JP2726655B2 - 免震装置における鉛ダンパーの製造方法 - Google Patents
免震装置における鉛ダンパーの製造方法Info
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- JP2726655B2 JP2726655B2 JP21194286A JP21194286A JP2726655B2 JP 2726655 B2 JP2726655 B2 JP 2726655B2 JP 21194286 A JP21194286 A JP 21194286A JP 21194286 A JP21194286 A JP 21194286A JP 2726655 B2 JP2726655 B2 JP 2726655B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、鉛塊の両端にそれぞれ鉄製フランジを固着
し、該各鉄製フランジを建築物及び基礎に取付けた構成
の免震装置における鉛ダンパーの製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、地震発生時に地盤から建築物に入力される地震
エネルギーを減少させて、建築物を保護する構造とし
て、鉛ダンパーを減衰機構として用いる免震装置が提案
されている。 この免震装置は、第６図に示すように、下部構造であ
る基礎１の上に、鋼板等の剛性板と天然ゴム等の弾性板
とを交互に積層固着し、かつ大きな鉛直載荷能力と小さ
な水平バネ剛性を有するアイソレータ２が分散配置され
ると共に、このアイソレータ２の上に、上部構造である
建築物３が載置，支持される一方、減衰機構として用い
る鉛ダンパー４が上下の建築物３及び基礎１に固定され
たものである。 上記鉛ダンパー４は、第７図に示すように、杵状の鉛
塊５の上下両端に平板状の鉄製フランジ６が固着された
ものである。そして、この固着方法としては、例えば、
鉄製フランジ６の中央孔に鉛塊５を嵌め込んで、型枠に
溶融した鉛を流し込んで成形し固着している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記従来の固着方法にあっては、地震
力による水平方向の周期振動が加わると、上記鉛塊５と
鉄製フランジ６との接合強度が弱いため、鉛塊５と鉄製
フランジ６とが剥離し易いという問題がある。 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、鉛塊と鉄製フランジとの間の接合力
を高めて、その機械的強度を増大させることができる免
震装置における鉛ダンパーの製造方法を提供することに
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明は、鉄製フランジ
の、鉛塊との接合部に凹凸加工を施した後、該接合部に
鉛溶着処理を行ない、次いで鉛塊を溶接接続するもので
ある。 〔作用〕 本発明の免震装置における鉛ダンパーの製造方法にあ
っては、鉄製フランジの、鉛塊との接合部に形成された
凹凸部に、鉛溶着処理によって、鉛を溶着し、さらに、
鉛塊を嵌め込んで溶接する。 〔実施例〕 以下、第１図ないし第５図に基づいて本発明の実施例
を説明する。 第１図ないし第３図は鉛ダンパーの一例を示すもの
で、第１図は断面図、第２図は斜視図、第３図は接合部
分を示す説明図である。これらの図において、符号10は
平板の中央部に透孔が形成された鉄製フランジであり、
この鉄製フランジ10の内周面及びこの内周面に面なる一
側の端面には、それぞれ矩形状の凹凸部10a,10bが形成
されている。また、上記鉄製フランジ10の外縁部には、
建築物あるいは基礎との固定に使用する取付孔10cが形
成されている。 上記のように構成された鉄製フランジ10の各凹凸部10
a,10bには、ホモゲン法により、第３図に示すように、
鉛溶着層11を形成する。なお、第１図は鉛ダンパーの全
体を示す概略図であるため、前記鉛溶着層11（第３図参
照）は不図示となっている。すなわち、上記各凹凸部10
a,10bを、アルカリ洗浄，酸漬，水洗い等で良くみがい
た後に、融着液を塗布し、あるいは鉛すず合金（はん
だ）めっきし、次いで、鉛を溶着する。 さらに、あらかじめ杆状に形成された鉛塊12の両端段
付部12aを、それぞれ上記鉄製フランジ10の透孔内に嵌
め込んだ後、該鉛塊12と鉄製フランジ10の鉛溶着層11と
の間を溶接接続して、鉄製フランジ10と鉛塊12とを一体
化する。この場合、あらかじめ、鉛塊12の両端縁部に溶
接用の切欠部12bを形成しておくのが望ましい。 このようにして製造された鉛ダンパーにおいては、鉄
製フランジ10と鉛塊12とが円滑にかつ確実に接合され
て、その機械的強度が増大し、水平方向の繰返し荷重に
対する寿命を長くすることができて、鉄製フランジ10と
鉛塊12との間の剥離現象を抑制することができる。 なお、上記実施例においては、鉄製フランジに矩形状
の凹凸部10a,10bを形成して説明したが、凹凸部10a,10b
の形状は、第４図に示すように、蟻ほぞ状、あるいは、
第５図に示すように、三角形状でもよい。なお、第４図
および第５図において、符号11は、第３図と同様に、鉄
製フランジ10の内周面の凹凸部10a,10bに形成した鉛溶
着層を示し、符号12は鉛塊を示している。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、鉄製フランジ
の、鉛塊との接合部に凹凸加工を施した後、該接合部に
鉛溶着処理を行ない、次いで鉛塊を溶接接続するもので
あるから、鉛塊と鉄製フランジとの間の接合力を高める
ことができ、鉛塊と鉄製フランジとの剥離を抑制でき
て、その機械的強度を増大させることができる。従っ
て、免震装置に組み込んだ場合に、水平方向の繰返し荷
重に対する寿命を長くすることができて、免震装置の実
用価値を高める効果がある。
し、該各鉄製フランジを建築物及び基礎に取付けた構成
の免震装置における鉛ダンパーの製造方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、地震発生時に地盤から建築物に入力される地震
エネルギーを減少させて、建築物を保護する構造とし
て、鉛ダンパーを減衰機構として用いる免震装置が提案
されている。 この免震装置は、第６図に示すように、下部構造であ
る基礎１の上に、鋼板等の剛性板と天然ゴム等の弾性板
とを交互に積層固着し、かつ大きな鉛直載荷能力と小さ
な水平バネ剛性を有するアイソレータ２が分散配置され
ると共に、このアイソレータ２の上に、上部構造である
建築物３が載置，支持される一方、減衰機構として用い
る鉛ダンパー４が上下の建築物３及び基礎１に固定され
たものである。 上記鉛ダンパー４は、第７図に示すように、杵状の鉛
塊５の上下両端に平板状の鉄製フランジ６が固着された
ものである。そして、この固着方法としては、例えば、
鉄製フランジ６の中央孔に鉛塊５を嵌め込んで、型枠に
溶融した鉛を流し込んで成形し固着している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記従来の固着方法にあっては、地震
力による水平方向の周期振動が加わると、上記鉛塊５と
鉄製フランジ６との接合強度が弱いため、鉛塊５と鉄製
フランジ６とが剥離し易いという問題がある。 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、鉛塊と鉄製フランジとの間の接合力
を高めて、その機械的強度を増大させることができる免
震装置における鉛ダンパーの製造方法を提供することに
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明は、鉄製フランジ
の、鉛塊との接合部に凹凸加工を施した後、該接合部に
鉛溶着処理を行ない、次いで鉛塊を溶接接続するもので
ある。 〔作用〕 本発明の免震装置における鉛ダンパーの製造方法にあ
っては、鉄製フランジの、鉛塊との接合部に形成された
凹凸部に、鉛溶着処理によって、鉛を溶着し、さらに、
鉛塊を嵌め込んで溶接する。 〔実施例〕 以下、第１図ないし第５図に基づいて本発明の実施例
を説明する。 第１図ないし第３図は鉛ダンパーの一例を示すもの
で、第１図は断面図、第２図は斜視図、第３図は接合部
分を示す説明図である。これらの図において、符号10は
平板の中央部に透孔が形成された鉄製フランジであり、
この鉄製フランジ10の内周面及びこの内周面に面なる一
側の端面には、それぞれ矩形状の凹凸部10a,10bが形成
されている。また、上記鉄製フランジ10の外縁部には、
建築物あるいは基礎との固定に使用する取付孔10cが形
成されている。 上記のように構成された鉄製フランジ10の各凹凸部10
a,10bには、ホモゲン法により、第３図に示すように、
鉛溶着層11を形成する。なお、第１図は鉛ダンパーの全
体を示す概略図であるため、前記鉛溶着層11（第３図参
照）は不図示となっている。すなわち、上記各凹凸部10
a,10bを、アルカリ洗浄，酸漬，水洗い等で良くみがい
た後に、融着液を塗布し、あるいは鉛すず合金（はん
だ）めっきし、次いで、鉛を溶着する。 さらに、あらかじめ杆状に形成された鉛塊12の両端段
付部12aを、それぞれ上記鉄製フランジ10の透孔内に嵌
め込んだ後、該鉛塊12と鉄製フランジ10の鉛溶着層11と
の間を溶接接続して、鉄製フランジ10と鉛塊12とを一体
化する。この場合、あらかじめ、鉛塊12の両端縁部に溶
接用の切欠部12bを形成しておくのが望ましい。 このようにして製造された鉛ダンパーにおいては、鉄
製フランジ10と鉛塊12とが円滑にかつ確実に接合され
て、その機械的強度が増大し、水平方向の繰返し荷重に
対する寿命を長くすることができて、鉄製フランジ10と
鉛塊12との間の剥離現象を抑制することができる。 なお、上記実施例においては、鉄製フランジに矩形状
の凹凸部10a,10bを形成して説明したが、凹凸部10a,10b
の形状は、第４図に示すように、蟻ほぞ状、あるいは、
第５図に示すように、三角形状でもよい。なお、第４図
および第５図において、符号11は、第３図と同様に、鉄
製フランジ10の内周面の凹凸部10a,10bに形成した鉛溶
着層を示し、符号12は鉛塊を示している。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、鉄製フランジ
の、鉛塊との接合部に凹凸加工を施した後、該接合部に
鉛溶着処理を行ない、次いで鉛塊を溶接接続するもので
あるから、鉛塊と鉄製フランジとの間の接合力を高める
ことができ、鉛塊と鉄製フランジとの剥離を抑制でき
て、その機械的強度を増大させることができる。従っ
て、免震装置に組み込んだ場合に、水平方向の繰返し荷
重に対する寿命を長くすることができて、免震装置の実
用価値を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
第１図ないし第３図は本発明の一実施例を示すもので、
第１図は断面図、第２図は斜視図、第３図は鉄フランジ
に鉛塊を嵌め込んだ場合の断面図、第４図は接合部の他
の一例を示す断面図、第５図は接合部の別の一例を示す
断面図、第６図は従来の免震装置を示す説明図、第７図
は従来の鉛ダンパーを示す断面図である。 10…鉄製フランジ、11…鉛溶着層、12…鉛塊、10a,10b
…凹凸部。
第１図は断面図、第２図は斜視図、第３図は鉄フランジ
に鉛塊を嵌め込んだ場合の断面図、第４図は接合部の他
の一例を示す断面図、第５図は接合部の別の一例を示す
断面図、第６図は従来の免震装置を示す説明図、第７図
は従来の鉛ダンパーを示す断面図である。 10…鉄製フランジ、11…鉛溶着層、12…鉛塊、10a,10b
…凹凸部。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所
Ｅ０４Ｈ 9/02 ３３１ Ｅ０４Ｈ 9/02 ３３１Ｚ
Ｆ１６Ｆ 15/02 8919−3Ｊ Ｆ１６Ｆ 15/02 Ｍ
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 １．鉛塊の両端にそれぞれ鉄製フランジを固着し、該各
鉄製フランジを建築物及び基礎に取付けてなる免震装置
における鉛ダンパーの製造方法において、上記鉄製フラ
ンジの、上記鉛塊との接合部に凹凸加工を施した後、該
接合部に鉛溶着処理を行ない、次いで鉛塊を溶接接続す
ることを特徴とする免震装置における鉛ダンパーの製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21194286A JP2726655B2 (ja) | 1986-09-09 | 1986-09-09 | 免震装置における鉛ダンパーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21194286A JP2726655B2 (ja) | 1986-09-09 | 1986-09-09 | 免震装置における鉛ダンパーの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6368272A JPS6368272A (ja) | 1988-03-28 |
| JP2726655B2 true JP2726655B2 (ja) | 1998-03-11 |
Family
ID=16614242
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21194286A Expired - Fee Related JP2726655B2 (ja) | 1986-09-09 | 1986-09-09 | 免震装置における鉛ダンパーの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2726655B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2658164B2 (ja) * | 1988-04-20 | 1997-09-30 | 鹿島建設株式会社 | 弾塑性ダンパー |
| JPH0635767B2 (ja) * | 1988-04-27 | 1994-05-11 | 株式会社フジタ | 建造物の制振装置 |
| JPH02132106U (ja) * | 1989-04-10 | 1990-11-02 | ||
| JPH07332419A (ja) * | 1995-06-14 | 1995-12-22 | Kajima Corp | 弾塑性ダンパーの製法 |
| JP2006009878A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 制振装置 |
-
1986
- 1986-09-09 JP JP21194286A patent/JP2726655B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6368272A (ja) | 1988-03-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |