JP2734101B2 - ジアルキルペルオキシドおよびその用途 - Google Patents

ジアルキルペルオキシドおよびその用途

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JP2734101B2 JP1184498A JP18449889A JP2734101B2 JP 2734101 B2 JP2734101 B2 JP 2734101B2 JP 1184498 A JP1184498 A JP 1184498A JP 18449889 A JP18449889 A JP 18449889A JP 2734101 B2 JP2734101 B2 JP 2734101B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なジアルキルペルオキシド、及び、そ
の用途に関する。
(従来の技術) 光重合(光硬化)性モノマー、光重合(光硬化)性樹
脂組成物を光重合、光硬化させる重合、硬化法は、熱重
合、熱硬化法及び酸化硬化法に比べて、低温、迅速に重
合、硬化でき、生産性向上、省エネルギー、無公害など
の多くの長所があり、また、選択的硬化も可能であるた
め、印刷インキ、塗料、接着剤、樹脂凸版、プリント配
線基盤の加工、などに広く使われている。
光重合、光硬化方法においては、各種の開始剤が開発
されてきた。例えば、ベンゾイン、ベンゾインエーテル
類、ベンジル、アリールジアゾニウム塩、ベンゾフェノ
ン誘導体、アセトフェノン誘導体、キサンテート類、チ
オキサントン類、ハロゲン化炭化水素類などの紫外線の
作用下でラジカルを発生する光重合開始剤が知られてい
る〔ジャーナル・オブ・オイル・アンド・カラー・ケミ
スツ・アソシエーション〔J.Oil.Col.Assoc.)59巻,166
〜171頁(1976年)〕。
また、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシ
ドなどの有機過酸化物が光重合開始剤として使用できる
ことが知られている。しかし、これらの有機過酸化物
は、一般に320nm以下の光しか吸収しない〔ケミカル・
レビュー(Chem.Rev),68巻,125〜151頁(1965年)〕。
増感剤を併用することが試みられたが、増感剤から有機
過酸化物への分子間での光エネルギーの伝達効率が低
く、有機過酸化物の光分解効率が低くなってしまい、特
に、ジアルキル型有機過酸化物であるジ−t−ブチルペ
ルオキシドは、分子間では光増感分解しないと報告され
ている〔ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル
・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.),87巻,3413〜3417
頁(1965年)〕。
この問題を解決するために、分子内に光吸収基として
ベンゾフェノン基を含有するエステル型有機過酸化物が
開発されている(米国特許第4416826号)(特開昭59−1
97401)。しかし、これらの化合物は、暗所保存安定性
が悪い、硬化した樹脂が黄変するなどの欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 前記従来の光重合開始剤は、それぞれ有用であるが、
なお改良すべきいくつかの欠点を持っている。例えば、 (1)ベンゾイン、ベンゾインエーテル類は、暗所保存
安定性が悪い。
(2)ベンゾフェノン誘導体はアミン等と併用するが、
重合物、硬化物が黄変する。
(3)チオキサントン類は、モノマー及び樹脂への溶解
度が低い。
(4)光吸収基含有エステル型過酸化物は、熱安定性が
悪く、硬化した樹脂も黄変する。
本発明の目的は、従来の光重合開始剤の欠点を改良し
た、熱安定性が良く、重合物や硬化物の黄変が少なく、
しかも光重合、光硬化の効率のよい、工業的価値の高い
新規なペルオキシドおよびその用途を提供することにあ
る。
(発明を解決するための手段) 本発明の目的は、新規な光吸収基含有ジアルキルペル
オキシドによって達成された。
すなわち、本発明の第1は、一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
炭素数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、
R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは
1〜3,nは1〜2を表す。また、R1OOC(R2)(R3)基
は、メタ、またはパラ位である。) で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
ドであり、本発明の第2および第3は、前記新規ジアル
キルペルオキシドを有効成分とする光分解型ラジカル発
生剤および熱分解型ラジカル発生剤である。
ここで光分解型ラジカル発生剤とは、光重合開始剤、
光硬化剤、光架橋剤等であり、熱分解型ラジカル発生剤
とは、熱によりラジカルを発生する重合開始剤、架橋
剤、硬化剤等である。
本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
ドを具体的に示すと (1)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)ベンゾフェノン (2)4−(1−t−アミルペルオキシ−1−メチルエ
チル)ベンゾフェノン (3)4−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1−メチル
エチル)ベンゾフェノン (4)4−(1−t−オクチルペルオキシ−1−メチル
エチル)ベンゾフェノン (5)4−(1−クミルペルオキシ−1−メチルエチ
ル)ベンゾフェノン (6)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−2−メチルベンゾフェノン (7)4(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチ
ル)−2−プロピルベンゾフェノン (8)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−2,6−ジプロピルベンゾフェノン (9)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−2,6−ジプロピル−4′−t−ドデシルベンゾ
フェノン (10)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−4′−クロルベンゾフェノン (11)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−4′−ブロモベンゾフェノン (12)4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)−4′−ブトキシベンゾフェノン (13)4−(1−t−オクチルペルオキシ−1−メチル
プロピル)−2,6−ジプロピル−2′,3′,4′−トリメ
トキシベンゾフェノン (14)4−(1−t−オクチルペルオキシ−1−メチル
プロピル)−2−,6−ジプロピル−3′,4′−ジエトキ
シベンゾフェノン (15)3−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエ
チル)ベンゾフェノン (16)3−(1−t−オクチルペルオキシ−1−メチル
プロピル)−6−プロピル−3′,4′−ジエトキシベン
ゾフェノン などがある。
本発明の一般式(I)で示される化合物は、次の方法
で製造することができる。第1の製造法は、以下の通り
である。即ち、 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、R5
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは1〜
3、nは1〜2を表す。また、CH(R2)(R3)基は、メ
タ、またはパラ位である。) で示されるイソアルキル基置換ベンゾフェノンと、 一般式 R1OOH (II) (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クルミ基を表す。) で示されるヒドロペルオキシドを、第4および第5周期
の遷移元素の中から選ばれる金属の金属塩の存在下で反
応させ、 一般式 (式中、R1,R2,R3,R4,R5は前記と同じものを示し、m,n
も前記と同じである。また、R1OOC(R2)(R3)基は、
メタ、またはパラ位である。) で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
ドを得る。
最初の化合物(III)は、置換ベンゼンと置換ベンゾ
イルクロリドのフリーデル・クラフツ反応などにより、
容易に得られる。
本発明の製造法の化合物(III)とヒドロペルオキシ
ド(II)との反応では、触媒として第4および第5周期
の遷移元素の中から選ばれる金属の金属塩を用いること
ができる。金属塩の金属を具体的に示すと、銅、コバル
ト、マンガン、鉄、クロム、亜鉛などであり、配位子を
具体的に示すと、ヨウ素、臭素、塩素のハロゲン、硫
酸、リン酸、硝酸、炭酸などの鉱酸、ギ酸、酢酸、ナフ
テン酸、オクテン酸、グルコン酸、などの有機酸、シア
ン、アセチルアセトナートなどである。金属塩の使用量
はヒドロペルオキシド1モルに対して0.0001〜0.1モル
である。反応条件は用いる金属塩によって異なるが、反
応温度は通常30〜100℃、反応時間は1〜50時間が好ま
しい。また、溶媒としてベンゼン、トルエンなどを用い
ることができる。
第2の製造法は、α−ヒドロキシイソアルキル基置換
ベンゾフェノン誘導体(IV)を、酸触媒の存在下、ヒド
ロペルオキシド(II)と反応させることにより、一般式
(I)で示される化合物が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,m,nおよびR1OOC(R2)(R3
基の位置は、前記の通りである。) 最初の化合物(IV)は、化合物(III)を空気酸化し
て生成するヒドロペルオキシドを還元することにより容
易に得られる。
本発明の製造法の化合物(IV)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、酸触媒として過塩素酸、塩酸、硫
酸、リン酸などの鉱酸を用いることができる。酸触媒の
使用量は、化合物(IV)1モルに対して0.001〜1モル
である。溶媒として酢酸などを用いることができる。ま
た、反応系中に硫酸マグネシウムなどの脱水剤を存在さ
せると、収率を向上させることができる。反応条件は、
反応温度は通常0〜70℃、反応時間は1〜10時間が好ま
しい。
第3の製造法は、イソアルケニル基置換ベンゾフェノ
ン誘導体(V)を、酸触媒の存在下、ヒドロペルオキシ
ド(II)と反応させることにより、一般式(I)で示さ
れる化合物が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,nおよびR1OOC(R2)(R3
基の位置は、前記の通りである。) 最初の化合物(V)は、化合物(IV)を脱水すること
により容易に得られる。
本発明の製造法の化合物(V)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、酸触媒として塩酸、硫酸、過塩素
酸などの鉱酸、および/または、塩化亜鉛、塩化アルミ
ニウムなどのルイス酸などが使用される。酸触媒の使用
量は、化合物(V)1モルに対して0.001〜1モルであ
る。反応条件は、反応温度は通常0〜70℃、反応時間は
1〜10時間が好ましい。また、イソプロピルアルコール
などの溶媒を用いることができる。
第4の製造法は、α−ハロゲン化イソアルキル基置換
ベンゾフェノン誘導体(VI)を、アルカリの存在下、ヒ
ドロペルオキシド(II)と反応させることにより、一般
式(I)で示される化合物が得られる。
(式中、R1,R2,R3,R4,R5,X,m,nおよびR1OOC(R2
(R3)基の位置は、前記の通りである。) 最初の化合物(VI)は、化合物(III)を塩素ガス、
N−ブロモこはく酸イミドなどでハロゲン化することに
より容易に得られる。
本発明の製造法の化合物(VI)とヒドロペルオキシド
(II)との反応では、アルカリとして、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ピリジンなどを用いることができ
る。アルカリの使用量は、化合物(VI)1モルに対して
0.8〜3.0モルが好ましい。反応条件は、反応温度は通常
0〜70℃、反応時間は1〜10時間が好ましい。また、溶
媒としてヘキサン、ベンゼン、トルエン、エーテルなど
を用いることができる。
第5の製造法は以下の通りである。即ち、 一般式 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、R5
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは1〜
3、nは1〜2を表す。また、C(OOH)(R2)(R3
基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるα−ヒドロペルオキシイソアルキル基置換ベ
ンゾフェノンと、 一般式 R1OH (VIII) (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クルミ基を表す。) で示されるアルコールを、酸触媒の存在下で反応させ、
一般式(I)で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキ
ルペルオキシドを得る。
第6の製造法は以下の通りである。即ち、 一般式 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、R5
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは1〜
3、nは1〜2を表す。また、C(OOH)(R2)(R3
基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるα−ヒドロペルオキシイソアルキル基置換ベ
ンゾフェノンと、 一般式 R7R8C=CHR9 (IX) (式中、R7は炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル
基、R8は炭素数1〜2のアルキル基、R9は水素原子また
はメチル基を表す。) で示されるオレフィンを、酸触媒の存在下で反応させ、
一般式(I)で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキ
ルペルオキシドを得る。
第7の製造法は以下の通りである。即ち、 一般式 (式中、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4は炭素
数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、R5
炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは1〜
3、nは1〜2を表す。また、C(OOH)(R2)(R3
基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるα−ヒドロペルオキシイソアルキル基置換ベ
ンゾフェノンと、 一般式 R1X (X) (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
−クミル基、Xは塩素原子または臭素原子を表す。) で示されるハロゲン化アルキルとをアルカリの存在下で
反応させ、一般式(I)で示されるベンゾフェノン基含
有ジアルキルペルオキシドを得る。
上記製造方法によると、ベンゾフェノン基含有ジアル
キルペルオキシドを収率よく製造することができる。
以上のようにして製造される新規なジアルキルペルオ
キシドは、常温で白色の固体または透明な粘性液体とし
て得られる。得られたそれぞれの化合物は赤外線吸収ス
ペクトル、核磁気共鳴スペクトル、紫外線吸収スペクト
ル、マススペクトルおよび元素分析により、その構造を
同定することができる。
本発明のジアルキルペルオキシドは単独で、または他
の成分と混合し、光重合開始剤としてラジカル重合性不
飽和化合物の光重合または光硬化に使用する。この際、
1種または2種以上のラジカル重合性不飽和化合物と、
本発明の光重合開始剤との混合物中に、通常用いられて
いる顔料、フィラー、色素、熱重合禁止剤、可塑剤、溶
媒、増感剤、また、他の既知の光重合開始剤などの添加
剤を適宜配合することもでき、このような感光性組成物
が塗料、接着剤、印刷インキ、印刷凸版、プリント配線
基盤、フォトレジストなどに使用される。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤を配合して光重合、
光硬化させうるラジカル性不飽和化合物としては、重合
性単量体、重合性オリゴマー、および重合性不飽和重合
体があげられる。重合性単量体は、一つ以上の重合性二
重結合を持つ化合物であって、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イ
タコン酸などの不飽和カルボン酸、および、これらの不
飽和カルボン酸の誘導体、例えばメチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレ
ート、ベンジル(メタ)アクリレート、などのモノエス
テル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒ
ドロキシエステル類、エチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
などの多価エステル類、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリルアミド、および、N−置換(メタ)ア
クリルアミド等、ビニルアセテート、ビニルプロピオネ
ート、ビニルアセテート、および、ビニルスクシネート
等のビニルエステル類、ビニルエーテル類、スチレン、
アルキルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベン
ゼン、ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン、ジア
リルフタレート、ジアリルマレート、トリアリルイソシ
アネート、および、トリアリルホスフェートなどのビニ
ル化合物などがあげられる。
重合性オリゴマー、重合性不飽和重合体としては、例
えば、マレート基、フマレート基、アリル基、(メタ)
アクリレート基を持つ硬化性樹脂、不飽和ポリエステ
ル、不飽和アクリル樹脂、および、イソシアネート改質
アクリルオリゴマー、ポリエステルアクリルオリゴマ
ー、および、ポリエーテルアクリルオリゴマー等があげ
られる。
また、本発明の光架橋剤に使用される、架橋されるポ
リマーとしては、例えばポリエチレン、エチレンプロピ
レンコポリマー(EPM)、エチレンプロピレンジエンコ
ポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EV
A)、テトラフルオロエチレンビニリデンフルオライド
ヘキサフルオロプロピレン三元コポリマー、クロルスル
ホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリブテン
−1、ポリイソブテン、エチレンビニルアセテートコポ
リマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロ
プレン、ブタジエンスチレンコポリマー、天然ゴム、ポ
リアクリレートゴム、ブタジエンアクリロニトリルコポ
リマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン三元コポ
リマー、シリコーンゴム、ポリウレタンなどが挙げられ
る。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤、光架橋剤の使用量
は、基本的にはラジアル重合性不飽和化合物及び架橋さ
れるポリマーに対して0.01〜10重量%、好ましくは、0.
1〜4重量%であるが、添加剤の種類の影響を受ける。
例えば、光透過性の悪い顔料を混合する場合は、増量す
ることが必要なこともある。しかし、量が多すぎると、
重合体の中に未反応の光重合開始剤が残存し、重合物の
物性を低下するおそれがある。また、少なすぎると重合
が完結せず、未反応の不飽和化合物が残存する。
本発明の光重合開始剤、光硬化剤、光架橋剤を配合し
たラジカル重合性不飽和化合物の光重合、光硬化および
光架橋は、既知の方法により250〜500nm、好ましくは、
300〜400nmの波長範囲の光の照射により行う。使用でき
る光源は、日光、水銀ランプ、水銀放電管、キセノンア
ークランプ、閃光放電管、タングステンランプ、ハロゲ
ンランプ、色素レーザー、エキシマレーザー等があげら
れる。
本発明者らは、本発明のベンゾフェノン基含有ジアル
キルペルオキシドの用途について更に追求した結果、熱
による重合および架橋においても、有効な性能を有する
ことを突き止めた。
本発明の熱重合開始剤に使用されるビニル単量体とし
ては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、アクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、マ
レイミド類、ブタジエン、酢酸ビニル等である。
またこれらの単量体の他各種連鎖移動剤、ゴム成分あ
るいはペンタンなどの発泡剤を添加したものでもよい。
発明に使用される熱重合開始剤は、熱分解温度の異な
るその他の開始剤と併用しても良い。
開始剤の添加量は重合に用いる単量体の種類あるいは
その組合せにより異なるが一般に、単量体の仕込量100
重量部に対して純品換算で0.001〜5重量部であり、好
ましくは0.01〜0.5重量部である。その量が0.001重量部
未満では重合速度が遅くなる傾向にある。また5重量部
を越えると経済的でなく、好ましくない。
本発明において用いられる重合方法は、通常の塊状重
合、溶液重合あるいは懸濁重合法で重合温度は一般に80
〜150℃であり、好ましくは80〜130℃の温度範囲であ
る。重合温度は一定温度あるいは重合初期では比較的低
温で行い、重合の進行と共に段階的に昇温する方法が用
いられる。
本発明で得られた重合体は一般な成形材料に用いられ
るGPタイプポリスチレン、耐衝撃ポリスチレン、発泡ポ
リスチレン、ポリメタクリル酸メチル、スチレン/アク
リロニトリル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/
フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸ブチル/2−
エチルヘキシルメタクリレート共重合体などの各種アク
リル酸あるいはメタクリル酸エステルの共重合体などで
ある。
本発明の熱による架橋剤に使用される、架橋されるポ
リマーとしては、例えばポリエチレン、エチレンプロピ
レンコポリマー(EPM)、エチレンプロピレンジエンコ
ポリマー(EPDM)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EV
A)、テトラフルオロエチレンビニリデンフルオライド
ヘキサフルオロプロピレン三元コポリマー、クロルスル
ホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリブテン
−1、ポリイソブテン、エチレンビニルアセテートコポ
リマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロ
プレン、ブタジエンスチレンコポリマー、天然ゴム、ポ
リアクリレートゴム、ブタジエンアクリロニトリルコポ
リマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン三元コポ
リマー、シリコーンゴム、ポリウレタン、ポリスルフィ
ドが挙げられる。
架橋されるべきポリマーに対して本過酸化物は一般に
0.1〜10重量%、好ましくは1〜3重量%の範囲で加え
られる。
また架橋されるべきポリマーに架橋プロセスに一般に
用いられる種々の添加剤、例えば架橋助剤、酸化防止
剤、顔料、紫外線安定剤、充填剤、可塑剤などを加える
ことができる。
本発明においてポリマーと有機過酸化物を混合する温
度は一般に25〜130℃が用いられる。続く架橋の温度は
一般に110〜220℃、好ましくは150〜190℃が用いられ
る。
(発明の効果) 本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
ドは、従来の光重合開始剤に比べて次の特徴を持ってい
る。
(1)本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオ
キシドは、同一分子内に光吸収基とラジカル発生源を持
つため、光の照射により、効率よくラジカルを発生させ
ることができる。従って、光重合、光硬化速度が速い。
(2)本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオ
キシドは、ジアルキル型の過酸化物であるので、熱安定
性が良く、従って、これを含む光重合組成物は、重合お
よびゲル化することなく長期間保存できる。
(3)本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオ
キシドを光重合開始剤、光硬化剤、光架橋剤として用い
て得られた重合体は黄変しない。
(4)本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオ
キシドは過酸化物であるため、光硬化による硬化が不十
分な場合、熱硬化によるアフターキュアが可能である。
(5)本発明のベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオ
キシドは、熱による重合開始剤、架橋剤としても有効で
ある。
以上のように、本発明のベンゾフェノン基含有ジアル
キルペルオキシドは光重合、硬化、架橋剤、および、熱
重合、架橋剤として優れた特徴を持つ新規な化合物であ
り、工業的価値は極めて高い。
(実施例) 次に、実施例により、本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1 攪拌装置及び温度計を備えた200mlの四つ口フラスコ
に4−イソプロピルベンゾフェノン〔これは、クメンと
ベンゾイルクロリドから得られる〕11.2g(0.05モ
ル)、t−ブチルヒドロペルオキシド13.5g(0.15モ
ル)、塩化第一銅0.05gおよびベンゼン50mlの懸濁液
を、窒素雰囲気下、70℃で25時間攪拌を続け、次いで10
%塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液、水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去後、メタノール
中結晶化、またはカラムクロマトグラフィーにより白色
固体7.8gを得た。この化合物について、赤外線吸収スペ
クトル、核磁気共鳴スペクトル、紫外線吸収スペクト
ル、マススペクトル、元素分析、および、融点の測定を
行った結果、下記のとおりであり、この化合物が4−
(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベン
ゾフェノンであることを確認した。
赤外線吸収スペクトル 870cm-1(O−O結合) 1660cm-1(C−O結合) 核磁気共鳴スペクトル(δ) 1.27ppm(9H) 1.62ppm(6H) 7.4〜8.2ppm(9H) 紫外線吸収スペクトル(ジオキサン中) 342nm(ε 160) 256nm(ε 18800) マススペクトル 312m/e(分子イオンピーク) 元素分析 C;76.83%(計算値76.89%) H; 7.7% (計算値 7.74%) 融点 48〜49℃ 実施例2〜5 t−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、それぞれ
t−アミルヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペ
ルオキシド、t−オクチルヒドロペルオキシド、クメン
ヒドロペルオキシドを用いて実施例1に述べた製造方法
に準じた方法で操作して、粘性の液体を得た。これらの
化合物についてそれぞれ実施例1と同様に各分析を行っ
た結果、これらの化合物が目的のペルオキシドであるこ
とを確認した。得られた化合物および各分析の結果を第
1表にまとめて示す。
実施例6〜9 4−イソプロピルベンゾフェノンの代わりに、種々の
置換基の付いた4−イソプロピルベンゾフェノンを用い
る以外は、実施例1に述べた製造方法に準じた方法で操
作して、得られた化合物についてそれぞれ実施例1と同
様に各分析を行った結果、これらの化合物が目的のペル
オキシドであることを確認した。得られた化合物および
各分析の結果を第2表にまとめて示す。
実施例10〜14 4−イソプロピルベンゾフェノンの代わりに種々の置
換基を持つ3−イソプロピルベンゾフェノンを用いる以
外は、実施例1に述べた製造方法に準じた方法で操作し
て、得られた化合物についてそれぞれ実施例1と同様に
各分析を行った結果、これらの化合物が目的のペルオキ
シドであることを確認した。得られた化合物および各分
析の結果を第3表にまとめて示す。
実施例15 攪拌装置及び温度計を備えた100mlの四つ口フラスコ
に4−(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゾフェノン
12.0g(0.05モル)、t−ブチルヒドロペルオキシド5.0
g(0.055モル)、硫酸マグネシウム2.0gの懸濁液中に1
%過塩素酸の酢酸溶液5.0g(0.0005モル)を、25℃以下
に保ちながら滴下し、40℃に昇温後2時間攪拌を続け
た。冷却後、5%水酸化ナトリウム水溶液、次いで水で
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去後、メ
タノール中結晶化、またはカラムクロマトグラフィーに
より白色固体11.8gを得た。この化合物について、赤外
線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、紫外線吸収
スペクトル、マススペクトル、元素分析、および、融点
の測定を行った結果、この化合物が4−(1−t−ブチ
ルペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノンであ
ることを確認した。
実施例16 攪拌装置及び温度計を備えた100mlの四つ口フラスコ
に4−イソプロペニルベンゾフェノン11.1g(0.05モ
ル)のイソプロピルアルコール溶液中に、濃塩酸1.0g
(0.01モル)、次いでt−ブチルヒドロペルオキシド5.
0g(0.055モル)を、25℃以下に保ちながら滴下し、40
℃に昇温後2時間攪拌を続けた。冷却後、5%水酸化ナ
トリウム水溶液、次いで水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥、溶媒留去後、メタノール中結晶化、またはカラ
ムクロマトグラフィーにより白色固体10.7gを得た。こ
の化合物について、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴
スペクトル、紫外線吸収スペクトル、マススペクトル、
元素分析、および、融点の測定を行った結果、この化合
物が4−(1−t−ブチルペルオキシ1−メチルエチ
ル)ベンゾフェノンであることを確認した。
実施例17 攪拌装置及び温度計を備えた200mlの四つ口フラスコ
に40%水酸化ナトリウム水溶液12.5g(0.125モル)とベ
ンゼン25g、ジオキサン75gをいれて攪拌し、氷冷して3
〜6℃に保ちながら、t−ブチルヒドロペルオキシド1
1.3g(0.125モル)および4−(α−クロロイソプロピ
ル)ベンゾフェノン25.9g(0.10モル)を加えた。その
後5℃で4〜5時間反応を継続した。この反応混合物か
ら有機層を取り出し、10%水酸化ナトリウムで2回、次
いで飽和食塩水で2から3回洗浄した後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥、溶媒留去後、メタノール中結晶化、ま
たはカラムクロマトグラフィーにより白色固体22.1gを
得た。この化合物について、赤外線吸収スペクトル、核
磁気共鳴スペクトル、紫外線吸収スペクトル、マススペ
クトル、元素分析、および、融点の測定を行った結果、
この化合物が4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メ
チルエチル)ベンゾフェノンであることを確認した。
実施例18 4−(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゾフェノン
およびt−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、t−
ブチルアルコールおよび4−(α−ヒドロペルオキシイ
ソプロピル)ベンゾフェノンを用いる以外は、実施例15
に述べた製造方法に準じた方法で操作して、得られた化
合物についてそれぞれ実施例15と同様に各分析を行った
結果、これらの化合物が4−(1−t−ブチルペルオキ
シド−1−メチルエチル)ベンゾフェノンであることを
確認した。
実施例19 4−イソプロペニルベンゾフェノンおよびt−ブチル
ヒドロペルオキシドの代わりに、2−メチル−1−ペン
テンおよび4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピル)
ベンゾフェノンを用いる以外は、実施例16に述べた製造
方法に準じた方法で操作して、得られた化合物について
それぞれ実施例16と同様に各分析を行った結果、これら
の化合物が4−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1−メ
チルエチル)ベンゾフェノンであることを確認した。
実施例20 4−(α−クロロイソプロピル)ベンゾフェノンおよ
びt−ブチルヒドロペルオキシドの代わりに、塩化t−
ブチルおよび4−(α−ヒドロペルオキシイソプロピ
ル)ベンゾフェノンを用いる以外は、実施例17に述べた
製造方法に準じた方法で操作して、得られた化合物につ
いてそれぞれ実施例17と同様に各分析を行った結果、こ
れらの化合物が4−(1−t−ヘキシルペルオキシ−1
−メチルエチル)ベンゾフェノンであることを確認し
た。
実施例21〜25 石英製光重合管に、重合禁止剤を含まないメタクリル
酸メチルに本発明の光重合開始剤をそれぞれ0.01mol/
添加し、凍結融解法で窒素置換した後、20℃の恒温槽で
メリーゴーランド型光照射装置(大科工業社製、商品名
MGR−P型)を用い、400W高圧水銀灯(UTV36Aフィルタ
ー使用)で365nmの紫外線を8cmの距離から30分照射した
後、メタノール沈降法による重量法で重合転化率および
重合速度(Rp)を測定した。得られた結果を第4表に示
す。
比較例1 本発明の光重合開始剤に変え、第4表に示される従来
の光重合開始剤を用いた以外は、実施例21に準じてメタ
クリル酸メチルを重合し、重合転化率、および重合速度
を測定した。その結果を第4表に示す。
第4表の結果は、本発明の化合物が有効な光重合性能
を持っていることを示している。
実施例26 メタクリル酸メチルに本発明の4−(1−t−ブチル
ペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノンを0.01
mol/添加し、実施例21と同じ装置を使い、同じ操作
で、光照射時間を変えて重合させ、重合転化率を測定し
た。得られた照射時間と重合転化率の関係を第1図に示
す。
比較例2 本発明の光重合開始剤に変え、第4表に示された従来
の光重合開始剤を用いた以外は、実施例26に準じてメタ
クリル酸メチルを重合し、得られた照射時間と重合転化
率との関係を第1図に示す。
第1図から、本発明の光重合開始剤を用いると、重合
活性が大きいことがわかる。
実施例27 ガラスプレート上に、本発明の4−(1−t−ブチル
ペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノンを2重
量部添加したエステルアクリレート樹脂〔組成は「アロ
ニックスM−8060」(東亜合成社製品名)/「アロニッ
クスM−5700」(東亜合成社製品名=4/6〕を、100μm
の膜厚に塗布し、コンベア式紫外線硬化装置(集光型)
を用いて樹脂を硬化させた。この樹脂の、目視での黄変
はなかった。
比較例3 4−(1−t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチ
ル)ベンゾフェノンの代わりに、1,2−ジフェニル−2,2
−ジメトキシエタン−1−オンを用いる以外は実施例27
に準じてエステルアクリレート樹脂で硬化させた。この
樹脂は、黄変していた。
実施例28〜32 ガラスびん中に、本発明の光重合開始剤をそれぞれ2
重量部添加したエステルアクリレート樹脂〔組成は、実
施例27で用いた樹脂と同じ〕を入れ、インキュベーター
内、60℃で暗所保存安定性を調べた。結果は、目視でゲ
ル化の生じた日数で表した。得られた暗所保存安定性を
第5表に示す。
比較例4〜6 本発明の光重合開始剤に変えて、第5表に示される従
来の光重合開始剤を用いる以外は、実施例28に準じて暗
所保存安定性を測定した。得られた結果を第5表に示
す。
実施例33 容量20mlのガラス製アンプル管に本発明の4−(t−
ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン
0.005mol/を添加したスチレン10gを入れ、真空脱気
後、封管した。このアンプル管を120℃の恒温油浴槽中
で所定時間重合させた。重合物をそれぞれメタノールに
投入し、再沈澱を行い、得られた白色粉体の重量より重
合転化率を計算した。また、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)により、重合平均分子量(Mw)
を測定した。結果を第6表に示す。
比較例7 4−(t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベ
ンゾフェノンの代わりにt−ブチルクミルペルオキシド
0.005mol/を添加したスチレン10gを用いる以外は実施
例33に記載した方法に準じて重合を行い、結果を第6表
に示す。
第6表より本発明の化合物が熱による重合開始剤とし
て有効な性能を有することがわかる。
実施例34 容量75のヘンシエルミキサー(攪拌翼:標準型)に
見かけ比重0.45、粒径ASTM30メッシュ99.5%パス、MI3
0.5、密度0.956の粉末状ポリエチレン20kgと4−(t−
ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン
0.2kgを同時に投入し、約750rpmで2分、1500rpmで8分
間混合した。
得られた混合物を用いて鋳造金型を用い、2軸回転成
形法により製品を得た。得られた製品の外観および機械
物性は第7表のとおりであった。
比較例8 4−(t−ブチルペルオキシ−1−メチルエチル)ベ
ンゾフェノンの代わりにジクミルペルオキシドを用いる
以外は実施例34に記載した方法に準じて操作し、結果を
第7表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における実施例26および比較例2にお
ける光重合開始剤の照射時間と重合転化率との関係を示
す線図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
    −クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
    炭素数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
    キシ基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは
    1〜3、nは1〜2を表す。また、R1OOC(R2)(R3
    基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
    ド。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
    −クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
    炭素数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
    キシ基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは
    1〜3、nは1〜2を表す。また、R1OOC(R2)(R3
    基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
    ドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、R1は炭素数4〜8の三級アルキル基、またはα
    −クミル基、R2,R3は炭素数1〜2のアルキル基、R4
    炭素数1〜3のアルキル基、水素原子の中から選ばれ、
    R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコ
    キシ基、ハロゲン原子、水素原子の中から選ばれ、mは
    1〜3、nは1〜2を表す。また、R1OOC(R2)(R3
    基は、メタ、またはパラ位である。) で示されるベンゾフェノン基含有ジアルキルペルオキシ
    ドを有効成分とする光分解型ラジカル発生剤。
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