述の第1実施例等と同様に、車体加
速度の変化分ΔGBFをそれぞれの基準値と比較して、減
衰力を切り換えるものである。
【0080】ステップ960では、既にばね定数がハー
ドに切り換えられているか否かを判定し、ハードに切り
換えられていないときには、ステップ970に進む。ス
テップ970では、車体加速度GBFが加速基準値FSH1
以上となったか否か、或いは減速基準値FDH1 よりも小
さくなったか否かを判定する。この判定において、何方
か一方の条件でも満足されればステップ1010に進ん
で、ばね定数をハードに切り換える。一方、いずれの条
件も満たされなかったときには、ステップ980に進
み、ばね定数をソフトにする。
【0081】また、ステップ960において、ばね定数
はハードに切り換えられていると判定されると、ステッ
プ990に進む。ステップ990では、車体加速度GBF
が加速復帰基準値FSH2 よりも小さいか否か、或いは減
速復帰基準値FDH2 以上となったか否かを判定する。そ
して、どちらの条件も満足されなければ、ステップ10
10に進んで、減衰力をハードのままとする。一方、ど
ちらかの条件が満足された場合には、ステップ1000
に進み、その条件が満足されてから所定時間TdG が経
過したか否かを判定する。そして、所定時間TdG 経過
していればステップ980に進んで減衰力をソフトに切
り換え、経過していなければステップ1010に進んで
減衰力をハードのままに維持する。
【0082】このような制御により、ダイブ,スクォー
ト等の車体の姿勢の変動を抑制するとともに、車体の姿
勢が実際に変動していないときの姿勢をも安定した状態
に保持することができる。つまり、車体加速度の変化分
ΔGBFが小さく、車体の姿勢があまり変動していないと
きには、各エアスプリング30〜33のばね力と車体と
が釣り合った状態にあると考えられる。このとき、車体
加速度GBFが大きくなるほど、各エアスプリング30〜
33のばね力を強く(ばね定数をハードにする)すれ
ば、車体の姿勢はより水平に近い傾きで安定するのであ
る。
【0083】なお、前述の第6実施例では、エアスプリ
ングの空気圧によりバネ定数を変更する例について説明
したが、車体加速度GBFに応じてスタビライザの捩じり
弾性力を変更してもよい。このように、捩じり弾性力を
調節可能なスタビライザは公知であるため、その構成の
説明は省略する。
【0084】また、上述の第1実施例〜第6実施例で
は、減衰力の大きさを2レベルに切り換えるようにして
いたが、3レベル以上に切り換えるようにしても良い。
この場合、減衰力の大きさのレベルに応じて各基準値を
設定し、それぞれ車体加速度の変化分ΔGBFの大きさや
エンジン回転加速度の変化分ΔdNeと比較する。例え
ば、第1実施例において、減衰力の大きさをソフト,ミ
ディアム,ハードの3レベルに切り換える場合には、ミ
ディアムに対応したスクォート切換基準値kSM1,復帰基
準値kSM2 は、ハードに対応したスクォート切換基準値
SH1,復帰基準値kSH2 よりもそれぞれ小さい値に設定
する。そして、車体加速度の変化分ΔGBFが、ミディア
ムに対応したスクォート切換基準値kSM1 以上となり、
かつハードに対応したスクォート切換基準値kSH1 より
も小さい場合には、減衰力をミディアムに切り換える。
【0085】次に、第7実施例について説明する。第7
実施例は、エンジン回転加速度(又は、その変化分)を
用いてアンチスクォート制御を行う第2実施例に対し、
エンジン始動時の誤作動を防止するため、下記減衰力切
換許可条件,が、ともに成立するまでの間、アンチ
スクォート制御を禁止することを特徴とする。
【0086】エンジン回転数Ne≧kNE(例えば、k
NE=500rpm) 上記条件が成立後、初めて車体速度が車体速度VBF
≧kVB(例えば、kVB=10km/h)となった時。
【0087】本実施例の構成は第2実施例と同様であ
る。本実施例におけるECU1の処理内容を図18のフ
ロチャートに基づき第2実施例との差違を中心に説明す
る。
【0088】ステップ322で車輪速センサ(第1実施
例と同様の)信号から第1実施例と同様にして車体速度
BFを演算する。ステップ324で前述の減衰力切換許
可条件,がともに成立するか否かを判定し、不成立
時は減衰力を切換えず、本ルーチンを終了し、一方、ス
テップ324で減衰力切換許可条件,がともに成立
していると判定した場合、ステップ330に進み、エン
ジン回転加速度(又は、その変化量)に基づいて減衰力
切換指令信号を出力する。
【0089】尚、ステップ324にて減衰力切換許可条
件不成立であると判定された時には、ルーチンを終了す
る代わりに図8に示す切換基準値kSH3 を大きな値に置
換する手段を備える事により基準値kSH3 を大きな値に
補正した後、ステップ330に進み、結果的に減衰力を
切換えないような構成としてもよい。
【0090】また、前記切換許可条件,に代えて、
以下の条件を用いてもよく、その場合車輪速センサー
及び車体速度演算(ステップ322)手段を構成要素か
ら廃除できる。
【0091】エンジン回転数≧kNE(例えば500r
pm)が所定時間(例えば3sec)継続。 次に、第8実施例について説明する。第8実施例では第
3実施例に対し、エンジン始動時の誤作動を防止するた
め前記減衰力切換許可条件,がともに成立するまで
アンチスクォート制御を禁止することを特徴とし、構成
は第3実施例と同様である。
【0092】次に、図19に示すフローチャートに基づ
き第3実施例との差違を中心に説明する。ステップ46
0で車体速度VBFを第1実施例と同様にして演算する。
ステップ470で前記減衰力切換許可条件,がとも
に成立するか否かを判定し、不成立時にはステップ54
0に進み減衰力をソフトのまま切換えない。一方、ステ
ップ470で減衰力切換許可条件,がともに成立す
るとステップ510に進み、第3実施例と同様にエンジ
ン回転加速度の変化分ΔdNe及び、車体加速度の変化
分ΔGBFに応じて減衰力を切換えるアンチスクォート制
御を行う。
【0093】また、ステップ470で減衰力切換許可条
件が不成立時に、ステップ530に進む様な処理とする
事により、少なくとも車体加速度の変化分ΔGBFに応じ
て減衰力を制御してもよい。この制御方法によればエン
ジン始動直後の車両スクォート状態を前記エンジン回転
加速度は用いず前記ΔGBFのみにより検出して、減衰力
制御を行うことができるので、エンジン始動直後の発進
時も車両スクォートを抑制できる。
【0094】なお、前記切換許可条件,に代えて、
前述のように条件を用いてもよい。次に、第9実施例
について説明する。
【0095】第9実施例では、エンジン回転加速度Δd
Neの代わりにスロットル開度θの変化分Δθを前記車
体加速度の変化分ΔGBFと組合せてスクォート制御を行
う特徴とする。
【0096】従って本実施例では、スロットルセンサを
備えた構成となっている。本実施例におけるECU1の
処理内容を図20に示す。以下第3実施例と同じ処理内
容のステップには同一のステップ番号を付し説明を省略
する。
【0097】ステップ422及び424にてスロットル
センサ信号からスロットル開度θ及び、単位時間当りの
スロットル開度の変化分Δθを演算する。以下、前記ス
ロットル開度の変化分Δθ及び車体加速度の変化分ΔG
BFに基づいてショックアブソーバ減衰力の大きさを2レ
ベル(ソフト,ハード)に切換える指令信号を出力する
処理500Aを実行する。ステップ500Aでは第3実
施例のステップ520,550が各々ステップ525,
555に置き換わり、他は同じであるので、ステップ5
25,555のみ説明する。
【0098】ステップ525では前記スロットル開度の
変化分Δθ切換え基準値kSHS 以上となったか否かを判
定する。また、ステップ555では前記スロットル開度
の変化分Δθが復帰基準値ksh6 よりも小さいか否かを
判定する。
【0099】これにより、スロットル開度の変化分Δθ
によって車両姿勢変化前に減衰力切換制御が可能であ
り、さらに、前記車体加速度の変化分ΔGBFによって車
両姿勢変化が収まったタイミングで制御を終了すること
が可能である。
【0100】尚、減衰力の切換えは2段階に限定される
ものではなく、多段又は連続的に切換えてもよい。次
に、第10実施例について説明する。
【0101】エンジン回転加速度(又は、その変化量)
を用いてアンチスクォート制御を行う第2実施例に対
し、第10実施例では車体速度情報を組合わせて減衰力
を切換える構成とし、本来スクォートが起こりにくい車
速領域での不要な減衰力切換えを防止することを特徴と
する。また、本実施例における構成は、車輪速度センサ
とエンジン回転数センサとの両方を備える点が前述の第
1,第2実施例と異なり他の構成は同様てある。
【0102】本実施例におけるECU1の処理内容を図
21に示す。以下、第2(又は、第1)実施例との差違
を中心に説明し、同一処理内容については同一のステッ
プ番号を付し説明を省略する。
【0103】ステップ100にて左右車輪速度Vl,V
rを演算し、ステップ105にて上記車輪速度Vl,V
rの平均値にローパスフィルタ処理(カットオフ周波数
c=3HZ)を施し車体速度VBFを求める。
【0104】ステップ300にてエンジン回転数Ne演
算後、ステップ310にてエンジン回転加速度dNe
(及び、エンジン回転加速度の変化分ΔdNe)を演算
する。ステップ335にて、まず第2の実施例と同様に
dNe(又は、ΔdNe)に応じて減衰力をハードに切
換えるか否かを判定し、車体速度VBFが所定値A(例え
ば50km/h )未満であれば、dNe(又は、ΔdN
e)での判定結果に応じて減衰力を切換えるが、逆に車
体速度VBFが所定値A以上であれば、上記dNe(又
は、ΔdNe)での判定結果に関わらず、減衰力の切換
えを行わない。また、既にスクォート制御中で減衰力が
ハードの場合は、チャタリング防止のために制御終了条
件として設けた所定値B(例えば70km/h )以上のと
き減衰力をソフト状態に戻す。
【0105】以上のように、本実施例では、中高速領域
においては、スクォート制御中であってもスクォート制
御を終了し、所定の減衰力レベルに戻すので、中高速領
域での不要なスクォート制御を禁止し、乗り心地を向上
させることができる。
【0106】なお、上記制御終了条件として以下の条件
を加えてもよい。エンジン回転加速度が所定値(例えば
2400rpm/s )未満の状態が所定時間(例えば0.6
sec )継続した。
【0107】また、本実施例では、減衰力を単にソフ
ト,ハードの2段階に設定するショックアブソーバを対
象としているが、これに限定されるものではなく、例え
ば、運転者の好みによってノーマルオートモードあるい
はスポーツオートモードが選択できる2種類のモードが
用意されたショックアブソーバでは、ノーマルオートモ
ードが選択されているときには、スクォート制御中はハ
ード、スクォート制御中ではない時はソフトとし、一方
スポーツオートモードが選択されているときには、スク
ォート制御中はハード,制御中でないときはミディアム
ソフトとしてスポーツ走行を楽しめるようにしてもよ
い。
【0108】次に、第11実施例について説明する。本
実施例では、路面凹凸状態(悪路)推定信号を用いたダ
イブ,スクォート制御を行う。すなわち本実施例は前記
ダイブ,スクォート制御においてダイブ,スクォート判
定のしきい値を路面状態信号によって補正することを特
徴とする。
【0109】そのために、本実施例ではスロットルが開
かれているか否かを検出するスロットル開度スイッチ,
ブレーキペタルが踏まれているか否かを検出するストッ
プスイッチを備える。
【0110】以下、本実施例における制御を図22のフ
ローチャートを用いて説明する。まず、ステップ111
0において車輪速度VW を取り込む処理を行う。そし
て、ステップ1120において上記ステップ1110に
て取り込まれた車輪速度V W から推定車体速度VB を算
出する。具体的な演算方法としては、4輪の車輪速度の
最大速度を推定車体速度VB とする。また、旋回中を考
慮して左右輪速度の平均を推定車体速度VB としても良
い。さらにこの推定車体速度VB に基づいて、前後方向
加速度dVB を算出する。
【0111】ステップ1130では、バネ上の共振周波
数である1〜2HZ のバンドパスフィルタ(B.P.
F)処理をステップ1110にて取り込まれた車輪速度
W に施すとともにフィルタ処理した速度信号を増幅し
てバネ上振動推定信号VUSを算出する。算出されたバネ
上振動推定信号VUSは、図23(b)に示すようにな
る。ステップ1140では、ステップ1110にて取り
込まれた車輪速度VW の時間変化率を求めることによっ
て、車輪加速度dVw を算出する。ステップ1150で
は、バネ下の共振周波数成分である10〜15HZ より
も大きい20HZ 付近のローパスフィルタ処理を車輪加
速度dVW 信号に施すとともに、フィルタ処理した加速
度信号を増幅してフィルタ処理車輪加速度dVa を算出
する。算出されたフィルタ処理車輪加速度dVa は、図
23(c)に示すようになる。ステップ1160では、
フィルタ処理車輪加速度dVa 信号に全波整流を施すこ
とによって、フィルタ処理車輪加速度速度絶対値dVb
を算出するとともに、このフィルタ処理車輪加速度絶対
値dVb に所定の時定数(例えば、0.5sec程度)
のフィルタ処理によって上記フィルタ処理車輪加速度絶
対値dVb を平滑処理して路面状態信号dVspを算出す
る。フィルタ処理車輪加速度絶対値dVb は図23
(d)、路面状態信号dVSPは図23(e)に示すよう
になる。
【0112】ステップ1110〜1160において、車
輪速度VW ,推定車体速度VB ,前後方向加速度dVB
バネ上振動推定信号VUS,車輪加速度dVW ,フィルタ
処理車輪加速度dVa ,フィルタ処理車輪加速度絶対値
dV、路面状態信号dVSPが求められるとステップ11
70以下に進む。
【0113】ステップ1170では、スロットル開度ス
イッチから、スロットル開度判定THR、ストップスイ
ッチからストップスイッチ信号STPを取り込む。その
後ステップ1180に進み、路面状態信号dVSPをしき
い値と比較することにより、路面の凹凸状態を判定す
る。ステップ1180を詳細に説明すると、図24に示
すように、路面状態信号dVSP<しきい値L3のとき
は、バネ下の共振周波数の振動成分が小さく、凹凸のな
い良路と判定して路面レベルx=aとする。しきい値L
3≦路面状態信号dVSP≦しきい値L4のときは、普通
路と判定して路面判定レベルx=bとする。路面状態信
号dVSP>しきい値L4のときは、悪路と判定して路面
判定レベルx=cとする。なお、チャタリングを防止す
るために、路面状態信号dVSP<しきい値L4’となっ
てから所定時間t4経過した後に路面判定レベルxがc
からbに変化する。また路面状態信号dVSP<しきい値
L3’となってから所定時間t3経過した後に路面判定
判定レベルがbからaに変化する。
【0114】ステップ1190では、図25に示すマッ
プから、しきい値L9,L10を補正するためのダイブ
判定基本レベル1DC,1DBを、図26に示すマップか
ら、しきい値L11,L12を補正するためのスクォー
ト判定基本レベル1SC, 1SDを算出する。図25,26
から明らかなように、1DC, 1DB, 1SC, 1SDは推定車
体速度VB に応じて変化するようになっている。
【0115】ステップ1200では、図27に示すマッ
プから、しきい値L9,L10を補正するためのダイブ
判定補正係数KDC,KDBを、図28に示すマップから、
しきい値L11,L12,を補正するためのスクォート
判定補正係数KSC,KSDを算出する。図27,28から
明らかなように、KDC,KDB,KSC,KSDは路面状態信
号dVSPに応じて変化するようになっている。
【0116】ステップ1210ては、ステップ1190
およびステップ1200にて算出された、判定基本レベ
ル1DC,1DB,1SC,1SDおよび補正係数KDC,KDB,
KSC,KSDから次式にてしきい値L9〜L12を補正す
る。
【0117】
【数10】L9=1DB×KDB
【0118】
【数11】L10=1DC×KDC
【0119】
【数12】L11=1SD×KSD
【0120】
【数13】L12=1SC×KSC ステップ1220では、ストップスイッチ信号STPの
オン,オフと前後方向加速度dVB をしきい値と比較す
るきとにより、車両の姿勢変化状態のうち車両のダイブ
を判定する。ステップ1220を詳細に説明すると、図
29に示すように、ストップランプスイッチ判定STP
がオフである時、あるいは前後方向加速度dVB >しき
い値L9のときは、車両の前部には荷重は移動していな
いと判定して、姿勢変化判定レベルY=Gとする。スト
ップスイッチ信号STPがオンであり、かつ、しきい値
L10≦前後方向加速度dVB ≦しきい値L9のとき
は、緩制動で車両の前部にはやや荷重が移動していると
判定して、姿勢変化判定レベルY=Hとする。ストップ
スイッチ信号STPがオンであり、かつ、前後方向加速
度dVB <しきい値L10のときは、急制動で車両の前
部にはかなり荷重が移動していると判定して、姿勢変化
判定レベルY=Iとする。
【0121】ステップ1230では、スロットル開度判
定THRのオン,オフと前後方向加速度dVB をしきい
値と比較することるより、車両の姿勢変化状態のうち車
両のスクォートを判定する。ステップ1230を詳細に
説明すると、図30に示すように、スロットル開度判定
THRがオフである時、あるいは前後方向加速度dV B
<しきい値L11のときは、車両の後部には荷重は移動
してないと判定して、姿勢変化判レベルY=Gとする。
スロットル開度判定THRがオンであり、かつ、しきい
値L11≦前後方向加速度dVB ≦しきい値L12のと
きは、緩加速で車両の後部にはやや荷重がしている。と
判定して、姿勢変化判定レベルY=Hとする。スロット
ル開度判定THRがオンであり、かつ、前後方向加速度
dVB >しきい値L12のときは、急加速で車両の後部
にはかなり荷重が移動していると判定して、姿勢変化判
定レベルY=Iとする。
【0122】以上のステップ1220,1230におい
て車両の姿勢変化状態が判定されると、ステップ124
0に進む。ステップ1240では、ステップ1230,
1240における各々の姿勢変化判定レベルYを比較
し、最もレベルの大きいものを姿勢変化判定レベルの最
大値Y’とする。ただし、レベルの大きさはG<H<I
となっている。例えば、ステップ1220では姿勢変化
判定レペルY=G,ステップ1230では姿勢変化判定
レベルY=I,姿勢変化判定レベルの最大値Y’=Iと
なる。ステップ1180,1240にて路面の凹凸状態
と車両の姿勢変化状態が判定できたならば、路面判定レ
ベルxと姿勢変化判定レベルの最大値Y’に基づいてス
テップ1250にてショックアブソーバの最適な減衰力
を設定する。このステップ1250では、図31に示す
マップを参照して減衰力を決定する。図31に示すマッ
プを説明すると、良路、普通路にて車両が姿勢変化して
いる場合には、減衰力をハードに設定するが、悪路にお
いて姿勢変化している場合には、減衰力をミディアムに
設定する。これにより、路面の凹凸によるゴツゴツ感を
低減しつつ、姿勢変化を防止して最適な車両姿勢を保つ
ことができるようになる。例えば、ステップ1240に
て姿勢変化判定レベルの最大値Y’=I,ステップ11
80にて路面判定レベルx=bならば、ショックアブソ
ーバの減衰力はハードに設定される。
【0123】ステップ1250にてショックアブソーバ
の減衰力が設定されると、ステップ1110にリターン
する。なお、図31に示すマップの特性は一例てあっ
て、上記マップ他にも、さまざまな特性のマップを採用
することができる。
【0124】以上説明したように第11実施例では、バ
ネ下情報に応じた路面状態信号dV SPから補正係数KD
C,KDB,KSC,KSDを算出し、これら補正係数KDC,
KDB,KSC,KSDを用いてしきい値L9〜L12を補正
している。補正係数KDC,KDB,KSC,KSDは、路面状
態信号dVSPが大きくなるほど大きくなるので、車両が
悪路を走行しているときには、しきい値L9〜L12は
大きくなるように補正される。
【0125】従って、車両の姿勢変化が発生していて
も、悪路走行中であるときは車両の姿勢状態を示す信号
がしきい値を超えにくくなって、減衰力がハードに設定
されにくくなり、路面の凹凸によるゴツゴツ感を低減し
つつ、最適な車両姿勢を保つことができる。
【0126】また、本実施例では判定るしきい値を路面
状態信号によって補正したが、逆に車両のダイブ,スク
ォート状態を検出する信号(例えば、前後方向加速度d
B,及びその変化量,エンジン回転加速度dNe,及
び、その変化量,スロットル開度θ,及び、その変化量
Δθ等)の信号強度を路面状態信号が大きい(悪路)ほ
ど小さくなるように補正する等の変形をして実施して、
同様の効果を挙げてよい。
【0127】次に、第12実施例について説明する。第
4実施例ではストップスイッチ信号STPのレベル変化
が生じる都度、減衰力を高め(ハード)に切換えるアン
チダイブ制御を行っていたが、本実施例では、高車速域
に限り上記制御を行い低車速域では車両のダイブ状態を
車体加速度の変化分ΔGBFに基づいて検出し、その大き
さから必要と判定したときに限り減衰力を高め(ハー
ド)に切換えることによりストップスイッチ信号STP
のレベル変化によって不必要に減衰力を高めることをな
くし、制動時の荒れた路面での乗り心地を向上すること
を特徴とする。
【0128】以下、図32により第4実施例(図12)
との差違を中心に説明する。図32のステップ600〜
630において図12のステップ600〜630と同様
の処理を行い前記ΔGBFの演算とSTP信号の取込みを
行い、ステップ640にて前記ステップ600にて求め
た左右輪の車輪速度の平均値から車体速度V BFを算出す
る。このSTP信号のレベル変化とΔGBFに基づき減衰
力切換え判定I(以下、制御I)に対応するステップA
700及び、減衰力切換え判定II(以下、制御II)に対
するステップA800及び、減衰力切換え(ステップA
910,A920)を実行する。
【0129】ステップA710で上記制御I中であるか
否かを判定する。制御I中でないと判定した場合は、ス
テップA720に進み以下に示す制御I条件が成立する
か否かを判定する。
【0130】制御I条件: STPがOFF→ON時に
車体速度が60km/h以上。 上記制御I条件が成立すると判定した場合ステップA9
20に進み減衰力をハードに切換える。
【0131】また、前記ステップA720で前記制御I
条件が成立しないと判定した場合、ステップA810に
進み前記制御II中であるか否かを判定する。制御II中で
ないと判定した場合、ステップ820に進み、以下に示
す制御II条件が成立するか否かを判定する。
【0132】制御II条件: STP=ON,かつ,|Δ
BF|≧所定値(例えば、0.035G/32ms) 上記制御II条件が成立するか否かに応じて、ステップA
920,又は、ステップA910に進み,減衰力をハー
ド,又は、ソフトとする指令値信号を出力し、本ルーチ
ンを終了する。
【0133】また、ステップA710において、制御I
中てあると判定されるとステップA730に進み、以下
に示す制御I終了条件が成立するか否かを判定する。 制御I終了条件: 制御I条件成立後、所定時間(例え
ば、0.5S)経過。
【0134】上記制御終了条件が成立しないと判定した
場合、ステップA920に進み減衰力をハードのままと
し、他方、上記制御I終了条件が成立すると判定した場
合、ステップA810に進む。
【0135】また、ステップA810において制御II中
であると判定されるとステップA830に進み、以下に
示す制御II終了条件が成立するか否かを判定する。 制御II終了条件: |ΔGBF|<所定値(例えば、0.
02G/32ms)の状態が所定時間(例えば、1s間)継
続。
【0136】上記制御II終了条件が成立するか否かに応
じてステップA910,又は、ステップA920に進み
減衰力をソフト,又は、ハードとする指令値信号を出力
する。
【0137】次に、第13実施例について説明する。上
記第1〜第12実施例では、運転者の意図した行為(ブ
レーキを踏んだり、スロットルを踏んだりすること)に
よって発生するダイブ,スクォートを制御するものであ
ったが、本実施例は横風等の外乱によって発生するダイ
ブ,スクォートを制御するものである。すなわち本実施
例では、車両が外乱をうけたときに、見かけ上空気抵抗
が増加し、車体速度が低下する点に着目し、車体速度の
低下を車輪速度信号から検出することを特徴としてい
る。
【0138】具体的には、第1実施例と同様にして車体
加速度の変化ΔGBFを算出し、この車体加速度の変化分
ΔGBFを基準値と比較することによって減衰力をハード
に設定する。なお、このときに発生するダイブ,スクォ
ートは、ブレーキアクセル作動時に発生するダイブ,ス
クォートよりも通常は小さいことから、減衰力を多段階
に設定することができるショックアブソーバであるなら
ば、ソフトへの復帰については、第1実施例と同様にす
れば良い。
【0139】なお、上述の第1実施例では、所定時間内
の車体加速度の変化分ΔGBF或いはエンジン回転加速度
ΔdNeを算出して制御に用いていたが、車体加速度G
BFの微分値或いはエンジン回転加速度dNeの微分値を
算出し、同様の制御を行っても良いことは言うまでもな
い。
【0140】また、車体速度VBFの微分値(所定時間内
の変化量)として算出した生の車体加速度ではノイズ成
分が大きいため、車両の前後方向の挙動を推定するのに
必要な周波数成分を抽出するための所定のカットオフ周
波数(例えば、3HZ )のローパスフィルタを生の車体
加速度に施したものを車体加速度GBFとして算出し、こ
のGBFより更に所定時間内の変化分てある車体加速度の
変化分ΔGBFを算出するようにしてもよい。
【0141】また、上述の実施例では基準値を多数設定
してきめ細かく減衰力を切換えるようにしてもよい。こ
れにより、切換えショックが緩和されるとともにより早
く制御を開始することがてきるために、姿勢変化をより
効果的に抑制できる。
【0142】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の減
衰力可変ショックアブソーバ制御装置によれば、車輪速
度センサからの信号を用いて車体加速度の変化分を算出
し、この車体加速度の変化分に基づいてショックアブソ
ーバの減衰力の調節しているので、加速度センサを用い
ることなく、車体加速度の変化分を算出でき、しかも応
答性良くノーズダイブやスクォート等の姿勢変化を抑制
することができるという効果がある。
【0143】また、請求項2記載の減衰力可変ショック
アブソーバ制御装置によれば、エンジンの回転加速度の
変化分に基づいてショックアブソーバの減衰力を調節す
るので、応答性良くノーズダイブやスクォート等の姿勢
変化を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図2】第1実施例の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図3】第1実施例の作動を説明する波形図である。
【図4】本発明の第2実施例の作動を説明する波形図で
ある。
【図5】第2実施例の作動を説明する波形図である。
【図6】第2実施例の構成を示す構成図である。
【図7】第2実施例の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図8】本発明の第3実施例の作動を説明する波形図で
ある。
【図9】第3実施例の制御手順を示すフローチャートで
ある。
【図10】本発明の第4実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図11】第4実施例の作動を説明する波形図である。
【図12】第4実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図13】本発明の第5実施例の作動を説明する特性図
である。
【図14】第5実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図15】第5実施例のその他の実施例を示す特性図で
ある。
【図16】本発明の第6実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図17】第6実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図18】第7実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図19】第8実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図20】第9実施例の制御手順を示すフローチャート
である。
【図21】第10実施例の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図22】第11実施例の制御手順を示すフローチャー
トである。
【図23】第11実施例の作動を説明する説明図てあ
る。
【図24】路面状態信号dVSPと路面判定レベルxの関
係を示す特性図てある。
【図25】推定車体速度VB とダイブ判定基準レベルl
DC,lDBの関係を示す
【図26】推定車体速度VB とスクォート判定基準レベ
ルlSC,lSDの関係を示すマップである。
【図27】路面状態信号dVSPとダイブ判定補正係数K
DC,KDBの関係を示すマップである。
【図28】路面状態信号dVSPとスクォート判定補正係
数KSC,KSBの関係を示すマップである。
【図29】ストップスイッチ信号STPと前後方向加速
度dVB と姿勢変化判定レベルYの関係を示す特性図で
ある。
【図30】スロットル開度判定THRと前後方向加速度
dVB と姿勢変化判定レベルYの関係を示す特性図であ
る。
【図31】姿勢判定レベルYと路面判定レベルxから減
衰力を設定するためのマップである。
【図32】第12実施例の制御手順を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 電子制御装置 2 車速センサ 3 エンジン回転数センサ 4 入力バッファ 5 入力バッファ 6 ショックアブソーバ 10 駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 伸也 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 田辺 幹雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−244610(JP,A) 特開 昭58−131442(JP,A) 特開 昭58−141909(JP,A) 特開 昭62−64606(JP,A) 特開 平2−182529(JP,A) 特開 昭60−116515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度センサと、 前記車輪速度センサにて検出された車輪速度信号に含ま
    れる周波数成分のうち車体の共振周波数よりも大きい周
    波数成分を除去する除去手段と、前記除去手段によって車体の共振周波数以下の周波数成
    分のみとされた車輪速度信号に基づいて、所定の演算式
    にて車体前後加速度を算出する 車体加速度算出手段と、前記車体加速度算出手段によって算出された車体前後加
    速度に基づいて、この 車体加速度の変化分を算出する変
    化分算出手段と、前記変化分算出手段によって算出される 前記車体加速度
    の変化分に基づいてショックアブソーバの減衰力を調節
    するように制御信号を出力する制御手段と、 前記制御手段からの制御信号に応じて、前記ショックア
    ブソーバの減衰力を調節する調節手段と、 を備えることを特徴とする減衰力可変ショックアブソー
    バ制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの回転数を検出するエンジン回
    転数検出手段と、 前記エンジン回転数からエンジン回転加速度を算出する
    エンジン回転加速度算出手段と、 前記エンジン回転加速度からエンジン回転加速度の変化
    分を算出する変化分算出手段と、 前記エンジン回転加速度の変化分に基づいてショックア
    ブソーバの減衰力を調節する調節手段と、 を備えることを特徴とする減衰力可変ショックアブソー
    バ制御装置。
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