JP2745447B2 - ファクシミリ通信方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、送信局から送信された
画情報を中継局で一旦蓄積し、指定された転送局に転送
するファクシミリ通信方法に関する。 【０００２】 【従来の技術】近年、ファクシミリ装置に画情報を蓄積
する蓄積機能を備えて、各種の有用な機能が実現されて
おり、その１つに中継機能がある。 【０００３】この中継機能は、送信装置から指定された
１つ以上の中継宛先に、当該送信装置から受信して蓄積
した画情報を順次転送するものであり、送信装置から遠
隔地の複数のファクシミリ装置に画情報を伝送するとき
の通信コストを削減することができる（いわゆる中継同
報機能）。 【０００４】さて、ファクシミリ装置は、装備されてい
るスキャナやプロッタの性能によって、送受信可能な画
情報の解像度（主走査方向の読み取り解像度と副走査方
向の読み取り線密度）およびサイズが制限されている。 【０００５】したがって、画情報を解像度が大きい状態
で大きなサイズの原稿まで読み取ることのできるファク
シミリ装置が、より解像度が小さく記録可能な原稿サイ
ズが小さいファクシミリ装置に対して画情報を伝送する
場合、解像度およびサイズを受信装置に対応して変換し
た状態で画情報を伝送している。 【０００６】そのため、中継装置が受信可能な画情報の
解像度およびサイズが、送信装置が送信可能なそれに比
べて小さい場合、送信装置によって解像度が低減される
とともにサイズが縮小された状態で画情報が伝送され
る。 【０００７】通常、解像度の変換は、画情報を間引いた
り、隣接する画素間で論理和を形成することでなされる
ため、変換後の解像度で読み取ったときに較べて画質が
低下する傾向にある。また、画情報のサイズの縮小（変
倍）も、同様な処理によって実現されているので、同様
に、変倍後の画像の画質が低下する傾向にある。 【０００８】ところで、中継先のファクシミリ装置で受
信可能な画情報の解像度およびサイズが送信装置と同等
である場合であっても、中継装置で解像度変換されたり
変倍された状態の画情報が中継先に伝送される。 【０００９】 【発明が解決しようとする課題】このため、従来、送信
装置と受信装置（中継先）が送受信可能な画情報の解像
度およびサイズが大きい場合でも、中継装置が送受信可
能な画情報の解像度およびサイズが小さい場合には、結
果的に画質が低下した画情報が中継先で受信されるとい
う不都合を生じていた。 【００１０】本発明は、かかる従来技術の不都合を解消
するためになされたものであり、送信装置の画質のまま
受信装置に中継できるファクシミリ通信方法を提供する
ことを目的としている。 【００１１】 【課題を解決するための手段】本発明は、送信局から送
信された画情報を中継局で一旦蓄積し、指定された転送
局に転送するファクシミリ通信方法において、画情報の
送受信に先立って行われる伝送前手順において、中継局
は送信局に対して自端末の有する受信可能パラメータと
記録可能パラメータを通知し、上記通知を受けた送信局
は、転送局への転送を行う場合には、上記受信可能パラ
メータに基づいて通信パラメータを決定する一方、転送
局への転送を行わず中継局での画情報の記録出力を行う
場合には、上記記録可能パラメータに基づいて通信パラ
メータを決定し、決定された通信パラメータに基づいて
送信局から中継局に画情報の送信を行うようにしたもの
である。 【００１２】 【作用】したがって、送信局が中継局を経由した転送を
希望する場合には、受信可能パラメータに基づいて通信
パラメータを決定するため、中継局の有する性能によっ
て画情報が受ける制約を最小限に抑制することができ
る。また、送信局が中継局への通常の送信を希望する場
合には、記録可能パラメータに基づいて通信パラメータ
を決定するため、適切な形態で確実に画情報を送信する
ことが可能となる。 【００１３】 【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例を詳細に説明する。 【００１４】図１は、本発明の一実施例にかかるファク
シミリ中継装置を示している。 【００１５】同図において、システム制御部１はこのフ
ァクシミリ中継装置全体を制御するものであり、スキャ
ナ２は原稿画像を所定の解像度で読み取るためのもので
あり、プロッタ３は受信画像等を所定の解像度で記録出
力するためのものであり、画像メモリ４は圧縮された状
態の受信画情報を蓄積するとともに、その蓄積した画像
データファイルを管理するための各種の管理情報を記録
するものである。 【００１６】この画像メモリ４は、例えば図２（ａ）に
示すように、その一部が管理情報を記憶するための管理
情報領域に設定され、その他の部分が受信画情報を蓄積
するための画情報領域に設定されている。画情報領域に
は、同図（ｂ）に示すように、受信した画情報が順次フ
ァイル番号を割り当てられた状態で蓄積されている。こ
れらのファイルを管理するための管理情報は、同図
（ｃ）に示すように、ファイル番号、当該ファイル番号
のファイルが蓄積されている画情報領域の先頭番地、１
つ以上の中継宛先からなる宛先情報、当該ファイルの画
情報の解像度をあらわす解像度情報、および、画情報の
サイズ（幅）をあらわすサイズ情報からなる。 【００１７】操作表示部５は各種の操作キーと、操作の
ガイダンス情報等を表示するための表示自由度の大きい
表示器等からなり、画像処理部６は、画像メモリ４に蓄
積している受信画情報の解像度を変換するとともにサイ
ズを変倍する画像処理を行なうものであり、符号化復号
化部７ａ，７ｂは画像データを符号化圧縮するとともに
符号化圧縮された画像データを元の画像データに復号化
するものである。 【００１８】通信制御部８は所定のファクシミリ伝送制
御手順を実行して相手局と画像伝送を実行するものであ
り、モデム９はアナログ回線網である公衆電話回線網等
を伝送回線として用いることができるようにデジタルデ
ータを変復調するものであり、網制御装置１０はファク
シミリ装置を公衆電話回線網に接続するためのものであ
る。なお、この網制御装置１０は自動発着信機能を備え
ている。 【００１９】そして、これらのシステム制御部１、スキ
ャナ２、プロッタ３、画像メモリ４、操作表示部５、画
像処理部６、符号化復号化部７ａ，７ｂ、および、通信
制御部８は、バスライン１１を介して相互にデータをや
りとりしている。 【００２０】以上の構成で、このファクシミリ中継装置
に他のファクシミリ装置から中継依頼がなされるとき、
まず、送信装置から発呼されると、図３に示すように、
ファクシミリ中継装置は被呼局識別信号ＣＥＤを応答し
て自端末が非音声端末（ファクシミリ端末装置）である
ことを表明したのちに、特別に備えている機能をあらわ
す非標準装置信号ＮＳＦと標準的な機能を備えているこ
とをあらわすデジタル識別信号ＤＩＳをそれぞれファク
シミリ送信装置に応答する。 【００２１】この非標準装置信号ＮＳＦには、図４に示
すように、受信可能な画情報の最大の解像度をあらわす
受信可能最大解像度情報と、プロッタ３で記録可能な画
情報の最大の解像度をあらわす記録可能最大解像度情報
と、受信可能な画情報の最大のサイズをあらわす受信可
能最大サイズ情報と、プロッタ３で記録可能な画情報の
最大のサイズをあらわす記録可能最大サイズ情報と、フ
ァクシミリ中継装置に装備されている機能（例えば中継
機能や同報機能等）の内容を示す機能情報などが含まれ
る。ここで、受信可能最大解像度情報としては、送信装
置がとりうると予期される最大の解像度（例えば主走査
方向が１６ドット／ｍｍ、副走査方向が１５．４ライン
／ｍｍ）が設定され、受信可能最大サイズ情報として
は、送信装置が送信可能と予期される最大のサイズ（例
えばＡ３判）が設定される。 【００２２】ファクシミリ送信装置は、非標準装置信号
ＮＳＦに含まれているそれらの各種情報を識別してファ
クシミリ中継装置の機能を判別する。この場合には、受
信可能最大解像度と受信可能最大サイズが、自端末で処
理できる画情報の解像度およびサイズよりも小さくない
ので、非標準装置設定信号ＮＳＳにより、自端末で読み
取った画情報の解像度とサイズを指定するとともに、１
つ以上の中継宛先を通知する。なお、中継宛先を指定す
るとき、ファクシミリ中継装置を中継宛先に含めること
ができる。 【００２３】これ以降は、通常のファクシミリ伝送が実
行される。 【００２４】これにより、ファクシミリ送信装置で読み
取ったそのままの状態で、画情報がファクシミリ中継装
置に受信される。そして、ファクシミリ中継装置では、
非標準装置設定信号ＮＳＳによって指定された解像度、
サイズおよび中継宛先を記憶するとともに、受信した画
情報を画像メモリ４の画情報領域に蓄積する。また、こ
のときに上述した管理情報を形成して、画像メモリ４の
管理情報領域に蓄積する。 【００２５】さて、このようにして画情報の受信を完了
すると、ファクシミリ中継装置のシステム制御部１は、
まず、受信した画情報の管理情報に含まれている宛先情
報を１つ読み出し、自端末をあらわすものであるかどう
かを判断する。 【００２６】ここで、それが他のファクシミリ装置をあ
らわしているとき、その宛先情報に対応した電話番号で
宛先を発呼し、画像メモリ４に蓄積している画情報をそ
の宛先に伝送する。 【００２７】このとき、上述と同様に、画情報の伝送前
手順において、宛先が受信可能な画情報の解像度とサイ
ズが通知される。この宛先の解像度とサイズが、伝送す
る画情報の管理情報に含まれている解像度情報とサイズ
情報と同一かそれよりも大きい場合には、蓄積している
画情報をそのままの状態で宛先のファクシミリ受信装置
に伝送する。 【００２８】また、宛先の解像度とサイズが、伝送する
画情報の管理情報に含まれている解像度情報とサイズ情
報よりも小さい場合には、システム制御部１は、まず、
伝送する画情報の変換前の解像度と変換後の解像度、お
よび、伝送する画情報の変換前のサイズと変換後のサイ
ズをそれぞれ画像処理部６に通知して画像処理部６をセ
ットアップする。 【００２９】この状態で、伝送する画情報を符号化復号
化部７ａによって一旦元の画像データに復号し、その画
像データを画像処理部６に転送して受信装置に適合した
解像度とサイズに変換し、その変換後の画像データを符
号化復号化部７ｂによって受信装置に適合した符号化方
式で符号化したのちに、通信制御部８に転送する。 【００３０】このようにして、宛先のファクシミリ受信
装置に適合した画情報が伝送されて、宛先に受信され
る。 【００３１】また、受信した画情報の管理情報に含まれ
ている宛先情報に自端末をあらわすものが含まれている
ときには、その管理情報に含まれている解像度情報とサ
イズ情報が、プロッタ３で記録可能な解像度とサイズと
同一かそれよりも小さい場合には、その画情報を符号化
復号化部７ａによって元の画像データに復号したのち
に、その画像データをそのままの状態でプロッタ３に転
送して受信画像を記録出力させる。 【００３２】これに対し、受信した画情報の管理情報に
ふくまれている解像度情報とサイズ情報がプロッタ３で
記録可能な解像度とサイズよりも大きい場合には、シス
テム制御部１は、上述と同様にして画像処理部６をセッ
トアップしたのちに、その画情報を符号化復号化部７ａ
によって元の画像データに復号し、その画像データを画
像処理部６に転送して記録可能な解像度とサイズに変換
し、その変換後の画像をプロッタ３に転送して受信画像
を記録出力させる。 【００３３】このように、宛先として自端末が指定され
ている場合には、プロッタ３から受信した画像が記録出
力される。 【００３４】ところで、このファクシミリ中継装置が直
接受信装置として指定されるときには、ファクシミリ送
信装置は、非標準装置信号ＮＳＦに含まれている記録可
能最大解像度情報と記録可能サイズ情報、あるいは、デ
ジタル識別信号ＤＩＳに含まれている解像度情報とサイ
ズ情報を参照し、必要があれば伝送する画情報をファク
シミリ中継装置（受信装置）が直接記録できる解像度と
サイズに変換し、その変換後の画情報を伝送する。 【００３５】したがって、このときには、ファクシミリ
中継装置のシステム制御部１は、受信した画情報を符号
化復号化部７ａで元の画像データに復号し、その画像デ
ータをプロッタ３に転送して受信画像を記録出力させ
る。 【００３６】なお、上述した実施例では、ファクシミリ
中継装置に２つの符号化復号化部を備えているが、１つ
の符号化復号化部によって同様な機能を実現することも
できる。ただし、その場合には、中間で形成される画像
データを画像メモリに一時的に蓄積する必要がある。 【００３７】また、本発明は、上述したファクシミリ中
継装置以外に、例えば、自端末に装備されているプロッ
タが故障したとき、受信した画情報を予め設定されてい
る別のファクシミリ装置に転送して、その転送先のファ
クシミリ装置のプロッタに記録出力させる場合等にも適
用できる。 【００３８】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
送信局が中継局を経由した転送を希望する場合には、受
信可能パラメータに基づいて通信パラメータを決定する
ため、中継局の有する性能によって画情報が受ける制約
を最小限に抑制することができるという効果を得る。ま
た、送信局が中継局への通常の送信を希望する場合に
は、記録可能パラメータに基づいて通信パラメータを決
定するため、適切な形態で確実に画情報を送信すること
が可能となるという効果も得る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施例にかかるファクシミリ中継装
置を例示したブロック図。 【図２】画像メモリの内容および画情報領域の記憶状態
を例示した概略図。 【図３】伝送前手順の一例を示すタイムチャート。 【図４】非標準装置信号の内容例を示す信号配置図。 【符号の説明】 １ システム制御部 ３ プロッタ ４ 画像メモリ ６ 画像処理部 ７ａ，７ｂ 符号化復号化部 ８ 通信制御部

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．送信局から送信された画情報を中継局で一旦蓄積
   し、指定された転送局に転送するファクシミリ通信方法
   において、 画情報の送受信に先立って行われる伝送前手順におい
   て、中継局は送信局に対して自端末の有する受信可能パ
   ラメータと記録可能パラメータを通知し、 上記通知を受けた送信局は、転送局への転送を行う場合
   には、上記受信可能パラメータに基づいて通信パラメー
   タを決定する一方、転送局への転送を行わず中継局での
   画情報の記録出力を行う場合には、上記記録可能パラメ
   ータに基づいて通信パラメータを決定し、 決定された通信パラメータに基づいて送信局から中継局
   に画情報の送信を行うことを特徴とするファクシミリ通
   信方法。