JP2762609B2 - 近赤外線遮断ガラス - Google Patents

近赤外線遮断ガラス

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は近赤外線の透過率の小さい近赤外線遮断ガラ
スに関し特に可視光線透過率の大きい近赤外線遮断ガラ
スに関する。
[従来の技術] 近年冷房負荷の軽減あるいは太陽光線熱暑感の低減を
目的に熱線吸収ガラスおよび熱線反射ガラスが建築物あ
るいは自動車・車輌等に対して広く用いられてきてい
る。ここで熱線吸収ガラスとは通常のソーダライム組成
のガラス板に対して酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケ
ル、セレン等の着色成分をそのガラス組成中に含ませた
ものであり可視光線及び近赤外線を吸収することにより
太陽輻射エネルギーの建築物内あるいは自動車・車輌等
への流入を防止するものである。また熱線反射ガラスと
は通常ガラス板表面に光屈折率の高い酸化物例えば鉄、
コバルト、クロム、チタンなどの酸化物の薄膜を形成し
その光干渉効果を用いて表面反射率を高め太陽エネルギ
ーを反射することで建築物内あるいは自動車・車輌への
太陽輻射エネルギーの流入を防止するものである。
更には近年スパッタリング法による薄膜形成技術の発
展にともない、チタン、ニッケル、ステンレスなどの金
属薄膜あるいはこれらの窒化物薄膜の反射・吸収を利用
した熱線反射ガラスも広く用いられている。
ところで太陽輻射エネルギーとは一般にエネルギー構
成で紫外線約4%、可視光線約50%、近赤外線約46%か
らなる。従って先の熱線吸収ガラス、熱線反射ガラスが
主として可視光線領域の吸収または反射により太陽輻射
エネルギーを遮断していることを考えれば、これらのガ
ラスが太陽輻射エネルギーを遮断する効果は可視光線透
過率の点から限界があった。すなわち建築用の場合には
太陽エネルギー遮断効果を高めれば高めるほど内部が暗
くなり快適さが損なわれる他に、エネルギー経済性の面
からも建築物内の照明エネルギーの増大を招くとの問題
があった。一方自動車・車輌用では可視光透過率が小さ
いと透視安全性の面で著しく商品特性を損なうことは明
白である。
このため、近赤外線領域で太陽エネルギーを遮断する
(すなわち太陽光透過率Tgが低い)、一方で可視光透過
率(TL)は高い明るい熱線反射ガラス、いわゆる近赤外
線遮断ガラスが強く望まれてきた。
またこれらの材料を実際に使用する際、多くの場合ガ
ラスの強度が問題とされる。すなわち、まず建築用の場
合太陽光輻射エネルギーのうち膜(及びガラス)によっ
て吸収されたエネルギーは熱になって温度を高め熱膨張
による歪を発生しいわゆる熱割れの原因となる。また一
方自動車・車輌用の場合では衝突時の安全性確保のため
にガラスは合わせガラスとするか、さもなくば強化する
必要があるのは明らかである。特に自動車の側面窓の様
にガラスを上下させて窓を開閉する必要性がある場合、
合わせガラスは適当でなく単板強化ガラスが求められ
る。更に塗布の均一性を考慮にいれれば、ガラスに膜を
塗布した後で強化・曲げを行なうほうが都合がよい。
かかる背景から選択的に近赤外線を吸収あるいは反射
するガラスの提供に関し、いくつかの試みがなされてき
た。例えばその一つに特開昭60-235746に見られる酸化
タングステンあるいは酸化モリブデン等の遷移金属酸化
物の原子価遷移によると思われる近赤外線領域での吸収
を利用する方法があげられる。あるいは他の方法として
特公昭59-44993で提案されている金・銀の金属薄膜層の
片面あるいは両面を透明高屈折率層で覆った積層体例え
ばTiO2/Ag/TiO2、Bi2O3/Au/Bi2O3、ZnS/Ag/ZnSなどがあ
げられる。
しかしながら遷移金属酸化物の場合、水にわずかなが
ら溶解する性質があり、合わせガラス、複層ガラスとい
った水分の侵入が完全に防止できる形態でしか使えない
との制約があった。更には加熱処理により近赤外線遮断
効果が著しく低下するため曲げ、強化処理ができないと
の難点があった。
一方、金、銀の金属薄膜を用いた積層体においても熱
・光・水分・ガスなどあらゆる環境条件が積層体の劣化
の原因となり単板使用はおろか合わせガラス複層ガラス
使用条件下においても性能・寿命に不安が残るとの問題
があった。
また古くは米国特許第2,564,708号にSn-Sbの酸化物か
らなる膜の抵抗体としての応用に関する記載がみられ
る。しかしこの特許内容には可視光透過率に関する記載
が見あたらず、また膜付け後の強化に関わる条件などの
記載もない。
このため、本発明者らはかかる高耐久性でかつ高性能
の近赤外遮断ガラスの目的にかなう薄膜材料のうちSnお
よびSbの酸化物の混合物被膜が最も有効に使用でき、特
に混合物被膜中のSbの含有割合(重量%)がSb2O3換算
で2〜20%の時、可視光線透過率が高く効果的なことを
見いだした。
更にこの場合強化処理により、風冷強化時のガラスと
被膜の熱膨張係数の差から被膜に無数のクラックが時と
して発生し、特に高強度の近赤外線遮断ガラスを提供す
る上で問題となっていた。また可視光領域における透過
率を高く維持するための膜付け温度、Sb組成も明らかで
はなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明はかかる近赤外線遮断ガラスの問題点に鑑み、
単板ガラス条件下でも使用できる高耐久性・高性能かつ
強化処理を施した高強度の近赤外線遮断ガラスを提供す
ることを目的とする。
[問題を解決するための手段] 本発明での近赤外線遮断ガラスはガラスを近赤外線吸
収性能を有する被膜で被覆した後、強化処理を施しガラ
スを著しく高めたことを特徴とする。
この場合、近赤外線吸収性能を有する被膜はSnおよび
Sbの酸化物の混合物被膜(以下Sn-Sb酸化物膜と記す
る)から成り、該混合物被膜中のSbの含有割合(重量
%)が、Sb2O3換算で2〜20%のものが求められる。Sb
の含有量がSb2O3換算(重量%)で2%以下の時には、
近赤外線の遮断性能に乏しく、一方この上限を超えてSb
混合割合を高めてもTLは急激に減少し、むしろ次第に耐
酸性・耐熱性が低下してしまう。なお、被膜中の組成は
プラズマ発光分析および蛍光X線分析(Phillips製PW14
00型)を併用して分析した。
ところでこのようなSn-Sb酸化物膜の成膜法として
は、高温のガラスにSnおよびSbの化合物を含む溶液、ま
たはこれらの蒸気あるいは粉末を含む気体と接触させ
て、ガラス表面にSn-Sb酸化物膜を形成したものがよ
い。具体的にはSn原料としてはモノブチル錫トリクロラ
イド(C4H9SnCl3)、Sb原料には三塩化アンチモン(SbC
l3)またはSbCl5を適切な溶媒に溶かして500℃以上に加
熱されたガラスに霧化して吹き付ける方法が考えられ
る。なお、アンチモン原料としてSb2O5、HClを加えた溶
媒の組合せでもかまわない。また、得られる被膜の色調
や光学特性を調整するために、V,Biなどの金属塩を上記
混合液中に溶解させ、これらの金属酸化物を該被膜中に
含ませてもよい。なお噴霧方法としてはあらかじめ各成
分を混合した液を微小な液滴として噴霧してもよいし、
各成分を別個に液滴として同時に噴霧・反応させてもよ
い。
このようにして得られたSn-Sb混合酸化物膜において
は近赤外領域にSbの3価と5価の間の遷移が原因と考え
られる吸収ピークが観測されこれによって近赤外領域の
透過率が減少すると考えられる。
以上のように本発明ではガラス組成、Sn-Sb酸化物膜
中の元素比・及び性膜温度を選ぶことで、可視光線透過
率の高いかつ近赤外線吸収の大きいガラスが提供できる
が、この種のガラスを実用に供する場合、強化処理を施
しガラスの強度を高めることがしばしば行われる。強化
処理には種々の方法が存在するが、ガラスを軟化温度以
上に昇温した後、表面だけを固化して表面圧縮応力を発
生させるいわゆる風冷強化法が、経済性あるいは造形性
の点から最適な方法と考えられる。この点本発明のSn-S
b酸化物膜ではかかる処理を行なった後でもその優れた
光学特性は全く変化しないことが明らかとなった。しか
しながら、ソーダライムガラスにおける熱膨張係数はお
およそ1×10-5-1と大きいのに比べて上記酸化物の熱
膨張係数は4×10-6-1と著しい違いがある。このため
Sn-Sb酸化物膜の膜厚が厚すぎると強化処理の際、膜中
にクラックが発生し著しく外観品質を損なうのが常であ
る。発明者らは強化条件と強化処理後の外観品質との相
関を詳細に検討し、Sn-Sb酸化物膜の膜厚が4000Å以下
で、かつ膜付け後のガラス強化の際のガラスの表面残留
応力が900kg/cm2以上1300kg/cm2以下であれば上記問題
を回避できることを初めて明らかにした。
[作用] 以上示してきたように本発明の組成・膜厚のSn-Sb酸
化物膜を板ガラス上に形成することによって高可視光透
過、かつ近赤外線カット性能に優れ強化処理の際に膜中
にクラックの発生のないガラスを提供することができる
に至った。
以下、具体的な実施例を説明する。
[実施例1] 大きさが150×150mm厚みが4mmのソーダライムガラス
を洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊具によって固
定し、所定の温度に設定した電気炉内に5分間保持した
後、取り出して以下に示す原料液を市販のスプレーガン
を用いて基板上に約10秒間、空気圧1.5kg/cm2、空気量5
0l/min、噴霧量120ml/minで吹き付けたものを試料とし
た。原料液は以下の組成であった。
C4H9SnCl3 31.8g CH3OH 10.0g H2O 10.0g SbCl3 適当量 ここでSn原料とSb原料の組成比を種々変えて吹き付け
を行なった。膜厚は1800Åと一定にした。得られた膜の
アンチモン組成比を蛍光X線により測定した。第1表に
錫、アンチモンの膜中組成比と得られた膜の光学特性を
比較する。
[実施例2] 実施例1と同様の吹き付け条件にてSn-Sb混合酸化物
膜を4mmの厚み、300×300mm の大きさのソーダライムガラスに吹き付けた。吹き付け
時間を調整し、得られた膜の膜厚を1500Å、4000Å、55
00Åとした。このガラスを用いて風冷強化テストを行な
った。出炉温度が高いほど表面残留応力の値は大きく、
強化の程度が強いことがわかった。
第1図には表面残留応力と強化後の膜の外観特性の関
係を図示した。膜厚が5500Åでは残留応力を900kg/cm2
に抑えた場合でも全面にクラックが入り、事実上風冷強
化はできないといえる。一方膜厚を4000Å以下とした場
合、残留応力が1300kg/cm2以下であればクラックは発生
せず通常の強化条件を満足できる。すなわち、強化時に
現れる被膜のクラックは膜厚が厚いほど、あるいは出炉
温度が高いほど顕著に現れる傾向が明らかとなったもの
の、4000Å以下の膜厚を選べば実用域での強化処理によ
るクラックの問題はないことがわかった。
なお強化処理前後での光学特性の変化は全く認められ
なかった。
[発明の効果] 本発明によれば、実施例から明かなように高可視光透
過、かつ近赤外線カット性能に優れ強化処理の際に膜中
にクラックの発生のないガラスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面残留応力と強化後の膜の外観特性の関係を
図示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−124426(JP,A) 特開 平1−192735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 17/00 - 17/44 C03B 27/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に主としてSnおよびSbの酸化
    物の混合物からなる被膜を形成した熱線遮断ガラスにお
    いて、 混合物被膜中のSbの含有割合(Sb2O3換算重量%)
    が2〜20%、 該混合物被膜の膜厚が4000Å以下で、 該混合物被膜被覆ガラスが膜付け後強化処理を経て
    強化され、その時のガラスの表面残留応力として900kg/
    cm2以上1300kg/cm2以下の値を有し、 可視光線透過率が40%以上、太陽光透過率が70%以
    下であり、 該混合被膜物が、500℃以上の高温のガラスに、Sn
    およびSbの化合物を接触させて熱分解酸化反応により得
    たものであること を、特徴とする近赤外線遮断ガラス。
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