JP2748451B2 - ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

ブロック共重合体の製造方法

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JP2748451B2 JP63288558A JP28855888A JP2748451B2 JP 2748451 B2 JP2748451 B2 JP 2748451B2 JP 63288558 A JP63288558 A JP 63288558A JP 28855888 A JP28855888 A JP 28855888A JP 2748451 B2 JP2748451 B2 JP 2748451B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリフェニレンスルフィド(以下PPSと称す
る)部分とポリフェニレンスルフィドケトン(以後PPSK
と称する)部分とからなるブロック共重合体の製造方法
に関する。
<従来の技術> PPS樹脂はすぐれた耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性な
どエンジニアリングプラスチックとしてすぐれた性質を
有しており、射出成形用を中心として各種用途に使用さ
れている。
一般に、電子部品、例えばIC、トランジスター、抵抗
あるいはコンデンサーは、電気絶縁性の保持、機械的保
護、外部雰囲気による特性変化の防止などの目的でエポ
キシ樹脂などの合成樹脂で被覆または封止することが広
く行われている。
PPS樹脂が上記のごとくすぐれた性質を有するため、
近年電子部品類の封止剤の分野への適用が期待されてい
る。これに対し、最近ICの高集積化や回路の表面実装化
が急速に進められ、封止剤に対して耐半田性などの耐熱
性のより一層の向上が要求されている。
この要求に対して、PPS樹脂よりさらに耐熱性を有す
るポリマをブレンドすることにより、高耐熱性のPPS樹
脂組成物を得る試みがなされており、例えば、特開昭53
−73228号公報にポリイミド樹脂を配合する方法、特開
昭56−45506号公報にポリアミドイミド樹脂を配合する
方法、および、特開昭63−35653号公報にポリパラバン
酸を配合する方法などが開示されている。
一方、PPSのブロック共重合体としては、特開昭61−1
4228号公報にポリm−フェニレンスルフィドとのブロッ
ク共重合体、特開昭61−225218号公報にポリスルホンと
のブロック共重合体、および特開昭62−205157号公報に
ポリフェニレンスルフィドスルホンとのブロック共重合
体が開示されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、前記特開昭53−73228号公報、特開昭5
6−45506号公報および特開昭63−35653号公報に記載の
方法では樹脂同士のなじみが悪く、相溶性が不十分で、
耐熱性の向上はほとんどなく、実用にはほど遠いという
べきものであった。
一方、特開昭61−14228号公報、特開昭61−225218号
公報および特開昭62−205157号公報に開示されている方
法は、いずれも非晶性のポリマをブロックでPPSに導入
することにより、PPS樹脂の脆さを改善しようとするも
ので、PPS樹脂の耐熱性をあげることに関しては全く効
果がなかった。
よって本発明は通常のPPS樹脂よりもさらに耐熱性を
有するブロック共重合体を得ることおよび該ブロック共
重合体を効率よく製造することを課題とする。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は (1)アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)を非プロト
ン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベンゼンおよ
びアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極性有機溶媒
を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含む反応液を
生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化物(結晶水
を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、
前記反応液にジハロ芳香族ケトン、アルカリ金属硫化物
および非プロトン性極性有機溶媒を添加し、加熱して、
ブロック共重合体を生成させる第2の工程からなること
を特徴とするポリフェニレンスルフィド部分とポリフェ
ニレンスルフィドケトン部分とからなるブロック共重合
体の製造方法、 (2)ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金属硫化物を
含む非プロトン性極性有機溶媒を加熱して、ポリフェニ
レンスルフィドケトンを含む反応液を生成させる第1の
工程と、この反応液にジハロベンゼンを添加して、アル
カリ金属硫化物および非プロトン性極性有機溶媒の存在
下に加熱して、ブロック共重合体を生成させる第2の工
程からなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド
部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分とからなる
ブロック共重合体の製造方法、 (3)アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)を非プロト
ン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベンゼンおよ
びアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極性有機溶媒
を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含む反応液を
生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化物(結晶水
を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、
ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金属硫化物を含む非
プロトン性極性有機溶媒を加熱して、ポリフェニレンス
ルフィドケトンを含む反応液を生成させる第二の工程
と、各工程で得られた反応液を混合して加熱してブロッ
ク共重合体を生成させる第三の工程からなることを特徴
とするポリフェニレンスルフィド部分とポリフェニレン
スルフィドケトン部分とからなるブロック共重合体の製
造方法および (4)ブロック共重合体が、ポリフェニレンスルフィド
部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分とからな
り、372℃におけるメルトフローレートが1〜1,000の範
囲であるブロック共重合体である上記(1)〜(3)の
いずれか記載のブロック共重合体の製造方法である。
本発明におけるブロック共重合体を構成するPPS部分
は一般式 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましくは
90モル%以上を含む重合体であり、上記繰返し単位が70
モル%未満ではすぐれた特性のブロック共重合体は得難
い。
また、上記PPS部分はその繰返し単位の30モル%未満
を下記の構造式を有する繰返し単位等で構成することが
可能である。
一方、本発明におけるブロック共重合体を構成するPP
SK部分は一般式 で表わされる繰返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上含む重合体であり、上記繰返し単位が70
モル%未満ではすぐれた特性のブロック共重合体は得難
い。
また、上記PPSK部分はその繰返し単位の30モル%未満
を下記の構造式を有する繰返し単位等で構成することが
可能である。
本発明におけるブロック共重合体のPPS部分とPPSK部
分の繰返し単位でみたモル比率は任意である。このブロ
ック共重合体は372℃におけるメルトフローレートが1
〜1,000の範囲のものである。通常、本発明のブロック
共重合体はガラス転移温度(Tg)が70〜150℃、結晶融
点(Tm)が260〜370℃のものである。
Tg、Tmは溶融状態から急冷した実質的に非結晶状態に
ある試料約10mgをパーキンエルマー社製示差走査型熱量
計(DSCI)を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分
で測定した場合の各々クニックおよび融解ピークを示す
温度で表わされる。
本発明におけるブロック共重合体は下記の(1)〜
(3)の方法により製造される。
製造方法(1):アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)
を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベ
ンゼンおよびアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極
性有機溶媒を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含
む反応液を生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化
物(結晶水を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱
水した後、前記反応液にジハロ芳香族ケトン、アルカリ
金属硫化物および非プロトン性極性有機溶媒を添加し、
加熱して、ブロック共重合体を生成させる第2の工程か
らなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド部分
とポリフェニレンスルフィドケトン部分とからなるブロ
ック共重合体の製造方法。
製造方法(2):ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金
属硫化物を含む非プロトン性極性有機溶媒を加熱して、
ポリフェニレンスルフィドケトンを含む反応液を生成さ
せる第1の工程と、この反応液にジハロベンゼンを添加
して、アルカリ金属硫化物および非プロトン性極性有機
溶媒の存在下に加熱して、ブロック共重合体を生成させ
る第2の工程からなることを特徴とするポリフェニレン
スルフィド部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分
とからなるブロック共重合体の製造方法。
製造方法(3):アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)
を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベ
ンゼンおよびアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極
性有機溶媒を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含
む反応液を生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化
物(結晶水を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱
水した後、ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金属硫化
物を含む非プロトン性極性有機溶媒を加熱して、ポリフ
ェニレンスルフィドケトンを含む反応液を生成させる第
二の工程と、各工程で得られた反応液を混合して加熱し
てブロック共重合体を生成させる第三の工程からなるこ
とを特徴とするポリフェニレンスルフィド部分とポリフ
ェニレンスルフィドケトン部分とからなるブロック共重
合体の製造方法。
このようにブロックの形成および結合ならびに繰返し
単位の種類に配慮すること、さらには上記の要件を満た
した製造方法とすることを除けば、本発明のブロック共
重合体の製造方法は従来のPPSおよびPPSKの製造方法
(特公昭45−3368号公報、特公昭52−12240号公報およ
び特開昭63−113020号公報など)と本質的には異ならな
い。
本発明のブロック共重合体の製造に用いるアルカリ金
属硫化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウムなどの硫化物が好ましく、反応性からナトリ
ウムおよびリチウムの硫化物が特に好ましい。また、こ
のアルカリ金属硫化物は水硫化アルカリ金属と水酸化ア
ルカリ金属との反応によって得られたものでもよい。
次に非プロトン性極性有機溶媒としては、反応温度お
よび圧力において、実質的に液状であるものが好まし
い。
具体的には、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチ
ルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピ
ロリドン、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプ
ロラクタム、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチ
ル尿素、1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの
アミド、尿素およびラクタム類、スルホラン、ジメチル
スルホランなどのスルホン類、ベンゾニトリル等のニト
リル類、メチルフェニルケトンなどのケトン類等および
これらの混合物を挙げることができる。これらの溶媒の
うちでは、アミド類、ラムタム類あるいはスルホン類が
特に好ましい。
本発明のブロック共重合体の製造に用いるジハロ芳香
族化合物のうち、PPS部分を形成させるべきジハロベン
ゼンとしてはパラジクロルベンゼン、パラジブロムベン
ゼンなどが好ましく用いられ、PPSK部分を形成させるべ
きジハロ芳香族ケトンとしては4,4′−ジクロルベンゾ
フェノンなどが好ましく用いられる。また、上述のブロ
ックを形成させるのに必要なジハロ芳香族化合物と共に
小量使用できるジハロ芳香族化合物としては次のような
ものが好ましい。
(上記式中XおよびYはハロゲン原子、R1およびR2は炭
素数1〜20のアルキル基を示す) また、1,2,3−または1,2,4−トリハロベンゼンのよう
な3個以上のハロゲン基をもつ多官能化合物を使用する
ことができる。また、重合度を上げる目的でアルカリ金
属カルボン酸塩などの重合触媒を用いてもよい。
上述の製造方法(1)〜(3)を更に具体的に述べ
る。なお、製造方法(1)の具体例は製造方法(I)、
製造方法(2)の具体例は製造方法(II)および製造方
法(3)の具体例は製造方法(III)である。
[製造方法(I)] 製造方法(I)はPPS部分の繰返し単位 のブロックを形成させてから、その場でPPSK部分の繰返
し単位 の形成および結合を行なうことからなるものである。
原料であるアルカリ金属硫化物(結晶水を含む)を有
機溶媒中に仕込み、約200℃程度まで加熱して水分を留
出させ、反応系から水を除去する。その後、ジハロベン
ゼンを通常0.95〜1.05/硫化物(モル/モル)に相当す
る量を加えて、160〜300℃に加熱して、重合反応を行な
って、PPSを含んだ反応混合液をつくる。所要時間は通
常、0.5〜30時間程度である。
一方、上記と同様にして原料アルカリ金属硫化物を有
機溶媒中で脱水した後、ジハロ芳香族ケトンを通常0.95
〜1.05/硫化物(モル/モル)に相当する量を加えて未
反応混合液をつくる。
この未反応混合液と上記PPSを含んだ反応混合液とを
所定の比に混合し、160〜300℃に加熱して重合反応を行
なうことにより、本発明のブロック共重合体を得ること
ができる。
重合物は、通常、PPSの製造方法と同様に、必要に応
じて洗浄、別、乾燥することにより、粒状もしくは粉
状として回収することができる。
[製造方法(II)] 製造方法(II)は製造方法(I)とは逆に、まずPPSK
部分のブロックを形成させてから、その場でPPS部分の
形成および結合を行なうことからなるものである。
この方法では、製造方法(I)と同様にして、有機溶
媒にアルカリ金属硫化物を仕込み、加熱脱水し、ジハロ
芳香族ケトンを通常0.95〜1.05/硫化物(モル/モル)
に相当する量を加えて、160〜300℃に加熱して、重合反
応を行なって、PPSKを含んだ反応混合液を作る。
一方、製造方法(I)と同様にして、有機溶媒にアル
カリ金属硫化物を仕込み、加熱脱水した後、ジハロベン
ゼンを通常0.95〜1.05/硫化物(モル/モル)に相当す
る量を加えて未反応混合液を作る。
この未反応混合液と上記PPSKを含んだ反応混合液とを
所定の比に混合し、160〜300℃に加熱して重合反応を行
なうことにより、本発明のブロック共重合体を得ること
ができる。ブロック共重合体の回収および精製は製造方
法(I)と同様にすればよい。
[製造方法(III)] 製造方法(III)は各ブロックを別途形成させておい
て、両者を結合させることからなるものである。
製造方法(I)の反応混合液と製造方法(II)の反応
混合液とを所定の比に混合し、160〜300℃に加熱して重
合反応を行なうことにより、本発明のブロック共重合体
を得ることができる。
ブロック共重合体の回収および精製は製造方法(I)
と同様にすればよい。
また、本発明におけるブロック共重合体には、本発明
の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通
常の添加剤および少量の他種ポリマを添加することがで
き、さらに、ブロック共重合体のPPS部分の架橋度を制
御する目的で、通常の過酸化剤および特開昭59−131650
号公報に記載されているチオホスフィン酸金属塩などの
架橋促進剤または特開昭58−204045号公報、特開昭58−
204046号公報などに記載されているジアルキル錫ジカル
ボキシレート、アミノトリアゾールなどの架橋防止剤を
配合することも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明す
る。
<実施例> 実施例1 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウ
ム三水和物1.36kg(約10モル)およびNMP7.9kgを仕込
み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを
含む留出水約1.5を除去した。残留混合物に1,4−ジク
ロルベンゼン3.75kg(25.5モル)およびNMP2kgを加え、
265℃で4時間加熱して、PPS反応混合液(A)を調製
し、これをオートクレーブから抜出して保存した。同様
の操作を繰返し以下の操作に供した。
オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)およびNMP7.9kgを仕込み、撹拌しなが
ら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含む留出水約1.5
を除去した。残留物に4,4′−ジクロルベンゾフェノ
ン6.28kg(25モル)およびNMPを加え、撹拌しながら冷
却して、未反応混合液(H)を調製し、オートクレーブ
から抜出して保存した。同様の操作を繰返し、以下に記
載の操作に供した。
オートクレーブに反応混合液(A)/未反応混合液
(H)をそれぞれ11.8kg/6.63kg、8.45kg/11.1kg、5.07
kg/15.5kgの比率で仕込み250℃で3時間反応させた。反
応終了後、反応混合液を70℃の温水で5回洗浄し、80℃
で24時間減圧乾燥して、それぞれブロック共重合体(1
−1)、(1−2)および(1−3)を得た。
得られたブロック共重合体について、372℃における
メルトフローレートを測定したところ、第1表に記載し
た通りであった。
また、得られたブロック共重合体について、高温プレ
スで融点より約30℃高い温度で溶融してプレスし、水で
急冷してフィルムを調製し、これをサンプルとして、Tg
およびTmを測定したところ、第1表に記載した通りであ
った。
比較例1 実施例1と全く同じ方法でPPS反応液(A)を調製
し、これを70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24時間減圧
乾燥した。溶融粘度約2,500ポアズ(320℃、剪断速度1,
000秒-1)の粉末状PPS(比較例1)約2kgを得た。
このPPSのTgおよびTmを測定したところ、第1表に記
載した通りであった。
第1表より明らかに、本発明実施例1のブロック共重
合体はTgおよびTmともPPSより高いことがわかる。
実施例2 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)およびNMP7.9kgを仕込み、撹拌しなが
ら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含む留出水約1.5
を除去した。残留物に4,4′−ジクロルベンゾフェノ
ン6.28kg(25モル)およびNMP6kgを加え、250℃で3時
間加熱し、PPSK反応混合液(B)を調製し、これをオー
トクレーブから抜出して保存した。同様の操作を繰返
し、以下に記載の操作に供した。
オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)およびNMP7.9kgを仕込み、撹拌しなが
ら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含む留出水約1.5
を除去した。残留物に1,4−ジクロルベンゼン3.75kg
(25.5モル)およびNMP2kgを加え、撹拌しながら冷却し
て未反応混合液(I)を調製し、オートクレーブから抜
出して保存した。同様の操作を繰返し、以下に記載の操
作に供した。
オートクレーブに反応混合液(B)/未反応混合液
(I)をそれぞれ15.5kg/4.68kg、11.1kg/7.80kg、6.63
kg/10.9kgの比率で仕込み、250℃で8時間反応させた。
反応終了後、実施例1と同様に洗浄、乾燥してそれぞ
れブロック共重合体(2−1)、(2−2)および(2
−3)を得た。得られたブロック共重合体のメルトフロ
ーレート、TgおよびTmは第1表に記載の通りであった。
実施例3 実施例1および2で調製した反応混合液(A)および
(B)をそれぞれ11.8kg/6.63kg、8.45kg/11.1kgおよび
5.07kg/15.5kgの比率で仕込み、250℃で20時間反応させ
た。反応終了後、実施例1と同様に洗浄乾燥して、それ
ぞれブロック共重合体(3−1)、(3−2)および
(3−3)を得た。
得られたブロック共重合体のメルトフローレート、Tg
およびTmは第1表に記載の通りであった。
比較例2 実施例1および2で調製した未反応混合液(H)およ
び(I)をそれぞれ11.1kg/7.80kg、15.5kg/4.68kgの比
率で仕込み、250℃で5時間反応させた。反応終了後、
反応液を実施例1と同様に洗浄、乾燥してそれぞれラン
ダム共重合体(比較例2−1)、(比較例2−2)を得
た。得られたランダム共重合体を実施例1と同様の方法
で測定し、第1表に記載の結果を得た。
実施例4 実施例3で得たブロック共重合体(3−1)および
(3−2)を300〜380℃に設定したスクリュー押出機に
よりペレタイズした。次にペレットを300〜380℃に設定
したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型
温度150℃の条件で試験片を成形した。
得られた試験片について測定した熱変形温度(ASTM
D−648)は第2表に記載の通りであった。
比較例3 比較例1で得られたPPS粉末をそのまま実施例4と同
様の方法でペレタイズ、射出成形を行なった試験片につ
いて評価した熱変形温度は第2表に記載の通りであっ
た。
<発明の効果> 本発明の製造方法により、ブロック共重合体を効率よ
く製造することができる。
また、本発明の製造方法により得られるブロック共重
合体は従来のPPS樹脂よりも耐熱性に優れたものであ
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)を非
    プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベンゼ
    ンおよびアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極性有
    機溶媒を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含む反
    応液を生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化物
    (結晶水を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水
    した後、前記反応液にジハロ芳香族ケトン、アルカリ金
    属硫化物および非プロトン性極性有機溶媒を添加し、加
    熱して、ブロック共重合体を生成させる第2の工程から
    なることを特徴とするポリフェニレンスルフィド部分と
    ポリフェニレンスルフィドケトン部分とからなるブロッ
    ク共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金属硫
    化物を含む非プロトン性極性有機溶媒を加熱して、ポリ
    フェニレンスルフィドケトンを含む反応液を生成させる
    第1の工程と、この反応液にジハロベンゼンを添加し
    て、アルカリ金属硫化物および非プロトン性極性有機溶
    媒の存在下に加熱して、ブロック共重合体を生成させる
    第2の工程からなることを特徴とするポリフェニレンス
    ルフィド部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分と
    からなるブロック共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属硫化物(結晶水を含む)を非
    プロトン性極性有機溶媒中で脱水した後、ジハロベンゼ
    ンおよびアルカリ金属硫化物を含む非プロトン性極性有
    機溶媒を加熱して、ポリフェニレンスルフィドを含む反
    応液を生成させる第一の工程と、アルカリ金属硫化物
    (結晶水を含む)を非プロトン性極性有機溶媒中で脱水
    した後、ジハロ芳香族ケトンおよびアルカリ金属硫化物
    を含む非プロトン性極性有機溶媒を加熱して、ポリフェ
    ニレンスルフィドケトンを含む反応液を生成させる第二
    の工程と、各工程で得られた反応液を混合して加熱して
    ブロック共重合体を生成させる第三の工程からなること
    を特徴とするポリフェニレンスルフィド部分とポリフェ
    ニレンスルフィドケトン部分とからなるブロック共重合
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】ブロック共重合体が、ポリフェニレンスル
    フィド部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分とか
    らなり、372℃におけるメルトフローレートが1〜1,000
    の範囲であるブロック共重合体である請求項(1)〜
    (3)のいずれか記載のブロック共重合体の製造方法。
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