JP2760537B2

JP2760537B2 - 自動車の製造方法

Info

Publication number: JP2760537B2
Application number: JP1002586A
Authority: JP
Inventors: 賢典内田; 晃司千葉; 敏文井上; 洋瀬川; 宏行坂庭; 裕一高橋; 学関根; 義孝水原
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1989-01-09
Filing date: 1989-01-09
Publication date: 1998-06-04
Anticipated expiration: 2013-06-04
Also published as: JPH02182584A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、異なるライン作業により組み立てられた上
屋モジュールと下屋モジュールとを結合する自動車の製
造方法に関する。

従来の技術従来、自動車の製造方法としては、第６図に示したも
のが提案されている（実開昭62−108175号公報参照）。
すなわち、車体１は上屋モジュール２と下屋モジュール
３とを、結合した構造であって、前記上屋モジュール２
は、両サイドボディ４、４、ルーフボディ５を予め組み
付けた構成からなり、内部にはインストルメントパネル
６が組み付けられている。

一方、前記下屋モジュール３は、フロンドボディ８、
フロントフロアパネル９とリアフロアパネル10、及びリ
アボディ11とで構成されており、前記両フロアパネル
９、10上にフロントシート12、リアシート13、等の内装
部品が配設されている。そして、前記上屋モジュール２
と下屋モジュール３とは、異なるライン作業で組み付け
られた後、統合されたラインにて結合されるのである。

発明が解決しようとする課題しかしながら、このような従来の製造方法にあって
は、予め上屋モジュール２にインストルメントパネル６
を組み付けるようにしていることから、該インストルメ
ントパネル６を下降させて上屋モジュール２内に導入し
ようとすると、第７図に示したように、上屋モジュール
２に設けられたフロント開口部７から導入することが最
も効率的となる。このため、前記インストルメントパネ
ル６の幅寸法Ｌは、一般的には両側部に吹出口が形成さ
れる等により、フロント開口部７より長尺状であるのに
もかかわらず、該フロント開口部７の幅寸法より短尺に
設定されなればならず、その結果インストルメントパネ
ル６の造形上の自由度が制限されてしまう不利を有する
ものであった。

本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされても
のあり、造形上の自由度を規制することなく、インスト
ルメントパネルをモジュール化された車体に、作業効率
よく組み付けることを可能にした自動車の製造方法を提
供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段前記課題を解決するために本発明にあっては、車室の
前部両側を構成するダッシュサイドパネルを有するフロ
ントボディとフロアパネルとを備えた下屋モジュール
と、機能部品が組み付けられたインストルメントパネル
とカウル部とを有するダッシュモジュールと、サイドボ
ディとルーフボディとリアボディとを備えた上屋モジュ
ールと、がそれぞれ別個に組み立てられ、これら各モジ
ュールを相互に結合する自動車の製造方法において、上記ダッシュモジュールを下屋モジュールに下降さ
せ、上記ダッシュサイドパネルの上縁に、車幅方向に延
在する上記カウル部の両端下面を上方から当接，載置さ
せて、上記ダッシュサイドパネルの上縁に形成された受
容部に、上記カウル部の両端下面に形成された仮着部を
上下方向で面合わせして嵌合させ、上記ダッシュモジュ
ールをダシュサイドパネルの上方に架橋させると同時
に、上記ダッシュモジュールを上記下屋モジュールに対
して少なくとも車体上下方向および車体前後方向に位置
決めした後、上記ダッシュモジュールを下屋モジュールに固定し、次いでこの下屋モジュールに上記上屋モジュールを下
降させて組み付け固定したことを特徴としている。

作用前記構成において、下屋モジュールのラインでは、フ
ロアパネルとフロントボディとを組み付けた後、シート
等の内装部品が組み付けられると共に、インストルメン
トパネルを有するダッシュモジュールが組み付けられ
る。このとき、下屋モジュールは、前記フロアパネルと
フロントボディとから構成されており、上方が解放状で
あることから、前記ダッシュモジュールを下降させて、
下屋モジュール上に搬送する際、該下屋モジュールの構
成部材が、ダッシュモジュールの妨げとなることはな
い。そして、該ダッシュモジュールは、このダッシュモ
ジュールのカウル部の両端下面に形成された仮着部を下
屋モジュールに設けられた受容部に上下方向で面合わせ
して嵌合させることによって、下屋モジュールに仮着さ
れた後、組み付け固着される。

一方、上屋モジュールのラインでは、サイドボディ、
ルーフボディ、リアボディを組み付けることにより、上
屋モジュールが成形され、この上屋モジュールは、統合
されたラインで前記下屋モジュールと結合され、自動車
として完成されるのである。

実施例以下、本発明の一実施例について図面に従って説明す
る。すなわち第１図に示したように、下屋モジュール３
側のラインにおいては、第１工程（イ）にて、フロント
フロアパネル９とリアフロアパネル10とを接合し、かつ
フロントフロアパネル９の前端にフロントボディ８を嵌
合する。該フロントボディ８は、フードリッジパネル1
4、フードリッジレインフォース29、ダッシュロアパネ
ル15等のエンジンルーム24を隔成する部材、及び車室の
前部両側を隔成するダッシュサイドパネル65等からな
り、該ダッシュサイドパネル65の上縁には、第２図に示
したように凹状の受容部80が成形されている。

そして、このように下屋モジュール３の組み付けを終
了した後、前記両フロアパネル９、10の上面に、フロア
カーペット16、センタコンソール17、フロントシート18
等の内装部品を配設すると共に、フロアパネル９、10の
下面側には、マフラ19等の排気系、燃料タンク20等の燃
料系、及びリアサスペンション31を配設する。

次の第２工程（ロ）では、第１工程（イ）から搬送さ
れた下屋モジュール３に、ダッシュモジュール21を組み
付ける作業が行われる。該ダッシュモジュール21は、第
２図にその詳細を示したように、ダッシュロアパネル15
の上部に接合されるダッシュアッパパネル22に、インス
トルメントパネル６等を取り付けて構成されている。

該インストルメントパネル６には、ステアリングホイ
ール25、空調ユニット等、通常インストルメントパネル
６に配設される全ての機能部品が予め組み込まれてい
る。又、前記ダッシュアッパパネル22の上端部には、水
平方向に屈曲されたカウル部81が設けられており、該カ
ウル部81の両端下面には、前記受容部80に内嵌する凸状
の仮着部82が形成されている。

そして、この第２工程（ロ）では、ダッシュモジュー
ル21を下降させ、ダッシュサイドパネル65の上縁に、車
幅方向に延在するカウル部81の両端下面を上方から当
接，載置させて、受容部80内に仮着部82を上下方向で面
合わせして嵌合させる。これにより、ダッシュモジュー
ル21はダシュサイドパネル65の上方に架橋されて、仮着
されるとともに、下屋モジュール３に対して、上下方向
および前後方向において位置決めされる。したがって、
ダッシュアッパパネル22の上端両側部をボルト26により
結合させ、かつ前記インストルメントパネル６に設けら
れているステイ27を、下屋モジュール３のダッシュサイ
ドパネル65に固着されているブラケット28に螺着させる
ことにより、ダッシュモジュール21は下屋モジュール３
に精度よく組み付け固着される。

しかも、下屋モジュール３は、前記フロアパネル９、
10とフロントボディ８とから構成されており、上方が解
放状であることから、前記ダッシュモジュール21を下降
させて、下屋モジュール上に搬送しても、該下屋モジュ
ール３の構成部材が、ダッシュモジュール21を搬送する
際の妨げとなることはない。よって、ダッシュモジュー
ル21を構成するインストルメントパネル６の幅寸法Ｌ
（第７図参照）を制限する必要性はなく、インストルメ
ントパネル６の幅寸法Ｌ等を、下屋モジュール３に拘束
されることなく、自在に設定することができる。

さらに、第３工程（ハ）では、前記エンジンルーム24
内に、エンジンマウントメンバ30、一対のフロントサス
ペンション32、エンジン33、ラジエータ34等の、通常エ
ンジンルーム24ないに配設される全ての機能部品が組み
込まれる。そして、下屋モジュール３側ラインの最終工
程である第４工程（ニ）では、ヘッドランプ35、フロン
トグリル36がラジエータコアサポートメンバ37に組み付
けられてなるフロントエンドモジュール38がフロントボ
ディ８の前端部に取り付けられる。

一方、上屋モジュール２側のラインでは、単一工程
（ホ）において、サイドボディ４、ルーフボディ５、リ
アボディ11の骨格部材が組み付けられるとともに、ルー
フパネル39、リアフェンダパネル40が組み付けられ、前
記サイドボデイ４はフロントピラー43、センタピラー4
4、リアピラー45、サイドシル46とから構成されてい
る。又、前記サイドボディ４間には、クロスパネル41が
架橋され、該クロスパネル41にリアシートバック42が組
み付けられる。そして、前記単一工程（ホ）を終了した
上屋モジュール２は、前記第４工程（ニ）を終了した下
屋モジュール３の上方から下降され、統合されたライン
の結合工程（ヘ）にて、第３、４図及び第５図に示した
構造により、結合される。

すなわち、第３図は前記フロントフロアパネル９とサ
イドシル46の結合構造を示すものであり、該サイドシル
46は、シルインナ47とシルアウタ48とを、レインフォー
ス49を介して、接合した閉断面形状であって、前記シル
インナ47は、シルインナアッパ50とシルインナロア51と
を接合して構成され、前記シルインナアッパ50には、水
平方向に延在するフランジ52が成形されている。又、前
記シルインナロア51には、垂直面53が設けられていると
共に、下部水平面54が設けられている。

一方、前記フロアパネル９、10の端縁には、前記フラ
ンジ52の下面に接面する上下方向位置決め面55が、段部
56を介して成形されている。前記上下方向位置決め面55
の端部には、前記垂直面53に接面する車幅方向位置決め
面55が成形されており、該車幅方向位置決め面55の端部
には、前記上下方向位置決め面55より下方に変位し、前
記下部水平面54に接面する固定片58が延設されている。
そして、前記フロントフロアパネル９とシルインナ47と
は、前記フランジ52と上下方向位置決め面55とを、ボル
ト62とナット63とで締結固着され、又前記下部水平面54
と固定片58とを、ボルト62とナット63とで締結固着され
ている。

他方、前記リアフロアパネル10の下面には、第４図に
示したように閉断面を形成するリアサイドメンバ59が、
上部接合フランジ60と下部接合フランジ61とで接合され
ている。前記リアフロアパネル10には、ボルト62とナッ
ト63により、シルインナ47の上面に及ぶリテーナ64が固
着されていると共に、前記下部接合フランジ61はボルト
62及びナット63により、下部水平面54に締結固着されて
いる。

又、第５図は前記ダッシュサイドパネル65とフロント
ピラー43の結合構造を示すものであり、前記ダッシュサ
イドパネル65には、結合片66が設けられており、また前
記フロントピラー43はピラーインナパネル67とピラーア
ウタパネル68とで閉断面形状に成形されている。そし
て、前記ダッシュサイドパネル65とフロントピラー43と
は、前記ピラーインナパネル67に挿通されたボルト62及
び、該ボルト62に螺着されたナット63により締結固着さ
れている。

そして、かかる構造にて下屋モジュール３と上屋モジ
ュール２とを結合した後、フロントフェンダパネル69、
フロントドア70、リアドア71、シルカバー72、フード7
3、フロントウインドウガラス74、リアウインドウガラ
ス75、トランクリッド76等を組み付け、さらにリアシー
トクッション77を車室内に搬送して組み付けることによ
り、完成された自動車78を得ることができるのである。

発明の効果以上説明したように本発明は、ダッシュモジュールを
下屋モジュールに下降させ、ダッシュサイドパネルの上
縁に、ダッシュモジュールのカウル部の両端下面を上方
から当接，載置させて、ダッシュサイドパネルの上縁に
形成された受容部に、カウル部の両端下面に形成された
仮着部を上下方向で面合わせして嵌合させ、ダッシュモ
ジュールをダシュサイドパネルの上方に架橋させると同
時に、ダッシュモジュールを下屋モジュールに対して少
なくとも車体上下方向および車体前後方向に位置決めし
た後、ダッシュモジュールを下屋モジュールに固定し、
次いでこの下屋モジュールに上記上屋モジュールを下降
させて組み付け固定するようにした。よって、下屋モジ
ュールにダッシュモジュールを固定する際、該ダッシュ
モジュールが下屋モジュールに仮着されることから、ダ
ッシュモジュールの組み付け作業性の向上を図ることが
できるのみならず、組み付け精度の向上を図ることがで
きる。

しかも、下屋モジュールはフロアパネルとフロントボ
ディとから構成されており、上方が解放状であることか
ら、前記ダッシュモジュールを下降させて、下屋モジュ
ール上に搬送しても、該下屋モジュールの構成部材が、
ダッシュモジュールを搬送する際の妨げとなる事態が発
生することはない。このため、ダッシュモジュールを構
成するインストルメントパネルの幅寸法を制限すること
なく、ダッシュモジュールを下屋モジュールに組み付け
ることが可能となり、このようにモジュール化された車
体において、インストルメントパネル造形上の自由度を
確保することが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す工程図、第２図はフロ
ントボディとダッシュモジュールの結合工程を示す斜視
図、第３図は第１図III−III線に沿う断面図、第４図は
第１図IV−IV線に沿う断面図、第５図は第１図Ｖ−Ｖ線
に沿う断面図、第６図は従来の自動車製造方法を示す斜
視図、第７図はインストルメントパネルとフロント開口
部の寸法関係を示す説明図である。２……上屋モジュール、３……下屋モジュール、４……
サイドボディ、５……ルーフボディ、６……インストル
メントパネル、11……リアボディ、21……ダッシュモジ
ュール、80……受容部、82……仮着部。

フロントページの続き (72)発明者井上敏文神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (72)発明者瀬川洋神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (72)発明者坂庭宏行神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (72)発明者高橋裕一神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (72)発明者関根学神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (72)発明者水原義孝神奈川県横浜市神奈川区宝町２番地日産自動車株式会社内 (56)参考文献特開昭63−46975（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−50075（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B62D 25/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】車室の前部両側を構成するダッシュサイド
パネルを有するフロントボディとフロアパネルとを備え
た下屋モジュールと、機能部品が組み付けられたインス
トルメントパネルとカウル部とを有するダッシュモジュ
ールと、サイドボディとルーフボディとリアボディとを
備えた上屋モジュールと、がそれぞれ別個に組み立てら
れ、これら各モジュールを相互に結合する自動車の製造
方法において、上記ダッシュモジュールを下屋モジュールに下降させ、
上記ダッシュサイドパネルの上縁に、車幅方向に延在す
る上記カウル部の両端下面を上方から当接，載置させ
て、上記ダッシュサイドパネルの上縁に形成された受容
部に、上記カウル部の両端下面に形成された仮着部を上
下方向で面合わせして嵌合させ、上記ダッシュモジュー
ルをダシュサイドパネルの上方に架橋させると同時に、
上記ダッシュモジュールを上記下屋モジュールに対して
少なくとも車体上下方向および車体前後方向に位置決め
した後、上記ダッシュモジュールを下屋モジュールに固定し、次いでこの下屋モジュールに上記上屋モジュールを下降
させて組み付け固定したことを特徴とする自動車の製造
方法。