JP2743015B2 - O―アセチル化されたガングリオシドgm▲下3▼に特異的なモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ及びその作製方法 - Google Patents

O―アセチル化されたガングリオシドgm▲下3▼に特異的なモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ及びその作製方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、O−アセチル化されたガングリオシドGM3
に特異的なモノクローナル抗体、該モノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマ及びその作製方法に関する。
[従来の技術] 細胞膜の構成成分である糖脂質は、構成糖の種類、
数、結合方法等の違いにより多様な分子種が存在し、種
特異的、臓器特異的、細胞特異的な分布を示している。
その生理的機能としては、細胞毒素、ホルモン等の受容
体として、また血液型物質等免疫学的決定基としての相
互作用に関し重要な役割を有していることが明らかにな
ってきている。また、細胞のガン化に伴いその質的、量
的な組成変化が起こり、一部はガン抗原となり、またあ
る種の糖脂質が増殖因子やタンパク質キナーゼを介する
細胞増殖機構の調節役を果たしていることが示唆されて
いる。
特にガンとの関連性については、モノクローナル抗体
の生産手段がミルスタインらにより報告され[Nature,2
56,495(1975)]ガン細胞に特異的なモノクローナル抗
体が作製されてくる中で、このうちのいくつかは糖脂質
または糖タンク質の糖鎖を認識する抗体であることが明
らかになってきている[J.Natl.Cancer Inst.,71,231
(1983)]。例えば、膵臓ガンのモノクローナル抗体CA
−19−9(米国Centocor社)は、ガンに特異的な糖鎖モ
ノシアロガングリオシドを識別するものである。
このようにガン化機構解明の手掛かりとして、またガ
ン抗原及びガンマーカーとして糖脂質が研究されてい
る。
近年、ガングリオシドの構成成分であるシアル酸にガ
ン特異的抗原性を示すような量的、質的変化が認められ
注目されている。例えば、ガングリオシドGD3は正常組
織にはほとんど検出されないヒトメラノーマ関連抗原で
あり、これに対するモノクローナル抗体もいくつか作製
されている(J.Exp.Med.155,1133−1137(1982)、Int.
J.Cancer 29,269−275,(1982))。さらにrat B49セル
ラインに対し作製されたモノクローナル抗体D1.1は、ヒ
トメラノーマ特異的に反応し、N−アセチルノイラミン
酸の9位がアセチル化されたガングリオシドGD3(9−
O−Ac−GD3)を認識する(J.Biol.Chem.259,7453−745
9(1984))。また、逆に、シアル酸の9位をアセチル
化する試薬、N−アセチルイミダゾールを用いGD3をア
セチル化したところ、モノクローナル抗体D1.1と反応し
た(Science,225,844−846(1984))。
このように、O−アセチル化されたシアル酸及び/又
はO−アセチル化されたシアル酸含有糖鎖が癌関連抗原
となる可能性が示唆され、それに対する抗体は、癌化機
構の解明、癌診断及び癌治療に用いることができる可能
性がある。
また、9位がアセチル化されたシアル酸を含有する複
合糖質は、インフルエンザCウイルスのレセプターであ
ることがわかっている(J.Biol.Chem.261,5947−951,
(1986)、Virology,159,102−108,((1987))。従っ
て、これに対するモノクローナル抗体は、インフルエン
ザウイルスの感染機構解明、感染防御に応用することが
できる可能性がある。
一方、ガングリオシドGM3は、下記式で表わされ、正
常組織に広く存在するが、ヒトメラノーマに特異的に反
応するモノクローナル抗体M2590はGM3と反応多する(J.
Biol.Chem.260,13328−13333,((1985))。
ガングリオシドGM3は、存在状態、特に存在密度、存
在量の差により癌関連抗原となり得ることがわかってい
る(J.Immunology,139,3171−3176(1987))。
[発明が解決しようとする問題点] 上述のように、従来よりシアル酸含有糖鎖の癌関連抗
原としての可能性が示唆されているが、本発明目的は、
シアル酸含有糖鎖と特異的に反応し、癌診断薬としての
用途を有する新規なモノクローナル抗体を提供すること
である。
[問題点を解決するための手段] 本願発明者らは、鋭意研究の結果、O−アセチル化さ
れたガングリオシドGM3を特異的に認識するモノクロー
ナル抗体を作製することに成功し、また、該モノクロー
ナル抗体を用いて癌の診断が可能であることを見出し、
本発明を完成した。
すなわち、本発明は、O−アセチル化されたガングリ
オシドGM3に反応し、O−アセチル化されていないガン
グリオシドGM3には反応しないモノクローナル抗体を提
供する。
さらにまた、本発明は、本発明のモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを提供する。
さらに本発明は、O−アセチル化されたガングリオシ
ドGM3を自己免疫疾患マウスに免疫し、該免疫マウス由
来の抗体産生細胞を一方の親細胞として用いるハイブリ
ドーマの作製方法を提供する。
[発明の効果] 本発明により、O−アセチル化されたガングリオシド
GM3を特異的に認識する新規なモノクローナル抗体、そ
れを産生するハイブリドーマ及びその作製方法が提供さ
れた。本発明のモノクローナル抗体は、癌、特に子宮癌
及び卵巣癌の診断に用いることができる。
[発明の具体的説明] 上述のように、本発明のモノクローナル抗体は、少な
くともO−アセチル化されたガングリオシドGM3と特異
的に反応し、ガングリオシドGM3とは反応しない。後述
の実施例において具体的に示されるように、本発明のモ
ノクローナル抗体は、O−アセチル化GM3とは反応する
が、O−アセチル化GM3をアルカリ処理してアセチル基
をはずし、元のGM3としたものには反応しなくなるか
ら、本発明のモノクローナル抗体はO−アセチル化GM3
のO−アセチル基を含む部分を抗原決定基としているこ
とは明らかである。
次に、本発明のモノクローナル抗体の作製法を詳細に
説明する。
まず、免疫原を哺乳動物に免疫する。免疫する哺乳動
物は細胞融合に使用する骨髄腫細胞との適合性を考慮し
て選択することが好ましく、マウス、ラットを用いるの
が好ましい。特に、本発明において免疫原として使用す
るO−アセチル化されたガングリオシドGM3は、マウス
組織内の存在が考えられており免疫原性は極めて弱いと
考えられるので自己免疫疾患動物を用いることが好まし
い。使用可能な自己免疫疾患マウスとして、NZB、NZW、
B/WF1、MRL/1,BXSB雄、SL/Ni等の自己免疫疾患マウスを
挙げることができる。
また、グラム陰性菌脂質多糖体(LPS)、デキストラ
ン硫酸等のポリクローナルB細胞活性化剤(PBA)を投
与することにより自己抗体産生能を高めさせたBalb/c等
のマウスを自己免疫疾患状態にして用いることもでき
る。
免疫原としては、O−アセチル化されたガングリオシ
ドGM3を有する細胞体、該細胞より分離した細胞膜成分
及び該細胞より分離したO−アセチル化されたGM3等を
用いることができるが、Method in Enzymology、83、15
5−167(1982)に記載の方法に従って細胞よりガングリ
オシドGM3を分離し、これをScience、225、844−846(1
984)に記載の方法に従いN−アセチルイミダゾールで
O−アセチル化処理したO−アセチル化ガングリオシド
GM3を用いることが好ましい。
免疫は一般的方法により行なうことができる。すなわ
ち、上記した免疫原をリン酸緩衝溶液(以下、PBSと言
う)で希釈し、腹腔内又は静脈内に投与することができ
る。その際、免疫原を牛血清アルブミン(BSA)及び菌
体等の担体に担じさせることもできる。また、フロイン
トアジュバント又は菌体アジュバント等のアジュバント
を共に注射することもできる。免疫原の抗原性を高める
ためには、免疫原を酢酸処理したサルモネラミネソタバ
クテリアに吸着させて投与することが好ましい。酢酸処
理の方法はEur.J.Biochem.,24,116−122(1971)に記載
の方法に従った。
次に、免疫動物から採取した脾細胞はマウス骨髄腫細
胞と融合させる。骨髄腫細胞としては既に公知の種々の
細胞、例えば、NS−1、SP−2、X63.6.5.3、P3−U1等
を用いることができる。融合方法は、公知の手法に準じ
て行なうことができる。融合促進剤としてポリエチレン
グリコール(PEG)、センダイウィルス(HVJ)等を用い
ることができる。脾細胞と骨髄腫細胞との混合比は1対
1〜10対1が好ましい。
細胞融合した後、通常の選択用培地で培養することに
よりハイブリドーマを選択することができる。前記した
骨髄腫細胞はHAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン及びチミジンを含む)中では成育できないためHAT培
地中で成育する細胞を選択すればよい。
ハイブリドーマのコロニーが充分に大きくなったとこ
ろで目的とする抗体を産生する株の検索及びクローニン
グを行なう。O−アセチル化されたGM3に特異的な抗体
の検索は、一般に抗体の検出に用いられる方法、例え
ば、ELISA法[Meth.Enzymolo.,70,419(1980)]、凝集
反応法、RIA法、二重免疫拡散法等により行なうことが
できる。また、クローニングは限界希釈法により行なう
ことができる。すなわち、96穴マイクロタイタープレー
ト上にハイブリドーマが各ウエル当たり1個以下になる
ように分配し、単一コロニーを生育させることを繰り返
し行ないモノクローン化されたハイブリドーマを得るこ
とができる。この際、フィーダー細胞としてマウス胸線
細胞を添加することが好ましい。
本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マは、液体窒素内で長期保存が可能であり、分譲可能な
状態で保持することができる。
本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマを培
地中で培養し、培養上清から分離する方法又はハイブリ
ドーマをマウス腹腔内に投与し、その腹水より回収する
方法により得ることができる。さらに、一般的な方法、
硫安沈殿、ゲル濾過、イオン交換カラムクロマトグラフ
ィー等を用いて精製することもできる。
本発明のモノクローナル抗体と反応するO−アセチル
化されたガングリオシドは正常組織には存在せず、癌組
織、特に子宮癌や卵巣癌組織中にのみ存在するので、本
発明のモノクローナル抗体は、癌、特に子宮癌及び卵巣
癌の診断薬として有用である。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 糖脂質の分離・精製 糖脂質の分離、精製は、Method in Enzymology,83,15
5−167,1982に記載された方法に準じて以下のように行
なった。生理食塩水にて充分に洗浄した犬赤血球を多量
の冷アセトン中に加え、得られた沈殿物をクロロホル
ム:メタノール:水の容量比が(10:20:1)、(10:10:
0)、(20:10:1)の各混合溶液で順次抽出操作を行っ
た。得られた粗製糖脂質をDEAE−セファデックスA−25
カラムクロマトグラフィー(ファルマシア社製)にかけ
酸性画分と中性画分とに分離した。酸性画分をアルカリ
処理した後、イアトロビーズカラムクロマトグラフィー
(ヤトロン社製)で精製しガングリオシドGM3を得た。
免疫原の調製 上記のようにして得られた精製ガングリオシドGM32mg
をピリジン1mlに溶解した後、N−アセチルイミダゾー
ルのピリジン溶液(2mg/ml)0.5mlを加え50℃で24時間
加熱した。反応生成物は薄層クロマトグラフィー(TL
C)(展開溶媒:クロロホルム:メタノール:0.2% 塩
化カルシウム水溶液(55:45:10(v/v/v))により定性
した結果、GM3(Rf=0.50)よりRf値の大きなO−アセ
チル化されたGM3(Rf=0.58)の生成が確認された。反
応混合溶液は溶媒を留去した後、クロロホルム:メタノ
ール(1:1(V/V))に溶解し−20℃で保存した。一部に
ついてはイアトロビーズカラムクロマトグラフィーで各
々の成分を単離した。イアトロビーズカラムクロマトグ
ラフィーの条件はクロロホルム:メタノール:水(75:2
5:2)から(55:47:3)の極性傾ばい法である。この保存
溶液300μgをリン酸緩衝溶液(PBS)1.5mlに溶解し、
サルモネラミネソタ菌体1.2mgを加えたPBS1.5mlと充分
に混和したものを免疫原として用いた。なお、サルモネ
ラミネソタバクテリアはアセトン、エーテルで洗浄後、
1%酢酸にて100℃、2時間処理し、水洗後、乾燥した
ものを用いた。
免疫法及び細胞融合 NZBマウス(雌、8週令)に百日咳死歯5x108のPBS溶
液300μlを腹腔内注射し、同時に調製した免疫原300μ
lを静脈注射した。以後、免疫原を同様に3週間おきに
3回静脈注射した。
最終免疫の3日後、マウスの脾細胞を摘出し、RPMI16
40培地にて洗浄した。一方、対数増殖期にあるマウス骨
髄腫細胞X63.6.5.3を集めRPMI1640培地で洗浄した。脾
細胞1.5x108の浮遊液とマウスミエローマ3.1x107の浮遊
液を混合し、遠心分離にて培地を除去した。37℃に加温
した水浴中で混合した細胞に50%ポリエチレングリコー
ル−RPMI1640培地1mlを1分間かけて徐々に加え1時間
緩やかに撹拌させ融合を行なった。RPMI1640培地2mlを
2分間かけ、更に7mlを2分間かけて緩やかに撹拌しつ
つ添加した。遠心分離にて培地を除去し、細胞に10%牛
胎児血清含有RPMI1640培地40mlを加えた後、96穴プレー
ト4枚に1穴当たり0.1mlずつ分配した。翌日、HAT培地
(4x10-7Mアミノプテリン、1.6x10-5Mチミジン、1x10-4
Mヒポキサンチン、10%牛胎児血清を含むRPMI1640培
地)0.1mlを各ウエルに加えた。各ウエルの培地は、更
に3日又は4日ごとにHAT培地に半量づつ交換した。培
養3週間後、90%のウエルにハイブリドーマの生育が認
められた。
バイブリドーマの選択 ハイブリドーマ培養上清中の抗体の検索は、抗原とし
て上記免疫原の調製で得たO−アセチル化されたガング
リオシドGM3混合物を用いてELISA法にて行なった。
抗原500ngをELISA用マイクロタイタープレートに吸着
させ、1%BSA・PBS溶液にてブロッキングした後、培養
上清を反応させた。更に、パーオキシダーゼ標識ヤギ抗
マウス免疫グロブリン抗体を反応させ、基質としてオル
トフェニレンジアミンを用いて492nmにおける吸光度を
測定することにより目的の抗体を検出した。その結果、
免疫、細胞融合にて作製したハイブリドーマ中、O−ア
セチル化されたガングリオシドGM3混合物と反応する抗
体が3つのウエルに検出され、このうちO−アセチル化
されていないGM3と反応しない抗体が1つ得られた。
得られたハイブリドーマはHAT培地からアミノプテリ
ンを除いたHT培地に移し、更に10%牛胎児血清(FCS)
含有RPMI1640培地に移し培養した。
次に、得られたハイブリドーマを限定希釈法によりク
ローニングした。すなわち、96穴プレートに1穴当り0.
8個の密度に細胞を希釈して1穴当り4x105個のマウス胸
線細胞と共に培養し、2週間後にELISA法にて抗体産生
細胞を選択した。クローニングを更に繰り返し、安定な
ハイブリドーマMAc−301を得た。
モノクローナル抗体MAc−301は、ELISA法によりクラ
スはIgG3と決定された。ハイブリドーマMAc−301は、平
成元年7月20日に微工研に寄託され、その寄託番号は微
工研菌寄第10869号である。
実施例2 抗原特異性 実施例1で得られたO−アセチル化されたガングリオ
シドGM3又はO−アセチル化していないGM3を抗原として
ELISA法を行なった。
各抗原500ngをタイタープレートに吸着させ、ハイブ
リドーマ培養上清を10%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地
で段階希釈した液を反応させ、さらにパーオキシダーゼ
標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体を反応させた。反
応混合物は、オルトフェニレンジアミンを基質とし492n
mにおける吸光度を測定した。その結果を図1に示し
た。
図1より、本発明のモノクローナル抗体はO−アセチ
ル化されたGM3とは反応するが、O−アセチル化されな
いGM3とは反応しないことがわかる。
実施例3 抗原特異性 TLCプレートAにはTLCプレートの下端から1cmのとこ
ろに5mmの幅で実施例1で得た抗原O−アセチル化され
たGM3混合物(レーン2)及びO−アセチル化されてい
ないGM3(レーン1)を2μgずつスポットし展開溶媒
クロロホルム:メタノール:0.2%塩化カルシウム水溶液
(55:45:10(v/v/v))で展開した後、オルシノール試
薬で発色した。
TLCプレートBには、上記の抗原400ngずつをスポット
し同様に展開した後、MAc−301の溶液を反応させ、更に
パーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン抗体
を反応させた。基質として4−クロロ−1−ナフトール
を用いて青紫色の発色スポットを検出した。このオルシ
ノール発色及び酵素免疫染色の結果を図2に示した。
図2より、本発明のモノクローナル抗体はO−アセチ
ル化されたGM3とは反応するが、O−アセチル化されな
いGM3とは反応しないことが分かる。
実施例4 抗原として実施例1で得た精製ガングリオシドGM
3(レーン1)、単離したO−アセチル化されたGM3(レ
ーン2)及び単離したO−アセチル化されたGM3をアル
カリ処理してO−アセチル基をはずしたもの(レーン
3)を用いることを除いて実施例3と同様な操作を行な
った。なお、このアルカリ処理は、O−アセチル化され
たGM3をTLC上にスポットした後、アンモニア蒸気下24時
間静置して行なった。その結果を図3に示した。プレー
トAはオルシノール試薬による発色、プレートBは酵素
免疫染色によるものである。
本発明のモノクローナル抗体はO−アセチル化された
GM3とは反応するが、O−アセチル化されないGM3とは反
応していない。また、アルカリ処理によりO−アセチル
化されたGM3がO−アセチル化されていないGM3に転化さ
れると本発明の抗体MAc−301との反応性もなくなること
が分かる。このことから、MAc−301は、O−アセチル化
されたGM3のO−アセチル基を含む部分を抗原決定基と
して認識していることが明らかになった。
実施例5 子宮癌2例、卵巣癌2例の各癌組織の細胞を用いて、
実施例1のイヌ赤血球と同様な操作を行ないDEAE−セフ
ァデックスA−25カラムクロマトグラフィーにより得ら
れた酸性画分をガングリオシド画分とした。得られたガ
ングリオシド画分をシアル酸量にして2μgずつTLC上
にスポットし、実施例3と同様に酵素免疫染色を行なっ
た。なお、展開溶媒はクロロホルム:メタノール:2.5%
アンモニア水(55:45:10(v/v/v))を用いた。
その結果、4例中子宮癌1例、卵巣癌2例に発色スポ
ットが検出され、O−アセチル化されたガングリオシド
の癌関連抗原としての存在及び本発明のモノクローナル
抗体による検出が確認された。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のモノクローナル抗体の、O−アセチル
化されたGM3及びO−アセチル化されていないGM3に対す
る反応性を示す酵素免疫分析の結果を示す図、 図2は、本発明のモノクローナル抗体の、O−アセチル
化されたGM3及びO−アセチル化されていないGM3に対す
る反応性を示す、薄層クロマトグラフィーによるオルシ
ノール発色パターン及び酵素免疫染色パターンを示す
図、 図3は、本発明のモノクローナル抗体の、精製ガングリ
オシドGM3、単離したO−アセチル化されたGM3及び単離
したO−アセチル化されたGM3をアルカリ処理してO−
アセチル基をはずしたものに対する反応性を示す、薄層
クロマトグラフィーによるオルシノール発色パターン及
び酵素免疫染色パターンを示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】O−アセチル化されたガングリオシドGM3
    に反応し、O−アセチル化されていないガングリオシド
    GM3には反応しないモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のモノクローナル抗体を産生
    するハイブリドーマ。
  3. 【請求項3】O−アセチル化されたガングリオシドGM3
    を自己免疫疾患マウスに免疫し、該免疫マウス由来の抗
    体産生細胞を一方の親細胞として用いるハイブリドーマ
    の作製方法。
JP1219432A 1989-08-25 1989-08-25 O―アセチル化されたガングリオシドgm▲下3▼に特異的なモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ及びその作製方法 Expired - Fee Related JP2743015B2 (ja)

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