JP2738925B2

JP2738925B2 - 水洗便器

Info

Publication number: JP2738925B2
Application number: JP6757396A
Authority: JP
Inventors: 芳朗松下; 眞西川; 昌司山田; 隆宏中村; 勝之奥村; 靖史佐藤; 哲二新山; 博雄福井
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1996-03-25
Filing date: 1996-03-25
Publication date: 1998-04-08
Anticipated expiration: 2016-03-25
Also published as: JPH09256447A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、水洗便器に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、ロータン
クの設置を不要とし、節水化を図ることのできる水洗便
器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、住宅等のトイレに設置される
水洗便器については、様々な構成と構造とを有する各種
のものが提供されており、たとえばロータンクを備えた
ポンプ給水方式の水洗便器が知られている。このポンプ
給水方式の水洗便器においては、ボウルよりも高い位置
に設けたロータンク内に汚物排出及びボウル洗浄用の水
を貯溜する。そして、その溜水をボウル内に供給したと
きに、それが有する水頭圧により溜水を、ボウルに接続
された封水用のトラップ部を乗り越えさせ、汚物を排出
するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このポ
ンプ給水方式の水洗便器の場合には、汚物排出のために
大きな水頭圧を必要としていることから、ロータンクの
設置は必要不可欠であり、これを省略することは本来的
に不可能である。このため、限られたトイレ空間である
にもかかわらず、ロータンクがその一部を占有すること
となり、設置のために制約が課せられる場合が少なくな
い。また、トイレには、便器以外にも、手洗い器等の付
属装置や備品の収納装置などの設置も必要なため、便器
だけにスペースを割くことは好ましくない。

【０００４】しかも、従来の水洗便器については、一般
に、汚物排出時には、水をトラップ部を乗り越えさせる
必要があるため、汚物排出に多量の水を必要としてい
る。上記したポンプ給水方式の水洗便器も例外でなく、
限りのある水資源を考慮すれば、より節水型の水洗便器
の実現が望まれる。この発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、従来の水洗便器の欠点を解消
し、ロータンクの設置を不要とし、節水化を図ることの
できる水洗便器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ボウルから延びる排水路にトラ
ップ部を配設した水洗便器において、トラップ部は、回
転軸上に支持され、自由端とした終端が上下方向に回転
及び反転自在とされるとともに、トラップ部は、外部排
水管に連通するケース体の内部に収納され、前記回転軸
には駆動源が接続されたことを特徴とする水洗便器を提
供する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面に沿って実施例をも示
しつつ、この発明の水洗便器についてさらに詳しく説明
する。

【０００７】

【実施例】図１及び図２は、各々、この発明の水洗便器
の一実施例を示した縦断面図及び横断面図である。たと
えばこの図１及び図２に示した例においては、ボウル
（１）の底部の排水口（２）から便器後方に向かって排
水管部（３）が延びている。この排水管部（３）の終端
と外部排水管（４）に接続される便器底部の排出口
（５）との間には、トラップ部（６）が設けられてい
る。この例においては、トラップ部（６）は、蛇腹状の
伸縮及び屈曲自在なホース（７）で形成されている。ホ
ース（７）の材質については特に制限はなく、樹脂、ゴ
ム等の折れ曲がることなく、伸縮及び屈曲自在となる弾
力性に富んだ適宜な材質を採用することができる。この
トラップ部（６）として設けられたホース（７）は、排
出口（５）に連通する内部空間を有するケース体（８）
に収容されている。そして、これらの排水口（２）、排
水管部（３）、トラップ部（６）、ケース体（８）及び
排出口（５）によって水洗便器の排水路が形成されてい
る。

【０００８】図３及び図４は、トラップ部（６）周辺を
拡大して示した縦断面図及び横断面図である。これらの
図３及び図４に例示したように、ホース（７）の一端
は、排水管部（３）の終端に直に接続され、固定端とし
ている。具体的には、ホース（７）の一端に排水管部
（３）の終端が差し込まれ、外周からホースバンド
（９）によって締め付けられている。

【０００９】また、ホース（７）の固定端側には、外径
方向に突出する固定片（１０）が設けられている。排水
管部（３）の終端側のケース体（８）には、ホース
（７）の外径に略等しい開口部が形成されており、この
開口部を介してホース（７）は、ケース体（８）内に挿
入され、収容されている。そして、その固定片（１０）
を介してホース（７）は、固定端側においてケース体
（８）に連結されている。図３図中の拡大断面図に示し
たように、ホース（７）とケース体（８）との連結部で
は、固定片（１０）の背面にフランジ（１１）が、ま
た、ケース体（８）の表面にはワッシャ（１２）がそれ
ぞれ配置され、ケース体（８）の表面側より挿入したネ
ジ（１３）がフランジ（１１）にねじ込まれて、結合
し、固定片（１０）は、ケース体（２）とフランジ（１
１）との間に挟み込まれ、ケース体（８）の内面に当接
している。このような固定片（１０）を設けることで、
排水管部（３）との連結に必要とされるホースバンド
（９）の設置を一部省略することができ、連結作業を簡
便かつ容易とすることができる。固定片（１０）の材質
についても特に制限はなく、たとえばホース（７）と同
種又は異種の材料から形成することができる。また、固
定片（１０）は、ホース（７）の作成時に一体的に成形
することも可能である。もちろん、別体として形成し、
その後接着等により一体化しても構わない。

【００１０】一方、ホース（７）の他端は自由端として
おり、図３図中に示した矢印方向、すなわち上下方向の
回転及び反転が自在とされている。具体的には、図４に
示したように、ホース（７）の自由端には支持部材（１
４）が固定されている。支持部材（１４）は、ホース
（７）の外側にその直径方向に配置した一対のアーム
（１５ａ）（１５ｂ）の一端に連結されている。また、
アーム（１５ａ）（１５ｂ）は、それぞれ、他端におい
て、ケース体（７）上に同軸上に配置した回転可能とし
た回転軸（１６ａ）（１６ｂ）に連結されている。回転
軸（１６ａ）は、たとえば継ぎ手（１７）などを用いて
固定することができ、また、回転軸（１６ｂ）は軸受け
（１８）等に接続することができる。回転軸（１６ａ）
（１６ｂ）は、これに加えられる外部からの回転力によ
り円滑に回転することができ、この回転が、アーム（１
５ａ）（１５ｂ）及び支持部材（１４）に伝達されて、
ホース（７）は、回転軸（１６ａ）（１６ｂ）に加えら
れる回転力に応じて上下方向に回転及び反転する。ホー
ス（７）は、十分な柔軟性を有し、伸縮及び屈曲が可能
なため、回転および反転により折れ曲がることはなく、
また、内径が縮小されるこもない。

【００１１】また、この例においては、回転軸（１６
ａ）に回転力を加えるようにしており、モータ（１９）
が、駆動源として、この回転軸（１６ａ）に減速機構
（２０）を介して接続されている。こうして、モータ
（１９）の回転力が回転軸（１６ａ）に伝達され、その
正回転及び逆回転をそれぞれホース（７）の自由端の回
転及び反転に一致させることができる。これらのモータ
（１９）及び減速機構（２０）は、とともに、ケース体
（８）の表面上に固定することができる。

【００１２】なお、回転軸（１６ａ）は、上記したよう
に、継ぎ手（１７）を用いて固定することができ、モー
タ（１９）以外の外力によって回転したり、位置ずれが
生じたりするのを防止することが可能である。さらに、
図示してはいないが、水洗便器には、モータ（１９）の
制御系が備えられてもいる。この制御系には、モータ
（１９）の作動を入力するスイッチとともに、位置検知
スイッチ（２０）を電気的に接続することができる。位
置検知スイッチ（２０）は、ホース（７）の自由端が上
方を向いて配置されるときの位置を検知する位置検知手
段として設けられている。そしてまた、制御系には、こ
の位置検知スイッチ（２０）からの位置検知入力を受け
てモータ（１９）の動作を制御する制御手段を組み込む
ことができる。位置検知スイッチ（２０）からの位置検
知信号が入力されると、制御手段は、モータ（１９）の
作動を停止する。こうして、モータ（１９）の逆回転時
に、ホース（７）の自由端が上方を向いて配置されるの
を確実とする。このような制御手段については特に制限
はなく、たとえばマイクロコンピュータ等が例示され
る。また、位置検知スイッチ（２０）の位置検知入力
は、ホース（７）の自由端が下方を向いて配置されると
きも合わせて検知することも可能である。

【００１３】たとえば以上の構成を有する水洗便器は、
汚物排出時に以下のように動作する。通常は、ホース
（７）の自由端は、上方を向いて配置されている。この
ため、ボウル（１）内部には、この自由端までの高さに
水が溜められ、封水される。用便後に便器洗浄をスイッ
チ入力すると、ボウル（１）には、従来通りにボウル面
洗浄用の洗浄水が供給される。そのたとえば２〜３秒後
にモータ（１９）が作動する。このとき、モータ（１
９）は正回転し、その回転により回転軸（１６ａ）（１
６ｂ）が回転し、これがアーム（１５ａ）（１５ｂ）及
び支持部材（１４）に伝達してホース（７）が下方に回
転する。そして、ホース（７）の自由端が排出口（５）
と対面したところで、モータ（１９）は停止する。汚物
は、溜水とともに排出される。

【００１４】このときのモータ（１９）の停止は、位置
検知スイッチ（２０）による位置検知入力を受けて行わ
れるようにしても、また、作動開始時からホース（７）
の自由端が下方に配置されるまでの所要時間をあらかじ
め制御系に設定しておき、この時間経過後に自動的に行
われるようにすることも可能である。モータ（１９）の
動作時間は約１秒程度とすることができ、この場合、制
御系にはタイマを設けることができる。

【００１５】しばらくして、汚物が完全に排出されたと
きには、モータ（１９）が逆回転し、ホース（７）の自
由端が反転する。汚物排出及びボウル（１）の洗浄は、
およそ２秒程度とすることができる。この間、モータ
（１９）は停止しており、ホース（７）の自由端は下方
を向いたまま保持される。位置検知スイッチ（２０）か
らの位置検知入力があると、モータ（１９）は停止す
る。このとき、ホース（７）の自由端は、初期状態に戻
り、上方を向くように配置される。ボウル（１）内部に
は再び水が溜められ、封水される。水が余分に供給され
た場合には、ホース（７）の自由端よりオーバーフロー
し、排出口（５）から排水される。ボウル（１）から水
が溢れ出て床面等を濡らすことはない。

【００１６】このように、この水洗便器においては、ト
ラップ部（６）を越えるように水を供給しなくとも、汚
物をボウル（１）から排出することができるため、従来
のように、大きな水頭圧を必要としない。従って、従来
のポンプ給水方式の水洗便器に設けられていたロータン
クを不要とすることができる。ロータンクは省略可能で
あり、水洗便器の構成が簡略化される。限られたトイレ
空間であっても、水洗便器の設置に制約が課せられるこ
とはなく、また、トイレ空間の有効利用が図れる。ロー
タンクを設置することによる圧迫感も解消される。たと
えば水洗便器は、図２に示したように、水道管直結型と
することができる。ボウル（１）の上端縁にその全周に
沿って設けられたリム部（２１）には、給水弁（２２）
を介して水道管に接続することができる。ボウル（１）
を洗浄する洗浄水は、リム部（２１）に直接供給され
る。

【００１７】さらに、上記水洗便器の場合には、汚物排
出は、基本的に、ボウル（１）内部の溜水で十分であ
り、水量の低減が可能となる。汚物排出時には、ボウル
（１）内に給水されるが、これは追い水として主にボウ
ル面の洗浄に使用され、そのための水量は少量で足り
る。より節水型の水洗便器が実現される。なお、停電時
には、モータ（１９）が作動しなくなるが、その際には
バケツ等に汲み水をし、これをボウル（１）内に供給す
れば、そのときの勢いにより水がホース（７）の自由端
を越え、排出することができる。封水するときには、ボ
ウル（１）内に溜水が形成されるまで汲み水を給水すれ
ばよい。停電時への対応のために特別な手段を付設する
必要はない。断水時も基本的に停電時と同様に対応する
ことができる。汲み水をボウル（１）内に供給すること
で汚物排出と溜水形成が可能である。

【００１８】もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されるものではない。トラップ部の構成及び構造、そ
の自由端の上下方向の回転及び反転のための機構等の細
部については様々な態様が可能であることは言うまでも
ない。また、水洗便器本体についても特別の限定はな
い。図１及び図２に示した例においては、ボウル（１）
の開口部の口径が通常径よりも拡大されているが、通常
径のボウル（１）であってもよい。この図１及び図２に
例示されたボウル（１）は、大口径の開口部を有し、そ
の上端が後部に向かって所定角度で上方に傾斜してい
る。このようなボウル（１）を備えた水洗便器の場合に
は、通常径のボウルが設けられた水洗便器に比べ受取領
域が拡大しているため、男子小用が容易となるという効
果がある。

【００１９】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、ロータンクの省略が可能となり、水洗便器の構成
を簡略化することができる。限られたトイレ空間であっ
ても設置に制約が課せられることはなく、また、トイレ
空間の有効利用が図れる。ロータンクを設置することに
よる圧迫感も解消される。

【００２０】しかも、汚物排出に必要な水量は、基本的
にボウル内部の溜水で十分となり、節水化が図れる。節
水型の水洗便器となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の水洗便器の一実施例を示した縦断面
図である。

【図２】図１に示した例の横断面図である。

【図３】トラップ部周辺を拡大して示した縦断面図であ
る。

【図４】図３に示した例の横断面図である。

【符号の説明】

１ボウル２排水口３排水管部４外部排水管５排出口６トラップ部７ホース８ケース体９ホースバンド１０固定片１１フランジ１２ワッシャ１３ネジ１４支持部材１５ａ，１５ｂアーム１６ａ，１６ｂ回転軸１７継ぎ手１８軸受け１９モータ２０減速機構２１リム部２２給水弁

フロントページの続き (72)発明者中村隆宏大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)発明者奥村勝之大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)発明者佐藤靖史大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)発明者新山哲二大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内 (72)発明者福井博雄大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株式会社内

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ボウルから延びる排水路にトラップ部を
配設した水洗便器において、トラップ部は、回転軸上に
支持され、自由端とした終端が上下方向に回転及び反転
自在とされるとともに、トラップ部は、外部排水管に連
通するケース体の内部に収容され、前記回転軸には駆動
源が接続されたことを特徴とする水洗便器。
【請求項２】トラップ部が伸縮及び屈曲自在な蛇腹状
のホースである請求項１記載の水洗便器。
【請求項３】トラップ部終端が支持部材に固定され、
この支持部材に一端を連結したアームが他端において回
転軸に連結され、駆動源としてモータが備えられた請求
項１又は２記載の水洗便器。
【請求項４】トラップ部終端が上方を向いて配置され
るときの位置を検知する位置検知手段が設けられ、この
位置検知手段からの検知信号の入力によりモータの動作
を制御する制御手段が設けられた請求項３記載の水洗便
器。
【請求項５】蛇腹状ホースの一端は固定端とされ、ボ
ウルから延びる水洗便器排水管部の終端にホースバンド
により直結されるとともに、前記ホースには、その固定
端側に外径方向に突出する固定片が設けられ、この固定
片を介してホースが、固着手段によりケース体に連結さ
れている請求項２記載の水洗便器。