JP2731975B2 - 撮影用感光材料の処理方法 - Google Patents

撮影用感光材料の処理方法

Info

Publication number
JP2731975B2
JP2731975B2 JP2244265A JP24426590A JP2731975B2 JP 2731975 B2 JP2731975 B2 JP 2731975B2 JP 2244265 A JP2244265 A JP 2244265A JP 24426590 A JP24426590 A JP 24426590A JP 2731975 B2 JP2731975 B2 JP 2731975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
film
liquid
blade
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2244265A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04123051A (ja
Inventor
敬 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2244265A priority Critical patent/JP2731975B2/ja
Publication of JPH04123051A publication Critical patent/JPH04123051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2731975B2 publication Critical patent/JP2731975B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、例えばネガフィルムのような撮影用感光材
料を処理する方法に関する。
<従来の技術> 撮影済の撮影用感光材料に対しては、現像、漂白、漂
白定着、定着、水洗、安定等の処理がなされるが、近
年、処理液補充量および廃液量の低減、処理効率の向
上、処理装置の小型化等を目的として、狭幅の処理路を
有する処理槽を用いて処理する技術が開示されている
(特開昭62−89052号公報、同63−131138号公報、同63
−216050号公報、同64−26855号公報、特開平01−13054
8号公報等)。
ところで撮影用感光材料の代表例であるネガフィルム
には、カメラ内におけるフィルムの搬送および位置決め
のためのパーフォレーションがフィルムの両側端部に沿
って形成されているが、このネガフィルムを処理液中で
処理する際には、処理液がパーフォレーション内を流通
する。
この場合、上述のごとき狭幅の処理路を有する処理槽
においては、狭幅処理路内での処理液の流動はほとんど
ないが、ネガフィルムの通過により処理液が流動し、そ
のパーフォレーション内を流通する。そして、このよう
にパーフォレーション内を処理液が流通することにより
処理液の流れが不規則となり、パーフォレーションの側
部近傍の画像に処理ムラが生じるという欠点がある。
この処理ムラは、例えば現像液での処理においては現
像ムラであり、漂白液、定着液、漂白定着液での処理に
おいては脱銀ムラであり、水洗水、安定液での処理にお
いては残色ムラや残留主薬ムラである。
そして、このような処理ムラは、処理槽内の処理路全
長に対する狭幅の処理路の合計長さの割合が大きいほど
顕著に生じる傾向がある。
また、処理槽内の狭幅処理路に該処理路を遮蔽する一
対のブレードのような区画部材を設置することによっ
て、処理路全長にわたり処理液の液組成勾配(濃度勾
配)を形成し、処理効率の向上、写真性の向上を図る技
術が開示されている(特開平02−130548号公報、特願平
02−155667号)。
この場合、ネガフィルムは一対のブレード間をブレー
ド表面と接触しつつ通過するが、上述のように、ネガフ
ィルムにはパーフォレーションが形成されており、その
ためブレードとの摺動抵抗が大きくなり、搬送性が低下
するという欠点がある。
特に、ネガフィルムは、主に板状の先導部材(リー
ダ)に牽引されて搬送されるが、ブレードとの摺動抵抗
が大きくなると、ネガフィルムに加わる張力が大きくな
り、パーフォレーションの縁部形状が湾曲変形し、ブレ
ードとの摺動抵抗の増大を助長する結果となる。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、撮影用感光材料の処理ムラの発生を
防止し、また、さらに搬送性を向上することができる撮
影用感光材料の処理方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記(1)の本発明により達成さ
れる。
(1)処理槽内に狭幅の処理路を有し、この狭幅の処理
路で連結された複数の処理室を有し、 処理槽内の前経路長に対する狭幅の通路の合計長が20
%以上98%未満であり、 前記狭幅の処理路に、処理路を遮蔽しうるブレードが
設置されている処理槽を用いて撮影用感光材料を処理す
るに際し、 前記撮影用感光材料は、その一方または両方の側端部
にパーフォレーションが形成されており、このパーフォ
レーションの形成密度が1画面当たり2個以内であるこ
とを特徴とする撮影用感光材料の処理方法。
<作用> 本発明では、処理される撮影用感光材料は、その一方
または両方の端部に1画面当たり2個以内の形成密度で
パーフォレーションが形成されたものであるため、従来
の135サイズネガフィルム等に比べ、パーフォレーショ
ンの形成密度が小さく、よって、狭幅処理路の通過に際
しパーフォレーション内を処理液が流通することに起因
して生じる処理ムラの発生が減少する。
また、狭幅処理路にこの処理路を遮蔽しうるブレード
を設置した場合でも、パーフォレーションの形成密度が
小さいため、撮影用感光材料の搬送抵抗の増大が防止さ
れる。
<発明の構成> 以下、本発明の撮影用感光材料の処理方法を添付図面
に示す好適実施例について詳細に説明する。
第1図は、比較用の感光材料処理装置の構成例を示す
断面正面図である。同図に示される、感光材料処理装置
1Aは、ハウジング3Aと、該ハウジング3A内に設置された
外側槽壁材40Aと、その内側に設置された内側槽壁材50A
とで構成される処理槽2Aを有している。
ハウジング3Aは、箱型形状をなし、恒温槽としての役
割を果たすものである。即ち、ハウジング3A内には、温
水30Aが満たされ、外側槽壁材40Aを介して処理液Qを、
例えば30〜38℃程度に加温するものである。この温水30
Aの温度は、通常、30〜50℃程度とされ、目的とする処
理液の温度と等しいかまたは若干高めの温度に設定す
る。
なお、ハウジング3A内の温水30Aの温度を一定に保つ
ために、温水の循環が行われる。
即ち、ハウジング3Aの底部には、温水30Aの給水口31A
および排水口32A形成され、ヒータ(図示せず)により
加温された温水が給水口31Aからハウジング3A内へ供給
され、供給量とほぼ同量の温水が、排水口32Aから排出
される。
なお、ハウジング3Aは、例えば硬質塩化ビニル、ポリ
サルフォンのような断熱性を有する材料で構成するか、
あるいはハウジング3Aの内壁および/または外壁に石
綿、フェルト、アルミ箔、ガラスウール等の断熱材を接
合するのが好ましい。
ハウジング3Aの上部には、外側槽壁材40Aが固定的ま
たは着脱自在に取付けられている。
この外側槽壁材40Aは、その底部が円弧状に湾曲した
U字形状をなしており、その最下端は、ハウジング3Aの
底部より相当距離離間している。これにより外側槽壁材
40Aの第1図中左方と右方との温水の流通を可能として
いる。
なお、外側槽壁材40Aの最下端とハウジング3Aの底部
との間に隔壁を設け、外側槽壁材40Aの第1図中左方と
右方との温水に温度差を設けることもできる。例えば、
処理槽2Aが現像槽である場合、第1図中左方(現像前半
部)の温水を右方(現像後半部)の温水より0.5〜2℃
程度高温とすることにより、現像特性を向上すること、
特に感度を若干向上することができる。
このような外側槽壁材40Aは、熱伝導性に優れ、かつ
処理液Qに対する耐薬品性を有する材料で構成されてい
るのが好ましく、例えば、ステンレス、銅または銅系合
金、ハステロイ、チタン等の金属を挙げることができ
る。
外側槽壁剤40Aの内部中央部には、内側槽壁材50Aが、
好ましくは着脱可能に挿入設置されている。これによ
り、外側槽壁材40Aの内面と内側槽壁材50Aの外面との間
に、横断面がスリット状の、すなわち、幅狭で長尺の処
理路60Aが形成される。
第1図に示す構成例では、処理槽2A内における処理経
路のほぼ100%が狭幅の処理路60Aとなっている。
この処理路60Aのスリット幅(W)は、後述する撮影
用感光材料(以下フィルムFで代表する)の厚さとの関
係で規定することができ、通常、フィルムFの厚さの2
〜30倍程度とするのが好ましい。
例えば、フィルムFが、幅35mm、厚さ0.2mmのネガフ
ィルムの場合には、Wを0.5〜4.0mm程度とするのがよ
い。なお、処理路60Aの全域にわたってWを一定とする
のが好ましいが、処理速度の調整等のために、フィルム
Fの搬送方向下流側へ向けてWを漸増または漸減させる
こともできる。
なお、内側槽壁材50Aの下端は、後述する送りローラ
の外周面に対応する円弧状の溝55Aが形成されている。
また、内側槽壁材50Aの上部には、内側槽壁材50Aを着
脱するのに用いる把手57Aが取り付けられている。例え
ば、処理槽2Aの洗浄等のメインテナンスの際には、この
把手57Aを持って内側槽壁材50Aを取り外す。
また、内側槽壁材50Aは、処理液Qの保温性を考慮す
れば、例えば、塩化ビニル、ポリサルフォン、ポリエチ
レン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンのような断
熱性を有する材料構成するか、あるいは石綿、フエル
ト、ガラスウール、アルミ箔等の断熱材を接合するのが
好ましい。
外側槽壁材40Aの底部内側には、フィルムFを搬送す
るための送りローラ9Aが、第1図中前後方向に掛け渡さ
れるように設置されている。処理路60Aを下降してきた
フィルムFは、この送りローラ9Aの外周面に巻き付いて
反転し、上昇する。なお、送りローラ9Aの下部において
は、送りローラ9Aの外周面と外側槽壁材40A底部の円弧
状壁面との間に処理路60Aが形成されている。
また、処理槽2Aの上方のフィルム入側および出側に
は、それぞれクロスオーバローラ10Aおよび11Aが設置さ
れている。クロスオーバローラ10Aは、前工程からのフ
ィルムFを処理路60Aへ導入するためのものであり、ク
ロスオーバーローラ11Aは、処理路60Aから出たフィルム
Fを次工程へ送るためのものである。
なお、前記送りローラ9A、クロスオーバローラ10Aお
よび11Aは、自由回転するローラ、駆動回転するローラ
のいずれでもよい。
感光材料処理装置1AにおけるフィルムFの搬送は、フ
ィルムFの先端を図示しないリーダーフィルムまたは先
行して処理される他のフィルムの後端に接続し、これら
のフィルムに牽引されて処理路60A内を搬送されるよう
な構成とするのが好ましい。また、フィルムF自体をロ
ーラ対(図示せず)で挟持して搬送してもよい。
処理路60Aには、処理液Qが液面レベルLまで満たさ
れており、フィルムFの処理時には、新鮮な処理液(以
下、補充液という)が供給される。この補充液の供給
は、処理液の種類にもよるが現像液、漂白液、漂白・定
着液、定着液の場合には、処理路60AのフィルムFの入
側から行われるのが好ましい。すなわち、補充液を吐出
する給液口7Aが処理路60A上部のフィルムF入側に設置
され、一方、フィルムFの出側にはオーバーフローによ
り処理液Qを排出する排液口8Aが処理路60A上部の液面
レベルLの位置に設置され、給液口7Aより供給された補
充液はU字状の処理路60A内をフィルムFの搬送方向と
同方向に流れ(パラレルフロー)、補充量とほぼ同量の
劣化した処理液が排液口8Aから排出される。
このように、処理液(特に、現像液)をパラレルフロ
ーとすることにより、フィルムFの感度が向上するとい
う利点がある。
なお、補充液の供給量は、現像するフィルムFの種類
やサイズ、処理路60Aの容積、処理液の組成等の条件に
より異なるが、その一例を挙げれば、カラーネガフィル
ムの場合、通常135サイズ1m当り2〜30ml程度とするの
がよい。
さて、感光材料処理装置1Aにおいては、U字状の処理
路60Aの長手方向に沿って該処理路60Aを遮蔽し、複数の
部分に区画するブレード15が複数対設置されている。
これにより、処理路60Aは、複数の小空間61A〜69Aに
区画される。
対をなすブレード15は、フィルムFの非通過時にその
先端部同士が密着するようにして外側槽壁材40Aおよび
内側槽壁材50Aに取り付けられている。そして、フィル
ムF(フィルムFがリーダ25により牽引搬送される場合
にはリーダ25)の進入によって先端部が押し広げられる
ような構成となっている。
第8a図には、第1図におけるブレード15の拡大図が示
されている。このブレード15は第2図の本発明の装置に
も設けられる。
第8a図に示すように、ブレード15は、外側槽壁材40A
および内側槽壁材50A(後述する感光材料処理装置1Bの
場合には、ブロック体4g)に取り付けられる基部と、先
端に向って厚さが漸減する先端部(薄肉部)とで構成さ
れ、2枚の組み合わせで用いられる。また、ブレード15
は、第8b図に示すように、基部から先端部へ向けてその
厚さがほほ同一のものであってもよい。
このときのフィルムFの表面に対するブレード15の平
均傾斜角度は、一般に10〜70゜程度とするのがよく、特
に20〜45゜程度とするのが好ましい。
また、ブレード15の基部から先端へ至る長さは、処理
路60Aの有効スリット幅(w)以上の長さとすればよい
が、一般にはこの2〜20倍の10〜50mmとするのが好まし
く、特に好ましくは3〜10倍の15〜25mmとするのがよ
い。
そして、対向して設置した1対のブレード15における
フィルムFの非通過時でのブレード15の先端部同士の重
なり部分の長さは、1〜10mm程度、特に2〜5mm程度と
するのがよい。
また、ブレード15の先端部の厚さは、ブレード15の長
さの1/100以上あるいは0.5mm以上とすればよく、特に、
1〜1.5mmとすればよい。
ブレード15同士の接触面圧は、0.001〜0.1kg/cm2
度、特に0.005〜0.02kg/cm2程度とするのが好ましい。
以上のような条件とすることにより、フィルムFの非
通過時におけるブレード15の先端部同士の密着性が確保
され、処理液Qの流通を有効に遮断することができる。
また、フィルムFの通過時の処理液Qの流通もごくわず
かなものとすることができる。
ブレード15の材質は、処理液に悪影響を及ぼさないも
のであればよく、例えば天然ゴム、クロロプレンゴム、
ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、ネオプレンブタジ
エンゴム、シリコンゴム等の各種ゴム、軟質ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹
脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド等の軟質
樹脂等の弾性材料が挙げられ、また、ラバロン、サーモ
ラン、エラストラン、ハイトレル、サンプレーン等のエ
ラストマーを用いることもできる。
なお、通常、ブレード15同士の密着力は、ブレードの
弾性力により与えられているが、ブレード15の先端部内
に磁性材料を配合し(例えば、ゴム磁石のようなも
の)、先端部同士を磁力により吸引させて密着力を与
え、または高めることも可能である。
また、フィルムFがブレード15と摺動しても、乳剤面
のキズ付き等の悪影響はほとんど生じないが、これが無
視できない場合、または、摺動抵抗の減少を図る場合に
は、ブレード15の内側面に平滑化処理を施し、または内
側面にシリコーン、テフロン等の潤滑剤をコーティング
する等の表面処理を施すことで対応すればよい。
また、ブレード15は、対をなすものに限らず、第8c図
に示すように、一片のブレードの基部が槽壁材40Aまた
は50Aのいずれか一方に固着され、そのブレード15の先
端部が他方の壁材に密着するような構成であってもよ
い。
また、第8d図に示すように、ブレード固着側と反対側
の槽壁材が処理路60A内に突出し、この突出部45にブレ
ード15の先端部が密着するような構成とすることもでき
る。この構成では、前記第8c図に示す構成に比べ、フィ
ルムFの摺動抵抗が小さくなる。
なお、第8c図および第8d図に示す構成では、フィルム
Fの乳剤槽がブレード15と接触するようにフィルムFを
搬送するのが好ましい。
このようなブレード15を設けたことにより、次のよう
な作用、効果が生じる。
フィルムFの処理時には、前述のごとく補充液の供給
量とほぼ同量の処理液Qが処理路60A内を小空間61Aから
69Aへ向けて順次流れるが、その逆方向への流れは阻止
される。
従って、長尺処理路60A内の処理液Qは、液組成勾配
が確実に形成され、持維される。すなわち、給液口7Aの
ある小空間61A内の処理液が最も新鮮であり、以後の小
空間62A〜68Aにおいて順次劣化の度合が高まり、排液口
8Aのある小空間69A内の処理液が最も劣化したものとな
る。
また、ブレード15がフィルムFの表面に接触し、付着
した液を拭い取る効果(以下、スクイズ効果という)を
生じる。
このように処理路60Aにおいて、液組成勾配が形成さ
れることおよびブレード15のスクイズ効果により、フィ
ルムFの処理効率が向上し、特に感度が高くなる。
また、処理効率が向上するため、補充液の補充量が低
減する。
フィルムFの処理が終了した後は補充液の供給は停止
されるため、隣接する小空間同士の処理液Qの流通は、
ブレードにより遮断される。
これにより、各小空間61A〜69A内の処理液Qは、前記
と同様の液組成勾配を有する状態となり、この状態は、
処理終了後、長期間(例えば、10分〜50時間)継続す
る。
従って、次回フィルムFの処理を行う際に、処理路60
A内の処理液Qに既に液組成勾配が形成されているた
め、即時に処理を行っても、そのフィルムFは、写真
性、特に感度の高いものとなる。
なお、処理路60Aを遮蔽するものとしては、ブレード1
5を用いるのが遮蔽効果が高く好ましいが、これに限ら
ず、他の構成の遮蔽手段を用いてもよい。
また、本発明では、ブレード15に代表される遮蔽手段
を全く設けなくてもよい。
第2図は、本発明を実施するための感光材料処理装
置、特に脱銀処理を行う装置の構成例を示す断面側面
図、第3図は、第2図中のIII−III線での断面図、第4
図は、第2図の感光材料処理装置における通路付近の構
成を示す斜視図である。これらの図に示す感光材料処理
装置1Bは、漂白処理、漂白定着処理および定着処理を1
つの処理層で行なうことができる装置である。
第2図に示すように、感光材料処理装置1Bは、所定の
容積を有する縦長の処理槽2を有する。この処理槽2内
には、ラック3が着脱自在に装填される。このラック3
は、1対の側板31、32を有し、これらの側板間には数個
のブロック状の部材(以下、ブロック体という)4a〜4o
が固定的に設置されている。
このようなブロック体4a〜4oにより、フィルムFを処
理するための空間である5つの処理液6A、6B、6C、6Dお
よび6Eが形成される。
また、上下に隣接する処理室6Aと6B、6Bと6C、6Cと6D
および6Dと6Eとの間には、両処理室を連結する狭幅の処
理路である通路71、72、73および74が形成されており、
処理室6Aおよび6Eの上部には、それぞれ、フィルムFを
搬入および搬出するための同様の通路75および76が形成
されている。
ブロック体4aおよび4bは、後述する仕切部材17の両面
にそれぞれ設置された縦長の部材である。
ブロック体4cおよび4dは、それぞれ、ブロック体4aお
よび4bの上部との間で通路75および76を形成するととも
に、後述するスプロケット8へのリーダ25の係合を維持
するようにリーダ25の位置を規制するための部材であ
る。
ブロック体4gおよび4kは、それぞれ、ブロック体4aに
形成された凹部42に着脱自在に嵌合される部材であり、
その内部にはそれぞれ通路71および72が形成されてい
る。
また、ブロック体4hおよび4lも、それぞれ、ブロック
体4bに形成された凹部42に着脱自在に嵌合される部材で
あり、その内部には、それぞれ、通路74および73が形成
されている。
なお、これらのブロック体4g、4k、4hおよび4lの処理
槽2の内壁と接触する部位には、後述するブレード15と
同様の材料で構成されるシール部材11が固着されてい
る。
ブロック体4eは、リーダ25が処理室6Aから通路71内に
移行する際に、リーダ25を通路71の入口に導くガイドの
役割を果す部材である。
ブロック体4fは、通路74を出たリーダ25を処理室6E内
の後述するガイド9とノズル54との間に導くガイドの役
割を果す部材である。
ブロック体4iおよび4jは、それぞれ、スプロケット8
へのリーダ25の係合を維持するようにリーダ25の位置を
規制するための部材である。
ブロック体4m、4nおよび4oは、ブロック体4cおよび4d
の下端との間で処理室6Cを形成するとともに、処理室6C
内におけるリーダ25のU字状の搬送経路を規制するガイ
ドの役割を果す部材である。このうち、ブロック体4o
は、リーダ25を反転せさせる湾曲面44を有している。こ
の湾曲面44は、スプロケット8へのリーダ25の係合を維
持するようにリーダ25の位置を規制する役割をも果して
いる。
これらのブロック体4a〜4oは、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ABS樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の
プラスチック、アルミナ等のセラミックスまたはステン
レス、チタン等の各種金属等の硬質材料で構成されてい
る。特に、成形性に優れ、軽量で、十分な強度を有する
という点から、ポリプロピレン、PPO、ABS樹脂等のプラ
スチックスで構成されているのが好ましい。
なお、図示の例では、各ブロック体4a〜4oは中実部材
となっているが、中空部材(例えばブロー成形により製
造される)として構成してもよい。
各処理室6A〜6Eには、後述する所定の処理液が満たさ
れている(図示省略)。
図示の構成において、処理室一室当たりの容積は20〜
3000ml程度とすればよく、20〜500ml程度の小容量とす
ることもできる。
通路71〜76の幅(有効スリット幅W)は、リーダ25の
厚さの5〜50倍程度とするのが好ましい。
このような幅とすることによって、リーダ25およびフ
ィルムFは支障なく搬送される。
本発明では、狭幅の通路71〜76の合計長さが処理槽2
内の処理経路全長の20%以上、特に40%以上を占めるも
のが対象とされている。その理由は、20%未満である
と、狭幅の通路71〜76内で処理される時間の比率が小さ
く、従来のフィルムを処理した場合でも、本発明が解決
すべき課題である処理ムラが本来生じないからである。
各通路71〜74には、図示のように、1対のブレード15
が設置されている。
このブレード15は、前記と同様のものであり、リーダ
25およびフィルムFの非通過時にその先端部同士が密着
するようにしてブロック体4g、4k、4hおよび4lに取り付
けられている。
この場合、各ブロック体4g、4k、4hおよび4lに別部材
のブレード15を取り付けてもよいが、各ブロック体4g、
4k、4hおよび4lとブレード15とを例えば2色成形やイン
サート成形により一体的に形成することもできる。
また、前記シール部材11についても、ブロック体4g、
4k、4hおよび4lとシール部材11とを例えば2色成形やイ
ンサート成形により一体的に形成してもよい。
なお、図示の例では、ブレード15は、各通路71〜74に
1対づつ設置されているが、1つの通路に対し、2対以
上のブレード15を設置してもよい。この場合には、通路
71〜74の遮蔽効果やスクイズ効果がより大きくなり、補
充量のさらなる低減が図れる。
また、感光材料処理装置1Bにおいても、前記と同様、
ブレード15に代わる遮蔽手段を設けてもよく、または、
このような遮蔽手段を全く設けなくてもよい。
このような感光材料処理装置1Bには、フィルムFを各
処理室6A〜6E内に順次通過させるように搬送する搬送手
段が設けられている。
第2図および第4図示すように、処理室6A〜6E内に
は、それぞれスプロケット8が設置されている。
これらの各スプロケット8は、その回転軸81にて側板
31、32に軸支されており、各処理室のフィルム幅方向の
ほぼ中央部に位置している。
なお、処理室6A、6B、6Dおよび6E内に設置されたスプ
ロケット8は、ブロック体4aおよび4bに形成された切欠
溝43内に収納され、その一部が処理室6A、6B、6Dおよび
6E内に露出している。
スプロケット8の駆動機構は、第3図に示すように、
図中垂直方向に延在する主軸82の所定箇所に固定された
ベベルギア83と、スプロケット8の回転軸81の一端部に
固定されたベベルギア84とが噛合し、モータ等の駆動源
(図示せず)の作動で主軸82を所定方向に回転すること
により、スプロケット8が回転するようになっている。
スプロケット8の構成材料は、耐久性、処理液に対す
る耐薬品性を有するものであるのが好ましく、例えば、
硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ABS樹脂、PPO、ナイロン、ポリアセタール(POM)、フ
ェノール樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポ
リエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケ
トン(PEEK)、テフロン等の各種樹脂、アルミナ等のセ
ラミックス、ステンレス、チタン、ハステロイ等の耐食
性を有する金属類、またはこれらを組み合わせたものを
挙げることができる。
第5図に示すように、回転軸81のスプロケット8両側
端部には、回転軸81に対し自由回転するローラ85が設置
されている。
このローラ85は、リーダ25に接続されたフィルムを案
内するためのものであり、そのフィルム幅方向中央部が
くびれたいわゆるつづみ形状をなしている。
また、ブロック体4mおよび4nの近傍には、それぞれ、
フィルムFの裏面と接触して自由回転する前記ローラ85
と同様のローラ10が設置されている。
このようなローラ85および10を設けることにより、フ
ィルムFの搬送性が向上する。
なお、ローラ85および10は、必要に応じ設置されるも
ので、その全部または一部の設置を省略してもよい。
処理室6A、6B、6Dおよび6E内のスプロケット8と通路
71〜74との間には、リーダ25を案内するとともに、フィ
ルムFの搬送経路を規制するガイド9が設置されてい
る。
このガイド9は、上記ブロック体と同様の材料で構成
された板状の部材であり、ガイドを貫通する開口91がほ
ぼ均一に形成されている。
これにより処理液の流通が可能となり、処理室内での
液の循環が促進されるため、処理効率が向上する。
なお、ガイド9は、リーダ25の搬送性に支障をきたさ
ない限り、搬送経路に沿って部分的に設けてもよく、ま
た、設置しなくてもよい。
また、通路75の上方には、リーダ25を通路75内に導入
するガイド92が設置され、通路76の上方には、通路76を
通過したリーダ25を処理槽2外へ送り出すガイド93が設
置されている。これらのガイド92および93には、処理槽
2と隣接する処理槽等とのクロスオーバーを円滑に行な
うことができるように、湾曲面94および95が形成されて
いる。
このようなガイド9、92および93、前記スプロケット
8およびその駆動系、ローラ85および10によりフィルム
Fの搬送手段が構成される。
リーダ25は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール等で構
成される板状の部材である。このリーダ25は、処理槽2
内の湾曲した部分(湾曲面94、44、95)に沿って搬送さ
れるため、ある程度の可撓性を有するものが好ましい。
第4図に示すように、リーダ25の幅方向の中央部付近
には、方形の係止孔26がリーダ25の長手方向に沿って等
間隔で形成されている。この係止孔26は、スプロケット
8の歯が挿入されるためのものである。
リーダ25の後端には、2本のフィルムFが並列に接続
されている。リーダ25の後端をフィルムFとの接続は、
例えば、これらを粘着テープ(スプライステープ)27で
貼ることにより行われる。この場合、フィルムFの脱落
防止のため、粘着テープ27は、フィルムFの両面に貼着
するのが好ましい。
また、リーダ25の先端部両側端には、リーダ25の通過
を容易にするために、傾斜した切欠部28が形成されてい
る。
なお、リーダ25の後端に接続するフィルムFの本数は
特に限定されず、1本のフィルムFを接続して搬送して
もよい。
このようなリーダ25は、処理槽2内を通過する間、そ
の係止孔26がいずれかのスプロケット8と係止している
必要がある。従って、リーダ25の全長は、搬送経路に沿
って隣接するスプロケット8の設置間隔の最大値より長
いものとされる。
このように、感光材料処理装置1Bでは、フィルムFを
直接搬送するのではなく、リーダ25を先行させ、このリ
ーダ25でフィルムFを牽引して搬送するので、フィルム
Fのジャミングが生じ難く、また、ローラとの接触によ
るフィルム乳剤面のキズ付き、転写跡、汚れ等の官能欠
点の発生が防止される。
このような感光材料処理装置1Bでは、以下に述べるよ
うな処理液供給手段が設置されている。
この処理液供給手段は、機能の異なる2種以上の処理
液をそれぞれ異なる処理室へ供給して処理するものであ
る。
処理室6Aの上方のブロック体4aには、一端が通路75へ
連通する給液路12が形成されている。
また、処理室6Eの上方のブロック体4bにも、一端が76
へ連通する給液路13が形成されている。
これらの給液路12および13は、ラック3を処理槽2に
装填した状態で、処理槽2の側壁21を貫通する2本の給
液管(図示せず)にそれぞれ接続されるようになってい
る。
また、フィルムFが最初に通過する処理室6Aおよび最
後に通過する処理室6E以外の処理室、すなわち処理室6C
に処理槽2の側壁21を貫通する排液管14の一端が設置さ
れている。
この排液管14の他端は、処理槽2内における液面レベ
ルを設定する高さ位置に設置される。
給液路12からは漂白液(補充液)R1が供給され、給液
路13からは定着液(補充液)R2が供給される。
給液路12より供給された漂白液R1は、処理中に、処理
室6A、通路71、処理室6B、通路72を順次通過して処理室
6Cに流入する。一方、給液路13より供給された定着液R2
は、処理中に、処理室6E、通路74、処理室6D、通路73を
順次通過して処理室6Cに流入する。
このようにして処理室6Cに流入した漂白液R1および定
着液R2は、処理室6C内で混合、攪拌されて漂白定着液R3
となり、疲労した漂白定着液R3が排液管14からオーバー
フローにより外部に排出される。
この場合、処理中に、漂白液R1はフィルムFの搬送方
向と同方向(パラレルフロー)の流れとなり、定着液R2
はフィルムFの搬送方向と逆方向(カウンターフロー)
の流れとなる。
また、感光材料処理装置1Bでは、以下に述べるような
処理液循環手段5が設置されている。
第7図に示すように、各処理室6A〜6Eには、両端が処
理槽2の側壁21を貫通して処理室に連通する管路5A〜5E
が接続されている。
また、管路5A〜5Eの途中には、それぞれ、送液用のポ
ンプ51A〜51Eおよび処理液を加温するヒータ52A〜52Eが
設置されている。
第2図および第3図に示すように、各管路5A〜5Eの一
端には吸入管53が、他端にはノズル54がそれぞれ接続さ
れている。
例えば、処理室6Aにおいては、吸入管53は、側板31を
貫通して処理室6A内に突出するようラック3に固定され
ており、その基端は、ラック3を処理槽2に装填した際
に、管路5Aの一端と接続されるようになっている。
一方、ノズル54は、側板31を貫通して処理室6A内に突
出するようラック3に固定されており、その先端55は他
方の側板32付近まで延長され、その基端56は、ラック3
を処理槽2に装填した際に、管路5Aの他端と接続される
ようになっている。そして、ノズル54のフィルムFの搬
送経路に対面する位置には、処理液を噴出する噴出口57
が複数個形成されている。
なお、このような構成は、処理室6B、6Dおよび6Eにつ
いても同様であり、処理室6Cについても、ノズル54がブ
ロック体4oに埋設されている点を除き同様である。
このような管路5A〜5E、これに対応するポンプ51A〜5
1E、処理槽2内に設置される吸入管53およびノズル54に
より、各処理室6A〜6E毎に処理液を循環する処理液循環
手段(循環系)5が構成される。
なお、管路5A〜5Eの途中には、各種コネクタやバルブ
等(図示せず)が設置されていてもよい。
この処理液循環手段5では、ポンプ51A〜51Eおよびヒ
ータ52A〜52Eを作動すると、吸入管51A〜51Eより吸入さ
れた処理液は、管路5A〜5Eの一端を経て管路5A〜5E内を
通り、ヒータ52A〜52Eにより下記表1に示すような温度
に加温され、さらに管路5A〜5Eの他端へ至り、ノズル54
の基端56からノズル54内に流入し、噴出口57よりそれぞ
れの処理室6A〜6E内へ噴出される。フィルムFの通過時
には、噴出口57からの処理液噴流は、フィルムFの乳剤
面に向けて噴出されることとなる。
このような処理液循環手段5を設けることにより、各
処理室6A〜6E内の処理液は、循環、攪拌され、処理液の
組成および温度が均一化されるので、処理ムラのない良
好な処理が可能となる。特に、処理液をフィルムFの乳
剤面に向けて噴出するため、攪拌効率が良くなり、写真
性の向上が図れる。
処理液の循環量(管路内の流量)は、特に限定されな
いが、処理室1室当たり0.1〜5/分程度、特に0.5〜
2/分程度とするのが好ましい。この場合、各処理室
6A〜6Eにおける循環量は同一でも異なっていてもよい。
なお、処理室6A〜6Eのうちの一部の処理室にのみ処理
液循環手段5を設けてもよく、また処理液循環手段を全
く設けなくてもよい。
各処理室6A〜6E内の処理液の液温は、30〜45℃程度と
するのがよい。
各処理室6A〜6E内の液温を一定に保つ手段としては、
例えば、第2図に示すように、処理室6C内に処理液の温
度を検出する温度センサー16を代表的に設置し、この温
度センサー16により処理液の温度を随時または適時に検
出し、この検出値に基いて、マイクロコンピュータのよ
うな制御手段(図示せず)によりヒータ52A〜52EのON、
OFFまたは発熱量を制御することができる。
ラック3には、側板31、32と直交する板状の仕切部材
17が設置されている。第6図に示すように、この仕切部
材17は、図中左側の斜線で示す第1領域18と図中左側の
交差斜線で示す第2領域19とを仕切り、両領域における
処理液の流通を遮断するためのものである。
第1領域18は、フィルムFが最初に通過する処理室6A
を含む領域であり、図示の例では2番目に通過する処理
6Bをも含んでいる。
第2領域19は、フィルムFが最後に通過する処理室6E
を含む領域であり、図示の例では最後から2番目に通過
する処理6Dをも含んでいる。
仕切部材17の両端部171、172は、テーパ(第2図中下
方へ向って幅が漸減する)が形成され、一方、これに対
応する処理槽2の両側壁の21、22も同角度のテーパ状と
なっているのが好ましい。これにより、ラック3を処理
槽2内へ挿入した際、仕切部材17の端部171および172が
それぞれ処理槽2の側壁21および22の内面に係合し、第
1領域18と第2領域19とを区画する。このとき、係合部
分は、ラック3の自重により密着し、処理液の流通を実
質的に阻止する。
なお、この係合部、例えば端部171、172に、シール部
材11と同様のシール部材(図示せず)を設置すれば、処
理液の遮断性がより向上するので好ましい。
このシール部材についても、前記と同様、仕切部材17
とシール部材とを2色成形またはインサート成形により
一体的に形成することができる。
仕切部材17の端部171、172および処理槽2の側壁21、
22のテーパ角度は特に限定されないが、好ましくは、鉛
直方向に対し、1〜10゜程度とされる。
なお、仕切部材17の構成材料も、前記ブロック体4a〜
4oと同様のものが使用可能であり、また仕切部材17と各
ブロック体4a〜4oや側板31、32等とは別部材を接合した
ものであっても一体的に形成されたものであってもよ
い。
また、側板31および32の外側であって、ラック3の高
さ方向の所定位置には、側板31、32および仕切部材17と
それぞれ直交する平板20が設置されている。前記主軸82
は、この平板20を貫通し、支持されている。
平板20の設置位置は、通路71〜74のある高さ位置また
はその近傍とするのが好ましい。
この平板20は、側板31と側壁21との間および側板32と
側壁22との間における縦方向の処理液の流通を阻止す
る。これにより、各処理室6A〜6E内の処理液が側板31お
よび32の外方を経て混合することを防止することができ
る。
次に、感光材料処理装置1Bの使用法および作動につい
て説明する。
フィルムFの処理を開始するに際して、給液路12およ
び13からそれぞれ漂白液R1および定着液R2が供給され、
各処理室6A〜6Eおよび各通路71〜74には所定の組成の処
理液が満たされる。
このとき、前述したように、リーダ25およびフィルム
Fの非通過時にはブレード15は処理液の流通を遮断する
ように構成されているため、処理液の供給に際して、例
えばフィルムFを連結していない空リーダ25を搬送して
供給を円滑に行なうことが好ましい。また、各処理室6A
〜6Eにそれぞれ給液口(図示せず)を設けて処理液を満
たしてもよい。
次に、各処理液循環手段5のポンプ51A〜51Eおよびヒ
ータ52A〜52Eを作動して各処理室6A〜6E内の処理液の温
調および循環、攪拌を行なう。すなわち、ポンプ51A〜5
1Eおよびヒータ52A〜52Eを作動すると、吸入管51A〜51E
より吸入された処理液は、管路5A〜5Eの一端を経て管路
5A〜5E内を通り、ヒータ52A〜52Eにより所定の温度に加
温され、さらに管路5A〜5Eの他端へ至り、ノズル54の基
端56からノズル54内に流入し、噴出口57よりそれぞれの
処理室6A〜6E内へ噴出される。
なお、このような処理液の循環および温調は、少なく
ともフィルムFの処理中は続行され、フィルムFの非処
理時においても継続して行なわれるのが好ましい。
この状態で、フィルムFを連結したリーダ25が処理槽
2に接近すると、給液路12および13からそれぞれ処理液
の補充が開始される。
上記のようにフィルムFの処理の開始とほぼ同時に処
理液の補充を開始するのは、ブレード15による処理液の
遮断効果が大であるため、リーダ25をブレード15に進入
させることによって始めて、処理液が実質的に流通する
からである。
そして、処理期間中、この補充は続行され、排液管14
から合計補充量とほぼ同量の処理液(漂白定着液R3)が
排出される。
一方、搬送手段を作動して、各スプロケット8を回転
させた状態で、リーダ25をガイド92の湾曲面94に沿って
通路75内に搬入すると、リーダ25の係止孔26にスプロケ
ット8の歯が係合し、リーダ25を処理室6A内に送り込
み、その後、第2図中矢印で示すように、処理室6A、通
路71、処理室6B、通路72、処理室6C、通路73、処理室6
D、通路74および処理室6Eの順に搬送され、さらに、通
路76を経た後、ガイド93の湾曲面95に沿って処理槽2外
へ搬出される。
そして、フィルムFは、リーダ25に牽引されて、同様
の経路を搬送される。
このように、フィルムFが各処理室6A〜6E内を搬送さ
れる間に、フィルムFは処理液と接触して脱銀処理がな
される。この場合、フィルムFがノズル54を通過する際
に、噴出口57より噴出された処理液噴流がフィルムFの
乳剤面に衝突するため、処理が促進される。
なお、処理室6C内においては、リーダ25はブロック体
4oの湾曲面44に沿って搬送されるが(第2図中の一点鎖
線参照)、それに後続するフィルムFは、フィルムF自
体の張力や、ノズル54からの処理液噴流に押圧されるこ
とにより、ローラ85にフィルムFの耳部が接触しつつ通
過する(第2図中の二点鎖線参照)。
処理が終了し、フィルムFの後端が処理槽2外へ搬出
されると、これと同様に処理液の補充は停止される。
このような処理において、ブレード15の遮蔽効果によ
り、各処理室6A〜6E内の液組成勾配は良好に維持され、
しかも、ブレード15のスクイズ効果により、前の処理室
から後の処理室への持ち込み量も極めて少なくなること
から、処理効率が格段に向上し、漂白液R1および定着液
R2の補充量を大幅に低減することができる。
この補充量は、リーダ25およびフィルムFがブレード
15を通過する際にできる間隙で決定される流通量程度と
すればよい。
このような補充量は、主にフィルムFの幅、厚さ、搬
送速度などに依存する。135カラーネガフィルムの場
合、漂白液R1および定着液R2の補充量は、それぞれ、フ
ィルム1m当たり3〜7ml程度および15〜20ml程度であ
る。
このような補充量は、従来に比べて50〜80%程度の補
充量であり、このような少ない補充量としても脱銀不良
などの発生は全くない。
このように、補充量が低減されることから、各処理室
6A〜6E内における処理液の循環量を少なくすることがで
き、しかも複雑で厳格な温度制御を行なわなくても各処
理室6A〜6E内での液組成および温度の均一性は十分に保
たれ、良好な処理を行なうことができる。
また、処理効率を向上させることができる結果、各処
理室6A〜6Eの容積等を小さくすることができ、ポンプ51
A〜51Eおよびヒータ52A〜52Eの低出力化や小型化が図
れ、よって、感光材料処理装置の小型化に寄与する。
さらに、リーダ25およびフィルムFの非通過時(非処
理時)には、ブレード15によって隣接処理室間での処理
液の流通が遮断されるため、処理液の混合はほとんど生
じることはない。この結果、処理を長期にわたり休止
し、その後再開するような場合においても、直ちに効率
のよい処理を行なうことができる。
上記における補充のタイミングや補充量の制御、循環
量の調整、処理液の温調等は、公知の制御方式および手
段を用いて行なえばよい。
上記の説明では、フィルムFの処理と同時に処理液の
補充を行なうものとしたが、非処理時に補充を行なうも
のとしてもよい。
このような場合、隣接する処理室間を連結するバイパ
スを設けて、前段の処理室の補充量に相当する液量を後
段の処理室に流入するような構成とすればよい。
なお、感光材料処理装置1Bでは、上記の他、現像処理
や、漂白、定着、漂白定着の単独処理、水洗、安定、調
整、反転等、種々の処理に適用することができ、このと
き、液の給排液管等を適宜選択することにより処理液の
流れを変えて使用することができる。
一般に、現像液、漂白液、漂白定着液、定着液のよう
なフィルムF中のハロゲン化銀等と反応する化合物を含
む処理液では、前記水洗水と異なり、処理液の流れは、
フィルムFの搬送方向と同方向(パラレルフロー)とな
るようにするのが処理効率の向上にとって好ましい。な
お、定着機能を有する処理液については、水洗と同様、
フィルムFの乳剤層中の不要物質の洗い出し効果もある
ため、カウンターフローでもよい。
本発明において使用される処理液の具体例としては、
次のようなものが挙げられる。
カラー現像液は、一般に、発色現像主薬を含むアルカ
リ性水溶液から構成される。
発色現像主薬は一級芳香族アミン現像剤、例えばフェ
ニレンジアミン類(例えば4−アミノ−N,N−ジエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルア
ニリン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシ
エチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4
−アミノ−N−β−エチル−N−メタンスルホンアミド
エチルアニリン、4−アミノ−3−メチル−N−エチル
−N−β−メトキシエチルアニリン等)を用いることが
できる。
発色現像液は、そのほかpH緩衝剤、現像抑制剤ないし
カブリ防止剤等を含むことができる。
また必要に応じて、硬水軟化剤、保恒剤、有機溶剤、
現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、かぶら
せ剤、補助現像薬、粘性付与剤、ポリカルボン酸系キレ
ート剤、酸化防止剤、アルカリ剤、溶解助剤、界面活性
剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
黒白現像液としては、ジヒドロキシベンゼン類(例え
ばハイドロキノン)、3−ピラゾリドン類(例えば1−
フェニル−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類
(例えばN−メチル−p−アミノフェノール)等の現像
主薬を単独あるいは組合わせて用いることができる。
定着液としては、ハロゲン化銀に対して定着作用のあ
る化合物(定着剤)としてはチオ硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸ナトリウム(ハイポ)、ハロゲン化アンモニウ
ム、チオ尿素、チオエーテル等を含むものが挙げられ
る。
漂白液としては、漂白剤として、ポリカルボン酸の鉄
塩、赤血塩、ブロメート化合物、コバルトヘキサミン等
を含むものが挙げられる。これらのうちフェリシアン化
カリ、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウムお
よびエチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウムは
特に有用である。
また、上記漂白剤および定着剤の双方を含む漂白・定
着液とすることもできる。
定着液(漂白・定着液)には、定着剤の他に、通常、
亜硫酸ナトリウム等の保恒剤、酸剤、緩衝剤、硬膜剤な
どの定着助剤を含有させることができる。
また、漂白液(漂白・定着液)には、米国特許第3,04
2,520号、同第3,241,966号、特公昭45−8506号、特公昭
45−8636号などに記載の漂白促進剤、特開昭53−65732
号に記載のチオール化合物の他、種々の添加剤を加える
こともできる。
洗浄水としては、水(蒸留水、イオン交換水等)また
はこの水に必要に応じて添加剤を含有させることができ
る。
この添加剤は、例えば、無機リン酸、アミノポリカル
ボン酸、有機リン酸等のキレート剤、各種バクテリアや
藻の増殖を防止する殺菌剤、防ばい剤、マグネシウム
塩、アルミニウム塩等の硬膜剤、乾燥負荷、ムラを防止
するための界面活性剤等が挙げられる。または、L.E.We
st,“Water Quality Criteria“Phot.Sci.and Eng.,vo
l.9 No.6 P344〜359(1965)等に記載の化合物を用いる
こともできる。
安定液としては、色素画像を安定化する処理液が用い
られる。例えば、pH3〜6の緩衝能を有する液、アルデ
ヒド(例えば、ホルマリン)を含有した液などを用いる
ことができる。安定液には、必要に応じて蛍光増白剤、
キレート剤、殺菌剤、防ばい剤、硬膜剤、界面活性剤等
を用いることができる。
なお、これら処理液の詳細については、日本写真学会
編「写真工学の基礎」コロナ社刊(昭和54年)P299「第
4章現像処理」等の記載を参照することができる。
以上説明した感光材料処理装置1Aおよび1Bは、例え
ば、大型自動現像機、小型自動現像機(ミニラボ)、写
真プリント作成コインマシーン、携帯型カラーネガ現像
機、カラーネガ・カラーペーパー一体現像機等の各種感
光材料処理装置に適用することができる。
さて、本発明の対象であるフィルムFは、好ましくは
帯状をなす長尺物である。このフィルムFは、その一方
または両方の側端部にパーフォレーション(孔)が形成
されており、このパーフォレーションの形成密度が1画
面当り2個以内、さらに好ましくは1個または0.5個で
あるものである。
以下、このフィルムFの構成例を第9図〜第14図に基
づいて説明する。
第9図〜第14図に示すように、フィルムFは、撮影
(露光)によって形成される画面(画像部)F1とこの画
面F1の周囲に形成されるフレーム部F2とで構成されてい
る。なお、各図中、画面F1には斜線が施されている。
ここで、フレーム部F2は、未露光とされているのが好
ましい。その理由は、例えば110フィルムやインスタマ
チックのように、フレーム部F2が予め露光されている
と、現像する面積が大となり、処理液の補充量の増大を
招き、前述した狭幅の処理路を有する処理槽にて処理す
る目的に反することとなるからである。
また、フィルムFは両側端部におけるフレーム部F2に
は、カメラ内でフィルムFの送りおよび露光部での位置
合わせを行なうためのパーフォレーションF3が形成され
ている。
このパーフォレーションF3は、好ましくは方形の貫通
孔で構成されている。
以下、このプーフォレーションF3の形成パターンの例
を説明する。
第9図に示す例では、画面F1はフルサイズの画面であ
り、フィルムFの片方の側端部に1つの画面F1当り1個
の割合でパーフォレーションF3が形成されている。
このパーフォレーションF3を利用してカメラ内の露光
部での位置合わせを行なうため、パーフォレーションF3
は、等間隔で形成されているのが好ましい。
また、図示のごとく、パーフォレーションF3は、隣接
する画面F1同士の間の位置に形成されている。これによ
り、処理中にパーフォレーションF3内を処理液が流通し
て、フィルムFの幅方向へのいわゆる尾びき現象が生じ
ても、画面F1への影響が生じないという利点がある。
第10図に示す例では、フィルムFの片方の側端部に1
画面当り2個の割合でパーフォレーションF3が形成され
ている。
第11図に示す例では、フィルムFの両方の側端部に1
画面当り2個の割合でパーフォレーションF3が形成され
ている。
この場合、各パーフォレーションF3は、前記と同様隣
接する画面F1同士の間の位置に形成され、フィルムFの
両側端部において、対象となっている。
第12図に示す例では、フィルムFの両方の側端部に1
画面当り、2個の割合でパーフォレーションF3が形成さ
れている。
この場合、パーフォレーションF3は、一方の側端部で
は、隣接する画面F1同士の間の位置に形成され、他方の
側端部では、画面F1のフィルム長手方向中央部付近に形
成されている。
第13図および第14図は、画面F1がハーフサイズの場合
の例を示す。
第13図に示す例では、フィルムFの両方の側端部に1
画面(ハーフサイズ)当り2個の割合でパーフォレーシ
ョンF3が形成されている。
なお、第13図示と同パターンのパーフォレーションF3
を有するフィルムFでフルサイズの撮影をした場合に
は、1画面(フルサイズ)当り4個のパーフォレーショ
ンを有するものとなる。
第14図に示す例では、フィルムFの片方の端部に1画
面(ハーフサイズ)当り0.5個の割合でパーフォレーシ
ョンF3が形成されている。
第9図示と同パターンのパーフォレーションF3を有す
るフィルムFでハーフサイズの撮影をした場合には、こ
の第14図に示す構成となる。
なお、パーフォレーションF3の形成パターンは、第9
図〜第14図に示すものに限定されず、各図のものを任意
に組み合わせたもの、または、その他のパータンでもよ
い。
このように、パーフォレーションの形成密度を1画面
当り2個以内とすることにより、次のような種々の効果
が得られる。
フィルムFの処理において、前述した狭幅の処理路
60Aまたは通路71〜76をフィルムFが通過する際、処理
液が流動し、パーフォレーション内を流通する。
このとき、処理液の流れが不規則となり、パーフォレ
ーションの側部近傍の画像に処理ムラが生じることがあ
るが、パーフォレーション数が少ないので、このような
処理ムラの発生が防止される。
パーフォレーション数が少ないので、めぎれ、すな
わち、フィルムFに張力が作用した際、パーフォレーシ
ョンの部分でフィルムFが切断される現象が生じる可能
性が少なくなる。また、フィルムFの伸びも少なくな
る。
こようなことから、フィルムFの耐久性が向上する。
フィルムFが隣接処理槽間で移行、例えば、現像槽
から漂白槽へ移行する際に、フィルムFに付着した現像
液が漂白槽内に持ち込まれる。
この場合、現像液は、フィルムFの表面に付着したも
のの他、パーフォレーション内に膜を応形成した状態で
存在し、これが漂白槽へ持ち込まれることとなるが、パ
ーフォレーション数が少ないので、この持ち込み量が少
なくなり、安定かつ良好な処理が継続され、補充液の補
充量も低減する。
フィルムの搬送機構が簡単になるため、フィルムF
のベロ部が不要となるかまたはベロ部の面積を従来より
小さくすることができる。その結果、現像液の消費量が
少なくなり、補充液の補充量が低減する。
フィルムF上、特にフレーム部F2に、例えば、撮影
情報(ストロボの有無、色温度、LV値、撮影距離、レン
ズの焦点距離、被写体コントラスト、撮影年月日および
時刻、撮影場所等)、フィルム情報(フィルム種、フィ
ルム製造年月日、プリント条件等)、ラボ情報(ラボ
名、現像年月日、同時プリント時のプリント条件等)等
の情報を記録する情報記録部を設けることがある。
この場合、パーフォレーション数が少ないと、情報記
録部の設置位置や設置パターンの選択の幅が広がり、ま
た、情報記録部の面積も大きくとれる。
ここで、情報記録部としては、光学的記録、磁気的記
録等のいずれの形式のものでもよく、例えば、磁気トラ
ック、バーコード、フィルム自体の感光性を利用した露
光可能部等が挙げられる。
また、カラーフィルムの場合には、3つの感色性に分
けて情報を記録することもできる。
なお、このような情報記録は、フィルムFを収納する
パトローネにICメモリ(ROM、RAM)を設け、これに前記
情報を記憶させる方式を単独で、また上記と併用して採
用してもよい。
フィルムを処理槽内で搬送する場合、特に、前述し
たように処理路60Aや通路71〜74にブレード15を設けた
場合には、フィルムFとブレード15との摺動抵抗がある
ため、フィルムFの搬送抵抗が増大する。
フィルムFとブレード15との摺動抵抗は、特にパーフ
ォレーションの部分で生じるので、パーフォレーション
数が少ないと、この摺動抵抗が減少し、フィルムFの搬
送性が向上する。また、前述したように、フィルムFは
リーダ25等に牽引されて搬送されるが、搬送抵抗が増大
すると、フィルムFにかかる張力が大きくなり、めぎれ
が生じ易くなる。さらに、張力の増大により、パーフォ
レーションの縁部形状で湾曲変形し、ブレードとの摺動
抵抗をさらに増大させる。本発明では、このような現象
の発現を抑制し、フィルムFの搬送性を向上することが
できる。
上記で述べたように、パーフォレーション数が少
ないと、フィルムFの搬送抵抗が減少し、またパーフォ
レーションとブレード15との接触回数が減少するため、
ブレード15の寿命が長くなる。
パーフォレーションの設置位置や設置間隔との関係
で、カメラ内やフィルムキャリアでのフィルムの搬送や
位置合わせを容易かつ正確に行なうことができる。
本発明において、処理対象とされフィルムの種類は特
に限定されず、カラーおよび黒白のいずれであってもよ
い。例えば、カラーネガフィルム、カラー反転フィル
ム、カラーポジフィルム、黒白ネガフィルム、マイクロ
フィルム、映画用フィルム等が挙げられる。
また、フィルムFのサイズは、特に限定されないが、
通常、135サイズのものが好ましい。
以上、本発明の構成例を挙げて説明したが、本発明
は、これらに限定されるものではないことは言うまでも
ない。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例について説明する。
処理条件 [感光材料処理装置] 比較装置として、通常の箱型処理槽を有する富士写
真フイルム社製FNCP−40B型の自動現像機(ブレードの
設置なし)を用いた。
複数の処理室を狭幅(スリット幅W=2.0mm)の通
路で連結した第2図〜第7図に示す構成の処理槽を有す
る自動現像機を用いた。処理槽内の全経路長に対する通
路の合計長さは、表1中に示す値とした。
なお、各通路71〜74には、第8a図に示す構成のシリコ
ーンゴム製ブレードを1対づつ設置した。
処理槽内の全経路長に対する通路の合計長さを変更
した以外は、上記と同様とした。
処理空間が狭幅(スリット幅W=2.0mm)の処理路
で構成されている第1図に示す構成の処理槽を有する比
較用の自動現像機を用いた。
なお、処理路には、第8b図に示す構成のポリプロピレ
ン製ブレードを処理路長手方向に沿って8個設置した。
[処理液] 上記〜の各装置の処理槽に、下記I〜IVの処理液
を入れて処理した。
I…現像液 処方/富士写真フイルム社製カラーネガ処理剤CN−
16N1 II…漂白液および定着液 (装置の場合、漂白定着液) 漂白液処方/富士写真フイルム社製カラーネガ処理
剤CN−16N2 定着液処方/富士写真フイルム社製カラーネガ処理
剤CN−16N3 III…水洗水および安定液 水洗水処方/水道水 安定液処方/富士写真フイルム社製カラーネガ処理
剤CN−16N4 [フィルム] カラーネガフィルム(35mm幅)として、富士写真フイ
ルム社製フジカラースーパーHGを用い、パーフォレーシ
ョンの形成パターンを下記の通りとした。
A…従来品 1画面当りのパーフォレーション数 16個 B…第9図に示すパータン 1画面当りのパーフォレーション数 1個 C…第11図に示すパータン 1画面当りのパーフォレーション数 2個 D…JISB7176図3のパターン 1画面当りのパーフォレーション数 2.5個 これらのフィルムA、B、CおよびDにフルサイズで
24枚づつ撮影し、これらのフィルムを下記表1に示す自
動現像機および処理液の組み合わせでそれぞれ連続処理
し、処理ムラの発生状況を調べた。
その結果を下記表1に示す。
なお、処理ムラの評価方法は、次の通りである。
(I)現像処理…処理ムラ パーフォレーションに対応した位置の尾びきやムラを
目視判定。
(II)漂白・定着処理…脱銀ムラ 蛍光X線分析で残銀量を分析し、そのバラツキの度合
で評価。バラツキが大きいほど脱銀ムラが生じているこ
ととなる。
(III)水洗(安定)処理…残色ムラ(残留主薬ムラ) 処理後のフィルムを60℃、70%RHの環境で保存した後
のムラの発生を目視判定 上記評価方法により、ムラの発生状況を次の4段階で
表示する。
◎…ムラの発生全くなし ○…ムラの発生ほとんどなし △…ムラの発生あり ×…ムラの発生顕著 上記表1に示すように、処理装置、またはと、
フィルムBまたはCとを組み合わせた本発明例では、い
ずれの処理液に対しても処理ムラの発生が防止されてい
る。
次に、処理槽内における上記各フィルムA、Bおよび
Cの搬送性およびブレードの耐久性(寿命)について調
べた。
その結果を下記表2に示す。
なお、フィルム搬送性およびブレード耐久性の評価方
法は、次の通りである。
[フィルム搬送性] 処理槽に各フィルムを4000mの長さ分通過させ、その
間にフィルムに加わる張力を連続測定し、その最大値で
評価した。
表2中の記号は次の通りである。
◎…最大張力0.7kgf未満 ○…最大張力0.7kgf以上1.5kgf未満 △…最大張力1.5kgf以上2.2kgf未満 ×…最大張力2.2kgf以上 [ブレード耐久性] 処理槽に各フィルムを4000mの長さ分通過させた後の
ブレードの遮蔽能(シール性)で評価した。なお、この
ブレードの遮蔽能は、処理液加圧下で、ブレード単位長
さ当りの液漏れ量で評価した。
表2中の記号は次の通りである。
◎…液漏れ量2ml未満 ○…液漏れ量2ml以上4ml未満 △…液漏れ量4ml以上8ml未満 ×…液漏れ量8ml以上 上記表2に示すようなに、処理装置またはとフィ
ルムBまたはCとを組み合わせた本発明例では、フィル
ム搬送性およびブレード耐久性が共に優れている。
<発明の効果> 以上述べたように、本発明の撮影用感光材料の処理方
法によれば、撮影用感光材料の処理ムラの発生を防止す
ることができる。
また、特に、処理経路にブレードを設けた場合等にお
いて、撮影用感光材料、特に長尺の撮影用感光材料の搬
送性を向上し、撮影用感光材料の伸びやジャミング事故
を防止するとともに、ブレードの耐久性をも向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に用いられる感光材料処理装置の構成
例を示す断面側面図である。 第2図は、本発明に用いられる感光材料処理装置の他の
構成例を示す断面側面図である。 第3図は、第2図中のIII−III線での断面図である。 第4図は、第2図中の通路付近の構成を示す一部切欠き
斜視図である。 第5図は、第2図に示す感光材料処理装置の下端部の構
造を示す断面正面図である。 第6図は、第2図に示す感光材料処理装置における第1
領域および第2領域を示す模式図である。 第7図は、第2図に示す感光材料処理装置における処理
液循環手段の構成例を模式的に示す回路構成図である。 第8a図、第8b図、第8c図および第8d図は、それぞれ、ブ
レードの構成例を拡大して示す断面側面図である。 第9図、第10図、第11図、第12図、第13図および第14図
は、それぞれ、本発明に適用されるフィルムの形状を示
す平面図である。 符号の説明 1A、1B……感光材料処理装置 2、2A……処理層 3A……ハウジング 30A……温水 31A……給水口 32A……排水口 40A……外側槽壁材 50A……内側槽壁材 55A……溝 57A……把手 60A……処理路 61A〜69A……小空間 7A……給液口 8A……排液口 9A……送りローラ 10A、11A……クロスオーバローラ 21、22……側壁 3……ラック 31、32……側板 4a〜4o……ブロック体 42……凹部 43……切欠溝 44……湾曲面 45……突出部 5……処理液循環手段 5A〜5E……管路 51A〜51E……ポンプ 52A〜52E……ヒータ 53……吸入管 54……ノズル 55……先端 56……基端 57……噴出口 6A〜6E……処理室 71〜76……通路 8……スプロケット 81……回転軸 82……主軸 83、84……ベベルギア 85……ローラ 9……ガイド 91……開口 92、93……ガイド 94、95……湾曲面 10……ローラ 11……シール部材 12、13……給液路 14……排液管 15……ブレード 16……温度センサー 17……仕切部材 171、172……端部 18……第1領域 19……第2領域 20……平板 25……リーダ 26……係止孔 27……粘着テープ 28……切欠部 F……フィルム F1……画面 F2……フレーム部 F3……パーフォレーション Q……処理液 R1……漂白液 R2……定着液 R3……漂白定着液

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理槽内に狭幅の処理路を有し、この狭幅
    の処理路で連結された複数の処理室を有し、 処理槽内の前経路長に対する狭幅の通路の合計長が20%
    以上98%未満であり、 前記狭幅の処理路に、処理路を遮蔽しうるブレードが設
    置されている処理槽を用いて撮影用感光材料を処理する
    に際し、 前記撮影用感光材料は、その一方または両方の側端部に
    パーフォレーションが形成されており、このパーフォレ
    ーションの形成密度が1画面当たり2個以内であること
    を特徴とする撮影用感光材料の処理方法。
JP2244265A 1990-09-14 1990-09-14 撮影用感光材料の処理方法 Expired - Fee Related JP2731975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2244265A JP2731975B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 撮影用感光材料の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2244265A JP2731975B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 撮影用感光材料の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04123051A JPH04123051A (ja) 1992-04-23
JP2731975B2 true JP2731975B2 (ja) 1998-03-25

Family

ID=17116181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2244265A Expired - Fee Related JP2731975B2 (ja) 1990-09-14 1990-09-14 撮影用感光材料の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2731975B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4860037A (en) 1988-09-12 1989-08-22 Eastman Kodak Company Film cassette with magnetic film leader
US4908641A (en) 1989-05-09 1990-03-13 Eastman Kodak Company Photographic film and film cassette

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US486037A (en) * 1892-11-08 grady
JPS56132338A (en) * 1980-03-22 1981-10-16 Konishiroku Photo Ind Co Ltd Photographic processing solution
JPS62115450A (ja) * 1985-11-15 1987-05-27 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 自動現像装置
JPH0734091B2 (ja) * 1987-02-06 1995-04-12 富士写真フイルム株式会社 レンズ付きフイルムユニツト
JPH01319038A (ja) * 1988-06-20 1989-12-25 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真用自動現像装置
CA1323098C (en) * 1988-10-07 1993-10-12 Gary Lee Robison Photofinishing apparatus with film information exchange system using dedicated magnetic tracks on film
JPH02118633A (ja) * 1988-10-28 1990-05-02 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀感光材料の処理方法
JP2741520B2 (ja) * 1988-11-10 1998-04-22 富士写真フイルム株式会社 感光材料処理方法および装置
JP2873374B2 (ja) * 1989-01-30 1999-03-24 富士写真フイルム株式会社 感光材料の処理方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4860037A (en) 1988-09-12 1989-08-22 Eastman Kodak Company Film cassette with magnetic film leader
US4908641A (en) 1989-05-09 1990-03-13 Eastman Kodak Company Photographic film and film cassette

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04123051A (ja) 1992-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2534227B2 (ja) ハロゲン化銀カラ−写真感光材料の処理方法
JPS614059A (ja) カラ−写真感光材料用自動現像機
US4876180A (en) Method of and apparatus for processing silver halide-containing photosensitive material for color photography
JP3672284B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機
JP2731975B2 (ja) 撮影用感光材料の処理方法
US5669035A (en) Apparatus for processing a silver halide photosensitive material
JP2741520B2 (ja) 感光材料処理方法および装置
JP4359410B2 (ja) 感光材料処理装置
JP2762422B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH04204650A (ja) 感光材料処理装置
JP2696762B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH04123053A (ja) 撮影用感光材料の処理方法
JP2603532B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH0534890A (ja) 感光材料処理装置
JPH02103043A (ja) 感光材料処理装置
JP2722425B2 (ja) 感光材料処理装置
JP2714970B2 (ja) 感光材料の処理方法
JPH02310557A (ja) ハロゲン化銀カラー感光材料の処理方法
JP2648986B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH04128842A (ja) 感光材料処理装置
JP2813842B2 (ja) 感光材料処理装置
JPH09292688A (ja) 感光材料処理装置
JP3588732B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料処理装置
JPH04101139A (ja) 感光材料処理装置
JPH01267648A (ja) 感光材料処理装置および感光材料処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees