JP2760422B2 - 定位的放射線治療装置 - Google Patents

定位的放射線治療装置

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JP2760422B2 JP2547996A JP2547996A JP2760422B2 JP 2760422 B2 JP2760422 B2 JP 2760422B2 JP 2547996 A JP2547996 A JP 2547996A JP 2547996 A JP2547996 A JP 2547996A JP 2760422 B2 JP2760422 B2 JP 2760422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子線加速器等を用
いて放射線の細いビームを定位的に一点に集中させて治
療する定位的放射線治療装置に係り、特に治療台の回転
に伴って回転する病巣部に対しても正確に放射線を集中
させるようにした定位的放射線治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線治療において、定位法と呼ばれる
放射線照射法が注目されている。定位法とは、放射線の
細いビームを用いて、定位的に一点に集中させ、病巣部
にのみ高線量を多方向より与えることにより、その破壊
を行うことを目的とする治療法であり、この治療により
破壊された部位の周囲の正常部位に対しては、放射線の
照射が極端に少なくなることから、正常部位への悪影響
をなくせる効果がある。
【0003】また、手術に伴う合併症を心配することな
く治療でき、通常の脳外科的治療を実施できない部位
(脳幹部等)の病巣や、手術にて摘出不能であった残存
病巣などに対して、その治療効果も期待されている。こ
の定位法による治療を行う場合には、まず画像診断装置
により得られた病巣の位置情報をもとに治療計画を立
て、続いて患者を治療台に移し、病巣部の中心となるべ
き位置が、治療の際に治療ビームの焦点、即ちアイソセ
ンタにくるように患者を位置決め固定する。その後、治
療計画に基づいて照射を開始するものである。その定位
法による治療を実現する装置が定位的放射線治療装置で
ある。
【0004】この定位的放射線治療装置としては、ガン
マユニットと呼ばれる多線源方式放射線治療装置と、電
子線加速器等を用いる単線源方式放射線治療装置とがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子線加速器
等を用いた定位的放射線治療が期待されているが、放射
線照射位置と患者設定位置の調整に高精度が要求される
ため、定位的放射線治療の普及が抑制されている。そこ
で、このような要求に対応するために、二次元で可動で
きるコリメータを設けてガントリの回転角ごとのアイソ
センタのずれを補正する発明(特開平5−188199
号公報)や、治療台の回転角及びガントリの回転角ごと
のアイソセンタのずれを上記可動できるコリメータで補
正する発明(特開平6−254171号公報)が提案さ
れている。
【0006】しかし、これらの発明も上記要求を全てカ
バーできるものではない。前者の発明では、可動できる
コリメータは有効であるが、ガントリのみ補正できて治
療台側のずれは補正できない。また、後者の発明は、治
療台の補正も可能であるが、治療台回転角ごとにガント
リ回転角に対する補正データを持つことになるので、例
えば治療台回転角1°ごとにガントリ回転角1°ごとの
補正データをもつ場合、ガントリは一般に360°回転
し、治療台は240°回転することから86,400
(360 × 240) 個の補正データを記憶する記憶領域が必
要となり、また、月1回のアイソセンタ調整時にこれだ
けのデータを入れ替えるのは非常に時間のかかる作業と
なり、好ましいものではない。
【0007】また、病巣部が1点ではなく2点以上の複
数ある場合には、ある1点の病巣部の治療が済んだ後、
治療台の天板を動かして2点目の病巣部をアイソセンタ
に合わせる作業が必要となる。この場合も病巣部の各点
ごとに治療台天板を動かす作業があり、非効率的であ
り、好ましいものではない。本発明の目的は、ガントリ
から放出される放射線がガントリ回転角によりアイソセ
ンタからずれ、かつアイソセンタに位置決めした病巣部
が治療台回転角によりアイソセンタからずれる場合でも
病巣部に正確に放射線を照射することができるととも
に、ずれ補正に使用する補正データを記憶するための記
憶手段の記憶容量を低減することができる定位的放射線
治療装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、ガントリから放出さ
れる放射線がガントリ回転角によりアイソセンタからず
れ、かつ病巣部がアイソセンタに位置決めされていない
場合でも病巣部に正確に放射線を照射することができる
とともに、ずれ補正に使用する補正データを記憶するた
めの記憶手段の記憶容量を低減することができる定位的
放射線治療装置を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、ガントリから放
出される放射線がガントリ回転角によりアイソセンタか
らずれ、かつ病巣部が複数ある場合に、患者又は治療台
の天板を各病巣部毎に動かすことなく、複数の病巣部に
順次放射線を照射することができるとともに、ずれ補正
に使用する補正データを記憶するための記憶手段の記憶
容量を低減することができる定位的放射線治療装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、水平軸線を中心にして回転するガントリで
あって、該ガントリに設けられた照射ヘッドから水平軸
線上の1点のアイソセンタに放射線を照射するガントリ
と、前記ガントリに設けられ前記照射ヘッドから放出さ
れる放射線の照射位置を変える定位用コリメータと、前
記ガントリの機械的精度により該ガントリの回転に伴っ
て生じる前記放射線のアイソセンタに対する位置ずれを
補正するための第1の補正値をガントリ回転角に対応し
て記憶する第1の記憶手段と、前記アイソセンタを通る
垂直軸線を中心にして水平面上で回転する治療台と、前
記治療台の機械的精度により該治療台の回転に伴って生
じる治療台のアイソセンタに対する位置ずれ量を治療台
回転角に対応して記憶する第2の記憶手段と、前記第2
の記憶手段から現在の治療台回転角に対応して記憶され
た位置ずれ量を読み出し、該位置ずれ量を定数としガン
トリ回転角を変数としてアイソセンタに対して位置ずれ
した病巣部に前記放射線を照射させるための第2の補正
値を算出する演算手段と、前記第1の記憶手段からガン
トリ回転角に対応して読み出した第1の補正値と、現在
の治療台回転角及びガントリ回転角に対応して前記演算
手段によって算出された第2の補正値とに基づいて前記
定位用コリメータを制御し、前記放射線が病巣部に常時
照射されるように放射線の照射位置を制御するコリメー
タ制御手段と、を備えたことを特徴としている。即ち、
アイソセンタに位置決めした病巣部が治療台回転角によ
りアイソセンタからずれる場合には、その位置ずれした
病巣部に放射線を照射するための定位用コリメータの補
正値(前記第2の補正値)はガントリ回転角によって変
化するが、本発明によれば、第2の補正値を演算手段に
よって算出するようにしたため、定位用コリメータの制
御時に使用する補正データを記憶するための記憶手段の
記憶容量を大幅に低減することができる。
【0011】また、治療台の位置ずれに伴って生じる病
巣部のアイソセンタからのずれに対する放射線の照射位
置の補正と、病巣部がもともとアイソセンタからずれた
位置にある場合に、その病巣部に対する放射線の照射位
置の補正とは、同様の手段によって実施できるため、本
発明の他の態様では、アイソセンタに位置合わせされて
いない病巣部のアイソセンタに対する位置ずれ量を治療
台回転角に対応して記憶する第2の記憶手段を設けるよ
うにしている。
【0012】また、本発明の更に他の態様によれば、前
記ガントリと、定位用コリメータと、第1の記憶手段
と、治療台と、複数の病巣部のうちの1つの病巣部をア
イソセンタに位置合わせし且つ治療台が基準の回転位置
にあるときの他の病巣部のアイソセンタからの位置ずれ
量を記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に
記憶した他の病巣部のアイソセンタに対する位置ずれ量
を治療台の基準の回転位置からの回転角に基づいて算出
する第2の演算手段と、前記第2の演算手段によって算
出された現在の治療台回転角に対応する位置ずれ量を定
数としガントリ回転角を変数としてアイソセンタに対し
て位置ずれした前記他の病巣部に前記放射線を照射させ
るための第3の補正値を算出する第3の演算手段と、前
記他の病巣部に放射線を照射する際に、前記第1の記憶
手段からガントリ回転角に対応して読み出した第1の補
正値と、現在の治療台回転角及びガントリ回転角に対応
して前記第3の演算手段によって算出された第3の補正
値とに基づいて前記定位用コリメータを制御し、前記放
射線が他の病巣部に常時照射されるように放射線の照射
位置を制御するコリメータ制御手段と、を備えたことを
特徴としている。即ち、病巣部が複数ある場合に、患者
又は治療台の天板を各病巣部毎に動かすことなく、定位
用コリメータを制御することにより複数の病巣部に順次
放射線を照射することができるようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る定位的放射線治療装置の好ましい実施の形態について
詳説する。図4は本発明に係る定位的放射線治療装置の
全体構成図である。この定位的放射線治療装置は、支持
部1によって支持され、水平軸線17を中心にして矢印
20のように回転するガントリ2と、ガントリ2に支持
された照射ヘッド10と、照射ヘッド10に固定され
た、定位用コリメータ19を有する筐体24と、患者8
を寝載する治療台9とによって構成されている。
【0014】ガントリ2及び照射ヘッド10には、電子
線発生源(図示せず)からの電子線3を搬送する搬送路
4と、電子線3を偏向する偏向マグネット5と、電子線
3の出口部に設けた真空窓6と、電子線3の照射を受け
てX線を放射するX線ターゲット7と、X線ターゲット
7を支持する照射ヘッド10と、放射X線を3段構成で
絞る円錐コリメータ11と、X線を矩形形状にする、
X、Y方向駆動可能な可動コリメータ12、13と、円
錐コリメータ11と可動コリメータ12との間に設けた
フィルタ14とが含まれる。フィルタ14は、円錐内の
X線線量分布を一様にする平坦化フィルタである。可動
コリメータ12、13は単に放射線を矩形に絞る役目だ
けであり、定位した一点に対する位置ずれを補正する動
作はできない。このため、照射ヘッド10とアイソセン
タ15の間に二次元に可動でき、放射線の照射方向を制
御できる定位用コリメータ19を追加した。
【0015】ここで、定位用コリメータ19の一例につ
いて、図5及び図6を参照しながら説明する。尚、図6
は図5のA−A線に沿う断面図である。図5に示すよう
に定位用コリメータ19は、照射ヘッド10に固定され
た筐体24内に収納され、筐体24には定位用コリメー
タ19を駆動するためのモータ40や送りネジ41を含
むコリメータ駆動装置18が組み込まれている。定位用
コリメータ19は、可動コリメータ13を通った放射線
を更に細めるためのコリメート孔42を持ち、筐体24
との間に設けられたリンク機構43によってターゲット
7を中心にして揺動可能に配設されている。筐体24の
下部には、紙面直交方向に移動可能な第1の平面部材4
4と、紙面の左右方向に移動可能な第2の平面部材45
とからなるX−Yテーブルが構成されており、第2の平
面部材45上には、大リング46が固定され、またその
内側には中リング47が設けられ、更にこの中リング4
7の内側に定位用コリメータ19の下端が挿入されてい
る。
【0016】中リング47と定位用コリメータ19との
間には、図6に示すように定位用コリメータ19を回動
自在に支持する第1の支軸48a、48bが設けられ、
また、大リング46と中リング47との間には、中リン
グ47を回動自在に支持する第2の支軸49a、49b
が設けられている。これにより、X−Yテーブルを直交
する位置に配設された2つのコリメータ駆動装置18
(図5では1つのコリメータ駆動装置18のみが示され
ている)によって駆動することにより、二次元方向(図
5の紙面の左右方向と紙面に直交する方向)に定位用コ
リメータ19を傾動させることができる。
【0017】さて、図4の状態において、X線の照射中
心となる鉛直軸線16と、ガントリ2の回転中心となる
水平軸線17との交点が、アイソセンタ15となり、癌
等の病巣部をこのアイソセンタ15に合わせるために、
治療台9を上下、左右方向に移動させる。この治療台9
は回動用の台車21を有し、アイソセンタ15を通る鉛
直軸線16を中心にして水平面上で一定角度ずつ回転す
る回転盤25に固定されている。従って、治療台9は、
回転盤25の回転に伴ってアイソセンタ15を中心に水
平面上で回動する。
【0018】上記のような電子線加速器を用いた治療シ
ステムで定位的放射線治療を行う場合、一般には治療台
9がある角度にあるときに、病巣部をアイソセンタ15
に位置合わせし、ガントリ2からX線を照射させながら
ガントリ2を任意の回転角度範囲で回転させる。次に、
治療台9を上記角度から指定された角度(治療計画で定
められた角度)位置に回転させ、指定角度に到達すると
静止する。そして、この治療台9の回転位置で、上記と
同様にガントリ2からX線を照射させながらガントリ2
を任意の回転角度範囲で回転させる。ここで、治療台9
の角度を変えるのは、病巣部へX線が入射する方向を変
えるためで、入射方向を変えることで、正常組織を通る
X線量は、病巣部を通るX線量と比べて極端に少なくな
る。これにより、正常組織を守ることができ、かつ病巣
部にはX線を集中させることができることから大線量を
投与できるため、一気に病巣部を破壊することができ
る。
【0019】尚、現在の技術では、ガントリ2のアイソ
センタ15に対する回転精度は、±0.5mm〜±1m
mであり、また、治療台9のアイソセンタ15に対する
回転精度も±0.5mm〜±1mmである。そこで、治
療台に対しては、アイソセンタに対する水平面上の回転
に対するずれ量(回転精度)の測定をしたものを記憶手
段に登録する。例えば、図4に示すガントリ2、治療台
9の状態で患者8を治療台9に固定し、アイソセンタ1
5に病巣部を位置合わせしたと仮定する。上記したよう
に、ガントリ2は治療台9がこの状態(即ち、病巣部が
アイソセンタ15にある状態)で、X線を照射しながら
回転動作する。尚、X線は、定位用コリメータ19によ
って確実にアイソセンタ15を捉えることができるた
め、病巣部からずれることはない。
【0020】次に、治療台9を例えば30°回転させ、
その結果、病巣部がアイソセンタ15から±0.5mm
〜±1mmの範囲でずれたとする。この状態を図3に示
す。尚、図3に示すx−y平面は、アイソセンタ15を
原点とする水平面で、y軸はガントリ2の回転中心とな
る水平軸線17(図4参照)と一致している。図3に示
すように治療台9の回転に伴ってアイソセンタ15から
ずれた病巣部の位置αの座標を(x1、y1)とする。
このx1、y1の位置座標は、予め記憶手段に記憶され
ている情報である。そこで、治療台9が30°回転した
場合には、この治療台回転角に対応して記憶手段に記憶
されている治療台のずれ量を読み出し、ガントリ回転角
ごとに本来アイソセンタ15を照射するように定位用コ
リメータ19を動作させるところを、さらに次式の演算
を行い、その演算値XBに基づいて定位用コリメータ1
9を制御する。
【0021】
【数1】 XB =x1・sin(90°−θ) … (1) 但し、x1:病巣部のアイソセンタ15に対するx方向
のずれ量 θ:ガントリ回転角度 即ち、図1に示すようにガントリ2の線源70がアイソ
センタ15を中心に回転する場合、上記(1)式に基づ
いて定位用コリメータ19を制御することよりアイソセ
ンタ15からずれた病巣部に放射線を照射することがで
きるようになる。図1の奥行方向(y方向)のずれ量
は、アイソセンタ15に対するずれ量y1(図3参照)
のみをガントリ2のどの角度に対しても補正すればよ
い。即ち、図6に示すように放射線の照射方向に直交す
る平面をX−Y平面とし、Y軸をガントリ2の回転中心
となる水平軸線17と同方向にとると、定位用コリメー
タ19を、X方向に対しては演算値XB (=x1・si
n(90°−θ))、Y方向に対しては値YB =(0−
y1)に基づいて制御すればよいことになる。
【0022】尚、定位用コリメータ19は、図5に示し
たように揺動する構成となっているため、定位用コリメ
ータ19を揺動させるための第1の平面部材44、第2
の平面部材45からなるX−Yテーブルの実際の移動量
は、上記算出した演算値XBよりも小さい値になり、ま
た、この値は適宜の換算により求めることができる。ま
た、定位用コリメータが上記X−Y平面上を平行移動で
きる構成のものであれば、定位用コリメータを平行移動
させるためのX−Yテーブルの移動量は、上記算出した
値と一致する。
【0023】上記のように定位用コリメータを制御すれ
ば、病巣部がアイソセンタからずれていても、そのずれ
ている病巣部に放射線を照射することができる。従っ
て、患者の病巣部が複数ある場合は、このうちの一点を
アイソセンタに合わせ、上記したように定位的放射線治
療を行う。そして、次の病巣部の治療を行う場合には、
通常では再びその病巣部をアイソセンタに合わせる作業
が入ることになるが、本発明によれば、病巣部をアイソ
センタに合わせることなく、その病巣部に放射線を照射
することができる。
【0024】即ち、図2に示すように次の病巣部が最初
に治療した点の病巣部(アイソセンタ15に位置してい
る)に対して、X方向にx2、Y方向にy2、Z方向に
z2だけずれているとすると、次式、
【0025】
【数2】 XB =x2・sin(90°−θ)−z2・cos(90°−θ)…(2) の演算を行い、その演算値XB に基づいて定位用コリメ
ータ19を制御すればよい。尚、Y方向に対しては、値
B =(0−y2)に基づいて定位用コリメータ19を
制御すればよい。また、次の病巣部の位置(x2,y
2,z2)は、予め治療台回転角に対応して記憶手段に
記憶させておく必要があり、この場合、治療台自体のア
イソセンタに対する位置ずれを含んだ位置情報として記
憶させてもよいし、治療台9が基準の回転位置(例え
ば、図4の状態)にあるときのアイソセンタからの位置
のみを記憶し、治療台回転角に対応した次の病巣部のア
イソセンタからの位置は、計算によって求めるようにし
てもよい。もちろん、この計算結果に対して、治療台自
体のアイソセンタに対する位置ずれを付加するようにし
てもよい。
【0026】図7は本発明に係る定位的放射線治療装置
の実施の形態を示すブロック図である。同図において、
第1メモリ71にはガントリ回転角に対応して、アイソ
センタ15に対する放射線の位置ずれを補正する補正値
(XA ,YA )が予め記憶されている。尚、上記位置ず
れは、例えば放射線線錐体の頂点とアイソセンタとを結
ぶ直線に直交し、且つアイソセンタを含むX−Y平面上
における位置ずれである。この第1メモリ71に記憶さ
れた補正値(XA ,YA )は、ガントリ回転角センサ7
2によって検出されたガントリ回転角θに基づいて読み
出され、換算回路73に加えられる。換算回路73は、
入力する補正値(XA ,YA )を、定位用コリメータ1
9を揺動させるX−Yテーブルの移動量(XA ′,
A ′)に換算し、それぞれ加算器74、75に出力す
る。
【0027】一方、第2メモリ76には治療台回転角に
対応して、アイソセンタ15に対する治療台9及び/又
は病巣部の位置ずれを示す補正値(x,−y,z)が予
め記憶されている。上記位置ずれは、ガントリ2の回転
中心となる水平軸線をy軸、治療台9の回転中心となる
垂直軸線をz軸、これらのy軸及びz軸に直交する軸を
x軸とする座標系における位置ずれである。尚、治療台
9の回転に伴う治療台9のz軸方向の位置ずれは0と見
なすことができるが、前述したように患者の病巣部が複
数ある場合のように、病巣部がアイソセンタに合わされ
ていない場合には、その病巣部はz軸方向にも位置ずれ
を有している。
【0028】この第2メモリ76に記憶された補正値
(x,−y,z)は、治療台回転角センサ77によって
検出された治療台回転角に基づいて読み出され、補正値
(x,z)は演算回路78に加えられ、補正値(−y)
は補正値YB として換算回路79に加えられる。演算回
路78の他の入力には、ガントリ回転角センサ72から
現在のガントリ回転角θを示す角度データが加えられて
おり、演算回路78は、上記補正値(x,z)及び角度
データから(1)式又は(2)式に基づいて演算値XB
(X−Y平面上におけるX方向の補正値)を算出し、こ
の演算値XB を換算回路79に出力する。
【0029】換算回路79は、換算回路73と同様にし
て入力する補正値(XB ,YB )を、定位用コリメータ
19を揺動させるX−Yテーブルの移動量(XB ′,Y
B ′)に換算し、それぞれ加算器74、75に出力す
る。加算器74は、それぞれ換算回路73、79から入
力するX−YテーブルのX方向の移動量XA とXB とを
加算し、この加算値をコリメータ駆動装置18に出力
し、加算器75は、それぞれ換算回路73、79から入
力するX−YテーブルのY方向の移動量YA とYBとを
加算し、この加算値をコリメータ駆動装置18に出力す
る。
【0030】コリメータ駆動装置18は、それぞれ加算
器74、75から入力するX−YテーブルのX方向及び
Y方向の移動量だけX−Yテーブルを移動させることに
より定位用コリメータ19を傾動させ、定位用コリメー
タ19から出射される放射線が正確に病巣部に照射され
るようにする。尚、この実施の形態によれば、第1メモ
リ71に記憶した補正値(XA ,YA)を換算回路73
により定位用コリメータ19を揺動させるX−Yテーブ
ルの移動量(XA ′,YA ′)に換算するようにした
が、これに限らず、X−Yテーブルの移動量(XA ′,
A ′)を第1メモリ71に記憶させ、換算回路73を
省略するようにしてもよい。また、放射線線錐体の頂点
を中心にして傾動する定位用コリメータ19を用いた
が、これに限らず、放射線線錐体とアイソセンタとを結
ぶ直線に直交する平面内で平行移動可能な定位用コリメ
ータを用いてもよく、この場合には、図7に示した換算
回路73、79は不要になる。更に、第1メモリ71と
第2メモリ76とは別々のメモリでもよいし、記憶領域
がそれぞれ異なる同一のメモリでもよい。また、360
°回転するガントリの1°毎にガントリの補正値を記憶
し、240°回転する治療台の1°毎に治療台の補正値
を記憶する場合には、その補正値の合計は600とな
り、ガントリ回転角と治療台回転角との全ての組み合わ
せについて補正値を記憶させる場合(この場合には、3
60×240=86,400)に比べて補正値の数を激
減させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る定位的
放射線治療装置によれば、ガントリから放出される放射
線がガントリ回転角によりアイソセンタからずれ、かつ
アイソセンタに位置決めした病巣部が治療台回転角によ
りアイソセンタからずれる場合でも、記憶手段に記憶さ
れた補正値と演算手段によって算出した補正値とを使用
して定位用コリメータを制御するようにしたため、放射
線を病巣部に正確に照射することができ、また記憶手段
の記憶容量を大幅に低減することができるとともに、記
憶手段に補正値を記憶させるための調整時間も従来と比
較して1/100程度となり、操作者にとっても有効で
ある。また、ガントリから放出される放射線がガントリ
回転角によりアイソセンタからずれ、かつ病巣部がアイ
ソセンタに位置決めされていない場合でも定位用コリメ
ータを制御することにより放射線を病巣部に正確に照射
することができ、特に病巣部が複数ある場合に、患者又
は治療台の天板を各病巣部毎に動かすことなく、定位用
コリメータを制御することにより複数の病巣部に順次放
射線を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る演算手段の演算内容を説明
するために用いたモデルである。
【図2】図2は病巣部が複数ある場合の演算内容を説明
するために用いたモデルである。
【図3】図3はアイソセンタを通る水平軸線を含む水平
面内に位置するアイソセンタと治療台回転によりずれた
病巣部との位置関係を示す図である。
【図4】図4は本発明に係る定位的放射線治療装置の全
体構成を示す図である。
【図5】図5は本発明に係る定位的放射線治療装置にお
ける定位用コリメータの一例を示す要部縦断面図であ
る。
【図6】図6は図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】図7は本発明に係る定位的放射線治療装置の実
施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】 2…ガントリ 9…治療台 15…アイソセンタ 18…コリメータ駆動装置 19…定位用コリメータ 71…第1メモリ 74、75…加算器 76…第2メモリ 78…演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 5/01 A61N 5/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平軸線を中心にして回転するガントリ
    であって、該ガントリに設けられた照射ヘッドから水平
    軸線上の1点のアイソセンタに放射線を照射するガント
    リと、 前記ガントリに設けられ前記照射ヘッドから放出される
    放射線の照射位置を変える定位用コリメータと、 前記ガントリの機械的精度により該ガントリの回転に伴
    って生じる前記放射線のアイソセンタに対する位置ずれ
    を補正するための第1の補正値をガントリ回転角に対応
    して記憶する第1の記憶手段と、 前記アイソセンタを通る垂直軸線を中心にして水平面上
    で回転する治療台と、 前記治療台の機械的精度により該治療台の回転に伴って
    生じる治療台のアイソセンタに対する位置ずれ量を治療
    台回転角に対応して記憶する第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段から現在の治療台回転角に対応して
    記憶された位置ずれ量を読み出し、該位置ずれ量を定数
    としガントリ回転角を変数としてアイソセンタに対して
    位置ずれした病巣部に前記放射線を照射させるための第
    2の補正値を算出する演算手段と、 前記第1の記憶手段からガントリ回転角に対応して読み
    出した第1の補正値と、現在の治療台回転角及びガント
    リ回転角に対応して前記演算手段によって算出された第
    2の補正値とに基づいて前記定位用コリメータを制御
    し、前記放射線が病巣部に常時照射されるように放射線
    の照射位置を制御するコリメータ制御手段と、 を備えたことを特徴とする定位的放射線治療装置。
  2. 【請求項2】 水平軸線を中心にして回転するガントリ
    であって、該ガントリに設けられた照射ヘッドから水平
    軸線上の1点のアイソセンタに放射線を照射するガント
    リと、 前記ガントリに設けられ前記照射ヘッドから放出される
    放射線の照射位置を変える定位用コリメータと、 前記ガントリの機械的精度により該ガントリの回転に伴
    って生じる前記放射線のアイソセンタに対する位置ずれ
    を補正するための第1の補正値をガントリ回転角に対応
    して記憶する第1の記憶手段と、 前記アイソセンタを通る垂直軸線を中心にして水平面上
    で回転する治療台と、 前記アイソセンタに位置合わせされていない病巣部のア
    イソセンタに対する位置ずれ量を治療台回転角に対応し
    て記憶する第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段から現在の治療台回転角に対応して
    記憶された位置ずれ量を読み出し、該位置ずれ量を定数
    としガントリ回転角を変数としてアイソセンタに対して
    位置ずれした病巣部に前記放射線を照射させるための第
    2の補正値を算出する演算手段と、 前記第1の記憶手段からガントリ回転角に対応して読み
    出した第1の補正値と、現在の治療台回転角及びガント
    リ回転角に対応して前記演算手段によって算出された第
    2の補正値とに基づいて前記定位用コリメータを制御
    し、前記放射線が病巣部に常時照射されるように放射線
    の照射位置を制御するコリメータ制御手段と、 を備えたことを特徴とする定位的放射線治療装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の記憶手段に記憶されている前
    記アイソセンタに位置合わせされていない病巣部のアイ
    ソセンタに対する位置ずれ量は、前記治療台の機械的精
    度により該治療台の回転に伴って生じる治療台のアイソ
    センタに対する位置ずれ量を含む請求項2の定位的放射
    線治療装置。
  4. 【請求項4】 水平軸線を中心にして回転するガントリ
    であって、該ガントリに設けられた照射ヘッドから水平
    軸線上の1点のアイソセンタに放射線を照射するガント
    リと、 前記ガントリに設けられ前記照射ヘッドから放出される
    放射線の照射位置を変える定位用コリメータと、 前記ガントリの機械的精度により該ガントリの回転に伴
    って生じる前記放射線のアイソセンタに対する位置ずれ
    を補正するための第1の補正値をガントリ回転角に対応
    して記憶する第1の記憶手段と、 前記アイソセンタを通る垂直軸線を中心にして水平面上
    で回転する治療台と、 複数の病巣部のうちの1つの病巣部をアイソセンタに位
    置合わせし且つ治療台が基準の回転位置にあるときの他
    の病巣部のアイソセンタからの位置ずれ量を記憶する第
    2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段に記憶した他の病巣部のアイソセン
    タに対する位置ずれ量を治療台の基準の回転位置からの
    回転角に基づいて算出する第2の演算手段と、 前記第2の演算手段によって算出された現在の治療台回
    転角に対応する位置ずれ量を定数としガントリ回転角を
    変数としてアイソセンタに対して位置ずれした前記他の
    病巣部に前記放射線を照射させるための第3の補正値を
    算出する第3の演算手段と、 前記他の病巣部に放射線を照射する際に、前記第1の記
    憶手段からガントリ回転角に対応して読み出した第1の
    補正値と、現在の治療台回転角及びガントリ回転角に対
    応して前記第3の演算手段によって算出された第3の補
    正値とに基づいて前記定位用コリメータを制御し、前記
    放射線が他の病巣部に常時照射されるように放射線の照
    射位置を制御するコリメータ制御手段と、 を備えたことを特徴とする定位的放射線治療装置。
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