JP2723060B2 - 液晶光学素子 - Google Patents

液晶光学素子

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JP2723060B2 JP6309367A JP30936794A JP2723060B2 JP 2723060 B2 JP2723060 B2 JP 2723060B2 JP 6309367 A JP6309367 A JP 6309367A JP 30936794 A JP30936794 A JP 30936794A JP 2723060 B2 JP2723060 B2 JP 2723060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字、図形等を表示す
る表示装置、入射光の透過・散乱または透過・遮断を制
御する調光窓、光シャッター等に利用される液晶光学素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いた表示素子は、従来、ネマチ
ック液晶を使用したTN型や、STN型のものが実用化
されている。また近年、強誘電液晶や反強誘電液晶の開
発も行われている。しかしこれらの素子は偏光板を要す
るため、明るさ、コントラストにおいて制限を受けると
いう欠点を有している。
【0003】一方、特公平3−52843号公報に開示
された、液晶をカプセル化し、高分子樹脂中に分散する
方法では、偏光板を要しないため光の利用効率が高いと
いう利点を有している。このPDLCまたはNCAPと
呼ばれる液晶光学素子においては、カプセル内の液晶の
屈折率が電界の有無によって変化することを利用してい
る。つまり高分子樹脂の屈折率を電圧印加時の液晶の屈
折率と等しく設定することにより電圧印加時では光を透
過し透明となり、電圧を除いた時には光を散乱し不透明
となる光学素子が得られる。しかしながら上記液晶光学
素子は、高分子樹脂と液晶との屈折率差を利用している
ため、光透過率の温度依存性が大きい、光透過率の視野
角依存性が大きい等の問題があった。
【0004】これに対し、国際出願92/19695号
公報に開示されたカイラルネマチック液晶中に微量の高
分子樹脂を分散する方法では、電界無印加時に液晶相は
プレナーテクスチャーを形成し素子は透明となり、電圧
印加時にフォーカルコニックテクスチャーを形成し不透
明となる液晶光学素子が得られている。一般にPSCT
と呼ばれるこの液晶光学素子は、カイラルネマチック液
晶の相変化による光の透過散乱現象を利用しており、液
晶と高分子樹脂との屈折率差を利用するもではない。こ
のため、光透過率の温度依存性が小さく、また、光透過
率の視野角依存性も小さいという利点を有している。さ
らにカイラルピッチの調整により、選択反射も可能とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記国際出願92/1
9695号公報において、高分子樹脂前駆体としては
4,4′−ビスアクリロイルビフェニルが例示されてい
る。しかしながら、上記開示技術の液晶光学素子は、駆
動電圧が14V以上と高く、薄膜トランジスタ(TF
T)等で駆動することが出来ないという問題点があっ
た。また上記開示技術による素子はヒステリシスが大き
く、階調表示が出来ないという問題もあった。さらに、
電圧無印加時の光透過率(最大光透過率)を電圧印加時
の光透過率(最小光透過率)で割った値であるコントラ
ストが20程度と小さく、鮮明な画像表示が出来ないと
いう問題もあった。
【0006】特開平5−224187号公報では、上記
液晶光学素子の特性の改善が提案されており、高分子樹
脂前駆体として4,4′−ジアクリロイルオキシ3,
3′,5,5′−テトラメチルビフェニルが例示されて
いる。しかしながら、この液晶光学素子も駆動電圧が約
10Vと高く、またヒステリシスも0.8Vと大きく、
十分なものとは言えない。これらの2つの開示技術は、
いずれも高分子前駆体としてビフェニル骨格を有してい
る化合物を使用している。
【0007】
【課題を解決するための手段】一般に、駆動電圧やヒス
テリシス、コントラスト等の電気光学特性は、高分子樹
脂とカイラルネマチック液晶との相互作用が大きく影響
していることが知られているが、その相互作用を化学構
造から予想することはできていない。
【0008】本発明者らは、前述の課題を解決するため
に鋭意研究した結果、(メタ)アクリロイル系化合物を
含む高分子前駆体を重合させた化合物を、上記した相変
化型の液晶光学素子のカイラルネマチック液晶またはコ
レステリック液晶中に分散する高分子樹脂として使用す
ることにより、低電圧駆動が可能であり、ヒステリシス
特性の優れた液晶素子が得られることを見出した。
【0009】つまり本発明は、電極層が付いた少なくと
も一方が透明な2枚の基板間にカイラルネマチック液晶
またはコレステリック液晶と高分子樹脂とからなる調光
層を挟持した液晶光学素子において、前記高分子樹脂
が、一般式(I)で表される(メタ)アクリロイル系化
合物を含む高分子前駆体を重合させた化合物であること
を特徴とする。なお本発明中の(メタ)アクリロイル系
化合物とは、アクリロイル系化合物およびメタクリロイ
ル系化合物を示す。
【0010】
【化2】
【0011】なお、特開昭58−109481号公報、
特開昭61−73792号公報に本発明の化合物と類似
のジオキサン化合物を有する液晶化合物およびそれを用
いた液晶表示素子が開示されているが、これらの化合物
は液晶キラル化合物や液晶組成物として使用されている
のであって、高分子前駆体である本発明中のジオキサン
基又はジオキソラン基を有する(メタ)アクリロイル系
化合物とは、分子構造、使用法など全く異なっている。
【0012】本発明の液晶光学素子の調光層に用いられ
る高分子樹脂は、前記した相変化型の液晶光学素子のカ
イラルネマチック液晶中に分散する高分子樹脂としての
み限定利用することはなく、例えば前記従来の技術で挙
げたPDLCまたはNCAPと呼ばれる液晶光学素子に
使用される高分子樹脂にも利用することができる。
【0013】本発明の液晶光学素子の調光層に用いられ
る高分子樹脂は一般式(I)で表される(メタ)アクリ
ロイル系化合物の一種類のみを単独で重合させて得たも
のでも良いし、一般式(I)中の二種類以上の(メタ)
アクリロイル系化合物の共重合体や、他の化学式で表さ
れる一種類以上の高分子前駆体との共重合体であっても
構わない。他の重合性の高分子前駆体としては、アクリ
ロイル基、ビニル基等の通常の重合性基を有する高分子
前駆体であればいずれも使用できる。また重合性基は、
高分子前駆体一分子中に複数あっても構わない。
【0014】本発明の一般式(I)で表される(メタ)
アクリロイル系化合物と共重合できる重合性基を有する
高分子前駆体としては、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリ
レート、2−シアノエチルアクリレート、ベンジルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジシクロ
ペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソボニル
アクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアク
リレート、モルホリンアクリレート、フェノキシエチル
アクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリ
レート、、イソアミルアクリレート、テトラフルオロフ
ルフリルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エ
チルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル
アクリレート等の単官能アクリレート化合物、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ブチルエチルメタクリレー
ト、ブトキシエチルメタクリレート、2−シアノエチル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−エトキシエチルアクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタ
クリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタク
リレート、イソボニルメタクリレート、イソデシルメタ
クリレート、ラウリルメタクリレート、モルホリンメタ
クリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノ
キシジエチレングリコールメタクリレート、2,2,2
−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−
(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート、2−
(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、2−
(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、等の単
官能メタクリレート化合物、ジチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ジシクロ
ペンタニルジアクリレートグリセロールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリ
コールジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
モノヒドロキシペンタアクリレート、ウレタンアクリレ
ートオリゴマー、4,4′−ジアクリロイルオキシスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジエチルスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジプロピルス
チルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジブチルス
チルベン、4,4−ジアクリロイルオキシフルオロスチ
ルベン、4,4′−ジアクリロイルオキシジクロロスチ
ルベン、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ1,
5−ペンタンジオールジアクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5,−オクタフルオロ1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート等の多官能アクリレート化合
物、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメタ
クリレートグリセロールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリメチロ
ールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトール
モノヒドロキシペンタメタクリレート、ウレタンメタク
リレートオリゴマー、4,4′−ジメタクリロイルオキ
シスチルベン、4,4′−ジメタクリロイルオキシジエ
チルスチルベン、4,4′−ジメタクリロイルオキシジ
プロピルスチルベン、4,4′−ジメタクリロイルオキ
シジブチルスチルベン、4,4−ジメタクリロイルオキ
シフルオロスチルベン、4,4′−ジメタクリロイルオ
キシジクロロスチルベン、2,2,3,3,4,4−ヘ
キサフルオロ1,5−ペンタンジオールジメタクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5,−オクタフルオ
ロ1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等の多官
能メタクリレート化合物、スチレン、アミノスチレン、
酢酸ビニル、等があるがこれに限定されるものではな
い。
【0015】高分子樹脂は、0.5重量%以上8.0重
量%以下含有されていることが望ましい。少なすぎると
フォーカルコニックテクスチャーを保持するいわゆるメ
モリー現象が発現し、多すぎると駆動電圧が上昇しかつ
電圧無印加時の透過率が低下を引き起こす。
【0016】高分子前駆体の重合方法としては、光重合
法、加熱重合法等が挙げられるが、光重合法が好まし
い。
【0017】高分子前駆体の光重合法に用いられる光源
としては電子線や紫外線を用いることができる。紫外線
による光重合を行う際には反応促進のために光重合開始
剤を添加することが望ましい。その光重合開始剤として
は、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−
イソプロピルフェニル−)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2
−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−
モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系、ベンゾ
インメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息
香酸、4−フェニルベンゾフェノン、3,3−ジメチル
−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチ
ルチオキサンソン等のチオキサンソン系、ジアゾニウム
塩系、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、セレニウ
ム塩系等の通常の光重合開始剤が使用できる。開始剤は
固体でも液体でも構わないが素子の均一性の点から液晶
中に溶解または相溶するものが望ましい。開始剤濃度は
高分子樹脂前駆体の30重量%以下が好ましい。また必
要の応じてメチルジエタノールアミン、4−ジメチルア
ミノ安息香酸等の光開始助剤を添加しても構わない。
【0018】本発明の液晶光学素子に使用される液晶材
料としては、ネマチック液晶のほか、ネマチック液晶中
にカイラル剤を混合したカイラルネマチック液晶が使用
されるが、これと類似の特性を有している通常のコレス
テリック液晶も使用することができる。
【0019】ネマチック液晶としては、シアノ系、フッ
素系、塩素系等のいずれの液晶でも使用することができ
るが、高電荷保持率、高△nの液晶が望ましく、特に塩
素系液晶が有効である。またカイラル剤も、特に制限は
無いが、液晶と相溶することが望ましい。
【0020】ネマチック液晶とカイラル剤の混合比は、
目的とするカイラルピッチにより決定される。カイラル
ネマチック液晶のカイラルピッチは、光透過型として使
用する場合は、素子の駆動電圧とコントラストの関係よ
り1.0μm 以上5.0μm以下が望ましい。また、選
択反射型として使用する場合は0.25μm 以上1.0
μm 以下が望ましい。
【0021】本発明に用いられる基板の材質は、ガラ
ス、プラスチック、金属等が使用できる。またカラーフ
ィルターを有する基板を用いたり、顔料や色素等を基板
中に分散させることによって、カラー化することができ
る。
【0022】基板は電極層が調光層側になるように設置
する。
【0023】電極層としてはITO等の材質のものが利
用できるが、使用する基板自身が導電性を有している場
合は、基板を電極としても利用することもできる。電極
層は調光層と密着した状態で設置する。
【0024】これらの電極層付き基板は液晶が配向する
ように処理されていないものでもよいが、処理されてい
ることが望ましい。この際、2枚の基板ともホモジニア
ス配向であっても良いし、一方がホモジニアス配向で、
もう一方がホメオトロピック配向である、いわゆるハイ
ブリッドであっても構わない。この配向処理には、TN
液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の
配向膜が利用できる。またラビング処理することが望ま
しい。
【0025】基板の間隔設定には、通常の液晶デバイス
に用いられるガラスまたは高分子樹脂等から成るロッド
状、球状のスペーサーを使用することができ、その間隔
は3μm 〜30μm 程度が望ましい。
【0026】本発明の液晶光学素子は、ギャップの定ま
った基板間に、カイラルネマチック液晶および単量体の
混合物を挟持した後、光を照射して製造することができ
る。この際、混合物の注入は、減圧下でも常圧下でも構
わない。また必要であれば、加温を行っても構わない。
【0027】本発明の液晶光学素子は、調光層を電極層
を有する2枚の透明な基板間に挟持した構造である光透
過型のみならず一方の基板が不透明な光反射型にも適応
できる。例えば調光層を電極層を有する透明な基板と電
極層を有する光反射板間に挟持した素子構造、電極層を
有する透明な基板と電極層を有する光吸収板間に挟持し
た素子構造等がある。
【0028】光反射板は光を反射する材料で構成されて
あれば無機材料でも有機材料でも構わない。また反射強
度または反射波長は目的とする素子特性により任意に変
更できる。その構造は光反射材料が光反射板全体を形成
しているものであっても良いし、光反射材料がガラス等
の別の材質の基板上にコーティングされていても良い。
光反射材料をコーティングした場合、光反射材料が調光
層側にある必要はない。また光反射材料をコーティング
する基板は光反射材料が調光層側に位置していない場合
は必ずしも透明である必要はない。
【0029】光吸収板は光を吸収する材料で構成されて
いればあれば無機材料でも有機材料でも構わない。吸収
強度または吸収波長は目的とする素子特性により任意に
変更できる。その構造は光吸収材料が光吸収板全体を形
成しているものであっても良いし、光吸収材料がガラス
等の別の材質の基板上にコーティングされていても良
い。光吸収材料をコーティングした場合、光吸収材料が
調光層側にある必要はない。また光吸収材料をコーティ
ングする基板は光吸収材料が調光層側に位置していない
場合は必ずしも透明である必要はない。光反射材料また
は光吸収材料が導電性を有している場合はこれらを電極
としても利用することもできる。
【0030】本発明の液晶光学素子の用途としては、窓
や間仕切り等の建築材料や文字や図形を表示する表示装
置がある。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0032】なお本発明の実施例に記述されている駆動
電圧、応答時間は以下のように定義する。
【0033】駆動電圧: 電圧無印加時の光透過率(最
大光透過率)を100%、電圧印加により飽和した光透
過率(最小光透過率)を0%とした時、素子の光透過率
が10%となる印加電圧。
【0034】応答時間: オンの応答時間は、電圧無印
加時の光透過率(最大光透過率)を100%、電圧印加
により飽和した光透過率(最小光透過率)を0%とした
時、電圧印加後に、素子の光透過率が100%から10
%にまで減少する時間までの時間である。オフの応答時
間は、印加電圧除去後、素子の光透過率が0%から90
%にまで増加する時間である。
【0035】電荷保持率: 5V、60μsのパルス電
圧を素子に印加する。16.7ms後に素子が保持して
いる電圧をVとすると、電荷保持率は以下の式で示され
る。
【0036】電荷保持率=(V/5)×100 (%) コントラスト: F値を15にした光学系において、電
圧無印加時の最大光透過率を電圧印加により飽和した最
小光透過率で割った値。
【0037】(実施例1)塩素系ネマチック液晶TL2
15(メルク社製)95.0wt%、カイラル剤S81
1(メルク社製)3.0wt%(カイラルネマチック液
晶のカイラルピッチは3.3μm )、2−(パラアクリ
ロイルオキシフェニル)−5−アクリロイルオキシ−
1,3−ジオキサン1.95wt%およびベンゾインメ
チルエーテル0.05wt%の混合液を2枚のホモジニ
アス配向処理された電極層付き透明ガラス基板から成る
ギャップ10μm の液晶セルに注入した。この液晶セル
を20℃に保ち、0.1mW/cm2 の紫外線(波長36
5nm)を180分間照射し、アクリロイル化合物を硬化
させた。
【0038】作製した液晶光学素子の電気光学特性は、
光源としてヘリウム−ネオンレーザ、検出器としてフォ
トダイオードを用いて100Hzの矩形波を印加して測
定した。光学系のF値は15である。25℃での特性は
以下の通りである。
【0039】 駆動電圧 6.7V 光透過率(電圧無印加時) 84% 光透過率(8V印加時) 1.0% コントラスト 84 ヒステリシス 0.24V 応答時間(オン;8V印加) 24ms (オフ) 18ms 電荷保持率 93% (実施例2)シアノ系液晶RDP−71120−1(R
ODIC社製)96.0wt%、カイラル剤S811
(メルク社製)2.0wt%(カイラルネマチック液晶
のカイラルピッチ4.5μm )、1,4−ビス((5−
アクリロイルオキシ−1,3−ジオキサン)−2−イ
ル)ベンゼン1.95wt%、および2.2−ジエトキシ
アセトフェノン0.05wt%の混合液を2枚のホモジ
ニアス配向処理された電極層付き透明ガラス基板から成
るギャップ10μm の液晶セルに注入した。紫外線の照
射条件及び電気光学特性の評価条件は実施例1と同じ条
件で行った。
【0040】 駆動電圧 6.9V 光透過率(電圧無印加時) 80% 光透過率(9V印加時) 1.1% コントラスト 73 ヒステリシス 0.20V 応答時間(オン;9V) 27ms (オフ) 17ms (比較例1)高分子樹脂前駆体として、4.4′−ビス
アクリロイルビフェニル(1.95wt%)を使用する
以外は実施例1と同等の条件で行った。
【0041】 駆動電圧 13.1V 光透過率(電圧無印加時) 82% 光透過率(15V印加時) 2.6% コントラスト 32 ヒステリシス 3.2V 応答時間(立ち下がり;15V印加) 15ms (立ち上がり) 19ms 電荷保持率 92% (比較例2)高分子樹脂前駆体として、4.4′−ビス
アクリロイルビフェニル(1.95wt%)を使用する
以外は実施例2と同等の条件で行った。
【0042】 駆動電圧 12.4V 光透過率(電圧無印加時) 81% 光透過率(15V印加時) 2.0% コントラスト 41 ヒステリシス 3.0V 応答時間(立ち下がり;15V印加) 19ms (立ち上がり) 22ms
【発明の効果】本発明の液晶光学素子によれば、相変化
を用いた液晶光学素子のコントラストが向上し、鮮明な
画像表示が可能となる。また、駆動電圧が低下し、TF
T駆動が可能となる。またヒステリシスも低下するた
め、階調表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる液晶光学素子の光透
過率のグラフを示している。
【図2】本発明の実施例1に係わる液晶光学素子の構造
を示している。
【符号の説明】
1 基板 2 電極層 3 配向膜 4 高分子樹脂 5 カイラルネマチック液晶

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極層が付いた少なくとも一方が透明な2
    枚の基板間にカイラルネマチック液晶またはコレステリ
    ック液晶と高分子樹脂とからなる調光層を挟持し、電界
    無印加時にプレナーテクスチャーとなり、電界印加時に
    フォーカルコニックテクスチャーとなる液晶光学素子に
    おいて、前記高分子樹脂が、ジオキサン基またはジオキ
    ソラン基を有する(メタ)アクリロイル系化合物を含む
    化合物を重合させて得た化合物であることを特徴とする
    液晶光学素子。
  2. 【請求項2】高分子樹脂が、一般式(I)で表される
    (メタ)アクリロイル系化合物を含む高分子前駆体を重
    合させて得た化合物であることを特徴とする請求項1記
    載の液晶光学素子。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記高分子樹脂が、0.5重量%以上8.
    0重量%以下含有されていることを特徴とする請求項1
    または2記載の液晶光学素子。
  4. 【請求項4】 前記電極層が付いた少なくとも一方が透明
    な2枚の基板は、少なくとも一方がホモジニアス配向処
    理が施されていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の液晶光学素子。
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