JP2728123B2 - スイッチング素子およびその製造方法 - Google Patents

スイッチング素子およびその製造方法

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JP2728123B2 JP7187357A JP18735795A JP2728123B2 JP 2728123 B2 JP2728123 B2 JP 2728123B2 JP 7187357 A JP7187357 A JP 7187357A JP 18735795 A JP18735795 A JP 18735795A JP 2728123 B2 JP2728123 B2 JP 2728123B2
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/701Organic molecular electronic devices

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,電子回路の要素と
なる整流素子および記憶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年,有機分子の機能性を電子デバイス
に応用しようという研究は盛んに行われており,絶縁体
として有機薄膜を用いた,金属・絶縁体・金属(MI
M)構造をもつスイッチング素子がいくつか開発され
た。用いられた有機薄膜の例を挙げると,Cu・TCN
Q(テトラシアノキノジメタン),鉛フタロシアニン,
ポリイミドなどである。現在は,これらの実績を踏まえ
て,有機分子の,自由に物性を設計できるという利点を
活かすため,さらに高機能な電子デバイスを開発する研
究が行われつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで,本発明の技術
的課題は,上記の事情に鑑み,新規な物性を持つように
設計された有機分子を用いて,整流素子としての極性を
自由に逆転させることのできる,全く新しい機能を持つ
スイッチング素子と,このスイッチング素子を情報の記
憶に応用した記憶素子とを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,接点部
に有機分子膜を備えたスイッチング素子において,前記
有機分子膜は,下記化11式又はこの還元形及び化12
式又はこの酸化形で示される特性基を少なくとも1つづ
つ含み,Rは炭素数が1から8の各位に任意の官能基を
有するアルキル基からなることを特徴とするスイッチン
グ素子が得られる。
【0005】
【化11】
【0006】
【化12】 また,本発明によれば,前記スイッチング素子におい
て,前記有機分子は,1,4−ナフトキノン基又はこの
特性基の5,6,7,8位の置換もしくは付加による誘
導体及び2−Rチオ−1,4−ヒドロナフトキノン基又
はこの特性基の5,6,7,8位の置換もしくは付加に
よる誘導体を含むことを特徴とするスイッチング素子が
得られる。
【0007】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子において,前記有機分子は,下記化13式,化14
式,又は化15式で示されるものからなる群の内の少な
くとも一種からなり,R1 は炭素数1から8のアルキル
基又はアリール基でありR=R2 であることを特徴とす
るスイッチング素子が得られる。
【0008】
【化13】
【0009】
【化14】
【0010】
【化15】 また,本発明によれば,前記した内のいずれかのスイッ
チング素子において,前記有機高分子膜が一対の電極に
挟み込まれている構造を有することを特徴とするスイッ
チング素子が得られる。
【0011】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子において,前記一対の電極の内の一方は,当該スイ
ッチング素子の担体となる基板上に成膜された,厚さ1
nm以上の導電膜であることを特徴とするスイッチング
素子が得られる。
【0012】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子に,1〜15Vの電圧を加えて,前記スイッチング
素子の極性を反転することを特徴とするスイッチング素
子の使用方法が得られる。
【0013】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子をメモリーセルとしたことを特徴とする記憶素子が
得られる。
【0014】また,本発明によれば,表面に導電膜から
なる第1の電極を形成した基板を,下記化16式又はこ
の還元形及び化17式又はこの酸化で示される特性基を
少なくとも1つづつ含み,Rは炭素数が1から8の各位
に任意の官能基を有するアルキル基からなる有機分子を
含むアルコール溶液に浸漬し,アルコール溶液で洗浄す
ることを特徴とするスイッチング素子の製造方法が得ら
れる。
【0015】
【化16】
【0016】
【化17】 また,本発明によれば,前記スイッチング素子の製造方
法において,前記有機分子は,1,4−ナフトキノン基
又はこの特性基の5,6,7,8の置換もしくは付加に
よる誘導体及び2−Rチオ−1,4−ヒドロナフトキノ
ン基又はこの特性基の5,6,7,8の置換もしくは付
加による誘導体を含むことを特徴とするスイッチング素
子の製造方法が得られる。
【0017】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子の製造方法において,前記有機分子は,下記化18
式,化19式,又は化20式で示されるものからなる群
の内の少なくとも一種からなり,R1 は炭素数1から8
のアルキル基又はアリール基でありR=R2 であること
を特徴とするスイッチング素子の製造方法が得られる。
【0018】
【化18】
【0019】
【化19】
【0020】
【化20】 また,本発明によれば,前記した内のいずれかのスイッ
チング素子の製造方法において,前記有機分子を含むア
ルコール溶液に浸漬する工程は,前記有機分子を前記導
電膜面に対して垂直に配向させることを含むことを特徴
とするスイッチング素子の製造方法が得られる。
【0021】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子の製造方法において,前記有機分子膜上に,第2の
電極として厚さ1〜1000nmの導電膜をスパッタ法
又は蒸着法によって形成することを特徴とするスイッチ
ング素子の製造方法が得られる。
【0022】また,本発明によれば,前記スイッチング
素子の製造方法において,前記第1及び第2の電極の内
の少なくとも一方は,リソグラフィーにより形成された
微細電極であることを特徴とするスイッチング素子の製
造方法が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0024】図1は本発明の実施の一形態におけるスイ
ッチング素子1を示す断面図である。
【0025】図1に示すように,スイッチング素子1
は,基板2上に形成された下部電極3と,下部電極3を
覆うように形成された単分子膜4と,単分子膜4とこの
単分子膜4の周囲の基板1の表面を覆うように形成され
た上部電極5とを備えている。
【0026】このスイッチング素子1は,下記のように
形成されている。
【0027】まず,洗浄した基板2上に前処理して,ベ
ーキングを行う。この基板2に,スピンナー塗布し,ベ
ーキングを行った後,ネガ型レジスト材料をスピンナー
塗布し,プリベークを行う。続いて,露光,現像,ポス
トベークを行い,レジストパターンを作製した。この基
板1上に,下引き層を真空蒸着法により堆積させ,更に
導電層を同法により蒸着した。この基板2を,洗浄及び
ベーキングを行い,リフトオフにより下部電極3を形成
した。
【0028】この基板を下記化21式(R1 =CH3
2 =CH2 CH2 COOH)の有機分子をアルコール
に溶解した溶液に浸漬し,続いて基板を取り出してアル
コールで洗浄し,乾燥し,下部電極3上単分子膜4を得
た。
【0029】
【化21】 この基板上に,真空蒸着法によってAlを堆積させる。
次に,ポジ型レジスト材料をスピンナー塗布し,露光,
潜像,ポストベークを行う。その後,H3 PO4 ,HN
3 ,CH3 COOH,H2 Oの混合溶液でAlを所望
のパターンにエッチングする。この基板を洗浄して,レ
ジストを剥離し,ベーキングを行って上部電極5を作製
した。
【0030】ここで,下記化22式,化23式,及び化
24式で示される有機分子は,一対の電極に挟んで操作
することにより,整流素子として動作する。
【0031】
【化22】
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】 上記化22式の分子を例として,有機分子の動作を図2
に従って説明する。
【0034】キノン環は還元を受け易く(電子を受けと
り易く),ヒドロキノン環は逆に電子を放出し易い性質
を有している。この性質に着目すると,次のようなメカ
ニズムで分子の電気伝導性は変化する。
【0035】(1)まず,図2(a)に示すようにキノ
ン部側を陰極,ヒドロキノン部側を陽極にして電圧を印
加する。
【0036】(2)次に,図2(b)に示すように,電
位差がある閾値を超えると,キノン部分が1電子還元,
ヒドロキノン部分が1電子酸化されてビラジカルが形成
される。
【0037】(3)このビラジカルは,有機電導体であ
り,ラジカル間でトンネル電流が流れる(導通状態)。
【0038】(4)次に,図2(d)のように電極の極
性を反転した場合は,キノン部分は酸化されにくく,ヒ
ドロキノン部を還元されにくいため,トンネル電流は流
れない。すなわち,この分子は整流作用を持つことにな
る。ここで,(5)図2(b)の導通状態の分子に対し
て,電位差をさらに大きくしていくと,ある値で分子内
でのトンネリングが分子外部からの電子授受に追随し得
ず,図(c)に示すように,キノン部はさらに1電子
還元,ヒドロキノン部はさらに1電子酸化される。
【0039】(6)前記(5)の状態は図2(d)の状
態に対応し,非導通状態になる。
【0040】(7)前記(5)の状態から,上部電極を
陽極,下部電極を陰極として電圧を加えると,(2)乃
至(6)と同様の過程を経て,分子は初期状態へ戻る。
【0041】以上の過程を上部および下部電極と,分子
間に加える電圧によって制御できれば,分子配向の逆転
により,整流素子としての極性を逆転することができ
る。
【0042】また,この極性の方向を1と0に対応させ
ることにより,この整流素子は記憶素子として応用でき
る。この際の読み出しは,例えば上部電極を陰極,基板
電極を陽極とし,次に上部電極を陽極,下部電極を陰極
として低い電位差を加えたときに,どちらの方向に電流
が流れたかを見ることにより行うことが出来る。
【0043】ところで,キノン環とヒドロキノン環との
距離は,長い程環の間のトンネリングが起きにくいため
に分子の導電性が低くなり,同時に極性反転の操作が容
易になる。この2つの性質の組み合わせを必要に応じて
選ぶため,上記化22式及び化23式に示す分子を設計
した。
【0044】ここで,記憶分子各部の機能を説明する。
上記化22式,化23式,及び化24式のR2 は,この
置換基が結合している環の酸化を防ぐ目的で,R2 と同
じ炭素上の水酸基は,分子が初期状態から導通状態,極
性反転状態へ変化する際にヒドロキノン環からキノン環
へのプロトンの移動を助ける目的で導入したものであ
る。置換基−SR2 は,硫黄が金属に対して化学吸着す
る事から導入した吸着官能基であり,金属基板に対し
て,硫黄原子を下端として垂直方向に配向させることを
目的としたものである。
【0045】分子が吸着官能基を持っているために,上
記化22式〜化24式の記憶分子は,適当な溶媒に溶解
し,金属基板をこの溶液に浸漬することで,金属基板に
対して垂直方向に配向して吸着し,基板を取り出して表
面を洗浄する事で,金属基板上に垂直に配向した単分子
膜を与える。
【0046】整流作用を持った有機分子の合成中間体,
1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラキノンは下
記化25式に従って,上記化22式,化23式,及び化
24式の整流作用を持った有機分子は,それぞれ化26
式,化27式,化28式によって合成される(特願平6
−180056)。
【0047】
【化25】
【0048】
【化26】
【0049】
【化27】
【0050】
【化28】 本発明においては,下部電極は有機分子に含まれる硫黄
原子の吸着能を利用する必要性から,金(Au)が最も
適しているが,上部電極は高い伝導性を有するものであ
ればよく,例えばAu,Pt,Ag,Pd,Al,I
n,Sn,Pbなどの金属や,これらの合金といった数
多くの材料の適用が考えられる。
【0051】また,本発明のスイッチング素子におい
て,電極はマスク蒸着あるいはリソグラフィー技術を用
いて形成する。このリソグラフィー技術はリフトオフプ
ロセス,フォトエッチングプロセスなど,従来公知の技
術で十分である。これらの技術により,電極の幅は10
0nm〜1mmの範囲で形成することができる。
【0052】
【実施例】次に,本発明の実施例について説明する。
【0053】(実施例1〜18)以下に示す手順で,前
述した図1に示す断面を持つスイッチング素子1の作製
を行った。
【0054】洗浄したガラス基板2上に前処理として酢
酸ブチルを用いて超音波処理,ベーキングを行う。この
基板2にヘキサメチルジシラザン(HMDS)をスピン
ナー塗布し,ベーキングを行った後,ネガ型レジスト材
料をスピンナー塗布し,プリベークを行う。この時膜厚
は約1μmになるようにした。続いて,露光,現像,ポ
ストベークを行い,所望のレジストパターンを作製し
た。この基板1上に,下引き層としてCrを真空蒸着法
により10nm堆積させ,更にAuを同法により膜厚1
00nmとなるように蒸着した。この基板をアセトン超
音波処理,ジメチルホルムアミド(DMF)超音波処
理,純水洗浄,ベーキングを行い,リフトオフによる幅
10μmの下部電極3を形成した。
【0055】この基板を下記化29式(R1 =CH3
2 =CH2 CH2 COOH)の有機分子0.132g
をエタノール3mlに溶解した溶液に24時間浸漬し,
続いて基板を取り出してエタノールで2回洗浄し,乾燥
し,下部電極3上単分子膜4を得た。
【0056】
【化29】 この基板上に,真空蒸着法によってAlを膜厚100n
mとなるように堆積させる。次にポジ型レジスト材料を
膜厚1.2μmとなるようにスピンナー塗布し,露光,
潜像,ポストベークを行う。その後,H3 PO4 :HN
3 :CH3 COOH:H2 O=16:1:2:1の溶
液でAlを所望のパターンにエッチングする。この基板
をアセトン超音波処理,DMF超音波処理,純水洗浄に
よりレジストを剥離し,ベーキングを行って上部電極5
を作製した。
【0057】以上のようにして作製した試料の上下電極
5,3間に電圧を印加したところ,以下のような特性が
確認された。初期状態では,電位差1V以下では,上部
電極5を陽極,下部電極3を陰極とした場合には高抵
抗,逆の極性では低抵抗であり,この2つの場合の抵抗
の比は103 以上であった。ここで,上部電極5を陰
極,下部電極3を陽極として,2Vの電圧をかけると,
一瞬だけ電流が流れた後に,高抵抗状態となった。この
状態は電位差1V以下では上部電極を陽極,下部電極を
陰極とした場合には低抵抗,逆の極性では高抵抗であ
り,この2つの場合の抵抗の比は103 以上であった。
この状態の整流素子に対して上部電極5を陽極として2
Vの電圧をかけると初期状態に戻った。
【0058】上記と同様な操作により下記表1に示す素
子を作製し,上記と同様な結果を得た。
【0059】
【表1】 (実施例19〜36)実施例1と同様の方法で下部電極
を作製したガラス基板を,化30式(R1 =CH3 ,R
2 =(CH2 2 COOH)の有機分子0.269gを
エタノール5mlに溶解した溶液に24時間浸漬し,基
板を取り出してエタノールで2回洗浄し,乾燥した。こ
の基板上に,実施例1と同様にして膜厚100nmのア
ルミニウムからなる上部電極を作製した。
【0060】
【化30】 以上のようにして作製した試料の上下電極に対して電圧
を印加したところ,以下のような特性が確認された。初
期状態では,電位差0.8V以下では,上部電極を陽
極,下部電極を陰極とした場合には高抵抗,逆の極性で
は低抵抗であり,この2つの場合の抵抗の比は103
上であった。ここで,上部電極を陰極として,1.5V
の電圧をかけると,一瞬だけ電流が流れた後に,高抵抗
状態となった。この状態は電位差0.8V以下では上部
電極を陽極,下部電極を陰極とした場合には低抵抗,逆
の極性では高抵抗であり,この2つの場合の抵抗の比は
103 倍以上であった。この状態の整流素子に対して上
部電極を陽極として1.5Vの電圧をかけると初期状態
に戻った。
【0061】上記と同様の操作により下記表2に示す素
子を作製し,上記と同様な結果を得た。
【0062】
【表2】 (実施例37〜54)実施例1と同様の方法で下部電極
を作製したガラス基板を,下記化31式(R1 =C
3 ,R2 =(CH2 2 COOH)の有機分子0.3
00gをエタノール5mlに溶解した溶液に24時間浸
漬し,基板を取り出してエタノールで2回洗浄し,乾燥
した。
【0063】
【化31】 この基板上に,実施例1と同様にして膜厚100nmの
アルミニウムからなる上部電極を作製した。
【0064】以上のようにして作製した試料の上下電極
に対して電圧を印加したところ,以下のような特性が確
認された。初期状態では,電位差0.6V以下では,上
部電極を陽極,下部電極を陰極とした場合には高抵抗,
逆の極性では低抵抗であり,この2つの場合の抵抗の比
は103 以上であった。ここで,上部電極を陰極とし
て,1Vの電圧をかけると,一瞬だけ電流が流れた後
に,高抵抗状態となった。この状態は電位差0.6V以
下では上部電極を陽極,下部電極を陰極とした場合には
低抵抗,逆の極性では高抵抗であり,この2つの場合の
抵抗の比は103 倍以上であった。この状態の整流素子
に対して上部電極を陽極として1Vの電圧をかけると初
期状態に戻った。
【0065】上記と同様な操作により下記表3に示す素
子を作製し,上記と同様な結果を得た。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明では分子
1個でスイッチング機能を示す有機分子を用い,この分
子の単分子膜を金属電極ではさんだ構成の素子を開発す
ることにより,整流素子としての極性を自由に逆転させ
ることが出来るという,これまでにない特性を持つスイ
ッチング素子を作ることを可能とした。また,リソグラ
フィー技術を用いて,微細な電極で有機分子の単分子膜
をはさんだ構造のスイッチング素子を作製する方法を開
発することにより,このスイッチング素子を大容量の記
憶素子として応用することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るスイッチング素子
の断面図である。
【図2】(a),(b),(c),(d),及び(e)
は整流作用を持つ有機分子の動作を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1 スイッチング素子 2 基板 3 下部電極 4 単分子膜 5 上部電極

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接点部に有機分子膜を備えたスイッチン
    グ素子において,前記有機分子膜は,下記化1式又はこ
    の還元形及び化2式又はこの酸化形で示される特性基を
    少なくとも1つづつ含み,Rは炭素数が1から8の各位
    に任意の官能基を有するアルキル基からなることを特徴
    とするスイッチング素子。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスイッチング素子におい
    て,前記有機分子は,1,4−ナフトキノン基又はこの
    特性基の5,6,7,8位の置換もしくは付加による誘
    導体及び2−Rチオ−1,4−ヒドロナフトキノン基又
    はこの特性基の5,6,7,8位の置換もしくは付加に
    よる誘導体を含むことを特徴とするスイッチング素子。
  3. 【請求項3】 請求項記載のスイッチング素子におい
    て,前記有機分子は,下記化3式,化4式,又は化5式
    で示されるものからなる群の内の少なくとも一種からな
    り,R1 は炭素数1から8のアルキル基又はアリール基
    でありR=R2 であることを特徴とするスイッチング素
    子。 【化3】 【化4】 【化5】
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    スイッチング素子において,前記有機高分子膜が一対の
    電極に挟み込まれている構造を有することを特徴とする
    スイッチング素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のスイッチング素子におい
    て,前記一対の電極の内の一方は,当該スイッチング素
    子の担体となる基板上に成膜された,厚さ1nm以上の
    導電膜であることを特徴とするスイッチング素子。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のスイッチング素子に,1
    〜15Vの電圧を加えて,前記スイッチング素子の極性
    を反転することを特徴とするスイッチング素子の使用方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のスイッチング素子をメモ
    リーセルとしたことを特徴とする記憶素子。
  8. 【請求項8】 表面に導電膜からなる第1の電極を形成
    した基板を,下記化 6式又はこの還元形及び化7式又は
    この酸化で示される特性基を少なくとも1つづつ含み,
    Rは炭素数が1から8の各位に任意の官能基を有するア
    ルキル基からなる有機分子を含むアルコール溶液に浸漬
    し,アルコール溶液で洗浄することを特徴とするスイッ
    チング素子の製造方法。 【化6】 【化7】
  9. 【請求項9】 請求項8記載のスイッチング素子の製造
    方法において,前記有機分子は,1,4−ナフトキノン
    基又はこの特性基の5,6,7,8位の置換もしくは付
    加による誘導体及び2−Rチオ−1,4−ヒドロナフト
    キノン基又はこの特性基の5,6,7,8位の置換もし
    くは付加による誘導体を含むことを特徴とするスイッチ
    ング素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項記載のスイッチング素子の製
    造方法において,前記有機分子は,下記化8式,化9
    式,又は化10式で示されるものからなる群の内の少な
    くとも一種からなり,R1 は炭素数1から8のアルキル
    基又はアリール基でありR=R2 であることを特徴とす
    るスイッチング素子の製造方法。 【化8】 【化9】 【化10】
  11. 【請求項11】 請求項8乃至9の内のいずれかに記載
    のスイッチング素子の製造方法において,前記有機分子
    を含むアルコール溶液に浸漬する工程は,前記有機分子
    を前記導電膜面に対して垂直に配向させることを含むこ
    とを特徴とするスイッチング素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のスイッチング素子の
    製造方法において,前記有機分子膜上に,第2の電極と
    して厚さ1〜1000nmの導電膜をスパッタ法又は蒸
    着法によって形成することを特徴とするスイッチング素
    子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のスイッチング素子の
    製造方法において,前記第1及び第2の電極の内の少な
    くとも一方は,リソグラフィーにより形成された微細電
    極であることを特徴とするスイッチング素子の製造方
    法。
JP7187357A 1995-07-24 1995-07-24 スイッチング素子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2728123B2 (ja)

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