JP2761902B2 - 保存安定性の良好な水中油型懸濁状農薬組成物 - Google Patents

保存安定性の良好な水中油型懸濁状農薬組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は農薬の水中油型懸濁状農薬組成物に関するも
のであって、更にくわしくは、0℃〜常温附近で液状又
はペースト状である疎水性農薬の、長期保存に於て良好
な安定性を有する水中油型懸濁状組成物の製法に関する
ものである。
〈従来の技術及び問題点〉 本発明は0℃〜常温附近で液状又はペースト状である
疎水性農薬を有機溶剤を使用することなく、乳剤同様に
使用することができ、長期にわたって保存安定性の良好
な水中油型懸濁状農薬組成物の製法に関する。
従来、農薬の製剤型としては、粉剤、粒剤、水和剤、
液剤、乳剤、流動剤等が使用されてきた。その内、乳剤
は、一般に、農薬を有機溶剤に溶解し、更に乳化剤等を
加えて製造されるものであるが、他剤型に比較して、生
物効果が高く、速効的である等の利点を有するが、他
方、有機溶剤を含有するため、引火点や不快臭を有し、
又、毒性、刺激性が強く発現する傾向がみられたり、薬
害の原因となる場合もある。
0℃〜常温附近で液状又はペースト状である疎水性農
薬の有機溶剤を用いない剤型としては、粉剤、水和剤、
粒剤等があるが無機鉱物担体を多量に用い、農薬含有率
が比較的低く、粉砕・混合・造粒・乾燥・篩別等複雑な
工程を必要とし、又長期保存中の固化、固結を生じる場
合や又施用時の漂流飛散が大きかったりする他、製造コ
ストの増大等いくつかの欠点を有している。
0℃〜常温附近で液状又はペースト状である農薬の製
剤のこのような欠点を改良する目的で、近年、有機溶剤
や無機鉱物担体を用いず、水を基材として用いる水中懸
濁製剤や可溶化製剤が開発されてきた。
これらの製剤技術は、液状又はペースト状農薬を水の
連続相中に、数ミクロン以下の微少液滴として懸濁して
いる製剤であるため、長期保存中に微少農薬粒子が、凝
集したり、又、合一したりしてクリーム相や油相(農
薬)の分離を引きおこして不均一化したり又、農薬成分
の加水分解や酸化分解等の化学変化を受け易く農薬成分
含有率の低下、着色、不快臭の発生、固結、pH変化等を
ともなう場合が多く、長期保存における良好な保存安定
性を附与することは重要な技術となっている。
水性乳剤(マイクロエマルション剤)は液状又はペー
スト状である疎水性農薬を約30%以下程度含有し、可溶
化性能の大きい非イオン性界面活性剤やアニオン性界面
活性剤からなる乳化剤を比較的多量(一般に、農薬成分
含有率の1.5〜2倍量必要である)に使用することによ
って農薬を0.1ミクロン以下の透明な可溶化状態とする
製剤である(例えば、特公昭46−20520号公報、特公昭5
3−13696号公報、特公昭58−17721号公報、特公昭58−2
9761号公報、特公昭60−54928号公報、特開昭49−54547
号公報、特開昭51−41437号公報、特開昭52−122626号
公報、特開昭52−122628号公報、特開昭54−23123号公
報、特開昭55−31056号公報、特開昭60−132907号公
報、特開昭60−1101号公報) 又、他方液状又はペースト状疎水性農薬を1〜100ミ
クロン程度の比較的大きい粒子として水中に分散、懸濁
させて安定化する技術としては、水溶性高分子の存在下
に高速分散機を用いて分散させ、その増粘作用によって
分子粒子の凝集・合一を防止して保存安定性を付与する
技術が開発されてきた。
(例えば、特開昭53−99302号公報、特開昭55−17301
号公報、特開昭55−124707号公報、特開昭55−124708号
公報、特開昭55−129201号公報、特開昭55−130901号公
報、特開昭56−493903号公報、特開昭56−49307号公
報、特開昭56−120608号公報、特開昭58−118501号公
報、特開昭58−128301号公報、特開昭58−162503号公
報、特開昭58−192810号公報、特開昭59−39810号公
報、特昭61−37707号公報、特開昭61−180701号公報) これらの技術の要点は、PVA、アラビアガム、CMC、HE
C、MC、グアガム、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、
ゼラチン、カルボキシスターチ、セルロース硫酸誘導
体、ポリアクリレート、ポリメチルメタアクリレート、
PEG、アルブミン等の水溶性高分子を増粘剤として1〜1
0%使用し、更に必要に応じて、一般的な非イオン性界
面活性剤やアニオン性界面活性剤、無機塩、尿素等を配
合するものである。これら水溶性高分子の内、PVAやア
ラビアガムは特に有用なものである。
しかしながら、上記製剤技術にはいくつかの問題点が
ある。即ち、水性乳剤(マイクロエマルション剤)は農
薬成分の含有率が最大約30%以下と小さく又乳化剤を多
量に使用すること及び長期保存中に当初、透明な可溶化
状態であったものが白濁したり、沈澱物が生成したりす
る場合が少なくない。
又主として水溶性高分子物質を懸濁安定剤とする製剤
は農薬成分含有率が最大約40%以下と小さく、その粘度
は500〜2000センチポイズ程度と高いために、製造時及
び取り扱いに不便である他、容器への付着残留及び散布
液調整時の分散希釈のしにくさ等の問題点がある。更に
又、懸濁した農薬成分の分散粒子が5〜100ミクロンと
粗大であるため、散布液中での懸濁安定性の不足や生物
効果の低下等の傾向もある。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、0℃〜常温附近で液状又はペースト状
である疎水性農薬の、従来技術に基づく水中油型懸濁状
組成物の上述した諸欠点を改良し、乳剤とほぼ同様に使
用することが出来、かつ、長期にわたって、化学的、物
理的に保存安定性がすぐれた新規な水中油型懸濁状組成
物を製造する技法につき鋭意検討を重ねた結果本発明を
完成させたものである。
即ち、本発明の対象となる農薬は、0℃〜常温附近で
液状又はペースト状であり、水に対する溶解度(20℃)
が大約5,000ppm以下の難溶性又は不溶性の疎水性農薬で
ある。
本発明は 0℃〜常温附近で液状又はペースト状である疎水性農
薬を下記式(1)で表示される界面活性剤の1種又は2
種以上を配合して調整することを特徴とする水中油型懸
濁状農薬組成物。
ここでRは炭素数3〜9であるポリオール残基、mは
全体で10〜150、nは全体で6〜150、及びpは3〜6の
整数を示す。
上記式(1)で表示される化合物は出発物質であるポ
リオールにまずアルカリ触媒下に酸化プロピレンを100
〜150℃、2〜10kg/cm2の加圧条件下に反応させ、更に
酸化エチレンを引き続き付加させ最終的に中和すること
によって容易に合成することができる。出発物質は炭素
数3〜9であるポリオール類であり例えばグリセリン、
ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタ
ン、グルコース等を挙げることができる。
酸化プロピレンの付加モル数は10〜150が適当であ
り、好ましくは20〜130の範囲である。次いで付加する
酸化エチレンの付加モル数は3〜150が適当であるが好
ましくは10〜100の範囲である。
これら式(1)で表示される界面活性剤は一般にHLB
が2〜15程度の広範囲のものにわたるが1種又は2種以
上が選択されて配合され、好ましい効果を発揮する。
これら式(1)で表示される界面活性剤の乳化作用、
及び乳化安定化作用を補助する目的で、HLBが10〜18で
ある、ポリオキシエチレンアルキル(一般にはオクチル
〜ドデシル)フェニルエーテル、ポリオキシエチレンス
チリル(又はベンジル)フェニル(又はフェニルフェニ
ル)エーテル及びジオールを出発物質とする酸化プロピ
レン−酸化エチレンブロックポリマーの1種又は2種以
上を併用することが出来る。これら界面活性剤の選択と
配合は対象となる疎水性農薬の種類及び物理化学的特
性、組成物中の含有率、保存条件等を十分勘案の上決定
される必要がある。この他本発明に係る水中油型懸濁状
農薬組成物の保存安定性を更に補助する目的で、アニオ
ン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、増粘剤(水溶
性高分子物質)、比重調整剤、分解防止剤、pH調整剤
(緩衝液)、氷結防止剤、固結防止剤、消泡剤、防腐剤
等を配合することは何ら差しつかえないものである。
アニオン性界面活性剤として例えばアルキルベンゼン
スルホネーオ、アルキルサルフェート、アルキルナフタ
リンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート、ナ
フタレンスルホネート−ホルマリン縮合物、リグニンス
ルホネート、N−メチル−N−脂肪酸アミドタウリン、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート又は
フォスフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルサルフェート又はフォスフェート、ポリオキシ
エチレンスチリル(又はベンジルフェニル)(又はフェ
ニルフェニル)エーテルサルフェート又はフォスフェー
ト等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばソルビタンア
ルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレー
ト、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等である。
又、必要に応じて、従来、水中油型懸濁状農薬組成物
の安定化剤として使用されてきた水溶性高分子物質(増
粘剤)を少量併用して好ましい結果を得る場合があり、
例えばPVA,CMC,HEC,MC,アラビアガム,キサンタンガ
ム,グアガム,アルギン酸ソーダ、カラギーナン,ゼラ
チン,カルボキシスターチ,ポリアクリレート,ポリメ
チルメタアクリレート,PEG等を挙げることができる。
比重調整剤は懸濁微粒子である農薬と、連続相である
水層との比重差を小さくして安定性を増大する目的で使
用される場合があり、例えば、マシン油、スピンドル
油、パラフィン油、ナフテン油等の鉱物油や、食塩、塩
化カリ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等を挙げる
ことができる。
氷結防止剤は懸濁状農薬組成物の保存条件が0℃以
下、例えば−5℃、−10℃となる場合、水層の氷結を防
止する目的で使用され、一般的に氷結防止剤が有効であ
る。
農薬成分が化学的に不安定で加水分解や酸化分解を生
ずる可能性のある場合には分解防止剤(エポキシ化合
物、エポキシ植物油、ラクトン類、BHTやヒドロキシア
ニソールなどの酸化防止剤等)を添加したり、又水層に
緩衝剤を添加して、農薬の安定化領域にpHを調整するこ
とが有用である場合も多く、本発明に配合して何ら差し
つかえないものである。
この他、懸濁状農薬組成物を製造し、又は施用すると
き発泡を防止するのに消泡剤を、又、保存中の微生物汚
染を防止する必要がある場合には防腐剤等を添加するこ
とは有用である。
以上の通り、本発明に係る水中油型懸濁状農薬組成物
の好ましい組成を例記すれば次の通りであるが本発明の
趣旨をこの範囲に限定すべきではない。
0℃〜常温附近で液状又はペースト状農薬 20〜70%(重量) 特許請求の範囲第1項の式(1)で表示される界面活
性剤 1〜10 特許請求の範囲第2項のノニオン性界面活性剤 5〜 5 増粘剤(水溶性高分子物質) 0〜 5 分解防止剤及び緩衝剤 0〜 5 氷結防止剤 0〜 5 比重調整剤、消泡剤、防腐剤等 0〜 5 水 残 部 本発明の対象となる農薬は0℃〜常温附近で液状又は
ペースト状である。水に不溶性又は難溶性であるなら
ば、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植調剤等を含むことがで
きる。
殺虫剤では、0,0−ジメチル−3−メチル−4−ニト
ロフェニルホスホロチオエート(フエニトロチオン)、
0,0−ジメチル−3−メチル−4−メチルチオフェニル
ホスホロチオエート(フェンチオン)、0,0−ジエチル
−2−イソプロピル−4メチル−6−ピリミジニルホス
ホチオエート(ダイアジノン)、0,0−ジメチル−S−
〔α−(エトキシカルボニル)ベンジル〕ホスホロジチ
オエート(エルサン)、0−secブチルフェニルメチル
カーバメート(PBMC)、0−エチル−S−プロピル2,4
−ジクロロフェニルホスホロチオロチオエート(プロチ
オホス)、等の他、3−アリル−2−メチルシクロペン
タ−2−エン−4−オン−1−イルクリサンセマート
(アレスリン)、5−(ベンジル−3−フリルメチル)
クリサンセマート(レスメスリン)、5−プロパルギル
−3−フリルメチルクリサンセマート(フラメスリ
ン)、3−フェノキシベンジルクリサンセマート(フェ
ノスリン)、3−フェノキシベンジル−2,2−ジメチル
−3−(β,β−ジクロロ)ビニルシクロプロパンカル
ボキシレート(パーメスリン)、α−シアノ−3−フェ
ノキシベンジルルーシス、トランス−3−(2,2−ジク
ロルビニル)−2,2−ジメチル−シクロプロパンカルボ
キシレート(サイパーメスリン)等の合成ピレスロイド
系農薬が、殺菌剤では、メチルアルセニックスビス(ド
デシルスルフィド)(マルス)、0−エチル−S,S−ジ
フェニルジチオホスフェート(EEDP)、0,0−ジイソプ
ロピル−S−ベンジルホスホロチオレート(IBP)、5
−エトキシ−3−トリクロロメチル−1,2,4−チアジア
ゾール(エクロメゾール)が、又除草剤では、S−p−
クロロベンジルジエチルチオカーバメート(ベンチオカ
ーブ)、S−(2−クロロベンジル)−N,N−ジエチル
チオカーボメート(オルソベンカーブ)、α−クロロ−
2′,6′−ジエチル−N−(n−ブトキシメチル)アセ
トアニリド(ブタクロール)、α−クロロ−2′,6′−
ジエチル−N−(n−プロポキシエチル)アセトアニリ
ド(プレチラクロール)、S−エチルヘキサハイドロ−
1H−アゼピン−1−カルボチオエート(モリネート)、
S−エチル−N−シクロヘキシル−N−エチルチオカー
バメート(シクロエート)等が挙げられるが、必ずしも
これら農薬の範囲内に本発明の主旨を限定すべきではな
い。これら農薬の内、ブタクロールに関して本発明と類
似の技術が、特開昭58−162504号公報に述べられている
が、界面活性剤として下記一般式で示されるポリアルキ
レングリコールエーテル系非イオン性界面活性剤を使用
するもので、本発明とは、技術内容が異なるものと解さ
れる。即ち、特解昭58−162504号公報は式 (式中Rはアルキル、アリール又はアルキルアリールで
あり、nはほぼ1250に等しくそしてmはおよその分子量
3500となるためのほぼ2200に等しい)を有するであろ
う。ここに用いられている「アルキル」なる用語は炭素
数1〜5個の直鎖状または分枝鎖状アルキルを指す。
「アリール」なる用語は炭素数6〜12個の芳香族基、例
えば、フェニルまたはナフチルを指す。「アルキルアリ
ール」なる用語はアルキル置換フェニル基(ここでアル
キル基は直鎖状または分枝鎖上であってよくそして1〜
20個の炭素原子を有しうる)を指す。〕(〔 〕内は
引用)を乳化剤として使用するものである。又更に、特
開昭57−80306号公報及び特開昭58−162505号公報に
は、フェノキシアルカンカルボン酸エステルの濃縮乳剤
の製造方法として界面活性剤を使用する技法が説明され
ている。この中で非イオン性界面活性剤、特に脂肪族酸
ポリエチンレングリコールエステル、脂肪族アルコール
のグリセリドの又は、アルキルフェノールのポリエチレ
ングリコールエーテル及びポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロック重合体を、不飽和脂肪酸タウリド
及び脂肪酸アルキルタウリドのアルカリ金属塩及びポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテルフォスフェー
ト又はポリオキシエチレン脂肪アミンと併用する技術が
述べられており、本願発明とは異なるものと解される。
本発明に係る水中油型懸濁状農薬組成物の製造に当って
は、通常の高速乳化機、例えばホモミキサー、ホモブレ
ンダー、ホモゲナイザー、コロイドミル及びタービン型
乳化機やガウリン型乳化機等で十分である。通常これら
乳化機の作動条件は、当該の組成物の全成分を仕込み、
2000〜20000rpm(好ましくは5000〜15000rpm)の速度
で、5〜10分間高速撹拌すればよく、特別の手法は必要
ない。
このような方法により製造される本発明に係る水中油
型懸濁状農薬組成物は、一般にその粒子径は1ミクロン
以下であり、−5〜40℃の長期にわたる保存においても
クリーム層やオイル層の分離をみることなく(少量の水
層分離が生ずる場合があるが、簡単な撹拌によって均一
な懸濁状となる)安定であり、又粘性は大約800cps以下
程度の物性を示す。本組成物は、そのまま少量散布に使
用できるばかりでなく、水に容易に任意の濃度に希釈さ
れて、安定な乳化状態を示すもので、従来の乳剤同様に
散布することができる。
ここに例示した疎水性農薬は日本国内における農薬製
剤の通常の保存条件を考慮して0〜5℃で液状又はペー
スト状であるが、0〜5℃の如き低温で保存する必要が
ない場合には、該当する保存温度付近で液状又はペース
ト状であればよく、本発明の主旨を0〜5℃付近で液状
又はペースト状である疎水性農薬に限定されるべきでは
ない。
本発明に係る水中油型懸濁状農薬組成物は、液状又は
ペースト状農薬を70%(重量)近くまで含有することが
出来、過酷な保存条件のもとでも、農薬成分を懸濁状に
安定に保持することができる。この作用は主として、式
(1)で表示される界面活性剤に基づき、更に補助的に
併用される成分によって促進されるが、その安定化機構
については必ずしも明確ではないが、式(1)で表示さ
れる界面活性剤は分子量として数100から数1000の比較
的高い分子量を有し、3本〜6本の枝をもつ多鎖型界面
活性剤であり、かつ中心部に親油性酸化プロピレンブロ
ックを有するため、又3次元の溶液構造を取るため、乳
化作用と乳化安定作用(増粘作用を含む)を有し懸濁粒
子の微少化と凝集及び合一を防止する作用にすぐれ水溶
性高分子物質を用いる場合に比して低粘度で良好な保存
安定性を発揮するものと考えられる。又、この効果に特
許請求の範囲第2項のノニオン性界面活性剤が、協力的
作用を及ぼすと考えられる。更に又、組成物中に必要に
応じて併用されるアニオン性界面活性剤、水溶性高分子
物質(増粘剤)、分解防止剤、緩衝剤、比重調整剤等も
補助的に作用することになる。
〈実 施 例〉 次に、実施例を用いて、本発明の技術内容を更に説明
する。
(1)乳化剤実施例 (イ)乳化剤: 式(1)のRがグリセリン,mが全体で50、nが全体で
62、pが3である界面活性剤 (ロ)乳化剤: 式(1)のRがペンタエリスリトール、mが全体で5
0、nが全体で60、pが4である界面活性剤 (ハ)乳化剤: 式(1)のRがソルビタン、mが全体で102、nが全
体で20、pが4である界面活性剤30%(重量、以下同
様)、式(1)のRがジクリセリン、mが全体で20、n
が全体で130、pが4である界面活性剤70%の混合物 (ニ)乳化剤 式(1)のRがグリセリン、mが全体で66、nが全体
で6、pが3である界面活性剤50%、式(1)のRがジ
グリセリン、mが全体で20、nが全体で80、pが4であ
る界面活性剤50%の混合物 (ホ)乳化剤: 式(1)のRがグリセリン、mが全体で66、nが全体
で6、pが3である界面活性剤50%:ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(HLBが13)50%の混合物 (2)水中油型懸濁状農薬組成物の実施例 (イ)実施例1: 日本精機製ホモゲナイザー(ユニバーサル型)を用い
た。乳化容器(ステンレス製、200ml)にフェニトロチ
オン80gr、乳化剤8gr及びエチレングリコール5grを仕
込み、十分溶解させた後、水57grを入れ、室温で、回転
数10、000rpm、5分間乳化させた。フェニトロチオン55
%(重量以下同様)を含有する懸濁状組成物150grを得
た。(以下の実施例は同一のホモゲナイザー、操作条件
を用いた) (ロ)実施例2: ダイアジノン65gr、乳化剤7gr、プロピンレングリ
コール5gr、エポキシアマニ油2gr及び0.2M KH2PO4−0.2
N NaOH緩衝液(pH=8.0)73grを用いて、ダイアジノン4
4%を含有する懸濁状組成物150grを得た。
(ハ)実施例3: ダイアジノ97gr、乳化剤8gr、プロピレングリコー
ル3gr、エポキシアマニ油2gr及び0.2M KH2PO4−0.2N Na
OH緩衝液(pH=8.0)40grを用いて、ダイアジメン65%
を含有する懸濁状組成物150grを得た。
(ニ)実施例4: サイパーメスリン31gr、乳化剤10gr、プロピレング
リコール6gr及び水103grを用いて、サイパーメスリン21
%を含有する懸濁状組成物150grを得た。
(ホ)実施例5: フェニトロチオン44gr、BPMC40gr、乳化剤7gr、エ
チレングリコール5gr及びMcIuvaine緩衝液(pH=4.5)5
2grを用いてフェニトロチオン29%、BPMC26%を含有す
る懸濁状組成物150grを得た。
(ヘ)実施例6: エルサン82gr、乳化剤8gr、プロピレングリコール4
gr、エポキシアマニ油2gr及びMcIlvaine緩衝液(pH=5.
0)53grを用いて、エルサン55%を含有する懸濁状組成
物150grを得た。
(3)試験方法 (イ)保存試験法 実施例懸濁状組成物約60mlをネジ栓付き円筒型白色保
存瓶(底部直径3.8cm×高さ10cm、100目付き)に入れて
密栓した後、室温(20〜25℃)及び45℃に30日間及び90
日間保存した。
(ロ)外観変化 上記保存試験中、クリーム層、油層及び水層の有無を
視覚にて観察し、目盛よりその容量%を読みとった。
(ハ)粒子径測定法 実施例懸濁状組成物5マイクロリッターを100mlの生
理的食塩水(0.90% w/v 食塩水)に希釈し、コールタ
ーカウンター(日本科機製、モデルZB型)を用いて、20
℃の粒子径分布を測定して平均粒子径を算出した。
(ニ)粒度測定法 実施例の懸濁状組成物約1.2mlを用いて、E型粘度計
(東京計器(株)製VISCONIC ED型)により25℃、10RPM
の粘度を測定した。
[発明の効果] 実施例と比較例の結果を表にまとめて示した。表で明
らかなように本発明による水中油型懸濁状農薬組成物が
優れた経時安定性を示している事が明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 25/04 A01N 25/30 A01N 25/22 B01F 17/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0℃〜常温附近で液状又はペースト状であ
    る疎水性農薬を下記の式(1)に表示される界面活性剤
    の1種又は2種以上を配合して調整することを特徴とす
    る、保存安定性の良好な水中油型懸濁状農薬組成物。 ここで、Rは炭素数3〜9であるポリオール残基、mは
    全体で10〜150、nは全体で6〜150、及びpは3〜6の
    整数を示す。
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