JP2732896B2 - 鋼板の熱間圧延用ロール - Google Patents

鋼板の熱間圧延用ロール

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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use

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  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐摩耗性および耐肌荒れ性に優れた鋼板の
熱間圧延用ロールに関する。
[従来の技術] 鋼板の熱間圧延(以下、熱延と略称する。)には、鋳
鋼系のマダマイトロールあるいは鋳鉄系の高合金グレン
ロールおよび高クロム鋳鉄ロールが、主に使用されてい
る。以前に比べると、ロール製造技術が進歩し、優れた
品質のロールが造られるようになり、鉄鋼の生産に大き
く寄与している。しかしながら、ロールの耐摩耗性、耐
肌荒れ性の面において未だ十分とは言えず、過酷な条件
下での圧延の場合、特に近年、より高度の製品寸法ある
いは形状を満足する圧延を行うためにロール径を小さく
する場合、従来に増して耐摩耗性、耐肌荒れ性に優れた
ロールが強く要望される。
現行のロールの中で最も優れたロール材質は、高クロ
ム鋳鉄であり、このロール材質に関する公知文献は多
く、たとえば、特公昭64−1203号公報、特公昭61−1641
5公報等がある。また、炭化物の形態を規定したロール
材質に関しては、特公昭59−25025号公報に開示されて
いるローラ材があるが、これらのロール材質では、ロー
ルが上に述べた過酷な条件下での圧延に供される場合、
耐摩耗性、耐肌荒れ性は十分ではない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来の熱延用ロールに比し、格段に耐摩耗
性、耐肌荒れ性に優れたロールを提供することを目的と
したなされた。
[課題を解決するための手段] 本発明の特徴とするところは下記の通りである。
1.平均粒径:5〜30μmのM6C或いはMC一次炭化物を、マ
ルテンサイト、ベイナイトもしくはパーライト素地中
に、面積率:5〜40%で一様に分散せしめるとともに、10
0μmを超える粗大炭化物のない鋼板の熱間圧延用ロー
ル。
但し、Mは金属元素であって、Moを主体としさらにC
r,Ti,Nb,VおよびWのうち1種または2種以上からなる
ものとする。
2.一次炭化物が、ビッカース硬度:1500以上であり、素
地がビッカース硬度:500〜1000であって、ロールの平均
ビッカース硬度が600〜1000である請求項1記載の熱間
圧延用ロール。
以下に、本発明を詳細に説明する。
発明者等は先ず、現行のロール材質の中で最も耐摩耗
性、耐肌荒れ性に優れていると言われる高クロム鋳鉄
は、金属組織中の一次炭化物(溶融金属が凝固するとき
に晶出する炭化物)がM7C3の構造を有し、その形態が通
常のM3Cの構造を有するものより微細であることが特徴
である処から、他の種類の炭化物について、それらの特
性を調べることから始めた。因に、上記Mは1種または
2種以上の金属を意味し、通常冶金学で用いられる表現
であり、鉄−炭素系ではFe3C(セメンタイト)が安定し
た炭化物である。鉄−クロム−炭素系では、(Fe+Cr)
3C,(Fe+Cr)7C3および(Fe+Cr)23C6の3種類の炭化
物が存在する。さらに、他の合金元素たとえば、Mo,W,
V,Ti,Nb等を添加した場合には、MC,M2C,M6C等元素の電
子構造によって種々の炭化物が出現する。
発明者等は、これら種々の炭化物を含有する材料につ
いて、熱延ロールの圧延シミュレート実験に用いられて
いる高温摩擦試験機によって熱間の摩耗特性について調
べた。
その結果、合金元素の中ではMoを1%以上添加したも
のが、優れた熱間耐摩耗性を有することを見出した。ま
た、Mo単独ではなく、Cr+Mo,Cr+Mo+VあるいはCr+M
o+V+Wといった複合添加がよく、その際、何れもMo
を含まないものに比し、Moを添加したものの特性が良
く、Moの効果は顕著であった。
次に、熱延ロールの摩耗がどのような機構で生じるの
かを調べるために、摩耗過程におけるロール試験片の表
面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した。その
結果、熱間における摩耗は、ロール表面が500℃以上の
高温になるために、素地の硬さが低下し、すべりによる
アブレーシブ(引っ掻き)摩耗を起こすが、このとき硬
い一次炭化物があると、すべりによるアブレーシブ摩耗
を阻止し、この兼合いによって耐摩耗性が支配されてい
ることが明らかになった。
また、ロール表面は水冷されるから、加熱・冷却の繰
返しによる熱疲労によって脆い炭化物に亀裂が入り遂に
は脱落すると、上記アブレーシブ摩耗阻止効果が消失し
て素地の摩耗が進行し、中から新たに炭化物が現れると
再びそこでアブレーシブ摩耗が阻止される、ということ
の繰返しであるという知見も得られた。
さらに、炭化物の硬さは高いほどアブレーシブ摩耗阻
止効果が大きいこと、炭化物の大きさが大であると熱亀
裂が入り易く早期に脱落してしまうこと、また、炭化物
の量が多過ぎると素地が炭化物を十分に保持することが
できなくなるために不適切であること、が明らかになっ
った。走査型電子顕微鏡で観察される炭化物の形は種々
あるが、平均粒径(同面積の円と倣したときの直径の平
均値)で100μmを超えるものは1000回程度の摩耗で容
易に熱亀裂が入るが、30μm以下のものは数1000回まで
亀裂は見られず、また、亀裂が生じても脱落し難い。し
かしながら、炭化物の粒径が5μm未満と小さくなる
と、今度はアブレーシブ摩耗阻止効果が殆どなくなって
しまう。従って、最適な炭化物粒径は、5〜30μmであ
る。第2図に、粗大炭化物に見られる熱亀裂の例を示す
が、この成分系は3%C−15%Crである。
炭化物の量の表示方法としては、面積率がよく用いら
れる。アブレーシブ摩耗の阻止という点からは炭化物の
量が多いほど好ましいが、炭化物の量が面積率で40%を
超えると、先に述べたように、素地が炭化物を十分に保
持することができなくなるために素地から炭化物が脱落
し易くなる。一方、炭化物の量が面積率で5%に満たな
いと、アブレーシブ摩耗阻止効果が殆どなくなってしま
う。
素地組織は、これら炭化物を保持するために強靭でな
ければならない。最も好ましい素地組織は、マルテンサ
イトもしくはベイナイトである。熱処理時の冷却速度に
よって、素地組織がパーライトになっても、炭化物の効
果が失われることはない。
一次炭化物の種類としては、前述のように、耐摩耗性
の良好なMoを1%以上含有する材料の組織を調べた処、
M6CまたはMCが存在することがわかり、その形態も微細
で丁度30μm以下となっていることから、M6CまたはMC
が最も適当であることがわかった。因みに、一次炭化物
の形態が最も粗大になり易いのはM3Cであり、M7C3はそ
れに比べると数10μm程度までかなり微細にすることが
できる。
M6CとMCは、同じ凝固速度でもさらに微細になる特性
がある。工具鋼に含まれる炭化物は、通常1種類のみで
はない。従って、形態も大小様々であるが、Moを含むの
もはM6CまたはMCの微細炭化物があるために、アブレー
ジョンを主体とする摩耗に対する熱間耐摩耗特性が優れ
ているという知見は、従来なかったものである。かくし
て本発明者等は、粗大なあるいは硬度の低い炭化物を除
き、有用な炭化物のみを有するほぼ理想的な熱延用ロー
ル材質に到達した。
第1図に、本発明による材質のロール試験片の摩耗試
験後の表面のSEM像を示す。なお、素地の金属組織はマ
ルテンサイト組織であった。
M6CとMCの炭化物の硬さは、M3CおよびM23C6よりも硬
く、ビッカース硬度で1500以上である。これら炭化物と
素地を総合したロールの平均硬さも高いほど耐摩耗性は
向上するが、素地のビッカース硬度が1000以上になる
と、ロール全体の破壊靭性が低下して亀裂が著しく伝播
し易くなり、ロールとして使用に耐えなくなる。
勿論、本発明のロール材質はロール表層部のみに用
い、内層を靭性の高い材質とすることは、極自然の発想
であり、そのようなロール製造方法はその自体公知の、
たとえば鋳掛け法によって外層を製造する方法を適用す
ることができる。
次に、耐肌荒れ性について述べる。肌荒れの機構は種
々あるが、組織の過大さに起因するものが最も多く見ら
れる。その意味で本発明は、微細炭化物を分散した組織
であるために耐肌荒れ性も良好となる。通常、ロール特
性としての耐摩耗性と耐肌荒れ性は、相反するものであ
り両者のバランスをとってロールを製造することが常識
となっている。これは、耐摩耗性を上げるためには炭化
物の量を増やさねばならず、そうするとM3C、M7C3型の
炭化物では形態も粗大となり、不均一摩耗を招いて肌荒
れとなるためである。本発明では、M6CもしくはMC型の
炭化物を用いるため、炭化物の量を増しても形態が粗大
になることがなく、従って、耐肌荒れ性にも優れてい
る。
本発明のロールを過酷な圧延条件、特に小径の熱延ロ
ールとして使用するときは、従来の材質では使用に耐え
ない場合でも、十分な耐摩耗性、耐肌荒れ性を発揮して
ロールとしての機能を果たすことができる。
本発明のロールは、靭性の高い材料、例えばクロムモ
リブデン鋼など、を内層材としこれに、外層材として、
ロール材として通常使用されている高クロム鋳鉄のCr組
成の大部分を1%以上のMoで置き換え、好ましくはさら
に、W、V、Ti、Nbなどで置き換えた溶鋼を、連鋳鋳掛
け法を採用し外層を形成して所要の一次炭化物を含有す
るロール外層を得ることができる。その後、所要の硬度
を得るために必要に応じて焼入れ、焼戻し等の熱処理を
施し、次いで機械加工を行うことによってロールを得る
ことができる。
[実施例] 内層:クロムモリブデン鋼(JIS SCM440相当) 250mmφ(360mmφ)、鍛造により仕上げ 層厚:40mm(60mm) 連続鋳掛け法により複合体外径が330mmφ(480mmφ)
となるように鋳造し、焼入れ、焼戻し処理によって硬さ
Hv=780とした。この材料を機械加工仕上げして310mmφ
(450mmφ)のロールにした。
組織は、第1図に示すものと同じである。なお、素地
の金属組織はマルテンサイト組織であった。また、最大
粒径が100μmを超える炭化物はいずれも認められなか
った。
このロールを、小径ロール圧延機を有するA、Bの2
製鉄所で使用した処、第1表に示す良好な成績を得た。
小径ロールでは同じ材料の圧延をするのに、径が小さく
なるのに対応して回転数、従って摩耗回数が増大しか
つ、摩耗間隔が短かくなることおよび冷却時間の十分と
れないこと等のためにロール温度が上昇するから摩耗が
著しく増大し、肌荒れを起こし易い。近年、ロール径が
従来のロール径の1/2程度まで小さくなった圧延機が出
現している。
[発明の効果] 本発明は、以上述べたように構成しかつ作用せしめる
ようにしたから、小径の熱延ロールとして使用しても十
分な耐摩耗性と耐肌荒れ性を発揮することができ、安価
で高品質の鋼板を高能率で圧延することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明のロールの熱間摩耗後の表面金属組織
のSEM像を示す写真であり、白く見える一次炭化物の種
類は、M6Cである。第2図は、金属ロールの熱間摩耗実
験により粗大炭化物に生じた熱疲労亀裂を示すSEMによ
る組織写真で、黒く見える一次炭化物の種類は、M7C3
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大友 清司 福岡県北九州市戸畑区大字中原46―59 新日本製鐵株式会社機械・プラント事業 部内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径:5〜30μmのM6C或いはMC一次炭
    化物を、マルテンサイト、ベイナイトもしくはパーライ
    ト素地中に、面積率:5〜40%で一様に分散せしめるとと
    もに、100μmを超える粗大炭化物のない鋼板の熱間圧
    延用ロール。 但し、Mは金属元素であって、Moを主体としさらにCr,T
    i,Nb,VおよびWのうち1種または2種以上からなるもの
    とする。
  2. 【請求項2】一次炭化物が、ビッカース硬度:1500以上
    であり、素地がビッカース硬度:500〜1000であって、ロ
    ールの平均ビッカース硬度が600〜1000である請求項1
    記載の熱間圧延用ロール。
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