JP2728881B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2728881B2 JP63039566A JP3956688A JP2728881B2 JP 2728881 B2 JP2728881 B2 JP 2728881B2 JP 63039566 A JP63039566 A JP 63039566A JP 3956688 A JP3956688 A JP 3956688A JP 2728881 B2 JP2728881 B2 JP 2728881B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば電子写真法、静電記録法、静電印刷
法等に適用される画像形成方法に関する。
〔技術の背景〕
現在において、ある画像情報から可視画像を形成する
方法として、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等の
ように静電潜像を経由する方法が広く利用されている。
例えば電子写真法においては、光導電性材料よりなる
感光層を有してなる静電潜像担持体(以下「感光体」と
もいう。)に一様な静電荷が付与された後、像露光によ
り当該感光体の表面に原稿に対応した静電潜像が形成さ
れ、この静電潜像が現像領域において現像剤担持体上に
担持された現像剤により現像されてトナー像が形成され
る。このトナー像は紙等の記録材に転写された後、加熱
あるいは加圧等により定着されて複写画像が形成され
る。一方、転写工程後の感光体は、除電され,次いで転
写されずに感光体上に残留したトナーがクリーニングさ
れたうえ次の複写画像の形成に供される。
しかして、現像剤としては、従来、磁性体粒子を含有
しない非磁性トナーと磁性を有するキャリアとよりなる
二成分系現像剤と、磁性体粒子を含有する磁性トナーよ
りなる一成分系現像剤とが知られている。
二成分系現像剤は、現像の進行に伴ってトナーのみが
消費されることから、トナー濃度を一定の範囲内に維持
するためのトナー補給装置を必要とする難点がある。す
なわち、トナー濃度が過小のときには画像濃度が低下す
るため画像が不鮮明となり、一方トナー濃度が過大のと
きにはキャリアとの摩擦接触の機会が減少するため、ト
ナーに適正な摩擦帯電電荷を付与することが困難とな
り、その結果画像にカブリが発生して画質が低下する。
また、二成分系現像剤においては、キャリヤが繰り返
して使用に供されるため、キャリヤ粒子の表面にトナー
物質が逐次付着して汚染され、その結果トナーに適正な
摩擦帯電電荷を付与することが困難となり、画像にガブ
リが発生し、現像剤の耐久性を損なう問題点がある。
これに対して、一成分系現像剤は、上記のような問題
点を有しないものである。すなわち、キャリヤを含まな
いためトナー濃度の調整を必要とせず、従ってトナー補
給装置が不要でメンテナンスが容易となり、また、現像
剤を撹拌するための特別な装置も不要となるため現像器
の構成をきわめて簡単なものとすることができる等の利
点がある。
一方、感光体としては、セレン感光体、酸化亜鉛感光
体、硫化カドミウム感光体、有機感光体、アモルファス
シリコン感光体等が知られているが、中でも、感度、耐
熱性、解像度、耐久性等において特に優れた機能が発揮
される点で有機感光体もしくはアモルファスシリコン感
光体が好ましい。
斯かる有機感光体もしくはアモルファスシリコン感光
体上に形成された静電潜像を一成分系現像剤により現像
する方法としては、従来、接触型磁気ブラシ現像方法が
知られている。この接触型磁気ブラシ現像方法は、現像
剤に含有される磁性材料により現像剤担持体上に現像剤
を穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシに
より感光体表面を摺擦して当該感光層表面の静電潜像を
現像する方法である。
しかして、斯かる接触型磁気ブラシ現像方法を有機感
光体もしくはアモルファスシリコン感光体に適用する場
合に、現像剤を構成するトナーや外部添加剤が硬質であ
るために比較的早期に感光体表面に微小な筋状の傷が発
生し、そして感光体が高感度であるが故に当該筋状の傷
に起因して画像に白筋が発生する問題点がある。また、
筋状の傷が過大になってくると当該傷にトナーや紙粉等
が埋め込まれてクリーニング不良や黒筋状の汚れが発生
する問題点がある。また、一度現像されたトナー像がさ
らに磁気ブラシにより擦過されて擦過方向に沿ったトナ
ー像の流れ条斑や白筋状の掃き目が発生し、あるいは磁
気ブラシの擦過打撃によりトナー像が画像部周辺に散乱
し、ハーフトーンの再現性が不良となり、画像の解像度
の低下を招来する問題点がある。
以上の接触型磁気ブラシ現像方法の問題点を解消する
ために、現像剤担持体上の現像剤層と感光体表面とが直
接接触することがない非接触現像方法を適用することが
考えられる。しかし、非接触現像方法においてはトナー
と静電潜像との静電気的な吸引力により当該トナーを感
光体表面に付着させるため、現像性すなわちチナーの静
電潜像に対する付着性が悪く、その結果画像全体におい
て画像濃度が低くなるという問題点がある。
一方、一成分系現像剤を構成する従来の磁性トナーに
おいては、トナー同士による若干の摩擦帯電、トナーと
現像器内の現像剤担持体の表面もしくは現像剤層の厚さ
を規制する厚さ規制部材等との摩擦帯電によりトナーに
摩擦帯電電荷が付与されるものであるため、正に帯電し
たトナーと負に帯電したトナーが共に存在しやすい。そ
のため帯電量分布が広くしかも帯電量が小さく、その結
果逆極性のトナーおよび弱帯電量のトナーが感光体上の
非画像部にも付着して画像にカブリが発生したり、適正
帯電量のトナーしか現像に供されないという選択現像が
発生して、多数回にわたる画像の形成に供すると現像性
が低下し、感光体上の画像部に付着するトナー量が不十
分となり、画像アレが発生したり、画像濃度が低下する
問題点がある。
また、磁性トナーに含有される磁性体粒子が硬質であ
り、しかも磁性トナー粒子の表面にも露出した状態で磁
性体粒子が存在するため、このような磁性トナーを用い
て現像を行うと、感光体表面に磁気ブラシによる擦過傷
が発生しやすく、特に低温低湿の環境下においては擦過
傷が顕著に発生する。特に感光体として擦過傷が生じや
すい有機感光体やアモルファスシリコン感光体を用いた
場合に上記現象が顕著となり、擦過傷部分の現像性が低
下して画像アレが著しく発生する。
〔従来の技術〕
以上のような事情から、下記の如き磁性トナーが提案
された。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド、テレフタル
酸、アジピン酸、炭素数12のアルキル基を置換したコハ
ク酸、トリメリット酸よりなる単量体組成物を反応させ
て得られるポリエステルを結着樹脂として用い、当該結
着樹脂中にサリチル酸クロムおよび磁性体を含有させて
構成した磁性トナー(特開昭61−284771号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の技術では、以下のような問題点があ
る。
(1)上記技術のポリエステルは、その単量体組成物
中に硬質成分であるビスフェノール系ジオールが含まれ
ているため、得られるポリエステルが硬質となる。従っ
て斯かるポリエステルを結着樹脂として用いた磁性トナ
ーは硬質なものとなり、特に低温低湿(例えば温度10
℃、相対湿度20%程度)の環境下においては、硬質化が
顕著となり、従って当該磁性トナーを低温低湿の環境下
で多数回にわたる画像の形成に供すると、有機感光体や
アモルファスシリコン感光体の表面に早期に擦過傷が発
生し、これらの傷に起因して画像不良が発生する問題点
がある。
(2)上記技術のポリエステルは、その単量体組成物
中に硬質成分であるビスフェノール系ジオールが含まれ
ているため、当該ポリエステルを結着樹脂として含有し
てなる磁性トナーにおいては、低温低湿の環境下におい
て負帯電性が過剰となり、そのため現像性が低下して画
像濃度の低下や画像アレを発生する問題点がある。
本発明は以上の如き事情に基づいてなされたものであ
って、その目的は、低温低湿の環境条件下においても現
像剤が適正な摩擦帯電性を有していて優れた現像性が発
揮され、画像濃度の低下および画像アレを伴わずに良好
な現像を達成でき、有機感光体やアモルファスシリコン
感光体を用いるときにも当該感光体表面の早期損傷を伴
わずに多数回にわたり安定に画像を形成することができ
る画像形成方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明は、現像領域におい
て静電潜像担持体上の静電潜像を振動電界の存在下で現
像剤担持体上に担持された一成分系現像剤により現像す
る工程、熱ローラ定着器により定着する工程、および静
電潜像担持体上に残留した一成分系現像剤をクリーニン
グブレードによりクリーニングする工程を含む画像形成
方法において、現像領域における静電潜像担持体の線速
Vpに対する現像剤担持体の線速Vsの比Vs/Vpの値が0.8〜
1.5であり、前記静電潜像担持体が、有機感光体または
アモルファスシリコン感光体よりなり、前記一成分系現
像剤が、少なくとも磁性トナーとpHが6以下の無機微粒
子とを有してなり、当該磁性トナーが、下記成分〜
を含む単量体組成物を縮重合反応させて得られ、(酸価
(AV)に対する水酸基価(OHV)の比(OHV/AV)の値が
1.0〜5.0であるポリエステルよりなる結着樹脂中に磁性
体粒子が分散含有されてなることを特徴とする。
成分;芳香族ジカルボン酸 成分;脂肪族ジオール 成分;ベンゼントリカルボン酸、その無水物またはエ
ステル また、現像剤担持体上に担持された一成分系現像剤の
高さが、現像領域における静電潜像担持体と現像剤担持
体との最小間隙よりも小さいことが好ましい。
〔作用〕
現像領域における感光体の線速Vpに対する現像剤担持
体の線速Vsの比Vs/Vpの値を0.8〜1.5としたので、接触
型磁気ブラシ現像方法を適用する場合に磁気ブラシによ
る感光体表面に対する擦過力を十分小さく抑制すること
ができる。しかし、これのみでは現像領域への現像剤供
給量の不足および一成分系現像剤の摩擦帯電電荷の低下
を招いて現像性が低下するので、これを補償するため現
像領域に振動電界を作用させる。すなわち、振動電界に
より一成分系現像剤を振動させることにより、トナーに
摩擦帯電電荷をいわば補助的に付与して摩擦帯電電荷の
不足を補償するとともに、トナー粒子の感光体表面への
移行を促進させることができる。
また、現像剤担持体上に担持された一成分系現像剤層
の高さを現像領域における感光体と現像剤担持体との最
小間隙よりも小さくして当該現像剤層を感光体に非接触
となるような状態で現像領域に供給することにより、磁
気ブラシの擦過力に起因する問題を完全に解消すること
ができ、ハーフトーンの再現性や解像度の著しい向上を
図ることができ、さらには感光体の早期損傷の防止効果
が顕著となる。
しかも、本発明においては、一成分系現像剤を構成す
る磁性トナーの結着樹脂として用いる特定のポリエステ
ルが、3価の単量体であるベンゼントリカルボン酸、そ
の無水物またはエステル、芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジオールを含む単量体組成物を縮重合反応させて得られ
るポリエステルであって、特に従来用いられていたビス
フェノール系ジオールではなくて脂肪族ジオールを用い
ているため、低温低湿の環境条件下においても磁性トナ
ーの摩擦帯電性が過剰にならず適正な範囲となり、帯電
量分布が環境条件によらずに均一化する。そして、一成
分系現像剤が磁性トナーとともに無機微粒子を含有して
なるため概して低い磁性トナーの流動性が十分に改善さ
れる。従って斯かる一成分系現像剤の優れた特性と上記
現像条件との相乗作用により、選択現像による現像性の
低下、カブリ、画像アレ等の問題を招来せず、画像濃度
の高い良好な画像を安定に形成することができる。
また、単量体組成物中に脂肪族ジオールが存在するた
め柔軟性のあるポリエステルが得られ、磁性トナーが軟
質化される。従って、特に接触型磁気ブラシ現像方法を
適用する場合においても磁気ブラシの擦過力が小さく抑
制され、感光体の早期損傷を有効に防止することができ
る。しかも静電潜像担持体が擦過傷の生じやすい有機感
光体またはアモルファスシリコンよりなるものであって
も、その早期損傷が防止されるので、クリーニング不良
や画像アレを伴わずに多数回にわたり良好な現像を達成
でき、感光体の耐久性が格段に向上する。そして、低温
低湿の環境条件下においても、当該効果が確実に発揮さ
れるため、現像をきわめて有利に行うことができる。
また、特定のポリエステルにより磁性トナーが軟質化
されるため磁性トナー粒子の破壊が生じにくくトナー微
粉による汚染が回避され、多数回にわたり安定な現像を
達成できる。
また、単量体組成物中に脂肪族ジオールが存在するた
め定着工程においてはポリエステルの溶融時における転
写紙の繊維間への浸透性が優れたものとなり、そのため
磁性トナーの定着性が格段に向上し、特に低温低湿の環
境条件下においても優れた定着性が発揮され定着不良が
発生しない。
また、単量体組成物中に3価の単量体であるベンゼン
トリカルボン酸、その無水物またはエステルが存在する
ためポリエステルが三次元網状構造となり、従って熱ロ
ーラ定着法により定着を遂行する場合に熱ローラに対す
る溶融磁性トナーの離型性が向上し、耐オフセット性が
優れたものとなる。
〔発明の具体的構成〕
以下、本発明の構成を具体的に説明する。
〔1〕トナー 一成分系現像剤を構成する磁性トナーにおいては、前
記成分〜を含む単量体組成物を縮重合反応させて得
られるポリエステルを結着樹脂として用いる。
前記成分の芳香族ジカルボン酸としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの酸のエ
ステルまたは無水物等を挙げることができる。斯かる芳
香族ジカルボン酸は、磁性トナーの負帯電性、耐久性、
クリーニング性を向上する。
以上の芳香族ジカルボン酸と共にその他のジカルボン
酸を併用してもよい。斯かるその他のジカルボン酸とし
ては、例えばマレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シ
トラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、
マロン酸、またはこれらの酸の無水物もしくはエステ
ル、リノレイン酸の二量体、その他の2官能の有機酸単
量体を挙げることができる。斯かるその他のジカルボン
酸の配合割合は、ジカルボン酸全体の30モル%以下が好
ましい。当該その他のジカルボン酸の配合割合が過大の
ときには前記特定のポリエステルのガラス転移点が低下
してトナーの保存性が悪化する。
前記成分の脂肪族ジオールとしては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等を挙げることができる。斯かる脂肪族ジオール
は、磁性トナーに柔軟性を付与する。従って、感光体の
早期損傷、クリーニングブレードの早期損傷が防止さ
れ、クリーニング不良に起因する現像不良の発生を抑制
することができる。また磁性トナーの摩擦帯電性を適正
な一定の範囲に維持する効果を発揮する。脂肪族ジオー
ルの中でも、炭素数が2〜10の脂肪族ジオールが特に好
ましい。炭素数が過小のときには耐湿性が悪く、一方炭
素数が過大のときにはガラス転移点が低下し高温高湿下
の流動性が低下し現像性が悪くなる。
以上の脂肪族ジオールと共にその他のジオールを併用
してもよい。斯かるその他のジオールとしては、例えば
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素
添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェ
ノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA
等、その他の2官能のアルコール単量体を挙げることが
できる。斯かるその他のジオールの配合割合は、ジオー
ル全体の30モル%以下が好ましい。当該その他のジオー
ルの配合割合が過大のときには、磁性トナーの微粉が発
生しやすく、現像剤の耐久性が悪化する。
前記成分のベンゼントリカルボン酸、その無水物ま
たはエステルとしては、例えば1,2,4−ベンゼントリカ
ルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、これらの
酸の無水物またはエステルを挙げることができる。これ
らは磁性トナーに良好な負の摩擦帯電性を付与すること
ができ、また定着性、耐オフセット性、耐久性が向上す
る。
ベンゼントイカルボン酸、その無水物またはエステル
の配合割合は、単量体組成物全体の1〜30モル%が好ま
しい。当該配合割合が過小のときには磁性トナーの耐オ
フセット性が悪化し、また耐久性が悪化する。一方、当
該配合割合が過大のときには磁性トナーの定着性が悪化
する。
前記特定のポリエステルとしては、さらに、酸価(A
V)に対する水酸基価(OHV)の比OHV/AVの値が1.0〜5.0
であるものが用いられ、特に、1.2〜3.0のものが好まし
い。斯かる比OHV/AVの値が過小のときにはトナーの流動
性が悪化して現像性が低下する。一方、当該比OHV/AVの
値が過大のときには粉体としての保存性が悪化する。
ここで、酸価(AV)とは、試料1g中に含まれる酸を中
和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をい
う。また、水酸基価(OHV)とは、基準油脂分析試験法
(日本油脂化学協会編)に従って試料1gをアセチル化す
るときに水酸基結合した酢酸を中和するために必要な水
酸化カリウムのミリグラム数をいう。
さらに、前記特定のポリエステルの軟化点Tspは、90
〜170℃が好ましく、さらに100〜160℃が好ましい。斯
かる軟化点Tspが過小のときにはトナーの粉体としての
保存性が悪化し、また耐オフセット性が悪化する。一
方、当該軟化点Tspが過大のときには定着性が悪化す
る。
ここで、軟化点Tspとは、高化式フローテスター「CFT
−500型」(島津製作所製)を用いて、測定条件を、荷
重20kg/cm2、ノズルの直径1mm、ノズルの長さ1mm、予備
加熱80℃で10分間、昇温速度6℃/分とし、サンプル量
1cm3(真性比重×1cm3で表される重量)として測定記録
したとき、フローテスターのプランジャー降下量−温度
曲線(軟化流動曲線)におけるS字曲線の高さをhとす
るとき、h/2のときの温度をいう。
また、前記特定のポリエステルがガラス転移点Tgは、
50〜70℃が好ましい。斯かるガラス転移点Tgが過小のと
きにはトナーの粉体としての保存性が悪化し、また耐オ
フセット性が悪化する。一方、当該ガラス転移点Tgが過
大のときには定着性が悪化する。
ここで、ガラス転移点Tgとは、示差走査熱量計「低温
DSC」(理学電気社製)を用い、昇温速度10℃/分で測
定した際、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムの
ガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの
立上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を
示す接線との交点の温度をガラス転移点と定めたときの
値をいう。
一成分系現像剤を構成する磁性トナーは、上記の特定
のポリエステルからなる結着樹脂とともに、磁性体粒子
を必須成分として含有してなるものである。
斯かる磁性体粒子としては、例えば鉄、フェライト、
マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルト等
の強磁性を示す金属もしくは合金またはこれらの元素を
含む化合物、強磁性元素を含まないが適当に熱処理する
ことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマン
ガン−銅−アルミニウムもしくはマンガン−銅−錫等の
ホイスラー合金とよばれる種類の合金、二酸化クロム、
その他を挙げることができる。
磁性体粒子の平均粒径は、0.1〜1μm程度が好まし
い。斯かる小径の磁性体粒子を用いることにより結着樹
脂である上記特定のポリエステルに対して均一に分散含
有させることができ、磁性トナーの磁気的特性が揃った
ものとなる。
また、磁性体粒子の含有割合は、磁性トナーの10〜70
重量%が好ましく、特に20〜50重量%が好ましい。当該
含有割合が過小のときには現像の際に磁性トナーが飛散
して各機器の汚染の原因となる。一方当該含有割合が過
大のときには磁気ブラシ現像方法を適用する際に現像剤
担持体の表面に均一な磁気ブラシを形成することが困難
となり、画像アレを発生する。
一成分系現像剤を構成する磁性トナーには、必要に応
じて、着色剤、定着性向上剤、荷電制御剤、クリーニン
グ性向上剤等の各種の添加剤が含有されていてもよい。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、ニグロシ
ン染料(C.I.No.50415 B)、アニリンブルー(C.I.No.5
0405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、
クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブル
ー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.2
6105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレン
ブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブ
ルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレー
ト(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.7726
6)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合
物、その他を用いることができる。着色剤の配合割合
は、結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部が好まし
い。
定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケン化脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸、高級アルコール、流動または固形のパ
ラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコール
エステル、シリコーンワニス、脂肪族フロロカーボン、
これらの混合物等を用いることができる。斯かる定着性
向上剤の配合割合は、結着樹脂100重量部に対して1〜2
0重量部が好ましい。
荷電制御剤として、例えば金属錯体系染料、ニグロシ
ン系染料、アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタ
ン系化合物等を用いることができる。
クリーニング性向上剤としては、例えばステアリンン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム等の脂肪酸金属塩等を用いることができる。
磁性トナーの平均粒径(重量)は、解像度、階調性、
画質の向上を図る観点から、5〜20μmが好ましい。
〔2〕無機微粒子 本発明に用いる一成分系現像剤は、以上の如き磁性ト
ナーとともに、無機微粒子を必須成分として含有してな
る。斯かる無機微粒子は、磁性トナーに外部から添加混
合されて使用されることが好ましい。すなわち、無機微
粒子は磁性トナーの粒子表面に付着した状態で含有され
ることが好ましい。斯かる無機微粒子の存在により、磁
性トナーの流動性が格段に向上し、優れた現像性が発揮
される。
斯かる無機微粒子としては、その一次粒子(個々の単
位粒子に分離した状態の粒子)の平均径が5mμ〜2μm
のものが好ましく、特に5mμ〜50mμのものが好まし
い。当該一次粒子の平均径が過大のときには感光体表面
に損傷が発生しやすく、一方過小のときには結着樹脂中
に埋め込まれて流動性の向上効果が十分に発揮されな
い。
また、無機微粒子のBET法による比表面積は20〜500m2
/gが好ましく、特に50〜300m2/gが好ましい。当該比表
面積が過大のときにはクリーニングブレードを用いてク
リーニングする際に無機微粒子がすり抜けやすくなりク
リーニング不良が発生する場合がある。一方当該比表面
積が過小のときには現像剤の流動性が低下して現像性が
悪化し、その結果画像濃度が低下したり画像アレが発生
する場合がある。
また、無機微粒子としてはpHが6以下のものが用いら
れる。pHが過大のときには磁性トナーの摩擦帯電性が阻
害される。
無機微粒子の配合割合は磁性トナー全体の0.01〜5重
量%が好ましく、特に0.1〜2.0重量%が好ましい。当該
配合割合が過大のときには無機微粒子が磁性トナー粒子
表面から遊離しやすくなって現像剤担持体や現像剤層の
厚さ規制ブレード等に付着堆積し、その結果早期に磁性
トナーの摩擦帯電性が不良となってカブリや画像濃度の
低下が発生する場合がある。一方当該配合割合が過小の
ときには現像剤の流動性が低下し、その結果カブリや画
像アレを発生する場合がある。
無機微粒子の構成材料としては、例えばシリカ、アル
ミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネ
シウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウ
ム、酸化亜鉛、珪砂、クレー、雲母、珪石灰、珪藻土、
酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化
ケイ素等を用いることができる。
これらのうち特にシリカ微粒子が好ましい。このシリ
カ微粒子は、下記の如き結合構造を有する微粒子であ
り、特に乾式法で製造されたものが好ましい。
また、シリカ微粒子としては、無水二酸化ケイ素のほ
か、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛等の形態であ
ってもよく、特にSiO2を85重量%以上含むものが好まし
い。
斯かるシリカ微粒子の市販品としては種々のものがあ
るが、特に湿度の変化に対しても磁性トナーの摩擦帯電
性が安定していて環境依存性の小さい現像剤を得ること
ができる観点から、表面に疎水基を有するシリカ微粒子
が好ましい。斯かる疎水基としては例えばメチル基、エ
チル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基が
好ましい。斯かる疎水基を有するシリカ微粒子の市販品
としては、例えば「アエロジルR−972」、「アエロジ
ルR−974」、「アエロジルR−805」、「アエロジルR
−976」(以上、日本アエロジル社製)等を挙げること
ができる。
また、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カッ
プリング剤、シリコーンオイル、側鎖にアミンを有する
シリコーンオイル等により表面処理されたシリカ微粒子
も、磁性トナーの摩擦帯電性の安定化の観点から好まし
く用いることができる。
以上の如き無機微粒子のほか、必要に応じて有機微粒
子を磁性トナーに外部から添加混合して使用してもよ
い。
〔3〕磁性トナーの製造法 一成分系現像剤を構成する磁性トナーの製造法として
は、特に限定されないが、例えば以下の製造法を適用す
ることができる。
上記特定のポリエステルと、磁性体粒子と、その他必
要に応じて添加されるトナー成分とを混合し、これを溶
融混練し、次いで冷却し、その後粉砕し、さらに分級し
て、所定の平均粒径を有する磁性トナーを得る。
上記と同様にして溶融混練した後、溶融混練物を溶
融状態のままスプレードライヤー等により噴霧もしくは
液体中に分散させることにより所定の平均粒径を有する
磁性トナーを得る。
そして、以上のようにして得られた磁性トナー粉末
に、さらに無機微粒子が外部から添加混合されて一成分
系現像剤が構成される。
〔4〕感光体 本発明においては、特に有機感光体またはアモルファ
スシリコン感光体が用いられる。有機感光体またはアモ
ルファスシリコン感光体は、表面が比較的損傷されやす
く、そのため画像アレ、クリーニング不良が発生しやす
いが、上記一成分系現像剤を用いることにより、磁気ブ
ラシ現像方法を適用したときにも感光体表面の早期損傷
が抑制され、画像アレ、クリーニング不良を有効に防止
することができる。
有機感光体は、例えばアルミニウム、ステンレス等よ
りなる導電性支持体上に、例えばバインダー樹脂中に有
機光導電性物質が分散含有されて構成された有機感光層
が積層されて構成される。
有機感光層としては、特に耐久性を高める観点から、
例えばアンスアンスロン系化合物、ペリレン系誘導体、
ビスアゾ系化合物、フタロシアニン系化合物等の像露光
用光を吸収して荷電キャリアを発生するキャリア発生物
質を、例えばスチレン−メチルメタクリレート共重合
体、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等のバイン
ダー樹脂中に分散含有させて構成されたキャリア発生層
と、例えばオキサジアゾール誘導体、トリアリールアミ
ン誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ヒドラゾン誘
導体、スチルベン誘導体、スチリルトリアリールアミン
誘導体等のキャリア発生層において発生したキャリアを
輸送するキャリア輸送物質を上記と同様のバインダー樹
脂中に分散含有させて構成されたキャリア輸送層とを組
合せてなる機能分離型の感光層が好ましい。
また、アモルファスシリコン感光体を構成する感光物
質としては、例えばアモルファスシリコン、アモルファ
スシリコンゲルマニウム、アモルファスシリコン錫、あ
るいはこれらに炭素、窒素、酸素等が含有されたもの、
またこれらに周期律表第IIIa族の元素または周期律表第
Va族の元素がドープされたもの等を用いることができ
る。これらのうち特にアモルファスシリコンが好まし
い。
アモルファスシリコン感光体の具体的一例において
は、第1図に示すように、例えばステンレス鋼等よりな
る金属製で回転ドラム状の導電性支持体11Aの外周面上
に、例えば酸化アルミニウム等よりなるブロッキング層
11Bを設け、このブロッキング層11B上にアモルファスシ
リコン感光層12を設けて感光体10が構成される。ブロッ
キング層11Bは、導電性支持体11Aよりアモルファスシリ
コン感光層12への電荷の注入を阻止するために、必要に
応じて設けられるものである。
アモルファスシリコン感光層12の形成は、例えばグロ
ー放電性、スパッタ法、イオンプレーティング法、蒸着
法等の薄膜形成技術を用いて行なうことができる。この
アモルファスシリコン感光層12の厚さは、通常5〜50μ
m程度が好ましい。
ブロッキング層11Bの形成は、金属よりなる導電性支
持体11Aの表面を、例えば陽極酸化法、酸化処理法、プ
ラズマ酸化法等の酸化手段により酸化させて形成する方
法、真空槽内で、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウ
ム、酸化クロム、酸化チタン、酸化ジルコン、窒化シリ
コン、フッ化マグネシウム、硫化亜鉛等の絶縁性物質
を、導電性支持体11Aの表面に付着堆積させて形成する
方法等を用いて行なうことができる。
〔5〕画像形成装置 第2図は画像形成装置の一例を示す。10は静電潜像を
形成するための回転ドラム状の感光体である。この感光
体10の周囲にはその回転方向上流側から下流側に向かっ
て、順に、コロナ帯電器21、露光光学系22、磁気ブラシ
現像器23、静電転写器24、分離器25、ブレード式クリー
ニング器26が配置されている。27は熱ローラ定着器であ
る。
この画像形成装置においては、コロナ帯電器21により
感光体10の表面が一様な電位に帯電され、次いで露光光
学系22により像露光されて感光体10の表面に原稿に対応
した静電潜像が形成される。そして本発明の現像方法に
基づいて磁気ブラシ現像器23により上記静電潜像が現像
されて原稿に対応したトナー像が形成される。このトナ
ー像は静電転写器24により転写材Pに静電転写され、熱
ローラ定着器27により加熱定着されて定着画像が形成さ
れる。一方、静電転写器24を通過した感光体10は、ブレ
ード式クリーニング器26によりその表面が摺擦されて残
留トナーが掻き取られてもとの清浄な表面とされ、再び
コロナ帯電器20による帯電工程に付されて次の画像の形
成に供される。
〔6〕現像装置 第3図は現像装置の一例を示す説明図である。40は感
光体であり、この感光体40は、矢印X方向に回転される
回転ドラム状の形態を有し、例えばアルミニウム製の筒
状の導電性支持体40A上に感光層40Bが積層されて構成さ
れている。現像領域53の上流側には、帯電器および露光
光学系(図示せず)が配置され、まず帯電器により感光
体40の被現像面が例えば400〜1000V(絶対値)の範囲内
の一定の電位となるよう帯電され、次いで露光光学系
(図示せず)により原稿の光像が感光体40の被現像面に
投射されて当該被現像面に原稿に対応する静電潜像が形
成され、そしてこの静電潜像が現像領域53に移動され、
現像領域53において当該静電潜像の現像がなされる。
41は現像剤担持体(以下「現像スリーブ」ともい
う。)であり、この現像スリーブ41は、例えばアルミニ
ウム等の非磁性材料よりなる回転ドラム状の形態を有
し、この現像スリーブ41の内部にマグネットロール42が
配置されている。このマグネットロール42は、現像スリ
ーブ41の周に沿って配置された複数のN,S磁極よりな
る。具体的一例においては、現像スリーブ41が例えば矢
印Y方向すなわち現像領域53において感光体40の移動方
向と同方向に移動するよう回転される。マグネットロー
ル42は固定されている。
本発明においては、現像領域53における感光体40の線
速Vpに対する現像スリーブ41の線速Vsの比Vs/Vpの値を
0.8〜1.5とすることが必要である。すなわち、当該比Vs
/Vpの値が過小のときには現像領域53への現像剤の供給
量が不足するため現像性が悪化して画像濃度の低下を招
来する。一方当該比Vs/Vpの値が過大では磁気ブラシの
擦過力が大きくなるため擦過方向に沿ったトナー像の流
れ条斑や白筋状の掃き目が発生し、あるいはトナー像が
画像部周辺に散乱し、ハーフトーンの再現性が不良とな
り、画像の解像度が低下する。
マグネットロール42を構成するN,S磁極は、現像スリ
ーブ41表面における時速密度が通常500〜1500ガウス程
度となるように磁化されていて、その磁気力により現像
スリーブ41表面に現像剤51の粒子をブラシ状に起立させ
た状態の磁気ブラシ52が形成される。
43は厚さ規制ブレードであり、この厚さ規制ブレード
43は磁性体もしくは非磁性体よりなり、現像領域53に至
る磁気ブラシ52の高さおよび量を規制するためのもので
ある。44はクリーニングブレードであり、このクリーニ
ングブレード44は、現像後に現像スリーブ41の表面に残
存した現像剤を掻き取り除去するためのものである。ク
リーニングブレード44によりクリーニングされた現像ス
リーブ41の表面は再び現像剤溜まり45において現像剤51
と接触して当該表面に新しい磁気ブラシが形成され、こ
の磁気ブラシが規制ブレード43により規制された後現像
領域53に搬送される。
49は振動電界発生器、50は保護抵抗であり、振動電界
発生器49により現像領域53に振動電界が作用され、当該
振動電界により現像領域53内に搬入された現像剤が振動
するようになる。振動電界としては、周波数が例えば10
0Hz〜10kHz程度、好ましくは1〜5kHz程度で、電圧(ピ
ーク・ピーク値)が例えば0.1〜5kVP-P程度の交流電圧
により形成されることが好ましい。
また、現像に際しては、カブリの発生を一層防止する
観点から現像スリーブ41にさらに直流バイアス電圧を印
加することが好ましい。この直流バイアス電圧は、その
大きさが例えば10〜500V(絶対値)程度であることが好
ましい。図示の例においては、振動電界発生器49が直流
バイアス電源を兼用する構成とされ、交流電圧に直流バ
イアス電圧が重ね合わされた合成電圧が現像スリーブ41
に印加される。なお、図示の例においては感光体40を構
成する導電性支持体40Aは接地されている。
厚さ規制ブレード43の先端と現像スリーブ41の表面と
の間の距離Hcutは、50〜1000μmが好ましく、現像領域
53における感光体40と現像スリーブ41との最小間隙Dsd
よりも小さいことが好ましい。当該最小間隙Dsdが過大
のときには対向電極効果が低下して画像濃度が低くなっ
たり、またフリンジ現像が発生して画像が不鮮明となる
場合があり、一方当該最小間隙Dsdが過小のときには感
光体40と現像スリーブ41との間で放電が生じて感光体40
を損傷したり、また磁気ブラシ52の現像領域53への円滑
な搬入が困難となる場合がある。
以上の構成の現像器においては、現像スリーブ41が回
転すると、その表面の磁界の大きさおよび方向が順次変
化するので、現像スリーブ41の表面に形成された磁気ブ
ラシ52中の磁性トナー粒子は、回転振動しながら現像ス
リーブ41の回転移動に追従して現像領域53に移動される
ようになる。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明
がこれらの実施例に限定されるものではない。
〈ポリエステルの製造〉 (1)ポリエステル1〜3 後記第1表に示すジカルボン酸およびジアルコール
を、温度計、ステンレススチール製撹拌器、ガラス製窒
素ガス導入管、および流下式コンデンサを備えた容量1
の4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマン
トルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガス
を導入してフラスコ内を不活性雰囲気に保った状態で昇
温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温
度200℃に保って反応させた後、後記第1表に示すベン
ゼントリカルボン酸、その無水物またはエステルを加
え、さらに反応させることにより、各ポリエステルを得
た。
各ポリエステルの酸価(AV)、水酸基価(OHV)、比O
HV/AVの値、軟化点Tsp、ガラス転移点Tgは後記第1表に
示した通りである。
(2)比較ポリエステル1 ポリオキシプロピレン(2.5)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン500重量部、テレフタル酸108
重量部、アジピン酸24重量部、炭素数12のアルキル基で
置換したコハク酸77重量部、トリメリット酸38重量部を
用いたほかは上記ポリエステル1の製造と同様にして比
較用ポリエステル1を得た。
この比較用ポリエステル1の軟化点Tspは141℃、ガラ
ス転移点Tgは52℃、水酸基価(OHV)は30(KOHmg/g)、
酸価(AV)は24(KOHmg/g)、比OHV/AVは1.25であっ
た。
〈磁性トナーの製造〉 (1)磁性トナー1 上記ポリエステル1の100重量部と、磁性体粒子「EPT
−1000」(戸田工業社製)60重量部と、サリチル酸クロ
ム錯体3重量部と、ポルプロピレン「ビスコール660P」
(三洋化成工業社製)3重量部とをV型ブレンダーによ
り混合した後、二本ロールにより100〜130℃で十分に溶
融混練し、その後冷却し、次いでハンマーミルにより粗
粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕し、次いで分
級して、平均粒径が11.0μmの磁性トナー1を製造し
た。
(2)磁性トナー2 磁性トナー1の製造において、ポリエステル1をポリ
エステル2の100重量部に変更したほかは同様にして、
平均粒径が10.5μmの磁性トナー2を製造した。
(3)磁性トナー3 磁性トナー1の製造において、ポリエステル1をポリ
エステル3の100重量部に変更したほかは同様にして、
平均粒径が11.5μmの磁性トナー3を製造した。
(4)比較磁性トナー1 磁性トナー1の製造において、ポリエステル1を比較
ポリエステル1の100重量部に変更したほかは同様にし
て、平均粒径が10.0μmの比較磁性トナー1を製造し
た。
〈無機微粒子の製造〉 (1)無機微粒子1 疎水基としてジメチルシロキシル基を有し、pHが3.
8、一次粒子の平均径が16mμ、BET法による比表面積が1
10m2/gのシリカ微粒子「アエロジルR−972」(日本ア
エロジル社製)を無機微粒子1とする。
(2)無機微粒子2 疎水基としてジメチルシロキシル基を有し、pHが3.
7、一次粒子の平均径が7mμ、BET法による比表面積が25
0m2/gのシリカ微粒子「アエロジルR−976」(日本アエ
ロジル社製)を無機微粒子2とする。
(3)無機微粒子3 疎水基としてオクチルメトキシシロキシル基を有し、
pHが4.2、一次粒子の平均径が12mμ、BET法による比表
面積が150m2/gのシリカ微粒子「アエロジルR−805」
(日本アエロジル社製)を無機微粒子3とする。
〈現像剤の製造〉 (1)現像剤1〜3 後記第2表に示す組合せの磁性トナーおよび無機微粒
子を用い、磁性トナーに無機微粒子を外部から添加して
これらをヘンシェルミキサーにより混合することによ
り、磁性トナー粒子の表面に無機微粒子を付着させ、も
って一成分系の現像剤1〜3を製造した。
(2)比較現像剤1 無機微粒子を用いず、比較磁性トナー1のみにより比
較現像剤1を構成した。
〈感光体〉 (1)有機感光体OPC1 キャリア発生物質としてアンスアンスロン系顔料を用
い、キャリア輸送物質としてカルバゾール誘導体を用い
て構成された負帯電性2層構造の有機感光層を、回転ド
ラム状のアルミニウムよりなる導電性支持体上に積層し
て有機感光体OPC1を製造した。
(2)有機感光体OPC2 有機感光体OPC1の製造において、キャリア発生物質と
してビスアゾ系顔料を用い、キャリア輸送物質としてヒ
ドラゾン系誘導体を用いたほかは有機感光体OPC2を製造
した。
(3)有機感光体OPC3 有機感光体OPC1の製造において、キャリア発生物質と
してビスアゾ系顔料を用い、キャリア輸送物質としてス
チリルトリアリールアミン系誘導体を用いたほかは有機
感光体OPC3を製造した。
(4)アモルファスシリコン感光体AS1 回転ドラム状のステンレス鋼よりなる導電性支持体上
に、酸化アルミニウムよりなるブロッキング層を設け、
このブロッキング層上にアモルファスシリコン感光層を
設けてアモルファスシリコン感光体AS1を製造した。
〈実施例および比較例〉 各実施例および比較例においては、上記各現像剤から
選択された現像剤を用いて下記構成の画像形成装置によ
り、温度10℃、相対湿度20%の低温低湿の環境条件下に
おいて、連続して30万回にわたり複写画像を形成し、下
記の項目についてそれぞれ評価した。評価の結果を後記
第3表に示す。
(画像形成装置) 電子写真複写機「U−Bix5500」(コニカ(株)製)
改造機であって、要部の構成は次の通りである。
(1)感光体 各実施例および比較例においては、後記第3表に示す
ように、既述の各種の感光体から選択したものを用い
た。なお、実施例1〜3においては、10万回ごとに感光
体を新しいものと交換した。
(2)現像器 距離Hcutが0.4mm、最小間隙Dsdが0.6mm、比Vs/Vpの値
が1.2である磁気ブラシ現像器であって、現像に際して
は、現像領域に振動電界(周波数=2kHz,電圧=2k
VP-P)および直流バイアス電圧(250kV)を印加した。
(3)定着器 表層がテフロン(デュポン社製ポリテトラフルオロエ
チレン)により形成された直径30φの熱ローラと、表層
がシリコーンゴム「KE−1300RTV」(信越化学工業社
製)により形成されたバックアップローラとよりなる熱
ローラ定着器を用いた。
(4)クリーニング器 ウレタンゴムよりなるクリーニングブレードを備えて
なるクリーニング器を用いた。
(評価項目) (1)カブリ 「サクラデンシトメーター」(コニカ(株)製)を用
いて、原稿濃度が0.0の白地部分の複写画像に対する相
対濃度を測定して判定した。なお白地反射濃度を0.0と
した。評価は、相対濃度が0.01未満の場合を「○」、0.
01以上で0.03未満の場合を「△」、0.03以上の場合を
「×」とした。
(2)画像濃度 30万回後の複写画像について、「サクラデンシトメー
ター」(コニカ(株)製)を用いて、原稿濃度が0.0の
白地部分の複写画像に対する相対濃度を測定して判定し
た。実用レベルは相対濃度が0.8以上である。
(3)画像アレ 複写画像を目視により判定した。評価は、良好である
場合を「○」、若干劣るが実用レベルにある場合を
「△」、不良で実用的には問題のある場合を「×」とし
た。なお、「画像アレ」とは、文字や線画の一部が欠け
て不鮮明となり画像が荒れた状態となる現象を表す。
(4)クリーニング性 複写画像の形成後、クリーニングブレードによりクリ
ーニングされた直後の潜像担持体の表面を目視により観
察し、クリーニング不良物の有無により判定した。評価
は、クリーニング不良物がほとんど認められず良好であ
る場合を「○」、クリーニング不良物が若干認められる
が実用レベルにある場合を「△」、クリーニング不良物
が多く認められ実用的には問題のある場合を「×」とし
た。
(5)定着性 実写テスト開始初期において熱ローラ定着器の熱ロー
ラがまだ十分に昇温していない状態でベタ黒の複写画像
を形成し、このベタ黒の複写画像にスコッチテープを貼
り付けた後これを剥離する試験を行ない、トナー像の剥
離率が30%以上の場合を「×」、15%以上30%未満の場
合を「△」、15%未満の場合を「×」とした。
(6)ハーフトーン再現性 画像濃度が0.4のハーフトーン画像の原稿に対して、
下記式で定義される複写画像の画像濃度aの変化率bが
10%未満の場合を「○」、10%以上20%未満の場合を
「△」、20%未満の場合を×とした。
(7)解像度 JIS Z4916に準拠して、グレイドとして1mm当たり等間
隔の横線を4.0本、5.0本、6.3本、8.0本設けたチャート
を使用し、横線の判別ができるグレイドを解像度として
表示した。
また、環境条件を常温常湿(温度20℃,相対湿度60
%)に変更したほかは、上記と同様にして実写テストを
行ない、同様にして評価したところ、上記と同様に良好
な結果が得られた。
以上の実施例および比較例の結果からも理解されるよ
うに、本発明によれば、低温低湿の環境条件下において
多数回にわたり画像形成プロセスを遂行する場合におい
ても、現像性、転写性、クリーニング性、定着性がいず
れも良好で、カブリおよび画像アレがなく、しかも画像
濃度が高くて鮮明でかつ定着性の十分な画像を安定に形
成することができた。
また、感光体表面の早期損傷が認められず、感光体の
耐久性が格段に向上した。
また、オフセット現象が発生せず、熱ローラ定着器の
ローラ汚れも認められなかった。
これに対して、比較例1および2では、いずれも磁性
トナーの結着樹脂が、脂肪族ジオールを含まず芳香族ジ
オールを含む単量体組成物から得られる比較ポリエステ
ル1であるため、低温低湿の環境条件下で多数回にわた
り画像形成プロセスを遂行すると、磁性トナーの摩擦帯
電性が不良となり、現像性、転写性の低下によりカブリ
が多くしかも画像濃度が著しく低下した。
また、感光体表面の早期損傷が著しく発生しそのため
画像アレやクリーニング不良が発生した。
また、定着性が悪いため、3万回後においては熱ロー
ラ定着器の熱ローラの汚れが著しく生じ、そのため複写
画像には熱ローラの汚れに起因する画像汚れが多数発生
した。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、現像領
域における感光体の線速Vpに対する現像剤担持体の線速
Vsの比Vs/Vpの値を0.8〜1.5とし、かつ現像領域に振動
電界を作用させるうえ、特定のポリエステルを結着樹脂
として含有してなる磁性トナーと無機微粒子とを含む一
成分系現像剤を用いて現像を行うので、環境条件によら
ず良好な現像性が多数回にわたり安定に発揮され、しか
も感光体表面の早期損傷を有効に防止できる。
従って、カブリ、画像アレ、画像濃度の低下を伴わず
に多数回にわたり安定に画像を形成するとができる。
また、現像剤担持体上に担持する現像剤層の厚さを現
像領域における最小間隙よりも小さくして当該現像剤層
を感光体に非接触となるような状態で現像領域に供給す
ることにより、ハーフトーンの再現性や解像度の著しい
向上を図ることができる。
また、特定のポリエステルにより磁性トナーが軟質化
されるため、振動電界下において磁性トナー粒子の破壊
が生じにくく、従ってトナー微粉による汚染が回避され
多数回にわたり安定に画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は感光体の具体的構成例を示す説明図、第2図は
画像形成装置の一例を示す説明図、第3図は現像装置の
一例を示す説明図である。 10…感光体、11A…導電性支持体 11B…ブロッキング層 12…アモルファスシリコン感光層 21…コロナ帯電器、22…露光光学系 23…磁気ブラシ現像器、24…静電転写器 25…分離器 26…ブレード式クリーニング器 27…熱ローラ定着器、P…転写材 40…感光体、40A…導電性支持体 40B…感光層、41…現像剤担持体 42…マグネットロール、43…規制ブレード 44…クリーニングブレード 49…振動電界発生器、50…保護抵抗 52…磁気ブラシ、53…現像領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 雅文 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ 株式会社内 (72)発明者 矢島 俊子 東京都八王子市石川町2970番地 コニカ 株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−223469(JP,A) 特開 平1−214874(JP,A) 特開 平1−223468(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像領域において静電潜像担持体上の静電
    潜像を振動電界の存在下で現像剤担持体上に担持された
    一成分系現像剤により現像する工程、熱ローラ定着器に
    より定着する工程、および静電潜像担持体上に残留した
    一成分系現像剤をクリーニングブレードによりクリーニ
    ングする工程を含む画像形成方法において、 現像領域における静電潜像担持体の線速Vpに対する現像
    剤担持体の線速Vsの比Vs/Vpの値が0.8〜1.5であり、 前記静電潜像担持体が、有機感光体またはアモルファス
    シリコン感光体よりなり、 前記一成分系現像剤が、少なくとも磁性トナーとpHが6
    以下の無機微粒子とを有してなり、 当該磁性トナーが、下記成分〜を含む単量体組成物
    を縮重合反応させて得られ、酸価(AV)に対する水酸基
    価(OHV)の比(OHV/AV)の値が1.0〜5.0であるポリエ
    ステルよりなる結着樹脂中に磁性体粒子が分散含有され
    てなることを特徴とする画像形成方法。 成分;芳香族ジカルボン酸 成分;脂肪族ジオール 成分;ベンゼントリカルボン酸、その無水物またはエ
    ステル
  2. 【請求項2】現像剤担持体上に担持された一成分系現像
    剤の高さが、現像領域における静電潜像担持体と現像剤
    担持体との最小間隙よりも小さいことを特徴とする請求
    項1に記載の画像形成方法。
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