JP2726696B2 - 生体器官拡張器及びカテーテル - Google Patents

生体器官拡張器及びカテーテル

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JP2726696B2 JP1074180A JP7418089A JP2726696B2 JP 2726696 B2 JP2726696 B2 JP 2726696B2 JP 1074180 A JP1074180 A JP 1074180A JP 7418089 A JP7418089 A JP 7418089A JP 2726696 B2 JP2726696 B2 JP 2726696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は、生体器官拡張器及びカテーテルに関し、特
に、血管や気管又は気管支等の器官の狭窄(きょうさ
く)された部分を永続的に拡張するために用いられる生
体器官拡張器及びこれを具備するカテーテルに関する。
ロ.従来技術 従来、狭心症や心筋梗塞の治療などのため、例えば生
体心臓の冠状動脈の狭窄された部分にPTCA(経皮的冠状
動脈再建術)カテーテルと称されるカテーテルを挿入す
ることがある。即ち、冠状動脈の狭窄に伴う病変の処理
として、血栓溶解剤等による処置の他に、PTCAカテーテ
ルによって機械的に狭窄部を拡張する方法がある。
こうしたカテーテルは一般に、先端部にプラスチック
やゴム製バルーンを有し、狭窄部に挿入後にそのバルー
ンを膨らませ、このバルーンの膨張により、狭窄部分を
押圧拡張した後、カテーテルを抜去する外科的処置が行
われている。この方法の処置は比較的容易であるが、効
果に永続性がなく、時間の経過に伴って組織が元に戻っ
て再び狭窄を生じ易い欠点がある。
この欠点を改善する方法として、血管内に形状記憶合
金製筒状体を埋め込む(但し、この埋込まれた筒状体
は、その後に生体組織で被覆される)装置が提案されて
いる。例えば、米国特許第3,868,956号及び特公昭61−6
655号がある。このうち前者は、予め拡張された状態を
記憶させ径を細くした形状記憶合金製筒状体をカテーテ
ルを介して挿入し、電気的方法により加熱し、原形状に
復帰させ、血管を拡張するものである。また後者は、形
状記憶合金板を正常な血管内径に円筒状に成形記憶させ
たものを細径に加工し、カテーテルを介して血管所望位
置に挿入後、レーザ光線或いは高周波誘導加熱の手法に
より加熱し、原形状に復帰させるものである。
しかしながら、前者の装置では、形状記憶合金筒状体
を別の発熱体によって、又は形状記憶合金の電気抵抗を
利用してそれ自体を電気的方法により加熱するため、漏
電のおそれや電気ショックを生ずる危険があり、また装
置も複雑となる。更に後者では、前者の電気加熱方法に
代えて用いられるレーザ光線或いは高周波誘導加熱の装
置は開示されてはいないが、複雑で高価なものとなる。
上述のような血管のほか、気管や気管支に対しても類
似の医療行為が施される。例えば、肺癌等によって気管
支が圧迫されてこれが狭窄した場合呼吸を確保するた
め、気管を声帯よりも肺側で切開してカテーテルを挿入
するか、或いは咽頭を経由して気管内カテーテルを挿入
する。即ち、気管支や気管の狭窄を伴う病変に対する処
置として、これらのカテーテルによって機械的に気道を
確保する方法が一般に採られている。
然し、前者のカテーテルは気管支を切開して挿入する
ため、挿入後には患者は声が出せず、意識のある患者に
とって好ましくない状況にあり、後者のカテーテルは上
記と同様に声が出せないのみならず、異物感が著しく、
患者が覚醒している場合はカテーテルを一週間留置する
のが限度であるという欠点がある。
ハ.発明の背景 そこで、本出願人は、前記方法によらず、操作が容易
でありかつ施術が非常に安全な狭窄部分の拡張方法を実
現できるカテーテルを特願昭62−97437号として既に提
案した。このカテーテルは、先端部に、生体外からの操
作により血管及び/又は体液の流動を任意に阻止する機
能を備えた阻止部(例えばバルーン)と、前記阻止部の
後者でカテーテルに外嵌されて転移温度以上で予め記憶
させた形状に復元する形状記憶合金製筒状体と、前記形
状記憶合金製筒状体部分でカテーテル外周部に加温液を
供給する供給手段とを有することを特徴とするものであ
る。即ち、予め所望の原形状を記憶させ、細径に加工し
た形状記憶合金筒状体を加温された液体により加熱し、
原形状に復帰させるものである。
ところが、上記先願に係るカテーテルについて本発明
者が更に検討した結果、上記の優れた効果を奏するもの
の、なお改善すべき点があることを見出した。
第25図は、上記特願昭62−97437号に記載のカテーテ
ルを使用して冠状動脈の狭窄部に形状記憶合金の線を螺
旋状に巻いて筒状態とした螺旋筒状体(以下、コイルと
呼ぶ。)を挿入し、このコイルの原形復帰作用によって
上記狭窄部を原形状に復帰させようとする状態を示し、
同図(A)はコイルの原形復帰前を、同図(B)はコイ
ルが原形復帰しようとしている状態を示す。
カテーテルに設けられた細孔、その開口を経由して加
温液を冠状動脈13内に送り込み、形状記憶合金のコイル
88をその原形復帰温度(転移温度)以上に昇温させてコ
イル88を拡径し、その周囲の狭窄部14を押拡げようとす
るのであるが、コイル88は拡径時にピッチが変化せず、
従って長さが小さくなる。そのため、コイル88の中央部
の位置が狭窄部14の中央位置から少し外れていると、或
いはコイルの一方の端部が先に血管13に当接したりする
と、コイル88は狭窄部14の全域を拡張することができ
ず、第25図(B)のように狭窄部14の一部(ときには全
部)が狭窄された侭残ってしまうという問題が生じる場
合があった。
ニ.発明の目的 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであっ
て、狭窄部等の処理(特に拡張)その他の補綴を十分に
かつ確実に行え、その再狭窄等を防止でき、かつ操作性
の良好な生体器官拡張器及びこれを用いたカテーテルを
提供することを目的としている。
ホ.発明の構成 第一の発明は、複数のリング状部が互に離間して位置
し、これらリング状部の夫々の周方向を非連結にする自
由端部が前記リング状部に形成され、互に隣合うこれら
リング状部が生体器官拡張器の長手方向に沿う連結部に
よって連結され、少なくとも前記リング状部が形状記憶
合金の線状体からなっている生体器官拡張器に係る。
第二の発明は、生体器官拡張器を装着したカテーテル
において、前記生体器官拡張器の複数のリング状部が互
に離間して位置し、これらリング状部の夫々の周方向を
非連結にする自由端部が前記リング状部に形成され、互
に隣合うこれらリング状部が生体器官拡張器の長手方向
に沿う連結部によって連結され、かつ少なくとも前記リ
ング状部が形状記憶合金の線状体からなっていることを
特徴とするカテーテルに係る。
ヘ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
第1図〜第4図は、本発明のカテーテルの一例を示す
ものである。
この例によるPTCAカテーテル1は、ポリエチレン、塩
化ビニル、シリコーンゴムやポリウレタンエラストマー
等からなるカテーテル本体2を有し、この本体の先端部
には弾性ゴムやプラスチック製のバルーン3が設けら
れ、バルーン3に生理食塩水4を送る(或いは排出す
る)ためのルーメン5が本体の長さ方向に沿って埋設し
て形成されている。また、本体2の中心部には、ガイド
ワイヤ6を通すためのルーメン7が後端から先端にまで
貫通して形成されている。更に、バルーン3の少し後方
位置には、例えばNi−Tiの形状記憶合金線を巻回してな
る生体器官拡張器(以下、単に拡張器と呼ぶ。)8が取
付けられている。そして、このカテーテルは、バルーン
3の部分を除いて、例えばポリウレタンエラストマーか
らなるシース9によって本体2のほぼ全体が覆われてい
て、シース9の後端側には加温液10を注入する導入口11
が分岐して設けられている。
上記において、拡張器8はその合金の転移温度(Af変
態点)以上の温度で、予め記憶させた形状に復元、即ち
拡張する性質がある。こうした形状記憶合金としては、
生体に挿入されるために、転移温度が体温近辺若しくは
それ以上高いもの(特に30℃〜60℃のもの)がよく、こ
のような転移温度は形状記憶合金の合金組成を適切に選
ぶことにより得られる。また、シース9の導入口11から
は、カテーテル本体2とシース9の内面との間を通して
加温液10が筒状体8へと供給されるが、そうした加温液
としては、輸液、生理食塩水などを用いることができ、
また液の温度としては、挿入部で血液や体液と混合して
温度が低下することを考慮し、かつ火傷を生じない程度
の温度が選ばれる。
なお、上記拡張器8は、予め加熱後に所望拡張径とな
るように形状記憶した線を細径に巻き直し、カテーテル
外周に装着したものであるが、拡張器8がカテーテル管
壁に沿って滑動しないように、カテーテルのその部分2a
の外径を小さくしている。勿論、この部分の外形を小さ
くする代わりに、カテーテルにシリコンゴム等で作られ
た環状のストッパを取り付けてもよい。
本例で注目すべきことは、拡張器8は、第6図(B)
に示すように、例えばNi−Ti合金(50原子%Ni)線を環
状に1巻きしてから径に直角の方向に直線状に向け、こ
れを数回(この例では4回)繰返して最後は1巻きの環
状部分を形成し、この状態で400〜500℃に20〜40分間加
熱の形状記憶のための熱処理を施し、次に第6図(A)
のように環状部分を小径に巻き直して成形してあること
である。従って、拡張器8は、複数の環状部8aとこれら
環状部間を連結する複数の直線状連結部8bとからなって
いる。なお、第6図(A)では、環状部8aは同径で接触
するコイル状に巻かれている。
上記のように構成されたカテーテル1は、第11図に示
すように、例えば大腿動脈15から生体心臓12の冠状動脈
13に対し、バルーン3側から差し込まれる(但し、図面
は理解容易のために挿入状態を概略図示したにすぎな
い)。この際、カテーテル本体2はシース9によって所
定部位まで案内されるが、この案内は上記のガイドワイ
ヤ6によって良好になされる。また、この案内のモニタ
は、カテーテル及び拡張器8をX線撮影装置で観察して
行える。
そして、第5図(A)のように血管13の狭窄部14の位
置までカテーテルを挿入した後、第5図(B)のよう
に、生理食塩水等の送入によってバルーン3を膨らませ
て血管内壁に密着させ、血液又は体液の流動を一時停止
させる。この際、前以て第5図(A)のように、拡張器
8はシース9から露出するように、カテーテル本体2を
前方へ移動させる。
次いで、第5図(C)のように、シース9の導入口11
から生理食塩水10を例えば50℃の恒温に調節して送液す
る。加熱された生理食塩水10は、第4図に明示するよう
に導入口11からシース9内(カテーテル本体外周)を通
って拡張器8側へ導出される。導出された生理食塩水は
当***液等と混合して温度は低下するが、次第に温度上
昇し、拡張器8を転移点以上に加熱し、原形状の拡張さ
れた形状(第5図(C)の実線、第4図では仮想線で示
す。)に変化させる。この状態で拡張器8は第6図
(B)の原形状に復帰している。このように、拡張器8
は第6図(A)の形状から同図(B)の形状へ移行する
のであるが、拡張器8は、コイル状ではなく、長手方向
に直線状の連結部8bを有しているので、長手方向の寸法
が実質的に変化しない。従って、第25図で説明したよう
な形状記憶合金のコイル88を使用した場合のようにコイ
ルの長手方向の寸法が小さくなってコイル88が狭窄部14
から部分的に(又は全部が)外れるおそれがなく、第5
図(C)のように拡張器8で狭窄拭14が全域を容易にか
つ確実に拡張することができる。
次に、バルーン3の生理食塩水を抜き、バルーン3を
収縮させ、第5図(D)のようにカテーテルを抜去す
る。こうして、狭窄された部分14を拡張した状態で拡張
器8を血管内に留置し、治療の目的を達成することがで
きる。
拡張器8は、線材を加工してなっているので、全体と
して屈曲性を有する。従って、カテーテル1の先端部を
血管13の狭窄部14の位置迄到達させるに際し、血管の屈
曲部を通るときにこの屈曲に倣って拡張器8が撓むよう
になり、カテーテル挿通が容易になされる。狭窄部が血
管屈曲部にあるときも同様である。
このように、本実施例のカテーテル1によれば、血管
の狭窄部を容易にかつ確実に拡張し、その再狭窄を確実
に防止できると共に、拡張器の変形のための加温液をカ
テーテル本体内部を通してではなく、その外周囲でシー
ス内を通して供給しているために、十分大きな通路を確
保でき、より低温の温度の使用が可能となる。従って、
操作が安全となり、その急速な注入が可能であり、かつ
カテーテル本体自体は細くできる(温液用のルーメンが
不要である)ので、冠状動脈の如き細い血管への挿入が
容易となる。また、拡張器の可撓性及びシースの使用に
よりカテーテルの挿入も容易となり、その挿入操作を確
実に行える。
拡張器8は、第5図(D)の状態で、複数の環状部8a
が連結部8cによって互に離間されているので、血管13の
内周面をここで露出させて内皮組織が生成されるように
し、これによって拡張器8が血管13内に埋め込まれ、長
期間に亘って衛生的に狭窄部の拡張を持続させる効果を
もたらす。
第6図の拡張器は1本の形状記憶合金の線を加工して
成形しているが、形状記憶合金の線を環状に加工したも
の復数個を、直線状の形状記憶合金の線で連結させて拡
張器とすることもできる。第7図及び第8図は、このよ
うに成形した拡張器を示し、いずれも(A)は原形復帰
前の、(B)は原形復帰後の形状を示す。
拡張器18Aは、複数の環状部18Aaの両端が直線状の連
結部18Abで連結されてなっている。拡張器18Bは、複数
の環状部18Baの中央部が直線状の連結部18Bbで連結され
てなっている。拡張器18A、18B共に、各部は形状記憶合
金線からなっていて、例えば熔接によって組立てられ、
原形復帰前では環状部18Aa、18Baは接触する渦巻き状に
なって径を小さくしている。
第9図及び第10図は、夫々他の拡張器を示し、いずれ
も原形復帰後の形状を示している。
第9図の拡張器18Cは、原形で環状部18Ca、18Ca2、18
Ca3、18Ca4、18Ca5の径が小径から順次大径へと変化す
るように成形し、各環状部は連結部18Cbによって連結さ
れている。第10図の拡張器18Dは、原形で小径の環状部1
8Da1と大径の環状部18Da3と両者の間に位置してこれら
の中間の径の環状部18Da2とが、連結部18Dbによって連
結されてなっている。拡張器18C、18D共に、上記以外は
第6図の拡張器8におけると同様である。
第6図〜第8図の拡張器を組付けたカテーテルは、大
腿動脈その他の部分から経皮的に挿入でき閉塞性動脈硬
化症の治療や後述する気管又は気管支の治療等に特に有
効である。第9図、第10図の拡張器を組付けたカテーテ
ルは、例えば血管の分岐部のような血管径が変化する箇
所或いは後述する気管と気管支との接続部の治療に特に
有効である。
第6図〜第10図の拡張器は、環状部8a、18Aa、18Ba、
18Ca1〜18Ca5、18Da1〜18Da3のみを形状記憶合金線で成
形し、連結部8b、18Ab、18Bb、18Cb、18Dbは他の適宜の
材料とすることできる。特に、第7図、第8図の拡張器
18A、18Bにあっては、このようにすることによって材料
費を軽減できる。
カテーテルは、第1図〜第3図の構造のほか、第12図
に拡大平面図で、第13図に拡大断面図で示す構造とする
ことができる。なお、第13図では上下方向を拡大して画
いてある。このカテーテルは、前述のような血管への挿
入のほか、気管や気管支、胆道、食道等の管腔臓器内へ
の挿入をも可能としている。
このカテーテル21は、先端部にバルーン23が設けら
れ、バルーン23に空気24または生理食塩水4を送る(或
いは排出する)ためのルーチン25が本体の長さ方向に沿
って埋設して形成されている。また、本体22の中心部に
は、ガイドワイヤ(図示せず)を通すため及び呼吸を確
保するためのルーチン27が後端から先端にまで貫通して
形成されている。更に形状記憶合金が元の形状に復元す
るための温水注入用ルーメン29がバルーン23の少し後方
から先端にまで本体の長さ方向に沿って埋設して形成さ
れている。本体22には、バルーン23の少し後方位置に、
外径が小さくなる小径部22aが設けられ、小径部22aに形
状記憶合金製拡張器28が取り付けられている。
拡張器28は、第6図の拡張器8と同様の形状を呈して
いて、複数の環状部28aと長手方向の連続部28bとからな
っており、第14図拡大図に示するように、Ni−Ti形状記
憶合金の線28a、28bの方面に可撓性材料からなる被覆層
28cが例えばディッピングにより被着されている。被覆
層28cの材料としては、例えばテフロン等の不活性ポリ
マー、カーディオサン等の抗血栓性ポリマー、ヘパリン
やウロキナーゼ等の薬剤を徐放できるポリマー、さらに
多孔性ポリテトラフルオロエチレンやシリコーン、ポリ
ウレタン、天然ゴム、クロルヒドリンゴム、弗素化ゴム
等の弾性を有するもののほか、ポリエステル織布又は編
布等が使用できる。
第15図(A)〜(E)は、第12図〜第14図のカテーテ
ルを使用して気管支の狭窄部を治療する手順を示し、い
ずれも気管支43のみを断面で示している。
先ず、気管支43の狭窄部44の直前迄カテーテル21を挿
入する。このとき、本体小径部22aの後端段部22bは、拡
張器28が小径部22aから外れて後方に残るのを防ぐスト
ッパとして機能する(第15図(A))。
次に、空気4又は生理食塩水24等でバルーン23を膨ら
ませ、膨らんだバルーン23を狭窄部44で繰返し往復させ
ることによって狭窄部44を拡張させる(第15図
(B))。
次に、カテーテル21を前進させて拡張器28を狭窄部44
内に位置させると共に、空気4又は生理食塩水24を抜い
てバルーン23を収縮させる(第15図(C))。
次に、バルーン23を再び膨らませて気管支43内面に密
着させ、次に注入する温水が肺に向かって流出しないよ
うにする。引続き、温水10を注入して温水流出部29aか
ら拡張器28に供給すると、拡張器28は、形状記憶合金線
28aが転移温度以上に昇温して原形復帰し、拡径して狭
窄部44を拡張させる(第15図(D))。
次に、温水10を温水注入用ルーメン(第13図の29)を
経由して排水し、温水が肺に入らぬようにしておいてか
ら、バルーン23を収縮させ、カテーテル本体22を抜く。
かくして、第15図(E)に示すように、狭窄部44を拡張
した拡張部28が気管支43内に留置され、治療が終了す
る。被覆層28cは可撓性材料からなっているので、拡張
器28が原形復帰するのに支障をきたすことはない。ま
た、被覆層28cは生体に悪影響のない材料としているの
で、安全である。更に被覆層28cを設けることにより、
形状記憶合金素材28aの表面粗さが粗くても差支えがな
くなり、表面仕上げを省略できるので、その製造原価も
低減する。また、留置性をよくするために表面をわざと
凹凸があるようにすることも可撓性材料を用いることで
容易になる。また、血管の治療にあっては、前述した材
料で被覆層28cを形成しているので、上記の安全性に加
えて、血栓発生等が防止される。
第17図は、体温又はそれ以下の転移温度を有し、かつ
転移温度以上で超弾性を示す形状記憶合金の拡張器を組
付けたカテーテルを示す。
超弾性とは、応力の増大が僅かであっても歪が顕著に
増大する現象を指す。第16図は50原子%NiのTi−Ni合金
線の原形復帰状態での引張試験における歪と引張応力と
の関係を示すグラフである。なお、上記原形は直線であ
る。歪の小さい範囲では、フックの法則に従って両者の
関係は直線で示される。歪が所定の値に達した後は、
A、Bのように応力の増大が僅かであっても歪が増大し
ていく。この現象は超弾性と呼ばれ、所定の組成のTi−
Ni合金に所定の熱処理を施したときに見られる現象であ
る。
カテーテル31の本体32には、先端のバルーン33の後端
に接して小径部32aが形成され、バルーン33に空気4
(又は生理食塩水24)を供給するルーメン35が設けられ
ている。また、本体の中心部にはガイドワイヤ(図示せ
ず)を通すため及び呼吸を確保するためルーメン37が本
体の長さ方向にそって埋設して設けられている(別紙参
照)、小径部32aには形状記憶合金の拡張器38が外嵌
し、拡張器38に設けられた10個の小リング38cに固定用
ワイヤ36が挿通されている。また、固定用ワイヤの先端
はリング38cが抜けないように少し径が大きくしてあ
る。
第18図は拡張器38を示し、同図(A)は原形復帰前の
形状を、同図(B)は原形復帰後の形状を示す。拡張器
38は、第12図〜第14図の拡張器28と略同様の構造を有
し、複数の環状部38aと長手方向の連結部38bとが形成さ
れている。そして、各環状部38aの両端に夫々小リング3
8cが対に設けられていて、原形復帰前(第18図(A))
では夫々対の小リング38c、38cが互に重なり合うように
なっていて、第17図の固定用ワイヤ36を挿通可能にして
いる。
第19図(A)〜(E)は、第17図のカテーテルを使用
して気管支の狭窄部を治療する手順を示し、いずれも気
管支43のみを断面で示している。
先ず、気管支43の狭窄部44の直前迄カテーテル31を挿
入する。このとき、拡張器38は、体温によって転移温度
に既に達していて、原形復帰して拡径しようとするので
あるが、小リング38cに挿通された固定用ワイヤ36によ
って原形復帰が妨げられ、第18図(A)の形状を保持し
ている。本体小径部32aの後端段部32bは、拡張器38が挿
通時に小径部32aから外れて後方に残るのを防ぐストッ
パとして機能する(第19図(A))。
次に、空気4又は生理食塩水24等でバルーン33を膨ら
ませ、膨らんだバルーン33を狭窄部44で繰返し往復させ
ることによって狭窄部44を拡張させる(第19図
(B))。
次に、カテーテル31を前進させて拡張器38を狭窄部44
内に位置させると共に、空気4又は生理食塩水24を抜い
てバルーン33を収縮させる(第19図(C))。
次に、バルーン33を再び膨らませて気管支43内面に密
着させ、カテーテル本体32を気管支43に固定させると共
に、固定用ワイヤ36を小リング38Cから抜き取る。この
とき、小径部32aの後端段部32bは、拡張器38がワイヤ36
と共に後方へ移動するのを防止するストッパとして機能
する。ワイヤ36が抜かれると、拡張器38は自由になって
原形復帰し、拡径して狭窄部44を拡張させる(第19図
(D))。
次に、バルーン33を収縮させ、カテーテル本体32を抜
く。かくして、第19図(E)に示すように、狭窄部44を
拡張した拡張器38が気管支43内に留置され、治療が終了
する。
なお、固定用ワイヤ36は、カテーテル31の挿入時にガ
イドワイヤを兼ねて使用することができる。このワイヤ
に超弾性を示す形状記憶合金の直線状線材を使用する
と、気管や血管の曲がっている箇所で容易にこの曲がり
に倣って変形し、直線状の部分では直ちに原形の直線に
戻るようになり、挿通が極めて容易になされてガイドワ
イヤとして頗る便利に使用できる。
第18図の拡張器38は、外方に向かって10個の小リング
38cを設けてあり、従って、治療後にこれらの小リング
が気管支の管壁に食い込むようになる。厚肉の気管や血
管の治療には、上記の食い込みによって拡張器38が管壁
に安定に保持される。後述の第21図の拡張器58も同様で
ある。
第20図の拡張器48では、その内周側に小リング48cを
設け、これら小リングが気管支管壁に食い込まぬように
している。同図(A)は原形復帰前の形状を、同図
(B)は原形復帰後の形状を示す。図中、48aは環状
部、48bは連結部である。その他は第18図の拡張器38と
異なるところはない。
第21図の拡張器58は、各環状部58aの両端と中央部と
で外方に向く3個の小リング58cを設け、各環状部58aを
連結部58bで連結している。第22図の拡張器68は、各環
状部68aの両端と中央部とで内方に向く3個の小リング6
8cを設け、各環状部68aを連結部68bで連結している。第
21図、第22図共に、原形復帰後の形状を示している。拡
張器58、68共に形状記憶の熱処理後に環状部を小径に加
工する際、この加工が容易である。先ず、環状部の一端
の小リングと中央部の小リングとが互に重なるように形
状記憶合金線を曲げ、次に他の一端の小リングを既に重
なり合っている小リングに更に重ねるように形状記憶合
金線を曲げるようにでき、同じ径の小径環状部とするの
が容易である。
第20図の拡張器48、第22図の拡張器68は、内方に向け
て小リング48c、68cが突出しているので、血管狭窄部の
治療に使用すると、治療後、小リング48c、68cが血液の
スムーズな流通を乱し、抗血栓性被覆を施したとしても
血栓発生のおそれが皆無とは言い切れない。これを防止
するには、第23に内部拡大平面図で、第24図に拡大断面
図(第23図のXXIV−XXIV線断面図)で示すように、拡張
器78では、接続部78bが環状部78aと接続する直前の位置
で内側に向けて彎曲する彎曲部を設け、この彎曲部を小
リング支持部78dとし、別個に製造された小リング78cを
支持部78dに揺動可能に支持されるようにしている。血
液が血管13内で矢印で示すように流れることにより、小
リング78cは略血液の流れに沿うように倒れ、血液流通
の乱れが小さくなって血栓発生防止に有効であるように
してもよい。
以上、本発明を例示したが、上述の例は本発明の技術
的思想に基づいて更に変形可能である。
例えば、環状部の形状は円形のほか楕円その他の適宜
の形状として良く、その数も適宜の数として良いし、連
結部は必ずしも同じ線上になくても良い。また、全体の
形状は、長手方向に真直のほか、目的に応じて彎曲した
形状としても良い。形状合金線の形状については、上述
の例の如く原形状へ転移後は元へは戻らぬもの(不可逆
転移)がよいが、その転移形状は種々選択できる。ま
た、使用目的によっては転移が可逆的なものであっても
よい(冷却すると縮小する)。また、形状記憶合金の取
付け位置やそのパターンも上述のものに限定されること
はない。なお、本発明のカテーテルは、上述した血管や
気管又は気管支等の管腔臓器の狭窄部だけでなく、動静
脈瘤のようにこれら器官が薄くなって破れそうになって
いる部位に挿入(即ち補綴)してもよく、その他の部位
に挿入してもよい。
ト.発明の効果 本発明に基く生体器官拡張器は、互に隣合うリング状
部が長手方向に沿う連結部によって連結され、少なくと
も前記リング状部が形状記憶合金の線状体からなってい
るので、原形復帰前後で、前記連結部の存在により長手
方向の寸法変化が実質的になく、リング状部の外径が変
化するだけである。従って、変形時に血管その他の生体
の治療部分に対して生体器官拡張器を正確に位置させて
接触させることができ、治療部分から外れるおそれがな
くて確実な治療がなされる。更に、生体器官拡張器は、
線状体を上記の形状に加工してなっているので全体とし
て可撓性を有しており、カテーテルを生体器官に挿通す
る際、生体器官に屈曲部があっても上記可撓性の故に屈
曲部に倣って変形するようになり、挿通が容易で操作性
が良好である。また、上記屈曲部を治療することも容易
にできる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第24図は本発明の実施例を示すものであって、 第1図はカテーテルの斜視図、 第2図はカテーテル本体の断面図、 第3図はシースの斜視図、 第4図は生体器官拡張器の転移状況を示すカテーテルの
断面図、 第5図(A)、第5図(B)、第5図(C)及び第5図
(D)はカテーテルを血管内に挿入して狭窄部を処置す
る操作を順次示す各要部拡大断面図、 第6図は生体器官拡張器を示し、同図(A)は原形状復
帰前の斜視図、同図(B)は原形状復帰後の斜視図、 第7図は他の例による生体器官拡張器を示し、同図
(A)は原形状復帰前の斜視図、同図(B)は原形状復
帰後の斜視図、 第8図は更に他の例による生体器官拡張器を示し、同図
(A)は原形状復帰前の斜視図、同図(B)は原形状復
帰後の斜視図、 第9図及び第10図は更に他の例による形状記憶合金筒状
体の原形状復帰後の斜視図、 第11図は冠状動脈へのカテーテル挿入時の概略図、 第12図は他の例によるカテーテルの平面図、 第13図は同じく断面図、 第14図は第12図、第13図のカテーテルに使用する生体器
官拡張器の拡大断面図、 第15図(A)、第15図(B)、第15図(C)、第15図
(D)及び第15図(E)はカテーテルを気管支内に挿入
して狭窄部を処置する操作を順時示す各部分断面図、 第16図は形状記憶合金の応力−歪線図、 第17図は更に他の例によるカテーテルの断面図、 第18図は第17図のカテーテルに使用する生体器官拡張器
を示し、同図(A)は原形状復帰前の斜視図、同図
(B)は原形状復帰後の斜視図、 第19図(A)、第19図(B)、第19図(C)、第19図
(D)及び第19図(E)は第17図のカテーテルを気管支
内に挿入して狭窄部を処置する操作を順時示す各部分断
面図、 第20図は更に他の例による生体器官拡張器を示し、同図
(A)は原形状復帰前の斜視図、同図(B)は原形状復
帰後の斜視図、 第21図及び第22図は更に他の例による生体器官拡張器の
原形状復帰後の斜視図、 第23図は更に他の例による生体器官拡張器の血管内使用
状態を示す内部拡大部分平面図、 第24図は第23図のXXIV−XXIV線断面図である。 第25図(A)及び第25図(B)は従来のカテーテルを使
用しての血管内での形状記憶合金コイルの転移状況を示
す拡大断面図である。 なお、図面に示された符号において、 1、21、31……カテーテル 2、22、32……カテーテル本体 3、23、33……バルーン 4……生理食塩水 6……ガイドワイヤ 8、18A、18B、18C、18D、28、38、48、58、68、78……
生体器官拡張器 8a、18Aa、18Ba、18Ca1、18Ca2、18Ca3、18Ca4、18C
a5、28a、38a、48a、58a、68a、78a……環状部 8b、18Ab、18Cb、18Db、28b、38b、48b、58b、68b、78b
……連結部 9……シース 10……加温液 13……冠状動脈(血管) 14、44……狭窄部 28c……被覆層 38c、48c、58c、68c、78c……小リング 43……気管支 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−1296(JP,A) 特開 昭64−17658(JP,A) 特開 昭63−264077(JP,A) 特開 昭63−238872(JP,A) 特開 昭57−89859(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のリング状部が互に離間して位置し、
    これらリング状部の夫々の周方向を非連結にする自由端
    部が前記リング状部に形成され、互に隣合うこれらリン
    グ状部が生体器官拡張器の長手方向に沿う連結部によっ
    て連結され、少なくとも前記リング状部が形状記憶合金
    の線状体からなっている生体器官拡張器。
  2. 【請求項2】形状記憶合金線状体の変形を一時的に阻止
    するための変形阻止手段が設けられている、特許請求の
    範囲第1項に記載の生体器官拡張器。
  3. 【請求項3】生体器官拡張器を装着したカテーテルにお
    いて、前記生体器官拡張器の複数のリング状部が互に離
    間して位置し、これらリング状部の夫々の周方向を非連
    結にする自由端部が前記リング状部に形成され、互に隣
    合うこれらリング状部が生体器官拡張器の長手方向に沿
    う連結部によって連結され、かつ、少なくとも前記リン
    グ状部が形状記憶合金の線状体からなっていることを特
    徴とするカテーテル。
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