JP2732934B2 - 高温強度および高温耐酸化性のすぐれたNi基合金製恒温鍛造金型 - Google Patents

高温強度および高温耐酸化性のすぐれたNi基合金製恒温鍛造金型

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた高温強度と高温耐酸化性を有
し、したがってTi基合金材およびNi基合金材のいずれの
恒温鍛造にも使用することができるNi基合金製恒温鍛造
金型に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば航空機部品などが、素材としてTi基合金
材やNi基合金材を用い、この素材と金型とを同一温度に
加熱した状態で鍛造を行なう恒温鍛造によって製造され
ることは良く知られるところである。
また、恒温鍛造金型として、例えば特公昭61−46539
号公報などに記載されるような、重量%で(以下%は重
量%を示す)、 W :9.5%、 Co:8%、 Cr:8%、 Al:5.5%、 B :0.015%、Ti:0.7%、 Ta:3.2%、 Zr:0.01%、 Hf:1.5%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物(不可避不純物とし
てのC:0.19%)からなる代表組成を有するTi基合金や、 Ti:0.5%、Zr:0.08%、 を含有し、残りがMoと不可避不純物からなる代表組成を
有するMo基合金が用いられていることは良く知られると
ころである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の従来Ni基合金製恒温鍛造金型は、比較
的良好な高温耐酸化性を有するので、Ti基合金材の恒温
鍛造には使用することができるものの、高温強度が十分
でないためにNi基合金材の恒温鍛造に用いるのは使用寿
命の点で経済的に難しく、また同じく上記従来Mo基合金
性恒温鍛造金型は、著しくすぐれた高温強度を有する反
面、高温耐酸化性のきわめて悪いものであるために、こ
れを用いる場合には鍛造雰囲気を真空にするなどの手段
が必要であり、この一方で近年の鍛造機械の自動化およ
び省力化、さらに製品の低コスト化などに伴ない、鍛造
金型にもより一層の汎用化および使用寿命の延命化が強
く要求されるのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来Ni基合金性恒温鍛造金型に着目し、これの高温強
度を向上させてNi基合金材の大気中での高温鍛造を可能
ならしめると共に、高温耐酸化性のより一層の向上をは
かってTi基合金材は勿論のこと、Ni基合金材の恒温鍛造
に用いた場合にも使用寿命のより一段の延命化を可能な
らしめるべく研究を行なった結果、恒温鍛造金型を、 W :13〜15%、 Co:9〜11%、 Cr:8〜10%、 Al:4.75〜5.75%、 B :0.01〜0.02%、Ti:1.5〜2.5%、 Nb:0.1〜0.6%、 Hf:1.5〜2.5%、 Mo:0.1〜1%、 Ta:0.1〜1%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物(ただし不可避不純
物としてのC:0.2%以下)からなる組成を有するNi基合
金で構成すること、この結果のNi基合金製恒温鍛造金型
は、800〜1200℃の加熱温度範囲に亘って、上記従来Ni
基合金製恒温鍛造金型に比してすぐれた高温強度を示す
ばかりでなく、上記従来Ni基合金製恒温鍛造金型では、
きわめて限られた使用回数で高温耐酸化性が急激に低下
し、使用寿命に至るのに対して、より多くの使用回数後
もすぐれた高温耐酸化性を保持し、著しく長期に亘って
すぐれた性能を発揮するという研究結果を得たのであ
る。
この発明は、上記研究結果にもとづいてなされたもの
であって、以下に恒温鍛造金型を構成するNi基合金の成
分組成を上記の通りに限定した理由を説明する。
(a) W W成分には、γ相の素地に固溶して高温強度を向上さ
せる作用があるが、その含有量が13%未満では所望の高
温強度向上効果が得られず、一方その含有量が15%を越
えると高温耐酸化性が低下するようになることから、そ
の含有量を13〜15%と定めた。
(b) Co Co成分にも、Wと同様素地に固溶して高温強度を向上
させる作用があるが、その含有量が9%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方11%を越えて含有させ
ても高温強度により一層の向上効果は得られず、経済性
を考慮して、その含有量を9〜11%と定めた。
(c) Cr Cr成分には、素地に固溶して高温耐酸化性を向上させ
る作用があるが、その含有量が8%未満では所望の高温
耐酸化性を確保することができず、一方その含有量が10
%を越えると高温強度が低下するようになることから、
その含有量を8〜10%と定めた。
(d) Al Al成分には、Niと結合して、素地に微細均一に分散析
出するγプライム(Ni3Al)を形成し、もって合金を析
出強化し、高温強度を向上させる作用があるが、その含
有量が4.75%未満では所望の高温強度を確保することが
できず、一方その含有量が5.75%を越えると素地に分散
析出するγプライムの量が多すぎて鋳造割れなどを起し
易くなることから、その含有量を4.75〜5.75%と定め
た。
(e) B B成分には、粒界に優先的に析出して、合金の粒界割
れを防止し、高温強度を向上させる作用があるが、その
含有量が0.01%未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が0.02%を越えると、合金が脆化す
るようになり、鋳造割れが発生し易くなることから、そ
の含有量を0.01〜0.02%と定めた。
(f) Ti Ti成分には、γプライムに固溶して、高温強度を上昇
させる作用があるが、その含有量が1.5%未満では所望
のすぐれた高温強度を確保することができず、一方その
含有量が2.5%を越えると、脆化し、鋳造割れを起し易
くなることから、その含有量を1.5〜2.5%と定めた。
(g) Nb Nb成分にもγプライムに固溶して、高温強度を向上さ
せる作用があるが、その含有量が0.1%未満では所望の
高温強度を確保することができず、一方その含有量が0.
6%を越えると高温耐酸化性が急激に劣化するようにな
ることから、その含有量を0.1〜0.6%と定めた。
(h) Hf Hf成分には、粒界の高温耐酸化性を向上させる作用が
あるが、その含有量が1.5%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が2.5%を越えると鋳
造欠陥が発生し易くなることから、その含有量を1.5〜
2.5%と定めた。
(i) Mo Mo成分には、素地のγ相に固溶して、高温強度を向上
させる作用があるが、その含有量が0.1%未満では所望
の高温強度を確保することができず、一方その含有量が
1%を越えると高温耐酸化性が著しく劣化するようにな
ることから、その含有量を0.1〜1%と定めた。
(j) Ta Ta成分にもMo成分と共存した状態で、素地に固溶して
高温強度を向上させる作用があるが、その含有量が0.1
%未満では所望の高温強度が得られず、一方その含有量
が1%を越えると、高温耐酸化性が劣化するようになる
ことから、その含有量を0.1〜1%と定めた。
(h) 不可避不純物としてのC C成分が0.2%を越えると、金属炭化物が形成される
ようになって、合金が脆化するばかりでなく、粒界腐食
も発生し易くなることから、その含有量を0.2%以下に
するのが望ましい。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の恒温鍛造金型を実施例により具体
的に説明する。
通常の溶解法により、それぞれ第1表に示される成分
組成をもったNi基合金を溶製し、鋳造することにより直
径:20mm×長さ150mmの寸法をもった高温引張試験用、並
びに直径:20mm×厚さ:10mmの寸法をもった高温酸化試験
用の本発明恒温鍛造金型材1〜9、比較恒温鍛造金型材
1〜16、および従来恒温鍛造金型材をそれぞれ製造し
た。
なお、比較恒温鍛造金型材1〜16は、いずれも構成成
分のうちのいずれかの成分含有量(第1表に※印を付
す)がこの範囲から外れたNi基合金で構成されたもので
ある。
つぎに、この結果得られた各種の恒温鍛造金型材につ
いて、高温強度を評価する目的で、通常の恒温鍛造温度
である1100℃での引張強さを測定し、また高温耐酸化性
を評価する目的で、大気中、200℃から1100℃に加熱
し、この1100℃に30分間保持後200℃に急冷を1サイク
ルとし、これを100サイクルおよび1000サイクル行なっ
た後の酸化増量を測定した。この測定結果を第1表に示
した。
さらに、第1表の本発明恒温鍛造金型材2および従来
恒温鍛造金型材の組成をもった溶湯から、精密鋳造に
て、外径:300mm、中央ボス部直径:100mm、中央ボス部厚
さ:75mm、リム部厚さ:25mmの寸法をもったガスタービン
エンジン用ディスクを製造するためのキャビティをもっ
た外径:800mmの上下2つの割り型の恒温鍛造金型を製造
した。
つぎに、上記2種の恒温鍛造金型を用い、 通常の粉末冶金法で形成された、Ni−0.038%C−3.9%
Al−0.015%B−15.5%Co−11.0%Cr−0.46%Hf−1.73
%Nb−3.9%Ti−6.1%W−0.05%Zr−3%Moの組成、並
びに直径:200mm×厚さ:65mmの寸法をもった円板状Ni基
焼結合金材からなるプリフォームに、プリフォームおよ
び金型を1050℃に加熱した状態で、大気中、恒温鍛造を
施し、上記寸法のガスタービンエンジン用ディスクを製
造した。このガスタービンエンジン用ディスクの製造
を、金型のキャビティ面に応力集中による割れが発生す
るまで行なったところ、従来恒温鍛造金型では、500個
のディスク製造でキャビティ面に割れが発生したのに対
して、本発明恒温鍛造金型では、1000個のディスクを製
造した後でもキャビティ面に割れの発生は見られず、引
続いての使用が可能であった。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明恒温鍛造金型材1
〜9は、いずれも従来恒温鍛造金型材に比して一段とす
ぐれた高温強度および高温耐酸化性を示し、特に高温耐
酸化性に関し、本発明恒温鍛造金型材1〜9は、1000サ
イクル後も100サイクル後とあまり変わらない高温耐酸
化性を示すのに対して、従来恒温鍛造金型材は、100サ
イクル後から酸化が急激に進行しはじめ、1000サイクル
後の酸化は著しいものになることが明らかである。
また、比較恒温鍛造金型材1〜16に見られるように、
構成成分のうちのいずれかの成分含有量でもこの発明の
範囲から外れると、高温強度および高温耐酸化性のうち
の少なくともいずれかの特性が劣るようになることが明
らかである。
上述のように、この発明のNi基合金製恒温鍛造金型
は、すぐれた高温強度と高温耐酸化性を有するので、Ti
基合金材の恒温鍛造は勿論のこと、従来Ni基合金製恒温
鍛造金型では鍛造が実用的に困難であったNi基合金材の
大気中での恒温鍛造を可能とするばかりでなく、その実
用に際しても著しく長期に亘ってすぐれた性能を発揮す
るなど工業上有用な特性を有するのである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】W :13〜15%、 Co:9〜11%、 Cr:8〜10%、 Al:4.75〜5.75%、 B :0.01〜0.02%、Ti:1.5〜2.5%、 Nb:0.1〜0.6%、 Hf:1.5〜2.5%、 Mo:0.1〜1%、 Ta:0.1〜1%、 を含有し、残りがNiと不可避不純物からなり、かつ不可
    避不純物としてのC含有量が0.2%以下の組成(以上重
    量%)を有するNi基合金で構成したことを特徴とする高
    温強度および高温耐酸化性のすぐれたNi基合金製恒温鍛
    造金型。
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