JP2755955B2 - 電磁界強度推定方法及び電磁界強度推定システム - Google Patents

電磁界強度推定方法及び電磁界強度推定システム

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JP2755955B2 JP14320588A JP14320588A JP2755955B2 JP 2755955 B2 JP2755955 B2 JP 2755955B2 JP 14320588 A JP14320588 A JP 14320588A JP 14320588 A JP14320588 A JP 14320588A JP 2755955 B2 JP2755955 B2 JP 2755955B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電磁界強度推定方法及び電磁界強度推定シ
ステムに関し、特に、機器の近傍において測定した電磁
界分布によって、遠方における電磁界分布を推定するよ
うにした電磁界強度推定方法及び電磁界強度推定システ
ムに関するものである。
〔従来の技術〕
近年、機器から放射される電磁波によって、放送波帯
への妨害や電子機器の誤動作などの電波障害が問題とな
っている。このような電波障害に対する対策を行なうた
めには、機器から離れた場所における放射雑音の周波数
成分およびその振幅を知る必要がある。また、放射雑音
を測定する場合の機器と測定を行なうアンテナなどとの
間の距離は、例えば10m〜30mなどのように規格によって
定められている。
第7図は、従来の放射電磁界強度測定システムの構成
図である。
図において、放射雑音源である機器71は、電磁界強度
の測定用のアンテナ73によって、機器71の全側面からの
放射雑音の測定が可能となるように、回転台72に載せら
れて、金属大地面74上に設置されている。
アンテナ73は、規格により定められた距離だけ機器71
から離れた金属大地面74上に設置されており、アンテナ
73の高さは可変となっている(例えば、1〜4mあるいは
2〜6m)。
このアンテナ73の出力は、金属大地面74の下側に設置
された妨害波測定装置75により処理され、この処理結果
に基づいて機器71の放射雑音を評価する。
回転台72を回転させながら電磁界強度を測定し、測定
された電磁界強度の最大値をその周波数の放射雑音の振
幅とする。同じ周波数について、アンテナ73の高さを変
えて同様の測定を行なうことにより、放射雑音強度の高
さ方向の分布を測定する。
このような測定を周波数に対して行なうことにより、
放射雑音の周波数成分を直接測定して評価している。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、第7図に示した従来の放射電磁界強度測定
システムにおいては、遠方の電磁界を直接測定するの
で、機器71とアンテナ73とを距離を規格によって定めら
れた距離(例えば10m〜30m)だけ隔てる必要がある。
一方、機器71からの放射強度は、遠方に行くほど減少
するので、アンテナ73において機器71から放射される放
射雑音は、周囲の外乱による雑音と同程度かまたはそれ
以下の強度となって測定される。このため、機器71から
の放射強度と外乱雑音との分離が困難となる場合がある
という問題点があった。
また、上述のように機器71から放射されて直接アンテ
ナ73で観測される放射雑音が微弱となると、周囲の反射
体の影響を受けやすくなる。このため、特に大型の機器
による放射雑音を評価する際には、周囲に反射体のない
広い空間が必要となるので、測定サイトの建設費などが
増加してしまうという問題点があった。
一方、電磁波源の近傍における電磁界から遠方の電磁
界を推定するシステムとしては、マイクロ波帯のアンテ
ナのように、位相ゆらぎのない安定発振する放射体によ
る電磁界を推定するシステム(T.Tasuku,Y.Hori,S.Okub
o and T.Itoh,“Development of a large near-field a
ntenna measurement facility",IEEE.EMC.Symp.,vol.1,
1984参照)が提案されている。
しかし、機器から放射される放射雑音は、時間的に不
安定で位相ゆらぎを持っており、この位相ゆらぎの影響
を考慮する必要がある。
本発明は、このような点にかんがみて創作されたもの
であり、機器の近傍で電磁界強度を測定し、その結果に
基づいて遠方の電磁界強度を推定するようにした電磁界
強度推定方法及び電磁界強度推定システムを提供するこ
とを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
請求項1に記載の発明は、金属大地面上の空間に配置
された機器の周囲に、前記機器が中心軸上に位置し、か
つ前記金属大地面と中心軸方向に向かって直交する第1
の円柱を想定し、前記第1の円柱側面を複数の面素に分
割し、各面素における電界の水平偏波成分強度または磁
界の水平偏波成分強度を順次測定し、測定結果を第1の
円柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅
の振幅とする第1のステップと、前記第1の円柱と同軸
状に配置され、第1の円柱と異なる半径の第2の円柱を
想定し、前記第1の円柱側面の各面素に対応するように
第2の円柱側面を複数の面素に分割し、第2の円柱側面
の各面素における電界の水平偏波成分強度または磁界の
水平偏波成分強度を順次測定し、測定結果を第2の円柱
側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅とす
る第2のステップと、前記第1の円柱側面の各面素にお
ける電界の垂直偏波成分強度または磁界の垂直偏波成分
強度を順次測定し、測定結果を第1の円柱側面の各面素
における電磁界の垂直偏波成分の振幅とする第3のステ
ップと、前記第2の円柱側面の各面素における電界の垂
直偏波成分強度または磁界の垂直偏波成分強度を順次測
定し、測定結果を第2の円柱側面の各面素における電磁
界の垂直偏波成分の振幅とする第4のステップと、前記
第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点を
想定し、前記第1のステップにおいて求めた第1の円柱
側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅の全
てと、前記第2のステップにおいて求めた第1の円柱側
面の各面素に対応する第2の円柱側面の各面素における
電磁界の水平偏波成分の振幅の全てを用い、電磁界の水
平偏波成分の位相を複数回乱数で与えることにより、前
記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点
における電磁界の水平偏波成分を各乱数毎に推定し、推
定された複数の水平偏波成分の中から最大値を求める第
5のステップと、前記第3のステップにおいて求めた第
1の円柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成分の
振幅の全てと、前記第4のステップにおいて求めた前記
第1の円柱側面の各面素に対応する第2の円柱側面の各
面素における電磁界の垂直偏波成分の振幅の全てを用
い、電磁界の垂直偏波成分の位相を複数回乱数で与える
ことにより、前記第5のステップで想定した第1及び第
2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点における電磁
界の垂直偏波成分を各乱数毎に推定し、推定された複数
の垂直偏波成分の中から最大値を求める第6のステップ
と、前記第5のステップにおいて求めた第1及び第2の
円柱側面上とは異なる面内の1つの点における電磁界の
水平偏波成分の最大値と、前記第6のステップにおいて
求めた第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つ
の点における電磁界の垂直偏波成分の最大値とを用い
て、前記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1
つの点における電磁界強度を推定する第7のステップと
から構成されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電磁界強
度推定方法において、前記第1及び第2の円柱側面上と
は異なる面内において複数の点を想定し、想定した各点
について、前記第5のステップから第7のステップを繰
り返し実行することを特徴とする。
第1図は、請求項3,4による電磁界強度推定システム
構成図である。
請求項3に記載の発明は、金属大地面上の空間に配置
された機器の周囲に、前記機器が中心軸上に位置し、か
つ前記金属大地面と中心軸方向に対して直交する第1の
円柱を想定し、前記第1の円柱側面を複数の面素に分割
し、各面素における電界の水平偏波成分強度または磁界
の水平偏波成分強度を順次測定し、測定結果を第1の円
柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅と
して出力し、さらに、前記第1の円柱と同軸状に配置さ
れ、第1の円柱と異なる半径の第2の円柱を想定し、前
記第1の円柱の各面素に対応するように第2の円柱側面
を複数の面素に分割し、各面素における電界の水平偏波
成分強度または磁界の水平偏波成分強度を順次測定し、
測定結果を第2の円柱側面の各面素における電磁界の水
平偏波成分の振幅として出力し、さらに、前記第1の円
柱側面における各面素における電界の垂直偏波成分強度
または磁界の垂直偏波成分強度を順次測定し、測定結果
を第1の円柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成
分の振幅として出力し、さらに、前記第2の円柱側面に
おける各面素における電界の垂直偏波成分強度または磁
界の垂直偏波成分強度を順次測定し、測定結果を第2の
円柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成分の振幅
として出力する電界強度分布測定手段と、前記第1の円
柱側面に定義された複数の面素及び前記第2の円柱側面
に定義された複数の面素における電磁界の位相を乱数と
して順次出力するランダム位相発生手段と、前記第1及
び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点を想定
し、前記電界強度分布測定手段から出力された第1の円
柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅
と、同じく前記電界強度分布測定手段から出力された第
2の円柱側面の各面素おける電磁界の水平偏波成分の振
幅と、前記ランダム位相発生手段から順次出力される乱
数とを受け、第1の円柱側面の各面素における電磁界の
水平偏波成分の振幅の全てと、前記第1の円柱側面の各
面素に対応する第2の円柱側面の各面素おける電磁界の
水平偏波成分の振幅全てを用い、電磁界の水平偏波成分
の位相を複数回前記乱数で与えることにより、前記第1
及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点におけ
る電磁界の水平偏波成分を各乱数毎に推定し、推定され
た複数の水平偏波成分の中から最大値を求め、さらに、
前記電界強度分布測定手段から出力された前記第1の円
柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成分の振幅
と、同じく前記電界強度分布測定手段から出力された第
2の円柱側面の各面素おける電磁界の垂直偏波成分の振
幅と、前記ランダム位相発生手段から順次出力される乱
数とを受け、第1の円柱側面の各面素における電磁界の
垂直偏波成分の振幅の全てと、前記第1の円柱側面の各
面素に対応する第2の円柱側面の各面素おける電磁界の
垂直偏波成分の振幅の全てを用い、電磁界の垂直偏波成
分の位相を複数回前記乱数で与えることにより、前記第
1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点にお
ける電磁界の垂直偏波成分を各乱数毎に推定し、推定さ
れた複数の垂直偏波成分の中から最大値を求め、前記第
1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点につ
いて求められた電磁界の水平偏波成分の最大値と垂直偏
波成分の最大値とを用いて、前記第1及び第2の円柱側
面上とは異なる面内の1つの点における電磁界強度を推
定する処理手段とを具えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電磁界強
度推定システムにおいて、前記処理手段は、前記第1及
び第2の円柱側面上とは異なる面内において複数の点を
想定し、想定した各点について、電磁界強度を推定する
ことを特徴とする。
〔作用〕
請求項1に記載の発明は、金属大地面上に置かれた機
器を中心とする半径の異なる2つの円柱側面の各面素に
おける電磁界の水平偏波成分と垂直偏波成分を測定し、
上記測定結果を2つの円柱側面の各面素における電磁界
の水平偏波成分と垂直偏波成分の振幅とする。次に、上
記電磁界の位相を複数回乱数で与える。次に、2つの円
柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅と
垂直偏波成分の振幅、および乱数で与えられる電磁界の
位相とに基づいて、2つの円柱側面上とは異なる推定面
の1つの点における電磁界強度の水平偏波成分と垂直偏
波成分を各乱数毎に推定する。そして、前記乱数毎に推
定された複数の電磁界の水平偏波成分と垂直偏波成分か
ら、推定面の1つの点における電磁界の水平偏波成分と
垂直偏波成分の最大値を推定し、推定面内の1つの点に
おける電磁界強度を推定する。
位相を乱数で与えることの意味は、次のとおりであ
る。すなわち、放射線源からの放射雑音は位相ゆらぎを
持っているので、電磁界の位相の時間変動はランダムで
ある。従って、2つの円柱側面とは異なる推定面上の点
における電磁界強度を推定するには、位相変動のランダ
ム性を考慮する必要がある。このような位相変動のラン
ダム性を考慮するため、電磁界の位相を複数回乱数によ
って与え、各乱数毎に推定面上の電磁界の水平偏波成分
と垂直偏波成分を推定し、さらに乱数毎に推定された電
磁界の水平偏波成分と垂直偏波成分から電磁界強度の最
大値を推定して、推定面上の点の電磁界強度とするもの
である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明が推
定面上の1つの点における電磁界強度を推定するのに対
し、推定面上の複数の点における電磁界強度を推定する
電磁界強度推定方法である。その手法は、推定面上の1
つの点における電磁界強度の推定を、複数の点について
繰り返し実行するものである。
請求項3に記載の発明は、金属大地面上の空間に置か
れた機器を中心とする円柱側面における電界強度分布ま
たは磁界強度分布を測定する電磁界強度分布測定手段
と、円柱側面上の各測定点における電磁界の位相を乱数
で与えるランダム位相発生手段と、電界強度分布または
磁界強度分布として測定された電磁界の振幅および乱数
で与えられた電磁界の位相に基づいて、円柱側面上とは
異なる推定面の1つの点における電磁界強度分布を推定
する処理手段とを具える電磁界強度推定システムであ
る。
すなわち、上記電磁界強度分布手段は、機器を囲む2
つの円柱側面上の電磁界の強度分布を測定し、これを2
つの円柱側面上の各面素における電磁界の振幅とする。
ランダム位相発生手段は、位相変動のランダム性を考慮
するために、電磁界の位相を乱数によって与える。処理
手段は、電磁界強度分布測定手段によって測定された電
磁界の振幅と、ランダム位相発生手段によって乱数で与
えらた電磁界の位相との基づいて、2つの円柱側面とは
異なる推定面における1つの点の電磁界の強度を推定す
る。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明が推
定面上の1つの点における電磁界強度を推定するのに対
し、推定面上の複数の点における電磁界強度を推定する
電磁界強度推定システムである。すなわち、処理手段
が、推定面上の1つの点における電磁界強度の推定を、
推定面上の複数の点について繰り返し実行するものであ
る。
本発明によれば、機器の近傍における2つの円柱側面
上の複数の面素の電磁界強度分布の測定結果に基づい
て、遠方の推定面上の電磁界強度分布を推定することが
できる。
〔実施例〕
以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に
説明する。
第3図は、本発明の一実施例における電磁界強度推定
システムの構成を示す。
I.実施例と第1図との対応関係 ここで、本発明の実施例と第1図との対応関係を示し
ておく。
電磁界強度分布測定手段は、アンテナ33,アンテナタ
ワー38,妨害波測定装置35およびアンテナタワー駆動装
置36に相当する。
ランダム位相発生手段は、コンピュータ37に相当す
る。
処理手段は、コンピュータ37に相当する。
以上のような対応関係があるものとして、以下本発明
の実施例について説明する。
II.実施例の前提 (i) 電磁界の推定の原理 第2図は、電磁界を推定する方法の原理の説明図であ
る。
図において、閉領域Sは放射源21を囲む円柱状の閉領
域である。導体面24は反射率−1の導体面であるため、
導体面24の下側に放射源21の映像である放射源21′が生
じる。イメージ閉領域Siは、放射源21′を囲む円柱状の
閉領域であり、閉領域Sに対応している。
また、点Pは閉領域S,イメージ閉領域Siに含まれない
推定面Se上の点である。
ここで、閉領域Sあるいはイメージ閉領域Si上の点Q
における電界を とし、点Pにおける電界を とする。
また、閉領域Sおよびイメージ閉領域Si上の面素をd
S,面素dSにおける法線ベクトルを 点Pと点Qを結ぶベクトルを とする。
電界 は、次の式(1)のように、図中の座標軸方向(s,y,
z)の成分を用いて表される。
ここで、Ex(P),Ey(P),Ez(P)は電界 の振幅成分、θx(P),θy(P),θz(P)は同
じく位相成分、 は各座標軸方向の単位ベクトルである。
また、電界 は、下記の式(2)に示すヘルムホルツ方程式を満た
す。
ここで、波数 である。
このような電界 の成分Ej(P)(j=x,y,z)は、点Qにおける電界 の各座標軸方向の成分Ej(Q)(j=x,y,z)を用い
て、次式(3)のように表すことができる(安達,虫
明,“基礎電波工学”第2章共立出版1970)。
ここで、式(2)の解として与えられる関数φ(P,
Q)、および、法線微分を表す演算子∂/∂nは、次式
(4),(5)で表される。
(rは点PQ間の距離 を示す) ここで、点Qを円柱側面上の点とすると、点Qにおけ
る法線ベクトル は、円柱の半径方向の成分のみを持っている。
従って、例えば点Qの位置の関数を関数F(Q)とす
ると、関数F(Q)の法線微分は、式(5)′のように
点Qの位置を半径方向にΔρだけ移動した位置における
関数F(Q+Δρ)との差分の形で近似的に表すことが
できる。
放射源21の近傍の閉領域Sおよびイメージ閉領域Si上
の各面素dSにおける電界の振幅および位相を測定すれ
ば、上記の式(3)を用いて遠方の点Pにおける電界 の振幅成分Ej(P)(j=x,y,z)を求めることができ
る。
ところで、閉領域Sおよびイメージ閉領域Si上の任意
の点Qにおける電界の振幅は、スペクトル・アナライザ
などを用いて精密に測定することができる。しかし、放
射源21からの放射雑音のように時間的にランダムな位相
ゆらぎを持っている電界について、その位相を正確に測
定することは困難である。
そこで、閉領域Sおよびイメージ閉領域Si上の点Qに
おける電界 の各成分の振幅を電界強度分布の測定値で与え、電界の
各成分の位相を乱数で与えて、放射雑音の位相ゆらぎを
模倣した電界のモデルをつくる。この電界のモデルに基
づいて、推定面Se上の点Pにおける疑似的な電界の強度
を求める。
閉領域Sおよびイメージ閉領域Si上の点Qにおける電
の成分Ej(Q)(j=x,y,z)は、それぞれ点Qの位置
の関数である振幅Aj(Q),位相θj(Q)によって、
次の式(6)で表される。
j(Q)=4j(Q)・exp(iθj(Q)) ……(6) ここで、位相θj(Q)は位相ゆらぎを含んでいるの
で時間的にランダムに変動する。例えば、この時間的な
ランダム性を空間的にランダム性に置き換えて、位相θ
j(Q)を点Qの位置と確率変数wの関数として次の式
(7)のようにおく。
θj(Q,w)=θj rnd(Q,w) ……(7) ここで、位相θj rnd(Q,w)は測定精度や電界の変動
項の存在によるランダムな位相変動を考慮したものであ
り、0と1の間の値をとる確率変数wに基づく乱数で与
えられる。
このランダムな位相θj rnd(Q,w)の大きさは、周波
数や放射源の形状,および放射源の駆動状態によって異
なる。また、同一条件において位相θj rnd(Q,w)がと
りうる値の範囲は、位相に関する瞬時変位の分布関数が
多くのパラメータに依存しているため、一般には限定で
きないが、ここでは次の式(8)の範囲とする。
0≦θj rnd(Q,w)≦2π ……(8) 上述の式(7)のように、位相を乱数で与えて位相ゆ
らぎを模倣したモデルによる点Qにおける電界の成分E
j rnd(Q,w)(j=x,y,z)を、点Qの位置と確率変数w
の関数として式(9)で示す。
j rnd(Q,w)=Aj(Q)・θj rnd(Q,w) ……(9) 式(9)によって各座標軸方向の成分を表される近似
的な電界 に上述の式(3)を適用し、遠方の点Pにおける疑似的
な電界 の成分Ej rnd(P,w)(j=x,y,z)を、点Pの位置と確
率変数wの関数として、次の式(10)のように表わされ
る。
閉領域Sおよび閉領域Siのうち円柱の底面における電
界の寄与は式(10)の積分において充分小さいとして無
視し、円柱の側面による寄与のみを考慮する。
点Qが円柱側面上の点であれば、式(10)の電界の成
分Ej rnd(Q,w)および関数φ(P,Q)についての法線微
分は、上述の式(5)′の関係を用いて式(10)′のよ
うに法線方向の差分で表すことができる。
例えば、半径がρの円柱側面とρ+Δρである円柱側
面について、それぞれ円柱側面上において測定した電界
の強度をそれぞれ電界の振幅Aj(Q),Aj(Q+Δρ)
とする。また、乱数で与えた位相θj rnd(Q,w)および
θj rnd(Q+Δρ,w)とする。
これらを式(9)に代入して得られる点Qにおける電
界の成分Ej rnd(Q+Δρ,w),Ej rnd(Q,w)を式(1
0)′に代入して、遠方の点Pにおける疑似的な電界の
成分Ej rnd(P,w)(j=x,y,z)を得る。
(ii) 誤差の検討 上述の式(10)あるいは(10)′によって求められた
点Pにおける疑似的な電界の成分Ej rnd(P,w)と、式
(3)によって求められた真の電界の成分の差を電界の
各成分の誤差δEj(P,w)(j=x,y,z)とする。ここ
で、誤差δEj(P,w)を式(10)と式(3)との差をと
ることにより、点Pの座標と確率変数wの関数として次
の式(11)で定義する。
ここで、点Pにおける電界成分の誤差δEj(P,w)お
よび点Qにおける電界成分の誤差δEj(Q,w)(j=x,
y,z)を、それぞれ点P,Qの位置と確率変数wの関数とし
て式(12)および(13)のようにおく。
δEj(P,w)=Ej rnd(P,w)−Ej(P) ……(12) δEj(Q,w)=Ej rnd(Q,w)−Ej(Q) ……(13) 更に式(13)に、上述の式(7),(9)の関係を代
入すると、式(13)′のようになる。
δEj(Q,w)=Ej(Q){θj rnd(Q,w)−1} ……
(13)′ 位相θj rnd(Q,w)の空間的な分布関数がどのような
確率分布あるいは確率過程に従うかを一般的に限定する
ことはできない。そこで、位相θj rnd(Q,w)によって
変動する点Pにおける電界成分の誤差δEj(P,w)の期
待値<θEj(P)>を次の式(14)のように定義す
る。
式(14)の右辺に式(11)を代入すると、期待値<δ
j(P)>は、次の式(15)のようになる。
ここで、上述の式(13)′の関係を用いて式(15)の
第1項の定積分を計算すると、次の式(16)のようにな
る。
ここで値Moは、式(17)のように位相に関する項exp
(iθj rnd(Q,w))の定積分で定義され、この値Mo
点Qの位置に依存しない値である。
次に、第2項は、式(18)のようになる。
ここで、式(15)に式(16),(18)を代入すると、
期待値<δEj(P)>は、式(19)のようになる。
式(19)の右辺をシュワルツの不等式に代入し、ま
た、式(17)に示した値Moの範囲を考慮すると、次の
式(20)のようになる。
一方、式(3)をシュワルツの不等式に代入すると、
次の式(21)を得る。
ここで式(21)の右辺の|Ej worst(P)|は、式
(3)で与えられる点Pにおける電界の成分Ej(P)
の最大値であるので、これを最悪値とよぶことにする。
式(20),(21)から次の(22)式が得られ、円柱側
面上の電界の位相を乱数で与えたモデルによって、円柱
側面上にない点Pにおける電界を推定した場合の誤差の
期待値は、最悪値(|Ej worst(P)|)の2倍をこえな
いことがわかる。
|<θEj(P)>|≦2|Ej worst(P)| ……(22) III.実施例の構成 上述した前提に基づいて構成されている本発明の実施
例について、図面に基づいて説明する。
(i) 全体の構成 第3図において、実施例の電磁界強度推定システム
は、金属大地面34と、放射波源となっている機器31と、
機器31をその中心軸のまわりに回転させる回転台32と、
機器31の近傍の点Qにおける電界を感知するアンテナ33
と、アンテナ33を上下方向およびアンテナ33と機器31と
を結ぶX軸方向に移動させるアンテナタワー38と、アン
テナタワー38を駆動するアンテナタワー駆動装置36と、
アンテナ33による感知結果から点Qにおける電界の強度
を測定する妨害波測定装置35と、各部を制御して測定面
Sおよび測定面S′における電界の強度分布を測定して
蓄積し、遠方の点Pにおける電磁界強度を推定するコン
ピュータ37とで形成されている。
測定面Sは、機器31の中心軸を軸とし、機器31を囲む
半径ρの円柱状の閉領域である。この円柱の側面を例え
ばM×N個の微小領域に分けて、各微小領域における電
界をアンテナ33で感知することにより、測定面Sの側面
上の電界強度分布が測定される。ここで、このような各
微小領域を測定点と呼ぶ。
測定面S′は、測定面Sと同軸で半径ρ+Δρの円柱
状の閉領域である。この側面上の電界強度分布は、測定
面Sと同様にして測定される。
また、測定面Si,測定面Si′は、金属大地面34によっ
て機器31の映像を囲む円柱状の閉領域であり、それぞれ
測定面S,測定面S′のイメージ閉領域である。
また、推定面Seは、測定面S,測定面S′とは異なる空
間内の曲面である。
(ii) アンテナタワーの構成 第4図は、第3図に示した実施例におけるアンテナタ
ワー38の構成図である。
図中の座標軸のX軸方向は、第3図の機器31とアンテ
ナ33を結ぶ方向に対応し、Z軸方向は高さ方向に対応し
ている。
図おいて、電界を感知するアンテナ33はアーム42の先
端に取りつけられており、アンテナ33およびアーム42は
アンテナ駆動部44により支柱43に沿う方向(Z軸方向)
と、アーム42に沿う方向(X軸方向)に移動できるよう
に構成されている。
また、アンテナ33は、アンテナ駆動部44によってX軸
を中心として回転ができるように構成されており、第3
図の金属大地面34に平行な電界成分(水平偏波成分
y)と金属大地面34に垂直な電界成分(垂直偏波成分
z)の両方を感知できるように構成されている。
ここで、機器31とアンテナ33とを結ぶ方向をX軸にと
っているので、測定面Sおよび測定面S′における電界
は、水平偏波成分と垂直偏波成分によって表される。
IV.実施例の動作 第5図(イ)および(ロ)は、第3図に示した実施例
の動作を説明する流れ図である。
以下、第3図〜第5図を参照し、測定面Sおよび測定
面S′の側面における電界強度分布の測定動作と遠方の
電磁界の推定動作に分けて、実施例の動作を説明する。
以下、測定面Sおよび測定面S′の側面を単に測定面
Sおよび測定面S′と称する。
(i) 電界強度の測定動作 第5図(イ)は、実施例の電界強度の測定動作を説明
する流れ図である。
コンピュータ37は、アンテナタワー駆動装置36によっ
てアンテナタワー38を制御して、アンテナ33を測定面S
上の測定点における電界強度の測定ができる位置に移動
させる(ステップ501)。
コンピュータ37は、アンテナタワー駆動装置36によっ
てアンテナタワー38を制御して、金属大地面34に平行な
電界成分(水平偏波成分)を感知できるような位置にア
ンテナ33を回転させる(ステップ502)。
測定面S上の測定点において、電界の水平偏波成分の
強度分布の測定を行なう。機器31が回転台32によって回
転すると、測定面Sの円周方向のM個の測定点における
電界がアンテナ33によって感知され、妨害波測定装置35
にはこの感知出力に基づいて電界強度を求める。更に、
アンテナ33をアンテナ駆動部44により上下に移動させる
ことにより、測定面S上の全ての測定点について電界強
度の測定を行なうことにより、測定面Sにおける電界の
水平偏波成分の強度分布を測定する。これを振幅A
y(Q)としてコンピュータ37に蓄積する(ステップ50
3)。
コンピュータ37は、アンテナタワー駆動装置36によっ
てアンテナタワー38を制御して、金属大地面34に垂直な
電界成分(垂直偏波成分)を感知できるような位置にア
ンテナ33を回転させる(ステップ504)。
ステップ503と同様にして、測定面S上の測定点にお
いて垂直偏波成分の強度分布を測定し、これを振幅Az
(Q)としてコンピュータ37に蓄積する(ステップ50
5)。
コンピュータ37は、アンテナタワー駆動装置36によっ
てアンテナタワー38を制御して、アンテナ33を第2図に
示したX軸方向にΔρだけ移動させる(ステップ50
6)。
ステップ502およびステップ503と同様にして、測定面
S′上における水平偏波成分の強度分布を測定し、振幅
y(Q+Δρ)としてコンピュータ37に蓄積する(ス
テップ507)。
ステップ504およびステップ505と同様にして、測定面
S′上における垂直偏波成分の強度分布の測定を行な
い、振幅Az(Q+Δρ)とのコンピュータ37に蓄積す
る(ステップ508)。
(ii) 電磁界推定動作 第5図(ロ)は、実施例の電磁界推定動作を説明する
流れ図である。
以下に述べるステップ511〜513を繰り返して、ステッ
プ511において乱数で与える位相を決め直すと、上述の
式(10)′で与えられる点Pにおける電界成分は変化す
る。
従って、ステップ511〜ステップ513を繰り返して最大
値を見つけることにより、式(10)′によって成分ごと
に与えられる点Pにおける電磁界強度がとりうる最大値
を推定することができる。
コンピュータ37は、確率変数wに基づいて上述の式
(8)の範囲の乱数を発生させ、測定面Sおよび測定面
S′上の各測定点における電界の位相θj rnd(Q,w)
(j=x,y,z)を与える。式(7)から、この位相θj
rnd(Q,w)を点Qにおける電界の位相θj(Q,w)とする
(ステップ511)。
コンピュータ37は、ステップ503およびステップ507に
おいて測定された電界の水平偏波成分の強度分布を振幅
y(Q)とし、これとステップ511で与えられた位相θ
y(Q,w)を上述の式(9)に代入して、測定面Sおよび
測定面S′上の電界の水平偏波成分の強度分布(Ey rnd
(Q,w)およびEy rnd(Q+Δρ,w))を得る。得られ
た電界の水平偏波成分の強度分布Ey rnd(Q,w)、およ
びEy rnd(Q+Δρ,w)を式(10)′に代入して、第2
図に示した推定面Se上の点Pにおける疑似的な電界の水
平偏波成分Ey rnd(P,w)を求める(ステップ512)。同
様にして、ステップ505およびステップ508において測定
された電界の垂直偏波成分の強度分布を振幅Az(Q)
とし、これとステップ511で与えられた位相θz(Q,w)
に基づいて、推定面Se上の点Pにおける電界の垂直偏波
成分Ez rnd(P,w)を求める(ステップ512)。
ここで、測定面S′上にある点Qの映像点Q′におけ
る電界 の水平成分Ey(Q′)および垂直成分Ez(Q′)は、
測定面S上の点Qにおける電界 の水平成分Ey(Q)および垂直成分Ez(Q)と次の式
(23),(24)の関係がある。
y(Q)′=Ey(Q) ……(23) Ez(Q)′=−Ez(Q) ……(24) また、測定面S′,測定面Si′についても同様の関係
がある。
従って、電界強度分布の測定を測定面Sおよび測定面
S′について行ない、式(23),(24)の関係を用いる
ことにより、式(10)′の面積分領域測定面Sおよび測
定面S′における被積分関数を与えることができる。
ここで、それまでにステップ512において求められた
推定面Se上の点Pにおける電界の水平成分,垂直成分E
y rnd(P,w),Ez rnd(P,w)がとった最大値をそれぞれE
yMAXおよびEzMAXとする。
ステップ512において求められた推定面Se上の点Pに
おける電界の水平成分および垂直成分Ey rnd(P,w),Ez
rnd(P,w)を、おのおのそれまでの最大値EyMAXおよび
zMAXと比較する(ステップ513)。
ステップ513において、例えば電界の水平偏波成分Ey
rnd(P,w)とEyMAXとの差が収束半径ε以下であれば、
最大値に収束したと判断し、推定面Se上の点Pにおける
電界の水平偏波成分の最大値は、Ey rnd(P,w)によっ
て与えられると推定する。
同様にして、電界の垂直偏波成分Ez rnd(P,w)とE
zMAXとの差が収束半径ε以下であれば、推定面Se上の点
Pにおける電界の垂直偏波成分の最大値は、Ez rnd(P,
w)によって与えられると推定する。
一方、ステップ513において、例えば、電界の水平偏
波成分Ey rnd(P,w)とEyMAXとの差が収束半径ε以上
であれば、ステップ511に戻って再び新しい確率変数w
に基づいて乱数を発生して位相を与え、ステップ512〜
ステップ513を最大値に収束するまで繰り返す。
同様にして、電界の垂直偏波成分Ez rnd(P,w)とE
zMAXとの差が収束半径εより大きい場合は、ステップ51
1〜ステップ513を繰り返す。
このようにして、位相がランダムに変化することか
ら、位相変動を複数回乱数によって与え、各々の乱数を
用いて、推定面Se上の点Pにおける電磁界強度を求め、
求めた電磁界強度の最大値(上記したように、第5図
(ロ)のステップ513において求められる差が、収束半
径ε以下になることを意味する。)を推定する。
IV.実施例のまとめ 上述のようにして、アンテナ33により、機器31の近傍
の測定面Sおよび測定面S′上の電界の強度分布を測定
する。
コンピュータ37は、ある確率変数wに基づいて発生さ
れた乱数によって測定面Sおよび測定面S′上の電界の
位相を与え、測定値を電界の振幅として式(10)に代入
し、推定面Se上の点Pにおける電界の成分を得る。
更に、乱数によって与えられる位相を変化させて最大
値を求めることにより、推定面Se上の点Pにおける電磁
界強度がとりうる最大値を推定することができる。
これにより、放射電界強度を比較的高いレベルで測定
できる機器31の近傍において電界強度分布を測定し、こ
れに基づいて、機器31から遠く離れた点Pにおける電磁
界強度を推定することができる。
発明者は、第2図に示した実施例による電磁界強度推
定システムを用いて、球状ダイポールアンテナ(例え
ば、特願昭62-028124号にて提案されているアンテナ)
を放射源とし、球状ダイポールアンテナから10m離れた
推定面における電磁界強度分布を推定する実験を行なっ
た。
実施例による電磁界強度推定システムにおいて、球状
ダイポールアンテナは地上から1mの高さに設置されてお
り、測定面Sと球状ダイポールアンテナとの距離ρを1m
とした。また、測定した周波数は900MHzである。
第6図は、実験の結果として得られた推定面における
電界強度の分布図である。
図において、実線は、従来の電磁界強度推定システム
による高さ方向の電磁界強度分布の測定値を示してい
る。また、実施例の電磁界強度推定システムによる各高
さにおける推定値は、図中に点で示されている。
この実験の結果において、実施例による電磁界強度推
定システムによる推定値の最大値と測定値の最大値の差
は、3dB以内であった。
V.発明の変形態様 なお、上述した本発明の実施例にあっては、放射源の
近傍における電界の強度分布を測定したが、これに限ら
ず、放射源の近傍における電界あるいは磁界の強度分布
に基づいて、遠方の電磁界を推定するものであれば適用
できる。
また、「I.実施例と第1図との対応関係」において、
本発明と実施例との対応関係を説明しておいたが、これ
に限られることはなく、本発明には各種の変形態様があ
るとは当業者であれば容易に推考できるであろう。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明によれば、放射源の近傍にお
ける電界または磁界の強度分布と乱数によって与えられ
た位相とに基づいて、遠方の電磁界の強度分布を推定す
る。
このため、電磁界の位相を測定する必要がないので、
機器の放射雑音のように時間的に不安定な放射による電
磁界を推定することができる。
また、電磁界の強度分布を放射源の近傍で測定するの
で、放射強度の小さい放射源による電磁界の強度分布を
推定することができ、また、推定面の位置に関わらず、
経済的な小型の測定サイトで大型機器の放射電磁界を評
価することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項3,4による電磁界強度推定システムの構
成ブロック図、 第2図は本発明の原理の説明図、 第3図は本発明の一実施例による電磁界強度推定システ
ムの構成図、 第4図は第3図に示した実施例によるアンテナタワーの
構成図、 第5図は第3図に示した実施例おける動作を説明する流
れ図、 第6図は第3図に示した実施例によって推定された電界
の強度分布図、 第7図は従来の放射電磁界測定システムの説明図であ
る。 図において、 21は放射源、31,71は機器、32,72は回転台、33,41,73は
アンテナ、24,34,74は金属大地面、35,75は妨害波測定
装置、36はアンテナタワー駆動装置、37はコンピュー
タ、38はアンテナタワー、42はアーム、43は支柱、44は
アンテナ駆動部である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属大地面上の空間に配置された機器の周
    囲に、前記機器が中心軸上に位置し、かつ前記金属大地
    面と中心軸方向に向かって直交する第1の円柱を想定
    し、前記第1の円柱側面を複数の面素に分割し、各面素
    における電界の水平偏波成分強度または磁界の水平偏波
    成分強度を順次測定し、測定結果を第1の円柱側面の各
    面素における電磁界の水平偏波成分の振幅とする第1の
    ステップと、 前記第1の円柱と同軸状に配置され、第1の円柱と異な
    る半径の第2の円柱を想定し、前記第1の円柱側面の各
    面素に対応するように第2の円柱側面を複数の面素に分
    割し、第2の円柱側面の各面素における電界の水平偏波
    成分強度または磁界の水平偏波成分強度を順次測定し、
    測定結果を第2の円柱側面の各面素における電磁界の水
    平偏波成分の振幅とする第2のステップと、 前記第1の円柱側面の各面素における電界の垂直偏波成
    分強度または磁界の垂直偏波成分強度を順次測定し、測
    定結果を第1の円柱側面の各面素における電磁界の垂直
    偏波成分の振幅とする第3のステップと、 前記第2の円柱側面の各面素における電界の垂直偏波成
    分強度または磁界の垂直偏波成分強度を順次測定し、測
    定結果を第2の円柱側面の各面素における電磁界の垂直
    偏波成分の振幅とする第4のステップと、 前記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの
    点を想定し、 前記第1のステップにおいて求めた第1の円柱側面の各
    面素における電磁界の水平偏波成分の振幅の全てと、前
    記第2のステップにおいて求めた第1の円柱側面の各面
    素に対応する第2の円柱側面の各面素における電磁界の
    水平偏波成分の振幅の全てを用い、電磁界の水平偏波成
    分の位相を複数回乱数で与えることにより、前記第1及
    び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点における
    電磁界の水平偏波成分を各乱数毎に推定し、推定された
    複数の水平偏波成分の中から最大値を求める第5のステ
    ップと、 前記第3のステップにおいて求めた第1の円柱側面の各
    面素における電磁界の垂直偏波成分の振幅の全てと、前
    記第4のステップにおいて求めた前記第1の円柱側面の
    各面素に対応する第2の円柱側面の各面素における電磁
    界の垂直偏波成分の振幅の全てを用い、電磁界の垂直偏
    波成分の位相を複数回乱数で与えることにより、前記第
    5のステップで想定した第1及び第2の円柱側面上とは
    異なる面内の1つの点における電磁界の垂直偏波成分を
    各乱数毎に推定し、推定された複数の垂直偏波成分の中
    から最大値を求める第6のステップと、 前記第5のステップにおいて求めた第1及び第2の円柱
    側面上とは異なる面内の1つの点における電磁界の水平
    偏波成分の最大値と、前記第6のステップにおいて求め
    た第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点
    における電磁界の垂直偏波成分の最大値とを用いて、前
    記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの点
    における電磁界強度を推定する第7のステップと から構成されることを特徴とする電磁界強度推定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電磁界強度推定方法にお
    いて、 前記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内において
    複数の点を想定し、想定した各点について、前記第5の
    ステップから第7のステップを繰り返し実行することを
    特徴とする電磁界強度推定方法。
  3. 【請求項3】金属大地面上の空間に配置された機器の周
    囲に、前記機器が中心軸上に位置し、かつ前記金属大地
    面と中心軸方向に対して直交する第1の円柱を想定し、
    前記第1の円柱側面を複数の面素に分割し、各面素にお
    ける電界の水平偏波成分強度または磁界の水平偏波成分
    強度を順次測定し、測定結果を第1の円柱側面の各面素
    における電磁界の水平偏波成分の振幅として出力し、 さらに、前記第1の円柱と同軸状に配置され、第1の円
    柱と異なる半径の第2の円柱を想定し、前記第1の円柱
    の各面素に対応するように第2の円柱側面を複数の面素
    に分割し、各面素における電界の水平偏波成分強度また
    は磁界の水平偏波成分強度を順次測定し、測定結果を第
    2の円柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分の
    振幅として出力し、 さらに、前記第1の円柱側面における各面素における電
    界の垂直偏波成分強度または磁界の垂直偏波成分強度を
    順次測定し、測定結果を第1の円柱側面の各面素におけ
    る電磁界の垂直偏波成分の振幅として出力し、 さらに、前記第2の円柱側面における各面素における電
    界の垂直偏波成分強度または磁界の垂直偏波成分強度を
    順次測定し、測定結果を第2の円柱側面の各面素におけ
    る電磁界の垂直偏波成分の振幅として出力する電界強度
    分布測定手段と、 前記第1の円柱側面に定義された複数の面素及び前記第
    2の円柱側面に定義された複数の面素における電磁界の
    位相を乱数として順次出力するランダム位相発生手段
    と、 前記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの
    点を想定し、 前記電界強度分布測定手段から出力された第1の円柱側
    面の各面素における電磁界の水平偏波成分の振幅と、同
    じく前記電界強度分布測定手段から出力された第2の円
    柱側面の各面素おける電磁界の水平偏波成分の振幅と、
    前記ランダム位相発生手段から順次出力される乱数とを
    受け、 第1の円柱側面の各面素における電磁界の水平偏波成分
    の振幅の全てと、前記第1の円柱側面の各面素に対応す
    る第2の円柱側面の各面素おける電磁界の水平偏波成分
    の振幅の全てを用い、電磁界の水平偏波成分の位相を複
    数回前記乱数で与えることにより、前記第1及び第2の
    円柱側面上とは異なる面内の1つの点における電磁界の
    水平偏波成分を各乱数毎に推定し、推定された複数の水
    平偏波成分の中から最大値を求め、 さらに、前記電界強度分布測定手段から出力された前記
    第1の円柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成分
    の振幅と、同じく前記電界強度分布測定手段から出力さ
    れた第2の円柱側面の各面素おける電磁界の垂直偏波成
    分の振幅と、前記ランダム位相発生手段から順次出力さ
    れる乱数とを受け、 第1の円柱側面の各面素における電磁界の垂直偏波成分
    の振幅の全てと、前記第1の円柱側面の各面素に対応す
    る第2の円柱側面の各面素おける電磁界の垂直偏波成分
    の振幅の全てを用い、電磁界の垂直偏波成分の位相を複
    数回前記乱数で与えることにより、前記第1及び第2の
    円柱側面上とは異なる面内の1つの点における電磁界の
    垂直偏波成分を各乱数毎に推定し、推定された複数の垂
    直偏波成分の中から最大値を求め、 前記第1及び第2の円柱側面上とは異なる面内の1つの
    点について求められた電磁界の水平波偏波成分の最大値
    と垂直偏波成分の最大値とを用いて、前記第1及び第2
    の円柱側面上とは異なる面内の1つの点における電磁界
    強度を推定する処理手段と を具えることを特徴とする電磁界強度推定システム。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の電磁界強度推定システム
    において、 前記処理手段は、前記第1及び第2の円柱側面上とは異
    なる面内において複数の点を想定し、想定した各点につ
    いて、電磁界強度を推定することを特徴とする電磁界強
    度推定システム。
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