JP2729194B2 - ベント付ネジ込み式比例弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般的に比例弁に関し、特にベント付ネジ
込み式比例弁に関する。

比例弁の設計の多くは、マスタシリンダと全く別の弁
本体内に設置される。後方ブレーキ用の流出口でマスタ
シリンダ本体に直接取りつけられるネジ込み式比例弁と
して比例弁を提供することが有利である。GB−Ａ−2131
107は、マスタシリンダ本体流出口に取り付けられたネ
ジ込み式比例弁を開示する。これは比例弁用の別個の本
体及びマスタシリンダの本体に組込まれる流体圧力損失
警告スイッチ機構のような他の装置の利用を除去するの
に寄与する。米国特許第4893878号及び同第4957140号に
説明されているようなあるネジ込み式弁は、流体流れ用
の比較的小さい孔の使用を必要とするポペットを利用す
る。この結果、種々の適用速度及び温度で弁の性能が悪
くなることがある。又、ポペットタイプの弁に使用され
るピストン及び座の小さい長径のために、摩擦の変化が
所望の圧力曲線の屈折点における圧力許容値に大きな影
響を及ぼす。

本発明のベント付ネジ込み式比例弁は、一端に流出口
（33）を有し、対向端に流出口（34）を有する比例弁本
体（32）と、該比例弁本体（32）をマスタシリンダに取
り付けるために、該対向端において該比例弁本体（32）
の外部のまわりに配置されて、マスタシリンダのボス
（22）の雌ネジ（23）に係合するネジ山（36）と、前記
流入口（34）が前記流出口（33）と連通するように前記
比例弁本体（32）を貫通する段付ボア（38）と、前記ボ
ア（38）内に配置された差動面積ピストン（40）とを有
し、前記ピストン（40）は、前記ピストン（40）の内部
キャビティ（42）と連通する、半径方向に延びた、複数
の流体流れ開口（44）を備え、さらに前記段付ボア（3
8）内に設置され、前記ピストン（40）の端に隣接して
設置された流体シール手段（50）と、前記段付ボア（3
8）内に設置され、前記ピストン（40）まわりに配置さ
れてベント付チャンバ（60）を構成する、軸方向に間隔
を隔てたシール部材（52、54）と、前記比例弁本体（3
2）を貫通し、前記ベント付チャンバ（60）とを連通す
るベント手段（62）と、前記段付ボア（38）内に設置さ
れ、前記本体（32）に設置された当接手段（70）によっ
て位置決めされたリテーナ（80）と、前記ピストン（4
0）を前記流出口（33）の方に付勢するために、前記リ
テーナ（80）に係合するバネ手段（90）とを有するベン
ト付ネジ込み式比例弁において、前記ピストン（40）
は、中空の略円筒形状であり、前記バネ手段（90）は、
前記ピストン（40）の前記内部キャビティ（42）内を延
び、シール部材（52、54）の一方（54）とともに前記ピ
ストン（40）の周りに配置され、前記ボア（38）内での
前記ピストン（40）の摺動可能な案内を行う心出し用リ
ング（56）をさらに有し、前記リテーナ（80）は、前記
心出し用リング（56）と一方のシール部材（54）を軸方
向に保持することを特徴とするベント付ネジ込み式比例
弁。を提供することによって、上述の問題に対する解決
策を与える。

本発明の実施例を以下の図面で説明する。

図１は、マスタシリンダと別の弁本体に収容された先
行技術の比例弁の断面図である。

図２は、本発明のベント付ネジ込み式比例弁の断面図
である。

図１は、関連したマスタシリンダの本体と別体の本体
10内に収容された比例弁を示す。差動面積ピストン11が
ネジ込み式リテーナキャップ又は端キャップ13に着座し
たバネ12によって付勢される。流体流れが流入口14を通
って流入し、差動面積ピストン11のヘッドのまわりを流
れ、流出口15を通って車両の後方ブレーキに向かって流
出する。弁本体10は又、第１流体回路又は第２流体回路
の流体圧力損失を検出する、部分的に示した、流体圧力
損失警告スイッチ16を有する。ユニットとしてマスタシ
リンダ本体の流出口のボスに直接取り付けられ、かくし
て別個の構造体としての本体10の利用を除去するか、或
いは除去に寄与する比例弁を提供することが望ましい。

図２を参照すると、マスタシリンダ本体20が、雌ネジ
23を備えたボス22を有する。本体20は流体圧力を車両の
図示してない後方ブレーキの方へ伝達することのできる
流出口24を有する。本発明のベント付ネジ込み式比例弁
を全体的に参照番号30で指示する。比例弁30は流出口33
と、マスタシリンダ流出口24と連通する流入口34とを備
えた本体32を有する。本体32はマスタシリンダ本体20の
雌ネジ23に係合する雄ネジ36を有する。段付ボア38が流
入口34を流出口33と連通させるために、本体32の全長を
貫通する。差動面積ピストン40が、段付ボア内に設置さ
れ、そして内部キャビティ42を備えた中空円筒ピストン
からなる。ピストン40は、大径部分又は外側肩48を有
し、この肩48は関連したシール部材54から軸線方向に間
隔を隔てて設置されたシール部材52の座をなす。流体流
れは以下のような流路に沿って流入口34から流出口33に
向かう。流入口34、流路82、ピストン40の内部、開口44
を通ってボア38まで流れる。ボア38の流体圧力は、シー
ル52及び肩48に作用する。肩48はシール54によって取り
囲まれたピストン40の本体より大きな径を有し、その結
果差圧がピストン40に作用する力を生じる。差圧によっ
て生じた力がバネ90のバネ力より大きいとき、ピストン
40は図２で右に移動する。控え位置において流入口34に
供給された流体圧力がない場合には、シール50の後面か
ら延びる突出体51によって、シール50を越えて流出口33
に向かう流れが常に可能になるのである程度の流通が可
能になるが、流体圧力がマスタシリンダから通じると
き、バネ力は打ち負かされて、流体圧力が流出口33に通
じるようにピストン40は移動する。突出体51はブレーキ
の適用を行うことが可能な流体圧力がないとき、流体の
解放を可能にするのに適当な構成である。心出し用リン
グ56がピストン端47のまわりに設置され、弁本体の肩35
に着座する。心出し用リング56は、段付ボア38内でのピ
ストン40の摺動可能な案内を行う。シール部材54が心出
し用リング56に着座する。シール部材52、54はピストン
40の外面及び段付ボア38の面に係合し、ベント付チャン
バ60を構成する。ベント付チャンバ60はベント62と連通
し、ベント62はベントシール64によって閉鎖される。ベ
ントシール64はシールを通り越す空気の透過を可能に
し、同時に水、汚れ等のような大きな汚染物が段付ボア
38に入るのを防止する。大径部分48は差動面積ピストン
40の大きい方の面積を作るだけでなく、シール部材52と
共にベント付チャンバ60の一部を構成する。段付ボア38
はリテーナ80用の座をなすスナップリング70を本体の端
39に有する。カップ形のリテーナ80は、複数の流体流路
82を有し、バネ90の座をなし、しかも図示した軸線方向
位置にシール部材54を保持する。バネ90は一端がピスト
ンヘッド46に着座し、他端がリテーナ80に着座する。リ
テーナ80はスナップリング70に当る位置へバネ付勢され
る。固定用シール92が弁本体32の外部のまわりに設置さ
れ、ボス22の内部に係合する。

流体圧力がマスタシリンダから流出口24を通って比例
弁流入口34及び弁流出口33に伝えられるとき、流体圧力
の増大はピストン40の最も大きい直径領域である肩48に
対して有効で、ピストン40を移動可能に流体圧力の変化
に応答させる。流体圧力が流体圧力曲線の屈折点又は屈
曲点まで増大するとき、ピストン40は横方向に右に移動
し、増大した流体圧力を後方車輪の方に伝達させ、車両
の後方部分で強められたブレーキ作用を行う。本発明の
ベント付ネジ込式弁30は、マスタシリンダ本体の外部ボ
スに容易に取り付けられ、後方ブレーキ用の流体圧力が
ある離れた位置でではなくマスタシリンダで比例する弁
を提供する。弁30は小さいポペットタイプの弁を利用せ
ず、かくして流体圧力の適用速度及び温度の変化は弁の
性能に影響を及ぼさない。本発明では、ポペット弁にお
いて代表的な小さい部品を利用しないので、シール等か
らの摩擦の変化は屈曲点での圧力許容値に影響を及ぼさ
ない。本発明における、比例弁の流入口と流出口との直
線配置は、ベント付チャンバをピストンのまわりに配
置、即ち弁の軸中心線に直交する位置に設け、さらに流
体がピストンに設けた内部キャビティと開口とを通っ
て、流体シールを抜けて流れることによって達成され
る。

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端に流出口（33）を有し、対向端に流入
   口（34）を有する比例弁本体（32）と、該比例弁本体
   （32）をマスタシリンダに取り付けるために、該対向端
   において該比例弁本体（32）の外部のまわりに配置され
   て、マスタシリンダのボス（22）の雌ネジ（23）に係合
   するネジ山（36）と、前記流入口（34が前記流出口（3
   3）と連通するように前記比例弁本体（32）を貫通する
   段付ボア（38）と、前記ボア（38）内に配置された差動
   面積ピストン（40）とを有し、前記ピストン（40）は、
   前記ピストン（40）の内部キャビティ（42）と連通す
   る、半径方向に延びた、複数の流体流れ開口（44）を備
   え、さらに前記段付ボア（38）内に設置され、前記ピス
   トン（40）の端に隣接して設置された流体シール手段
   （50）と、前記段付ボア（38）内に設置され、前記ピス
   トン（40）まわりに配置されてベント付チャンバ（60）
   を構成する、軸方向に間隔を隔てたシール部材（52、5
   4）と、前記比例弁本体（32）を貫通し、前記ベント付
   チャンバ（60）と連通するベント手段（62）と、前記段
   付ボア（38）内に設置され、前記本体（32）に設置され
   た当接手段（70）によって位置決めされたリテーナ（8
   0）と、前記ピストン（40）を前記流出口（33）の方に
   付勢するために、前記リテーナ（80）に係合するバネ手
   段（90）とを有するベント付ネジ込み式比例弁におい
   て、前記ピストン（40）は、中空の略円筒形状であり、
   前記バネ手段（90）は、前記ピストン（40）の前記内部
   キャビティ（42）内を延び、シール部材（52、54）の一
   方（54）とともに前記ピストン（40）の周りに配置さ
   れ、前記ボア（38）内での前記ピストン（40）の摺動可
   能な案内を行う心出し用リング（56）をさらに有し、前
   記リテーナ（80）は、前記心出し用リング（56）と一方
   のシール部材（54）を軸方向に保持することを特徴とす
   るベント付ネジ込み式比例弁。
2. 【請求項２】前記リテーナ（80）は、前記バネ手段（9
   0）によって付勢され、前記当接手段（70）と係合する
   ことを特徴とする請求項１に記載のベント付ネジ込み式
   比例弁。
3. 【請求項３】前記当接手段（70）は、スナップリング
   （70）からなることを特徴とする請求項２に記載のベン
   ト付ネジ込み式比例弁。
4. 【請求項４】前記リテーナ（80）は、流体流れ用の、複
   数の流路（82）を有することを特徴とする請求項３に記
   載のベント付ネジ込み式比例弁。
5. 【請求項５】前記比例弁本体（32）のまわりで、しかも
   ネジ山（36）に隣接して配置された固定用シール（92）
   をさらに有することを特徴とする請求項１に記載のベン
   ト付ネジ込み式比例弁。
6. 【請求項６】前記比例弁本体（32）のまわりに配置さ
   れ、汚染物が前記ベント手段（62）に入るのを防止する
   ためのベントシールをさらに有することを特徴とする請
   求項１に記載のベント付ネジ込み式比例弁。
7. 【請求項７】前記ピストン（40）は、前記間隔を隔てた
   シール部材（52、54）の一方（52）とともに、ベント付
   チャンバ（60）の位置を又構成する大径部分（48）を有
   することを特徴とする請求項１に記載のベント付ネジ込
   み式比例弁。
8. 【請求項８】前記ピストン（40）は、流出口（33）への
   流体流れを与える少なくとも１つの横方向スロット（4
   7）を備えたヘッド（46）を有することを特徴とする請
   求項１に記載のベント付ネジ込み式比例弁。
9. 【請求項９】前記流体シール手段（50）は、前記ピスト
   ン（40）に隣接するように前記ピストン（40）の端のま
   わりに配置され、流体が前記キャビティ（42）と、前記
   開口（44）とを通って、前記流体シール手段（50）と、
   前記ピストン（40）の端とを抜けて流れ、前記流出口
   （33）が前記流入口（34）と直線的に整列することを特
   徴とする請求項１に記載のベント付ネジ込み式比例弁。