JP2744574B2 - 旋削並びに溝切り用の多角形インサート - Google Patents

旋削並びに溝切り用の多角形インサート

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JP2744574B2 JP5102461A JP10246193A JP2744574B2 JP 2744574 B2 JP2744574 B2 JP 2744574B2 JP 5102461 A JP5102461 A JP 5102461A JP 10246193 A JP10246193 A JP 10246193A JP 2744574 B2 JP2744574 B2 JP 2744574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、金属工作物の溝切り
（或いは溝入れ）工作を主として実行するものである
が、ロッド、チューブその他の回転対称形態物の切削も
実行することが出来る、斯ゝる旋削並びに溝切り用工具
の切削インサートに関する。この切削インサートはイン
サート頂面のレーキ面（すくい面）とインサート前部の
クリアランス面（逃げ面）の間の遷移部分によって形成
された切刃を備えている。
【０００２】
【従来の技術】金属切削工作では、チップ（切粉或いは
切屑）の破砕とチップの形状とはチップによる支障を被
ることなく工作するために非常に重要となることがしば
しばある。最近の高生産性工作機械と工具にあっては、
効果的なチップ除去と良好なチップ制御への要望が大き
い。これは、一連の異なる工具が連続的に順次個別の工
作を行うようにした高生産性工作機械にとっては、格別
に重要となる。この種の工作において、チップが工作物
や工具にそのまわりでもつれて、からまるような事態は
一般に異常ではない。これは、特に自動工作物操作装置
が組み込まれている場合に後続の工作で問題を引き起こ
す。このような厄介な問題は幾本かの溝を一度の操作で
カムシャフトやクランクシャフトを旋削工作するとき
に、倍加される。その結果は、通常、チップ取り除きや
工具取替えのための高価な機械休止時間によって生産コ
ストを高いものにしてしまう。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、先行
技術のインサートに関連している上述の問題点に鑑み、
上記のような厄介な工作に対してチップ制御を最適にす
るように形成された改良型の旋削インサートを提供する
ことにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】くぼみ状のチップブレー
カとそれを画成するブレーカ壁は被工作溝より狭いチッ
プを形成するように、チップブレーカの両側で収束、即
ち収斂しながら後方に延在し、そしてその後は平行に延
在する斯ゝる１対のうねによって境界付けられる。
【０００５】
【作用】チップが工作溝より狭くなることにより、チッ
プを工作物のまわりにまつわりつくことなく、それ故に
以後の工作に支障をきたすことなく排出することが出来
る。
【０００６】
【実施例】図示の本発明インサート１０は、略長方形で
あって、概して平行六面形の多角体である。このインサ
ートは主として平面状の平行側面１１，１２、頂、底面
１４，１３、端面１５，１６及び肩部１７を含んで成
る。インサートの前部は主切刃１８とチップ成形手段
（装置）１９を具備している。インサートはクランプア
ーム２１を一体的に具備したホルダ本体２０に確保する
ように設計される。頂面１４は肩部１７の近傍で曲折し
ていて、その局部１４ａが頂面１４の残りの局部と鋭角
をなすようになっている。
【０００７】インサート１０はホルダに取外し可能に保
持されるように企図されており、ホルダは本体２０を含
んで成り、この本体がその前部２２に一体形成されたク
ランプアーム２１とインサートを定置するインサート受
容凹所２３を有している。凹所２３はその内端で別の円
形凹所２５に侵入しているスリット２４と連通してい
る。クランプ用ネジ２６はクランプアーム２１とスリッ
ト２４を通ってホルダに延入する。ネジ２６がホルダに
螺結されると、クランプアーム２１が凹所２３の近辺で
下方へ曲がり、アーム２１をインサート頂面１４に締結
状に当接させる。これを具体的にいえば、クランプアー
ム２１のノーズ部が多少下方へ傾斜して、頂面局部１４
ａの傾斜と合致する。
【０００８】インサート底面１３は、工作機械の軸方向
上の送り方向によって規定された中立平面Ｐと平行であ
る、ホルダ本体に対する第１支持面となるように企図さ
れている。これを具体的にいえば、底面１３は離間した
平坦面部１３ａ，１３ｂとその間に配位する傾斜面部１
３ｂ，１３ｃを含んでおり、それによってこれら傾斜面
部１３ｂ，１３ｃがＶ形凹所を形成している。傾斜面部
１３ｂ，１３ｃは、図８に示すようにホルダのインサー
ト場所の対応する傾斜面と当接させるように企図されて
いる。図面から明らかなように、平坦面部１３ａ，１３
ｄは主体的な支持面ではなく、頂面１４がホルダ本体に
対するインサート用の第２支持面を構成する。頂面１４
は底面１３と平行になっている。切刃１８は真直であ
り、逃げ面（レーキ面）１６とランド面域２７との交差
線に沿って形成されている。逃げ面１６は、インサート
の前端面であって、ランド面域２７へ下ろした法線Ｎに
対して約１〜１５°の鋭角αをなしていて、他方ランド
面域２７は中立平面Ｐと合致するようになっている。
【０００９】ランド面域２７は、これから始まるインサ
ートすくい面に存在する一連の凹所群、或いは溝群２８
によって面域後端が画成されている。ランド面域２７の
幅は、これが各凹所２８の前端部に隣接した幅部分にお
いて小さくなり、この凹所前端部間に配位する傾斜した
すくい面部２９において大きくなるように切刃１８に沿
って変化している。各凹所２８の最大幅は、凹所のへこ
みの間隔距離より大きくするのが好ましい。各凹所は略
長円形であり、ランド面域２７から離間するように後方
に進むに従って始めはその幅が増大し、その後は減少し
て行くように変化する幅を有している。上述のように切
刃１８から直角に凹所幅より数倍も大きな寸法に伸長し
た長円形の複数個の凹所２８群が中央に設けられている
が、本発明では、この中央配位の長円形凹所２８群の両
側にこれら中央配位凹所群２８に比べ相対的に長い幅と
短い長さの凹所３０が更に設けられている。
【００１０】インサートの頂面１４には上記のものとは
更に別のものである大きくて且つ単一の凹所３１が設け
られているが、この凹所３１はランド面域２７から内方
且つ下方に湾曲し、次いで上方へ湾曲して後壁（即ち、
チップ破砕壁或いはチップ偏向面）３２を形成してい
る。このチップ破砕壁３２は中立面Ｐと略同じレベルに
配位した台地部３３に接続している。
【００１１】チップ成形手段１９は、更に１対のうね３
４を含んでおり、各うね（リッジ）は凹所３０の外周か
ら延在している。これを具体的にいえば、１対うね前部
（第１うね部）３４ａ，３４ｂは後方へ収束（収斂）す
るように、即ち後方へ進むに従って互いに近づいて１体
になろうとする方向で以て、後方に延在し、そして１対
うね後部（第２うね部）３５ａ，３５ｂと１体物として
会合するように形成されている。うね後部３５ａ，３５
ｂは互いに平行であって、切刃１８から直角に延在して
いる。更に、うね前部３４ａ，３４ｂはこれらが直線の
うね後部３５ａ，３５ｂと会合する部分まで後方へ立上
るうね頂面を有しているが、当該会合部分から後方にあ
るうね後部頂面はそのまま一定の中立面Ｐに平行なレベ
ルに維持されている。うね後部の頂面は中立平面Ｐより
幾分上に配位している。
【００１２】上述のようにうね群３４を配設することに
よって、チップはうね前部３４ａ，３４ｂとの接触状態
を維持して、チップの中央部分が単一凹所３１の中に深
く侵入させられる。この事態はチップ全体の幅が狭くな
り、それだけチップの取扱いを容易にし、従って金属工
作物の切削中にインサートによって成形された工作溝の
側壁をチップによって傷付けることは回避される。
【００１３】インサート１０の前端は、更に側切刃３６
ａ，３６ｂを具備している。両側切刃は後方ではインサ
ート上の中間位置から収束（収斂）するが、前方では主
切刃１８と両側切刃３６ａ，３６ｂの両者に沿って延在
しているランド面域２７と交差している。側切刃３６
ａ，３６ｂの逃げ面は１１ａ，１１ｂで示してあるが、
これらはランド面域２７と鋭角βで交差している。
【００１４】上述のチップ成形手段の構成により、０．
３０mm／回転の送り速度で図８に示すような望ましいク
ロック（ｃｌｏｃｋ）形のチップ３７を成形することが
可能になる。インサート頂面のすくい面部に適当なチッ
プ偏向手段が設けていなければ、得られたチップの取扱
いが難しくなる。また、適度の送り速度では、本発明の
チップ偏向手段はチップの制御と除去に寄与する。高速
の送りにすると、チップは凹所３１の後壁３２に押付け
られて、この後壁がチップを有利な湾曲形態に変形す
る。
【００１５】上記の実施例は、切削力をある程度減少さ
せる。それは配設した凹所群がチップ接触面積を減じ且
つ正のすくい角を増大させるからである。また、この接
触面積の減少によって、それだけ熱の発生量が減じられ
るという利益も得られる。
【００１６】
【発明の効果】上述のように、チップ成形手段１９の１
対のうね３４によってチップの幅が狭められるので、工
作物の切削工作された溝がこのチップで損傷を被る斯ゝ
る不都合が回避されると共に中央部の凹所群２８、１対
の凹所３０及び単一の凹所３１の作用によって、円滑に
チップが工作を邪魔することなく工作系から排出され
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明インサートの斜視図である。
【図２】図１のインサートの側面図である。
【図３】図１のインサートの平面図である。
【図４】図１のインサートの正面図である。
【図５】図３の線Ａ−Ａにおけるインサートの切断面図
である。
【図６】図３の線Ｂ−Ｂにおけるインサートの切断面図
である。
【図７】図３の線Ｃ−Ｃにおけるインサートの切断面図
である。
【図８】インサート用のホルダの斜視図である。
【図９】図８のホルダのインサート座に配置されたイン
サートを示す部分正面図である。
【図１０】図１〜７に示すインサートによるチップ成形
操作によって得られたチップを示す説明図である。
【符号の説明】
１０…インサート １１，１２…インサート側面 １１ａ，１１ｂ…逃げ面 １３，１４…インサート底面、頂面 １５，１６…底面、頂面 １７…肩部 １８…主切刃 １９…チップ成形手段 ２０…ホルダ本体 ２１…クランプアーム ２２…ホルダ本体前部 ２３…凹所 ２４…スリット ２５…円形凹所 ２６…ネジ ２７…ランド面域 ２８…長円形凹所（第２凹所） ３０…凹所（第３） ３１…凹所（第１） ３２…チップ破砕壁（第１凹所のチップ偏向面） ３３…台地部 Ｐ…中立平面 ３４…うね ３４ａ，３４ｂ…うね前部（第１うね部） ３５ａ，３５ｂ…うね後部（第２うね部） ３６ａ，３６ｂ…側切刃

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 旋削並びに溝切り用の概して多角形にな
    るインサートとして、これが前後に延在した頂、底面
    （１４，１３）、当該両面と接続した対向する両側面
    （１１，１２）及び頂、底面と両側面に接続した前、後
    端面（１６，１５）を含んで成り、頂面（１４）の前部
    が当該頂面と前端面（１６）の間の交差線に形成された
    主切刃（１８）を含み、チップ成形手段（１９）がイン
    サートの縦方向に見て該切刃の内側、即ち該切刃の後方
    に配設されていて、当該チップ成形手段は該切刃の近傍
    に配位する平坦なランド面域（２７）から内方向、即ち
    後方へ延在し且つ下方向に湾曲している第１凹所（３
    １）を含み、当該第１凹所は更に後方へ延在し且つ上方
    向に湾曲して成るその後壁としてのチップ破砕壁（３
    ２）を有している斯ゝる構成の旋削並びに溝切り用多角
    形インサートにおいて、 チップ成形手段（１９）は更に、頂面（１４）の中央部
    に配位している第１凹所（３１）より深い複数の第２凹
    所（２８）を含んで成り、当該第２凹所は該切刃からそ
    の内側の所定距離に至る箇所に配位し且つインサートの
    縦方向に平行な方向に長尺な縦寸法を有しており、該第
    １凹所の横寸法はうねの１対の第１部（３４ａ，３４
    ｂ）として後方に収斂してその後点で１対の第２うね部
    （３５ａ，３５ｂ）と夫々合体している斯ゝる１対の第
    １うね部によってその間に規定されており、当該第２う
    ね部は主切刃（１８）に対して本質的に直角な方向に延
    在していることを特徴とする多角形インサート。
  2. 【請求項２】 インサートはその縦方向に測った縦寸法
    が第２凹所（２８）の縦寸法より短い第３凹所（３０）
    を具備しており、当該第３凹所が該第２凹所群全体の両
    側に配位している、請求項１に記載の多角形インサー
    ト。
  3. 【請求項３】 該第２、第３凹所（２８，３０）は互い
    に離間配位し、該主切刃（１８）と該第２、第３凹所
    （２８，３０）との間には平坦なランド面域（２７）が
    設けられており、当該ランド面域がインサートの縦方向
    に延在している平面（Ｐ）上に配位していることを特徴
    とする請求項１或いは２に記載の多角形インサート。
  4. 【請求項４】 該第１うね部（３４ａ，３４ｂ）は該第
    ３凹所（３０）の外周から延長しており、該第２うね部
    （３５ａ，３５ｂ）は該チップ破砕壁（３２）の後方に
    配設された肩部（１７）の傾斜前部分まで延在している
    ことを特徴とする請求項１に記載の多角形インサート。
  5. 【請求項５】 インサートの前端が側切刃（３６ａ，３
    ６ｂ）を具備しており、当該側切刃がインサートに沿っ
    た中間の位置まで後方へ収斂していることを特徴とす
    る、請求項１〜４のいづれか１項に記載の多角形インサ
    ート。
  6. 【請求項６】 該チップ破砕壁（３２）が該ランド面域
    （２７）を含む中立平面（Ｐ）と略同一レベルに配位す
    る台地部（３３）で終端になっていることを特徴とする
    請求項１〜５のいづれか１項に記載の多角形インサー
    ト。
  7. 【請求項７】 該ランド面域（２７）の幅は当該幅が長
    円形の各第２凹所（２８）の前端の前にあるランド面域
    局部では相対的に小さく、他方隣り合う該第２凹所間に
    ある中間レーキ面部（２９）の前にあるランド面域局部
    では相対的に大きくなるように、該主切刃（１８）に沿
    って変化していることを特徴とする請求項１〜６のいづ
    れか１項に記載の多角形インサート。
  8. 【請求項８】 １対第１うね部（３４ａ，３４ｂ）は夫
    々１対第２部（３５ａ，３５ｂ）の頂面と交るまで上方
    へ傾斜しながら延在する頂面を有していることを特徴と
    する請求項１〜７のいづれか１項に記載の多角形インサ
    ート。
  9. 【請求項９】 該第２うね部（３５ａ，３５ｂ）の頂面
    レベルは該平坦ランド面域を含む中立平面（Ｐ）のレベ
    ルに平行で且つそれより幾分上位のレベルに配位してい
    ることを特徴とする請求項１〜８のいづれか１項に記載
    の多角形インサート。
JP5102461A 1992-04-30 1993-04-28 旋削並びに溝切り用の多角形インサート Expired - Lifetime JP2744574B2 (ja)

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JPH068013A JPH068013A (ja) 1994-01-18
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