JP2762333B2 - 増幅回路及び信号増幅ic - Google Patents

増幅回路及び信号増幅ic

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JP2762333B2
JP2762333B2 JP35686892A JP35686892A JP2762333B2 JP 2762333 B2 JP2762333 B2 JP 2762333B2 JP 35686892 A JP35686892 A JP 35686892A JP 35686892 A JP35686892 A JP 35686892A JP 2762333 B2 JP2762333 B2 JP 2762333B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、増幅回路及び信号増
幅ICに関し、詳しくは、例えば携帯用ヘッドホンステ
レオ等のバッテリー駆動機器に好適な低消費電力の増幅
回路及びその増幅回路を有する信号増幅ICに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッテリー駆動のオーディオ機器
では、バッテリーから供給される電源電圧が低いことか
ら、増幅回路の出力段には低電圧下での増幅動作に適し
たカレントミラー回路が採用されることが多い。図7
に、かかる増幅回路の例を示す。増幅回路1は、入力信
号IN1とその反転信号IN2を受け、これらの信号を
プッシュプル増幅して出力信号OUTを生成し、コンデ
ンサCを介してヘッドホンRL 等の負荷へ出力する。
【0003】この増幅回路1は、入力信号IN1側の回
路として、入力信号IN1を受けこれを増幅して第1の
駆動電流I3を生成する第1の駆動回路A1と、第1の
駆動電流I3をコレクタに受ける第1のダイオード接続
されたトランジスタQ3と、ベースが第1のダイオード
接続されたトランジスタにカレントミラー接続されコレ
クタが電源Vccのラインに接続されエミッタが出力信号
OUTのラインに接続される第1の出力トランジスタQ
1と、を備えて、入力信号IN1に応じて第1の出力ト
ランジスタQ2を介して流される電流I1を制御する。
【0004】さらに、反転信号IN2側の回路として、
反転信号IN2を受けこれを増幅して第2の駆動電流I
4を生成する第2の駆動回路A2と、第2の駆動電流I
4をコレクタに受ける第2のダイオード接続されたトラ
ンジスタQ4と、ベースが第2のダイオード接続された
トランジスタにカレントミラー接続されコレクタが出力
信号OUTのラインに接続されエミッタが接地GNDの
ラインに接続される第2の出力トランジスタQ2と、を
備えて、反転信号IN2に応じて第2の出力トランジス
タQ2を介して流される電流I2を制御する。
【0005】また、第1の出力トランジスタQ1と第2
の出力トランジスタQ2とがプッシュプルの関係で互い
に接続され、この接続点に出力信号OUTのラインが接
続される。そして、電流I1と電流I2との差電流が出
力信号OUTのラインに出力される。これにより、低い
電源電圧Vcc下でも、入力信号がプッシュプル増幅され
て出力信号が生成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のプッ
シュプル増幅を行う増幅回路及び信号増幅ICでは、カ
レントミラー接続された出力トランジスタでプッシュプ
ル増幅を行うことにより低電源電圧下での増幅を行って
いる。かかる低電源電圧下では、大振幅の出力信号を得
るために出力トランジスタの電流駆動能力を高める必要
があり、このためには、ダイオード接続されたトランジ
スタと出力トランジスタとのミラー比を大きくするのが
原理原則である。
【0007】ところで、かかるプッシュプル増幅は、バ
ッテリー消費の節約という観点からはB級増幅が優れて
いるが、クロスオーバー歪みの抑制という観点からAB
級プッシュプル増幅が採用される。そこで、入力信号が
ないとき或は微小のときでも、出力トランジスタには、
クロスオーバー歪みの発生を抑制し得るレベルのアイド
リング電流が流される。そして、このアイドリング電流
と上記ミラー比に対応して、駆動電流の最小値が決めら
れる。
【0008】一方、駆動電流の最小値には、下限値があ
る。この下限値は、電源電圧と負荷抵抗RL とによる。
例えば電源電圧が標準で3Vの場合1.8〜3.6Vの
範囲で変動する。負荷抵抗RL は一定なために駆動電流
は3.6Vの電源電圧でも出力が十分に得られる様に決
められる。このときの値が下限値となる。かかる制約か
ら、駆動電流の最小値は、任意には設定できず、すでに
下限値に設定されている値をこれ以上小さくすることは
できない。
【0009】このため、駆動電流のレベルを変えないで
上記のミラー比を大きくするとアイドリング電流も大き
くなり、入力信号がないとき或は微小のときでも電力が
余分に消費される。これでは、大振幅の出力信号が得ら
れても、限りあるバッテリーが無駄に消費されるので問
題である。そこで、このような従来技術の問題点を解決
すべく、アイドリング電流を増やすことなく出力の駆動
能力を向上することができる構成の増幅回路及び信号増
幅ICを実現することが目標とされる。
【0010】なお、同様の目標を達成せんとする増幅回
路の例として特願平2−230433が公知である。そ
の概要は、図8に図示するが、駆動電流I4に対応した
電流I4’に応じてトランジスタQ3’によりトランジ
スタQ3のエミッタラインを遮断し、駆動電流I3に対
応した電流I3’に応じてトランジスタQ4’によりト
ランジスタQ4のエミッタラインを遮断する。これによ
り、入力信号IN1,反転信号IN2の振幅が大きいと
きすなわち出力トランジスタが大きな電流駆動能力を要
求されるときには、トランジスタQ3又はQ4のエミッ
タラインを遮断して駆動電流I3,I4の全てを出力ト
ランジスタQ1,Q2のベースに供給し、これにより、
大信号増幅時の出力トランジスタの電流駆動能力を高め
るものである。
【0011】しかし、この増幅回路には、ミラー比を固
定してアイドリング電流を増やすことなく出力の駆動能
力を向上させた代償として、新たな2つの問題点が発生
した。第1の問題点は、アイドリング電流の回路ごとの
ばらつきが大きく、また出力信号の動作点近傍における
増幅特性が良くないことである。これは、カレントミラ
ーの入力側トランジスタQ3,Q4のエミッタラインに
トランジスタQ3’,Q4’を挿入接続したことに起因
する。
【0012】詳述すると、トランジスタQ3’,Q4’
はオン時のVCEが50mV程度であることから、カレン
トミラー(Q3,Q1),(Q4,Q2)の入力側と出
力側のトランジスタのVBEが揃わず、このため、カレン
トミラー動作における増幅特性が悪化する。また、トラ
ンジスタQ3’,Q4’はオン時のVCEが±10mV程
度のばらつきをも有することから、カレントミラーにお
けるミラー比がその影響を被ってばらつき、このため、
アイドリング電流の値にもばらつきが発生する。
【0013】第2の問題点は、出力信号の波形が入力信
号の波形と対応しないことである。これは、増幅回路の
増幅率が出力信号の値によって変わることに起因する。
詳述すると、上述の構成から、出力信号の値がその動作
点近傍のときには、カレントミラー(Q3,Q1),
(Q4,Q2)におけるミラー比で増幅が行われすなわ
ち駆動電流の一部が出力トランジスタの電流増幅率で増
幅される。これに対し、出力信号の値がその動作点から
離れたときには、駆動電流の全てが出力トランジスタの
電流増幅率で大きく増幅される。このため、波形の歪み
を伴った増幅が行われる。
【0014】この発明の目的は、このような従来技術の
問題点を解決するものであって、アイドリング電流を増
やすことなく出力の駆動能力を向上させることができ、
それでいて、アイドリング電流のばらつきが小さく且つ
出力信号の動作点近傍における増幅特性も良い、あるい
は歪みのない増幅が可能な構成の増幅回路及び信号増幅
ICを実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るこの発明の増幅回路の第1の構成は、入力信号を増幅
して第1の駆動電流を生成する第1の駆動回路と、前記
第1の駆動電流を受ける第1のダイオード接続されたト
ランジスタと、前記第1のダイオード接続されたトラン
ジスタにカレントミラー接続された第1の出力トランジ
スタと、前記入力信号の反転信号を受けこれを増幅して
第2の駆動電流を生成する第2の駆動回路と、前記第2
の駆動電流を受ける第2のダイオード接続されたトラン
ジスタと、前記第2のダイオード接続されたトランジス
タにカレントミラー接続され前記第1の出力トランジス
タにプッシュプルの関係で接続された第2の出力トラン
ジスタと、を備えて、前記入力信号又は前記反転信号を
増幅して出力信号を生成し出力する増幅回路であって、
前記第1のダイオード接続されたトランジスタのベース
ラインに挿入接続され前記第1のダイオード接続された
トランジスタのベース電流を制御する第1のベース電流
制御回路と、前記第2のダイオード接続されたトランジ
スタのベースラインに挿入接続され前記第2のダイオー
ド接続されたトランジスタのベース電流を制御する第2
のベース電流制御回路と、を備え、前記出力信号の動作
点を含み前記出力信号のクロスオーバー歪みに対応して
決定される前記出力信号の値の範囲を第1の範囲とし、
前記第1の範囲外で前記第1の出力トランジスタの出力
が前記動作点から一方に大きく乖離する前記出力信号の
値の所定の範囲を第2の範囲とし、前記第1の範囲及び
前記第2の範囲外で前記第2の出力トランジスタの出力
が前記動作点から他方に大きく乖離する前記出力信号の
値の所定の範囲を第3の範囲とし、前記入力信号又は前
記反転信号に応じて前記第1のベース電流制御回路と前
記第2のベース電流制御回路とを制御することにより、
前記出力信号の値が前記第1の範囲内にあるとき又は前
記入力信号及び前記反転信号の何れか一方の値が前記第
1の範囲に対応した値であるときには、前記第1,第2
のベース電流制御回路が前記第1,第2のダイオード接
続されたトランジスタのベース電流を流して、前記第1
のダイオード接続されたトランジスタと前記第1の出力
トランジスタとがカレントミラーとして動作し、前記第
2のダイオード接続されたトランジスタと前記第2の出
力トランジスタとがカレントミラーとして動作し、前記
出力信号の値が前記第2の範囲内にあるとき又は前記第
1の入力信号及び前記第2の入力信号の何れか一方の値
が前記第2の範囲に対応した値であるときには、少なく
とも前記第1のベース電流制御回路が前記第1のダイオ
ード接続されたトランジスタのベース電流を遮断又は制
限して前記第1のダイオード接続されたトランジスタが
カットオフし、前記第1の駆動電流のほぼ全てが前記第
1の出力トランジスタのベースに供給され、前記出力信
号の値が前記第3の範囲内にあるとき又は前記入力信号
及び前記反転信号の何れか一方の値が前記第3の範囲に
対応した値であるときには、少なくとも前記第2のベー
ス電流制御回路が前記第2のダイオード接続されたトラ
ンジスタのベース電流を遮断又は制限して前記第2のダ
イオード接続されたトランジスタがカットオフし、前記
第2の駆動電流のほぼ全てが前記第2の出力トランジス
タのベースに供給されるものである。
【0016】同様の目的を達成するこの発明の増幅回路
の第2の構成は、上述の増幅回路であって、前記入力信
号又は前記反転信号の原信号を外部から受け、前記原信
号又はこれに従う波形の信号に対して前記出力信号の帰
還信号が比較されることにより、前記原信号と前記出力
信号とに係わる増幅率が、所定の設定値とされるもので
ある。
【0017】また、この発明の信号増幅ICの構成は、
上述の第1の構成の増幅回路又は第2の構成の増幅回路
を有するものである。
【0018】
【作用】このような第1の構成のこの発明の増幅回路及
びその回路を有する信号増幅ICにあっては、出力信号
の値が第1の範囲内にあるとき又は入力信号及び反転信
号の何れか一方の値が第1の範囲に対応した値であると
き、すなわち大きな電流駆動能力の出力が要求されない
ときには、ダイオード接続されたトランジスタと出力ト
ランジスタとがカレントミラーとして動作して、低電源
電圧下でも従来通りの増幅動作が行われる。しかも、ベ
ース電流制限回路がダイオード接続されたトランジスタ
のベースラインに設けられてその制御対象が微小なベー
ス電流であることから、それの導通時に発生する電圧に
ついての標準値及びそのばらつきは極めて小さい。した
がって、カレントミラーの増幅特性やミラー比はその影
響を受けることがほとんどなく、増幅特性が悪化するこ
ともなく、アイドリング電流の値がばらつくこともな
い。
【0019】さらに、出力信号の値が第2,第3の範囲
内にあるとき又は入力信号及び反転信号の何れか一方の
値が第2,第3の範囲に対応した値であるとき、すなわ
ち大きな電流駆動能力の出力が要求されるときには、駆
動電流のほぼ全てが出力トランジスタのベースに供給さ
れる。これにより、カレントミラー動作のときに較べて
遥かに大きなベース電流が供給されるので、低電源電圧
下でも出力トランジスタはその電流駆動能力を十分に発
揮することができる。したがって、無信号又は微小信号
増幅時におけるアイドリング電流を増やすことなく、大
振幅信号増幅時における出力の電流駆動能力を向上させ
ることができる。それでいて、アイドリング電流のばら
つきが小さく且つ出力信号の動作点近傍における増幅特
性も損なうことはない。
【0020】また、第2の構成のこの発明の増幅回路及
びその回路を有する信号増幅ICにあっては、最終的な
増幅率が原信号と帰還信号との比較により所定の設定値
とされる。そこで、出力信号の波形を原信号の波形に正
確に追従させるためには波形の乱れ易い大振幅時に出力
トランジスタの電流駆動能力が大きい程良いが、本発明
の増幅回路がこの条件を満たしていることは上述の通り
である。しかも、最終的な増幅率が帰還及び比較の効果
によって決定されるので、出力トランジスタ部分におけ
る局部的な増幅率が信号レベルによって変動しても出力
信号の波形が歪むことがない。したがって、歪みのない
増幅が可能である。
【0021】
【実施例】図1に、この発明の増幅回路を内蔵したIC
の一実施例を示す。また、図3,図4に、その具体的構
成についての回路例を示す。ここで、10は信号増幅I
Cであり、その中の増幅回路は、入力信号IN1側の回
路として、入力信号IN1を受けこれを増幅あるいは半
波整流して第1の駆動電流駆動電流I3を生成しついで
に後述の制御信号S2’も生成する第1の駆動回路A1
1と、駆動電流I3をコレクタに受ける第1のダイオー
ド接続されたトランジスタQ3と、トランジスタQ3の
ベースラインに挿入接続されトランジスタQ3のベース
電流を後述の制御信号S1’に応じて制御する第1のベ
ース電流制御回路S1と、ベースがトランジスタQ3に
カレントミラー接続されコレクタが電源Vccのラインに
接続されエミッタが出力信号OUTのラインに接続され
る第1の出力トランジスタQ1と、を備える。
【0022】さらに、反転信号IN2側の回路として、
反転信号IN2を受けこれを増幅あるいは半波整流して
第2の駆動電流I4を生成しついでに制御信号S2’も
生成する第2の駆動回路A12と、駆動電流I4をコレ
クタに受ける第2のダイオード接続されたトランジスタ
Q4と、トランジスタQ4のベースラインに挿入接続さ
れトランジスタQ4のベース電流を制御信号S2’に応
じて制御する第2のベース電流制御回路S2と、ベース
がトランジスタQ4にカレントミラー接続されコレクタ
が出力信号OUTのラインに接続されエミッタが接地G
NDのラインに接続される第2の出力トランジスタQ2
と、を備える。なお、駆動電流I3,I4は、出力トラ
ンジスタQ1,Q2に流すアイドリング電流を確保すべ
く、これに対応した下限値を有する。
【0023】入力信号IN1側の回路では、入力信号I
N1に応じて出力トランジスタQ1を介して流される電
流I1が制御され、反転信号IN2側の回路では反転信
号IN2に応じて出力トランジスタQ2を介して流され
る電流I2が制御される。さらに、入力信号IN1と反
転信号IN2とが互いに値の反転した関係にあり、出力
トランジスタQ1と出力トランジスタQ2とが出力信号
OUTのラインを介して接続されているから、出力トラ
ンジスタQ1と出力トランジスタQ2とはプッシュプル
動作を行う。そして、電流I1と電流I2との差電流が
出力信号OUTのラインに出力される。なお、電流I
1,電流I2に含まれているアイドリング電流は差が採
られることで相殺され出力には現れない。
【0024】ところで、制御信号S1’,S2’は、駆
動A12,A11で生成される旨を既述したが、詳しく
は以下の如くに生成される。出力信号OUT(図6の波
形参照)の動作点(図6のt軸上の値)を含み出力信号
OUTのクロスオーバー歪み(図6のt軸近傍で発生し
やすい)に応じて決定される出力信号OUTの値の範
囲、すなわち所定の動作点近傍域を第1の範囲(図6の
Area1)とする。この第1の範囲Area1の外で
あって出力トランジスタQ1の出力が大きいことに対応
して決定される出力信号OUTの値の範囲、すなわち正
側大振幅域に対応する範囲を第2の範囲(図6のAre
a2)とする。これらの第1,第2の範囲Area1,
Area2の外であって出力トランジスタQ2の出力が
大きいことに対応して決定される出力信号OUTの値の
範囲、すなわち負側大振幅域に対応する範囲を第3の範
囲(図6のArea3)とする。
【0025】そして、出力信号OUTの値が第1の範囲
Area1内にあるとき、又は入力信号IN1及び反転
信号IN2の何れか一方の値が第1の範囲Area1に
対応した値であるときには、ベース電流制御回路S1が
トランジスタQ3のベース電流を流すような値を制御信
号S1’は採り、ベース電流制御回路S2がトランジス
タQ4のベース電流を流すような値を制御信号S2’は
採る。つまり、トランジスタQ3と出力トランジスタQ
1とをカレントミラーとして動作させ、トランジスタQ
4と出力トランジスタQ2とをもカレントミラーとして
動作させるような値を、制御信号S1’,S2’が採
る。これにより、この範囲では、従来通り低電源電圧下
であっても増幅機能を発揮することができる。
【0026】出力信号OUTの値が第2の範囲Area
2内にあるとき又は入力信号IN1及び反転信号IN2
の何れか一方の値が第2の範囲Area2に対応した値
であるときには、ベース電流制御回路S1がトランジス
タQ3のベース電流を遮断するような値を制御信号S
1’が採る。なお、このときには出力トランジスタQ2
が遮断状態またはアイドリング状態となるので制御信号
S2’には特に制約はなく、例えばベース電流制御回路
S2がトランジスタQ4のベース電流を流すような値を
制御信号S2’は採る。つまり、制御信号S1’を介し
てトランジスタQ3をカットオフさせてカレントミラー
としての動作を停止させ、駆動電流I3のほぼ全てが出
力トランジスタQ1の駆動に用いられるような値を、制
御信号S1’が採る。これにより、この範囲では、トラ
ンジスタQ1は、その電流駆動能力を十分に発揮するこ
とができる。
【0027】出力信号OUTの値が第3の範囲Area
3内にあるとき又は入力信号IN1及び反転信号IN2
の何れか一方の値が第3の範囲Area3に対応した値
であるときには、ベース電流制御回路S2がトランジス
タQ4のベース電流を遮断するような値を制御信号S
2’が採る。なお、このときには出力トランジスタQ1
が遮断状態またはアイドリング状態となるので制御信号
S1’には特に制約はなく、例えばベース電流制御回路
S1がトランジスタQ3のベース電流を流すような値を
制御信号S1’は採る。
【0028】つまり、制御信号S2’を介してトランジ
スタQ4をカットオフさせてカレントミラーとしての動
作を停止させ、駆動電流I4のほぼ全てが出力トランジ
スタQ2の駆動に用いられるような値を、制御信号S
2’が採る。これにより、この範囲では、トランジスタ
Q2は、その電流駆動能力を十分に発揮することができ
る。なお、具体的には、制御信号S1’は、駆動電流I
4の一部をクリップした波形の電流信号として容易に生
成される(図3,図4におけるトランジスタQ11等参
照)。制御信号S2’も同様である。
【0029】また、通常IC等では、ベース電流制御回
路S1,S2はトランジスタを主体として構成される
が、このトランジスタが制御する電流はトランジスタQ
3,Q4のベース電流であり極めて微小である。このた
め、ベース電流制御回路S1,S2が導通状態で発生す
る電圧は、トランジスタQ3,Q4のエミッタ電流を制
御する場合に較べて、極めて僅かである。図5を参照し
て具体的に説明すると、エミッタ電流を制御する場合
は、カレントミラー動作を行うときのエミッタ電流IC
1はトランジスタが電流増幅作用を行う領域内にあるこ
とから、そのときのベース電流制御回路に発生する電圧
すなわちトランジスタの飽和電圧VCE1 は小さめに設計
しても50mV程度となる。しかも、これはトランジス
タによって±10mV程度のばらつきがある。これで
は、カレントミラー動作が悪影響を受けることは既述し
た。
【0030】これに対し、ベース電流を制御する場合
は、カレントミラー動作を行うときのベース電流IC2
はそのときのエミッタ電流IC1をトランジスタの電流
増幅率で除した値となりトランジスタが電流増幅作用を
行う領域の遥か下方にあることから、そのときのベース
電流制御回路に発生する電圧すなわちトランジスタの飽
和電圧VCE2 は非常に小さくて3mV程度となる。しか
も、トランジスタごとのばらつきも±1mV以下でしか
ない。そこで、ベース電流制御回路が挿入接続されたこ
とによってそこのカレントミラー動作が影響を受けるこ
とはほとんどない。したがって、カレントミラーにおけ
るミラー比のばらつきや変動に起因するアイドリング電
流のばらつきや変動は、問題とならない。
【0031】かかる構成の下での動作を説明する。この
信号増幅IC10は、互いに反転した入力信号IN1,
反転電流IN2を受けると、入力信号IN1が駆動回路
A11で中間増幅されて駆動電流I3が生成され、反転
信号IN2が駆動回路A12で中間増幅されて駆動電流
I4が生成される。そして、信号が微小レベルのときす
なわち図6の第1の範囲Area1に対応するときに
は、駆動電流I3がトランジスタQ3,Q1で低電源電
圧に適応すべくカレントミラー増幅されて電流I1が生
成され、同様に駆動電流I4がトランジスタQ4,Q2
でカレントミラー増幅されて電流I2が生成される。電
流I1,I2にはアイドリング電流が含まれているの
で、出力トランジスタQ1,Q2は能動状態にあって速
やかに信号値の変化に追従することができる。したがっ
て、出力信号にクロスオーバー歪みが現れるおそれがな
い。そして、出力信号OUTにはアイドリング電流を除
いた電流I1,I2の差成分だけが出力されるので、出
力信号OUTは入力信号IN1又は反転信号IN2の増
幅信号となる。
【0032】信号のレベルが大のとき例えば図6の第2
の範囲Area2に対応するときには、駆動電流I3が
そのままトランジスタQ1で電流増幅されて電流I1が
生成される。そこで、電流I1は入力信号IN1が大き
く増幅された信号となる。一方、駆動電流I4に応じて
トランジスタQ2に流れる電流I2はアイドリング電流
だけである。したがって、これらの差による出力信号
は、十分な電流を伴うので、低い電源電圧Vccの下でも
例えば8Ωの低抵抗のヘッドホン等をも余裕を以て駆動
することができる。なお、詳細な説明は割愛するが、信
号のレベルが図6の第3の範囲Area3に対応すると
きも、入力信号IN1側と反転信号IN2側との役割が
入れ替わるが同様の動作である。このように電源電圧の
低いバッテリー駆動のオーディオ機器でも、クロスオー
バー歪みを発生することなく重負荷を駆動できる。
【0033】また、図2に、帰還を有する増幅回路につ
いての一実施例を示す。これは、上記の信号増幅IC1
0を後段に有するオペアンプ11に対し、オーディオ入
力信号Bが正転入力端子を介して信号IN1,IN2の
原信号として入力され、出力信号OUTの帰還信号が抵
抗Rf,反転入力端子を介して入力されるものである。
オーディオ入力信号Bと帰還信号とはオペアンプ11に
前段で作動増幅され、互いに反転する一対の信号IN
1,IN2が生成される。その後は信号増幅IC10に
よって増幅され、オーディオ入力信号Bと帰還信号が釣
り合うような出力信号OUTが生成される。いわゆる非
反転増幅回路である。
【0034】かかる回路の増幅率は、抵抗Rfと抵抗R
B との比によって一定に保たれる。このため、オペアン
プ11の後段部の増幅率が信号レベルに応じて変動して
も、回路全体の増幅率は一定である。したがって、出力
信号の波形が歪むことはない。その結果、アイドリング
電流を増やすことなく出力の駆動能力を向上させること
ができ、それでいて、アイドリング電流のばらつきが小
さく且つ出力信号の動作点近傍における増幅特性も良
い、さらに、歪みのない増幅が可能となる。以上ICを
例に採って具体的に説明してきたが、これに内蔵された
この発明の増幅回路は、IC内蔵に限られるものではな
く、信号増幅を要する各種の回路に組み込まれて同様の
作用効果を発揮する。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
ような第1の構成のこの発明の増幅回路及びその回路を
有する信号増幅ICにあっては、さほど大きな電流駆動
能力が要求されないときには、出力段回路がカレントミ
ラー動作する。これにより、低電源電圧下で増幅動作が
行われ、しかも、ベース電流制限回路の導通時電圧が小
さいので、カレントミラーの増幅特性が悪化することも
なく、ミラー比さらにはアイドリング電流の値もばらつ
くことがない。
【0036】一方、大きな電流駆動能力が要求されると
きには、駆動電流のほぼ全てが出力トランジスタのベー
スに供給されるので、低電源電圧下でも出力トランジス
タはその電流駆動能力を十分に発揮することができる。
これにより、大振幅信号増幅時における出力の電流駆動
能力を向上させることができる。したがって、アイドリ
ング電流を増やすことなく出力の駆動能力を向上させる
ことができ、それでいて、アイドリング電流のばらつき
が小さく且つ出力信号の動作点近傍における増幅特性も
良いという効果がある。
【0037】また、第2の構成のこの発明の増幅回路及
びその回路を有する信号増幅ICにあっては、最終的な
増幅率が原信号と帰還信号との比較により所定の設定値
とされる。これにより、出力トランジスタ部分における
局部的な増幅率が信号レベルによって変動しても出力信
号の波形が歪むことがないという効果が、上述の第1の
構成の発明における効果に加えて得られる。。したがっ
て、アイドリング電流を増やすことなく出力の駆動能力
を向上させることができ、それでいて、アイドリング電
流のばらつきが小さく且つ出力信号の動作点近傍におけ
る増幅特性も良く、さらに、歪みのない増幅が可能とな
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の増幅回路を内蔵した信号増
幅ICの一実施例である。
【図2】図2は、この発明の帰還を有する増幅回路を内
蔵した信号増幅ICの一実施例である。
【図3】図3は、この発明の増幅回路の具体的回路の例
である。
【図4】図4は、この発明の増幅回路の他の具体的回路
の例である。
【図5】図5は、この発明のベース電流制御回路の特徴
を説明するための、トランジスタにおける電圧−電流特
性図である。
【図6】図6は、この発明の増幅回路の動作を説明する
ための、出力信号についての波形例である。
【図7】図7は、従来の信号増幅ICの例である。
【図8】図8は、公知の増幅回路の例である。
【符号の説明】
1 増幅回路 10 信号増幅IC 11 オペアンプ A1,A2,A11,A12 駆動回路 Q1,Q2 出力トランジスタ Q3,Q4 ダイオード接続されたトランジスタ S1,S2 ベース電流制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03F 1/42 - 1/56 H03F 3/20 - 3/32 H03F 3/34 - 3/36 H03F 3/42 - 3/44 H03F 3/50 - 3/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を増幅して第1の駆動電流を生成
    する第1の駆動回路と、前記第1の駆動電流を受ける第
    1のダイオード接続されたトランジスタと、前記第1の
    ダイオード接続されたトランジスタにカレントミラー接
    続された第1の出力トランジスタと、前記入力信号の反
    転信号を受けこれを増幅して第2の駆動電流を生成する
    第2の駆動回路と、前記第2の駆動電流を受ける第2の
    ダイオード接続されたトランジスタと、前記第2のダイ
    オード接続されたトランジスタにカレントミラー接続さ
    れ前記第1の出力トランジスタにプッシュプルの関係で
    接続された第2の出力トランジスタと、を備えて、前記
    入力信号又は前記反転信号を増幅して出力信号を生成し
    出力する増幅回路であって、 前記第1のダイオード接続されたトランジスタのベース
    ラインに挿入接続され前記第1のダイオード接続された
    トランジスタのベース電流を制御する第1のベース電流
    制御回路と、前記第2のダイオード接続されたトランジ
    スタのベースラインに挿入接続され前記第2のダイオー
    ド接続されたトランジスタのベース電流を制御する第2
    のベース電流制御回路と、を備え、 前記出力信号の動作点を含み前記出力信号のクロスオー
    バー歪みに対応して決定される前記出力信号の値の範囲
    を第1の範囲とし、前記第1の範囲外で前記第1の出力
    トランジスタの出力が前記動作点から一方に大きく乖離
    する前記出力信号の値の所定の範囲を第2の範囲とし、
    前記第1の範囲及び前記第2の範囲外で前記第2の出力
    トランジスタの出力が前記動作点から他方に大きく乖離
    する前記出力信号の値の所定の範囲を第3の範囲とし、
    前記入力信号又は前記反転信号に応じて前記第1のベー
    ス電流制御回路と前記第2のベース電流制御回路とを制
    御することにより、 前記出力信号の値が前記第1の範囲内にあるとき又は前
    記入力信号及び前記反転信号の何れか一方の値が前記第
    1の範囲に対応した値であるときには、前記第1,第2
    のベース電流制御回路が前記第1,第2のダイオード接
    続されたトランジスタのベース電流を流して、前記第1
    のダイオード接続されたトランジスタと前記第1の出力
    トランジスタとがカレントミラーとして動作し、前記第
    2のダイオード接続されたトランジスタと前記第2の出
    力トランジスタとがカレントミラーとして動作し、 前記出力信号の値が前記第2の範囲内にあるとき又は前
    記第1の入力信号及び前記第2の入力信号の何れか一方
    の値が前記第2の範囲に対応した値であるときには、少
    なくとも前記第1のベース電流制御回路が前記第1のダ
    イオード接続されたトランジスタのベース電流を遮断又
    は制限して前記第1のダイオード接続されたトランジス
    タがカットオフし、前記第1の駆動電流のほぼ全てが前
    記第1の出力トランジスタのベースに供給され、 前記出力信号の値が前記第3の範囲内にあるとき又は前
    記入力信号及び前記反転信号の何れか一方の値が前記第
    3の範囲に対応した値であるときには、少なくとも前記
    第2のベース電流制御回路が前記第2のダイオード接続
    されたトランジスタのベース電流を遮断又は制限して前
    記第2のダイオード接続されたトランジスタがカットオ
    フし、前記第2の駆動電流のほぼ全てが前記第2の出力
    トランジスタのベースに供給されることを特徴とする増
    幅回路。
  2. 【請求項2】請求項1記載の増幅回路であって、前記入
    力信号又は前記反転信号の原信号を外部から受け、前記
    原信号又はこれに従う波形の信号に対して前記出力信号
    の帰還信号が比較されることにより、前記原信号と前記
    出力信号とに係わる増幅率が所定の設定値とされること
    を特徴とする増幅回路。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の増幅回路を有
    することを特徴とする信号増幅IC。
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