JP2733067B2 - 無機ハロゲン化合物粉末の製造方法 - Google Patents

無機ハロゲン化合物粉末の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、触媒、試薬、写真材料、電池材料などの用
途において工業的に有用な無機ハロゲン化合物粉末の製
造方法に関する。
(従来の技術) 従来、無機化合物粉末の一般的な製造方法としては、
無機ハロゲン化合物の精製液から、各種の方法により溶
媒を適度に蒸発せしめて再結晶を行い、分離した固形物
を乾燥する方法が適用されている(以下、この方法を
「再結晶法」という)。
しかし、再結晶法の場合、無機ハロゲン化合物のなか
でも特に溶媒に対する溶解度が大きい塩類を製造する場
合には生産効率が極めて悪く、さらに固形分離工程で排
出される母液の保存や処理等が煩雑となり、時として重
金属塩類の場合には汚染源などになるという問題もあ
る。
この再結晶法の問題点を解決する方法として、特公昭
52−38272号公報に記載の真空濃縮装置を用いる方法が
ある。この方法によれば無機ハロゲン化合物を含有する
溶液から1回の操作で目的とする無機ハロゲン化合物の
全量を固形物として得ることができることから、無機ハ
ロゲン化合物の効率的な製造が可能になる。さらには前
記溶液から単一の装置により無機ハロゲン化合物の固形
物を得ることができ、固形分離工程が不要になることか
ら再結晶法におけるような母液の発生がないために環境
保全面においても優れている方法である。
しかし、この方法は、目的とする製品によってはその
品質面で不十分な点があり、さらに検討の余地がある。
(発明が解決しようとする課題) 本願発明は上記の問題点を解決し、効率よく、残存溶
媒量が非常に少なく、高品質の無機ハロゲン化合物粉末
を得ることができる、無機ハロゲン化合物粉末の製造方
法を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決しようとする手段および作用) 本願発明者らは、前記特公昭52−38272号公報に記載
の真空濃縮装置に着目し、無機ハロゲン化合物溶液の濃
縮乾燥方法について検討を行った。その結果、前記装置
を用いて単に無機ハロゲン化合物の溶液の濃縮乾燥を行
った場合には、得られた無機ハロゲン化合物を水もしく
はアルコール等の溶媒に溶解して行う溶状の品質試験に
おいて「濁り」が著しいことから工業用材料として不適
であることが判明した。そこでさらに検討を重ねた結
果、無機ハロゲン化合物の溶液のpHを調整することによ
り、「濁り」のない高品質の無機ハロゲン化合物粉末を
効率よく製造し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
本願発明の無機ハロゲン化合物粉末の製造方法は、pH
4以下に調整した無機ハロゲン化合物溶液を、長管状加
熱器、真空蒸発機および前記真空蒸発機に連結管を介し
て連結された受器、さらに前記受器に結合された真空ポ
ンプを具備してなる真空濃縮装置により濃縮乾燥するこ
とを特徴とする。
本発明で用いる無機ハロゲン化合物溶液は、公知の方
法で製造された無機ハロゲン化合物溶液を、必要に応じ
て過、活性炭吸着処理などの方法により適宜精製した
ものを用いることができる。さらには予備的に溶媒を蒸
発させたもの、またはさらに溶媒を蒸発させて結晶が一
部析出したスラリー状のものも用いることができる。本
発明でいう溶液は、水を初めとする無機ハロゲン化合物
を溶解できる溶媒の溶液である。
無機ハロゲン化合物としては、臭化亜鉛、臭化第二
銅、臭化ルビジウム、臭化カルシウム、沃化カリウム、
沃化ナトリウムなどを例示することができる。無機ハロ
ゲン化合物としてはこれらのなかでも臭化亜鉛、臭化第
二銅または臭化ルビジウムであることが本発明の製造方
法を適用する場合に濃縮効率をより高め、得られた製品
の品質がよいことから好ましく、同様の理由で臭化亜鉛
であることがさらに好ましい。
無機ハロゲン化合物溶液のpHは4以下であることが必
要であり、好ましくは3以下である。pHが4を超えると
得られた製品の水溶液またはアルコール溶液が濁りを生
じ、製品として不適となる。
pHは4以下であれば下限は特に制限されるものではな
いが、収率を考慮すると用いる酸の量が無機ハロゲン化
合物溶液中において5重量%量以下になることが好まし
く、3重量%量以下になることがさらに好ましい。
pHの調整に用いる酸としては臭化水素酸、塩酸または
沃化水素酸などの鉱酸を例示することができる。
本発明で用いる真空濃縮装置は、長管状加熱器、真空
蒸発機および前記真空蒸発機に連結管を介して連結され
た受器、さらに前記受器に結合された真空ポンプを具備
してなるものである。
この真空濃縮装置としては、具体的には特公昭52−38
272号公報に記載の真空濃縮装置を用いることができ
る。図に前記公報記載の装置の概略を示す。図中1は無
機ハロゲン化合物溶液の貯留タンク、2は前記溶液、3
は前記溶液の供給ポンプ、4は長尺式加熱器、5は真空
蒸発器、6は中間弁、7は連結管、8は受器、9は取り
出し弁、10〜12は弁、13はパイプ(真空系)および14は
補助真空ポンプである。
かかる真空濃縮装置を構成する材質は特に制限される
ものでははいが、無機ハロゲン化合物溶液と直接接触す
る部位には特に高い耐食性の材質を選択することが好ま
しい。高耐食性の材質としては、ガラス、セラミック
ス、フッ素樹脂系などの合成樹脂、高耐食性の金属およ
びこれらの材質で表面加工したものを例示することがで
きる。
本発明で用いる真空濃縮装置の大きさ、使用条件など
は目的とする生産能力や、無機ハロゲン化合物溶液の溶
媒の種類などにより適宜決定することができる。
無機ハロゲン化合物粉末の製造は、例えば次のように
して行うことができる。
まず、無機ハロゲン化合物溶液2を供給ポンプ3によ
り一定流量で長尺式加熱器4へ送り、ここで予備加熱す
る。この際の加熱温度は特に制限されるものではない
が、溶液の沸点以上にまで加熱することが好ましい。次
に予備加熱された前記溶液を真空蒸発器5に送り水分を
蒸発させる。蒸発させた溶媒はパイプ13から除去し、無
機ハロゲン化合物粉末は受器8に蓄積される。なお、こ
の一連の操作を乾燥させた空気や窒素などの雰囲気中で
行うことにより、さらに一層濃縮効率を高めることがで
きることから好ましい。
本発明の製造方法により、水などの溶媒に溶解した場
合の溶状が澄明であり、かつ残存溶媒量が著しく少ない
無機ハロゲン化合物を得ることができる機構の詳細は不
明であるが、無機ハロゲン化合物溶液中にやや過剰に存
在する酸が脱水を進行させるとともに、製品の品質安定
化に寄与するものと推定される。
(実施例) 以下、具体的に実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるもので
はない。なお、以下において「%」は「重量%」を表
す。また、pHの測定、残存溶媒量および溶状試験は次の
方法によった。
pH測定 pH測定は、サンプル50mlを容量50mlのガラス製ビーカ
ーにとり、JIS Z 8802(pH測定方法)により測定し
た。
残存溶媒量 残存溶媒量の測定はJIS K 0 0 6 8(化学
製品の水分試験方法)の方法に準拠して行った。なお測
定に際しては、サンプル1gをメスフラスコにとり、メチ
ルアルコールを加えて100mlとし、均一にした後、この
溶液2mlを用いて試験を行い残存溶媒量を求め、同時に
メチルアルコール2mlを用いてブランク試験を行い溶媒
量を求め、両者の差から製品中の残存溶媒量を求めた。
溶状試験 溶状試験は、溶媒として水およびエタノールを用いて
両者に対する溶状試験をJIS K8001(試薬試験方法通
則)5−2溶状、の方法に準拠して行った。なお測定に
際しては、サンプル5gを用い、溶媒を加えて50mlとして
サンプルが溶解た後行った。なお、評価方法は次のとお
りである。
◎:澄明 ○:ほとんど澄明 △:わずかに澄明 ×:微濁 ××:混濁 実施例1 まず、臭化亜鉛、臭化第二銅および臭化ルビジウムの
各精製水溶液を次の方法により調製した。すなわち、酸
合亜鉛、酸化第二銅および一酸化ルビジウムの各々と、
臭化水素酸水溶液(48%)とを所定のモル引で反応さ
せ、その後、pH4〜6とした反応後の溶液を自然過
(紙:東洋紙No.5Cを使用)した。次に、これらの
精製水溶液の無機ハロゲン化合物濃度をいずれも50重量
%濃度に調整し、さらにそのpHをそれぞれ第1表に示す
ように調整した。得られた各水溶液1について真空濃
縮装置により濃縮乾燥を行い、無機ハロゲン化合物粉末
を得た。
真空乾燥機として特公昭52−38272号公報に記載の装
置を用いた。
濃縮乾燥は、前記各水溶液を供給ポンプ8により連続
的に0.11/分の割合で供給しながら行った。なお、各
溶液を供給する長尺式加熱器4の温度は180℃、受器8
のジャケットの加熱温度は120℃および受器8における
減圧度は10mmHgに設定した。また、濃縮乾燥した製品
は、各水溶液を送液終了後にさらに10分間受器中での乾
燥を継続したのちに取り出した。濃縮乾燥に要した時間
は20分間であった。
このようにして得られた各無機ハロゲン化合物粉末の
残存溶媒量等を測定した。結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1の臭化亜鉛、臭化第二銅および臭化ルビジウ
ムの各精製溶液のpHを第1表に示すように調整したほか
は実施例1と同様にして各無機ハロゲン化合物粉末を得
た。この粉末の品質の測定結果を第1表に示す。
比較例2 再結晶法による無機ハロゲン化合物粉末の製造を行っ
た。
まず、実施例1で用いた臭化亜鉛、臭化第二銅および
臭化リビジウムの水溶液のうちpHを第1表に示すように
調整したもの各500mlを擦り付きなす形フラスコに入れ
た。次に、このなす形フラスコを減圧エバポレーターに
取り付け、減圧度を5mmHgとした後、なす形フラスコを
回転させながら加熱した。加熱はオイルバスを用い、な
す形フラスコ内の溶液が突沸しないように徐々に昇温し
て70〜140℃で水分を蒸発させた。最終的に溶媒をほと
んど認めなくなった段階でなす形フラスコ内のスラリー
状の溶液を減圧過により固液分離した。その後得られ
た固形物を減圧度5mmHg、温度120℃で1時間または2時
間乾燥させて、各無機ハロゲン化合物の粉末を得た。
各粉末についての品質の測定結果を第1表に示す。
実施例2 臭化カルシウム、臭化コバルト、沃化ナトリウムおよ
び沃化カリウムの各水溶液のpHを第2表に示すように調
整したものを用い、実施例1と同様にして無機ハロゲン
化合物粉末を得た。
この粉末についての品質の測定結果を第2表に示す。
比較例3 実施例2の臭化カルシウム、臭化コバルト、沃化ナト
リウムおよび沃化カリウムの各水溶液のpHを第2表に示
すように調整したものを用い、実施例2と同じにして無
機ハロゲン化合物粉末を得た。
この粉末についての品質の測定結果を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明の製造方法によれば効率よく、水等の溶媒に対
する溶状が良好であり、かつ残存溶媒量が非常に少な
い、高品質の無機ハロゲン化合物粉末を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図は真空濃縮装置の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01F 11/34 C01F 11/34 C01G 3/04 C01G 3/04 9/04 9/04 51/08 51/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH4以下に調整した無機ハロゲン化合物溶
    液を、長管状加熱器、真空蒸発機および前記真空蒸発機
    に連結管を介して連結された受器、さらに前記受器に結
    合された真空ポンプを具備してなる真空濃縮装置により
    濃縮乾燥することを特徴とする無機ハロゲン化合物粉末
    の製造方法。
  2. 【請求項2】無機ハロゲン化合物が臭化亜鉛、臭化第二
    銅および臭化ルビジウムから選ばれる1の化合物である
    請求項1記載の無機ハロゲン化合物粉末の製造方法。
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