JP2732190B2 - 低圧逆浸透膜によるトリハロメタン生成抑制方法 - Google Patents

低圧逆浸透膜によるトリハロメタン生成抑制方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素添加でトリハロメ
タンに分解される物質を含む河川水、湖沼水、井戸水等
を水源とする飲料水製造プラントにおいて、これらの物
を分解することなく、バクテリアを殺菌状態に保ち、
低圧逆浸透膜を用いて、塩素添加でトリハロメタンに分
解される物質を除去することにより、トリハロメタンの
生成を抑制する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリハロメタンは、平成5年末に厚生省
の水質基準の規制対象に加えられる物質であり、その処
理方法が種々検討されている。トリハロメタンは、その
前駆体(フミン酸、フルボ酸、ヒマトメラミン酸等)が
塩素により分解されて生成する物質であり、分子量が小
さく、分離が非常に困難であった(1983年10月3
0日に技報堂から発行された「水道とトリハロメタン」
参照)。ここで、トリハロメタンの前駆体とは、塩素の
添加によってトリハロメタンに分解される物質のことを
いう。
【0003】従来、トリハロメタンを除去するための対
策としては、殺菌剤として塩素の代わりにオゾンを使用
して、塩素添加でトリハロメタンに分解される物質を低
分子量の炭化水素化合物に分解し、この低分子化合物を
活性炭で吸着する方法があった。なお、逆浸透膜による
トリハロメタンの生成抑制及び除去方法について、従来
技術を調査したが、該当する公報は検索できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、殺菌剤として
オゾンを使用し活性炭で吸着する従来の方法では、オゾ
ン発生装置を使用するので、装置が複雑になり、廃オゾ
ン処理も必要となる。また、活性炭を定期的に交換する
必要があり、メンテナンスコストが高くなるという問題
点もあった。
【0005】トリハロメタンは、上記のように分子量が
小さく、低圧逆浸透膜を用いても分離効率が低いので、
上述したトリハロメタン前駆体(塩素添加でトリハロメ
タンに分解される物質)からトリハロメタンが生成して
しまうと分離が非常に困難となっていた。一方、トリハ
ロメタン前駆体(塩素添加でトリハロメタンに分解され
る物質)は分子量が大きく、低圧逆浸透膜を用いれば9
5%以上の分離効率が得られる。したがって、トリハロ
メタンを除去するためには、その前駆体を低圧逆浸透膜
を用いて分離することが得策である。なお、低圧逆浸透
膜とは、海水淡水化用逆浸透膜とUF(限外ろ過膜)の
中間膜であって、別名、ルーズ逆浸透膜とかナノメンブ
レンとも呼ばれている。
【0006】しかし、一般に、塩素添加でトリハロメタ
ンに分解される物質を多く含む河川、湖沼中には、バク
テリアが多量に存在し、低圧逆浸透膜の膜面にバクテリ
アが繁殖するために、装置の運転が不可能になることが
あった。一方、低圧逆浸透膜の膜面にバクテリアが繁殖
するのを防止するために、塩素の代わりにオゾンを用い
て殺菌することも考えられるが、塩素添加でトリハロメ
タンに分解される物質が、オゾンにより低分子量の炭化
水素化合物に分解されてしまい、低圧逆浸透膜での分離
効率が大幅に低下し、その後、塩素で殺菌すれば、トリ
ハロメタンが生成する可能性があった。
【0007】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、塩素添加でトリハロメタンに分解される物質を含む
河川水、湖沼水、井戸水等から飲料水を製造するに際
し、低圧逆浸透膜を用いて、塩素添加でトリハロメタン
に分解される物質の除去を行ない、低圧逆浸透膜の膜面
にバクテリアが繁殖するのを防止するために、銅イオン
を添加する低圧逆浸透膜によるトリハロメタン生成抑制
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の低圧逆浸透膜によるトリハロメタン生成
抑制方法は、図1に示すように、塩素添加でトリハロメ
タンに分解される物質(トリハロメタン前駆体を含む
原水中に銅イオンを添加した後、この原水を低圧逆浸透
膜に通して塩素添加でトリハロメタンに分解される物質
トリハロメタン前駆体を除去することを特徴として
いる。このように、ここでは、トリハロメタン前駆体と
は、塩素の添加によってトリハロメタンに分解される物
質のことをいう。このような物質としては、一例とし
て、フミン酸、フルボ酸、ヒマトメラミン酸等が挙げら
れる。
【0009】この場合、銅イオンの添加量は、0.1〜
0.5ppmであることが好ましい。すなわち、銅イオ
ンの添加量が0.1ppm未満の場合は、低圧逆浸透膜
の膜面にバクテリアが繁殖しやすいという不都合があ
り、一方、銅イオンの添加量が0.5ppmを越える場
合は、逆浸透膜の濃縮水側(排水側)の銅イオン濃度が
高くなり、環境省の排水排出基準をクリアできないとい
う不都合がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変
更して実施することが可能なものである。 実施例1 図1は、本発明の方法を実施する装置の一例を示してい
る。本設備は、浅井戸を水源とする簡易水道であり、原
水中には、塩素添加でトリハロメタンに分解される物質
を多量に含んでいる。図1において、原水ポンプ10に
より供給された原水は、まず、メディアフィルター等の
ろ過器12で濁質が除去され、その後、トリハロメタン
前駆体(塩素添加でトリハロメタンに分解される物質)
を分解することなくバクテリアを殺菌するために、硫酸
銅が添加される。なお、濁質が除去される前に、あるい
は濁質除去の前及び後に、硫酸銅が添加される場合もあ
る。硫酸銅が添加された原水は、ブースターポンプ14
を経て、低圧逆浸透膜16に導入される。この場合の運
転圧力は、例えば15〜20kg/cmである。低圧
逆浸透膜16により、原水は、透過水(飲料水)と濃縮
水(排水)とに分離され、透過水(飲料水)には、後塩
素剤が塩素で約0.5mg/l添加され、最終処理がな
される。
【0011】図1に示すフローにおいて、トリハロメタ
ン前駆体(塩素添加でトリハロメタンに分解される物
質)を分解せずに、バクテリアの殺菌効果がある硫酸銅
を銅イオンで0.2ppm添加したところ、その後に低
圧逆浸透膜の膜面でバクテリアが繁殖することはなく、
銅イオンによる膜性能の劣化もほとんど起こらなかっ
た。表1に、実施例1における装置の処理結果を示す。
なお、トリハロメタン生成能は、原水及び透過水にそれ
ぞれ10mg/lの次亜塩素酸ソーダを注入したときに
生成する総トリハロメタン濃度で示している。
【0012】
【表1】
【0013】本実施例では、特別な装置として、銅イオ
ンを注入するための装置と低圧逆浸透膜装置を必要とす
るのみであるので、設備がコンパクトで済み、操作も簡
単であり、中小の簡易水道にも容易に適用することがで
きる。なお、銅イオンも厚生省の水質基準の規制対象に
入っているが、注入された銅イオンは、低圧逆浸透膜に
より90%以上が分離除去可能であるので、厚生省の水
質基準は十分クリアすることができる。
【0014】比較例1 図1に示す装置を硫酸銅の添加なしで運転した場合、運
転後1週間で低圧逆浸透膜の膜面にスライムが発生し、
運転が不可能となったので、中性洗剤を用いて化学洗浄
を行なってスライムを除去し、運転を再開したが、再び
スライムが発生し、運転が不可能となった。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) トリハロメタンを生成する前の前駆体(塩素添
加でトリハロメタンに分解される物質)の形で除去する
ので、前駆体除去率も高く、また、膜面でのバクテリア
の繁殖も防止することができるので、塩素添加でトリハ
ロメタンに分解される物質を多く含む、いわゆる汚れた
水源でも飲料水源として使用することができる。 (2) 装置が簡単であるので、簡易水道のような小型
飲料水プラントのトリハロメタン除去対策にも適用する
ことができる。 (3) 低圧逆浸透膜の寿命は3年程度と長いので、ラ
ンニングコスト、メンテナンスコストが低い。 (4) 操作が簡単なので、特別な技能を必要とするこ
となく、簡単に装置を運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の一例を示す説明
図である。
【符号の説明】
10 原水ポンプ 12 ろ過器 14 ブースターポンプ 16 低圧逆浸透膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素添加でトリハロメタンに分解される
    物質を含む原水中に銅イオンを添加した後、この原水を
    低圧逆浸透膜に通して塩素添加でトリハロメタンに分解
    される物質を除去することを特徴とする低圧逆浸透膜に
    よるトリハロメタン生成抑制方法。
  2. 【請求項2】 銅イオンの添加量が0.1〜0.5pp
    mであることを特徴とする請求項1記載の低圧逆浸透膜
    によるトリハロメタン生成抑制方法。
JP12059993A 1993-04-23 1993-04-23 低圧逆浸透膜によるトリハロメタン生成抑制方法 Expired - Fee Related JP2732190B2 (ja)

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