JP2725856B2 - 車両の液空圧式懸架ジャッキ - Google Patents

車両の液空圧式懸架ジャッキ

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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、車輪の支持腕に枢架されたシリンダと、こ
のシリンダ内で滑動する、好適には膜を備える液空圧ア
キユムレータに結合する軸方向ボアを備えたロツドを有
する、車両の構造体に枢架されたピストンとで構成され
る型式の自動車車両の液空圧式懸架ジヤツキに関する。
［従来の技術］ 上記のような型式の懸架ジヤツキは一般的にエラスト
マ又は液圧式の進入及び後退のストツパを備え、これに
よつてピストンの往復運動の両方向の行程終端部の動き
を制動する。
本出願人の特許出願第87.17520号において既に、ピス
トン往復運動の行程終端部において液の流れを徐々に絞
る装備を備えた液圧式進入ストツパと後退ストツパが提
示されている。これらストツパは、進入行程又は後退行
程が行われた後でピストンが、ストツパからの抵抗力を
受けることなしに、その中位位置へ迅速に復帰できるよ
うに設計されなければならない。そのようなストツパを
実現するためには非常に複雑な技術が必要である。
［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、ピストンの進入行程の終端部でピス
トンの動きを徐々に制動し、そしてピストンの中位位置
への復帰のとき抵抗力を加えないような、特に簡単な液
圧式進入ストツパを備えた液空圧式懸架ジヤツキを提供
することである。
［課題を解決するための手段］ 上記目的を達するため本発明の懸架ジヤツキは、その
液圧式進入ストツパがシリンダ底部に固定のニードルを
備え、そしてピストン下部に設けた室の中に閉込められ
た浮動弁が該ニードル上に係合することによつて、アキ
ユムレータの方へ行く液の流れを徐々に絞つていくこと
を特徴とする。
本発明の他の特徴によれば、浮動弁が、その室内で動
くことにより再上昇するピストンに抵抗力を加えないよ
うにする装備を備える。
本発明の更に他の特徴によれば、ピストンがこれの下
部に、軸方向孔によつてロツドのボアと連絡される軸方
向ボアを備え、このボアは上部がピストンの肩部で限定
され、又その中に浮動弁を収容し、そしてそのボア内で
浮動弁が、ボアの側壁に係合した止めリングと上記肩部
との間で往復運動出来るようにされている。
好適には浮動弁は、周縁部の複数個のノツチと１個の
中心孔とを有する環状デイスクで構成され、そしてこの
デイスクの心出しがピストンの上記ボアの側壁によつて
行われるようにデイスクの外径かボアの内径に近いもの
とされる。又、浮動弁はこれの上面の該中心孔と周縁部
ノツチとの間の個所に、ピストンの肩部に対して緘封状
態で当たる環状突起を備える。
添付図面を参照に以下に続ける実施例の説明から本発
明のそれらの及びその他の特徴と長所が更に明らかにな
ろう。
［実施例］ 第１図に示されるように本発明の懸架ジヤツキ１はシ
リンダ２を備え、そして保護壁３がそのシリンダを包囲
し、これとの間に環状室４を画成する。
シリンダ２の中を、下部ベアリング6aとピストンロツ
ド７とで構成されるピストン６が、セグメント５によつ
て緘封状態にされて滑動する。ロツド７は、シリンダ２
に固定された上部ベアリング８内を滑動する。
上部ベアリング８はＯリングシール９により緘封され
てシリンダ２上に装架され、そしてその上部ベアリング
８とピストン６のロツド７との間の緘封は傾斜シール10
と油受けシール11とによつて行われる。上部ベアリング
８を通過して漏洩した液はベアリング８の開口12を通つ
て環状室４へ入り、ここから槽（図示せず）へ戻つてい
く。シリンダ２の保護壁３に被さるように弾性ストツパ
13が備えられる。
ピストン６はシリンダ２内を、ロツド７が入る隔室14
と、反対側の第２隔室15とに分ける。
ピストン６のベアリング6aはネジ条16でロツド７に螺
着される。このロツドは軸方向ボア17を備え、このボア
は液圧ダンパ18aを介して液空圧アキユムレータ18に液
圧接続する。ボア17は横孔19によつて隔室14と、そして
ピストン６のベアリング6aの軸方向孔20によつて隔室15
と連絡する。
ピストン６のロツド７はナツト21aによつて弾性支持2
1bに固定され、そしてこの支持21bは液空圧アキユムレ
ータ18と車両の車体21とに固定される。シリンダ２とそ
の保護壁３とは図示しないが周知の様式で車輪のピボツ
ト上に固定装架される。
ピストン６はロツド７の反対側に（第２図及び第３
図）円筒形ボア23で構成される室22を備える。この室22
は上部が肩部24で限定され、そして隔室15の側は開かれ
ている。又、孔20によつてピストンロツドの軸方向ボア
17と液圧結合する。
室22内で浮動弁25が、ボア23の側壁に係合した止めリ
ング26と肩部24との間で往復運動できる。浮動弁25はボ
ア23の側壁によつて心出しされる環状デイスクで構成さ
れる。このデイスク25は周縁部の複数個のノツチ27と１
つの軸方向中心孔28とを備え、この中心孔28はピストン
の孔20より小さい直径とされ、そしてこのピストン孔20
の直径はノツチ27の基底部の直径より小さくされる。
浮動弁25はこれの上面の中心孔28とノツチ27との間の
個所に環状突起25aを備え、この環状突起はピストンの
肩部24に対して緘封状態で当たるようにされている。
そこで浮動弁25が肩部24に当たると、隔室15とボア17
との間で液は孔28を通してのみ流れる。そして浮動弁25
が中間位置あるいは止めリング26に当たる位置になる
と、液はノツチ27と孔28とを通して流れることができ
る。
シリンダ２の底部に、進入行程の終端部において所望
の制動法則に適したプロフイルを有する回転体のニード
ル29が固定される。このニードル29はその使用部分の最
大直径がピストンの孔20より小さくされ、そして隔室15
からアキユムレータ18の方へ流れる液の流れを絞れるよ
うに浮動弁25の孔28内に係合できるようにされている。
こうしてニードル29は進入ストツパを構成する。
ピストン６が進入行程においてシリンダ２内へ進入し
ていくと、浮動弁25が肩部24に対して当たり、そこで液
は隔室15からアキユムレータ18の方へ孔28だけを通つて
流れる。進入行程の終端部で孔28がニードル29に係合す
ると、液流は絞られ、そこでピストンの進入行程は制動
される。弾性ストツパ13がその進入行程を終らせる。
進入行程が終つてピストンが中位位置の方へ戻つてい
くと、浮動弁25は肩部から離れ、そこで隔室14の液が孔
19、孔20、及びノツチ27を通つて隔室15へ流れる。この
とき浮動弁25は止めリング26に当たつている。
ジヤツキ１は、その液圧式進入ストツパの他に、２つ
のストツパ支持31と32との間に設けられる周知の型式の
エラストマ後退ストツパ30を備える。車両が方向転換を
する過程で後退ストツパ30が圧縮され又シリンダ２がピ
ストン６に対して枢動するとき、支持31と32はベアリン
グ6aと８上で滑動するので後退ストツパ30が捩られるこ
とはない。
［発明の効果］ ここに記述してきたような液圧式進入ストツパを備え
る本発明の懸架ジヤツキは、ピストンの進入行程の後、
液圧抵抗力なしに中位位置へ復帰することを非常に簡単
に解決する。ニードルの単純な形状はそのプロフイル
を、進入行程終端部に適した制動法則に従つたものに容
易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明による懸架ジヤツキの断面図、第２図は
ピストン進入行程の終端部における懸架ジヤツキの一部
分の断面図、第３図はピストン再上昇時の懸架ジヤツキ
の一部分の断面図である。 １……懸架ジヤツキ、２……シリンダ、３……保護壁、
６……ピストン、７……ロツド、13……弾性ストツパ、
14,15……隔室、17……ボア、18……アキユムレータ、2
1……車体、22……室、25……浮動弁、25a……突起、26
……止めリング、27……ノツチ、28……孔、29……ニー
ドル、30……後退ストツパ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】車輪の支持腕に枢架されたシリンダ、該シ
    リンダ内で滑動するピストンであって、車両の構造体に
    枢架されかつ液空圧アキュムレータに連通する軸方向ボ
    アを有するロッドを備えたピストン、前記シリンダ内部
    に取り付けられた液圧式進入ストッパ手段を包含する自
    動車車両の懸架ジヤツキにおいて、 前記液圧進入ストッパ手段が、前記シリンダに固定され
    たニードルと、前記ピストンの下部に設けた室内に保持
    された浮動弁とを包含し、該浮動弁が軸方向孔を有し、
    前記浮動弁の軸方向孔と前記スピンドルとが協動作用し
    て、前記ピストンが前記シリンダ内への内方向行程の終
    端部に近づくにつれて、前記アキュムレータへの液の流
    れを徐々に絞ることを特徴とする自動車車両の懸架ジヤ
    ツキ。
  2. 【請求項２】前記ピストンがその下部に備えた軸方向ボ
    アに前記ピストンロッドのボアを連通する軸方向孔を有
    し、前記軸方向ボアがその上部において肩部を有する下
    向きに開いたボアからなり、そして前記浮動弁が前記ボ
    ア内に前記肩部から離隔した止めリングによって保持さ
    れ、前記浮動弁が前記肩部と前記止めリングとの間で往
    復運動することができることを特徴とする請求項１に記
    載の自動車車両の懸架ジヤツキ。
  3. 【請求項３】前記浮動弁が周縁部の複数個のノッチおよ
    び１個の中心孔を有する環状ディスクを包含し、該ディ
    スクが前記ピストンの前記ボアの側壁によって中心に位
    置するよう維持されることを特徴とする請求項２に記載
    の自動車車両の懸架ジヤツキ。
  4. 【請求項４】前記浮動弁が、前記中心孔と前記周縁部の
    ノツチとの間の箇所に、前記ピストンの肩部に対して係
    合するためのその上面の環状突起を包含することを特徴
    とする請求項３に記載の自動車車両の懸架ジヤツキ。
  5. 【請求項５】前記ニードルが前記アキュムレータに向か
    う液の流れを絞るための回転体を包含し、前記ニードル
    がその作動部分において前記ピストンにおける前記軸方
    向孔の直径よりも小さい最大直径を有することを特徴と
    する請求項４に記載の自動車車両の懸架ジヤツキ。
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