JP2721664B2 - パイプ状金属母材間の溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

パイプ状金属母材間の溶接方法及び溶接装置

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JP2721664B2 JP35051396A JP35051396A JP2721664B2 JP 2721664 B2 JP2721664 B2 JP 2721664B2 JP 35051396 A JP35051396 A JP 35051396A JP 35051396 A JP35051396 A JP 35051396A JP 2721664 B2 JP2721664 B2 JP 2721664B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ状金属母材
同士を効果的に溶接して連結するためのパイプ状金属母
材間の溶接方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、金属を結合する一つの方法と
して溶接が良く知られている。従来の溶接方法を通常の
アーク溶接を例にとって説明すると、図30(a)に示
す如く、溶接しようとする金属母材1,2に例えばV字
形又はU字形のグルーブ3を形成するように金属母材
1,2の端部を加工しておき、その内部に溶着金属を充
填して、金属母材1,2の表面を溶かし、溶着金属と共
に溶接継ぎ目4を形成することによって金属母材1,2
を結合する。ここで、溶接継ぎ目4を形成するとき、溶
着金属の一部がルート5から流出してしまったり、又は
溶着金属がルート5内部に充填されなかったりし易いの
で、通常は、上記の如き金属母材の表面からの溶接に加
えて金属母材の裏面溶接が行われている。
【0003】裏面溶接においては、溶着金属がルート5
から流出した場合や或いは溶着金属がルート5内に充填
されない場合においても、図30(b)に示す如く、グ
ラインディング及びガウジング等をして裏面のルート5
が一定な形状となるように溶着金属を除去して溝6を形
成した後、図30(c)に示す如く、更に溝6に改めて
溶着金属を充填する再溶接作業を行う。このように、従
来の一連の溶接作業は、金属母材の表側と裏側の両面か
らの溶接を行わなければならず、その分、溶接工程が複
雑化してしまっていた。
【0004】そこで、上記のような欠点を除去するため
の改善方法として、韓国実用新案公告第80−1183
号,第80−221号,第83−1085号,及び米国
特許第3929270号,第3548489号に、溶接
時に突合せられた金属母材の裏面支持方法が開示されて
いる。
【0005】この裏面支持方法は、図31に示す如く、
突合せられた金属母材1,2によって形成されるルート
5の底面に一定のビードが形成されるように、空隙部8
が形成された耐火性粒子を有する耐火材9の如き裏あて
を補助テープ10等を用いて金属母材1,2に接着して
溶接を行う方法である。
【0006】このような溶接方法によれば、溶着金属が
ルート5から流れ出たとしても、耐火材9の空隙部8に
該溶着金属が充填されるので、空隙部8の形状に合わせ
て一定形状のビードを形成することができ、上述のよう
に両面から溶接する必要がなく溶接過程を簡略化でき
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法は、金属母材1,2が平板である場合に有効である
が、パイプの如き円筒状の金属母材を溶接する場合に
は、耐火材9と金属母材との間に空間が形成され易く、
しかも、パイプの内部にその内周面に沿って耐火部材9
の如き裏当てを設けること困難であるので、実用に適さ
ないという短所を有していた。
【0008】従って、パイプ状の金属母材を溶接する場
合は、パイプの外側面から溶接をすることができるのみ
で、背面(パイプの内面)に対する裏あて等の処理が不
可能であり、ただ、パイプの外部より観察可能であり且
つグラインダーの使用が可能な溶接背面部位についての
み、溶接により生じた溶着金属の流れに起因してできた
不規則な形状の突起物を取り除くことができるに過ぎな
かった。
【0009】そこで、このような問題点を解決すべく、
韓国特許公告第94−11512号に、パイプ状金属母
材の溶接方法及びその装置が開示されている。この溶接
方法は、相互間の極性が異なるパイプ状の金属母材を、
互いに接近させてアークを発生させながら圧接させるよ
うにする方法である。
【0010】この方法によれば、溶接部位にビードを生
成させずにパイプ母材を結合できるという利点がある
が、結合させようとするパイプ母材自体に異なる極性の
電流が流れるようにする必要や、パイプ母材を固定させ
ておく必要があり、その為に、油圧機械器具及びこれを
構成する非常に複雑な器具等を用いなければならないの
で、そのような器具を使用をすることが事実上不可能で
あるばかりでなく、経済的にコストが掛かりすぎて使用
することができなかった。
【0011】本発明は、上記の如き問題点を根本的に解
決するためになされたものであり、結合しようとするパ
イプ母材間の内部に容易に設置及び除去可能な溶接支持
装置を用いて、パイプ母材間を溶接する際に形成される
溶着金属を保有するようにして、酸素との接触を遮断し
て酸化を防ぎ且つ溶着金属がパイプ母材の内部に流入し
ないようにして良好な裏面溶接状態を形成し、また、必
要に応じてバックビード(Back Bead)が形成
され得るようにし、ティグ溶接の場合においても、その
内部を不活性気体に置換する必要なく溶接することがで
きるパイプ状金属母材間の溶接方法及び溶接装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるパイプ状金
属母材間の溶接方法及び溶接装置は、中央に長手方向に
整列配置され、必要によりバックビードを形成するため
の凹溝を形成した正台形ブロックと逆台形ブロックとを
交互に該正逆台形ブロックの傾斜した側面が接触するよ
うに設けてこれらをワイヤで連結した溶接裏面支持ブロ
ック群と、該溶接裏面支持ブロック群の内面に多数の耐
熱バンド片をバンド上に裁縫した断熱バンド層を、空気
の注入と排出が可能な拡張手段に設けて溶接を行うよう
にすることを特徴とする。
【0013】具体的には、前記拡張手段の中央部外周面
上に円周方向に沿って前記断熱バンド層を設け、断熱バ
ンドの中央には円周方向に沿って正逆台形ブロックが互
いにずれるようにして溶接裏面支持ブロック群を設け
る。
【0014】このとき、溶接裏面支持ブロック群により
形成される外周の大きさが溶接しようとするパイプ母材
の内周より小さくなるようにしておく。
【0015】このような状態で前記拡張手段が空気の注
入によって膨張すると、溶接裏面支持ブロック群の正台
形ブロックと逆台形ブロックは、互いの側面をスライド
しながら正台形ブロックの凹溝と逆台形ブロックの凹溝
とが連通するようになり、また、前記凹溝は、パイプ母
材同士が突き合わされたことによって形成されるルート
底面に一致するようになる。
【0016】このような状態で拡張手段に空気を注入し
て拡張手段を膨張させると、上記正逆台形ブロックが互
いの側面をスライドしながら拡張手段の外周面において
溶接裏面支持ブロック群がリング形態を保ちながらパイ
プ母材の内周面に密着するようになり、溶接裏面支持ブ
ロック群の凹溝とパイプ母材間のルートとが一致するよ
うになるので、パイプの外側から溶接しても溶着金属が
パイプ母材の内部に流入せず溶接裏面支持ブロック群に
よって良好な裏面溶接状態を保つことができ、また、必
要に応じて所定形状のバックビードを形成することがで
きる。
【0017】即ち、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接方法は、正台形ブロックと逆台形ブロックとを交互
に傾斜した側面を接触するように設けて該正台形ブロッ
ク及び逆台形ブロックをワイヤで連結した溶接裏面支持
ブロック群と前記溶接裏面支持ブロック群の内面に多数
の断熱バンド片をバンド上に裁縫した断熱バンド層とを
空気の注入及び排出が可能な拡張手段の外周面上に設
け、該拡張手段に空気を注入し拡張手段を膨張せしめて
前記正台形ブロックと逆台形ブロックとが互いの傾斜側
面をスライドしながら溶接裏面支持ブロック群の外周面
が前記パイプ母材間の内周面を押圧するようにし、前記
溶接裏面支持ブロック群の中央部と前記パイプ母材間の
ルートの位置が一致するようにしてパイプ母材間を溶接
するようにしたことを特徴とする。
【0018】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接方法は、好ましくは、前記溶接裏面支持ブロック群
の内面に可撓性の粘着テープを設けて、前記拡張手段の
内部へ空気を注入して拡張手段を膨張せしめてパイプ母
材間のルートの位置が溶接裏面支持ブロック群の中央部
と一致した状態で前記粘着テープを溶接裏面支持ブロッ
ク群を取り巻くようにして前記パイプ母材の内周面に接
着せしめて該溶接裏面支持ブロック群を固設した後、前
記パイプ母材の溶接部位から前記拡張手段を隔離させ、
その後にパイプ母材間を溶接するようにしたことを特徴
とする。
【0019】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接方法は、好ましくは、前記正逆台形ブロックの中央
部長手方向に形成された凹溝によってバックビードを形
成させうるようにしたことを特徴とする。
【0020】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、空気の注入又は排出を調整可能な所定の大
きさの拡張手段と、バンドに多数の耐熱バンドの終端が
互いに重なるように固設された断熱ハンド層と、中央部
長手方向に凹溝がそれぞれ形成された正台形ブロックと
逆台形ブロックとを交互に設けこれらをワイヤで連結す
ると共に前記正台形ブロックの傾斜された側面と前記逆
台形ブロックの逆傾斜された側面とが互いに当接した状
態でスライド可能になされた溶接裏面支持ブロック群と
を備えていることを特徴とする。
【0021】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記正逆台形ブロックの傾斜
した側面に相互に嵌合可能な凹凸部を形成したことを特
徴とする。
【0022】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記正逆台形ブロックの外周
面が前記パイプ母材の内周面に適合するように形成され
た湾曲面を備えていることを特徴とする。
【0023】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記正逆台形ブロックには、
その外周面の長手方向縁端部に所定の角度を有するよう
にテーパが設けられていることを特徴とする。
【0024】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記溶接裏面支持ブロック群
の外径は、前記パイプ母材の内径の大きさに応じて、前
記正逆台形ブロックの大きさと設置数を加減することに
より調整可能になっていることを特徴とする。
【0025】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記拡張手段30には、その
一側に空気排出弁70が形成されおり、前記空気排出弁
70は、前記拡張手段30の本体に挿入設置されていて
内部排出孔72aの内周縁に係止溝部72bを形成する
弁シート72と、前記弁シート72に支持設置可能な牽
引環74と、前記弁シート72の排出孔72aに圧入設
置されていてその外側縁に前記係止溝部72bに密着可
能な係止突起78bとその内部に挿入孔76aが形成さ
れた開放弁76と、前記開放弁76の挿入孔76aに挿
入可能に形成されていてその内部に通気孔78aが形成
された弁キャップ78からなり、前記牽引環74と前記
開放弁76と弁キャップ78は、それぞれ補助牽引ワイ
ヤ60,60’,60”を介して、主牽引ワイヤに連結
されていることを特徴とする。
【0026】また、本発明によるパイプ状金属母材間の
溶接装置は、好ましくは、前記拡張手段30の空気排出
弁70は、補助牽引ワイヤ60,60’,60”が主牽
引ワイヤ64の引き寄せにより引き寄せられるようにな
っていて、主牽引ワイヤ64の引き寄せによって、最初
に前記補助牽引ワイヤ60が引き寄せられて弁キャップ
78が開放弁76から引き出され、引き続いて主牽引ワ
イヤ64を引き寄せることによって、前記補助牽引ワイ
ヤ60’が引き寄せられて開放弁76が弁シート72か
ら引き抜かれて排出孔72aが開放され、更に引き続い
て主牽引ワイヤ64を引き寄せることによって、前記補
助牽引ワイヤ60”が引き寄せられて牽引環74と拡張
手段30とを引き出すことができるように、前記補助牽
引ワイヤ60,60’,60”の長さが調整されている
ことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態につき図示
説明する。図1乃至図4は本発明によるパイプ状金属母
材間の溶接装置の一実施形態を示す図であり、図1は本
実施形態の斜視図、図2は図1の断面図、図3は図2の
部分拡大図、図4は本実施形態における空気排出弁の分
解図を示す。
【0028】本実施形態のパイプ状金属母材間の溶接装
置は、図1に示す如く、拡張手段30と断熱バンド層3
2と溶接裏面支持ブロック群39とを備えている。拡張
手段30は、例えばゴム等の収縮可能な物質を中空の球
状に形成してなり、所望の操作に応じて空気の注入又は
排出を行うことができるようになっている。断熱バンド
層32は、拡張手段30の外周上に設けられており、バ
ンド31に多数の断熱バンド33の終端部がその先端部
にそれぞれ重なるような状態で固定されてなる。溶接裏
面支持ブロック群39は、断熱バンド層32の上面に正
台形ブロック35,逆台形ブロック36を交互に備えて
これらをワイヤ37で連結してなる。正逆台形ブロック
35,36は、上面が円弧状に形成され、中央には長手
方向に沿って凹溝34,34’がそれぞれ形成され、
又、それぞれ傾斜が設けられた側面35’,36’が互
いにスライド可能に当接しており、拡張手段の中心より
半径方向にスライドすることによって凹溝34,34’
が連通するようになっている。
【0029】また、拡張手段30には、図1及び図2に
示す如く、その一側に空気排出弁70が設けられてい
る。空気排出弁70は、図3及び図4に示す如く、拡張
手段30本体に装着されていて内部排出孔72aの内周
縁に係止溝部72bが形成された弁シート72と、弁シ
ート72に嵌通せしめられ拡張手段30と弁シート72
の頭部72cとの間に支持されるように形成された牽引
環74と、弁シート72の排出孔72aに圧入されてい
て外周縁が弁シート72の係止溝部72bに密着するよ
うに形成された係止突起76bと内部に挿入孔76aが
形成された開放弁76と、開放弁76の挿入孔76aに
挿入されていてその内部に通気孔78aが形成された弁
キャップ78を備えてなる。
【0030】牽引環74と開放弁76及び弁キャップ7
8は、それぞれ補助牽引ワイヤ60,60’,60”を
介して主牽引ワイヤ64に連結されている。補助牽引ワ
イヤ60,60’,60”は、主牽引ワイヤ64を引張
ることにより、補助牽引ワイヤ60によって弁キャップ
78が開放弁76から引き出され、弁キャップ78が開
放弁76から引き抜かれた後に、補助牽引ワイヤ60’
によって開放弁76の引き出しが行われ、開放弁76が
弁シート72から引き抜かれた後に補助牽引ワイヤ6
0”によって牽引環74と拡張手段30が同時に引っ張
られるように、それぞれの長さを異にしている。
【0031】尚、拡張手段30は、図示の実施形態では
球状に形成されているが、空気の注入により一様に膨張
せしめながら金属パイプの内面を一様に加圧して密閉状
態を保持可能な形態であれば、例えば円柱等のような多
様な形態に形成してもよい。また、後述の図6に示す如
く、正台形ブロック35と逆台形ブロック36には、孔
40が設けられており、孔40の中をワイヤ37を通す
ことにより正台形ブロック35と逆台形ブロック36が
それぞれ連結されるようになっている。
【0032】次に、本実施形態の溶接装置を用いて、パ
イプ状金属母材間を溶接する方法について、図5乃至図
10を用いて説明する。
【0033】先ず、図5及び図9に示す如く、拡張手段
30内部に所定量の空気を注入する。尚、このときの空
気の注入は、溶接すべきパイプ母材P1 ,P2 のルート
5の間から拡張手段30に設けられている空気注入弁V
に注射針その他の空気注入器具V1 を差し込みながら、
図示省略した空気注入手段等を用いて行う。
【0034】尚、この状態で断熱バンド層32を拡張手
段30の外周面に巻装し、更に、断熱バンド層32の中
央に沿って溶接裏面支持ブロック群39の正逆台形ブロ
ック35,36を互いに傾斜側面35’,36’が拡張
手段30の半径方向にずれるような状態に設ける。この
とき、溶接裏面支持ブロック群39の各凹溝34,3
4’等の位置を、図9に示す如く、溶接しようとするパ
イプ母材P1 ,P2 のルート5の位置に一致するように
設けておく。又、正逆台形ブロック35,36によって
形成される溶接裏面支持ブロック群39の外径は、溶接
しようとするパイプ母材P1 ,P2 の内径より小さくな
っている。
【0035】このようにして、パイプ状金属母材P1 ,
P2 の溶接部位であるルート5に溶接裏面支持ブロック
群39の各凹溝34,34’を位置合わせした上記の如
き一連の設置過程を終えた後に、拡張手段30の内部に
上述と略同様の方法で空気を再び注入する。尚、溶接裏
面支持ブロック群39には、拡張手段30の空気注入弁
Vに針等を差し込めるように孔(図示省略)が設けられ
ており、拡張手段30内部に空気を注入することができ
るようになっている。
【0036】拡張手段30へ空気を注入するにしたがっ
て、正台形ブロック35と逆台形ブロック36とがその
傾斜した側面35’と36’とが互いにスライドして行
く。傾斜した側面35’と36’とが互いにスライドし
て行くと、各凹溝34,34’が互いに近づいて行くと
共に、溶接裏面支持ブロック群39の外径がパイプ母材
P1 ,P2 の内径に近づいて行き、ついには、図7及び
図10に示す如く、正台形ブロック35と逆台形ブロッ
ク36の各凹溝34,34’は、底面が一致して連通せ
しめられると共に、溶接裏面支持ブロック群39の外径
は、パイプ母材P1 ,P2 の内径に略一致して、正台形
ブロック35と逆台形ブロック36は、外周面がパイプ
母材P1 ,P2 の内周面に当接しながら凹溝34,3
4’がルート5に一致するようになる。このような状態
で、パイプ母材P1 ,P2 間の溶接部位に沿って、パイ
プ母材の外部から通常の溶接を行えば、外側面からの溶
接作業で済ますことができる。
【0037】しかし、拡張手段30の外周縁中央部に断
熱バンド層32と溶接裏面支持ブロック群39を正確に
整列させた状態でパイプ母材P1 ,P2 のルート5に一
致させる作業は、手作業では容易に行うことができな
い。そこで、拡張手段30と断熱バンド層32及び溶接
裏面支持ブロック群39を整列させるための整列手段、
及び、該整列手段をパイブ母材P1 ,P2 に設けるため
の設置手段を設けることが望ましい。そこで、図11乃
至図14に、本実施形態の溶接装置に用いられる溶接裏
面支持ブロック群の整列手段及び整列手段の設置手段の
一実施例を示す。図11及び図12は、上記整列手段の
分解図及び断面図、図13及び14は、上記設置手段の
分解図及び断面図を示す。
【0038】整列手段として整列治具80を図11及び
図12に示す。整列治具80は、支持キャップ82と、
支持キャップ82に螺合可能に形成されたテンション調
節キャップ84と、テンション調節キャップ84の外側
に設けられていて治具装着部86aが形成された外側ケ
ーシング86を備え、上記支持キャップ82の外周面に
沿って、その先端に挿入空間部87aを有するテンショ
ン整列支持群88を備えている。
【0039】また、設置手段として設置治具90を図1
3及び図14に示す。設置治具90の本体92は、その
内部にパイプ挿入孔92aと外周縁に多数の溶接溝部9
2bを形成されている。また、本体92は、長手方向に
二つに分割されるように形成されており、分割された本
体92のそれぞれの一端がヒンジ部92cを介して連結
せしめられていて開閉作動可能であると共に他端を締結
固定しうるように固定部材(図示省略)が備えられてい
る。また、設置治具90の本体92の外周面上には、支
持部94が設けられている。支持部94は、折曲段94
cとスリット94dが設けられた例えば板ばね等の弾性
部材よりなる支持板94と、スリット94dに遊嵌され
た作動レバー94aを備えて折曲段94cとは反対側の
一端部を本体92に抑え部材等により挟着されてなり、
作動レバー94aを矢印C方向(裏返し方向)へ引くこ
とにより支持板94の折曲段94cが本体92の外周縁
上で弾力的に開き作動するようになっている。また、本
体92の外周面上には、パイプ整理部96が設けられて
いる。パイプ整理部96は、一端がヒンジ部材96cに
よりヒンジ結合されると共に、他端に複数のボルト孔が
設けられた回動フレーム96aよりなり、回動フレーム
96aを回動せしめてボルト等で本体92に螺着し、更
に、固定ボルト96bを先端のボルト孔に螺合せしめる
ことによりパイプ母材P1 ,P2 を溶接部位に整列され
た状態に固定可能になっている。また、本体92の外周
面上には、空気供給部98が設けられており、空気供給
部98は、空気針97を介して拡張手段30内部に空気
を供給して拡張手段30を膨張せしめパイプ母材P1 ,
P2 の溶接位置となるパイプの内周面に溶接裏面支持ブ
ロック群39の外周面が当接しうるようになっている。
【0040】次に、上記のように構成された整列治具8
0及び設置治具90を用いて、拡張手段30に断熱バン
ド層32及び溶接裏面支持ブロック群39を整列した状
態で設置しながら溶接を行う過程を中心にして、本発明
の溶接方法の一実施形態を図15乃至図21を用いて説
明する。
【0041】先ず、図15に示す如く、リング状に形成
された断熱バンド層32を整列治具80のテンション整
列支持群88先端の挿入空間部87aに挿入してテンシ
ョン整列支持群88に巻装し、次に、バンド層32の外
周面に沿って溶接裏面支持ブロック群39を巻装する
と、溶接裏面支持ブロック群39の正逆台形ブロック3
5,36の一側面35”,36”が挿入空間部87aを
形成するテンション整列支持片87の一端部87bに当
接せしめられて、溶接裏面支持ブロック群39は断熱バ
ンド層32の外層中央部に位置するように整列せしめら
れる。尚、断熱バンド層32の幅を、溶接裏面支持ブロ
ック群39を構成する正逆ブロック35,36の幅より
も大きくなるように予め形成しておく。
【0042】次に、整列治具80の外側ケーシング86
の治具装着部86aに設置治具90を装着する。このと
き、先ず、図15に一点鎖線で示す如く、支持装置部9
4の作動レバー94aを引いて支持片94bが開いた状
態にして、設置治具90を治具装着部86aに装着す
る。設置治具90を装着の後に、作動レバー94aを初
期位置に復帰させると、図15に実線で示す如く、支持
片94bの先端が溶接裏面支持ブロック群39の中央部
の溝34,34’を弾圧支持するようになる。
【0043】次に、図16に示す如く、テンション支持
整列群88の内側に拡張手段30を配置する。このと
き、拡張手段30と拡張手段の空気排出弁70には、補
助牽引ワイヤ60,60’,60”が連結設置されてい
る。また、空気排出弁70に連結された補助ワイヤ6
3,63’を溶接裏面支持ブロック群39と断熱バンド
層32に連結環等を介してそれぞれ連結する。
【0044】次に、設置治具90に設けられた空気供給
部98の空気針97を溶接裏面支持ブロック群39の所
定のブロックの中央に形成された孔を通じて拡張手段3
0の空気注入弁Vを介して拡張手段30の内部に挿入
し、空気供給部98に図示省略した空気供給源を連結
し、空気針97を介して拡張手段30の内部に所定量の
空気を供給して、拡張手段30が徐々に膨張しながら整
列治具80のテンション支持列片87を外側方向に押し
開くようにする。
【0045】拡張手段30が膨張するにしたがって、そ
の中央部外周面に位置する断熱バンド層32と溶接裏面
支持ブロック群39が整列された状態で徐々にその径を
拡張せしめられて行き、設置治具90の支持部94がそ
の支持片94bの支持折曲段94cによる溶接裏面支持
ブロック群39の中央部を弾圧支持するようになるが、
このとき、溶接裏面支持ブロック群39の正逆台形ブロ
ック35,36は、その傾斜された側面35’,36’
が互いにずれた状態になっており、その外径は、溶接し
ようとするパイプ母材P1 ,P2 の内径よりも小さく形
成されている。
【0046】このようにして、整列治具80上で、設置
治具90に支持された状態で拡張手段30,断熱バンド
層32及び溶接裏面支持ブロック群39の整列が完了し
た後に、図18に示す如く、設置治具90を整列治具8
0の治具装着部86aから取り外して、該設置治具90
のパイプ挿入孔92aを溶接しようとするパイプ母材P
1 の端部に冠着する。このとき、補助索引ワイヤ60,
60’,60”は、図18に示す如く、パイプP1 を貫
通するようにして設けられた主牽引ワイヤ64に連結さ
れており、且つ、パイプP1 の溶接しようとする側の先
端は、図19に示す如く、設置治具90の支持板94b
の支持折曲段94cの内側に当接した状態となる。
【0047】次に、パイプ母材P2 をその溶接しようと
する側の先端を支持折曲段94cの外側に当接するよう
に位置させて、この状態で、図20に示す如く、パイプ
整列部96の回動フレーム96aを一側に設けられたヒ
ンジを中心に回動させて回動フレーム96a先端部のボ
ルト孔に固定ボルト96bを螺合して、固定ボルト96
bの先端でパイプ母材P2 を固定する。
【0048】このような、一連の設置過程を終えた後
に、設置治具80上に配備された空気供給源(図示省
略)を作動させて、上述の如く、空気針97によって拡
張手段30の空気注入弁Vを介して拡張手段30内部に
空気を再度注入して拡張手段30を徐々に膨張させる。
【0049】拡張手段30が膨張せしめられてゆくにし
たがって、溶接裏面支持ブロック群39の正台形ブロッ
ク35と逆台形ブロック36は互いにずれた状態の傾斜
側面35’及び36’が相互にスライド作動せしめられ
る。拡張手段30への空気注入は、拡張手段30が膨張
せしめられて図21に示す如く、パイプ母材P1 ,P2
間の溶接部位のルート5内面に溶接裏面支持ブロック群
39の外周面が当接して、その外周面に設けられた各凹
溝34,34’がルート5と一致するまで行い、一致し
たときに、パイプ母材P1 ,P2 間の溶接準備が完了す
る。
【0050】このとき、溶接裏面支持ブロック群39
は、上記支持板94bの支持折曲段94cに弾圧支持さ
れた状態でパイプ母材P1 ,P2 の溶接部位の内側で膨
張作動せしめられるので、パイプ母材P1 ,P2 間の溶
接部位に正確且つ容易に位置せしめられる。
【0051】尚、溶接裏面支持ブロック群39の正台形
ブロック35と逆台形ブロック36とが拡張せしめられ
る際に互いにリング状にならずに捩れるおそれもある
が、上記正逆台形ブロック35,36を互いにずれた形
態(組み立てた溶接裏面支持ブロック群39の外径がパ
イプ母材の内径より小さくなるような形態)に組み立て
た後、その形態を維持するために別途に破損が容易な紙
材またはこれと類似な形態の性質を有する維持器具等を
用いて連結組立すれば上記捩れ等を防止できる。
【0052】また、図22に示す如く、正台形ブロック
35と逆台形ブロック36の相互に摺接する傾斜した側
面35’,36’に凹凸部を嵌合可能に形成すれば、整
列状態を良好に保つことができるので好ましい。
【0053】このような凹凸部45,46は、相互に係
止されて、その移動方向が移動手段30の中心より半径
方向に沿った方向のみに規制されるので、正台形ブロッ
ク35と逆台形ブロック36とが横ずれすることがな
い。尚、上記ワイヤ37は、正逆台形ブロック35,3
6の取り外しのために利用されうる。
【0054】ところで、溶接を行う場合、パイプ母材P
1 とP2 の内径が常に同一であるとは限らず、パイプ母
材の内径の大きさがそれぞれ異なる場合があり、その場
合においても、溶接裏面支持ブロック群39の外径の大
きさを上記内径に一致させるようにしなければならない
が、そのためには、正逆台形ブロック35,36の個数
を調整したり、正逆台形ブロック35,36を複数サイ
ズ分揃えておけばよい。
【0055】また、図23に示す如く、溶接すべきパイ
プ母材P1 ,P2 を当接させるときに、パイプ母材の内
面が常に一直線状に揃わずに若干の誤差Tを生じたり、
または若干の誤差Tを置いて溶接を行う必要が生じる場
合があるが、このような場合、図22に示す如く、正逆
台形ブロック35,36の長手方向に沿う側縁部に所定
の角度を有するテーパー面43,43を、いずれか一方
のテーパー面43,43がパイプ母材P1 又はP2 に当
接しうるように形成しておけば、正逆台形ブロック3
5,36の外周面とパイプ母材P1 ,P2 の内周面との
間に大きな隙間が生ずることなくルート5と凹溝34,
34’との位置を合わせることができるので好ましい。
【0056】なお、本発明に用いられる断熱バンド層3
2は、図24に示す如く、多数の断熱バンド33をその
一側端が他端に重なるようにしてバンド31上に裁縫さ
れており、パイプ母材の内径の大きさに応じてその内径
の大きさを変えることができるようになっている。
【0057】このように、拡張手段30を膨張させるこ
とにより、パイプ母材P1 ,P2 間の溶接部位のルート
5内面に溶接裏面支持ブロック群32の外周面の各凹部
34,34’を当接せしめて溶接準備が完了した後に、
設置治具90の周縁部に沿って形成された溶接溝部92
bを介して、パイプ母材P1 ,P2 間の一部の溶接部位
を仮付けする。
【0058】パイプ母材P1 ,P2 間の仮付けが完了し
た後に、パイプ母材P1 ,P2 から設置治具90を取り
外す。設置治具90の取り外しは、先ず、パイプ整列部
96の固定ボルト96bを外してパイプP2 への固定状
態を解除する。次に、他のボルトを外し回動フレーム9
6をヒンジ部96cを中心に回動して初期位置に戻し、
その状態で、設置治具90の本体92を開いて、パイプ
P1 から設置治具90を取り除く。
【0059】このようにしてパイプP1 上で設置治具9
0を取り外した後に、上記パイプ母材P1 ,P2 の外部
で金属を溶かしパイプ母材P1 , Pの突き合わせ部に形
成されるグルーブに溶着金属を充填すると、該溶着金属
は、パイプ母材P1 ,P2 のグルーブ表面を共に溶かし
ながら冷却せしめられて溶接継ぎ目を形成する。また、
パイプ母材P1 ,P2 のルート5を通じて流れ出た溶着
金属は、正逆台形ブロック35,36に形成された凹溝
34,34’に充填される。このとき、溶着金属は、正
逆台形ブロック35,36の表面がパイプ母材と密着し
ているため、酸素に触れることなく凹溝34,34’と
同じ形状にバックビードを形成せしめられうる。
【0060】また、溶接の際に発生する熱は、正逆台形
ブロック35,36によって遮断されるので、拡張手段
30に溶接熱による悪影響を及ぼすことはなく、また、
多少の熱が伝達されたとしても、断熱バンド層32によ
って、拡張手段30の熱による損傷を防止できる程度に
充分熱が遮断される。
【0061】尚、溶着金属が正逆台形ブロック35,3
6が互いに接触している傾斜した側面35’,36’の
隙間に流れ込むことも考えられるが、正逆台形ブロック
35,36は、溶接熱によってその隙間が溶けて遮断さ
れ、且つ、拡張手段30の膨張力によって、正逆台形ブ
ロック35,36の外周面がパイプ母材P1 ,P2 に加
圧せしめられリング形状を保ち、しかも、両側面3
5’,36’は互いに傾斜している。このため、互いが
側面を加圧せしめられて密着し、隙間が生ずるおそれが
なく、溶着金属が正逆台形ブロック35,36間を簡単
に通過して断熱バンド層32には到底及ばないようにな
る。
【0062】尚、正逆台形ブロック35,36は、耐熱
性に優れたものとし、及び、金属溶接部位に化学的影響
を及ぼさないようにするために、通常、セラミック材又
はこれに類似の材質で製造されるのが好ましい。
【0063】このように一連の溶接作業を完了した後
に、拡張手段30の空気排出弁70を介して拡張手段3
0内部の空気を外部に排出すれば、パイプ母材P1 ,P
2 の内面に密着せしめられた溶接裏面支持ブロック群3
9のリング形態が解体せしめられるので、これを引き出
せばよい。以下、その手順について詳説する。図25に
示す如く、パイプP1 を通って外部に延長されている主
牽引ワイヤ64を引くと、主牽引ワイヤ64に連結され
た補助牽引ワイヤ60,60’,60”が引き寄せられ
るが、先ず、これらのワイヤのうちで長さの最も短い補
助牽引ワイヤ60が弁キャップ78を開放弁76の挿入
孔76aから引き出す。このとき、弁キャップ78の通
気孔78aを介して空気が開放弁76の内部に供給せし
められるので、開放弁76に圧入されていた弁キャップ
78が容易に抜脱せしめられる。
【0064】補助牽引ワイヤ60によって弁キャップ7
8が開放弁76から完全に引き抜かれた後、引き続いて
主牽引ワイヤ64を引き寄せると、補助牽引ワイヤ60
の次に長さの短い補助牽引ワイヤ60’が開放弁76を
弁シート72の排出孔72aから引き出す。このとき、
開放弁76の内部から弁キャップ78が引き抜かれてい
るので、開放弁76は、開放弁76の係止突起76bが
弁シート72の係止溝部72bを摺動しながら、開放弁
76の内側方向に絞られるようにして、弁シート72か
ら容易に抜脱せしめられる。
【0065】補助牽引ワイヤ60’によって開放弁76
が弁シート72から完全に引き抜かれると、排出孔72
aが開放せしめられるので、拡張手段30内部の空気が
排出孔72aを通って排出せしめられ、膨張せしめられ
ていた拡張手段30が縮小せしてゆき、その外周縁の溶
接裏面支持ブロック群39と断熱バンド32とがパイプ
P1 ,P2 の内面に密着せしめられた状態から隔離され
るようになる。
【0066】引き続いて、主牽引ワイヤ64を引き寄せ
て補助牽引ワイヤ60,60’,60”を引き寄せる
と、補助牽引ワイヤ60”が牽引環74と共に弁シート
72の頭部72cを介して弁シート72および弁シート
72を挿設せしめられた拡張手段30とを同時に引き出
す。
【0067】また、上記牽引環74と補助牽引ワイヤ6
3,63’を介して連結された溶接裏面支持ブロック群
39と断熱バンド層32が、拡張手段30に次いで補助
牽引ワイヤ63,63’を介して引き出される。このと
き、補助牽引ワイヤ63,63’の長さが異なるように
しておけば、裏面支持ブロック群39及び断熱バンド層
32が徐々に順を追って引き出されるので好ましい。
【0068】このようにして、主牽引ワイヤ64を引き
寄せることにより、パイプ母材P1,P2 内部で、拡張
手段30,断熱バンド層32,溶接裏面支持ブロック群
39等を容易に分離した状態でパイプ母材の外部に牽引
することができる。
【0069】図26は、溶接しようとするパイプ母材が
P1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 と複数個引き続き、溶接
箇所が複数箇所に及ぶ場合の実施形態を示す。本実施形
態では、本発明の溶接装置を複数の溶接箇所にそれぞれ
設けて、拡張手段30の主牽引ワイヤ64が設けられた
側と反対側に、第2牽引ワイヤ64’を設けて、それぞ
れの拡張手段30と互いに連結するようになっている。
尚、本実施形態において、第2牽引ワイヤ64’を、次
の溶接箇所に設けられた本発明の溶接装置に主牽引ワイ
ヤ64と同様の態様で連結すれば、複数箇所において一
連の溶接作業を終えた後に、最初の主牽引ワイヤ64を
引き寄せることによって、複数の溶接箇所に設けられた
本発明の溶接装置をパイプ母材P1 ,P2 ,P3,P4
,P5 から順次引き出すことができる。
【0070】図27及び図28は、本発明による溶接装
置の他の実施形態を示す。本実施形態の溶接装置には、
正逆台形ブロック35,36が互いにずれた状態で構成
された溶接裏面支持ブロック群39の内周面に可撓性の
粘着テープ47が設けられている。粘着テープ47は、
図28に示す如く、溶接裏面支持ブロック群39を取り
巻くようにして溶接すべき金属パイプ母材P1 ,P2 の
内面に接着可能な程度にその巾が形成されている。尚、
その他の構成は、上記各実施形態と略同様である。本実
施形態によれば、図27に示す如く、先ず、上記の如く
溶接裏面支持ブロック群39の内面に可撓性の粘着テー
プ47が直接設けられた状態で、その内側に拡張手段3
0を設け、拡張手段30内部に所定量の空気を注入する
と、粘着テープ47は、拡張手段30の膨張により、拡
張手段30の中央部外周縁に支持される。この後に、溶
接しようとする金属パイプ母材P1 ,P2 のルート5底
面に上記溶接裏面支持ブロック群39の各凹溝34,3
4’の位置が一致するようになる。
【0071】このとき、上記拡張手段30上に備えられ
た補助ワイヤ60,60’,60”と連結する主牽引ワ
イヤ64には、溶接裏面支持ブロック群39と接着テー
プ47が補助牽引ワイヤ63a,63a’によって連結
されるようにする。
【0072】このような状態にした後に、上記拡張手段
30に再度の空気供給を行うと、拡張手段30が膨張せ
しめられて、上述の如く、金属パイプ母材P1 ,P2 の
ルート5に溶接裏面支持ブロック群39の各凹溝34,
34’が一致した状態で、金属パイプ母材P1 ,P2 内
周面に溶接裏面支持ブロック群39の外周面が当接する
ようになり、更に、拡張手段30に空気を注入して膨張
させると、可撓性の粘着テープ47が、図28に示す如
く、溶接裏面支持ブロック群39を取り巻くようにして
金属パイプ母材P1 ,P2 の内周面に接着せしめられた
状態で、溶着裏面支持ブロック群39を金属パイプ母材
P1 ,P2 に固定する。
【0073】このような状態の後に、主牽引ワイヤ64
を所定の長さだけ引き寄せると、上述の如く、拡張手段
30内部の空気が排出され、図29に示す如く、拡張手
段30が金属パイプ母材P1 ,P2 の溶接部位から隔離
されて引き出される。このとき裏面支持ブロック群39
は、接着テープ47によって金属パイプP1,P2 の溶
接部位に固着された状態に保たれる。尚、補助牽引ワイ
ヤ63a,63a’は、充分な長さを有しており、上記
所定長分の主牽引ワイヤ64の引き寄せによっては、溶
接裏面支持ブロック群39及び接着テープ47は引き出
されないようになっている。
【0074】このような状態で、上述の如く、金属パイ
プ母材P1 ,P2 間の溶接を行い、その後に、主牽引ワ
イヤ64を更に引き寄せるると、拡張手段30に加え
て、金属パイプ母材P1 ,P2 の溶接部位に固定された
溶接裏面支持ブロック群39及び接着テープ47が金属
パイプ母材P1 ,P2 内から引き出されて分離せしめら
れる。
【0075】本実施形態によれば、金属パイプ母材P1
,P2 の溶接部位に溶接裏面支持ブロック39を接着
テープ47によって固設して拡張手段30を溶接部位か
ら隔離して溶接を行うことができるので、溶接時に溶接
部位に与えられる溶接入熱が高温であったとしても、拡
張手段30が上記の如き溶接入熱の影響を受けることな
く溶接作業を行うことができる。
【0076】
【考案の効果】以上、本発明のパイプ状金属母材間の溶
接方法及び溶接装置によれば、パイプ母材間を溶接する
際に、パイプ母材の内面への溶着金属の流れ出しを防ぐ
ことができ、また、空気との接触を遮断しながらバック
ビードを形成することができ、ティグ溶接の場合におい
ても、その内部を不活性気体に置換する必要なく溶接す
ることができる。また、パイプ母材間の溶接部分が複数
個に及んでも溶接作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるパイプ状金属母材間の溶
接装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の断面図である。
【図3】図3は、図2の要部拡大断面図である。
【図4】図4は、図3の空気排出弁の分解斜視図であ
る。
【図5】図5は、本実施形態の溶接装置を用いた溶接方
法の一過程を図示した参考横断面図である。
【図6】図6は、図5のA部分拡大断面図である。
【図7】図7は、本実施形態の溶接装置を用いた溶接方
法の他の一過程を図示した参考横断面図である。
【図8】図8は、図7のB部分拡大断面図である。
【図9】図9は、本実施形態の溶接装置を用いた溶接方
法の一過程を図示した参考縦断面図である。
【図10】図10は、本実施形態の溶接装置を用いた溶
接方法の他の一過程を図示した参考縦断面図である。
【図11】図11は、本実施形態の溶接装置に用いられ
る整列治具の分解斜視図である。
【図12】図12は、本実施形態の溶接装置に用いられ
る整列治具の断面図である。
【図13】図13は、本実施形態の溶接装置に用いられ
る設置治具の一部分解斜視図である。
【図14】図14は、本実施形態の溶接装置に用いられ
る設置治具の側面図である。
【図15】図15は、上記整列治具及び設置治具を用い
た本実施形態の使用状態を示す断面図である。
【図16】図16は、上記整列治具及び設置治具を用い
た本実施形態の他の使用状態を示す断面図である。
【図17】図17は、上記整列治具及び設置治具を用い
た本実施形態の更に他の使用状態を示す断面図である。
【図18】図18は、上記整列治具及び設置治具を用い
た本実施形態の更に又他の使用状態を示す断面図であ
る。
【図19】図19は、上記設置治具を用いた本実施形態
の使用状態を示す部分断面図である。
【図20】図20は、上記設置治具を用いた本実施形態
の他の使用状態を示す部分断面図である。
【図21】図21は、上記設置治具を用いた本実施形態
の更に他の使用状態を示す部分断面図である。
【図22】図22は、本発明に用いられる溶接裏面支持
ブロック群の変形例を示す斜視図である。
【図23】図23は、本発明に用いられる溶接裏面支持
ブロック群の更に他の実施形態を示す部分断面図であ
る。
【図24】図24は、本発明に用いられる断熱バンド層
の部分拡大斜視図である。
【図25】図25は、上記各実施形態における拡張手段
の空気排出弁の作動状態を示す部分断面図である。
【図26】図26は、本発明の他の実施形態を示す図で
ある。
【図27】図27は、本発明の更に他の実施形態を示す
断面図である。
【図28】図28は、図27の実施形態における一使用
状態を示す断面図である。
【図29】図29は、図27の実施形態における他の使
用状態を示す断面図である。
【図30】図30は、従来の溶接過程及びその方法を示
し、(a)は、溶接母材外面からの溶接状態、(b)は
溶接母材の裏面をガウジングした状態、(c)は、裏面
から再溶接状態をそれぞれ示す図である。
【図31】図31は、従来の溶接過程及びその方法を示
す図である。
【符号の説明】
5 ルート 30 拡張手段 31 バンド 32 断熱バンド層 33 断熱バンド 34,34’ 凹溝 35 正台形ブロック 35’ 傾斜された側面 36 逆台形ブロック 36’ 逆傾斜された側面 37 ワイヤ 39 溶接裏面支持ブロック群 43 テーパ 45,46 凹凸部 47 粘着テープ 60,60’,60” 補助牽引ワイヤ 64 主牽引ワイヤ 70 空気排出弁 72 弁シート 72a 排出孔 72b 係止溝部 74 牽引環 76 開放弁 76a 挿入孔 78 弁キャップ 78a 通気孔 80 整列治具 90 設置治具 P1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 パイプ母材

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイプ母材間の溶接方法において、 正台形ブロックと逆台形ブロックとを交互に傾斜した側
    面を接触するように設けて該正台形ブロック及び逆台形
    ブロックをワイヤで連結した溶接裏面支持ブロック群
    と、前記溶接裏面支持ブロック群の内面に多数の断熱バ
    ンド片をバンド上に裁縫した断熱バンド層とを空気の注
    入及び排出が可能な拡張手段の外周面上に設け、 該拡張手段に空気を注入し拡張手段を膨張せしめて前記
    正台形ブロックと逆台形ブロックとが互いの傾斜側面を
    スライドしながら溶接裏面支持ブロック群の外周面が前
    記パイプ母材間の内周面を押圧するようにし、 前記溶接裏面支持ブロック群の中央部と前記パイプ母材
    間のルートの位置が一致するようにしてパイプ母材間を
    溶接するようにしたことを特徴とするパイプ状金属母材
    間の溶接方法。
  2. 【請求項2】前記溶接裏面支持ブロック群の内面に可撓
    性の粘着テープを設けて、 前記拡張手段の内部へ空気を注入して拡張手段を膨張せ
    しめてパイプ母材間のルートの位置が溶接裏面支持ブロ
    ック群の中央部と一致した状態で前記粘着テープを溶接
    裏面支持ブロック群を取り巻くようにして前記パイプ母
    材の内周面に接着せしめて該溶接裏面支持ブロック群を
    固設した後、 前記パイプ母材の溶接部位から前記拡張手段を隔離さ
    せ、その後にパイプ母材間を溶接するようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載のパイプ状金属母材間の溶接
    方法。
  3. 【請求項3】前記正逆台形ブロックの中央部長手方向に
    形成された凹溝によってバックビードを形成させうるよ
    うにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のパイプ状金属母材間の溶接方法。
  4. 【請求項4】パイプ母材間の溶接装置において、 空気の注入又は排出を調整可能な所定の大きさの拡張手
    段30と、 バンド31に多数の耐熱バンド33の終端が互いに重な
    るように固設された断熱ハンド層32と、 中央部長手方向に凹溝34,34’がそれぞれ形成され
    た正台形ブロック35と逆台形ブロック36とを交互に
    設けこれらをワイヤ37で連結すると共に前記正台形ブ
    ロック35の傾斜された側面35’と前記逆台形ブロッ
    クの逆傾斜された側面とが互いに当接した状態でスライ
    ド可能になされた溶接裏面支持ブロック群39とを備え
    ていることを特徴とするパイプ状金属母材間の溶接装
    置。
  5. 【請求項5】前記正逆台形ブロック35,36の傾斜し
    た側面35’,36’に相互に嵌合可能な凹凸部45,
    46を形成したことを特徴とする請求項4に記載のパイ
    プ状金属母材間の溶接装置。
  6. 【請求項6】前記正逆台形ブロック35,36の外周面
    が前記パイプ母材の内周面に適合するように形成された
    湾曲面を備えていることを特徴とする請求項4に記載の
    パイプ状金属母材間の溶接装置。
  7. 【請求項7】前記正逆台形ブロック35,36には、そ
    の外周面の長手方向縁端部に所定の角度を有するように
    テーパ43が設けられていることを特徴とする請求項4
    に記載のパイプ状金属母材間の溶接装置。
  8. 【請求項8】前記溶接裏面支持ブロック群39の外径
    は、前記パイプ母材の内径の大きさに応じて、前記正逆
    台形ブロック35,36の大きさと設置数を加減するこ
    とにより調整可能になっていることを特徴とする請求項
    4に記載のパイプ状金属母材間の溶接装置。
  9. 【請求項9】前記拡張手段30には、その一側に空気排
    出弁70が形成されおり、 前記空気排出弁70は、前記拡張手段30の本体に挿入
    設置されていて内部排出孔72aの内周縁に係止溝部7
    2bを形成する弁シート72と、 前記弁シート72に支持設置可能な牽引環74と、 前記弁シート72の排出孔72aに圧入設置されていて
    その外側縁に前記係止溝部72bに密着可能な係止突起
    78bとその内部に挿入孔76aが形成された開放弁7
    6と、 前記開放弁76の挿入孔76aに挿入可能に形成されて
    いてその内部に通気孔78aが形成された弁キャップ7
    8からなり、 前記牽引環74と前記開放弁76と弁キャップ78は、
    それぞれ補助牽引ワイヤ60,60’,60”を介し
    て、主牽引ワイヤに連結されていることを特徴とする請
    求項4に記載のパイプ状金属母材間の溶接装置。
  10. 【請求項10】前記拡張手段30の空気排出弁70は、
    補助牽引ワイヤ60,60’,60”が主牽引ワイヤ6
    4の引き寄せにより引き寄せられるようになっていて、 主牽引ワイヤ64の引き寄せによって、最初に前記補助
    牽引ワイヤ60が引き寄せられて弁キャップ78が開放
    弁76から引き出され、引き続いて主牽引ワイヤ64を
    引き寄せることによって、前記補助牽引ワイヤ60’が
    引き寄せられて開放弁76が弁シート72から引き抜か
    れて排出孔72aが開放され、更に引き続いて主牽引ワ
    イヤ64を引き寄せることによって、前記補助牽引ワイ
    ヤ60”が引き寄せられて牽引環74と拡張手段30と
    を引き出すことができるように、前記補助牽引ワイヤ6
    0,60’,60”の長さが調整されていることを特徴
    とする請求項4又は請求項9に記載のパイプ状金属母材
    間の溶接装置。
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