JP2733185B2 - 平板磁粉探傷装置 - Google Patents

平板磁粉探傷装置

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JP2733185B2 JP5083239A JP8323993A JP2733185B2 JP 2733185 B2 JP2733185 B2 JP 2733185B2 JP 5083239 A JP5083239 A JP 5083239A JP 8323993 A JP8323993 A JP 8323993A JP 2733185 B2 JP2733185 B2 JP 2733185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平板状鋼板表面や突合
わせ溶接部の表面欠陥に回転磁場を与え、全方向の欠陥
を非破壊的に検査する平板磁粉探傷装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】平板状鋼板や突合わせ溶接部の磁粉探傷
検査には、JISG0565「鉄鋼材料の磁粉探傷試験
方法及び欠陥磁粉模様の等級分類」に示される種々の方
法が適用される。例えば、鋼板表面磁粉探傷検査には、
特開昭49−95684や特開昭52−34782に開
示されているような、全方向磁化装置を用いた磁粉探傷
法があるが、いずれも手動、目視が主体であった。
【0003】磁粉探傷法で極間法を適用する場合、2極
極間法では、全方向欠陥を検出するために互いに直交す
る2方向から磁化し、磁場の適用、観察を行う必要があ
った。この操作を排除し、種々の方向に対する検出能を
上げるため考え出された磁化装置が回転磁場式磁化装置
である。
【0004】従来の回転磁場式磁粉探傷装置は、例えば
特開昭49−95684あるいは実開昭61−1975
7に開示されているように、図1に示す如く2組の磁極
の連結部を中心を軸として90°をなすようにX字状に
配置したものである。あるいは図2に示すように磁極の
連結部をH字状に配置したものである。
【0005】これを図3に示すように結線し、通電スイ
ッチを入れることにより、図4に示すような3相中の2
相が120°の位相差を持つ3相交流電流が流れ、図4
下方に示すように、2組の磁極によって作られる合成磁
界の方向が回転し、360°全方向に回転する磁界が形
成される。
【0006】あるいは、図5に示すように2組の磁極を
結線し、片方の磁極に適当な容量のコンデンサを接続す
ることにより、90°の位相差の2相交流電流を流すよ
うにしても、図6に示すように合成磁界の方向を360
°回転させることができる。
【0007】このように従来の探傷装置では、磁極の連
結部(ヨーク)がX字状又はH字状に構成されたため
に、連結部等の固定装置が障害となり、視野が妨げら
れ、被探傷面を上から垂直に観察することができず、確
実な観察ができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように、従
来の探傷装置は、いずれも人力による走査及び目視検査
であり、磁極連結部のために視野が妨げられ、図1又は
図2に示されるように被探傷面の有効磁場が開放されて
いないので側方から覗き込むため、作業性が悪く、広大
な平板状面の長大な溶接線を作業員が中腰姿勢の状態で
探傷しなければならないという非能率的で苦痛を伴う困
難な問題があった。
【0009】更に、人力による走査は、検査精度面にお
いても個人差によるバラツキが生じ、しばしば欠陥の見
落し等によるクレームあるいは加工製品の重大トラブル
を招くという問題があった。
【0010】又、CCDカメラ等を用いて観察する場合
には、被探傷面の有効磁場が開放されていないというこ
とが、非常に大きな支障となっていた。
【0011】更に、疵の大きさ、形状より極間の距離を
調節した方が全体像を把握し易かったり、確実に観察で
きる場合でも、これに対応することができず、探傷の精
度を上げることができなかった。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、2組の極間に障害物をなくし、検査
のための空間を確保し、更に必要に応じて、極間の距離
を可変にでき、人力作業部分を軽減し、検査を確実に容
易に行うことができる平板磁粉探傷装置を提供すること
を目的とする。
【0013】平板面あるいは比較的小曲率の板面の上
に、1対の電磁石を該板面に垂直な軸の回りに4極を軸
対称に配置し、それぞれの電磁石に同一周波数で位相を
ずらせた磁化交番電流を通じて、板面に合成磁場の方向
が回転する回転磁場を生じさせる4極回転磁場式磁化装
置を用いた平板磁粉探傷装置において、前記4極で囲ま
れた磁場の強さが全方位について所定値以上である有効
磁場の外側に配置され、前記配置の1対の電磁石を固定
する、一部が開放された、長さが伸縮可能の連結部材
と、前記板面を照射する照明手段と、該板面を監視する
イメージセンサと、該イメージセンサによる検出信号を
検知し表示する手段と、自動走行機構とを備え、前記連
結部材の開放された部分に、前記照明手段又は前記イメ
ージセンサの少なくとも一方を配置すると共に、磁粉探
傷にあたり、疵の形状等に応じて強い磁場が必要な場合
には前記連結部材を縮め、強い磁場を必要としない場合
には前記連結部材を伸ばすことができるようにしたこと
により、前記目的を達成したものである。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【作用】本発明によれば、4極回転磁場式磁化装置を用
いた平板磁粉探傷装置において、1対の電磁石を固定す
る連結部材を、一部が開放された形状とし、4極で囲ま
れた有効磁場の外側に配置し、前記開放された部分に照
明手段又はイメージセンサの少なくとも一方を配置する
ことにより、観察視野が大きく解放されたので、容易に
探傷検査が行えるようになった。
【0022】又、連結部材を伸縮可能とし、疵の形状や
探傷目的等に応じて磁極間距離を変更できるようにした
ため、より多種類の検査が可能となる。 更に、この4極
磁粉探傷装置が搭載された台車を自動走行機構により自
動走行可能とし、欠陥を発見した際には、例えば警報ラ
ンプが点灯するようにしたり、台車に搭載された、例え
ばCCDカメラ等のイメージセンサで検出した信号を、
例えばモニタCRT等の表示手段に表示するようにすれ
ば、人力作業部分を軽減又は排除できる。
【0023】
【0024】
【0025】従って、磁粉探傷装置の信頼性向上と欠陥
指示模様のハンド記録によ不正確要因の軽減又は排除
が実現できる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0027】本発明による一実施例の構成を図7、図8
に示す。
【0028】図7は、本実施例の磁粉探傷装置の概略を
示す側面図であり、図8は、図7においてVIII−VIIIに
おける断面を表わす平面図である。図7において、2
は、被探傷面である平板、4は台車、6は回転磁場式磁
化器、8はブラックライト又は白色灯、10はCCDカ
メラであり、図8において、12a 〜12d は磁極であ
る。
【0029】以下、本実施例の作用を説明する。
【0030】図7に示すように、平板2上の台車4の内
部に、回転磁場を発生させる回転磁場式磁化器6を引掛
け一緒に動くようにする。交流電流は2相90°反転で
も、3相120°のいずれの位相差を持たせてもよい。
平板2と磁極12a 〜12dを均一に保つため、回転磁
場式磁化器6の車輪14a 、14b とスプリング16a
、16b を設ける。台車4全体は車輪18a 〜18d
により保持されている。走行は駆動車輪20a 、20b
(図8)により、駆動装置22(図7)を通じて、定速
走行することができる。本実施例の磁粉探傷装置は直進
制御や端部反転等は人力によるが、必要に応じ、特願平
4−288649や特願平4−25634で提案したよ
うな自走台車によってもよい。
【0031】観察視野(図8の斜線部)は、CCDカメ
ラ10により監視できるように上部は開放してある。
【0032】図8においては、磁極連結部はコの字形に
なっているが、コの字形には限定されない
【0033】コの字形は構造が単純で開放度が最大とい
う利点がある。又、磁極連結部を、一方を調整可能な移
動方式として、伸縮可能にすると、磁化電源の容量内で
探傷目的に応じた磁場の強さを得ることができる。即
ち、強い磁場が要るときは縮めて、磁場の強さに余裕が
あるときは伸ばして有効範囲を拡げて検査の能率を上げ
ることができる。具体的には、大きい欠陥のみを対象と
する場合、最大500mmまで拡げられ、微細欠陥につい
ては100mm程度で検出できた。更に磁化器に与える電
流も5〜10A可変にすることにより、起磁力は250
0AT〜5000ATが得られた。
【0034】又、磁場には磁粉液が均一分散されるよう
に、台車4上に磁粉タンク24、及び前方に磁粉散布ノ
ズル26を設ける。
【0035】更に、台車4には蛍光磁粉探傷時にはブラ
ックライト8と暗幕28が付けられ、非蛍光磁粉探傷時
にはブラックライト8の代わりに8は白色灯が付けられ
る。
【0036】台車4上には画像処理装置30、モニタ用
CRT32、及び警報ランプ34が搭載されており、観
察視野(図8斜線部)をCCDカメラ10で監視する。
監視の結果はモニタCRT32で追跡される。探傷時に
欠陥が発見されると画像処理装置30において欠陥信号
が発信され、警報ランプ34が点灯する。又、磁粉指示
模様を自動記録することにより検査の信頼性が向上し
た。
【0037】なお、本実施例の磁粉探傷装置の全体像を
図9に示す。
【0038】図9では、回転磁場式磁化器6、紫外線照
射灯8、CCDカメラ10、散布ノズル26、モニタT
V32等を台車4に載せた磁粉探傷装置と、磁粉タンク
24を載せた磁粉タンクポンプユニットを別にし、モニ
タTV32も台車上のものとは別に、VTR装置を備え
たものを用意している。磁粉探傷装置の台車を自動走行
させ、モニタTVで監視することにより、検査を自動的
確実に容易に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、磁
粉探傷検査において、4磁極内の障害物もなく、検査見
落しがなくなり、又極間の調整もできるため、必要に応
じた起磁力で多種類の検査に応じることができ、CCD
カメラで監視、自動記録できるため、人力を省き、検査
の信頼性が著しく向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のX形4極回転磁場式磁粉探傷装置の
(a)は平面図、(b)は側面図
【図2】従来のH形4極回転磁場式磁粉探傷装置の
(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図
【図3】従来の4極回転磁場式磁化装置の3相結線図
【図4】同じく、120°位相差による回転磁界を示す
線図
【図5】従来の4極回転磁場式磁化装置の2相結線図
【図6】同じく、90°位相差による回転磁界を示す線
【図7】本実施例による磁粉探傷装置の概略構成を示す
側面図
【図8】同じく、図7のVIII−VIIIに沿う断面図
【図9】本実施例による磁粉探傷装置全体を示す斜視図
【符号の説明】
2…平板 4…台車 6…回転磁場式磁化器 8…ブラックライト又は白色灯 10…CCDカメラ 12a 〜12d …磁極 20a 、20b …駆動車輪 24…磁粉タンク 26…磁粉散布ノズル 28…暗幕 30…画像処理装置 32…モニタ用CRT 34…警報ランプ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板面あるいは比較的小曲率の板面の上
    に、1対の電磁石を該板面に垂直な軸の回りに4極を軸
    対称に配置し、それぞれの電磁石に同一周波数で位相を
    ずらせた磁化交番電流を通じて、板面に合成磁場の方向
    が回転する回転磁場を生じさせる4極回転磁場式磁化装
    置を用いた平板磁粉探傷装置において、 前記4極で囲まれた磁場の強さが全方位について所定値
    以上である有効磁場の外側に配置され、前記配置の1対
    の電磁石を固定する、一部が開放された、長さが伸縮可
    能の連結部材と、 前記板面を照射する照明手段と、 該板面を監視するイメージセンサと、 該イメージセンサによる検出信号を検知し表示する手段
    と、 自動走行機構とを備え、 前記連結部材の開放された部分に、前記照明手段又は前
    記イメージセンサの少なくとも一方を配置すると共に、 磁粉探傷にあたり、疵の形状等に応じて強い磁場が必要
    な場合には前記連結部材を縮め、強い磁場を必要としな
    い場合には前記連結部材を伸ばすことができるようにし
    たことを特徴とする平板磁粉探傷装置。
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