JP2761508B2 - 内燃機関用タペットとその製造方法 - Google Patents
内燃機関用タペットとその製造方法Info
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- JP2761508B2 JP2761508B2 JP31521491A JP31521491A JP2761508B2 JP 2761508 B2 JP2761508 B2 JP 2761508B2 JP 31521491 A JP31521491 A JP 31521491A JP 31521491 A JP31521491 A JP 31521491A JP 2761508 B2 JP2761508 B2 JP 2761508B2
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- Japan
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- chip
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関における直動
型の動弁機構に用いられるタペットとその製造方法に関
する。
型の動弁機構に用いられるタペットとその製造方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】最近、エンジンの高回転、高出力化の要
求から、ＤＯＨＣ式の動弁機構を採用する傾向にあり、
また、動弁系をより一層軽量化する目的から、この動弁
機構に用いられるタペット(バルブリフタ)を、従来の鉄
製からアルミニウム合金製とする傾向にある(例えば特
開平1-315607号公報参照)。
求から、ＤＯＨＣ式の動弁機構を採用する傾向にあり、
また、動弁系をより一層軽量化する目的から、この動弁
機構に用いられるタペット(バルブリフタ)を、従来の鉄
製からアルミニウム合金製とする傾向にある(例えば特
開平1-315607号公報参照)。
【０００３】アルミニウム合金製のタペットは、鉄製に
比べて強度、剛性が低く、かつ耐摩耗性に劣るため、回
転カム及びエンジンバルブの軸端との接触面に、耐摩耗
性の金属材料を装着して使用されるのが一般的である。
比べて強度、剛性が低く、かつ耐摩耗性に劣るため、回
転カム及びエンジンバルブの軸端との接触面に、耐摩耗
性の金属材料を装着して使用されるのが一般的である。
【０００４】図３は、直動型の動弁機構に組込まれた従
来のタペットを示し、(１)はシリンダヘッド、(２)はシ
リンダヘッド(１)に摺動自在に嵌合されたタペット本体
で、上面が閉塞された円筒形を呈し、その上端面と内底
面とに形成された大径の凹所(2a)、及び小径の嵌合孔(2
b)には、それぞれ耐摩耗性金属材料よりなる円板形のシ
ム(３)と小径のチップ(４)とが嵌合されている。
来のタペットを示し、(１)はシリンダヘッド、(２)はシ
リンダヘッド(１)に摺動自在に嵌合されたタペット本体
で、上面が閉塞された円筒形を呈し、その上端面と内底
面とに形成された大径の凹所(2a)、及び小径の嵌合孔(2
b)には、それぞれ耐摩耗性金属材料よりなる円板形のシ
ム(３)と小径のチップ(４)とが嵌合されている。
【０００５】チップ(４)の下端面は、１対のコッタ(５)
(５)、スプリングリテーナ(６)、バルブスプリング(７)
等によりシリンダヘッド(１)に組付けられたエンジンバ
ルブ(８)の軸端と当接している。また、シム(３)の上端
面は、エンジンバルブ(８)のほぼ軸線上に配設した回転
カム(９)と摺接している。
(５)、スプリングリテーナ(６)、バルブスプリング(７)
等によりシリンダヘッド(１)に組付けられたエンジンバ
ルブ(８)の軸端と当接している。また、シム(３)の上端
面は、エンジンバルブ(８)のほぼ軸線上に配設した回転
カム(９)と摺接している。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上述のような直動型の
動弁機構に用いられるタペットにおいては、回転カム
(９)による駆動力が、チップ(４)に強力な圧縮荷重とな
って繰返し作用するようになる。従って、上記した従来
のように、チップ(４)の上下の面が平坦面に成形され、
かつ嵌合孔(2b)内に嵌合されているチップ(４)の周縁角
部が直角状に形成されていると、その角部に応力が集中
して、図３に示すような亀裂(10)が発生することがあ
る。
動弁機構に用いられるタペットにおいては、回転カム
(９)による駆動力が、チップ(４)に強力な圧縮荷重とな
って繰返し作用するようになる。従って、上記した従来
のように、チップ(４)の上下の面が平坦面に成形され、
かつ嵌合孔(2b)内に嵌合されているチップ(４)の周縁角
部が直角状に形成されていると、その角部に応力が集中
して、図３に示すような亀裂(10)が発生することがあ
る。
【０００７】また、タペット本体(２)の外周面が摩耗し
てガタが発生したり、サージング現象等によりエンジン
バルブ(８)が不正運動を起こしたりして、タペット本体
(２)とエンジンバルブ(８)との軸線同士が互いに傾いた
際等に、エンジンバルブ(８)の軸端とチップ(４)の下端
面とが偏当たりして、互いの当接面が偏摩耗することが
ある。
てガタが発生したり、サージング現象等によりエンジン
バルブ(８)が不正運動を起こしたりして、タペット本体
(２)とエンジンバルブ(８)との軸線同士が互いに傾いた
際等に、エンジンバルブ(８)の軸端とチップ(４)の下端
面とが偏当たりして、互いの当接面が偏摩耗することが
ある。
【０００８】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、タペット本体におけるチップ嵌合部に応
力が集中するのを防止するとともに、チップとエンジン
バルブとの互いの当接面の偏摩耗を防止することによ
り、耐久性、信頼性に優れるタペットとその製造方法を
提供することを目的としている。
されたもので、タペット本体におけるチップ嵌合部に応
力が集中するのを防止するとともに、チップとエンジン
バルブとの互いの当接面の偏摩耗を防止することによ
り、耐久性、信頼性に優れるタペットとその製造方法を
提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のタペットは、上面が閉塞された円筒形をな
すタペット本体の内底面中央に、上下の端面が球面状に
膨出するとともに、上端面の周縁角部に所要曲率の丸み
を形成したチップを嵌着したことを特徴としている。
め、本発明のタペットは、上面が閉塞された円筒形をな
すタペット本体の内底面中央に、上下の端面が球面状に
膨出するとともに、上端面の周縁角部に所要曲率の丸み
を形成したチップを嵌着したことを特徴としている。
【００１０】また、その製造方法は、上面が閉塞された
塑性変形可能な円筒形をなすタペット本体の内底面中央
に、奥面が平坦状をなす所要大きさの嵌合孔を形成し、
該嵌合孔内に、上下の端面が球面状に膨出するととも
に、上端面の周縁角部に所要曲率の丸みを形成したチッ
プを嵌挿したのち、該チップを、前記嵌合孔の奥面がチ
ップの上端部と同形をなす球面状に塑性変形するまで強
圧し、嵌合孔の開口端を内方にカシメることを特徴とし
ている。
塑性変形可能な円筒形をなすタペット本体の内底面中央
に、奥面が平坦状をなす所要大きさの嵌合孔を形成し、
該嵌合孔内に、上下の端面が球面状に膨出するととも
に、上端面の周縁角部に所要曲率の丸みを形成したチッ
プを嵌挿したのち、該チップを、前記嵌合孔の奥面がチ
ップの上端部と同形をなす球面状に塑性変形するまで強
圧し、嵌合孔の開口端を内方にカシメることを特徴とし
ている。
【００１１】
【作用】タペット本体の内底面中央に嵌合されたチップ
の上下両端面が、球面状に膨出し、かつ上端面の周縁角
部に丸みを形成しているので、チップに強力な圧縮荷重
が作用しても、タペット本体におけるチップの嵌合角部
に応力が集中することがない。
の上下両端面が、球面状に膨出し、かつ上端面の周縁角
部に丸みを形成しているので、チップに強力な圧縮荷重
が作用しても、タペット本体におけるチップの嵌合角部
に応力が集中することがない。
【００１２】また、チップの下端面を球面状としてある
ため、タペット本体及びエンジンバルブの軸線が互いに
傾斜しても、エンジンバルブの軸端がチップの下端面に
偏当たりする恐れがない。
ため、タペット本体及びエンジンバルブの軸線が互いに
傾斜しても、エンジンバルブの軸端がチップの下端面に
偏当たりする恐れがない。
【００１３】本発明の製造方法によると、タペット本体
の内底面中央に形成したチップの嵌合孔の奥面を、チッ
プを強圧して塑性変形させることにより球面状に形成し
ているため、球面部の機械加工等を省略することができ
る。
の内底面中央に形成したチップの嵌合孔の奥面を、チッ
プを強圧して塑性変形させることにより球面状に形成し
ているため、球面部の機械加工等を省略することができ
る。
【００１４】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、上述した従来例と同様の各部材には、同
一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
明する。なお、上述した従来例と同様の各部材には、同
一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【００１５】図１において、アルミニウム合金等により
成形されたタペット本体(２)の外形は、従来のタペット
本体とほぼ同形状をなし、その上端面に形成された凹所
(2a)には、上記シムと同様のシム(３)が嵌合されてい
る。
成形されたタペット本体(２)の外形は、従来のタペット
本体とほぼ同形状をなし、その上端面に形成された凹所
(2a)には、上記シムと同様のシム(３)が嵌合されてい
る。
【００１６】タペット本体(２)の内底面中央に形成され
た、奥面が球面状に凹入する嵌合孔(2b)には、上下の端
面を球面状に膨出させるとともに、上端面の周縁角部(1
1a)に所要曲率の丸み(アール)を持たせた耐摩耗性金属
材料よりなるチップ(11)が嵌合され、嵌合孔(2b)の開口
端部(12)を求心方向にカシメることにより抜け止めされ
ている。チップ(11)の下端面は、エンジンバルブ(８)の
軸端と当接している。
た、奥面が球面状に凹入する嵌合孔(2b)には、上下の端
面を球面状に膨出させるとともに、上端面の周縁角部(1
1a)に所要曲率の丸み(アール)を持たせた耐摩耗性金属
材料よりなるチップ(11)が嵌合され、嵌合孔(2b)の開口
端部(12)を求心方向にカシメることにより抜け止めされ
ている。チップ(11)の下端面は、エンジンバルブ(８)の
軸端と当接している。
【００１７】次に、上記タペットの製造方法、すなわち
チップ(11)のタペット本体(２)への取付要領を、図２の
(Ａ)〜(Ｃ)に基づいて説明する。まず図２の(Ａ)に示す
ように、タペット本体(２)における内底面中央に、内径
が嵌合しようとするチップ(11)の外形とほぼ等径で、か
つ奥面を平坦面とした嵌合孔(2b')を形成し、その開口
端に下端側が漸次薄肉となるようにした環状突起部(2c)
を連設したのち、チップ(11)を、丸みを形成した角部(1
1a)側を上に向けて嵌合孔(2b')内に嵌挿する。
チップ(11)のタペット本体(２)への取付要領を、図２の
(Ａ)〜(Ｃ)に基づいて説明する。まず図２の(Ａ)に示す
ように、タペット本体(２)における内底面中央に、内径
が嵌合しようとするチップ(11)の外形とほぼ等径で、か
つ奥面を平坦面とした嵌合孔(2b')を形成し、その開口
端に下端側が漸次薄肉となるようにした環状突起部(2c)
を連設したのち、チップ(11)を、丸みを形成した角部(1
1a)側を上に向けて嵌合孔(2b')内に嵌挿する。
【００１８】ついで、図２の(Ｂ)に示すように、タペッ
ト本体(２)の上端部を不動の支持体(13)により保持した
状態で、チップ(11)の下端面を、押圧治具(14)により上
向に強圧して、嵌合孔(2b')の奥面をチップ(11)自身に
より塑性変形させ、チップ(11)の上端面と同形をなす球
面状に凹入させる。
ト本体(２)の上端部を不動の支持体(13)により保持した
状態で、チップ(11)の下端面を、押圧治具(14)により上
向に強圧して、嵌合孔(2b')の奥面をチップ(11)自身に
より塑性変形させ、チップ(11)の上端面と同形をなす球
面状に凹入させる。
【００１９】最後に、図２の(Ｃ)に示す如く、カシメ用
治具(15)を上昇させて環状突起部(2c)を内方に折曲すれ
ば、チップ(11)はカシメられて嵌合孔(2b)内に強固に固
定される。
治具(15)を上昇させて環状突起部(2c)を内方に折曲すれ
ば、チップ(11)はカシメられて嵌合孔(2b)内に強固に固
定される。
【００２０】このように、タペット本体(２)側の嵌合孔
(2b)の奥面の球面部を、チップ(11)自身を強圧してタペ
ット本体(２)を塑性変形させることにより形成すると、
球面部の面倒な機械加工等を省略することができ、生産
性が向上して製造コストが低減する。なお、上記製造工
程において、押圧治具(14)の上端の形状を変更すれば、
チップ(11)の強圧とカシメとを同時に行なうこともでき
る。
(2b)の奥面の球面部を、チップ(11)自身を強圧してタペ
ット本体(２)を塑性変形させることにより形成すると、
球面部の面倒な機械加工等を省略することができ、生産
性が向上して製造コストが低減する。なお、上記製造工
程において、押圧治具(14)の上端の形状を変更すれば、
チップ(11)の強圧とカシメとを同時に行なうこともでき
る。
【００２１】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
る。 (a) チップの上端面を球面状とし、かつその周縁角部に
所要曲率の丸みを形成してあるため、タペット本体にお
けるチップ嵌合角部に応力が集中するのが防止され、従
ってその部分に亀裂等の発生する恐れはなく、耐久性、
信頼性に優れるタペットを提供しうる。 (b) チップの下端面も球面状とした結果、タペット本体
やエンジンバルブの軸線が傾いても、エンジンバルブの
軸端とチップとが偏当たりすることがなく、互いの当接
面が偏摩耗するのが防止される。 (c) タペット本体における嵌合孔の奥面の球面部を、チ
ップ自身を強圧することにより形成しているため、製造
工程が簡略化し、生産性が向上する。
る。 (a) チップの上端面を球面状とし、かつその周縁角部に
所要曲率の丸みを形成してあるため、タペット本体にお
けるチップ嵌合角部に応力が集中するのが防止され、従
ってその部分に亀裂等の発生する恐れはなく、耐久性、
信頼性に優れるタペットを提供しうる。 (b) チップの下端面も球面状とした結果、タペット本体
やエンジンバルブの軸線が傾いても、エンジンバルブの
軸端とチップとが偏当たりすることがなく、互いの当接
面が偏摩耗するのが防止される。 (c) タペット本体における嵌合孔の奥面の球面部を、チ
ップ自身を強圧することにより形成しているため、製造
工程が簡略化し、生産性が向上する。
【図１】本発明のタペットと直動型の動弁機構とを示す
中央縦断正面図である。
中央縦断正面図である。
【図２】本発明のタペットの製造要領を順に示す工程図
である。
である。
【図３】従来のタペットと直動型の動弁機構とを示す中
央縦断正面図である。
央縦断正面図である。
(１)シリンダヘッド (２)タペット本
体 (2a)凹所 (2b)(2b')嵌合
孔 (2c)環状突起部 (３)シム (５)コッタ (６)スプリング
リテーナ (７)バルブスプリング (８)エンジンバ
ルブ (９)回転カム (11)チップ (11a)周縁角部 (12)開口端部 (13)支持体 (14)押圧治具 (15)カシメ用治具
体 (2a)凹所 (2b)(2b')嵌合
孔 (2c)環状突起部 (３)シム (５)コッタ (６)スプリング
リテーナ (７)バルブスプリング (８)エンジンバ
ルブ (９)回転カム (11)チップ (11a)周縁角部 (12)開口端部 (13)支持体 (14)押圧治具 (15)カシメ用治具
Claims (2)
- 【請求項１】 上面が閉塞された円筒形をなすタペット
本体の内底面中央に、上下の端面が球面状に膨出すると
ともに、上端面の周縁角部に所要曲率の丸みを形成した
チップを嵌着したことを特徴とする内燃機関用タペッ
ト。 - 【請求項２】 請求項１記載のタペットの製造方法であ
って、上面が閉塞された塑性変形可能な円筒形をなすタ
ペット本体の内底面中央に、奥面が平坦状をなす所要大
きさの嵌合孔を形成し、該嵌合孔内に、上下の端面が球
面状に膨出するとともに、上端面の周縁角部に所要曲率
の丸みを形成したチップを嵌挿したのち、該チップを、
前記嵌合孔の奥面がチップの上端部と同形をなす球面状
に塑性変形するまで強圧し、嵌合孔の開口端を内方にカ
シメることを特徴とする内燃機関用タペットの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31521491A JP2761508B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 内燃機関用タペットとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31521491A JP2761508B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 内燃機関用タペットとその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05125909A JPH05125909A (ja) | 1993-05-21 |
| JP2761508B2 true JP2761508B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=18062775
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31521491A Expired - Fee Related JP2761508B2 (ja) | 1991-11-05 | 1991-11-05 | 内燃機関用タペットとその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2761508B2 (ja) |
-
1991
- 1991-11-05 JP JP31521491A patent/JP2761508B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05125909A (ja) | 1993-05-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |