JP2756845B2 - 六面体を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

六面体を呈したマグネタイト粒子粉末及びその製造法

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JP2756845B2 JP1343400A JP34340089A JP2756845B2 JP 2756845 B2 JP2756845 B2 JP 2756845B2 JP 1343400 A JP1343400 A JP 1343400A JP 34340089 A JP34340089 A JP 34340089A JP 2756845 B2 JP2756845 B2 JP 2756845B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、黒色を呈しており、磁気的な凝集力が小さ
いことに起因して樹脂との混合性が優れているマグネタ
イト粒子粉末及びその製造法に関するものである。
本発明に係るマグネタイト粒子粉末の主な用途は磁性
トナー用材料粒子粉末である。
〔従来の技術〕
従来、静電潜像の現像法の一つとして、キャリアを使
用せずに樹脂中にマグネタイト粒子粉末等の磁性粒子粉
末を混合分散させた複合体粒子を現像剤として用いる所
謂一成分系磁性トナーによる現像法が広く知られ、汎用
されている。
近時、複写機器の高速度化、高画質化、連続化等の高
性能化に伴って、現像剤である磁性トナーの特性向上が
強く要求されており、その為には、磁性粒子粉末が黒色
を呈しているとともに、樹脂との混合性が優れているこ
とが要求される。
この事実は、特開昭55−65406号公報の「一般に、こ
のような一成分方式における磁性トナー用の磁性粉には
次のような諸特性が要求される。‥‥iv)実用に耐える
黒さをもつこと。磁性トナー中には、着色剤を含有させ
ることもできるが、粉体それ自身が黒色を有し、着色剤
は使用しない方が好ましい。‥‥vii)樹脂との混合性
がよいこと。‥‥トナー中の微視的混合度がトナーの特
性にとって重要となる。‥‥」なる記載の通りである。
マグネタイト粒子粉末の黒色度は、「試料の黒色度合
はFe(II)含有量および平均粒径によって左右され、平
均粒径0.2μmの粉末は青味を帯びた黒色粉末であり黒
色顔料として最も好適である。‥‥Fe(II)含有量が10
%以上では黒色度合に若干の差異が認められるが、試料
はいずれも黒色である。Fe(II)含有量が10%以下に減
少すると各試料は黒色から赤茶色に変化する。」なる記
載の通り、磁性トナー用に使用される0.1〜0.5μm程度
のマグネタイト粒子粉末の場合、主にFe2+含有量によっ
て左右されることが知られている。
マグネタイト粒子粉末と樹脂との混合性の向上の為に
は、マグネタイト粒子粉末の分散性が優れていることが
必要であり、その為には、残留磁化が可及的に小さいこ
とによって磁気的な凝集力が小さいものであることが要
求される。
尚、特開昭63−128356号公報の「‥‥1KOeの磁場の強
さは、本発明の磁性カプセルトナーを用いて現像を行う
際の現像スリーブ付近の磁場の強さにほぼ対応するもの
である。」なる記載の通り、磁性トナーは一般に、1KOe
程度の外部磁場の下で使用されるので、磁性トナーに含
有されるマグネタイト粒子粉末の残留磁化も1KOeの外部
磁場をかけた後における値が出来るだけ小さいことが望
まれる。
従来、磁性トナー用磁性粒子粉末として用いられてい
るマグネタイト粒子粉末は、第一鉄塩水溶液と該第一
鉄塩水溶液中のFe+2に対し当量以上のアルカリ性水溶液
とを反応して得られたpH10以上の水酸化第一鉄コロイド
を含む懸濁液に、酸素含有ガスを通気することにより得
られる八面体を呈したマグネタイト粒子粉末(特公昭44
−668号公報)か、第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶
液中のFe+2に対し0.80〜0.99当量の水酸化アルカリとを
反応して得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩
反応水溶液に、酸素含有ガスを通気することにより、球
状マグネタイト粒子を生成させる第一段と、該第一段反
応終了後、残存Fe+2に対し1.00当量以上の水酸化アルカ
リを添加してpH10以上で加熱酸化することにより得られ
る球状を呈したマグネタイト粒子粉末(特公昭62−5120
8号公報)のいずれかである。
〔発明が解決しようとする課題〕
黒色を呈しているとともに、樹脂との混合性が優れて
いるマグネタイト粒子粉末は、現在最も要求されている
ところであるが、前出の八面体を呈したマグネタイト
粒子粉末は、Fe+2含有量がFe3+に対しモル比で0.3〜0.4
5程度であり、黒色度においては優れているが、残留磁
化が大きく磁気的な凝集が生起しやすいものである為、
分散性が悪く樹脂との混合性が悪い。また、前出の球
状を呈したマグネタイト粒子粉末は、残留磁化が小さく
磁気的な凝集が生起しにくいので分散性に優れ樹脂との
混合性は良好であるが、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比
で高々0.28程度であるので、やや茶褐色を帯びた黒色と
なり、黒色度において劣る。
そこで、本発明は、黒色を呈しているとともに、磁気
的な凝集力が小さいことに起因して樹脂との混合性が優
れているマグネタイト粒子粉末を得ることを技術的課題
とするものである。
〔課題を解決する為の手段〕
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成で
きる。
即ち、本発明は、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.
3〜0.5であって、比表面積が3.0〜15.0m2/gであり、1kO
eの外部磁場をかけた後における残留磁化σrが、式σ
r(emu/g)=0.92×比表面積値+b(但し、b=1.6〜
3)で示される範囲である六面体を呈したマグネタイト
粒子からなるマグネタイト粒子粉末及び第一鉄塩水溶液
と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量以下のアルカリ
性水溶液とを反応して得られたpH6.0〜7.5の範囲の水酸
化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に、酸素含
有ガスを通気することにより上記水酸化第一鉄コロイド
を部分的に酸化してマグネタイト核粒子を生成させ、次
いで、該マグネタイト核粒子及び水酸化第一鉄コロイド
を含む第一鉄塩反応水溶液にpH8.0〜9.5の範囲において
酸素含有ガスを通気することにより、前記マグネタイト
核粒子の成長反応を行うことからなるFe2+含有量がFe3+
に対しモル比で0.3〜0.5であって、比表面積が3.0〜15.
0m2/gであり、1kOeの外部磁場をかけた後における残留
磁化σrが、式σr(emu/g)=0.92×比表面積値+b
(但し、b=1.6〜3)で示される範囲である六面体を
呈したマグネタイト粒子からなるマグネタイト粒子粉末
の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、第一鉄塩水溶
液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量以下のアルカ
リ性水溶液とを反応して得られたpH6.0〜7.5の範囲の水
酸化第一鉄コロイドを含む。第一鉄塩反応水溶液に、酸
素含有ガスを通気することにより上記水酸化第一鉄コロ
イドを部分的に酸化してマグネタイト核粒子を生成さ
せ、次いで、該マグネタイト核粒子及び水酸化第一鉄コ
ロイドを含む第一鉄塩反応水溶液にpH8.0〜9.5の範囲に
おいて酸素含有ガスを通気した場合には、黒色を呈して
いるとともに、磁気的な凝集力が小さいマグネタイト粒
子粉末が得られるという事実である。
本発明に係るマグネタイト粒子粉末は、後出図2の走
査型電子顕微鏡写真に示す通り粒子形状が六面体状であ
って、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.3〜0.5である
ことによって青味を帯びた黒色であり、且つ、1KOeの外
部磁場をかけた後における残留磁化σrが小さいことに
よって磁気的な凝集が小さいものである。
本発明に係るマグネタイト粒子粉末は、BET比表面積
が3.0〜15.0m2/gである。
尚、前出のpH10以上の水酸化第一鉄コロイドを含む
懸濁液に酸素含有ガスを通気することによって得られる
マグネタイト粒子粉末の粒子形状は、粒子の陰影を撮影
した透過型電子顕微鏡写真に示された平面形状をとらえ
て六面体状又は立方体状としている報告もあるが、粒子
の立体形状を写した後出図5の走査型電子顕微鏡写真に
示される通り、実際には八面体を呈しており、本発明に
係るマグネタイト粒子の粒子形状とは相違するものであ
る。
また、特開昭48−99700号公報及び粉体粉末冶金協会
昭和46年度秋季大会講演概要集第112頁第14〜19行に
は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液に
酸素含有ガスを吹き込みながらpH4〜6の範囲でマグネ
タイトの成長反応を行うことにより六面体を呈するマグ
ネタイト粒子を生成させることが開示されているが、得
られるマグネタイト粒子粉末は、後出比較例7に示す通
りマグネタイト粒子粉末中にゲータイト粒子粉末が混在
しやすいものであり、また、Fe2+含有量が本発明に係る
マグネタイト粒子粉末と比べ全く相違しており、黒色度
において劣るものである。
今、本発明者が行った数多くの実施例からその一部を
抽出して説明すれば以下の通りである。
図1は、マグネタイト粒子粉末の比表面積と1KOeの外
部磁場をかけた後における残留磁化との関係を示したも
のである。図1中、△印は八面体を呈するマグネタイト
粒子粉末、○印は六面体を呈するマグネタイト粒子粉末
である。
図1に示される通り、本発明に係る六面体を呈したマ
グネタイト粒子は、八面体を呈したマグネタイト粒子に
比べ残留磁化が小さい。
一般に、マグネタイト粒子の粒子サイズと残留磁化と
は密接な関係にあり、粒子サイズが小さくなる程、即ち
BET比表面積が大きくなる程、残留磁化が大きくなる傾
向があり、本発明においては、図1の直線a、b、c及
びdで囲まれた範囲のBET比表面積及び残留磁化を有す
るマグネタイト粒子粉末が得られている。
この直線a、b、c及びdで囲まれた範囲は、下記式
で表される。
σr(emu/g)=0.92×比表面積値+b (但し、比表面積=3.0〜15m2/g、b=1.6〜3) 次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用されるアルカリ性水溶液として
は、水酸化ナトリウム水溶液等の水酸化アルカリ水溶
液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム
等の炭酸アルカリ水溶液及びアンモニア水等がある。
本発明におけるアルカリ性水溶液の添加量は、第一鉄
塩水溶液中のFe2+に対し当量以下であり、当量を越える
場合には、八面体を呈したマグネタイト粒子粉末が生成
する。
本発明におけるマグネタイト核粒子の生成反応はpH6.
0〜7.5の範囲で行われる。
pH6.0が未満の場合、pHが7.5を越える場合には、粒度
の不均斉な六面体を呈したマグネタイト粒子粉末が生成
する。
本発明における水酸化第一鉄コロイドの部分的酸化
は、生成する六面体を呈したマグネタイト粒子の粒子サ
イズを考慮した場合、全Fe2+に対し30%以下であること
が好ましい。
本発明におけるマグネタイト粒子の成長反応は、pH8.
0〜9.5の範囲である。
pH8.0未満の場合には、球状を呈したマグネタイト粒
子粉末が生成する。
pH9.5を越える場合には、八面体を呈したマグネタイ
ト粒子粉末が生成する。
本発明における酸化手段は、酸素含有ガス(例えば空
気)を液中に通気することにより行う。
本発明における反応温度は、通常、マグネタイト粒子
が生成する温度である45〜100℃の範囲である。
45℃未満の場合には、六面体を呈したマグネタイト粒
子粉末中に針状を呈したゲータイト粒子が混在してく
る。
100℃を越える場合にも六面体を呈したマグネタイト
粒子粉末が生成するが、オートクレーブ等の特殊の装置
を必要とし、工業的ではない。
本発明に係る六面体を呈したマグネタイト粒子粉末の
Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.3未満の場合には、
黒色度が低下する。
残留磁化σrが、式σr(emu/g)=0.92×比表面積
値+bにおいて、bが3を越える場合には、磁気的な凝
集力が大きくなり、磁性トナー用磁性粒子粉末として好
ましくない。上記式において、bの値が1.6〜2.5の範囲
がより好ましい。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の形状は
走査型電気顕微鏡により、粒子の粒度分布は透過型電子
顕微鏡によって、それぞれ観察したものである。
粒子の比表面積はBET法により測定した値で示したも
のであり、残留磁化は「振動試料型磁力計VSM−3S−1
5」(東英工業(株)製)を用いて1KOeの外部磁場をか
けた後において測定した値で示した。
Fe2+含有量は、下記の化学分析法により求めた値で示
した。即ち、不活性ガス雰囲気下において、磁性粒子粉
末0.5gに対しリン酸と硫酸とを2:1の割合で含む混合溶
液25ccを添加し、上記磁性粒子粉末を溶解する。この溶
解水溶液の希釈液に指示薬としてジフェニルアミノスル
ホン酸を数滴加えた後、重クロム酸カリウム水溶液を用
いて酸化還元滴定を行った。上記希釈液が紫色を呈した
時を終点とし、該終点に至るまでに使用した重クロム酸
カリウム水溶液の量から計算して求めた。
また、赤味を表わすa値及び青味を表わすb
は、測定用試料片を多光源分光測色計MSC−IS−2D(ス
ガ試薬機(株)製)を用いてHunterのLab空間によりL
値、a値、b値をそれぞれ測色し、国際照明委員
会(Commission Internationale de l′Eclairage、CI
E)1976(L、a、b)均等知覚色空間に従って
表示した値で示した。上記赤味を表わすa値が0に近
づく程、また、青味を表わすb値の負の値が大きい
程、黒色度は優れ、青味を帯びた黒色となる。
測定用試料片は、マグネタイト粒子粉末0.5gとヒマシ
油1.0ccをフーバー式マーラーで縛ってペースト状と
し、このペーストにクリヤラッカー4.5gを加え混練し塗
料化して、キャストコート紙上に6milのアプリケーター
を用いて塗布することによって得た。
実施例1 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20と2.64−
NのNaOH水溶液20とを混合し、pH6.9、温度90℃にお
いてFe(OH)を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。
上記Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃にお
いて毎分80の空気を25分間通気してマグネタイト粒子
及びFe(OH)を含む第一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子及びFe(OH)を含む
第一鉄塩水溶液に3.78−NのNaOH水溶液1.83を加え、
pH8.5、温度90℃において毎分50の空気を280分間通気
してマグネタイト粒子を生成した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、粉砕し
た。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図2に示す走査型
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、六面体
を呈した粒子であり、図3の透過型電子顕微鏡写真(×
20000)に示す通り、粒度が均斉なものであった。
この六面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、BET比
表面積が7.0m2/gであって、残留磁化が7.1emu/gであ
り、且つ、化学分析の結果、Fe2+含有量がFe3+に対しモ
ル比で0.38であり青味を帯びた黒色を呈していた。この
黒色粒子粉末のa値は+0.04及びb値は−1.74であ
った。
実施例2〜3、比較例1〜4 マグネタイト核粒子の生成反応におけるFe2+水溶液の
種類、濃度及び使用量、アルカリ性水溶液の種類、濃度
及び使用量、pH、温度並びにマグネタイト核粒子の成長
反応におけるアルカリ性水溶液の種類、濃度及び使用
量、pH、温度を種々変化させた以外は、実施例1と同様
にしてマグネタイト粒子を生成させた。
この時の主要製造条件を表1に、生成マグネタイト粒
子の諸特性を表2に示す。
実施例2で得られたマグネタイト粒子粉末は図4に示
す透過型電子顕微鏡写真に示す通り、粒度が均斉な粒子
であった。また、実施例3で得られたマグネタイト粒子
粉末も同様に粒度が均斉な粒子であった。
比較例1及び比較例2で得られたマグネタイト粒子粉
末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、粒度が不均斉な粒
子であった。
比較例5 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20と3.40−
NのNaOH水溶液20とを混合し、pH12.5、温度90℃にお
いてFe(OH)を含む水溶液の生成を行った。
上記Fe(OH)を含む水溶液に温度90℃において毎分
100の空気を220分間通気してマグネタイト粒子粉末を
生成した。
得られたマグネタイト粒子粉末は、図5に示す走査型
電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな通り、八面体
を呈した粒子であり、図6の透過型電気顕微鏡写真(×
20000)に示す通り、粒度が不均斉なものであった。
この八面体を呈したマグネタイト粒子粉末は、BET比
表面積が4.5m2/gであって、残留磁化が7.9emu/gと高い
ものであった。また、化学分析の結果、Fe2+含有量がFe
3+に対しモル比で0.40であって、a値は−0.02、b
値は−2.02であり、青味を帯びた黒色を呈していた。
比較例6 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液20と2.76−
NのNaOH水溶液20(Fe2+に対し0.92当量に該当す
る。)とを混合し、pH7.1、温度90℃においてFe(OH)
を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。
上記Fe(OH)を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃にお
いて毎分100の空気を240分間通気してマグネタイト粒
子を含む第一鉄塩水溶液を生成した。
次いで、上記マグネタイト粒子を含む第一鉄塩水溶液
に3.78−NのNaOH水溶液1.85を加え(残存Fe2+に対し
1.46当量に該当する。)、pH12.5、温度90℃において毎
分20の空気を60分間通気してマグネタイト粒子を生成
した。
生成粒子は、常法により、水洗、別、乾燥、粉砕し
た。
得られたマグネタイト粒子粉末は、走査型顕微鏡観察
の結果、球状を呈した粒子であり、BET比表面積が6.9m2
/gであって、残留磁化4.7emu/gであった。また、化学分
析の結果、Fe2+含有量は、Fe3+に対しモル比で0.26であ
って、a値は+0.66、b値は−0.33であり、やや茶
褐色を帯びた黒色であった。
比較例7 Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液2.4を反応容
器に入れた後、上記硫酸第一鉄水溶液を撹拌しながら3
/minの割合で空気を吹き込み、次いで、2.521−NのN
aOH水溶液1.6を添加した後、直ちに加温して20分後に
50℃まで昇温し、該温度に15時間保持して沈澱粒子を生
成させた。この時のpHは4.3であった。
上記沈澱粒子を、常法により、水洗、別、乾燥、粉
砕した。
得られた粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、針状粒
子と六面体粒子が混在しており、また、X線回折の結
果、マグネタイトとゲータイトのピークが認められた。
尚、上記粒子粉末を磁気選別して得られたマグネタイ
ト粒子粉末のFe2+含有量はFe3+に対しモル比で0.23であ
った。
〔発明の効果〕 本発明に係る六面体を呈したマグネタイト粒子粉末
は、Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.3〜0.5であるこ
とによって青味を帯びた黒色を呈しているとともに、磁
気的な凝集力が小さいことに起因して樹脂との混合性が
優れたものであるので、磁性トナー用材料粒子粉末とし
て好適である。
更に、本発明に係る六面体を呈したマグネタイト粒子
粉末を用いて得られた磁性トナーは、十分な黒色を呈す
ることによって画像濃度に優れ、また、磁気的な凝集力
が小さいことに起因して画像むら等がなく優れたもので
ある。
尚、本発明に係る六面体を呈したマグネタイト粒子粉
末は、青味を帯びた黒色を呈しているとともに、分散性
が優れているので、周知の塗料用顔料粉末や樹脂着色用
顔料粉末としても使用できるのは当然である。
【図面の簡単な説明】
図1は、マグネタイト粒子粉末の比表面積と1KOeの外部
磁場をかけた後における残留磁化との関係を示したもの
である。図1中、△印は八面体を呈するマグネタイト粒
子粉末、○印は六面体を呈するマグネタイト粒子粉末で
ある。 図2及び図5は、それぞれ実施例1及び比較例5で得ら
れたマグネタイト粒子粉末の粒子構造を示す走査型電子
顕微鏡写真(×20000)であり、図3、図4及び図6
は、それぞれ実施例1、実施例2及び比較例5で得られ
たマグネタイト粒子粉末の粒子構造を示す透過型電子顕
微鏡写真(×20000)である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe2+含有量がFe3+に対しモル比で0.3〜0.5
    であって、比表面積が3.0〜15.0m2/gであり、1kOeの外
    部磁場をかけた後における残留磁化σrが、式σr(em
    u/g)=0.92×比表面積値+b(但し、b=1.6〜3)で
    示される範囲である六面体を呈したマグネタイト粒子か
    らなるマグネタイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe
    2+に対し当量以下のアルカリ性水溶液とを反応して得ら
    れたpH6.0〜7.5の範囲の水酸化第一鉄コロイドを含む第
    一鉄塩反応水溶液に、酸素含有ガスを通気することによ
    り上記水酸化第一鉄コロイドを部分的に酸化してマグネ
    タイト核粒子を生成させ、次いで、該マグネタイト核粒
    子及び水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液
    にpH8.0〜9.5の範囲において酸素含有ガスを通気するこ
    とにより、前記マグネタイト核粒子の成長反応を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の六面体を呈したマグネタ
    イト粒子からなるマグネタイト粒子粉末の製造法。
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