JP2748060B2 - 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法 - Google Patents

自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法

Info

Publication number
JP2748060B2
JP2748060B2 JP3268400A JP26840091A JP2748060B2 JP 2748060 B2 JP2748060 B2 JP 2748060B2 JP 3268400 A JP3268400 A JP 3268400A JP 26840091 A JP26840091 A JP 26840091A JP 2748060 B2 JP2748060 B2 JP 2748060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rear axle
axle housing
automobile
load
tensile stress
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3268400A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0578739A (ja
Inventor
有文 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Jidosha Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hino Jidosha Kogyo KK filed Critical Hino Jidosha Kogyo KK
Priority to JP3268400A priority Critical patent/JP2748060B2/ja
Publication of JPH0578739A publication Critical patent/JPH0578739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2748060B2 publication Critical patent/JP2748060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のリヤアクスル
ハウジングの疲れ強さを向上させる強化方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車に用いられているリヤアクスルハ
ウジングの下面には、車両重量による引張応力が加わる
と共に、走行にともなう動荷重が加わる。このように過
酷な条件で使用されるリヤアクスルハウジングの強度を
高くするために、従来ではリヤアクスルハウジングを焼
入れした後、比較的高い温度に焼もどしてトルースタイ
トまたはソルバイト組織にするという調質を行なうこと
が多かった。
【0003】ところが、このような調質には多大な時間
を必要とする焼入れ、焼もどしをする必要性があるので
加工効率が悪い。さらに、必ずしも強化する必要性のな
い部分までをも強化の必要な部分と同様に加熱する必要
性があり、しかも、自動車の重量を軽減すべくリヤアク
スルハウジングを薄肉軽量化すると、これにともなって
強度が低下するという不具合があった。
【0004】また、このような不具合を解決するため
に、例えば特開昭59−24543号公報に見られるよ
うに、リヤアクスルハウジングを鋳物で構成し、各部を
機械加工した後にこのリヤアクスルハウジングの表面に
ショットピーニングを施すことも有効である。
【0005】しかしながら、近年のように軽量化を強い
られるにもかかわらず強度の向上が望まれる場合は、シ
ョットピーニングを施すのみでは必ずしも充分な強化を
行ない得ないという不具合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状に鑑みてなされたものであり、重量の増加をもたらす
ことなく自動車用リヤアクスルハウジングの疲れ強さを
向上させることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、上面にスプリングシートを形成した自動車
用リヤアクスルハウジングの両端をそれぞれ支点で支え
て前記スプリングシートに圧縮荷重を加えつつ、該リヤ
アクスルハウジングの下面にショットピーニングを施す
ことを特徴としている。
【0008】
【作用】両端で支持されたリヤアクスルハウジングの上
面に形成されているスプリングシートに圧縮荷重を加え
ると、この荷重がリヤアクスルハウジングに曲げ外力と
して加わるために、このリヤアクスルハウジングの下面
に引張応力が発生する。そして、このようにして引張応
力が与えられているリヤアクスルハウジングの下面にシ
ョットピーニングを施してその表面層を展延させた後に
スプリングシートへの荷重を取り除くと、リヤアクスル
ハウジングの下面に高い圧縮残留応力が残される。
【0009】このために、本発明による強化処理を施し
たリヤアクスルハウジングを用いた自動車によれば、車
体重量によりリヤアクスルハウジングの下面に発生しよ
うとする引張応力が前記圧縮残留応力で効果的にキャン
セルされることになり、リヤアクスルハウジングの疲れ
強さが一段と高くなる。従って、リヤアクスルハウジン
グの重量の増加をともなうことなくその疲れ強さを高く
することができ、あるいは、疲れ強さを低下させること
なくリヤアクスルハウジングを薄肉軽量化することがで
きる。
【0010】
【実施例】図1は本発明に係る自動車用リヤアクスルハ
ウジングの強化方法による加工状況の一例を示した概略
正面図であり、バンジョウ型をなす自動車用リヤアクス
ルハウジング1の両端にはアクスルパイプ2、2を設け
ると共に、このリヤアクスルハウジング1の上面1aに
スプリングシート3、3を形成することにより、このス
プリングシート3、3に取付けたスプリング(図示省
略)を車体に取付けるようにしている。4、4はスプリ
ングシート3、3に対応してリヤアクスルハウジング1
の上面1aに設けたスプリング取付け用のアーム、5、
5はリヤアクスルハウジング1の下面1bに設けたトル
クロッド取付け用のアームである。
【0011】上記構成になるリヤアクスルハウジング1
の疲れ強さを向上させるために、本発明では前記アクス
ルパイプ2、2の下面を支点6、6上に載置した状態で
下方に向う荷重Pを前記スプリングシート3、3に加え
ることにより、この荷重Pを曲げ外力として機能させて
リヤアクスルハウジング1の下面1bに引張応力を与え
ている。
【0012】そして、このようにして引張応力が与えら
れたリヤアクスルハウジング1の下面1bにショットピ
ーニングを施して表面硬化を行なわせるようにしてい
る。7、7は噴射されるショットである。
【0013】すなわち、リヤアクスルハウジング1の下
面1bに引張応力を与えた状態でこの下面1bにショッ
トピーニングを施すようにしているために、リヤアクス
ルハウジング1の下面1bの表面層がショット7、7と
の衝突によって塑性変形を受ける。このために、ショッ
トピーニングの終了にともなって外力Pを除去(除荷)
すると、このリヤアクスルハウジング1の下面1bに大
きな圧縮応力が残されることになる。
【0014】従って、このようにして強化されたリヤア
クスルハウジング1を組付けた自動車においては、車両
重量によってリヤアクスルハウジング1の下面1bに引
張応力が加わり、かつ、走行にともなってこの下面1b
に動的応力を受けたとしても、前記車重等による引張応
力が前記圧縮残留応力で効果的にキャンセルされること
になり、リヤアクスルハウジング1の疲れ強さが一段と
高くなる。
【0015】このために、リヤアクスルハウジング1の
重量の増加をともなうことなくその疲れ強さを高くする
ことができ、あるいは、疲れ強さを低下させることなく
リヤアクスルハウジング1を薄肉軽量化することができ
る。
【0016】また、リヤアクスルハウジング1の両端
(アクスルパイプ2、2)を支点としてスプリングシー
ト3、3に圧縮荷重を与えてその下面に引張荷重を発生
させるようにしているために、例えばリヤアクスルハウ
ジング1の全体に引張荷重を与える場合に対比して荷重
装置を小型簡略化することができるとともに、リヤアク
スルハウジングの支持安定性が高くなり、しかも、リヤ
アクスルハウジング1の下面1bに生じさせた引張応力
の分布状態を車重により発生する引張応力の分布状態と
近似させることができる。従って、他の部分を支点とし
て荷重Pを加え、あるいは他の方法によってリヤアクス
ルハウジング1の下面に引張応力を生じさせた場合に比
較してより理想に近い状態の圧縮残留応力の分布を得る
ことができ、過不足のない強化を経済的に行なうことが
できる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、加工効率の悪い調質を行なうことなく必要性の
ある部分のみを効率的に強化することができるために、
重量の増加をともなうことなくリヤアクスルハウジング
の疲れ強さを大幅に向上させることができ、あるいは、
リヤアクスルハウジングを薄肉軽量化して自動車の車体
重量を軽減することができる。また、リヤアクスルハウ
ジングの両端を支点としてスプリングシートに圧縮荷重
を与えてその下面に引張荷重を発生させるようにしてい
るために、例えばリヤアクスルハウジングの全体に引張
荷重を与える場合に対比して荷重装置を小型簡略化する
ことができるとともに、リヤアクスルハウジングの支持
安定性を高くすることができ、しかも、リヤアクスルハ
ウジングの下面に生じさせた引張応力の分布状態を車重
により該ハウジングの下面に発生する引張応力の分布状
態と近似させることができるために、より理想に近い状
態の圧縮残留応力の分布を得ることができ、過不足のな
い強化を経済的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用リヤアクスルハウジング
の強化方法による加工状況の一例を示した概略正面図で
ある。
【符号の説明】
1 リヤアクスルハウジング 1a 上面 1b 下面 2 アクスルパイプ 3 スプリングシート 6 支点 7 ショット P 荷重

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面にスプリングシートを形成した自動
    車用リヤアクスルハウジングの両端をそれぞれ支点で支
    えて前記スプリングシートに圧縮荷重を加えつつ、該リ
    ヤアクスルハウジングの下面にショットピーニングを施
    ことを特徴とする自動車用リヤアクスルハウジングの
    強化方法。
JP3268400A 1991-09-19 1991-09-19 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法 Expired - Lifetime JP2748060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3268400A JP2748060B2 (ja) 1991-09-19 1991-09-19 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3268400A JP2748060B2 (ja) 1991-09-19 1991-09-19 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0578739A JPH0578739A (ja) 1993-03-30
JP2748060B2 true JP2748060B2 (ja) 1998-05-06

Family

ID=17457953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3268400A Expired - Lifetime JP2748060B2 (ja) 1991-09-19 1991-09-19 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2748060B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101817289B (zh) * 2010-05-12 2013-09-04 江西江铃底盘股份有限公司 一种汽车从动后桥壳总成的连接结构

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4537622B2 (ja) * 2001-06-19 2010-09-01 新日本製鐵株式会社 鋼管柱基部及び鋼管柱基部の強化方法
JP4537621B2 (ja) * 2001-06-19 2010-09-01 新日本製鐵株式会社 鋼管柱基部及び鋼管柱基部の強化方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5924543A (ja) * 1982-07-31 1984-02-08 Hino Motors Ltd リヤアクスルハウジングの製造方法
JP2803861B2 (ja) * 1989-10-05 1998-09-24 新日本製鐵株式会社 極細鋼線の張力下ショットピーニング方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101817289B (zh) * 2010-05-12 2013-09-04 江西江铃底盘股份有限公司 一种汽车从动后桥壳总成的连接结构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0578739A (ja) 1993-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5722165A (en) Method of producing a cast wheel
US6196530B1 (en) Method of manufacturing stabilizer for motor vehicles
US8424890B2 (en) Hollow shaft connection device
WO2009139379A1 (ja) 異形断面筒状部材のプレス成形方法とこのプレス成形方法により成形した異形断面筒状部材
JP2748060B2 (ja) 自動車用リヤアクスルハウジングの強化方法
JP6236291B2 (ja) サスペンションアームの製造方法
KR20090070181A (ko) 자동차용 너클 제조 방법
JP6367555B2 (ja) 中空部材の製造方法
US4365824A (en) Stabilizer for vehicle
JP2748058B2 (ja) 自動車用フロントアクスルビームの強化方法
CN110740884B (zh) 车辆用转向节
JP2016222237A (ja) 鉄道車両用車体支持装置
Özbay et al. Aluminium high pressure die casting application on rear frame rails
JPH06116630A (ja) 自動車ボデーの焼入れ方法
Ramasubramanian et al. Lightweight material for weight reductions in an automotive suspension part lower link
JP7500477B2 (ja) 車体の製造方法
JPH07113125B2 (ja) 高靭性球状黒鉛鋳鉄鋳物の製造方法
JPH0321501A (ja) フロントアクスルの製造方法
KR100264655B1 (ko) 자동차용 현가장치의 프론트로어암
JPH04147942A (ja) フェライト系球状黒鉛鋳鉄鋳物及びその製造方法
Dinda et al. High Strength Steels in Production Automobiles
KR200350845Y1 (ko) 튜브형 액슬빔을 구비한 자동차의 후방현가장치
JP4461355B2 (ja) エアリーフサスペンション
KR100872635B1 (ko) 승용차의 프론트 서스펜션 구조
KR100217669B1 (ko) 미드쉽엔진승용차용 프론트쇽업쇼바의 설치구조