JP2743287B2 - リード加工用刃物台装置及び該刃物台装置を用いたncリード加工装置 - Google Patents

リード加工用刃物台装置及び該刃物台装置を用いたncリード加工装置

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JP2743287B2
JP2743287B2 JP1207890A JP20789089A JP2743287B2 JP 2743287 B2 JP2743287 B2 JP 2743287B2 JP 1207890 A JP1207890 A JP 1207890A JP 20789089 A JP20789089 A JP 20789089A JP 2743287 B2 JP2743287 B2 JP 2743287B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,刃物取付スライドを高速で往復運動させ
るリード加工用刃物台装置,及び該リード加工用刃物台
装置を用いてVTR用シリンダにテープ走行時のガイドと
なるリード形状等のリード加工を高速で行うことができ
るNCリード加工装置に関する。
〔従来の技術〕
従来,旋盤による高精度を要求されるリード加工につ
いては,カム倣い方式が知られている。上記方式による
と,工作物のリード形状に対応するカムを主軸回転即ち
工作物の回転と同期回転させ,カムに押し付けるカムフ
ォロワがカム形状に率って前後運動をする。その動きを
刃物に伝え,工作物に目的とするリード形状を加工す
る。しかしながら,カムに追随するカムフォロワの追随
性の問題からリード部を急傾斜なものとしたり,微妙な
傾斜形状にすることは,ほとんど不可能であり,また,
カムとカムフォロワとの間に切粉等が侵入すれば,加工
精度が低下し,旋削加工形状を変更する場合には,カム
を交換しなければならず,例えば,複数種のVTRのシリ
ンダの製作には,その都度カムを取外し,再装着して精
度合わせを要するという作業者の技能に左右される問題
点を有している。
そこで,周知のNC旋盤を使用して工作物にリード加工
を施す方法が試みられている。該方法によれば,工作物
を取り付けた主軸を一定速度で回転させ,要求される工
作物形状に基づき数値化された情報により刃物台に取り
付けたバイトを作動させ,可変ねじ切り法で切削加工す
る方法である。即ち,工作物に対して等ピッチで右ねじ
切りと左ねじ切りとを行うか,あるピッチで右ねじ切り
を行い,次にピッチを変えて左ねじ切りを行って所望の
形状に旋削加工を施している。
更に,例えば,特公昭62-43801号公報には,円形断面
形状を有する工作物の旋削加工方法及びその装置が開示
されている。上記旋削加工方法及びその装置を,第15図
を参照して概説する。第15図に示す旋削加工装置は,主
として,工作物60を取り付けた主軸63を有する主軸台64
と,駆動ベルト71を介して主軸63を駆動するスピンドル
モータ72と,DCサーボモータにより駆動されるスライダ6
1に取り付けたバイト62と,NC装置とを具備している。該
旋削加工装置は,スピンドルモータ72が主軸63の駆動源
となるのはリード加工以外の加工に限られる点,リード
加工用駆動源として低速DCサーボモータ65を設けた点,
及び主軸63の回転角検出用のポジションコーダ70を設け
た点である。DCサーボモータ65の出力軸67に歯車66を取
り付け,リード加工時には該歯車66が主軸63に取り付け
た歯車68と噛合するように構成されている。主軸63に取
り付けたプーリ69はクラッチ内蔵プーリであり,リード
加工時には主軸63とスピンドルモータ72との接続を解除
するように構成されている。一方,リード加工以外の旋
削加工に際しては,該クラッチによりプーリ69及び駆動
ベルト71を介して主軸63とスピンドルモータ72とが接続
され,歯車68と66との噛合は,例えば,歯車66を垂直方
向に移動させるシリンダにより解除される。
また,特開昭63−283835号公報には,リニア移動装置
が開示されている。該リニア移動装置は,静圧空気軸受
によりスライド軸に対して非接触状態で支持されたスラ
イダが,前記スライド軸との間に設けられたリニアモー
タによってスライド軸の軸方向に移動ものであり,前記
リニアモータを構成するコイルが前記スライド軸の軸方
向に設けられると共に,前記コイルと対向するマグネッ
トが前記スライダに設けられており,前記静圧空気軸受
に空気を供給する給気路がスライダに形成されているも
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら,NC旋盤を使用して工作物にリード加工
を施す方法によれば,バイトの加速度及び移動速度に限
界があり,工作物を取り付けた旋盤主軸の回転速度を高
めると追従遅れが発生し,このことが工作物の加工形状
誤差となって表れてくる。更に,致命的な欠陥は加工精
度に限界があり,例えば,VTRのシリンダのリード部に関
して要求されるような数ミクロンの真直度を達成できな
いことにある。
そこで,本出願人は,先に出願した特願昭63-335357
号に開示したリード加工用刃物台装置において,VTRに使
用されるシリンダ等に施すリード加工を高速度で行うこ
とができるNCリード加工装置に適用するリード加工用刃
物台装置を提供した。即ち,該リード加工用刃物台装置
は,工作物と対向する位置にあるテーブルにサーボモー
タを取り付け,該サーボモータの駆動軸にカップリング
を用いることなく,刃物固定スライドを往復運動可能に
取り付け,該サーボモータの回転角度に遅れることな
く,前記刃物取付スライドを高速往復運動させ,また,
前記刃物取付スライドをエア軸受を介して支持すること
によって摺動部の摩擦を無くすと共に,スティック・ス
リップの発生を防止し,モータ回転角度に対する前記刃
物取付スライドのレスポンスを向上させ,更に,前記刃
物取付スライド及び前記サーボモータの冷却を強制的に
行って発熱を抑制してスムースな作動を達成することが
できるリード加工用刃物台装置を開示した。
しかしながら,該リード加工用刃物台装置について
は,応答性が良く,がた等の発生がなく高速往復動が可
能で,しかも高精度の装置を提供できるが,回転運動を
直線運動に変換するためのボールねじ,及びスライドの
駆動軸を支持する軸受を備えているため,工作物に対す
る加工精度を上げるため該ボールねじ及び軸受を高精度
に構成する必要が有るが,ボールねじ自体が有している
精度上の問題もあり,軸受等の機械的接触部位が存在す
ると,磨耗,発熱等が発生し,加工精度を上げることが
困難となると共に,関連する部品についても高精度のも
のが要求されるという問題を有している。
この発明の目的は,上記問題を解決するものであり,
上記のリード加工用刃物台装置と同様に,VTRに使用され
るシリンダ等に施すリード加工を高速度で行うことがで
きるNCリード加工装置に適用するリード加工用刃物台装
置を提供することであり,更に,サーボモータに変えて
リニアモータを用いることにより,該リニアモータの長
所を有効に発揮させ,構造を簡単に且つメインテナンス
を容易にできる極めて実用的なリード加工用刃物台装置
を提供するものである。
即ち,このリード加工用刃物台装置は,工作物と対向
する位置にあるテーブルにリニヤモータを取り付け,該
リニヤモータのロータ軸両端を断面四角形状のスライド
とし,一方のスライドに刃物を固定した刃物固定スライ
ドとし,他方のスライドを反刃物スライドに構成して,
該リニヤモータの直動運動をダイレクトに前記刃物取付
スライドを高速往復運動させ,また,前記刃物取付スラ
イド及び反刃物スライドをエア軸受を介して支持するこ
とによって摺動部の摩擦を無くすと共に,スティック・
スリップの発生を防止し,リニア直動運動に対する前記
刃物取付スライドのレスポンスを向上させ,更に,前記
刃物取付スライド及び前記リニヤモータの冷却を強制的
に行って発熱を抑制してスムースな作動を達成し,加工
精度を向上させることである。
この発明の別の目的は,上記の課題を解決することで
あり,VTRに使用されるシリンダ等に施すリード加工を高
速度で行うことができるNCリード加工装置を提供するこ
とであり,主軸端に設けるクランプ手段に工作物を正確
に保持固定して切削に必要とする回転を工作物に与え,
主軸の回転手段としての主軸台をベルト等を使用して外
部より駆動する必要がないビルトインモータ式に構成
し,前記主軸台をNC制御されるX-Z移動テーブル上に固
定し,主軸端に保持された工作物に回転を与えつつ移動
させ,工作物とは対向する位置にあるテーブル上には,
工作物の形状に適するバイトを刃物台にセットし,該刃
物台を前記テーブル上に固定し,該刃物台には工作物に
対する切込み量のみの移動を与えて振動の発生を排除
し,高速回転する工作物が前記バイトに接すると,工作
物をリード加工して必要とするリード形状になるように
NC制御し,X-Zテーブルの移動を繰り返し,最終目的であ
るリード形状を工作物の外周面に加工するNCリード加工
装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は,上記の目的を達成するため,次のように
構成されている。即ち,この発明は,テーブルに取り付
けた固定子と該固定子内を軸方向に移動可能な可動子か
ら成るリニアモータ,前記可動子の端部延長部に設けた
スライド,前記テーブルに取り付けたスライドベース,
該スライドベースに前記スライドを移動可能に支持する
エア軸受,及び前記スライドに設けた刃物取付部から成
り,前記スライドの外形を断面四角形状に形成し,前記
スライドを支持する加工精度に影響する側のエア受圧面
積を他のエア受圧面積より大きく形成すると共に,前記
エア軸受のエアを逃がすエア逃げ溝を前記スライドベー
スに形成したリード加工用刃物台装置に関する。
また,このリード加工用刃物台装置は,前記スライド
を前記可動子の両端部延長部に各々設け,一方の前記ス
ライドの前記刃物取付部に刃物を取り付け,前記リニア
モータに設けたエア通路を通じて前記固定子の内周面と
前記可動子の外周面との隙間に冷却エアを送り込むよう
に構成したものである。
また,このリード加工用刃物台装置は,前記スライド
と前記スライドベースとの間の前記エア軸受に供給する
冷却エア,前記リニヤモータの前記可動子と前記固定子
間に供給する冷却エア,及び刃物によって加工される工
作物の加工部位に供給する冷却オイルを冷却装置によっ
て同一温度に冷却制御するものである。
又は,この発明は,NC制御されるX-Z移動テーブル上に
固定され且つ工作物の切削に必要な回転を与えるサーボ
モータを組み込んだ主軸手段,該主軸手段に設けた工作
物を保持位置決めするクランプ手段,並びに該クランプ
手段に保持される工作物と対向する位置に設定されるテ
ーブル,該テーブルに取り付けたリニヤモータ,該リニ
ヤモータの可動子の端部延長部に設けたスライド,前記
テーブルに取り付けたスライドベース,前記スライドを
移動可能に前記スライドベースに支持するエア軸受,及
び前記スライドに設けた刃物取付部から成り,前記スラ
イドの外形を断面四角形状に形成し,前記スライドを支
持する加工精度に影響する側のエア受圧面積を他のエア
受圧面積より大きく形成すると共に,前記エア軸受のエ
アを逃がすエア逃げ溝を前記スライドベースに形成し,
前記スライドに取り付けた前記刃物は前記主軸手段に保
持した前記工作物の回転角度に対応して往復運動を繰り
返すこと,から成るNCリード加工装置に関する。
〔作用〕
この発明は,上記のように構成したので,刃物取付ス
ライドのスライド面のシールを容易に達成でき,テーブ
ルに取り付けたリニアモータに前記スライドが直結する
一体構造であり,前記リニアモータと前記スライドとの
間にボールねじ等の伝達系が介在しておらず,伝達系の
機械的接触による発熱,摩擦等が発生せず加工精度を向
上できる。また,前記スライドが前記リニアモータのリ
ニア直動運動と一体的運動であるので,遅れることなく
リニア往復運動させることができ,しかも前記テーブル
に取り付けた前記スライドベースに前記エア軸受を介し
て前記スライドを支持しているので,前記スライドベー
スと前記スライドとの間には摩擦,摩耗,発熱等が発生
することがなく,スティックスリップが発生せず且つが
たの発生がなく,工作物の回転運動と刃物のリニア運動
との間の相対的運動に対してレスポンスを向上でき,高
速往復運動が可能になる。
しかも,前記スライドベース又は前記スライドをセラ
ミック材でコーティングするか,又はセラミック材で構
成すれば,エア軸受のエア圧が低下した時でも金属対金
属の摺動状態を避けることができ,焼き付き等の発生を
防止できる。
前記固定子の内周面と前記可動子の外周面との隙間に
冷却エアを送り込むので,前記リニアモータのコイルに
直接冷却エアを吹き付けることになり,発熱部位を迅速
に,確実に冷却することができ,熱による悪影響の発生
を防止できる。
更に,前記エア軸受に供給する冷却エア,前記リニア
モータに供給する冷却エア,並びに工作物の加工部位に
供給する冷却オイルを,冷却手段によって同一温度に制
御するので,リード加工用刃物台装置自体に部分的な温
度差が発生することがなく,各部品間での温度差による
伸び縮みが発生せず,工作物に対する加工精度を向上で
きる。
或いは,このリード加工用刃物台装置を用いたNCリー
ド加工装置は,切削加工についての一連の動作につい
て,従来のNC旋盤によるリード加工とほぼ同様である
が,異なる大きな違いは従来のNC旋盤が高速回転する工
作物に対してバイトを近づけて目的とする形状に工作物
を削るのに対し,この発明によるNCリード加工装置で
は,バイトに対して切り込みの送りを与える以外はバイ
トを定位置に取り付けておき,高速回転している工作物
を近づけ,該工作物を加工形状に応じて移動させ,工作
物の外周面にリード加工を行うことができる。また,一
般に,高速で前後移動を繰り返す切削加工刃物台は,機
械の最大欠点である振動等の発生源でもあるが,この高
速NCリード加工機のリード加工用刃物台装置を機械本体
にテーブルを介して取り付けているため,機械的剛性に
優れている。従って,この発明によるNC切削加工装置で
は,ガタの要因であるX-Z移動スライドが刃物台にない
ので,振動等もなくリード加工を高速化し,精度の向上
を計ることができる。
〔実施例〕
以下,第1図,第2図,第3図,第4図,第5図及び
第6図を参照して,この発明によるリード加工用刃物台
装置の一実施例について説明する。
第1図には,この発明によるリード加工用刃物台装置
が符号2によって全体的に示されている。このリード加
工用刃物台装置2は,主として,テーブル12に設けた固
定子20と固定子20内を軸方向に移動可能な可動子26から
成るリニアモータ3,可動子26を取り付けたスライド連結
部材18に固定したスライド17,25,テーブル12に固定した
スライドベース22,スライド17,25を移動可能にスライド
ベース22に支持するエア軸受40,スライド17に取り付け
たバイトホルダ42,バイトホルダ42に取り付け取外し可
能な刃物4,及び他方のスライド25に取り付けたリニアス
ケール21から構成されている。
リード加工用刃物台装置2は,リニアモータ3のリニ
ヤ直動運動を刃物即ちバイト4を取り付けた刃物取付用
のスライド17及びバイト4の取付けとは反対側のスライ
ド25に往復運動を与える機能を有する。テーブル12は,
例えば,後述のNCリード加工装置に固定式に設置され,
テーブル12の中央部には,ブラケット29がボルト37(第
4図)で固定されている。また,テーブル12の両側に
は,スライドベース22の取付部がテーパプレート23を介
してボルト等で固定されている。テーパプレート23は,
テーブル12に対してスライドベース22の高さを調節可能
にする機能を有する。しかも,リニヤモータ3とスライ
ドベース22とは,テーブル12上で長手方向に直線状に配
置されている。
第3図に示すように,ブラケット29には,外周部にケ
ーシング19をボルト等で固定し,内周部に磁性体から成
る中央磁極35をボルト等で固定する。ケーシング19の内
周面には,永久磁石等から成る固定子20が嵌合等によっ
て固定されている。固定子20の内周側と中央磁極35の外
周側との間には,往復運動可能に可動子26が配置されて
いる。可動子26の外周面にはコイル33が巻き上げられて
いる。従って,可動子26のコイル33は,外周側に配置し
た固定子20の磁石と内周側に配置した中央磁極35の磁性
体との間で発生する磁界の中に配置されている状態であ
る。それ故に,可動子26に電流を流すことによって,可
動子26は固定子20と中央磁極35に対して軸方向にストロ
ークST(第3図)往復運動することになり,リニアモー
タ3を構成することになる。
更に,第3図及び第4図に示すように,可動子26の一
端部をスライド連結部材18のフランジ部38に固定する。
スライド連結部材18に形成したフランジ部38の一側面側
にバイトホルダ42を取り付けたスライド17を連結し,ま
た,フランジ部38の他側面側は可動子26,中央磁極35及
びブラケット29を貫通して反刃物側へ伸びている。スラ
イド連結部材18の反刃物側へ伸びた端部には,スライド
25が連結されている。スライド17及びスライド25は,エ
ア軸受40によって両スライドベース22内を往復運動可能
に支持されている。
リニアモータ3において,固定子20を支持するケーシ
ング19はブラケット29に固定されている。ブラケット29
は,テーブル12に固定され,冷却エア導入口32及び冷却
エア導入口32に通じるエア通路31を備えている。また,
ケーシング19には,ブラケット29のエア通路31と連通す
るエア通路28が形成されている。ケーシング19に固定さ
れた固定子20には,ケーシング19のエア通路28と連通す
るエア通路34が形成されている。従って,冷却エア導入
口32から供給された冷却エアは,エア通路31,28,次いで
エア通路34を通って固定子20と可動子26の間の隙間27に
供給され,可動子26に設けたコイル33を冷却する機能を
果たす。従って,リニアモータ3が駆動して可動子26が
高速に且つ所定の移動距離だけ往復運動した時に,固定
子20と可動子26との隙間27を十分にエア冷却でき,加熱
による問題は生じない。
また,テーブル12にテーパプレート23を介して固定さ
れたスライドベース22には,スライド17,25がエア軸受4
0によって支持されるように構成されている。刃物取付
け側のスライド17にはバイトホルダ42側にあり溝43(第
11図)が形成され,該あり溝にバイトホルダ42に形成し
たあり44(第11図)が嵌合してボルト等で両者は固定さ
れている。従って,刃物4を取り付けたバイトホルダ42
はスライド17に対して取付け取外し作業が極めて容易に
できるように構成されている。また,スライド17には,
スライド17の往復移動に対するリミットスイッチ(図示
せず)が設けられている。リニアモータ3が駆動する
と,可動子26が軸方向に往復動し,可動子26の移動距離
に対応してスライド17がスライドベース22に対してエア
支持状態で往復運動を行うことになる。更に,バイトホ
ルダ42には,バイト4を2本取り付けることができ,工
作物に対してリード加工する場合に,工作物の異なった
面,即ち工作物の回転軸線に対して平行面と直角面とを
切削する時に使い分けることができる。
次に,第2図,第5図及び第6図を参照して,刃物取
付用スライド17をスライドベース22にエア軸受40によっ
て支持する構成について説明する。スライド17の外周面
は断面四角形状に形成されており,スライドベース22の
支持面は上記外周面に対応して断面四角形状に形成され
ている。第2図で示す形状は,断面正方形である。スラ
イドベース22は,4つのプレート,即ち,底面を形成する
スライドベース部材45(第5図),上面を形成するスラ
イドベース部材46,両側面を形成するスライドベース部
材47(第6図)から構成されている。スライドベース部
材45,46,47には,スライドベース22と刃物取付スライド
17との間にエア軸受40を構成するため,エア供給手段
(図示せず)から圧縮エアが供給されるエア導入通路49
がそれぞれ形成されている。スライドベース22の内周面
となる面,即ちスライドベース部材45,46,47の内面は,
エア導入通路49が中央部53で連通する長手方向に伸びる
メインエア導入溝50,メインエア導入溝50から分岐する
縦方向に伸びる多数の分岐エア溝51,分岐エア溝51に連
通する多数のエア溝52,及び長手方向両端部に形成され
たエア逃げ溝54,55が形成されている。
また,上下面に配置されたスライドベース部材45,46
に形成されたそれぞれのエア逃げ溝54間の距離L1は,側
面に配置されたスライドベース部材47に形成されたそれ
ぞれのエア逃げ溝55間の距離L2より小さくなるように設
定されている。従って,両側面のスライドベース部材47
のエア受圧面積は,上下面のスライドベース45,46のエ
ア受圧面積より大きく形成されることになる。それ故
に,スライドベース部材45,46のエア受圧面積が大きい
ことによって刃物取付用のスライド17の両側面を大きな
力で受けることができる。
また,刃物取付スライド17にバイト4を取り付けたバ
イトホルダ42が固定され,バイト4によって工作物をリ
ード加工する場合に,側面に配置されたスライドベース
部材47は,加工精度に影響する方向の面となる。即ち,
加工精度に影響する方向とは,言い換えれば,工作物5
の回転中心とバイト4の刃先とを結ぶ半径方向であり,
該方向は加工精度のうち径方向寸法の精度を確保するた
め,該方向のバイト4の支持状態を堅固にしなければな
らない。従って,刃物取付スライドを支持する加工精度
に影響する側のエア受圧面積を,他のエア受圧面積より
大きくなるように形成する。
また,刃物取付スライド17の外周面には,例えば,酸
化アルミニウム等のセラミック材でコーティングを施す
ことが好ましい。場合によっては,スライド17自体をセ
ラミック材料で製作することができる。即ち,刃物取付
スライド17とスライドベース22とのギャップは,5μm〜
8μm程度であり,リード加工用刃物台装置の作動中
に,エア圧が低下したような場合に,一方の摺動面をセ
ラミック材で構成しておけば,エア軸受40のエア圧が低
下した時でも,金属対金属の摺動状態を避ける構造に構
成することによって焼き付き等の現象の発生するのを防
止でき,摺動面の摺動特性を向上できる。
更に,第10図,第11図及び第12図を参照して,バイト
ホルダ42に別の刃物4を取り付ける場合について説明す
る。第10図は取付構造の正面図,第11図は第10図の側面
図,及び第12図は第10図の平面図である。上記実施例で
は,バイトホルダ42に対して2本のバイト4を取り付け
た場合について説明したが,場合によっては,工作物に
対する加工形状によって1本のバイト4で十分な場合が
ある。バイトホルダ42に対して1本のバイト4を取り付
ける場合には,工作物を切削する時に,加工精度に及ぼ
す影響を最も少なくするように設定できる。即ち,バイ
ト4の刃先56を,リニアモータ3の半径方向中心軸57に
位置するように設定して取り付けることができる。
また,第13図を参照して,リード加工用刃物台装置2
に組み込むことができる冷却装置の一実施例を説明す
る。この冷却装置は,スライド17,25とスライドベース2
2との間のエア軸受40に供給する冷却エア,リニアモー
タ3におけるブラケット29に形成されたエア通路31,ケ
ーシング19に形成されたエア通路28,固定子20のエア通
路34及び固定子20と可動子26との隙間27に形成されたエ
ア通路に供給する冷却エア,並びに刃物4によって加工
される工作物の加工部位に供給される冷却オイルを,同
一温度に冷却するために設けられている。この冷却装置
は,リザーブタンク74,リザーブタンク74内のオイルを
冷却するオイルクーラ80,リザーブタンク74から工作物
の加工部位に供給される冷却オイルを供給するため作動
するオイル供給ポンプ77,及びエアを冷却する冷却手段
即ち熱交換器81から構成されている。
リザーブタンク74は,熱交換室75とオイル供給室76と
の2つの室に仕切板90で分割されている。工作物の加工
部位を冷却して機械部位から回収されたオイルは,戻り
管87からフィルタ78を通って熱交換室75へ流入する。回
収されたオイルは,熱交換室75内に配設されたオイルク
ーラ80の熱交換器82によって再び所定の温度に冷却さ
れ,仕切板90をオーバフローしてオイル供給室76に流入
される。冷却され且つ清浄されたオイルは,オイル供給
ポンプ77の作動でオイルパイプ88を通り,リード加工装
置の工作物の加工部位へ送り込まれる。また,冷却エア
は,工場に付設されている圧縮空気源,又はコンプレッ
サ86からコントロールバルブ83を通じてリザーブタンク
74の熱交換室75内に設置された熱交換器81に送り込まれ
る。次いで,熱交換器81においてオイル対エアの熱交換
で冷却されたエアは,コントロールバルブ84でエア量を
制御されてエア軸受40に供給されると共に,コントロー
ルバルブ85でエア量を制御されてリニアモータ3のエア
導入口32からエア通路31に供給され,次いで,該冷却エ
アはケーシング19のエア通路28及び固定子20のエア通路
34を通じて固定子20と可動子26との隙間27に導入され,
可動子26のコイル33の冷却機能を果たす。図中,89はリ
ザーブタンク74内のオイルを排水するコックを示す。
以上,このリード加工用刃物台装置の一実施例につい
て説明したが,この発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。この発明によるリード加工用刃物台装置の別
の実施例としては,例えば,第14図に示すように構成す
ることもできる。この実施例のリード加工用刃物台装置
と第1図に示すものとを比較すると,この実施例のもの
がスライドベース22を1つ有している点で相違する以外
は同一の構成である。そこで,第14図では第1図におけ
る部品と同一の部品には同一の符号を付し,重複する説
明を省略する。
このリード加工用刃物台装置において,テーブル12に
リニアモータ3と1つのスライドベース22とを取り付け
る。この場合に,スライドベース22におけるエア軸受40
はスライド17の移動方向の長さが第1図に示すエア軸受
40に比較して十分に長く構成されている。エア軸受40を
長く構成することによって,スライド17の支持を安定さ
せ且つ精度の低下を防止することができる。又は,この
発明によるリード加工用刃物台装置の他の実施例とし
て,図示していないが,第1図に示すリード加工用刃物
台装置ではリニアモータ3の両側にスライドベース22を
配置したが,該構成に限らず,例えば,リニアモータ3
の一方側に2つのスライドベースをテーブル12上に配置
し,該各スライドベースによってスライドをエア軸受を
介して支持する構造に構成してもよいものである。
次に,第7図,第8図及び第9図を参照して,この発
明によるNCリード加工装置の一実施例について説明す
る。このNCリード加工装置は,上記のリード加工用刃物
台装置を用いたものである。第7図はこの発明によるNC
リード加工装置の一実施例を示す正面図,及び第8図は
第7図の平面図である。
このNCリード加工装置において,本体機台であるベッ
ド1には,X-Z移動テーブルの一部を構成するZ軸移動テ
ーブル9,及び固定式のテーブル12が取り付けられてい
る。Z軸移動テーブル9上にはX軸移動テーブル10が取
り付けられ,両テーブル9,10によってZ軸移動テーブル
が構成されている。Z軸移動テーブル9は,Z軸駆動用サ
ーボモータ8の駆動によってZ軸方向に移動させられ
る。また,X軸移動テーブル10は,Z軸移動テーブル9に取
り付けられたX軸駆動用サーボモータ11の駆動によって
X軸方向に移動させられる。更に,X軸移動テーブル10上
に主軸台7が取り付けられている。主軸台7には,工作
物5を切削加工するのに必要な加工回転を与えるサーボ
モータ15が組み込まれている。
サーボモータ15は,NC旋盤として工作物に旋削加工を
行う場合に適している高速回転を行う機能を有すると共
に,上記のNCリード加工装置として切削加工を行う場合
に適している低速回転を行う機能を有している。サーボ
モータ15の高速回転又は低速回転の制御は,NC装置の指
令によって行ってもよく,又は切換えスイッチによって
達成してもよい。或いは,図示していないが,X軸移動テ
ーブル10上に,高速回転用のサーボモータと低速回転用
のサーボモータの2種類のサーボモータを設置してもよ
いことは勿論である。また,X軸移動テーブル10上の主軸
台7のサーボモータ15によって回転駆動される主軸16に
は,工作物保持用チャックであるクランプ6が設けられ
ている。
クランプ6によって保持される工作物5と対向する位
置には,上記リード加工用刃物台装置2の他,複数の刃
物台13,14をセットするテーブル12がベッド1に固定さ
れている。刃物台13,14は,この装置を一般のNC旋盤と
して作動させる場合に利用するものである。刃物台装置
2は,この装置をNCリード加工装置として作動させ,工
作物5にリード加工を行う場合に利用するものである。
刃物台装置2は,工作物5に対してリード加工するため
のリード加工用刃物台であり,テーブル12に取外し可能
に取り付けられ,工作物5の外周面にリード加工を切削
加工するため,工作物5の回転軸線と平行な方向即ちZ
´方向に往復運動可能である。刃物台装置2に対するZ
´方向への往復運動は,テーブル12に取外し可能に固定
したリード加工駆動用リニアモータ3によって達成され
る。従って,リード加工駆動甲リニアモータ3は,Z´軸
移動用リニアモータということもできる。工作物5に対
するリード加工方法は,前掲特公昭62-43801号公報に開
示されたリード加工方法を適用できる。
このNCリード加工装置は,上記のように構成されてお
り,次のように作用する。このNCリード加工装置は,特
に,VTRに使用されるシリンダに施すリード加工を高速度
で加工することができ,即ち,主軸16の端部に設けたク
ランプ6に工作物5を正確に且つ堅固に保持固定し,切
削に必要な回転をサーボモータ15の作動によって工作物
5に与える。サーボモータ15は,主軸台7をベルト等を
使用して外部より駆動する必要がないビルトイン式即ち
主軸台組込み式に構成したものである。主軸台7は,NC
制御されるX-Z移動テーブル,即ち,Z軸駆動用サーボモ
ータ8によってZ軸方向の移動を制御されるZ軸移動テ
ーブル9及びX軸駆動用サーボモータ11によってX軸方
向の移動を制御されるX軸移動テーブル10から成るX-Z
移動テーブル上に固定している。従って,主軸16の端部
にクランプ6によって保持された工作物5は,サーボモ
ータ15によって回転が与えられ,且つZ軸駆動用サーボ
モータ8及びX軸駆動用サーボモータ11によってX軸−
Z軸方向に移動させられる。
また,工作物5とは対向する位置にあるテーブル12上
には,工作物5の加工形状に最適な刃物4を刃物台装置
2のバイトホルダ42にセットし,刃物台装置2をテーブ
ル12上に取り付け,高速回転する工作物5がバイト4に
接すると,工作物5を切削して必要とする加工形状にな
るようにNC制御し,X軸移動テーブル10及びZ軸移動テー
ブル9はX軸−Z軸方向の移動を繰り返し,工作物5に
対して最終目的の形状に切削加工する。リード加工時
は,主軸16に保持される工作物5のサーボモータ15によ
る回転に正比例して,テーブル12に取り付けたZ´軸移
動用リニアモータ3を作動させている。即ち,工作物5
が一回転する毎に,Z´軸移動用リニアモータ3は前進移
動と後退移動を一度行っており,そのリニア移動運動と
同時に,X-Z移動テーブルであるZ軸移動テーブル9とX
軸移動テーブル10とは,工作物5が一回転する毎(即
ち,リードが1本削られる毎に)に,第9図に示すよう
に,工作物5側へ数拾μmの切込みで距離lずつ移動
し,最終端に達するまでの長さ(工作物5の外周面に成
形されるリード部の長手方向の量即ち長さL)まで微動
移動を繰り返すことになる。
このNCリード加工装置は,リード加工についての一連
の動作について,従来のNC旋盤による切削加工とほぼ同
様であるが,異なる大きな違いは従来のNC旋盤が高速回
転する工作物に対してバイトを近づけて目的とする形状
に工作物を削るのに対し,この発明によるNCリード加工
装置では,バイトに対して切り込みの送りを与える以外
はバイトを定位置に固定しておき,該バイトに高速回転
している工作物を近づけて該工作物を工作物加工形状に
合わせてX軸−Z軸方向に移動させて切削加工を行うこ
とである。
〔発明の効果〕
この発明によるリード加工用刃物台装置及びNCリード
加工装置は,上記のように構成されており,次のような
効果を有する。
このリード加工用刃物台装置は,上記のように構成し
たので,可動子に電流を流すことによって,前記可動子
は固定子に対して軸方向に往復運動することになり,前
記リニアモータが構成され,前記スライドが前記可動子
のリニア運動と一体となって往復運動することができ,
前記スライドのスライド面のシールを容易に達成でき,
エア圧が低下した時でも切削反力による焼き付きの発生
を防止できる。また,前記リニアモータと前記スライド
との間のリニア運動伝達系にはボールねじ及び軸受等の
機械的接触をするものが介在していないので,摩耗,摩
擦,発熱等が発生することなく,がたが発生しないので
工作物に対するリード加工の精度を大幅に向上できる。
前記スライドは前記テーブルに取り付けた前記スライド
ベースに前記エア軸受を介して往復摺動可能に支持され
ているので,摩擦がなく摩耗,発熱が発生することがな
く,スティックスリップが発生せず,前記リニアモータ
のリニア運動に対する前記スライドのレスポンスが向上
でき,しかも高速往復運動が可能になる。また,前記ス
ライド又は前記スライドベースにセラミック材によるコ
ーティングを施したり,或いは前記スライド又は前記ス
ライドベースをセラミック材料で製作すれば,前記エア
軸受のエア圧が低下した時でも,金属対金属の摺動状態
を避けることができ,前記スライドと前記スライドベー
スの間で焼付き等が発生せず,相対的移動部位の耐焼付
き性を向上できる。
更に,前記スライドを前記可動子の両端部延長部に各
々設け,一方の前記スライドの前記刃物取付部に刃物を
取り付け,前記リニアモータに設けたエア通路を通じて
前記固定子の内周面と前記可動子の外周面との隙間に冷
却エアを送り込むように構成したので,前記リニアモー
タの両側で前記スライドをバランス上安定して支持する
ことができ,精度を低下することなく,信頼性に富んだ
支持構造を提供でき,また,冷却エアは前記リニアモー
タの前記可動子と前記固定子との間を流れて前記可動子
に設けたコイルを冷却することができ,しかもエア圧を
高く設定しておけば,前記リニアモータの前記可動子及
び前記固定子に対して冷却オイル,塵等が浸入すること
がなく,シール効果を向上させることができる。
しかも,前記スライドと前記スライドベースとの間の
前記エア軸受に供給する冷却エア,前記リニヤモータの
前記可動子と前記固定子間に供給する冷却エア,及び刃
物によって加工される工作物の加工部位に供給する冷却
オイルを,冷却装置によって同一温度に冷却制御するの
で,前記スライド,前記スライドベース,前記リニアモ
ータの前記可動子及び前記固定子を,常に同一状態即ち
レベルで温度コントロールすることができ,部分的,或
いは局部的に温度差が発生することがなく,各構成部品
間に熱膨張差が発生することがなく,高速の摺動運動で
もスムースに達成され,加工精度を安定させ且つ向上さ
せることができ,製品の品質の均一性を確保でき信頼性
に富んだものとなる。
また,このリード加工用刃物台装置を組み込んだNCリ
ード加工装置は,上記のように構成されているので,前
記リニアモータで往復移動される刃物台即ち前記スライ
ドベースの支持構造は機械的剛性に優れ,各スライド部
は工作物側に位置し,スライド部がバイト側にリニア運
動以外にないため,ギャップが累積することがなく,前
記スライドが前後移動する時に,ガタが発生することが
なく,振動等の発生も低減でき,前記切削加工用刃物台
の高速化が可能となる。その結果,前記スライドの加速
度も10G前後まで向上できる。即ち,一般に,高速で前
後移動を繰り返す刃物台装置が機械の最大欠点である振
動の発生源でもあるが,このNCリード加工装置では,前
記スライドベースを機械本体即ちベッドに固定式のテー
ブルを介して固定し,切削加工時は,単に工作物に対す
るリードの加工形状を形成する送りを前記リニアモータ
で与えるだけであるため,機械的剛性に優れている。従
って,従来のもののように,X-Z移動テーブル上にリード
加工用刃物台を設け,X-Z軸の移動の各スライド部のギャ
ップが累積してその分だけ,リード加工用刃物台が前後
移動する時に,ガタとなり振動が発生していたのに比較
して,このNCリード加工装置では,ガタの要因であるX
−Z移動スライド上に刃物台がないので,振動等の発生
もなくなり,前記リード加工用刃物台装置の前記スライ
ドの高速化が可能となり,振動等によって加工精度が阻
害されることがなく,精度の向上を計ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によるリード加工用刃物台装置の一実
施例を示す断面図,第2図は第1図の側面図,第3図は
第1図の要部の断面図,第4図は第3図の線IV-IVにお
ける断面図,第5図及び第6図は第1図のスライドベー
スを示す内面図,第7図は第1図のリード加工用刃物台
装置を装着したこの発明によるNCリード加工装置の一実
施例を示す正面図,第8図は第7図の平面図,第9図は
工作物に対する切削状態を説明する概略図,第10図はバ
イトホルダに別のバイトを取り付ける取付構造を示す正
面図,第11図は第10図の平面図,第12図は第10図の側面
図,第13図はこの発明によるリード加工用刃物台装置に
付設された冷却手段の一例を示す概略図,第14図はこの
発明によるリード加工用刃物台装置の別の実施例を示す
断面図,並びに第15図は従来の旋削加工装置の一例を示
す概略図である。 1……ベッド,2……刃物台装置,3……リニアモータ,4
……バイト,5……工作物,7……主軸台,8……Z軸駆動用
サーボモータ,9……Z軸移動テーブル,10……X軸移動
テーブル,11……X軸駆動用サーボモータ,12……テーブ
ル,15……主軸駆動用サーボモータ,16……主軸,17,25…
…スライド,19……ケーシング,20……固定子,22……ス
ライドベース,26……可動子,27……隙間,29……ブラケ
ット,35……中央磁極,40……エア軸受,42……バイトホ
ルダ,45,46,47……スライドベース部材,28,31,34,49…
…エア通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−92003(JP,A) 特開 昭63−283835(JP,A) 特開 昭62−102943(JP,A) 実開 昭55−147223(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テーブルに取り付けた固定子と該固定子内
    を軸方向に移動可能な可動子から成るリニアモータ,前
    記可動子の端部延長部に設けたスライド,前記テーブル
    に取り付けたスライドベース,該スライドベースに前記
    スライドを移動可能に支持するエア軸受,及び前記スラ
    イドに設けた刃物取付部から成り,前記スライドの外形
    を断面四角形状に形成し,前記スライドを支持する加工
    精度に影響する側のエア受圧面積を他のエア受圧面積よ
    り大きく形成すると共に,前記エア軸受のエアを逃がす
    エア逃げ溝を前記スライドベースに形成したことを特徴
    とするリード加工用刃物台装置。
  2. 【請求項2】前記スライドを前記可動子の両端部延長部
    に各々設け,一方の前記スライドの前記刃物取付部に刃
    物を取り付け,前記リニアモータに設けたエア通路を通
    じて前記固定子の内周面と前記可動子の外周面との隙間
    に冷却エアを送り込むように構成したことを特徴とする
    請求項1に記載のリード加工用刃物台装置。
  3. 【請求項3】前記スライドと前記スライドベースとの間
    の前記エア軸受に供給する冷却エア,前記リニアモータ
    の前記可動子と前記固定子間に供給する冷却エア,及び
    刃物によって加工される工作物の加工部位に供給する冷
    却オイルを,冷却装置によって同一温度に冷却制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のリード加工用刃物台
    装置。
  4. 【請求項4】NC制御されるX-Z移動テーブル上に固定さ
    れ且つ工作物の切削に必要な回転を与えるサーボモータ
    を組み込んだ主軸手段,該主軸手段に設けた工作物を保
    持位置決めするクランプ手段,並びに該クランプ手段に
    保持される工作物と対向する位置に設定したテーブル,
    該テーブルに取り付けたリニヤモータ,該リニヤモータ
    の可動子の端部延長部に設けたスライド,前記テーブル
    に取り付けたスライドベース,該スライドベースに前記
    スライドを移動可能に支持するエア軸受,及び前記スラ
    イドに設けた刃物取付部から成り,前記スライドの外形
    を断面四角形状に形成し,前記スライドを支持する加工
    精度に影響する側のエア受圧面積を他のエア受圧面積よ
    り大きく形成すると共に,前記エア軸受のエアを逃がす
    エア逃げ溝を前記スライドベースに形成し,前記スライ
    ドに取り付けた前記刃物が前記主軸手段に保持した前記
    工作物の回転角度に対応して往復運動を繰り返すことを
    特徴とするNCリード加工装置。
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