JP2749932B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2749932B2
JP2749932B2 JP2031716A JP3171690A JP2749932B2 JP 2749932 B2 JP2749932 B2 JP 2749932B2 JP 2031716 A JP2031716 A JP 2031716A JP 3171690 A JP3171690 A JP 3171690A JP 2749932 B2 JP2749932 B2 JP 2749932B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はインクを吐出して画像を形成するインクジェ
ット記録装置に関するものである。
[従来の技術] 従来のインクジェット記録ヘッドとインクジェット記
録ヘッドのノズルを密閉するキャッピング手段は、ゴム
等可撓性部材で作られており、記録ヘッドの吐出口形成
面と当接する立上がって形成されているキャッピング手
段の4壁面の肉厚は一定とされていた。通常インクジェ
ットプリンタが記録動作を行っていないときは、インク
吐出口部の乾燥を防ぐため、キャップ手段をインクジェ
ット記録ヘッドの吐出口形成面側に押圧して、吐出口を
大気から密閉するよう構成されていた。このときキャッ
プ手段の前記4壁面の端部と記録ヘッドの吐出口形成面
の周辺領域とが面接触することにより前記の密閉は行わ
れていた。
一方キャップ時において、吐出口からインクの吐出、
流出を防ぐためには、キャップとは別部品で構成される
吐出口押圧部材を吐出口に対して押圧することにより、
行われていた。
[発明が解決しようとしている課題] しかしながら、上記従来例では、吐出口押圧部材とキ
ャップが別部材であるため、キャップとノズル押圧部材
の間にスキマが開いてしまい、キャップによるノズル部
の密閉が行われない場合があった。
さらにキャップを移動させるための駆動源とノズル押
圧部材を移動させるための駆動源と、2つの駆動源を持
つ必要もありコストアップとなっていた。
[課題を解決するための手段] 本発明はこれらの課題を解決するために提案されたも
ので、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジ
ェット記録装置において、 前記記録媒体の記録領域の略全幅にわたって吐出口が
形成されたライン型記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの略両端部に連結されインクの流れを
構成するインク経路と、 前記インクを吐出する吐出口を備えた記録ヘッドの吐
出口形成面を覆うキャップ部材と、前記キャップ部材の
内部に前記記録ヘッドの吐出口を押圧密閉可能に配され
た押圧部材と、を一体的に備え、前記押圧部材は前記キ
ャップ部材が前記吐出口形成面を覆った状態で前記記録
ヘッドの吐出口の押圧密閉状態と開放状態とを取り得る
キャッピング手段と、 を有し、前記インク供給経路を介してインクを循環させ
る時には前記記録ヘッドの吐出口を前記押圧部材で押圧
密閉状態とし、待機時には押圧密閉を解除して前記吐出
口を開放状態とすることを特徴とするものである。
本発明によれば、キャップのキャップにより大気と密
閉される空間の中にノズル押圧密閉手段をキャップと一
体成形することにより、キャップによるノズル部の密閉
を安定して行われるようにしたものである。さらに、キ
ャップによる大気との密閉時に必要な作用力はキャップ
の弾性変形による反作用力を用い、ノズル部の密閉押圧
力はバネ等別部材の弾性変形力を用いることにより、1
つの駆動源によりシンプルで安定したノズル部の密閉を
行ったものである。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
第1図(A)は本発明を特徴的に表すフアクシミリ装
置の一実施例の中央断面図である。第1図(B)はその
上視平面図、第2図は、その開放状態を示す断面図であ
る。本実施例のフアクシミリ装置は大きく分けて、原稿
搬送系A、光学系B、電源部C、電気回路基板D、記録
紙搬送系E、デカール系F、供給系G、回復系Hにより
構成されている。ここで前記原稿搬送系A及び光学系B
は原稿像を設け取る原稿読み取り部を構成している。そ
してフアクシミリ装置の基本動作として、送信或いはコ
ピーの際、原稿搬送系Aは原稿2がセットされると、原
稿2の原稿像を読み取るために、該原稿2を不図示の駆
動手段より駆動を得たローラ列(ローラR1・R2・R3・R
4)により逐次搬送する。そして搬送途中決められた原
稿読取ライン(主走査ライン)位置の原稿ライン情報
が、光学系B(ランプンL1・ミラーM1・M2)の反射光路
を通して集光レンズLeによりラインCCD100まで届き、電
気信号に変換され原稿情報が読み取られる。受信或いは
コピーの際、記録紙搬送系Eは、ロール形状に巻かれた
記録紙1を図示した経路に不図示の駆動手段により、駆
動を得たローラ列により、逐次搬送し、途中決められた
記録紙記録ラインに対し、記録ヘッド38の吐出開口から
インクが吐出し記録される。記録ヘッド38の吐出開口か
らのインクの吐出は、熱エネルギーが利用されて行われ
る。そして、この熱エネルギーは、記録ヘッド38が備え
る電気熱変換体によって生起されるものである。尚、電
源部Cは普通、一般AC入力を得て装置内の全ての必要な
電圧電流に変換して各部に供給している。電気回路基板
Dを中心とした電気回路はマイクロコンピユータシステ
ムを中心に、本装置の各部の機能動作を制御しており、
また、送信回線との接続・解放や、画像の情報信号の入
出力を行なう。供給系Gは記録ヘッドにインクを供給
し、回復系Hは、ヘッドに必要な吐出開口面のクリーニ
ングとキヤツピングを行なう。
なお第1図(B)に示す通り、ロール状記録紙1は装
置はほぼ中央に位置し、その左方には原稿搬送系A,光学
系B,電源部Cが垂直方向に並んで配置されている。また
その右方には上方から順に記録ヘッド38,記録ヘッド回
復系H,インクタンク86を備えたインク供給系Gが配置さ
れている。このように上方から順に記録ヘツド38,記録
ヘツド8回復系H,インクタンク786を備えたインク供給
系Gが配置されているために、本実施例では装置が傾斜
していても、記録ヘツド38のオリフイス面に対するイン
クタンク86からの圧力変化の割合が軽減され(各吐出口
に対する圧力が均一となり)、良好な記録が可能とな
る。これは装置を小型化したにもかかわらず、記録ヘツ
ドのオリフイス面とインクタンクとの間隔をより大きく
することができるからである。
以下各構成及び動作の様子を各々説明する。
まず、記録紙搬送の動作を順を追って説明する。ロー
ル状記録紙1は装填され、この記録紙1は巻きぐせを矯
正するためのデカール系Fを通って、駆動搬送ローラ7
と該搬送ローラ7に当接する従動ローラ(プラテンロー
ラ)8に挟まれて搬送される。搬送ローラ7は不図示の
駆動手段により駆動されており、例えば、ステツピング
モータを駆動源としている。
ここで従動ローラ(プラテンローラ)周辺の長手方向
の部品関係を示す斜視図を第3図に示す。記録フレーム
19に固着または一体形成された第1プラテン側板13a及
び第2プラテン側板13bが、その軸径よりも大きな開口1
3cに軸を貫通して従動ローラ8をがたを与えて支持して
いる。そして、従動ローラ8の軸部両端にEリング29及
び30が抜け止めとして取りつけられている。さらに、両
軸部には内径と外径の同軸度が正確に規定され従動ロー
ラ8の芯部に嵌合し回動自在の軸受10a、10bが配設され
ている。一方、前記第1プラテン側板13a及び第2プラ
テン側板13bは、図示するように内側面に各々プラテン
押圧軸12a、12bが嵌合し摺動自在に配設されている。そ
して、バネ11a、11bの作用により、前記プラテン押圧軸
12a、12bの一端が、前記従動ローラ8の軸受10a、10bに
当接押圧力を与えるよう構成されている。
さて、第1図に戻って、記録ヘツド38は記録位置にあ
り、この時、従動ローラ8は押圧力をもって、搬送ロー
ラ7に対して従動ローラ8を、また記録ヘツド38に対し
て前記軸受10a及び10bを当接することによって2方向に
当接し位置決決めされる。即ち、従動ローラ8へのプラ
テン押圧軸12a、12bの押圧力の方向は前述がごとく、従
動ローラ8が搬送ローラ7と軸受10a、10bが記録ヘツド
38へと当接する方向に設定れている。同時に、可撓性薄
板の記録ガイド14は、前記記録ヘツド38がヘツド軸36を
回動中心として回動して記録位置にくる。
こうして、シートパスは記録ライン位置に合され、記
録ヘツド38は記録時に吐出開口より、前記記録ライン位
置にインクを吐出記録する。
次に、記録紙1は、第1曲率ガイド15と第1図排紙ガ
イド20にガイドされて、第1排紙ローラ21と該排紙ロー
ラ21と当接する、コロ列17a〜17g及びコロ列18a〜18gに
挟まれて案内搬送される。
なお、前記第1排紙ローラ21は、搬送ローラ7と同じ
駆動源の駆動系より駆動力を得て、前記第1排紙ローラ
21の周速が、前記搬送ローラ7の周速よりわずかに早く
なるよう設定されている。
ここで、第1排紙ローラ21周辺の長手方向の部品関係
を示す斜視図を第4図に示す。コロ17a〜17g及びコロ18
a〜18gが第1曲率ガイド15a〜15fと交互に並び、各々軸
31と軸32とで回動自在に軸支され、軸引の両端はEリン
グ等で止められている。また軸32は両端で、記録フレー
ム19に固着または一体形成された第1排紙コロ受側9a及
び第2排紙コロ受側19bの規制を受け、また水平方向に
は軸32と径と嵌合の縦長穴に通れて規制を受け、さらに
両側はEリング(不図示)等でぬけ止めされる。なお図
には代表して16aでのみ示すバネ16a〜16fによって、記
録シヤーシ19と第1曲率ガイド15a〜15fとの圧縮力が生
じ(第1図参照)コロ17a〜17g及びコロ18a〜18gは押圧
力をもって排紙ローラ21に当接する。その結果、記録紙
1を挟むと搬送力を生じる。そして、記録紙1は、受信
1ページ毎に記録紙を切断するカツター22の両刀22a・2
2b間を通り、さらに上排紙ガイド23及び後排紙ガイド24
に案内されて、第2排紙ローラ25とこれに当接するコロ
27a〜27g及びコロ28a〜28gにより、案内、搬送される。
また、なお第2排紙ローラ25は駆動系よりの駆動力を受
けており、周速が前記第1排紙ローラ21の周速より僅か
に早くなるよう設定れている。ここでも前述の第1排紙
ローラ21周辺と同様、コロ27a〜27g及び28a〜28gが第2
曲率ガイド26a〜26fと交互に並び各々軸33と軸34とに回
転自在に軸支されている。そして、軸34は両端をEリン
グ等で抜け止めし、軸33は両端で記録フレーム19に固着
または一体形成された排紙コロ受側19c及び19dの水平方
向には軸33の径と嵌合の縦長穴に通されて規制を受け、
両端はEリング等で抜け止めする。バネ35a〜35fによっ
て、記録シヤーシ19と第2曲率ガイド26a〜26fの間に圧
縮力が生じ(第1図参照)、コロ27a〜27g及びコロ28a
〜28gは押圧力をもって第2排紙ローラ25に当接し、記
録紙1を挟むと搬送力を生じる。このようにして記録の
終了した記録紙は排紙され、カツターにより1ページ毎
にカツトされた形で排出ローラ39の搬送力をさらに受け
て、スムーズに先端をスタツカー40により受けとめられ
保持されていく。この結果操作者はスタツカー40に保持
された記録紙を取り出すことができる。
以上のように記録紙搬送系は構成され動作する。ここ
で、第1図に示す状態は記録時を表しており、記録紙の
交換、記録紙搬送トラブル時には、記録フレーム19のヒ
ンジ19eを軸中心にして、記録フレーム19の開閉が可能
である。すなわち、第2図に示すように、ちょうど記録
紙搬送経路を境にして開放可能であって、各構成部品が
上側に記録フレーム19に、下側に本体フレーム63側に属
するよう設計されている。この記録フレーム19とこれに
属する構成部品の組付けられた状態を第5図に挙げてお
く。
このように本実施例は、上方から順に記録ヘツド38,
記録ヘツド回復系H,インク供給系Gを配置している。そ
して記録ヘツド38によって記録の行われた記録紙1は、
記録ヘツド38の上方を水平方向へ案内された後下降して
排出スタツカ40に収納される。そして前記記録紙を前記
水平方向へ案内する経路が前述本体の開放する境にあた
っている。そこで本実施例によれば紙詰まりが生じても
その取り除きが容易であり、さらに紙詰まりを生じても
ヘツド面を傷つけることなくキヤツピングを行なうこと
ができる。またキヤツピング時にインク漏れが生じても
記録紙を汚すことがない。
次に、従動ローラ8(プランテンローラ8)の位置決
めについて説明する。
まず第6図に於いて、第6図は本装置本体が待機状態
のときの従動ローラ8の周辺の部品の状態を表すもので
ある。記録ガイド14は、外力が加われない状態に於いて
は、従動ローラ8とは接触しないよう、配設されてい
る。そのため記録紙1は、待機状態においては、印字状
態に比べて従動ローラ8の外周に接触している角度が少
なくなっている。このとき従動ローラ8の位置は、プラ
テン押圧軸12a、12bにより押圧され搬送ローラ7に従動
ローラ8の外周が接触することと、従動ローラ8の芯金
がプラテン側板13a、13bに設けられている前記芯金の外
周より、0.1mm〜数mm大きい貫通穴13cに接触することに
より決まっている。なお前記搬送ローラ7、従動ローラ
8は共に鉄等剛体の芯金にゴム等可撓体のローラを外周
に配置したものである。
次に第7図に於いて、第7図は本装置が待機状態から
記録状態に入るため、記録ヘツド38がヘツド軸36を中心
に時計方向へ回動している述中の状態を表したものであ
る。まずモータKMの駆動により、ヘツド38が前述のごと
く回動してくると、ヘツド38の記録面に複数設けられた
突起38cが記録ガイド14の先端に接触し、記録ガイド14
を弾性変形させ始める。ここでヘツド38の記録面に設け
られた突起38cは、隅に向うに従って高くなっていく。
そのため、記録ガイド14と記録ヘツド38は前記突起部の
高さ(図中δ)だけ離れて弾性変形していくことにな
る。
そこで、前記突起部38cが隅に向うに従って、高くな
っているのは、後述するヘツド記録面のワイピング動作
の時にメインを除去しやすくするためである。
記録ヘッド38がさらに時計方向へ回転し、第1図に示
す記録状態まで記録ヘツド38が移動すると、記録ヘツド
38の記録面の両端が軸受10a,10bに当接する。これによ
って記録ヘッド38の記録面とプラテンローラ(従動ロー
ラ)8との間隔は決まることになる。本実施例において
は、軸受10a、10bの外周は従動ローラ8の外周より大き
くしてあり、その量は前記記録ヘツド38の突起部の高さ
δより数分の1mmほど小さい量として設定している。こ
れによって、ガイド14がプラテンローラ8の外周に確実
に当接し、記録紙の搬送を行うことができる。ここで記
録時には、前記搬送ローラ7は時計方向へ回転し、その
外力によってプラテンローラ8は反時計方向へ回転する
とともに、記録ヘッド38方向へ移動する。そこで前述の
構成によって、前記プラテンローラ8は記録紙を介して
ガイド14に当接することになる。そこで、前述バネ11a
・11bは必ずも必要ではなく、プラテンローラ8の自重
のみでも当接可能である。
次に記録ヘツド38の周辺部品の構成を第8図の斜視図
を用いて説明する。記録ヘツド38は発熱部、電気部品
部、ガラス製インク液室部を含むヘツド本体部38fとヘ
ツド本体部のそれぞれ外側に配設されたフイルター前38
d,フイルター後38eと、ヘツド前面プレート38cとにより
大まかには構成されている。またフイルター前38dとフ
イルター後38eにはそれぞれヘツドインク連結部前38d1
とヘツドインク連結部後38e1があって、それぞれ図示せ
ぬシール部材を挟んでインク供給前71とインク供給チユ
ーブネジ込みにより、厳密に密閉されて連結される。38
aはノズルの並んでいる直線をノズルの中心線を結んで
表した架空の図中2点鎖線であり、被記録部材主走査方
向全幅にわたり、画像を形成できるよう、ノズル38は複
数個並んでいる。以後ノズル38aと呼ぶが、実際には直
径数十ミクロンの穴が開いており、前記の穴はインク供
給チユーブ71、72につながっている。ここでインク供給
チユーブ71、72の反対側の端部は後述する供給管ジヨイ
ント前84、供給管ジヨイント後85へと連結される。さて
ノズル38が開口されている面を図中38bで表わし、オリ
フイス面と呼ぶことにする。ここで、ヘツド前面プレー
ト38gは金属又はモールド部材により形成されており、
オリフイス面38bとヘツド前面プレート38gの間はシリコ
ーンゴム等によって埋められており、完全に密閉されて
いる。フイルター38d、38eはインク内のゴミをノズル部
へ侵入させないためのものである。37a、37bはヘツドア
ーム前、後であって剛性があり、高温で熱変形のしにく
いエンジニアプラスチツク、又は燒結金属、ダイカスト
金属等で形成されており、それぞれBJヘツド38にネジ等
により固設されている。
ヘツドアーム前37aとヘツドアーム後37bはヘツド軸36
にネジ止めによって固設されている、前記のごとくの構
成となっているためヘツド軸36とBJヘツド38は固設され
ていることになる。ヘツド軸36は本体フレーム56に図示
せぬ軸受を介して、回動自在に支持されており、ヘツド
軸36は歯車、ベルトKB等により構成される駆動系に連結
され、さらにステツピングモータKMへと連結されてい
る。
次にキヤツプ41の周辺部品の構成を第9図の斜視図を
用いて説明する。キヤツプ41の形状は詳細に後述する
が、キヤツプ41は機械的クリープに強く水蒸気等の気体
透過率の高いシリコンゴム等可撓体で形成されている。
42はアルミ、ステンレス等の剛性をもった材質で作られ
たキヤツプキールで第10図の断面図に示すがごとく短軸
46a、46b、46c、46d、46eをネジ止めによりキヤツプキ
ール42に固設している。短軸46a〜eはステンレス等さ
びにくく剛性のある材質が望ましい。本実施形において
は短軸46a〜eはネジ止めされているが、圧入、接着等
により結合してもかまわない。またキヤツプキール42と
短軸46a〜eをモールド等によって一体成形してもかま
わない。
ここでキヤツプ41の成形は、前記のごとくまず初め
に、キヤツプキール42と短軸46a〜46eを結合してしま
い、結合されたキヤツプキール42と短軸46a〜46eを開い
た成形型の中に埋め込み、キヤツプ41の原材料であるシ
リコンゴムを注入または挟み込むことにより、キヤツプ
41をキヤツプキール42に焼き付け一体成形することによ
り作られる。ここで、前述の成形型の形状は、キヤツプ
41の外形形状に合ったのであることは当然である。さて
60はステンレス等サビにくく剛性のある材料で作られた
回復フレームで4次を回復フレームの剛性を増すため折
り曲げ(60a〜60dに)立ち上げている。回復フレーム60
には、短軸46a〜46eを受ける短軸軸受61a、61b、61c、6
1d、61eが図示せぬネジ等によって止められている。な
お軸受61a〜61eのフレーム60への結合方法は、溶着でも
よいし、接着でもかまわない。また後述する通り、短軸
46aは長穴と、短軸46b・c・dは所謂ばか穴と嵌合し、
短軸46eは位置決め嵌合される。すなわち各短軸46a〜46
eの外径は同じで、短軸軸受61eの内径部61e1と短軸46e
の外径はちょうど嵌合する径に作られており、ステンレ
ス製の短軸46eに対し摺動性の良いポリアセタール系の
樹脂で短軸軸受61a〜61eは作られている。
短軸軸受61eに対し、短軸軸受61aは第10図に示すがご
とくキヤツプ41の長手方向に向って、長穴部61a1が形成
されている。そして長穴部61a1の短手方向の寸法が短軸
46aと嵌合するようにして作られている。短軸軸受61b、
61c、61dに開いている穴部61b1、61c1、61d1の直径は、
短軸46b〜46dの外形より、0.1mm〜1mmの範囲で大きく作
られている。次に短軸46a〜46eの外側に圧縮バネ47a〜4
7eをそれぞれ図中に示すごとく回復フレーム60の裏側か
ら短軸止め56a〜56eを挟んでねじ止めをする。
ねじ止めされた結果、圧縮バネ47a〜47eはキヤツプキ
ールと短軸軸受61a〜61eは挟まれて圧縮された状態とな
る。このときのキヤツプ41の動きについては、詳細に後
述する。
次に、50、52はそれぞれ第1ワイパー前、第2ワイパ
ーであって、耐摩耗性の良いゴム等可撓体で作られてお
り、それぞれ第1ワイパー50、第2ワイパー52の先端部
である50a、52aの直線部分は真直度が厳密に管理されて
おり、ヘリやゴミなども無いように管理されている。ま
た前記第1ワイパー50は第1ワイパーステー49に、第2
ワイパー52は第2ワイパーステー51に図示せぬねじ等で
固着させている。第1ワイパーステー49、第2ワイパー
ステー52はどりらもさびにくく、剛性の有るステンレス
等、金属で作られている。
さらに第1ワイパーステー49と第22ワイパーステー51
は第9図に示すがごとく回復フレーム60にねじ止めによ
って止められている。このとき後述するキヤツプ41の突
起部41aとワイパー先端50a・52aとは平行度が正確なよ
うに配設されている。さらに前記突起部41a、ワイパー
先端50a・52aと、回復フレーム60のワイパーステー49・
51の取付け面と、カム歯車前59a、カム歯車後59bのそれ
ぞれのボス部59a1・59b1の中心線を結ぶ仮想線である第
9図中2点鎖線αと、も後述するがごとく平行度が正確
なように配置している。また第9図中に示すがごとく、
第1ワイパーの先端50aの回復フレーム60に対する高さ
よりも第2ワイパーの先端52aの回復フレーム60に対す
る高さがより高くなるように構成されている。この構成
のためには、第1ワイパー50と第2ワイパー後52の前述
したゴム等可撓体部の高さを変えても良いし、第1ワイ
パーステー49と第2ワイパーステー51の剛性のある部分
の高さを変えても良い。次に54は回復フレーム軸受であ
って、第1図(中央断面図)中に示す回復フレーム軸55
が回復フレーム軸受54の長穴部54aにその短手方向に嵌
合するようになっている。なおここで回復フレーム軸55
は本体フレーム63に固着されているが、回復フレーム軸
55は本体フレーム63に回動自在に支持されていてもかま
わない。回復フレーム軸受54の材質は摺動性能の良いポ
リアセタール系の樹脂で作られていて、回復フレーム60
にネジ止めによって固着されている。このとき回復フレ
ーム軸受54の回復フレーム60に対する固着位置は第9図
中矢線β方向で、回復フレーム60の中央部に長穴部54a
の深さ方向の中心がくるようになっている。またここ
で、短軸軸受61cの穴部61C1の中心も図中に示すごとく
矢示β方向で回復フレーム60の中央部に位置している。
さらに、短軸軸受61bの穴部61b1の中心と、短軸軸受61d
の穴部61d1の中心は、61c1を中心に矢示β方向に対称に
位置している。さらに短軸軸受61aの長穴部61a1の矢示
β方向の中心と、短軸軸受61eの穴部61e1の中心は、同
様に穴部61c1を中心に矢示β方向に対称に位置してい
る。さて、穴部61a1の中心と穴部61b1の中心の距離、穴
部61b1の中心と穴部61c1の中心との距離、穴部61c1の中
心と穴部61d1の中心の距離、穴部61d1の中心と穴部61e1
の中心の距離の前記の4つの距離は等しいことが望まし
い。次に62は回復フレーム軸であって、本体フレーム63
の両側板に渡って配設されている。この回復フレーム軸
62は、本体フレーム63に配設された軸受(図示せず)の
回りに回動自在に支持されている。さらにこの回復フレ
ーム軸62には両本体フレーム63の内側で、後述するキヤ
ツプガイド前48aとキヤツプガイド後48bの外側に位置す
るようにアイドラ歯車57a・57bが固着されている。アイ
ドラ歯車57a・57bの回復フレーム軸62への固着手段は、
回復フレーム軸62の本体フレーム63への組込みの関係
上、平行ピン又はスプリングピン(ともに図示せず)
と、E形止め輪によって固着されている。さらに回復フ
レーム軸62には図中に示すごとく本体フレーム63を挟ん
で外アイドラ歯車58が回復フレーム軸62の端部に形成さ
れているDカツト部を回り止めとして固着されている。
次にアイドラ歯車57a・57bには、ちょうど噛合するよう
に、カム歯車59a・59bが配置されている。カム歯車59a
・59bの位置はキヤツプガイド48a・48bの外側で、本体
フレーム63の内側にあって、本体フレーム63に固着され
ているカム歯車軸70a・70bの回りに回動自在に支持され
ている。ここで歯車57a・57b・59a・59bはモジュール、
歯数は等しい。またさらに歯車58と歯車57a・57b・59a
・59bは歯数を等しくしている。ここで歯車58はステツ
ピングモータCMへと連結されている。
前述した、歯数の構成となっているのは、カム歯車59
a・59bが1回転するとき、まったく同じく1回転する歯
車を連結することにより、その歯車の回転角度、回転位
置を図示せぬマイクロスイツチスリツト型センサー(図
示せず)等により検出し、カム歯車59aのボス部59a1
カム歯車59bのボス部59b1の位置を検出するためであ
る。したがって、カム歯車59a・59bの1回転と同期して
1回転する歯車、タイミングプーリ等を駆動系の中に存
在させれば、その歯車、タイミングプーリ等の位置を検
出すれば、本実施形のごとく歯車57a・57b・59a・59bの
歯数を同じにしなくても良い。回復フレーム60には他に
キヤツプガイド48a・48bが固着されている。このキヤツ
プガイド48a・48bの材質は摺動性能の良いポリアセター
ル系の樹脂で作られている。そしてキヤツプガイド48a
・48bにはカム歯車59a・59bのボス部59a1、59b1と短手
方向に嵌合する溝部48a1、48b1が形成されており、第10
図中に示すがごとく嵌合している。ここでボス部59a1
ボス部59b1は互いにちょうど対向する位置に配設されて
いる。
前述がごとくの構成となっているため、外アイドラ歯
車58が回転すれば、第10図(中央断面図)に示す矢示A
方向に回復フレーム60は回復フレーム軸55を中心に揺動
運動を行なうことになる。
さて、回復フレーム60周辺は前記のごとくの部品構成
となっている。そのため、第9図において、回復フレー
ム60は2点鎖線αと、回復フレーム軸55で形成される平
面によって位置決めされる。ここで2点鎖線αとヘツド
軸36は平行度が正確なように配設されている。前記2点
鎖線αと回復フレーム軸55で形成される平面によって回
復フレーム60は位置決めされているが、前記構成部によ
って固定されるわけではなく、第9図中矢示θ方向、曲
矢示γ方向には、回復フレーム60は自由度を持つ構成と
なっている。
次に第1キヤツプガイド48aと第2キヤツプガイド48b
の図中矢示θ方向の回復フレーム60への配設位置を第11
図を用いて詳述する。第1キヤツプガイド48a、第2キ
ヤツプガイド48bは共にU字穴形状部48a1・48b1が形成
されており、U字穴部の間隔は精度良く形成されてい
る。前記U字穴48a1・48b1の間隔は図中、矢示によって
表わされている。そして前記U字穴部48a1・48b1の間隔
の中央に、キヤツプ41の突起部41aの短手方向の幅(図
中、矢示で表す)の中央がくるように、第1キヤツプガ
イド48aと第2キヤツプガイド48bが回復フレーム60に配
設されている。
次に、第1ヘツドアーム37a、第2ヘツドアーム37bに
は、円形状突起部、37a1部、37b1部があって、それぞれ
ヘツドアーム前37a、ヘツドアーム後37bに形成されてい
る。そして、前記円形状突起部37a1・37b1の配設位置
は、円形状突起部の中心位置にノズル部38aのインク突
出口が配置されるように、構成されている。また、前記
円形状突起部37a1、37b1の直径は、ちょうどキヤツプガ
イド48a、48bのU字穴形状部の間隔に嵌合するように形
成されている。
さて、前述がごとくの構成となっているため、キヤツ
ピング時回復フレーム60がカム歯車59a・59bの回転によ
って上昇すれば、キヤツプガイド48a・48bのU字穴部48
a1・48b1にヘツドアーム23a・37bの円形状突起部37a1
37b1がそれぞれガイドされ、ノズル部38aとキヤツプ41
の突起部41aはちょうど対向することになる。
ここで本実施例においては、前述した構成によって、
回復フレーム80は矢示θ方向及びγ方向(第9図)へ変
位可能である。そこで本実施例においては、前述U字穴
部48a1・48b1と突起部37a1・37b1が嵌合する際に若干の
位置ずれが有ったとしても、突起部37a1・37b1がU字穴
部48a1・48b1の斜面48cに接触しさえすれば、その後は
斜面48c及びび穴部48a1・48b1にガイドされつつ回復フ
レーム80が水平方向へ変位しつつ両者を確実に嵌合する
ことができる。
さらに後述するキヤツプ41とヘツド前面プレート38c
との位置決めも必然的に行なわれることになる。さら
に、ノズルオリフイス面38bに回復フレーム60が傾きを
持って接近したとしても、突起部41aとノズル部38aは対
向する位置関係を保ちつつ接近することになる。
次にキヤツプ41,キヤツプキール42,弁43,弁カバー44,
廃インクチユーブ45の形状及び動作を第10図〜第15図を
用いて説明する。
第10図はヘツド38とキヤツプ41が接触した直後の状態
を示す図、第11図はヘツド38とキヤツプ41が離隔した状
態を示す図、第12図はキヤツプ41がヘツド38方向へ移動
している状態を示す図、第13図は突起部41aがノズル38a
を押圧密閉しており、バネ47が弾性変形している状態を
示す図、第14図はキヤツプ41がヘツド38から離れていく
状態を示す図、第15図は待機状態を示す図である。また
各図において、(A)は側板方向から視た側面図、
(B)は短手方向断面図、(C)は長手方向断面図であ
る。但し第11図は(A)は同様の側面図、(B)は長手
方向断面図である。
まず、第10図において、第10(A),第10(B),第
10(C)はキヤツプ41がヘツド前面プレート38Cに接触
した瞬間の状態を示す図である。まだキヤツプ41は変形
していない。第10図(B)において、キヤツプ41の断面
形状を詳述する。キヤツプ41の側面部は第10図(B)
中、上方に向うほど側面部間の距離が開いていくよう傾
きを持って形成されている。傾きを持った側面部は曲線
部を持った図中a部につながっていき、a部の肉厚は、
図中に示すがごとく他の箇所より薄くなっている。本実
施例においては、a部はなめらかに変化していく曲線形
状となっているが、急変するエツヂ形状でもかまわな
い。エツヂ形状とした場合、前記エツヂ部の肉厚を薄く
することになる。同様に第10図(C)において、キヤツ
プ41の短手方向の断面形状も、図面中、上方に向うほど
外側に開くよう形成されている。
キヤツプ41の短手方向の断面形状では、ヘツド前面プ
レート38cと接触するキヤツプ41の肉厚が第10図(B)
に示すキヤツプ41の長手方向の断面形状の前記ヘツド前
面プレート38cとの接触部分より厚く形成されている。
これは前記に示す本実施例においては、キヤツプ41の短
手方向へのヘツド38との位置決めは正確に行っている
が、長手方向の位置決めを正確に行っていないためで、
キヤツプ41の長手方向の位置決めをヘツド38に対して正
確に行えば本実施例のごとく構成しなくても良い。さて
第10図(C)に戻って、キヤツプ41の側面部の形状は、
第10図(B)と同様になめらかに変化する曲線部b部に
つながっており、b部の肉厚は薄くなっている。また本
実施例においては、第10図(B)、第10図(C)のどち
らのキヤツプ41の形状においても、肉厚の変化のしかた
は図中下方にいくに従って薄くなるように、滑らかに変
化している。さて第10図(B)に戻ってキヤツプ41の密
閉空間の中には、キヤツプ41と一体成形されている突起
部41aが配設されている。突起部41aの配設位置はノズル
部38aに対向した位置に、突起部41aのR形状部分41cの
頂点がくるような位置にある。突起部41aの長手方向の
長さは、ノズル部38aの配列している全長より両端共
に、長くなるように形成されている。次にキヤツプ41に
は貫通穴41bが開いていて、キヤツプ41の貫通穴41bは、
キヤツプキール42に開いている貫通穴41bにも連通して
いる。そして前記貫通穴41bには弁43が配設されてい
る。前記弁43は弁43に圧力が加わっていなくても弁43が
可撓性部材で形成されているため、大気との密閉状態は
作り得る。ここで弁43が弁として機能可能となっている
のは、キヤツプキール42が前述のごとく剛性を持った部
材で形成されており、弁43とのキヤツプキール42の接触
面の平面度が精度良く作られているためである。
次に、弁43の回わりには弁カバー44があって弁43を囲
って、キヤツプキール42と弁カバー44とが密閉されて固
着されている。さらに弁カバー44は廃インクチユーブ45
へ密閉されて連結されている。キヤツプ41は、第10図の
ごとくの状態から第10図(A)のカム歯車59a・59bが図
中矢示d方向に回転することにより、記録ヘツド38の方
向に近づき始める。前述のカム歯車59a・59bの動きに伴
い、キヤツプ41の側面部は第10図(B),第10図(C)
中の矢示C方向にヘツド前面プレート38cとの接触を保
ちつつ移動を始める。本移動はキヤツプ41の側面部が上
方にいくに従って、開くように形成されているからであ
る。さて、キヤツプ41が矢示c方向へ移動するのは前記
のごとくのキヤツプ41の形状による理由の他に、キヤツ
プ41の密閉空間内の圧力がキヤツプ41の密閉空間内の容
積減少によって、上昇し始めるからでもある。キヤツプ
41の密閉空間内の圧力が上昇するに従い、弁43は開き始
め、弁43から密閉空間内の大気と、図示せぬ廃インクが
廃インクチユーブ45の方へ流れ始める。さらにカム歯車
59a・59bが矢示d方向へ回転したときの状態を第12図に
示す。
第12図(B)においてキヤツプ41の側面部はヘツド前
面プレート38cの縁部に有る立上がり部に当接され、第1
0図中の矢示c方向への移動は止まることになる。第12
図(c)に示す、キヤツプ41の短手方向の側面部は、前
述のごとく、長手方向の側面部の肉厚より厚く成形され
ているため、側面部自信の剛性をもって矢示c方向の移
動が止まることになる。本実施例では前述のごとく第12
図(C)のキヤツプ41の側面部の肉厚を変えているが、
前述のごとくキヤツプ41の短手方向の側面部の肉厚を、
長手方向の側面の肉厚と同様に薄く形成すれば、前面プ
レート38cの縁部の立上り部に当接されることになり、
本実施例と同様の機能を実現できる。
さて、第12図(B)において、キヤツプ41の側面部
は、ヘツド前面プレート38cの縁部に当接した後a部に
示す部分は、曲げ応力を受け,図中に示すがごとく変形
する。キヤツプ41の側面部のヘツド前面プレート38cと
接触する面を含め、肉厚の厚い部分は、座屈荷重を受け
ることになり、前記a部が曲げ変形するため座屈するこ
とはない。上記の内容は、第12図(C)においてb部が
変形していくことを含め、同様なキヤツプ41の側面部の
変形を起こしていくことになる。ここで12図(C)にお
いて圧縮バネ47aはまだ変形を起こし始めない。
第12図(B)において、キヤツプ41によって作られる
前記密閉空間内の圧力は、第10図で表わされた状態の圧
力よりも高くなり、弁43は開放されてキヤツプ41の密閉
空間の大気及び前述廃インクは廃インクチユーブ45へ送
り出されていく。
ここでさらにカム歯車59a・59bが矢示d方向へ回転す
ると、キヤツプ41はさらにヘツド38に近づいていき、キ
ヤツプ40の突起部41aがノズル38aに当接する。ここでキ
ヤツプ40の変形は、突起部41a部除いてほとんど行なわ
れない状態となる。またさらにカム歯車59a・59bが矢示
d方向へ回転していくと、圧縮バネ47aが変形を始め、
前記圧縮バネ47aの反作用がキヤツプ41の突起部41aのノ
ズル部38aへの押圧力となって作用する。なおここで第1
0図より第15図まで、圧縮バネは47aのみが図中で表示さ
れているが、他の圧縮バネ47b、47c、47d、47eも圧縮バ
ネ47aと同様の動きをしている。ここで前記突起部41aが
ノズル38aを押圧する時間は、ヘツド38内をインク液を
循環するのに要する約数秒間である。この際ポンプが作
動してインク液を循環させる。
さて前述のごとく、圧縮バネ47aが変形し、カム歯車5
9a・59bのボス部59a1・59b1が最も上方に位置した状態
を第13図に表す。第13図においては、キヤツプ41で形成
される密閉空間の容積変化はほとんど無く、弁43は大気
を密閉した状態のみとなり、密閉空間内の圧力と大気の
圧力は平衡状態となる。第13図に示す状態からカム歯車
59a・59bが矢示e方向に回転したときの各部の状態を以
下に示す。ここでカム歯車59a・59bの回転方向は、ボス
部59a1・59b1の図中における上方から下方への移動もし
くは下方から上方への移動という動作が必要なのであっ
て、例えば第13図においてカム歯車59a・59bが矢示e方
向と逆回転したとしても、以下に記述する動作は同様に
生じる。第14図において、キヤツプ41の密閉空間は再び
容積が増加していく状態となり、密閉空間内は大気に対
して負圧状態となり弁43は図中に示すがごとく閉じた状
態となる。そのため、キヤツプ41の密閉空間の体積減少
を補うために、記録ヘツド38のノズル部38aよりインク
が排出され、ノズル部38a内に有るインクはリフレツシ
ユされることになる。
最後に第15図は、本実施例で示す装置が記録、回復等
の動作を行っていない、待機状態におけるキヤツプ41を
含めた周辺部品の状態を表わすものである。本図におい
て、カム歯車は回転運動を停止している。第15図(B)
において、キヤツプ41の密閉空間内の圧力と大気の圧力
は平衡状態にある。このとき弁43には、弁43を開かせよ
うとする外力も、閉じさせようとする外力も作用してい
ないが、弁43の形状によって、キヤツプ41の密閉空間内
の水蒸気は大気に放出されなくなっている。
次にインク供給、回復系について述べる。このユニツ
トは、インクタンク、インクチユーブ、ポンプ等か構成
され、インクの保持や、記録ヘツドに対して正常にイン
クを供給する機能と、管路等の気泡が生じた場合、ノズ
ルに目詰まりが生じた場合、これを除去する機能を有す
る。
第16図は、本発明の実施例を説明する概念図である。
この第16図において、38は記録ヘツド、76はインクポン
プ、86はインクタンクと廃インク吸収体を有するインク
カートリツジ、87はブリーザーと呼ばれる大気開放口で
ある。
記録ヘツド38のインク初期供給は次のとうり行う。つ
まりキヤツプ41を記録ヘツドに密着させた状態(第13図
に示されるようにキヤツプ41内の突起部41aが記録ヘツ
ド38のノズル部38aに密着した状態)でインクポンプ76
を動作させ、インクカートリツジ86から矢印Eで示す方
向にインクを循環させ、記録ヘツド内を含め管路内をイ
ンクで満たす。このときキヤツプ41にも若干のインクが
流出するが、これは廃インクチユーブ45を通ってインク
カートリツジ86に戻され、内蔵の廃インク吸収体96に回
収される。
インクの初期供給が終ると、記録ヘツド38は吐出可能
な状態となるが、本実施例で用いたインクポンプは停止
時に流路を閉塞しない方式のポンプであるので、吐出時
のインク供給は、ヘツドインク連結部前後38d、38eの両
方から行なわれる。
吐出によりインクが減少すると、その減少量と同量の
空気がタンクに入らなければならないが、このための大
気開放口となるのがブリーザ87である。このブリーザ87
は,内部にごく微小の圧力差で開く逆止弁を双方向に配
置してあり、タンク内にわずかの負圧力・正圧力が生じ
ても開き、実質上は空気穴として働くが、ゴミの侵入や
蒸発は抑制するものである。
92はインク無し検出部で、タンク内94のインク無しを
検知する部分であり、検知は次のようにして行う。つま
り、フロート室90は、インクタンク94と共通なブリーザ
87で大気開放されているので、その内部の液面と、浮か
べられたフロート89は、アンクタンク94内のインク液面
91と同じ水位91aを示す。そこでフロート室90の下部の
適当な所に、光線の遮断を検知するセンサ88を配置し
て、インク液面91の低下、すなわち検出部の水位91aの
低下にともなってフロート89が低下し、センサ88の光線
を遮断することでインク無しを検出する。
次に回復動作について述べる。回復動作は正常な吐出
を妨げる気泡・目詰りを除去する動作で、後述する回復
シーケンスに沿って、回復系と連動させて行うが、回復
動作はインクの初期供給の時と全く同じである。つまり
キヤツプ41の記録ヘツド38に密着させた状態(この時の
様子を第13図に示す)でインクポンプ76を動作させ、矢
印Aのような経路でインクを循環させ、気泡をインクタ
ンク内に回収し、ブリーザーから外方に逃す。また、キ
ヤツプ41内の突出部41aとノズル38aとの当接状態を解除
してポンプ駆動を行なうことでノズル内の目詰りなどを
取り除くことができる。この時フロート室90にも加圧さ
れたインクが流入するが、フロート89が上昇してフロー
ト室90の上面に密着してブリーザ87への流路をふさぐの
でブリーザ87にインクが侵入することはない。
第17図は、本実施例の構成を具現化した供給回復系、
構成部の斜視図である。この第17図において73は本ユニ
ツトの基台であって、後述のインクカートリツジ86をそ
なえつける基台ともなる、74は種々の流路接続部が夫々
固設されて形成されたジヨイント板と呼ばれる部材で、
このジヨイント板74にはインクカートリツジ86の位置決
めを行なうカートリツジガイド78、インクカートリツジ
86の装着時にインクを導出したり、大気開放を行なうた
めに管路を接続するカートリツジジヨイント79a,79b,79
c,回復動作の際に生ずる廃インクを廃インクチユーブ45
を経由して、インクカートリツジ86の内部に設けられた
廃インク吸収体96に導く廃インクジヨイント81、大気開
放を行なうブリーザをエアチユーブ83で接続するための
エアジヨイント80、記録ヘツドにインクを送る第1,第2
インク供給チユーブ71,72を接続する第1,第2供給管ジ
ヨイント84,85、ポンプモータ77で駆動されるインクポ
ンプ76が結合されている。このようにインクカートリツ
ジ86内に収納されたインクタンク94のと接続されるイン
クジヨイント79が記録時にインクを供給する第1インク
供給部79a、第2インク供給部79bと、大気連通接続部79
cとの3つの機能を有したものを集中的に備えて、イン
クタンク94側と対応関係を有する第1インク供給口95
a、第2インク供給口95b、大気連通口95cと一度に結合
する構成をとっている。
そのため、インクタンクへの大気連通部分をジヨイン
トにより達成する構成としたため、インク袋を使用した
インクタンク形式をとることなくインク大容量の収納を
可能とした硬質樹脂材により構成されるインクタンク形
成をとることができた。
さらに、第1インク供給口95a、第2インク供給口95b
と第1インク供給部79c、第2インク供給部79bとを連結
され、記録時のインク供給は両方の供給領域から行な
い、インクの初期充填、回復動作時には、インクタンク
からポンプを間に介した経路記録ヘツドを通過し再びイ
ンクタンクへと循環する経路を構成する。
すなわち、前述のようにタンクと供給路とさらには大
気連通部とが直接ジヨイントされた構成なので硬質樹脂
よりなるインクタンクでありながら、安定供給に従来必
要であったサブタンクのような機能を省略することが可
能となった。本例ではこれらの部材をジヨイント板74に
個別に固定しているが、これをジヨイント板との一体成
形で構成してもかまわない。
更にジヨイント板74には、インク流路となる流路溝75
aを設けた流路板75が結合され、この部分でインク流路
の配管、接続の大部分が構成されている。
すなわち、インクタンク94と接続されるジヨイント板
74に付設されたジヨイント部79を固定配設されたものと
することでその部分において、インク経路75aが可動し
なくてもよい構成とすることが可能となるのである。
そのため、流路を形成した流路板をジヨイント板79の
背面に接合することだけで、インクタンク94から記録ヘ
ツドに至るインク経路の一部を構成することができる。
一方、後述するように、インクカートリツジ86内に配
設したインクタンク94は、カートリツジ86を構成する筐
体93a,93b内において自由度を有して収納されている。
インクタンク側を自由度を有して収納することで固設
されたジヨイント部79に対してカートリツジを装着する
に際して装着部の係合状態を容易に確実とせしめること
ができ、カートリツジの装着に対する確実性が確保でき
る。
このようにジヨイント板74と流路板75との接合によっ
て流路を形成することでインクタンクからのインク路が
複雑なはいまわしを行なうことなく構成できた。
インクカートリツジ86は、第18図に示すように、接液
性のよい樹脂を用いて作られたインクタンク94と、フエ
ルトや多孔質体などのインクの吸収保持性に優れた吸水
性材料で作られた廃インク吸収体96を、耐衝撃性の良い
材料で作られた共通の筐体93a,93bに収納してある。イ
ンクの供給と大気開放はジヨイント部95を介してジヨイ
ント板74側のカートリツジ79と接続されておこなわれ
る。このようにインクカートリツジ86全体が一括して装
置側の基台73に対して着脱可能な構成になっている。
この部分の構造を更に詳細に示したものが第19図
(a),(b)である。第19図(a)インクカートリッ
ジ本体86の要部を被断して示すインクカートリツジ側面
断面、第19図(b)は供給系のカートリッジジヨイント
部に接続した時のジヨイント部95の一部を被断して示し
ている。インクカートリツジ86を取り外した際、インク
が漏出しないように、ジヨイント部95にはスプリング98
によってジヨイント部開口95aに押圧された金属ボール9
9が内蔵されていて、インクカートリツジを装着から抜
いた時には金属ボール99がシールゴム101に密着し、ジ
ヨイント部の開口部95aを密閉する構造となっている。
またこの第19図(a),(b)と正面断面を示す第20
図に示すように、インクタンク94は、その底面に傾斜が
設けられている。すなわち、ジヨイント部95に後方から
インクの流れを集めるような傾斜面94aとインクタンク9
4の側方からジヨイント部95にインクの流れを集めるよ
うな傾斜面94bとが設けられている。インクはその最深
部に開口するように曲げられた導出管100を通って、供
給系に送られる。このようにインクタンクの底部に傾斜
面94a,94bを形成することでインクをすべて導出管100近
傍に集めることができ、ムダなくインクを使うことが可
能となる。また装着が若干の傾きをもって設置されても
無駄なくインクを取り出すこともできる。このような構
成とすることで、できた筐体内の領域には、前述の廃イ
ンク吸収耐96が略コ字形状で収納されている。
更に、本実施例では、ジヨイント部95で3本の流路、
すなわち2本のインク供給路と、1本の大気開放路が、
連結される必要があるが、この部分での確実な連結を得
るために、第20図に示すように、インクタンク94は、筐
体93a,93bの中で、適当な量だけ自由に動けるように、
すきま部97を持って保持されている。
特に、複数本のジヨイントを接続する際には上下、左
右への自由度のみならず回転方向への自由度も必要とな
る。本例においては、ジヨイント部95の中心軸に対する
回転方向の自由度を得るために、インクタンク94の両端
部に設けたすきま部97aと柔軟なフエルト状の廃インク
吸収体96でインクタンク94を支持することにより、若干
量だけ回動可能に保持されている。これによって位置ズ
レの無い確実な接続を行なうことが可能となる。なおか
つこの場合、振動衝撃などでインクタンク94が動いて異
音を発生したり、筐体を破損するのを防止するためとス
ペースの有効利用のため、第18図で示すように廃インク
吸収体06の中央部付近を除去し、この部分にインクタン
ク94の最深部をはめこみ、残った外周部で保持するよう
にして、廃インク吸収体96の柔軟さで衝撃を吸収し、な
おかつ自由度を維持できる構造としている。このように
廃インク吸収体をインクタンク94の最深部をはめこみ、
外周部で保持する構成とし、しかも、フエルトなどのや
わらかいものを構成したので、インクタンクを外的な衝
撃から守れる、また前述したようにインクタンクのガタ
ツキを防止できる。
次に回復シーケンスについて述べる。この動作は回復
系と供給系が連動して、流路内の気泡や目詰りを除去
し、正常な記録を維持するために必要となる動作であ
る。第22図にこの動作のフローチヤート、第23図に動作
の概略図を示す。第23図において、説明を容易にするた
めに、記録ヘツド38・ヘツドアーム等からなるユニツト
をヘツドユニツト65、キヤツプ41・ワイパー50,52・回
復フレーム60等からなるユニツトをキヤツプユニツト64
とする。ヘツドユニツト65はヘツド軸36を中心に、キヤ
ツプユニツト64は回復フレーム軸55を中心にそれぞれえ
回動可能となっている。以下回復動作手順を説明する。
通常の待機状態では既に述べたように記録ヘツド38と
キヤツプ41の関係は、キヤツプの周囲をわずかにたわま
せた第15図で示されるような密閉状態で保たれている。
回復動作はまず第12図に示すように、カム歯車59a,59b
が回転してキヤツプ41の内部にある突起部41aを記録ヘ
ツド先端のノズル38aに押しつける(この時のキヤツプ
ユニツトの位置を押し付け位置と呼ぶ)(S22−1)。
次にこの状態でインクポンプ76を動かし供給路内のイン
クを循環させ(S22−2)、管路の泡を除去する。突起
部41aをノズル38aに押し付けるのは、インクポンプの圧
力で一部のインク循環せずに、ノズルから流れ出て無駄
な廃インクとなってしまうのを防ぐためである。
次に第23図(a)中矢印Fに示すようにキヤツプユニ
ツト64が下降して(この状態を退避位置と呼ぶ)(S22
−3)、さらにヘツドユニツト65を第3図(b)が中矢
印Gとキヤツプユニツト64が第23図(b)中矢印Hのよ
うに回動してワイピング開始位置となる(S22−4)。
この後ヘツドユニツト65が第23図(c)に示すように図
中矢印Iのように回動してキヤツプユニツト64に位置し
たワイパー50,52によって、記録ヘツドの吐出口形成面3
8bのインク滴やゴミ等を拭き取る動作をする(S22−
5)。第23図(c)中矢印1は記録ヘツドの吐出口形成
面38bが1枚目のワイパーを通過している様子を示して
いるが、本実施例では、ワイパーを2枚持っているの
で、2枚目のワイパーによる抜き取りが終了した時点
で、第23図(d)中矢印Jのようにキヤツプユニツト64
が再び退避位置に下がり、ヘツドユニツト65が元の位置
に戻り(S22−7)、最後にキヤツプユニツト64が上昇
して第1図に示すような通常の待機状態に戻って(S22
−8)回復動作は終了する。
本実施例におけるクリーニングについて加えて説明す
る。本実施例で使用された記録ヘツドは、記録媒体の記
録幅の全域に対して吐出口が形成された、いわゆるフル
ラインタイプであることは前述の通りである。ところ
が、このように吐出口形成面が非常に長尺化した場合、
吐出口面をクリーニングするについて1枚のブレードを
使用して1回クリーニングを行なうだけでは十分なクリ
ーニングが行えない。これは、長尺化のため、ブレーど
の吐出口面に対する押圧力が全幅で均一にすることがむ
ずかしいことに起因している。
したがって本例では、ブレード50,52と2枚のブレー
ドを使用して吐出口面を順次クリーニングすることでク
リーニングの確実性を確保している。
特にクリーニングに際しては、2枚のブレードが、夫
々独立して記録ヘツドの吐出口形成面と接触してクリー
ニングを行なうことが重要であり、いわゆる二度ぶきの
効果を得ている。このように2枚のブレードを順次並べ
ることで1枚ブレードで2回クリーニング動作を行う場
合に比べてクリーニング時間が短くてすむ。また、本例
では、最初に記録ヘツドと当接するブレード50と続いて
当接するブレード52との大きさを異ならせている。これ
は、記録ヘツドがヘツド軸36を中心にして回動する動作
を行うために、記録ヘツドの移動経路中にブレードの先
端部が吐出口面と接触するような長さとして設定されて
いるためである。したがって、記録ヘツドの回動動作と
ともにキヤツプユニツトを駆動させることで、ブレード
50,52の長さが同じであってもあるいは本例と送の長さ
関係を有していてもクリーニングを行うことはできる。
尚、ブレードによるクリーニングは、前述のように2
枚を使用しなければならないことはなく、それ以上を使
用してもよい、あるいは本例では両者のブレード50,52
の材料は同じものを使用しているが、夫々特性の異なる
同一材、異種材を使用して、クリーニング効果を高めて
もよい。
次に第24図に印字開始時のシーケンスを表わす。
記録の開始は次のように行なわれる。まずステツプS2
4−1に示される第15図に示されるような記録ヘツドの
吐出口形成面をキヤツプが覆っただけの待機状態を存在
している記録ヘツドに対して記録開始信号が入る。そし
てステツプS24−2で示されるように、第11図で示され
る記録ヘツドとキヤツプとが離間した状態、すなわちキ
ヤツプユニツトを退避位置に退かせる。
続いて、この第11図に示される状態を維持してステツ
プS24−3に示されるように、記録ヘツドの全ノズルか
ら数発ないし数百発の予備吐出を行なう。
これによって記録ヘツドの吐出状態を全ノズルで均一
状態をすることができる。
そして、予備吐出が終了した後キヤツプユニツトとヘ
ツドユニツトとを移動させてステツプS24−4に示され
るように第23図(a)で示されるワイピング動作開始状
態を構成する。その後ステツプS24−5に示される如
く、第23図(b)〜(d)に表わされるように一連のワ
イピング動作を行ないステツプS24−6で示され第1図
で示すような、記録位置へとさらに記録ヘツドユニツト
を移動させ、その状態を保持する。その後記録信号の入
力が順次行なわれて所望の記録が達成される。
最後にインクを循環させて行なう回復動作について、
さらに詳細に述べる。本実施例では第16図に示す気泡セ
ンサ103を持っていて供給チユーブ内に存在する気泡を
検知することが可能となっている。したがって回復動作
はあらかじめ定められた一定時間ごとに行なわれる自動
回復と、気泡センサ103が偶発的な泡を検知した場合に
行なわれる臨時回復の2種類が可能となる。後者は気泡
センサ103を有することによって実現できたもので、こ
れにより今まで生じていた偶発的不吐出を減少させ装置
の信頼性を向上させることが可能となる。特に、気泡除
去、気泡の量やその存在場所等にかかわらず、全ての気
泡が除去されることの安全性を鑑みて十分に気泡が除去
されるように、かなりの余分な循環時間または回数を設
定していた。しかし本実施例では記録ヘツドに対する。
循環時のインク流れ方向上下流側の両方に気泡センサー
103a,103bを設けている。したがって、両方の気泡セン
サーで気泡で検知されないときには、ただちに回復動作
を中止するようになっている。特に、循環時のインク流
れ方向下流側に設けられた気泡センサ103bの信号が気泡
の除去(無し)を検知したら、若干の時間経過後(気泡
がセンサの存在位置からタンクに排出されるまでの時
間)、インクポンプを停止させるので、従来のように余
分な循環時間をかける必要がなくなり、結果的に回復シ
ーケンスを短時間で終了させることができる。また、逆
に気泡除去が検知されてから回復を停止するので気泡除
去の確実性が増した。これにより、これまで回復によっ
て消費されていたインクを少量とすることが可能とな
り、ひいてはFAXの受信の際のインク切れや、回復動作
中による不受信状態を回避することが可能となる。
本実施例では、供給管を両端に持ち、循環によって回
復動作を行なう記録ヘツドを用いているが、供給管が1
本でノズル前面から吸引によって回復する型式の記録ヘ
ツドに対して本発明を適用しても良いことはいうまでも
ない。また気泡センサを、ヘツドの構造物に一体に形成
して、コストダウンを図るとも可能である。
本発明は、特にインクジエツト記録方式の中でもバブ
ルジエツト方式の記録ヘツド、記録装置に於いて、優れ
た効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に
対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少
なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気
熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘツドの熱
作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一
対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効で
ある。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れ
て液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に
関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことが
できる。
記録ヘツドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数
の電気熱変換体に対して、共通するスリツトを電気熱変
換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670
号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部
に対応させる構成を開示する特開昭59年第138461号公報
に基づいた構成としても本発明は有効である。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅を対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘツドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ツドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘツドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチツプタイプの記録ヘツド、あるいは記録
ヘツド自体に一体的に設けられたカートリツジタイプの
記録ヘツドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘツドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘツドに
対しての、キヤピング手段、クリニング手段、加圧或は
吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或は
これらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の
吐出を行う予備吐出モードを行なうことも安定した記録
を行なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘツドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
[発明の効果] 以上説明したごとくの構成のため、ノズル部の密閉を
オリフィス面に過大な押圧力を与えず、記録ヘツドの信
頼性を確保しつつ安定して行えるキャッピング手段を提
案できる。さらに、ノズル部の大気との密閉と、ノズル
部の直接押圧密閉を1つの駆動源でシンプルに行えるこ
とにより低コスト化が可能なインクジェット記録装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明の一実施例を適用したファクシミ
リ装置の側断面図、 第1図(B)はその上視平面図、 第2図はその開放状態を示す側断面図、 第3図はプラテンローラ附近の斜視図、 第4図は排紙ローラの斜視図、 第5図は記録フレームの斜視図、 第6図及び第7図は記録ヘツド附近の側面図、 第8図は記録ヘッドの斜視図、 第9図はキャップ附近の斜視図、 第10図(A)・(B)・(C)はヘッドとキャップが接
触した直後の状態を示す図、 第11図(A)・(B)はヘッドとキャップが離隔した状
態にした状態を示す図、 第12図(A)・(B)・(C)はキャップがヘッド方向
へ移動している状態を示す図、 第13図(A)・(B)・(C)は突起部がノズルを押圧
密閉しており、バネが弾性変形している状態を示す図、 第14図(A)・(B)・(C)はキャップがヘッドから
離れていく状態を示す図、 第15図(A)・(B)・(C)は待機状態を示す図、 第16図は、本発明に係るインクジェット記録装置のイン
ク供給経路の一構成例の概略模式的に示す概略模式図、 第17図は、本発明に係るインクジェット記録装置のイン
ク供給手段の一構成例を示す斜視図、 第18図は、本発明に係るインクジェット記録装置に搭載
されるインクカートリッジの一構成例を分解して示す分
解斜視図、 第19図(a),(b)は、インクカートリッジの一構成
例の側面を一部破断して示す断面図、及びその一部を拡
大し、インク供給手段との係合状態を示す断面図、 第20図は、インクカートリッジの一構成例の正面を一部
破断して示す断面図、 第21図は、インクカートリッジの一構成例の上面部を示
す概略図、 第22図は、本発明に係るインクジェット記録装置で適用
可能な回復シーケンスの一例を示すフローチャート、 第23図(a),(b).(c),(d)は、回復動作を
順をおって示す概略側面図、 第24図は、待機状態から記録状態に至るまでのシーケン
スの一例を示すフローチャートである。 1……記録紙 2……原稿 7……搬送ローラ 14……記録ガイド 22……カッタ 38……記録ヘッド 41……キャップ 50,52……ワイパー 60……回復フレーム 86……インクカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−6144(JP,A) 特開 昭62−25051(JP,A) 特開 昭53−35538(JP,A) 特開 昭54−159226(JP,A) 特公 平4−59145(JP,B2) 特公 平1−18866(JP,B2) 特公 平3−71264(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体にインクを吐出して記録を行うイ
    ンクジェット記録装置において、前記記録媒体の記録領
    域の略全幅にわたって吐出口が形成されたライン型記録
    ヘッドと、 前記記録ヘッドの略両端部に連結されインクの流れを構
    成するインク経路と、 前記インクを吐出する吐出口を備えた記録ヘッドの吐出
    口形成面を覆うキャップ部材と、前記キャップ部材の内
    部に前記記録ヘッドの吐出口を押圧密閉可能に配された
    押圧部材と、を一体的に備え、前記押圧部材は前記キャ
    ップ部材が前記吐出口形成面を覆った状態で前記記録ヘ
    ッドの吐出口の押圧密閉状態と開放状態とを取り得るキ
    ャッピング手段と、 を有し、前記インク供給経路を介してインクを加圧循環
    させる時には前記記録ヘッドの吐出口を前記押圧部材で
    押圧密閉状態とし、待機時には押圧密閉を解除して前記
    吐出口を開放状態とすることを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】前記キャッピング手段の押圧部材による吐
    出口の押圧密閉状態から開放状態へ移行する時に吐出口
    内部のインクの排出を伴うことを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット記録装置。
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