JP2748270B2 - 新規な電荷移動錯体 - Google Patents
新規な電荷移動錯体Info
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- JP2748270B2 JP2748270B2 JP32198988A JP32198988A JP2748270B2 JP 2748270 B2 JP2748270 B2 JP 2748270B2 JP 32198988 A JP32198988 A JP 32198988A JP 32198988 A JP32198988 A JP 32198988A JP 2748270 B2 JP2748270 B2 JP 2748270B2
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- JP
- Japan
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- tcnq
- complex
- charge transfer
- donor
- transfer complex
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電解コンデンサ、帯電防止剤、導電性フィ
ルム、電池、スイッチング素子等の有機電子材料、電子
写真材料および有機光学材料の素材として有用な7,7,8,
8−テトラシアノキノジメタン(以下TCNQという)をア
クセプターとする新規な電荷移動錯体に関するものであ
る。
ルム、電池、スイッチング素子等の有機電子材料、電子
写真材料および有機光学材料の素材として有用な7,7,8,
8−テトラシアノキノジメタン(以下TCNQという)をア
クセプターとする新規な電荷移動錯体に関するものであ
る。
(従来の技術) TCNQは電子を受け入れやすい性質を有する化合物(ア
クセプター)であり、電子を与え易い性質を有する化合
物(ドナー)とから構成される電荷移動錯体が既に多数
合成されている。これらのTCNQ錯体の特徴的な物性は、
TCNQに由来することはもちろんであるが、ドナー物質を
代えることにより変化させることができる。
クセプター)であり、電子を与え易い性質を有する化合
物(ドナー)とから構成される電荷移動錯体が既に多数
合成されている。これらのTCNQ錯体の特徴的な物性は、
TCNQに由来することはもちろんであるが、ドナー物質を
代えることにより変化させることができる。
これらの電荷移動錯体は、加工、成型が容易であると
いう大きな特徴を有しているため、電解コンデンサ、帯
電防止剤、導電性フィルム、電池、スイッチング素子等
の分野に、その利用が期待されている。
いう大きな特徴を有しているため、電解コンデンサ、帯
電防止剤、導電性フィルム、電池、スイッチング素子等
の分野に、その利用が期待されている。
TCNQ錯体の一般的な合成法としては、ヨードイオンの
還元性を利用し、ドナーのヨウ素化物と中性のTCNQを反
応させることによる方法、あるいはドナーのヨウ素化物
とTCNQのリチウム塩とを反応させた後、中性のTCNQをド
ーピングさせる方法(D.S.Acker,W.R.Hertler,J.Am.Che
m.Soc.,84,3370(1962))などがある。
還元性を利用し、ドナーのヨウ素化物と中性のTCNQを反
応させることによる方法、あるいはドナーのヨウ素化物
とTCNQのリチウム塩とを反応させた後、中性のTCNQをド
ーピングさせる方法(D.S.Acker,W.R.Hertler,J.Am.Che
m.Soc.,84,3370(1962))などがある。
(発明が解決しようとする問題点) 前述のようにTCNQと組み合わせるドナーを代えること
によってTCNQ錯体の特性を変化させることが可能であ
り、使用目的に応じた特性を有するTCNQ錯体の開発が強
く望まれている。
によってTCNQ錯体の特性を変化させることが可能であ
り、使用目的に応じた特性を有するTCNQ錯体の開発が強
く望まれている。
本発明はこれらの要望に答えるべく、安価でかつ容易
に合成でき、種々の電気化学的あるいは光化学的材料等
への応用が幅広く期待できる新規なTCNQ錯体を提供する
ことを目的とする。
に合成でき、種々の電気化学的あるいは光化学的材料等
への応用が幅広く期待できる新規なTCNQ錯体を提供する
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、ドナー物質として2個のピリジン架橋
体を使用し、これをTCNQと反応させることにより、優れ
た特性を有するTCNQ錯体が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
体を使用し、これをTCNQと反応させることにより、優れ
た特性を有するTCNQ錯体が得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式 (但し、Rは炭素数8のアルキレン基である)で表わ
される2個のピリジンの架橋体をドナーとし、7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタンをアクセプターとする新規
な電荷移動錯体である。
される2個のピリジンの架橋体をドナーとし、7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタンをアクセプターとする新規
な電荷移動錯体である。
本発明の新規なTCNQ錯体は、下記一般式のように表わ
すことができる。
すことができる。
式中、Rは前記と同一の意味を表わし、xおよびyは
それぞれ錯体中のTCNQアニオンラジカル と中性のTCNQ(TCNQ0)の組成比を表わす。ドナーとア
クセプターの比は1:3ないし1:5であるが、錯体の物性を
考慮すると1:3.5ないし1:4.5であることが好ましい。ま
た、xとyとの比は1:0.5ないし1:2であるが、1:0.9な
いし1:1.1であることが好ましい。
それぞれ錯体中のTCNQアニオンラジカル と中性のTCNQ(TCNQ0)の組成比を表わす。ドナーとア
クセプターの比は1:3ないし1:5であるが、錯体の物性を
考慮すると1:3.5ないし1:4.5であることが好ましい。ま
た、xとyとの比は1:0.5ないし1:2であるが、1:0.9な
いし1:1.1であることが好ましい。
上記一般式で明らかなように本発明の錯体は、ドナー
1分子中に2個の四級窒素が含まれている点で、従来の
TCNQ錯体と大きく構造が異なる。また、炭素数8のアル
キレン基で架橋した錯体の分解点は270℃以上である。
従って耐熱性を必要とする用途への利用が可能であり、
従来に無かった産業上の利用の可能性がある。
1分子中に2個の四級窒素が含まれている点で、従来の
TCNQ錯体と大きく構造が異なる。また、炭素数8のアル
キレン基で架橋した錯体の分解点は270℃以上である。
従って耐熱性を必要とする用途への利用が可能であり、
従来に無かった産業上の利用の可能性がある。
次に本発明のTCNQ錯体の合成法について説明する。ま
ずピリジンとアルキレンジアイオダイドを無溶媒あるい
は適当な溶媒中で反応させることにより2個のピリジン
のN位同士をアルキレン基で架橋したドナーのジヨウ素
化物を得る。しかるのち前記ドナーのジヨウ素化物とTC
NQとをアセトニトリル中にて反応させると、本発明の新
規なTCNQ錯体が得られる。
ずピリジンとアルキレンジアイオダイドを無溶媒あるい
は適当な溶媒中で反応させることにより2個のピリジン
のN位同士をアルキレン基で架橋したドナーのジヨウ素
化物を得る。しかるのち前記ドナーのジヨウ素化物とTC
NQとをアセトニトリル中にて反応させると、本発明の新
規なTCNQ錯体が得られる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例 1,8−オクタメチレン−ジアイオダイド5.90g、ピリジ
ン2.55gおよびアセトニトリル10mlを還流冷却器および
撹拌器のついたフラスコに入れ還流下で1時間反応させ
た。反応終了後室温まで冷却し、結晶をろ別しエチルエ
ーテルで洗浄することにより、N,N′−1,8−オクタメチ
レン−ジピリジニウム−ジアイオダイド7.24gを得た。
この物質の物性値等を第1表に示す。第1表中のNMRの
測定溶媒、CDCl3-DMSO-d6を使用した。
ン2.55gおよびアセトニトリル10mlを還流冷却器および
撹拌器のついたフラスコに入れ還流下で1時間反応させ
た。反応終了後室温まで冷却し、結晶をろ別しエチルエ
ーテルで洗浄することにより、N,N′−1,8−オクタメチ
レン−ジピリジニウム−ジアイオダイド7.24gを得た。
この物質の物性値等を第1表に示す。第1表中のNMRの
測定溶媒、CDCl3-DMSO-d6を使用した。
次いでTCNQ6.00gと、アセトニトリル210mlとを還流冷
却器および撹拌器のついたフラスコに入れ加熱し、これ
にN,N′−1,8−オクタメチレン−ジピリジニウム−ジア
イオダイド5.78gを添加した。添加後1時間加熱還流を
行ない、反応させた。反応終了後室温まで冷却し、結晶
をろ別し、メチルアルコールで洗浄することにより、N,
N′−1,8−オクタメチレン−ジピリジニウム・TCNQ錯体
7.65gを得た。得られた錯体の元素分析の結果等を第2
表に示す。なお第2表中の電導度は加圧成型試料を用い
て二端子法で測定した。
却器および撹拌器のついたフラスコに入れ加熱し、これ
にN,N′−1,8−オクタメチレン−ジピリジニウム−ジア
イオダイド5.78gを添加した。添加後1時間加熱還流を
行ない、反応させた。反応終了後室温まで冷却し、結晶
をろ別し、メチルアルコールで洗浄することにより、N,
N′−1,8−オクタメチレン−ジピリジニウム・TCNQ錯体
7.65gを得た。得られた錯体の元素分析の結果等を第2
表に示す。なお第2表中の電導度は加圧成型試料を用い
て二端子法で測定した。
(発明の効果) 本発明のTCNQ錯体はドナー1分子中に四級窒素を2個
含んでいること、錯体の分解点が高いという特徴を有し
ていることから、有機電子材料、電子写真材料および有
機光学材料の素材として従来にない新しい用途への利用
が可能である。
含んでいること、錯体の分解点が高いという特徴を有し
ていることから、有機電子材料、電子写真材料および有
機光学材料の素材として従来にない新しい用途への利用
が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−136617(JP,A) 特開 昭55−29801(JP,A) Mol.Cryst.Liq.Cry st.,Vol.137,p.191−202 (1986) 化学工学,Vol.48,No.3, p.212−218(1984) SANYO TECHNICAL R EVIEW,Vol.17,No.1, p.90−94(1985)
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式 (但し、Rは炭素数8のアルキレン基である)で表わさ
れる2個のピリジンの架橋体をドナーとし、7,7,8,8−
テトラシアノキノジメタンをアクセプターとする新規な
電荷移動錯体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32198988A JP2748270B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規な電荷移動錯体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32198988A JP2748270B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規な電荷移動錯体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02169575A JPH02169575A (ja) | 1990-06-29 |
JP2748270B2 true JP2748270B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=18138679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32198988A Expired - Lifetime JP2748270B2 (ja) | 1988-12-22 | 1988-12-22 | 新規な電荷移動錯体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2748270B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180226583A1 (en) * | 2015-07-31 | 2018-08-09 | Cambridge Display Technology Limited | Charge transfer salt, electronic device and method of forming the same |
GB2545499A (en) | 2015-12-18 | 2017-06-21 | Cambridge Display Tech Ltd | Dopant, charge transfer salt and organic electronic device |
-
1988
- 1988-12-22 JP JP32198988A patent/JP2748270B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vol.137,p.191−202(1986) |
SANYO TECHNICAL REVIEW,Vol.17,No.1,p.90−94(1985) |
化学工学,Vol.48,No.3,p.212−218(1984) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02169575A (ja) | 1990-06-29 |
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