JP2761742B2 - 着色ジルコニアセラミックス - Google Patents
着色ジルコニアセラミックスInfo
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- JP2761742B2 JP2761742B2 JP63300367A JP30036788A JP2761742B2 JP 2761742 B2 JP2761742 B2 JP 2761742B2 JP 63300367 A JP63300367 A JP 63300367A JP 30036788 A JP30036788 A JP 30036788A JP 2761742 B2 JP2761742 B2 JP 2761742B2
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- coo
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- zirconia
- zirconia ceramics
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はジルコニアセラミックスに金属酸化物の顔料
を含有させた着色セラミックスに関し、特に青色系の着
色ジルコニアセラミックスに関するものである。
を含有させた着色セラミックスに関し、特に青色系の着
色ジルコニアセラミックスに関するものである。
〔従来の技術〕 従来、アルミナセラミックスに顔料を含有させた塗飾
部材が利用されており、またより高強度の着色部材とし
て特開昭59−105055号、特開昭60−37060号公報に示さ
れるような着色ジルコニアセラミックスも開発されてい
た。これは、安定化剤を加えたジルコニア原料にCr2O3,
CoO,NiO,MnO2,Fe2O3,TiO2等の金属酸化物を顔料とし
て添加したものであり、例えば顔料としてCoOを加える
と青色のジルコニアセラミックスを得ることができた。
部材が利用されており、またより高強度の着色部材とし
て特開昭59−105055号、特開昭60−37060号公報に示さ
れるような着色ジルコニアセラミックスも開発されてい
た。これは、安定化剤を加えたジルコニア原料にCr2O3,
CoO,NiO,MnO2,Fe2O3,TiO2等の金属酸化物を顔料とし
て添加したものであり、例えば顔料としてCoOを加える
と青色のジルコニアセラミックスを得ることができた。
ところが、上記のようにCoOを添加した着色ジルコニ
アセラミックスにおいてCoOの添加量を多くするに従っ
て青色を濃くすることができるが、同時にジルコニアセ
ラミックスの焼結を阻害し、強度を低下させる傾向があ
った。そのため、CoOのみの添加では、濃青色または暗
青色の高強度ジルコニアセラミックスを得ることができ
なかった。
アセラミックスにおいてCoOの添加量を多くするに従っ
て青色を濃くすることができるが、同時にジルコニアセ
ラミックスの焼結を阻害し、強度を低下させる傾向があ
った。そのため、CoOのみの添加では、濃青色または暗
青色の高強度ジルコニアセラミックスを得ることができ
なかった。
上記に鑑みて本発明は、Y2O3などの安定化剤を含むジ
ルコニア原料100重量部に対し、着色顔料としてCoO 1〜
5重量部、Fe2O3 0.25〜1.0重量部を添加し、さらにCr2
O3 0.25〜1.0重量部を添加して濃青色又は暗青色の着色
ジルコニアセラミックスとしたものである。
ルコニア原料100重量部に対し、着色顔料としてCoO 1〜
5重量部、Fe2O3 0.25〜1.0重量部を添加し、さらにCr2
O3 0.25〜1.0重量部を添加して濃青色又は暗青色の着色
ジルコニアセラミックスとしたものである。
このように、本来の青色系の顔料であるCoOに加え
て、Fe2O3を添加することによって濃色化することがで
き、またCr2O3を添加することによってジルコニアセラ
ミックスの焼結阻害を防止できるため、上記着色顔料を
多量に添加することが可能となる。その結果濃青色又は
暗青色で見掛け比重が5.85以上、曲げ強度80kg/mm2以上
の着色ジルコニアセラミックスを得ることができるので
ある。
て、Fe2O3を添加することによって濃色化することがで
き、またCr2O3を添加することによってジルコニアセラ
ミックスの焼結阻害を防止できるため、上記着色顔料を
多量に添加することが可能となる。その結果濃青色又は
暗青色で見掛け比重が5.85以上、曲げ強度80kg/mm2以上
の着色ジルコニアセラミックスを得ることができるので
ある。
上記安定化剤としては、Y2O3,MgO,CaO等の少なくとも
一種を用いればよく、例えばY2O3の場合、ジルコニアに
対しY2O3の成分比が3〜9mol%であれば部分安定化ジル
コニアセラミックスとなる。
一種を用いればよく、例えばY2O3の場合、ジルコニアに
対しY2O3の成分比が3〜9mol%であれば部分安定化ジル
コニアセラミックスとなる。
また、ジルコニア粉末、安定剤および顔料の粒径は通
常2μm以下、好ましくは1μm以下のものが良い。こ
れらの混合粉末を加圧成形した後、1400〜1700℃、好ま
しくは1450〜1550℃で真空炉又は酸化炉により焼成すれ
ば良い。さらにHIP(熱間静水圧プレス)処理を施せば
より高強度とすることもできる。
常2μm以下、好ましくは1μm以下のものが良い。こ
れらの混合粉末を加圧成形した後、1400〜1700℃、好ま
しくは1450〜1550℃で真空炉又は酸化炉により焼成すれ
ば良い。さらにHIP(熱間静水圧プレス)処理を施せば
より高強度とすることもできる。
なお、上記ジルコニア粉末、安定化剤および顔料に加
えて本発明の効果を損なわない範囲でSiO2,Al2O3,TiO
2などの周知の焼結促進剤等を加えてもよい。
えて本発明の効果を損なわない範囲でSiO2,Al2O3,TiO
2などの周知の焼結促進剤等を加えてもよい。
以下本発明の実施例を説明する。
ジルコニア97mol%とY2O3 3mol%からなるジルコニア
原料粉末100重量部に対し、第1表に示す割合で顔料を
加え、更に水100重量部を加えて振動ミルにて3日間粉
砕し、乾燥した。これを120メッシュに通し、パラフィ
ンワックスを添加し、更に80メッシュに通した。この混
合物を成形圧1 ton/cm2で7×65mmの形状に成形し、そ
れぞれ比重が5.85g/cm3以上となる焼成温度で真空焼成
を行った。
原料粉末100重量部に対し、第1表に示す割合で顔料を
加え、更に水100重量部を加えて振動ミルにて3日間粉
砕し、乾燥した。これを120メッシュに通し、パラフィ
ンワックスを添加し、更に80メッシュに通した。この混
合物を成形圧1 ton/cm2で7×65mmの形状に成形し、そ
れぞれ比重が5.85g/cm3以上となる焼成温度で真空焼成
を行った。
各試料について焼結クラックの有無を確認し、クラッ
クの発生しなかったものについて結晶中の単斜晶の割
合、および抗折強度を測定した。
クの発生しなかったものについて結晶中の単斜晶の割
合、および抗折強度を測定した。
結果は第1表に示す通りである。
第1表中試料No.1−1〜1−3のようにCoOの単独添
加ではCoOの添加両は2%までが焼結可能であり、この
範囲では濃色化はできなかった。また、試料No.2−1〜
2−12のようにCoO添加量を増やし、かつFe2O3を添加す
ると焼結阻害がおこり単斜晶の量が多くなるため、結局
試料No.2−2のようにCoO 2.0%,Fe2O3 0.5%が限界で
あったが、これでは目標とする濃青色とできなかった。
加ではCoOの添加両は2%までが焼結可能であり、この
範囲では濃色化はできなかった。また、試料No.2−1〜
2−12のようにCoO添加量を増やし、かつFe2O3を添加す
ると焼結阻害がおこり単斜晶の量が多くなるため、結局
試料No.2−2のようにCoO 2.0%,Fe2O3 0.5%が限界で
あったが、これでは目標とする濃青色とできなかった。
これに対し、本発明実施例である試料No.4−1〜4−
9,5−1〜5−4のようにCoO,Fe2O3に加えてCr2O3を添
加することにより濃青色あるいは暗青色で焼結可能とす
ることができた。例えば、試料No.2−4でCoO 2.0%,F
e2O3 1.0%では単斜晶が50%以上となりクラック発生し
たものが、試料No.4−7のようにCoO 2.0%,Fe2O3 1.0
%,Cr2O3 0.25%で焼結可能となり単斜晶の量が30%以
下と少なく、強度も80Kg/mm2以上で暗青色とすることが
できた。
9,5−1〜5−4のようにCoO,Fe2O3に加えてCr2O3を添
加することにより濃青色あるいは暗青色で焼結可能とす
ることができた。例えば、試料No.2−4でCoO 2.0%,F
e2O3 1.0%では単斜晶が50%以上となりクラック発生し
たものが、試料No.4−7のようにCoO 2.0%,Fe2O3 1.0
%,Cr2O3 0.25%で焼結可能となり単斜晶の量が30%以
下と少なく、強度も80Kg/mm2以上で暗青色とすることが
できた。
この点に関し、従来よりZrO2へのCoO,Fe2O3添加が焼
結温度を下げるのに対し、Cr2O3添加は焼結温度への影
響がないことが知られていた。この事実と、今回の実験
結果を合わせて考えると、CoO,Fe2O3はZrO2を非安定な
状態にするため、その焼結温度を下げるものであり、こ
れに対してCr2O3はZrO2を安定な状態にする効果を持つ
ものと考えられる。従って、CoO,Fe2O3添加により非安
定な状態となったZrO2にCr2O3を添加すると焼結阻害を
防止できるものと考えられる。
結温度を下げるのに対し、Cr2O3添加は焼結温度への影
響がないことが知られていた。この事実と、今回の実験
結果を合わせて考えると、CoO,Fe2O3はZrO2を非安定な
状態にするため、その焼結温度を下げるものであり、こ
れに対してCr2O3はZrO2を安定な状態にする効果を持つ
ものと考えられる。従って、CoO,Fe2O3添加により非安
定な状態となったZrO2にCr2O3を添加すると焼結阻害を
防止できるものと考えられる。
また、上記実施例では安定化剤としてY2O3を用いた例
を示したが、安定化剤としてCaOやMgO等を用いたものに
ついても実験したところほぼ同様の結果であった。
を示したが、安定化剤としてCaOやMgO等を用いたものに
ついても実験したところほぼ同様の結果であった。
叙上のように本発明によれば、安定化剤を含むジルコ
ニア原料100重量部に対し、着色顔料としてCoO 1〜5重
量部、Fe2O3 0.25〜1.0重量部を添加し、さらにCr2O3
0.25〜1.0重量部を添加したことによって、濃青色又は
暗青色で、かつ比重5.85g/cm3以上、抗折強度80Kg/mm2
以上の高強度の着色ジルコニアセラミックスを得ること
ができる。
ニア原料100重量部に対し、着色顔料としてCoO 1〜5重
量部、Fe2O3 0.25〜1.0重量部を添加し、さらにCr2O3
0.25〜1.0重量部を添加したことによって、濃青色又は
暗青色で、かつ比重5.85g/cm3以上、抗折強度80Kg/mm2
以上の高強度の着色ジルコニアセラミックスを得ること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】安定化剤を含むジルコニア原料100重量部
に対し、着色顔料としてCoO 1〜5重量部、Fe2O3 0.25
〜1.0重量部を添加し、さらにCr2O3 0.25〜1.0重量部を
添加したことを特徴とする濃色系着色ジルコニアセラミ
ックス。 - 【請求項2】見掛比重が5.85g/cm3以上で、かつ抗折強
度が80kg/mm2以上であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の濃色系着色ジルコニアセラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63300367A JP2761742B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | 着色ジルコニアセラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63300367A JP2761742B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | 着色ジルコニアセラミックス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145475A JPH02145475A (ja) | 1990-06-04 |
JP2761742B2 true JP2761742B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=17883924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63300367A Expired - Lifetime JP2761742B2 (ja) | 1988-11-28 | 1988-11-28 | 着色ジルコニアセラミックス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2761742B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8178012B1 (en) | 2006-04-06 | 2012-05-15 | Ivoclar Vivadent Ag | Shaded zirconium oxide articles and methods |
DK2353542T3 (en) | 2006-05-23 | 2016-08-22 | Ivoclar Vivadent Ag | Process for producing colored blank and dental molds. |
US8173562B2 (en) | 2006-05-23 | 2012-05-08 | Ivoclar Vivadent Ag | Shaded zirconia ceramics |
EP2336097B1 (en) * | 2008-08-28 | 2015-07-29 | Kyocera Corporation | Dark-blue ceramic and decorative component |
FR2969601A1 (fr) * | 2010-12-22 | 2012-06-29 | Saint Gobain Ct Recherches | Piece frittee coloree. |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6322930A (ja) * | 1986-07-16 | 1988-01-30 | Yutani Heavy Ind Ltd | 建設機械の油圧回路 |
-
1988
- 1988-11-28 JP JP63300367A patent/JP2761742B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145475A (ja) | 1990-06-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090327 Year of fee payment: 11 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
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