JP2745440B2 - 溶接鋼管の製造方法 - Google Patents
溶接鋼管の製造方法Info
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Description
に延びている溶接鋼管の製造プロセスにおいて、アズロ
ール材のままで曲げ加工や拡管加工等の加工性に優れ、
自動車排気系材料等の用途に供し得る溶接鋼管の製造方
法に関する。
トマニホールド、マフラー用鋼管に代表されるように、
曲げ加工や拡管加工等の過酷な加工特性が要求される。
素材の成分系は、11Cr系のSUH409 L等の耐熱鋼
或いは18Cr系のSUS430等のステンレス鋼が耐高
温特性の点から一般的に用いられている。自動車排気系
材料用鋼管としては、帯板を連続的にロール成形して円
筒状に成形し、突合わせた継目を溶接する溶接鋼管が主
に用いられている。従来法における溶接鋼管の代表的な
製造プロセスを図1に示す。エッジベンドロール1、ブ
レイクダウンロール2、サイドロール3、フィンパスロ
ール4により、帯板を順次円筒状に成形し、スクイズロ
ール5によりエッジの溶接を行い、最終のサイジングロ
ールにて定型、真円成形して製造される。このような製
造プロセスで製造される自動車排気系材料用鋼管は、厳
しい曲げ加工や拡管加工が要求される場合、造管した鋼
管を熱処理して製品としていた。
は、エッジベンドロール1からサイドロール3に至る上
流成形域の問題点として、図2に示すように、スタンド
間での帯板のスプリングバックが大きく、また、ブレイ
クダウンロール2にてステップ的に成形されて、曲げ成
形には不要な付加的ひずみが加えられ、材料の加工硬化
を大きくする原因となっている。
ルでは、パイプの真円度向上のため、素管の円周方向に
過大な絞り成形が加えられ、材料の加工硬化を大きくす
る原因となっている。
ロールの最前段のエッジベンドロールからサイザーロー
ルまでの各ロールのロールスロート周速度(=ロールス
ロート径×円周率(π)×ロール回転数(rpm ) )を徐
々に上げ、材料の長手方向にテンションを付加しながら
造管しているため、材料が長手方向に伸ばされ加工硬化
を大きくする原因となっている。
管過程では、パイプの加工性が著しく劣化し、熱処理が
必要となっていた。
要因の影響について解析し、各成形要因の設定条件を把
握し、必要最小限の成形ひずみで造管することにより、
アズロール材のままで曲げ加工や拡管加工等の加工性に
優れた溶接鋼管を提供し、熱処理省略による製造コスト
削減を目的とする。
は、帯板を連続的にロール成形して素管を成形し、突合
わせた継目を溶接する溶接鋼管の製造方法において、帯
板を平板から円弧状の粗素管に成形する過程に、帯板長
手方向のロール間隔が鋼管外径に対してなす比を 5倍以
下にならしめたケージロール群を配設して帯板エッジを
連続的に拘束するとともに、該ケージロール群の下流に
配設したフィンパスロール群の素管円周方向のトータル
リダクションを 1%以下とし、更に該フィンパスロール
群の下流に配設したサイジングロール群の素管円周方向
のトータルリダクションを1%以下として造管するよう
にしたものである。
載の本発明において更に、帯板成形ロールの最前段のエ
ッジベンドロールに対してサイザーロールまでの成形ロ
ールのロールスロート周速度(=ロールスロート径×円
周率(π)×ロール回転数(rpm))の増加率を100 〜10
5 %として造管するようにしたものである。
の加工硬化を抑制する方法として、ブレイクダウンロー
ル等成形ロールのスタンド間での材料のスプリングバッ
クに着目し、このスプリングバックを抑制する対策とし
て、成形ロールスタンドの間隔を縮小化することを考え
たが、各スタンドのハウジングのコンパクト化には限界
があり、各スタンド同士が干渉し、大幅なスタンド間隔
の縮小は望めないことを認めた。そこで、図3に示すよ
うな帯板を平板から円弧状の粗素管に成形する上流成形
過程にケージロール群を配設したケージロール成形方式
ミルにおいて、該ケージロールの帯板長手方向のロール
間隔と最終ケージロール出側における材料の伸び特性
(JIS13B引張試験片…エッジ部より長手方向試験片採
取)の関係を調査した。尚、図3のケージロール成形方
式ミルにおいては、エッジベンドロール11、センター
ベンドロール12、ケージロール13、フィンパスロー
ル14により、帯板を順次円筒状に成形し、スクイズロ
ール15によりエッジの溶接を行い、最終のサイジング
ロールにて定型、真円成形する。実験に用いた材料は、
SUH409 L鋼、パイプサイズは、外径38.1φ×肉厚
2.0tである。結果を図4に示すが、[ロール間隔/鋼
管外径]の比Kが5を超えるとロール間での材料のスプ
リングバックが大きくなり材料の伸び値が顕著に低下
し、逆にKが5以下ではスプリングバックが小さく材料
伸びの低下量が小さくなることから、適正K値を5以下
とした。
ルにおける材料の加工硬化抑制対策について検討した。
図5に、フィンパスロール及びサイザーロールの素管円
周方向トータルリダクションと各スタンド出側における
材料の伸び特性(JIS13B引張試験片…エッジ部より長手
方向試験片採取)の関係を調査した。図5に示すよう
に、フィンパスロール及びサイザーロールともにトータ
ルリダクションの増加とともに伸び値が低下する傾向に
あり、フィンパスロール及びサイザーロールともに 1%
を超えるトータルリダクションを付加すると伸び値が顕
著に低下することから、フィンパスロール及びサイザー
ロールの適正トータルリダクションをそれぞれ1%以下
とした。
クションの軽減は、ロールとロール軸のはめ合い精度の
高精度化(公差h6 )、ロールスタンドのバッククラッ
シ除去対策等、ロールスタンドを高精度化すること(ロ
ールとロール軸のはめ合い精度の向上(公差h6 )、ス
タンドのチョック部、圧下スクリュー部のバッククラッ
シ除去)により可能となる。
ンドロールのロールスロート周速度(=ロールスロート
径×円周率(π)×ロール回転数(rpm))に対してサイ
ザーロールまでの成形ロールのロールスロート周速度増
加率を変化させ、JIS11 号試験における製品パイプの伸
び特性に与える影響を調査した。図6に示すように、ロ
ールスロート周速度増加率が大きくなると造管中に材料
が長手方向に伸ばされ、パイプの伸び値は低下する傾向
にあることがわかった。ロールスロート周速度増加率が
105 %を超えると伸び値の低下量が約 5%以上にまで大
きくなり、ロールスロート周速度増加率が100 %より小
さくなると押し込み成形となって造管速度の変動が大き
くなるため、適正ロールスロート周速度増加率を100 〜
105 %とした。
り、パイプサイズ:外径38.1mmφ×肉厚2.0mmt、鋼種:
SUH409 L及びSUS430 LXを造管し、パイプの伸
び特性及びパイプの曲げ加工性、拡管加工性を調査し
た。実施例では、ケージロールのロール間隔を150mm 、
フィンパストータルリダクションを0.3 %、サイザート
ータルリダクションを 1%とした。比較のため、図1に
示す構成の従来ミルで造管したパイプの特性と比較し
た。従来ミルでのフィンパストータルリダクション及び
サイザートータルリダクションは、それぞれ、 2%であ
る。尚、エッジベンドロールに対するサイザーロールま
での成形ロールのロールスロート周速度増加率は108 %
とした。図7に、JIS11号試験における製品パイプの
伸び特性を従来法と比較して示す。本発明法において
は、SUH409 L鋼、SUS430 LX鋼ともに従来法に
比べて伸び値が約10%向上した。
パイプ中心線の曲げ半径が55mm、曲げ角度90度のパイプ
曲げ試験を行い、加工性を調査した。加工性能は、次式
に示す板厚減少率及び断面減少率で評価した。尚、図8
において、21は材料、22は針金、23は押え型、2
4はしわ取り、25はクランプ型、26は曲げ型であ
る。
厚減少率及び断面減少率ともに、本発明法が従来法に比
べて小さい値を示し、曲げ加工性に優れている。図10
に、本発明法と従来法における周長増加比1.2 倍の拡管
加工性能(SUS430 LX)の比較を示す。従来法では
亀裂を生じていたが、本発明法では、亀裂が生じること
なく良好な拡管加工性が得られた。
例ミルにより、パイプサイズ:外径38.1mmφ×肉厚2.0m
mt、鋼種:SUH409L及びSUS430 LXを造管し、
パイプの伸び特性を調査した。実施例では、エッジベン
ドロールに対するサイザーロールまでの成形ロールのロ
ールスロート周速度増加率を102 %とした。
対するサイザーロールまでの成形ロールのロールスロー
ト周速度増加率を108 %として造管したパイプの特性と
比較した。尚、フィンパストータルリダクション及びサ
イザートータルリダクションはそれぞれ 2%とした。
プの伸び特性を従来法に比較して示す。本発明法におい
ては、SUH409 L鋼、SUS430 LX鋼ともに従来法
に比べて、伸び値が約 5%向上した。
工硬化に与える各成形要因の影響を解析し、各成形要因
の適正設定条件を明らかにし、必要最小限の成形ひずみ
で造管することにより、アズロール材のままで曲げ加工
や拡管加工等の加工性に優れた溶接鋼管を製造でき、こ
の結果、熱処理省略による製造コストの削減を達成でき
る。
である。
状態を示す模式図である。
図である。
ロール出側における材料の伸び値の関係を示す線図であ
る。
素管円周方向リダクションと各出側における材料の伸び
特性の関係を示す線図である。
ールのロール周速度増加率と製品パイプの伸び特性の関
係を示す線図である。
品パイプの伸び特性を比較した図表である。
本発明法と従来法で比較した線図である。
加工性能の比較した図表である。
の製品パイプの伸び特性を比較した図表である。
Claims (2)
- 【請求項1】 帯板を連続的にロール成形して素管を成
形し、突合わせた継目を溶接する溶接鋼管の製造方法に
おいて、帯板を平板から円弧状の粗素管に成形する過程
に、帯板長手方向のロール間隔が鋼管外径に対してなす
比を 5倍以下にならしめたケージロール群を配設して帯
板エッジを連続的に拘束するとともに、該ケージロール
群の下流に配設したフィンパスロール群の素管円周方向
のトータルリダクションを 1%以下とし、更に該フィン
パスロール群の下流に配設したサイジングロール群の素
管円周方向のトータルリダクションを1%以下として造
管することを特徴とする溶接鋼管の製造方法。 - 【請求項2】 帯板成形ロールの最前段のエッジベンド
ロールに対してサイザーロールまでの成形ロールのロー
ルスロート周速度(=ロールスロート径×円周率(π)
×ロール回転数(rpm))の増加率を100 〜105 %として
造管する請求項1記載の溶接鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35125291A JP2745440B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 溶接鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35125291A JP2745440B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 溶接鋼管の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05161920A JPH05161920A (ja) | 1993-06-29 |
JP2745440B2 true JP2745440B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=18416075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35125291A Expired - Fee Related JP2745440B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 溶接鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2745440B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4995049B2 (ja) * | 2007-11-28 | 2012-08-08 | アイシン高丘株式会社 | パイプの製造方法、マニホルド製造方法および排気ガス浄化装置製造方法 |
-
1991
- 1991-12-13 JP JP35125291A patent/JP2745440B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05161920A (ja) | 1993-06-29 |
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