JP2760541B2 - セラミック組成物 - Google Patents

セラミック組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子部品材料として好適に用いることのでき
るセラミック組成物に関する。
(従来の技術) 近年、電子部品の信号伝播速度の高速化、高密度実装
化、低コスト化の要求にともない、電子部品を構成する
パッケージおよび基板材料には、低誘電率であるこ
と、半導体素子の熱膨張係数に近い(低熱膨張率)等
の諸特性を有すること、機械的強度が高いこと、高
熱伝導性を有すること、低コストであること等が求め
られている。これら特性に加え、その他、気密性等の電
子部品としての信頼性が要求されることはいうまでもな
い。
そして、これらの要求に対応するべく、窒化アルミニ
ウムセラミック、炭化ケイ素セラミック、低温焼成セラ
ミック、ムライトセラミック等のセラミックが開発され
ている。
ところで、これら上述した各セラミックのうちでムラ
イトセラミックは、従来より用いられているアルミナセ
ラミックと比べて低誘電率および低熱膨張率を有する点
で優れており、材料コストはアルミナセラミックとほぼ
同じである。低誘電率と低熱膨張率を有するセラミック
としては他に低温焼成セラミックがあるが、この低温焼
成セラミックは材料コストがムライトセラミックよりも
かかり、強度のうえではムライトセラミックよりやや劣
る。また、低温焼成セラミックではメタライズ材とし
て、アルミナセラミックやムライトセラミックで用いら
れるタングステンまたはモリブデン等と比べ低抵抗材料
(金、銀等)を用いることはできるが、コスト的または
技術的な問題を抱えている。また、低温焼成セラミック
ではろう付けの際のろう材に大きな制限がある。
これに対してムライトセラミックは、メタライズや外
部リードのろう付け、および後焼成による抵抗体の形成
が従来のアルミナセラミックに適用した方法を用いて信
頼性高く行えること、また、パッケージを形成する際、
放熱部としてモリブデン等の金属板やメタライズされた
高熱伝導性セラミックをろう付けする場合にアルミナセ
ラミックを使用する際に用いられる材料および方法が適
用でき、しかも、アルミナセラミックの場合と異なり、
セラミック−放熱板間およびセラミック−半導体素子間
の接合強度の信頼性を両立させて向上させることができ
ること等の利点を有する。
(発明が解決しようとする課題) このようにムライトセラミックは電子部品のパッケー
ジおよび基板材料としての要求にもっとも確実かつ容易
に応えることのできるものであるが、近年の電子部品の
高速化、高密度化に対処するために以下のような問題点
を有する。
より実装密度を上げる目的で最近採用されているベア
チップやフリップチップを搭載するには従来のムライト
セラミックでは熱膨張係数が大き過ぎること。
信号伝播速度の一層の高速化を考慮すると従来のムラ
イトセラミックの7.0以上という誘電率は十分低い値と
はいえず、より低い誘電率が求められること。
低誘電率のムライトセラミックを得るには、たとえば
焼結体の密度を低下させることによって実現できるが、
この場合は他の諸特性とくに機械的強度を低下させるの
で好ましくない。また、ムライトセラミックの抵抗強度
としては、高純度で微細な原料粉末を用いることにより
3000kg/cm2をこえるものが近年得られている。しかしな
がら、これら焼結体は焼成時に生じる液相の量が微量で
あるためタングステンやモリブデン等の導体材料を同時
に焼成して導体形成することが難しく、また、焼成して
得られるメタライズ層の接着力が著しく低く実用にたえ
ない。このメタライズ層の接着強度はムライトの原料粉
末に、たとえばMgO等のIIa族元素化合物を添加すること
により改善されるが、この場合は焼結体の抗折強度が著
しく低下してしまうという問題点がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところはパッケージおよび基板材料とし
て、高度な特性が要求される電子部品にも好適に使用す
ることのできるセラミック組成物を提供しようとするも
のである。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記目的を達成するため次の構成をそなえ
る。すなわち、 ムライト粉末に二酸化ケイ素粉末を10重量%以上70重
量%以下添加した原料混合物に、焼結助剤として、IIa
族元素化合物およびIIIa族元素化合物のうち少なくとも
1種を、前記原料混合物中に含まれるムライト粉末重量
に対して0.1重量%〜5重量%添加して得た混合物を、1
500℃〜1650℃で焼成して成り、 また、ムライト粉末に二酸化ケイ素粉末を10重量%以
上70重量%以下添加した原料混合物に、IIa族元素化合
物およびIIIa族元素化合物のうち少なくとも1種を、前
記原料混合物中に含まれるムライト粉末重量に対して0.
1重量%〜5重量%添加し、さらにVa族元素酸化物を添
加して得た混合物を、1500℃〜1650℃で焼成して成る。
また、前記原料混合物として、ムライト粉末に添加す
る二酸化ケイ素粉末を30重量%以上50重量%以下とした
ものが電子部品用として好適でる。
(発明の概要) 本発明に係るセラミック組成物は、ムライト粉末に二
酸化ケイ素粉末を10重量%以上70重量%以下添加した原
料混合物に、焼結助剤として、IIa族元素化合物およびI
IIa族元素化合物のうち少なくとも1種を、前記原料混
合物中に含まれるムライト粉末重量に対して0.1重量%
〜5重量%添加して得た混合物を、1500℃〜1650℃で焼
成したものである。なお、タングステンペースト等を用
いて同時焼成メタライズ層を形成する際は焼成温度1550
℃〜1600℃の中性または還元性雰囲気中において焼成す
ることが好ましい。
また、二酸化ケイ素の添加量が40%以下の場合、十分
に緻密な焼結体を得るためには、原料粉末に焼結助剤と
してIIa族元素化合物あるいはIIIa族元素化合物のうち
少なくとも1種を添加することが有効である。なお、II
a族元素化合物あるいはIIIa族元素化合物の添加量は原
料混合物中のムライト重量の0.1重量%〜5重量%が適
当であり、1種類を添加するよりも2種類以上を添加す
る場合の方が添加量の総量は少量でよい。なお、これら
焼結体の緻密化を促進する焼結助剤の添加量は原料粉末
の粒度分布や焼成温度によって若干変動する。
ところで、このようにして得られる焼結体を絶縁基板
材等に適用する場合は、特に、基板の平行度や平坦度を
高めることを要求されることが多いので、焼成(本焼工
程)を終了した後、本焼工程の温度より低い温度で、平
坦な治具で基板に荷重をかけ基板の反りや歪みを矯正す
る処理(フラットニング工程)がなされることがある。
このような処理をした場合、特に、IIa族元素化合物お
よびIIIa族元素化合物のうちの少なくとも1種が添加さ
れているものでは、これらの添加量やムライト/二酸化
ケイ素比、あるいはフラットニング工程での温度等にも
よるが、基板にしばしば染み様の斑点が生じることがあ
る。このような斑点が現れても基板の電気的特性(絶縁
抵抗、誘電率、誘電損失等)や抗折強度といった特性に
は殆ど変化がないことが確認されているが、外観上、こ
のような斑点が生じると商品価値を下落させる。このよ
うな現象を抑制するには、上記原料混合物中のムライト
粉末に対し、2重量%以下の量のVa族元素酸化物の添加
が有効である。すなわち、上記原料混合物中にVa族元素
化合物が適量含まれると、本焼工程後、フラットニング
工程を経ても問題の斑点はまったく発生しなくなる。
第2図は本発明に係るセラミック組成物のX線回折パ
ターンを示すもので、図でaは二酸化ケイ素粉末、bは
ムライト原料粉末、cはムライト原料粉末に焼結助剤と
して2重量%のY2O3を添加した混合物を焼結して得た焼
結体、dはムライト原料粉末に二酸化ケイ素粉末を40重
量%添加した原料混合物に、焼結助剤としてY2O3を添加
した混合物を焼結して得た焼結体についてのX線回折パ
ターンのグラフである。このX線回折パターンによれ
ば、焼結体cおよびdではいずれもムライト単相の回折
ピークのみが認められる。これは、原料粉末として添加
された二酸化ケイ素は結晶性であるにもかかわらず、焼
結体中では非晶質として存在していることを示唆する。
また、第3図は二酸化ケイ素が40重量%添加された原
料混合物を焼結して得た焼結体表面の電子顕微鏡写真
(SEM像)である。これによれば、得られた焼結体は従
来のムライトセラミック(第4図)とは異なり、ムライ
ト結晶粒子がガラス相中に分散して焼結していることが
認められる。これと類似する焼結体はゾルーゲル法等の
手段によって得られるあらかじめ二酸化ケイ素の組成比
を大きくしたアルミナ/二酸化ケイ素混合物から成るム
ライト前駆体(非晶質)を仮焼・焼成しても得られる。
しかしながら、これら組成物は一般に緻密化に最適な温
度範囲が低く、タングステン等の導体材料との同時焼成
によるメタライズ層の形成に適さず、また抗折強度が低
い傾向にあって本発明のセラミック組成物とは異なる性
質のものである。
本発明で原料粉末として用いられるムライト粉末は電
融法、焼成法、ゾルーゲル法等の合成方法による制約は
なくどの方法による粉末も好適に使用できる。なお、機
械的強度やグリーンシート成形性をはじめとする諸特性
を良好にするためにはなるべく高純度のムライト粉末で
あることがよく、また平均粒径も0.6μm〜4μmの範
囲にあるものがよい。
他方、原料として用いられる二酸化ケイ素粉末には試
薬品、純硅石を粉砕して得られるもの、電融シリカ等が
ありとくに使用上の制約を受けないが、これらのうちで
電融シリカで非晶質のものは、添加量あるいは焼成条件
によって焼結体に亀裂が生じたり、異常にもろい焼結体
となり、X線回折によるとクリストバライト相の生成が
認められることがあるので好ましくない。
また、二酸化ケイ素粉末の平均粒径はグリーンシート
の成形性および焼結性を考慮すると1μm〜50μm程度
であることが好ましい。なお、グリーンシート成形の際
に、スラリーの粘度にもよるがムライト粉末と二酸化ケ
イ素粉末とがグリーンシートの厚さ方向に分離して分布
する場合があり、これが焼結体の反りにつながる傾向が
認められるので、二酸化ケイ素の粒径は用いられるムラ
イト原料粉末よりやや大きく5倍をこえない範囲にある
ものがよい。
原料混合物の焼結性を促進するためにはIIa族元素化
合物またはIIIa族元素化合物のうちの1種、または2種
以上を同時に添加することが有効である。その添加量は
ムライト/二酸化ケイ素比や各原料成分の粒度分布およ
び添加する化合物の種類にもよるが、概ね原料混合物中
のムライトの重量に対して5重量%以下で十分である。
ムライト/二酸化ケイ素比とこれらIIa族元素化合物
またはIIIa族元素化合物の必要添加量をみると、二酸化
ケイ素の添加量が少ない程、IIa族元素化合物またはIII
a族元素化合物を多く添加する必要があり、逆に二酸化
ケイ素の添加量が多い程、IIa族元素化合物またはIIIa
族元素化合物の添加量は少なくてよい。
原料粉末の粒度分布にもよるが二酸化ケイ素の添加量
が60重量%をこえる範囲では緻密化を促進させるIIa族
元素化合物またはIIIa族元素化合物をまったく添加しな
くても焼結体は1500℃〜1650℃の範囲で十分に緻密化す
る。
なお、二酸化ケイ素の添加量が70重量%をこえる場合
は、導体材料の同時焼成によってメタライズ層が形成で
きる1500℃〜1700℃の温度範囲の焼成中に過剰な液相が
生成され、焼結体が変形したり焼成用セッターに強固に
接着してしまうので不適である。
また、焼結助剤として用いられるIIa族元素化合物ま
たはIIIa族元素化合物の種類による作用の相違について
みると、IIa族元素化合物のなかではMgOやMg(OH)2、MgC
O3が最も少量で緻密化の効果が大きく、CaCO3、BaCO3
を用いた場合には、MgO等を添加したものと同程度の緻
密度を得るのに1.5倍以上の添加が必要であった。
また、IIIa族元素化合物のうちではY2O3およびCeO2
MgO等と同様に少量でその効果が大きく、La2(CO3)3やLa
2O3は効果が小さくCaCO3とくらべてもより多く添加する
ことが必要である。また、Y2O3とYF3とでは緻密化の上
では効果に差は認められなかった。
また、フラットニング工程等で発生する染み様の斑点
を防ぐために添加されるVa族元素酸化物には、V2O5、Nb
2O5、Ta2O5があるが、問題の斑点発生を抑える効果が最
も大きいのはNb2O5であり、前記原料混合物に含まれる
ムライト粉末に対し、0.5重量%程度の添加でも十分で
あった。一方、V2O5を添加したものでは斑点の発生を抑
える効果はあるものの、焼結体全体を着色する傾向が認
められた。また、Ta2O5を添加したものでは、斑点の発
生を抑える効果はあるものの、添加量をNb2O5の場合よ
りもやや多くする必要があった。
こうして得られた本発明のセラミック組成物は熱膨張
係数が2.3〜4.3×10-6/℃、誘電率が4.8〜6.9(1MHz)
であり、非常に優れた特性を有している。また、抗折強
度は1800kg/cm2〜3100kg/cm2であり、電子部品材料とし
て従来多用されている92重量%アルミナセラミックの抗
折強度を凌ぐものも得られる。
本発明のセラミック組成物の抗折強度は原料として用
いるムライト粉末と二酸化ケイ素粉末の粒度分布および
各粉末の組成比にもよるが、ムライトの組成比が70重量
%〜80重量%における抗折強度は約3000kg/cm2となりム
ライト単体で得られる値(2000kg/cm2)のおよそ1.5倍
となる。このように、本発明のセラミック組成物が大き
な抗折強度を有する理由は、分散したムライト粒子によ
るクラックディフラクションの機構、およびムライト粒
子と焼成中に生成する石英ガラスとの間での熱膨張係数
の差によるプリストレスの機構のどちらかが作用する
か、あるいは双方の機構が作用して抗折強度が増大した
ものと推察される。
すなわち、原料とする二酸化ケイ素粉末が純硅石の粉
砕品である場合は、X線回折によると二酸化ケイ素は結
晶性であることが認められ、この熱膨張係数は約14×10
-6/℃(c軸方向)と高いが、前述したように本発明の
セラミック組成物では二酸化ケイ素が非晶質として存在
しているから、その熱膨張係数は約0.5×10-6/℃と考
えられ、分散しているムライト粒子の熱膨張係数約4.5
×10-6/℃との差によりムライト粒子表面付近にプリス
トレスが働くことが考えられる。
また、クラックディフラクションが本発明の焼結体の
破断中に起こっていることは電子顕微鏡で観察される本
発明の焼結体の破面がムライト単体の焼結体の破面とく
らべ著しく起伏に富んだものとなっていることからも窺
えるが、一般にムライト相を含む磁器等で知られるよう
なムライト粒の針状化にともなう引き抜き機構は関与し
ていないものと思われる。
いずれにしろ、製造方法にも依存するこのような機械
的強度の増大も本発明に係る焼結体の特徴であり他の諸
特性と同様に電子部品材料としての要求に応えることが
できる。
以下、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
〔実施例1〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末66.7重量部に平
均粒径約10μmの二酸化ケイ素粉末31.3重量部を加え、
さらに平均粒径約1μmのY2O3粉末2.0重量部を加え、
n−ブタノール−トルエン混合溶液を分散媒体として24
時間ボールミル混合した。
次いで、フタル酸−ジ−n−ブチル4重量部とポリビ
ニルブチラール8重量部とを加え、さらに24時間ボール
ミル混合を行った。
得られた混合物を真空脱泡した後、ドクターブレード
法によってシートに成形した。得られたグリーンシート
の密度は1.79g/cm3であった。
次に、これを1570℃の弱還元性雰囲気中にて2時間焼
成し焼結体を得た。焼結体の密度は2.77g/cm3であっ
た。
〔実施例2〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末66.7重量部に平
均粒径約10μmの二酸化ケイ素粉末33.3重量部を加え、
実施例1と同様の方法によりグリーンシートを作成し
た。得られたグリーンシートを二分し、弱還元性雰囲気
中で一方を1570℃、他方を1610℃で2時間焼成した。
得られた焼結体の密度は、1570℃で焼成したものは2.
39g/cm3、1610℃で焼成したものは2.75g/cm3であった。
〔実施例3〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末66.7重量部に平
均粒径約10μmの二酸化ケイ素粉末33.3重量部を加え、
さらに酸化マグネシウム1重量部を加え、実施例1と同
様な方法によってグリーンシートを作成し焼成を行っ
た。
得られた焼結体の密度は2.74g/cm3であった。
〔実施例4〕 ゾル−ゲル法によって得られた平均粒径約1μmのム
ライト粉末59重量部に平均粒径約10μmの二酸化ケイ素
粉末40重量部を加え、さらに酸化イットリウム粉末1重
量部を加え、実施例1と同様な方法によってグリーンシ
ートを作成し焼成を行った。
得られた焼結体の密度は2.66g/cm3であった。
〔実施例5〕 実施例4において、二酸化ケイ素粉末として平均粒径
約6μmの電融シリカ粉末を用い、実施例4と同一組
成、同一条件にて焼結体を得た。
得られた焼結体の密度は2.63g/cm3であった。
本実施例ではグリーンシートを積層して肉厚を厚くし
た試料においては、焼成中に試料に亀裂が生じることが
しばしば観察され、二酸化ケイ素が一部シリカガラスに
転移せず、クリストバライトとして存在していることが
示唆された。
〔実施例6〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末78.5重量部に平
均粒径約2μmの二酸化ケイ素粉末20重量部を加え、さ
らに酸化イットリウム3重量部を加えて実施例1と同様
な方法によりグリーンシートを作成し焼成を行った。
得られた焼結体の密度は2.78g/cm3であった。
〔実施例7〕 ゾル−ゲル法によって得られた平均粒径約8μmのム
ライト粉末69.4重量部に平均粒径約10μmの二酸化ケイ
素粉末28.6重量部を加え、さらに酸化イットリウム粉末
2.5重量部を加え、実施例1と同様な方法によってグリ
ーンシートを作成し焼成を行った。
得られた焼結体の密度は2.77g/cm3であった。
〔実施例8〕 実施例7において、二酸化ケイ素を29.6重量部とし酸
化イットリウムのかわりに酸化マグネシウム1重量部を
加え、実施例1と同様な方法によってグリーンシートを
作成し焼成を行った。
得られた焼結体の密度は2.59g/cm3であった。
〔実施例9〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末40重量部に平均
粒径約2μmの二酸化ケイ素粉末60重量部を加え、さら
に酸化イットリウム0.2重量部を加えて実施例1と同様
な方法によりグリーンシートを作成し焼成を行った。得
られた焼結体の密度は2.50g/cm3であった。
〔実施例10〕 平均粒径約2μmの電融ムライト粉末38.4重量部に平
均粒径10μmの二酸化ケイ素粉末60重量部を加え、さら
にフッ化イットリウム1.6重量部、酸化ニオブ(Nb2O5
0.4重量部を添加し実施例1と同様な方法によってグリ
ーンシートを形成し、弱還元性雰囲気中1570℃で2時間
の焼成を行った。得られた焼結体の密度は2.65g/cm3
あった。これを、中性ガス雰囲気中1450℃にて1時間保
持したが焼結体の外観に変化はみられなかった。
〔実施例11〕 実施例10の組成のうち、酸化ニオブの添加量を0.2重
量部とした他は実施例10と同じ方法により焼結体を得
た。焼結体密度は2.66g/cm3であった。これを、実施例1
0と同様に1450℃にて処理したが、焼結体の外観に変化
はみられなかった。
〔実施例12〕 実施例10の組成のうち、酸化ニオブのかわりに酸化バ
ナジウム(V2O5)を1重量部添加した他は実施例10と同
じ方法により焼結体を得た。焼結体密度は酸化ニオブを
添加したものとほとんど同一であった。これを、実施例
10と同様に1450℃にて処理した所、焼結体の外観にはほ
とんど変化はみられなかったが、酸化ニオブを添加した
焼結体と比較するとやや黄色く着色する傾向がみられ
た。
〔実施例13〕 実施例10の組成のうち、酸化ニオブのかわりに酸化タ
ンタル(Ta2O5)を1重量部添加した他は実施例10と同
じ方法により焼結体を得た。焼結体密度は酸化ニオブを
添加したものとほとんど同一であった。これを、実施例
10と同様に1450℃にて処理したが、焼結体の外観に変化
はみられなかった。ただし、Ta2O5の添加量は酸化ニオ
ブにくらべて若干多くする必要があった。
〔比較例〕
実施例10の組成のうち、酸化ニオブの添加量をゼロと
した他は実施例10と同じ方法により焼結体を得た。焼結
体密度は3.65g/cm3であった。これを、実施例10と同様
に1450℃にて処理した結果、焼結体の全面に円形に近い
形をした多数の染みが観察された。この染みは、白地の
焼結体面中にやや灰色がかったスポット状のものとして
みとめられ、サイズは不定だが大きいものでも半径2mm
程度である。焼結体基板を光にかざすと、これらの染み
の部分だけ特に透光性に富んでいるのが確認された。
表1に上記実施例の焼結体について測定した熱膨張係
数、誘電率、抗折強度を示す。
表に示すように本発明のセラミック組成物は熱膨張特
性および誘電特性ともに従来のムライトセラミックより
も優れており、また十分な機械的強度を有するセラミッ
クが得られた。
とくに熱膨張係数についてはシリコン半導体素子とほ
とんど一致するものが得られるという特徴を有する。
第1図は本発明に係るセラミック組成物の熱膨張率の
温度変化を示すグラフであり、比較のためシリコン、実
施例1で得られたセラミック組成物(MS1)、実施例4
で得られたセラミック組成物(MS2)、従来のムライト
セラミック、従来の92重量%アルミナセラミックの熱膨
張率の温度変化をともに示す。図からわかるように、実
施例1で得られたセラミックはシリコンの熱膨張率にき
わめて近い値を有し、実施例4で得られたセラミックは
シリコンの熱膨張率とほとんど完全に一致する。これは
従来のムライトセラミック等の熱膨張率としては得られ
ない特性である。
以上、本発明について好適な実施例を挙げて種々説明
したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し
得るのはもちろんのことである。
(発明の効果) 本発明に係るセラミック組成物は、ムライト粉末に二
酸化ケイ素粉末を10重量%以上70重量%以下添加し、さ
らに焼結助剤として、IIa族元素化合物あるいはIIIa族
元素化合物を添加することにより、従来のセラミックと
比較して優れた熱膨張特性、誘電特性を有し、十分な抗
折強度を有するものとなる。また、焼結体の緻密化を促
進することができるうえ、従来電子部品材料として多用
されているアルミナセラミックの焼成に用いられる炉を
用いて同様な条件で焼成でき経済性においても優れる。
また、さらにVa族元素酸化物を僅かに添加することに
より、基板の反りや歪みを制御するフラットニング工程
において基板に染み様の斑点が発生することを効果的に
防止することができる。
また、原料混合物中の二酸化ケイ素の組成比を30重量
%〜50重量%とすることにより電子部品用パッケージお
よび基板材料として好適に用いることができる等の著効
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るセラミック組成物(MS1、MS2)お
よび92重量%アルミナセラミック、従来のムライトセラ
ミック、シリコンの熱膨張率を示すグラフ、第2図は本
発明に係るセラミック組成物およびこのセラミック組成
物に用いる原料粉末についてのX線回析パターン、第3
図は本発明に係るセラミック組成物の焼結体表面の粒子
構造を表す電子顕微鏡写真、第4図は従来のムライトセ
ラミックの焼結体表面の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ムライト粉末に二酸化ケイ素粉末を10重量
    %以上70重量%以下添加した原料混合物に、焼結助剤と
    して、IIa族元素化合物およびIIIa族元素化合物のうち
    少なくとも1種を、前記原料混合物中に含まれるムライ
    ト粉末重量に対して0.1重量%〜5重量%添加して得た
    混合物を、1500℃〜1650℃で焼成して成るセラミック組
    成物。
  2. 【請求項2】ムライト粉末に二酸化ケイ素粉末を10重量
    %以上70重量%以下添加した原料混合物に、IIa族元素
    化合物およびIIIa族元素化合物のうち少なくとも1種
    を、前記原料混合物中に含まれるムライト粉末重量に対
    して0.1重量%〜5重量%添加し、さらにVa族元素酸化
    物を添加して得た混合物を、1500℃〜1650℃で焼成して
    成るセラミック組成物。
  3. 【請求項3】ムライト粉末に添加する二酸化ケイ素粉末
    を30重量%以上50重量%以下としたことを特徴とする請
    求項1または2記載のセラミック組成物。
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