JP2718800B2 - 連続鋳造のブレークアウト予知処理方式 - Google Patents

連続鋳造のブレークアウト予知処理方式

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、連続鋳造における鋳型内の鋳片のブレーク
アウトの発生を予知する連続鋳造のブレークアウト予知
処理方式に関し、特に、ブレークアウトの発生を高い精
度でかつ迅速に予知できるとともに、構築のための調整
処理が極めて容易なものとなる連続鋳造のブレークアウ
ト予知処理方式に関するものである。
連続鋳造処理にあっては、溶鋼がモールド(鋳型)を
流れて外側から徐々に冷却され凝固していく過程におい
て、モールドの内壁に溶鋼が焼け付く等の冷却異常によ
り溶鋼の凝固部分に厚さの薄い箇所が生じて、その部分
がモールドを出た所で破れることで溶鋼が流出するとい
うブレークアウトが発生することが起こる。このブレー
クアウトが発生すると、流出した溶鋼や冷却水の水蒸気
爆発等により、鋳造処理の中断のみならず、設備の破損
といった重大な事故をもたらすことになる。このブレー
クアウトは、溶鋼の引き抜き速度を落として冷却に要す
る時間を長くすることで避けられるものではあるが、後
工程の生産性の低下を招かないために溶鋼の引き抜き速
度を余り落とすことができないというのが現状である。
これから、連続鋳造処理におけるブレークアウトの発生
を高い精度でもって予知可能とならしめる高精度のブレ
ークアウト予知処理方式の提供が強く望まれているので
ある。
〔従来の技術〕
従来技術の説明に入る前に、第15図を参照しながら、
ブレークアウトの発生機構を拘束性ブレークアウトを例
にして簡単に説明する。
溶鋼の正常な凝固処理が行われている場合には、第15
図のに示すように、モールドの下方に行くに従ってシ
ェル厚は増大して安定した凝固が進行していくことにな
る。この処理時に、何らかの原因でもってメニスカス近
傍で拘束力が発生してその拘束力がシェル耐力より大き
くなると、に示すようにシェルは破断する。続いて、
に示すように、破断したシェルの間隙より溶鋼が流出
し、新しい薄いシェルを形成しながらシェルの破断がポ
ジティブストリップの間連続して発生する。
ネガティブストリップ期においては、シェルに破断力
が作用しないためシェル厚は増大する。しかし、ポジテ
ィブストリップ期において再びシェルに破断力が作用し
シェル破断が発生する。このように、シェル破断はモー
ルドオシレーション毎に発生して、に示すように、シ
ェル破断部は鋳造速度に応じて順次モールド下方及び幅
方向に伝播する。そして、に示すように、シェル破断
部がモールド下端位置より下方になった際にブレークア
ウト(図中のBO)となることになる。
このようにして、拘束性ブレークアウトが発生した場
合には、第16図に示すように、鋳片表面に流出した溶鋼
が凝固することによって発生する湯皺が認められること
になる。
このブレークアウトを予知するために、従来では、特
開昭58−148064号公報に開示されるように、連続鋳造設
備の鋳型壁面に複数の熱電対を埋設するよう構成して、
これらの熱電対中の1つの熱電対の検出温度が平均検出
温度より一旦上昇してから下降する動作を行うととも
に、この熱電対に隣接する他の少なくとも1つの熱電対
の検出温度が上記のような温度変動の動作を行うことを
検出することをもって、ブレークアウトの発生を予知す
るという方法が採られていた。
すなわち、鋳型に埋設された熱電対位置でシェル破断
が発生すると、鋳型表面に流出る溶鋼によりその熱電対
の検出温度が急激に上昇するとともに、その後その流出
した溶鋼が鋳型により冷却されて新しいシェルを形成す
ることでその検出温度が下降する動作を行う特性を利用
して、埋設される熱電対の平均検出温度を基準にし、い
ずれかの熱電対の検出温度がその隣接する熱電対の検出
温度とともにこの平均検出温度を上昇して下降する動作
を行ったならば、ブレークアウトが発生する状態となっ
たと判断してブレークアウトの発生を予知するよう処理
していた。
また、他の従来技術としては、特開昭55−84259号公
報に開示されるように、連続鋳造用の鋳型銅板4面の内
の2面以上の各面において、1ヶ所以上の所で温度を検
出し、これらの温度を互いに比較して、その温度差を指
標にしつつブレークアウトの発生を予知するという方法
がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来技術によるブレークア
ウトの予知処理方式では、ブレークアウト徴候の発生時
と正常時との温度パターンの違いを、温度偏差や昇温率
や隣接熱電対間の温度変動時間差等に対しての単純なレ
ベル判定の組合せでもって識別するために以下の問題点
があった。
すなわち、鋳型表面温度は定常状態であっても常に安
定した一定値を示すものではなく、鋼種や鋳造速度や湯
面温度やパウダーの流入等の操業条件の変化により大き
く変動することになる。また、ブレークアウト発生時の
温度上昇も一定ではなく10度Cから100度Cといったよ
うな大きなバラツキがある。これから、従来のような単
純なアルゴリズム及び判定条件を用いるものでは、高精
度でもってブレークアウトの徴候を検出することが難し
く、従って誤検出や未検出が増加してしまい実用に耐え
ないという問題点があった。
これを解決すべくより複雑なアルゴリズムや判定条件
を構築していくという方法を採ることも考えられるが、
その構築は極めて困難であるばかりか、あまりに複雑な
アルゴリズムや判定条件を用いるようにすると、信号処
理に時間がかかり過ぎてしまいブレークアウトの発生を
予知できないという新たな問題点がでてくることにな
る。
また、このような操業条件の変化を吸収するために
は、特定の操業条件で構築したアルゴリズムや判定条件
を変更したり、各判定条件における設定値を調整してい
く必要がでてくるが、従来技術の方法を採ると、入手さ
れた実績データを一事象毎に検討してその変更・調整処
理を行っていくという試行錯誤的なものにならざるを得
ないために、オペレータに対して多大な労力と時間を強
いることになるという問題点もあったのである。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、
連続鋳造処理におけるブレークアウトの発生を高い精度
でかつ迅速に予知できるとともに、構築のための調整処
理が極めて容易なものとなる新たな連続鋳造のブレーク
アウト予知処理方式の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、本発明者が温度のレベル差や変化タイミン
グ差等のバラツキはあるものの、ブレークアウト現象が
全てのブレークアウトに共通した固有のパターン現象と
して把握できることを知見するとともに、最近検討され
つつある並列分散処理のニューロコンピュータがこのパ
ターン現象の識別のために好適であることに着目して、
ニューロコンピュータに従ってブレークアウトの発生の
予知処理を行うよう構成するものである。
第1図に、本発明の原理構成を図示する。図中、10は
鋳型、20は鋳型の側壁に配設される温度検出端、30温度
検出端20対応で備えられて温度検出端20の検出する温度
検出値を入力信号とするネットワーク構造部であって、
内部状態値の割り付けられるネットワーク構造のデータ
変換機能に従って入力信号に対応する出力信号を算出し
て出力するもの、31はネットワーク構造部30が備える内
部状態値管理部であって、データ変換処理の実行時に必
要となる内部状態値を管理するもの、32は微分演算部で
あって、温度検出端20の検出する温度検出値の1次微分
や2次微分や偏差情報等の微分情報を演算するもの、33
は時系列データ格納部であって、温度検出端20の検出す
る温度検出値の時系列データや微分演算部32の出力する
温度検出値の微分情報の時系列データを保持するもの、
34は隣接する少なくとも2つ以上の温度検出端20に対応
付けられるネットワーク構造部30の出力信号を入力とす
る第1の演算部であって、入力されるネットワーク構造
部30の出力信号値の相互関係からブレークアウトの徴候
が隣接する温度検出端20の所で概略同時に発生したのか
否かを検出するもの、35はブレークアウト予知部であっ
て、ネットワーク構造部30や第1の演算部34に相当する
もの、36は第2の演算部であって、2列構成で配設され
る温度検出端20の列対応の同一部位若しくはその近傍の
部位に位置する温度検出端20に対応付けられるブレーク
アウト予知部35の出力信号を入力として、この出力信号
値の相互関係からブレークアウトの徴候が上下の概略同
一位置の温度検出端20の所で概略同時発生したのか否か
を検出するもの、40は学習処理装置であって、例えばバ
ック・プロパゲーション法に従い、学習用の入力信号群
の提示に応じて出力されるネットワーク構造部30からの
出力信号群が所望の教師信号群となるようにネットワー
ク構造部30の内部状態値を学習するもの、41は学習処理
装置40が備える学習信号格納装置であって、学習処理装
置40が使用する学習信号を管理するものである。
この第1の演算部34は、ネットワーク構造部30の出力
信号値の時系列データを保持するとともに、この保持デ
ータの内の最もブレークアウトの徴候状態を表示する保
持データを出力するバッファ部341と、このバッファ部3
41の出力信号を入力として、階層ネットワーク構造のデ
ータ変換機能に従ってブレークアウトの徴候の同時発生
の判断値を出力する階層ネットワーク構造部342(デー
タ変換処理の実行時に必要となる内部状態値を管理する
内部状態値管理部343を備える)とから構成されること
がある。
このように構成される本発明の作用の説明に入る前
に、ネットワーク構造部30や階層ネットワーク構造部34
2の一実施例として用いられて、適応的なデータ処理を
実行する階層ネットワーク構成データ処理装置と、学習
処理装置40がその一実施例として実行することになるバ
ック・プロパゲーション法について説明する。
階層ネットワーク構成データ処理装置では、基本ユニ
ットと呼ぶ一種のノードと、内部状態値に相当する重み
値を持つ内部結合とから階層ネットワークを構成してい
る。第17図に、基本ユニット1の基本構成を示す。この
基本ユニット1は、多入力一出力系となっており、複数
の入力に対し夫々の内部結合の重み値を乗算する乗算処
理部2と、それらの全乗算結果を加算する累算処理部3
と、この累算値に非線型の閾値処理を施して一つの最終
出力を出力する閾値処理部4とを備える。
h層を前断層としi層を後断層とすると、この累算処
理部3では下記の(1)式の演算を実行し、閾値処理部
4では下記の(2)式の演算を実行する。
但し、 h:h層のユニット番号 i:i層のユニット番号 p:入力信号のパターン番号 θi:i層のi番ユニットの閾値 Wih:h−i層間の内部結合の重み値 xpi:h層の各ユニットからi層のi番ユニットへの入力
の積和 yph:p番目パターンの入力信号に対するh層のh番ユニ
ットからの出力 ypi:p番目パターンの入力信号に対するi層のi番ユニ
ットからの出力 そして、階層ネットワーク構成データ処理装置では、
このような構成の多数の基本ユニット1が、入力信号値
をそのまま分配して出力する入力ユニット1′を入力層
として、第18図に示すように階層的に接続されることで
階層ネットワークを構成して、入力パターンを対応する
出力パターンに変換するという並列的なデータ処理機能
を発揮することになる。
学習処理装置40は、バック・プロパゲーション法に従
って階層ネットワーク構成データ処理装置のデータ変換
機能を規定するところの階層ネットワークの重み値を学
習処理により求めていくよう処理する。
バック・プロパゲーション法では、階層ネットワーク
の重み値Wihと閾値θiとを誤差のフィードバックにより
適応的に自動調節して学習することにある。(1)
(2)式から明らかなように、重み値Wihと閾値θiとの
調節は同時に実行される必要があるが、この作業は相互
に干渉する難しい作業となる。そこで、本出願人の一人
は、先に出願の「特願昭62−333484号(昭和62年12月28
日出願、“ネットワーク構成データ処理装置”)」で開
示したように、入力側のh層に常に“1"を出力するとと
もにその出力に対して閾値θiを重み値として割り付け
るユニットを設けることで、閾値θiを重み値Wihの中に
組み込んで閾値θiを重み値として扱うようにすること
を提案した。このようにすることで、上述の(1)
(2)式は、 で表されることになる。
次に、この(3)(4)式の記述形式のものに従っ
て、バック・プロパゲーション法による重み値の学習処
理方式について説明する。ここで、この説明は、階層ネ
ットワーク部が、第18図に示すh層−i層−j層という
3層構造の階層ネットワークをもつもので行う。
(3)(4)式からの類推によって次の(5)(6)
式が得られる。すなわち、 但し、 j:j層のユニット番号 Wji:i−j層間の内部結合の重み値 xpj:i層の各ユニットからj層のj番ユニットへの入力
の積和 ypj:p番目パターンの入力信号に対するj層のj番ユニ
ットからの出力 学習処理装置40は、学習用の入力パターンが提示され
たときに出力される出力層からの出力パターンypjと、
その出力パターンypjのとるべき信号である教師パター
ンdpj(p番目パターンの入力信号に対するj層j番目
ユニットへの教師信号)とを受け取ると、先ず最初に、
出力パターンypjと教師パターンdpjとの差分値〔dpj−y
pj〕を算出し、次に、 を算出して、続いて、 但し、ε:学習定数 ζ:モーメンタム t:学習回数 に従って、i層−j層間の重み値の更新量ΔWji(t)
を算出する。ここで、「ζΔWji(t−1)」という前
回の更新サイクル時に決定された重み値の更新量に係る
ものを加算するのは学習の高速化を図るためである。
続いて、学習処理装置40は、算出したαpjを用いて、
先ず最初に、 を算出し、次に、 に従って、h層−i層間の重み値の更新量ΔWih(t)
を算出する。
続いて、学習処理装置40は、この算出した更新量に従
って次の更新サイクルのための重み値 Wji(t)=Wji(t−1)+ΔWji(t) Wih(t)=Wih(t−1)+ΔWih(t) を決定していく方法を繰り返していくことで、学習用の
入力パターンを提示したときに出力される出力量からの
出力パターンypjと、その出力パターンypjのとるべき信
号である教師パターンdpjとが一致することになる重み
値Wji,Wihを学習するよう処理する。
そして、学習処理装置40は、更に多層で構成される場
合においても、同様の処理に従い、前段側の層間の重み
値の更新量ΔWを出力側の後段から求まる値とネットワ
ーク出力データとを使いながら決定していくよう処理す
ることになる。
このようにして学習された重み値を階層ネットワーク
の内部結合に割り付けていくことで、階層ネットワーク
構成データ処理装置は、学習用の入力パターンが入力層
に提示されるときに出力層から所望の教師パターンを出
力するよう処理するとともに、想定していなかった入力
パターンが入力されることになっても、この階層ネット
ワークからそれらしい出力パターンを出力するという適
応的なデータ処理を実行することになる。
〔作用〕
ブレークアウトの徴候が発生すると、第16図でも説明
したように、鋳型10の側壁に湯皺に基づく特徴的な温度
分布パターンが発生する。これに対して、ブレークアウ
トの徴候が発生していない場合には、操業条件による違
いはあるものの、鋳型10の側壁の温度分布パターンは比
較的変動の少ない平担な特徴を示すことになる。
本発明では、これから、ブレークアウトの予知処理を
計画するオペレータは、先ず最初に、鋳型10の側壁の温
度分布パターンを検出すべく複数の温度検出端20を例え
ば鋳型10の横方向に配設する。そして、これらの温度検
出端20の温度検出値を入力信号とするネットワーク構造
部30を1つ用意する。この用意されるネットワーク構造
部30は、上述した階層ネットワーク構成データ処理装置
のように、内部状態値(重み値や閾値等)の割り付けら
れるネットワーク構造のデータ変換機能に従って適応的
なデータ処理を実行するものである。
次に、オペレータは、今までの操業データから、ブレ
ークアウトの徴候が発生したときにおけるこれらの温度
検出端20により検出される温度分布パターンのデータ
と、ブレークアウトの徴候が発生しなかったときにおけ
る温度分布パターンのデータとを採取して、別に用意さ
れる学習信号格納装置41にブレークアウトの徴候の発生
の有無情報と対応付けて格納する処理を行う。この採取
データは、種々の操業条件の下において、様々な態様で
発生するブレークアウトに合わせて可能な限り多く採取
することが好ましい。
続いて、オペレータは、学習信号格納装置41に格納さ
れた温度分布パターン情報を学習用の入力信号とし、そ
のときのブレークアウトの徴候の発生の有無情報を学習
用の教師信号として用いることを指定して学習処理装置
40を起動する。このようにして起動される学習処理装置
40は、学習信号格納装置41に格納された温度分布パター
ン情報をネットワーク構造部30に入力信号として提示す
るとともに、この提示に応答してネットワーク構造部30
からの出力信号が、学習信号格納装置41に格納された対
応のブレークアウトの徴候の発生の有無情報となるべく
ネットワーク構造部30の内部状態値の学習処理を実行す
る。この学習処理は、例えば、上述のバック・プロパゲ
ーション法により実行されることになる。そして、オペ
レータは、この学習処理装置40の学習処理により求めら
れた内部状態値を内部状態値管理部31に格納する処理を
行う。
このようにして、学習処理装置40により学習された内
部状態値の割り付けられるネットワーク構造部30は、実
際の操業時に温度検出端20により検出される温度分布パ
ターン情報が入力されると、その温度分布パターン情報
に対応するところのブレークアウトの徴候の発生の有無
情報を適応的に出力するよう処理するので、このネット
ワーク構造部30の出力信号に従ってブレークアウトの発
生を予知できることになる。
また、ブレークアウトの徴候が発生すると、〔従来の
技術〕の欄でも説明したように、発生箇所の鋳型の表面
温度が急激に上昇するとともに、その後その表面温度が
下降する動作を行う。すなわち、鋳型10の側壁に第2図
に示すような特徴的な温度の時系列パターンが発生す
る。そして、これに対応して、表面温度の1次微分や2
次微分や偏差情報(直流分からの偏差)等の微分情報も
ブレークアウトの徴候の発生に対応して急激に上昇し、
その後下降する動作を行うことになる。これに対して、
ブレークアウトの徴候が発生していない場合には、操業
条件による違いはあるものの、鋳型10の側壁の温度やそ
の微分情報の時系列パターンは比較的変動の少ない平担
な特徴を示すことになる。従来では、この温度やその微
分情報の時系列パターンをパターンとして捉えるのでは
なくて、レベル差のみで捉えるようにしていた。これに
対して、本発明では、このパターンとしての特徴を利用
してブレークアウトの徴候の発生を検出するよう構成す
る。
本発明では、これから、ブレークアウトの予知処理を
計画するオペレータは、先ず最初に、鋳型10の側壁の温
度を測定する1つ又は複数の温度検出端20を鋳型10の側
壁の例えば横方向に配設する。そして、温度の時系列パ
ターンでもってブレークアウトの徴候の発生を検出しよ
うとするときには、配設された温度検出端20の検出温度
値の時系列データを保持する時系列データ格納部33を用
意し、また、温度の微分情報の時系列パターンでもって
ブレークアウトの徴候の発生を検出しようとするときに
は、配設された温度検出端20の検出温度値の微分情報を
演算する微分演算部32と、この微分演算部32により求ま
る微分情報の時系列データを保持する時系列データ格納
部33とを用意する。そして、どちらの場合も、これに加
えて、時系列データ格納部33に格納される温度検出値を
入力信号とするネットワーク構造部30を時系列データ格
納部33に対応させて用意する。
次に、オペレータは、今までの操業データから、温度
の時系列パターンでもってブレークアウトの徴候の発生
を検出しようとするときには、ブレークアウトの徴候が
発生したときにおける温度検出端20の検出温度値の時系
列パターンのデータと、ブレークアウトの徴候か発生し
なかったときにおける検出温度値の時系列パターンのデ
ータとを採取して、用意される学習信号格納装置41にブ
レークアウトの徴候の発生の有無情報と対応付けて格納
する処理を行う。また、温度の微分情報の時系列パター
ンでもってブレークアウトの徴候の発生を検出しようと
するときには、ブレークアウトの徴候が発生したときに
おける温度検出端20の検出温度値の微分情報の時系列パ
ターンのデータと、ブレークアウトの徴候が発生しなか
ったときにおける検出温度値の微分情報の時系列パター
ンのデータとを採取して、学習信号格納装置41にブレー
クアウトの徴候の発生の有無情報と対応付けて格納する
処理を行う。この採取データもまた、種々の操業条件の
下において、様々な態様で発生するブレークアウトに合
わせて可能な限り多く採取することが好ましい。
続いて、オペレータは、温度の時系列パターンでもっ
てブレークアウトの徴候の発生を検出しようとするとき
には、学習信号格納装置41に格納された温度の時系列パ
ターン情報を学習用の入力信号とし、そのときのブレー
クアウトの徴候の発生の有無情報を学習用の教師信号と
して用いることを指定して学習処理装置40を起動し、ま
た、温度の微分情報の時系列パターンでもってブレーク
アウトの徴候の発生を検出しようとするときには、学習
信号格納装置41に格納された温度の微分情報の時系列パ
ターン情報を学習用の入力信号とし、そのときのブレー
クアウトの徴候の発生の有無情報を学習用の教師信号と
して用いることを指定して学習処理装置40を起動する。
このようにして起動される学習処理装置40は、上述の処
理と同様の処理に従い、学習用の教師信号が出力される
ことになるネットワーク構造部30の内部状態値の学習処
理を実行する。そして、オペレータは、この学習処理装
置40の学習処理により求められた内部状態値を内部状態
値管理部31に格納する処理を行う。
このようにして、学習処理装置40により学習された内
部状態値の割り付けられるネットワーク構造部30は、実
際の操業時に温度検出端20により検出される温度の時系
列パターン情報(あるいは温度の微分情報の時系列パタ
ーン情報)が入力されると、その温度の時系列パターン
情報(あるいは温度の微分情報の時系列パターン情報)
に対応するところのブレークアウトの徴候の発生の有無
情報を適応的に出力するよう処理するので、このネット
ワーク構造部30の出力信号に従ってブレークアウトの発
生を予知できることになる。この構成を採るときにおい
て、温度検出端20を複数個配設するときには、いずれか
1つのネットワーク構造部30がブレークアウトの徴候の
発生情報を出力することをもってブレークアウトの発生
の予知信号を出力する構成を採るとか、多数決の論理を
もってブレークアウトの発生の予知信号を出力する構成
を採るとかいったように、更に種々の論理演算処理を加
えることが可能である。
この温度の時系列パターン情報や温度の微分情報の時
系列パターン情報によるブレークアウトの予知処理の信
頼性をより高める必要があるときには、オペレータは、
複数個用意する温度検出端20を鋳型10の側壁の横方向
(概略横方向で十分である)に配設するとともに、第1
の演算部34を用意する。そして、この用意される第1の
演算部34に従ってブレークアウトの徴候が隣接する温度
検出端20の所で概略同時に発生するか否かを検出して、
同時発生を検出することを条件にしてブレークアウト発
生の予知表示を実行する構成を採ることが好ましい。こ
のように構成すると、湯面変動や、パウダー流入のバラ
ツキや、凝固シェルと鋳型面との間のエアーギャップ等
の状態によりブレークアウトの徴候時と類似する温度状
態が発生することがあっても、誤検出することなくブレ
ークアウトの徴候状態の発生を正確に予知できるように
なる。
更に、鋳型10の側壁の温度分布パターンや温度の時系
列パターン情報や温度の微分情報の時系列パターン情報
によるブレークアウトの予知処理の信頼性を高める必要
があるときには、オペレータは、鋳型10の側壁に配設す
る温度検出端20を溶鋼の流れ方向(概略流れ方向で十分
である)に対して2列構成でもって配設し、この上下2
列についての同一部位若しくはその近傍の部位に位置す
る温度検出端20に対応付けてネットワーク構造部30や第
1の演算部34をブレークアウト予知部35として用意する
とともに、このブレークアウト予知部35の出力を入力と
する第2の演算部36を用意する。そして、この用意され
る第2の演算部36に従ってブレークアウトの徴候が上下
2列の同一部位の温度検出端20の所で概略同時に発生す
るか否かを検出して、同時発生を検出することを条件に
してブレークアウト発生の予知表示を実行する構成を採
ることが好ましい。このように構成すると、ブレークア
ウトの徴候時と類似する温度検出状態が発生することが
あっても、誤検出することなくブレークアウトの徴候状
態の発生を正確に予知できるようになる。
第1の演算部34を構成するバッファ部341は、隣接す
る温度検出端20の所に表れるブレークアウトの徴候の発
生のタイミングの時間的ズレを吸収するために、ネット
ワーク構造部30の出力信号をある時間分保持するととも
に、その保持データに従ってその時間内におけるブレー
クアウトの発生の徴候情報を出力するよう処理する。そ
して、第1の演算部34を構成する階層ネットワーク構造
部342は、入力信号を与えるバッファ部341がすべてブレ
ークアウトの発生の徴候情報を出力しているときにおい
て、自らの備える階層ネットワーク構造のデータ処理機
能に従ってブレークアウトの徴候の同時発生を出力する
よう動作することで、第1の演算部34の機能を実現する
よう動作する。
このように、本発明では、鋳型10の側壁の空間的及び
時間的な温度パターンの特徴がブレークアウトの徴候の
発生時と非発生時とで大きく異なるという点に着目し
て、適応的なデータ処理を実行するネットワーク構造部
30のデータ処理機能にこのブレークアウトの徴候の発生
時と非発生時の温度パターンを記憶させるようにするこ
とで、ブレークアウトの徴候の発生の検出を適応的に実
行できるようにすることを特徴とするものである。これ
から、従来のようなレベル判定的な予知処理よりもブレ
ークアウトの徴候状態の発生の検出能力を飛躍的に高め
られることになる。
そして、ネットワーク構造部30はその構造上並列分散
処理を実行するものであることから、従来の逐次的な予
知アルゴリズムに比べてより高速にブレークアウトの徴
候状態の発生を検出できるようになる。しかも、ネット
ワーク構造部30の検出機能を規定する内部状態値は、操
業データとして入手できるデータを加工することなくそ
のまま学習信号として用いることで学習処理装置40によ
り機械的に求められるものであり、また、新たな別の学
習信号が入手されるような場合があっても、それまで得
られている学習信号とその新たな学習信号とを新たな学
習信号として用いてより高精度の内部状態値を機械的に
求められることから、従来のような試行錯誤的な方法に
よることなくネットワーク構造部30の調整・変更処理を
実行でき、これがためにオペレータの負荷を著しく低減
できるようになる。
〔実施例〕
以下、実施例に従って本発明を詳細に説明する。
第3図に、本発明が適用される連続鋳造システムのシ
ステム構成を図示する。図中、第1図で説明したものと
同じものについては同一の記号で示してある。11はロー
ルであって、鋳型10から表面の凝固した鋳鉄を引き抜く
もの、50は本発明を実装するブレークアウト予知装置で
あって、鋳型10内の鋳片のブレークアウトを予知するよ
う処理するもの、60はロール11の引き抜き速度を制御す
るロール制御装置であって、ブレークアウト予知装置50
からの予知信号に応じてロール11の引き抜き速度を減速
することで発生したブレークアウトの徴候を消滅するよ
う制御するとともに、ブレークアウト予知装置50からの
キャンセル信号に応じてロール11の引き抜き速度を元の
高速なものに戻すよう制御するものである。この図に示
すように、この実施例のシステム構成にあっては、鋳型
10の側壁に配設される温度検出端20は、鋳型10の側壁の
横方向に2列構成で配列される構成が採られることにな
る。
第4図に、このブレークアウト予知装置50の一実施例
を図示する。図中、第1図で説明したものと同じものに
ついては同一の記号で示してある。30aは2列構成の上
段列の温度検出端20に対応付けて備えられるネットワー
ク構造部、30bは2列構成の下段列の温度検出端20に対
応付けて備えられるネットワーク構造部、37は階層ネッ
トワーク構造部342の出力値を入力とする予知処理部で
あって、入力される階層ネットワーク構造部342の出力
値の最大値を特定するとともに、その最大値が所定の判
定値より大きなものであるときにはブレークアウトの徴
候が発生したものとしてブレークアウトの予知信号を出
力するもの、38は予知情報表示器であって、予知処理部
37の出力する予知信号をオペレータに表示するもの、39
は第1図の第2の演算部36に対応するブレークアウト発
生確認部であって、ネットワーク構造部30bの出力値と
予知処理部37の出力値とを入力として、上下の同一部位
の温度検出端20に対応付けて備えられる階層ネットワー
ク構造部342とネットワーク構造部30bとが同時(一定の
遅延時間内を考慮した同時である)にブレークアウトの
徴候の発生を検出するか否かを判断するとともに、ブレ
ークアウトの徴候の同時発生を検出しないときにはキャ
ンセル信号を出力するとともに、同時発生を検出すると
きにはキャンセル信号を出力しないよう処理するもので
ある。
このネットワーク構造部30a,bの前段に備えられる時
系列データ格納部33は、第1図でも説明したように、微
分演算部32の出力する温度検出値の微分情報の時系列デ
ータを保持するものである。この保持処理の実行のため
に、時系列データ格納部33は、例えば10個のバッファ手
段を備えて、たとえば3秒毎に求められる温度検出値の
微分情報の時系列データを更新しながら保持していくよ
う処理する。そして、ネットワーク構造部30a,bは、こ
の時系列データ格納部33の保持する微分情報の時系列デ
ータを入力信号とするよう構成される。
第5図に、ネットワーク構造部30a,bの一実施例を図
示する。この実施例では、ネットワーク構造部30a,bを
第18図で説明したような階層ネットワーク構成で構成す
るものを開示してある。すなわち、入力信号を分配する
10個の入力ユニット1′から構成される入力層と、1段
構成の8個の基本ユニット1から構成される中間層と、
1個の基本ユニット1から構成される出力層とを備える
とともに、入力層と中間層との間、中間層と出力層との
間に重み値の設定される内部結合が構成されることで、
ネットワーク構造部30a,bが構成されることになる。な
お、ブレークアウト予知装置50の構成が複雑となること
が許容される場合は、ネットワーク構造部30aとネット
ワーク構造部30bとで異なる階層ネットワーク構成を採
るようにすることも可能であり、更には、ネットワーク
構造部30a同士やネットワーク構造部30b同士の内でも異
なる階層ネットワーク構成を採るようにすることも可能
である。
また、第4図に示す実施例の階層ネットワーク構造部
342は、図に示すように、上段列の隣接する2つの温度
検出端20に対応付けて備えられるネットワーク構造部30
aの出力値を入力(バッファ部341を介して入力する)と
する構成が採られる。第6図に、この階層ネットワーク
構造部342の一実施例を図示する。この実施例では、入
力信号を分配する2個の入力ユニット1′から構成され
る入力層と、1段構成の4個の基本ユニット1から構成
される中間層と、1個の基本ユニット1から構成される
出力層とを備えるとともに、入力層と中間層との間、中
間層と出力層との間に重み値の設定される内部結合が構
成される階層ネットワーク構造部342を開示してある。
ネットワーク構造部30a,bや階層ネットワーク構造部3
42のハードウェア部品による構成方法としては、本出願
人の一人が出願した「特願昭63−216865号(昭和63年8
月31日出願、“ネットワーク構成データ処理装置”)」
で開示したものを用いることが可能である。
すなわち、基本ユニット1は、第7図に示すように、
入力スイッチ部7を介して入力される前段層からの出力
と重み値保持部8が保持する重み値とを乗算する乗算型
D/Aコンバータ2aと、乗算型D/Aコンバータ2aの出力値と
前回の累算値とを加算して新たな累算値を算出するアナ
ログ加算器3aと、アナログ加算器3aの加算結果を保持す
るサンプルホールド回路3bと、累算処理が終了したとき
にサンプルホールド回路3bの保持データを非線型変換す
る非線型関数発生回路4aと、後段層への出力となる非線
型関数発生回路4aのアナログ信号値をホールドする出力
保持部5と、出力保持部5の保持データを出力する出力
スイッチ部6と、これらの各処理部を制御する制御回路
9とを備えることで実現される。
そして、階層ネットワーク構成は、この構成をとる基
本ユニット1が、第8図に示すように、1本の共通なア
ナログバス70でもって電気的に接続される構成で実現さ
れる。ここで、図中、71は基本ユニット1の重み保持部
8に重み値を与える重み出力回路、72は入力ユニット
1′に対応する初期信号出力回路、73はデータ転送の制
御信号である同期制御信号を重み出力回路71、初期信号
出力回路72及び制御回路9に伝える同期制御信号線、74
は同期制御信号を送出する主制御回路である。
この構成の階層ネットワーク構成において、主制御回
路74は、前段層の基本ユニット1を時系列的に順次選択
するとともに、この選択処理と同期させて、選択された
基本ユニット1の出力保持部5が保持する最終出力をア
ナログバス70を介して時分割の送信形式に従って後段層
の基本ユニット1の乗算型D/Aコンバータ2aに対して出
力するよう処理する。この入力を受け取ると、後段層の
基本ユニット1の乗算型D/Aコンバータ2aは、対応する
重み値を順次選択して入力値と重み値との乗算処理を行
い、アナログ加算器3aとサンプルホールド回路3bとによ
り構成される累算処理部3はこの乗算値を順次累算して
いく。続いて、前段層の基本ユニット1に関してのすべ
ての累算処理が終了すると、主制御回路74は、後段層の
基本ユニット1の非線型関数発生回路4aを起動して最終
出力の算出を行い、出力保持部5がこの変換処理結果の
最終出力を保持するよう処理する。そして、主制御回路
74は、この後段層を新たな前段層として次の後段層に対
して同様の処理を繰り返していくことで、入力パターン
に対応する出力パターンが出力されるべく処理するので
ある。
ネットワーク構造部30a,b及び階層ネットワーク構造
部342の内部結合の重み値は、例えばバック・プロパゲ
ーション法を実装する第1図の学習処理装置40により求
められる。第9図に、この学習処理を実現するためのシ
ステム構成の一実施例を図示する。図中、第1図で説明
したものと同じものについては同一の記号で示してあ
る。300はネットワーク・シミュレータであって、計算
機上に構築されてネットワーク構造部30a,bや階層ネッ
トワーク構造部342のデータ変換機能を模擬するもの、4
2は学習信号提示部であって、学習信号格納装置41から
学習用の学習信号を読み出して、その内の学習提示信号
をネットワーク・シミュレータ300に提示するととも
に、対をなすもう一方の学習教師信号を後述する学習実
行部44と次に説明する学習収束判定部43に提示するも
の、43は学習収束判定部であって、ネットワーク・シミ
ュレータ300から出力される出力信号と学習信号提示部4
2からの学習教師信号とを受けて、ネットワーク・シミ
ュレータ300のデータ処理機能の誤差が許容範囲に入っ
たか否かを判定してその判定結果を学習信号提示部42に
通知するもの、44は学習実行部であって、学習信号提示
部42からの学習教師信号とネットワーク・シミュレータ
300のネットワーク出力データとを受けて、バック・プ
ロパゲーション法に従って重み値の更新量を算出して重
み値を更新していくことで重み値を収束値にと収束させ
るべく学習するものである。なお、ネットワーク・シミ
ュレータ300を用いずに、ネットワーク構造部30a,bや階
層ネットワーク構造部342そのものを用意して用いるこ
とも勿論可能である。
次に、第10図に示す処理手順を参照しつつ、このよう
に構成される本発明の処理について詳細に説明する。
ブレークアウトの予知処理を計画するオペレータは、
先ず最初に、第10図の処理手順のステップ1に示すよう
に、今までの操業データから、ブレークアウトの徴候が
発生したときにおける温度検出端20の温度検出値の時系
列データと、ブレークアウトの徴候が発生しなかったと
きにおける温度検出値の時系列データとを採取する処理
を実行する。第11図に、この採取された温度検出値の時
系列データの一例を図示する。ここで、第11図(a)
が、ブレークアウトの徴候が発生したときに、上段列の
概略中間位置に配設される隣接する2つの温度検出端20
により検出された温度検出値の時系列データの一例を示
すものであり、第11図(b)が、ブレークアウトの徴候
が発生しなかったときに、その2つの温度検出端20によ
り検出された温度検出値の時系列データを示している。
このような採取データは、上段列と下段列の温度検出端
20の夫々に対応させて採取することが好ましく、また、
種々の操業条件の下において様々な態様で発生するブレ
ークアウトに合わせて可能な限り多く採取することが好
ましい。
次に、オペレータは、ステップ2に示すように、ステ
ップ1で採取した温度検出値の微分情報を算出するとと
もに、この算出された温度検出値の微分情報の時系列デ
ータをブレークアウトの徴候の発生の有無情報と対応付
けて学習信号格納装置41に格納する処理を実行する。第
12図に、この演算された温度検出値の微分情報の時系列
データの一例を図示する。ここで、第12図(a)が、第
11図(a)の時系列データの微分情報(この図は一次微
分情報である)を示すものであり、第12図(b)が、こ
の第11図(b)の時系列データの微分情報(この図は一
次微分情報である)を示している。なお、この温度検出
値の微分情報の時系列データは直接、微分演算部32から
採取するようにしてもよい。
続いて、オペレータは、ステップ3で示すように、学
習処理装置40に対して、学習信号格納装置41に格納され
た温度検出値の微分情報の時系列データを学習提示信号
とし、そのときのブレークアウトの徴候の発生の有無情
報を学習教師信号として用いることを指定して、ネット
ワーク構造部30a,bの内部結合の重み値の学習に入るこ
とを指示する。このようにして起動されると、学習信号
提示部42は、学習信号格納装置41から温度検出値の微分
情報の時系列データを読み出してネットワーク・シミュ
レータ300に提示するとともに、この時系列データと対
をなすブレークアウトの徴候の発生の有無情報(この実
施例では、有情報のときに“1"、無情報のときに“0"と
している)を読み出して学習実行部44及び学習収束部43
に提示する。そして、学習実行部44は、温度検出値の微
分情報の時系列データの提示に応答して出力されるネッ
トワーク・シミュレータ300からの出力信号が、この提
示されるブレークアウトの徴候の発生の有無情報となる
べく重み値の更新処理を実行する。この更新処理は、学
習収束判定部43がネットワーク・シミュレータ300から
の出力信号が対応するブレークアウトの徴候の発生の有
無情報と概略一致することを検出するまで続けられる。
なお、上段列と下段列の温度検出端20の夫々に対応させ
て学習信号を採取した場合には、別々に学習処理が実行
されることになる。
学習処理装置40によりネットワーク構造部30a,bの内
部結合の重み値が求められると、続いて、オペレータ
は、ステップ4で示すように、学習処理装置40に対し
て、階層ネットワーク構造部342の内部結合の重み値の
学習に入ることを指示する。この階層ネットワーク構造
部342は、上段列の隣接する2つの温度検出端20に対応
して備えられるネットワーク構造部30aが同時にブレー
クアウトの徴候の発生検出をしたのか否かを判断する機
能を実行するものであることから、この学習は、第13図
に示すように、入力される2つの信号値が共に“1"に近
い値をとる領域(図中のBO領域)のデータを学習提示信
号とする場合には、学習教師信号としてブレークアウト
の徴候が発生したことを表示する“1"を使用し、入力さ
れる2つの信号値のいずれか一方が“0"に近い値をとる
領域(図中の非BO領域)のデータを学習提示信号とする
場合には、ブレークアウトの徴候が発生しないことを表
示する“0"を使用することで実行されることになる。
学習処理装置40によりネットワーク構造部30a,b及び
階層ネットワーク構造部342の内部結合の重み値が求め
られると、続いて、オペレータは、ステップ5で示すよ
うに、この求められた重み値をネットワーク構造部30a,
bの内部状態値管理部31と階層ネットワーク構造部342の
内部状態値管理部343に格納する処理を実行する。そし
て、次のステップ6で示すように、ブレークアウト予知
装置50を起動させることで連続鋳造システムにおけるブ
レークアウトの予知処理の実行に入ることを指示する。
次に、第4図に戻って、学習された重み値の設定され
たブレークアウト予知装置50の動作処理について詳細に
説明する。
鋳型10に配設される温度検出端20により所定のサンプ
リング周期に従って検出される温度検出値は、微分演算
部32により微分処理(学習提示信号として用いた微分情
報と同じ微分情報を得るための微分処理である)されて
時系列データ格納部33に順次格納されていくよう処理さ
れる。この時系列データ格納部33は、上述したように、
例えば10個のバッファ手段を備えて、例えば3秒毎に求
められる過去10点分の温度検出値の微分情報を保持する
ことで、温度検出値の微分情報の時系列データを保持す
るよう動作する。
この時系列データ格納部33の保持する時系列データを
入力とするネットワーク構造部30a,bは、学習された重
み値を用いてデータ変換機能を実行することで、この時
系列データが持つブレークアウトの徴候の発生状態の表
示値を出力するよう処理する。上述したように、ネット
ワーク構造部30a,bの重み値はブレークアウトの徴候が
発生しているときには“1"を出力し、ブレークアウトの
徴候が発生していないときには“0"を出力するよう学習
されているものであることから、ネットワーク構造部30
a,bは、時系列データ格納部33の保持する時系列データ
がブレークアウトの徴候の発生状態を表示するときには
“1"に近い値を出力し、逆に、ブレークアウトの徴候の
非発生状態を表示するときには“0"に近い値を出力する
よう処理することになる。
上段列の温度検出端20に対応付けて備えられるネット
ワーク構造部30aの出力は、横方向に隣接する温度検出
端20とのブレークアウトの検出タイミングのズレを調整
するために備えられるバッファ部341に入力される。こ
のバッファ部341は、例えば5個のバッファ手段を備え
ることでネットワーク構造部30aの過去5点の出力値を
保持するとともに、この保持データの内の最も“1"に近
い値を示す保持データを出力するよう処理するものであ
る。すなわち、第16図にも示したように、ブレークアウ
トの発生の徴候状態を表示する湯皺は、概略逆三角形の
形をもって鋳型10の下方に伝播していくよう動作するも
のであることから、隣接する温度検出端20にあってもブ
レークアウトの発生の徴候状態を同時に検出することに
はならないので、この検出タイミングのズレを吸収する
ためのバッファ部341を備えるよう構成するのである。
このバッファ部341の出力値を入力とする階層ネット
ワーク構造部342は、学習された重み値を用いてデータ
変換機能を実行することで、入力信号を与える2つのネ
ットワーク構造部30aが同時にブレークアウトの徴候の
発生状態を出力している否かを表示する表示値を出力す
るよう処理する。上述したように、階層ネットワーク構
造部342の重み値はブレークアウトの徴候が同時発生し
ているときには“1"を出力し、ブレークアウトの徴候が
同時発生していないときには“0"を出力するよう学習さ
れているものであることから、階層ネットワーク構造部
342は、入力信号を与える2つのバッファ部341が共にブ
レークアウトの徴候の発生状態を表示するときには“1"
に近い値を出力し、逆に、いずれか一方がブレークアウ
トの徴候の非発生状態を表示するときには“0"に近い値
を出力するよう処理することになる。
この階層ネットワーク構造部342の出力を受けて、予
知処理部37は、入力される階層ネットワーク構造部342
の出力値の最大値を特定するとともに、その最大値が例
えば“0.5"以上であるならばブレークアウトの徴候が発
生したものとしてブレークアウトの予知信号を出力す
る。この予知信号に従って、予知情報表示器38が連続鋳
造システムのオペレータに対してブレークアウトの予知
情報を表示するとともに、ロール制御装置60に対してロ
ール11の引き抜き速度の減速を指示する。
一方、この予知処理部37がブレークアウトの予知信号
を出力すると、ブレークアウト発生確認部39が動作を開
始して、予知信号を与えた階層ネットワーク構造部342
に対応付けられる温度検出端20を特定するとともに、こ
の特定された温度検出端20の下の位置にある下段列の温
度検出端20に対応付けて備えられるネットワーク構造部
30bの出力値を所定の回数監視して、その監視期間内に
そのネットワーク構造部30bの出力値に所定の値より大
きい値を示すものがあるのか否かをチェックする。そし
てこのチェック処理に従って、所定の値より大きい値を
示すものがないときには、上段列で検出したブレークア
ウトの徴候情報は誤検出であったと判断してロール制御
装置60に対してキャンセル信号に出力し、逆に、所定の
値より大きい値を示すものがあるときには、上段列で検
出したブレークアウトの徴候情報は正しいものであった
と判断してキャンセル信号を出力しないよう処理するこ
とになる。
このようにして、本発明では、ネットワーク構造部30
が持つ適応的なデータ処理機能に従ってブレークアウト
の徴候状態の発生をリアルタイムに正確に予知するよう
処理するのである。
第14図に、本発明の有効性を検証するために行ったシ
ミュレーションにより得られた実験データを図示する。
このシミュレーションは、計算機上に構築されたブレー
クアウト予知装置50に対して、ブレークアウトが発生し
た9件の温度検出値とブレークアウトが発生しなかった
25件の温度検出値とを入力させて、本発明に係るブレー
クアウト予知装置50がどのような検出を行ったかを模擬
したものである。
このシミュレーションは、微分演算部32が実行する微
分処理として1次微分、2次微分、偏差(過去8点分の
平均値対しての偏差)があることを想定し、階層ネット
ワーク構造部342を備える場合(図中のの実験デー
タ)と、備えない場合(図中のの実験データ)とを想
定して行った。なお、従来のブレークアウト予知装置
は、このブレークアウトが発生しなかった25件の温度検
出値に対してすべてブレークアウトと誤検出してしまっ
ている。
この実験データから分かるように、本発明を用いるこ
とで、ブレークアウトと誤検出する回数を大幅に減少で
きることが確認された。この効果は、階層ネットワーク
構造部342を備える(隣接する温度検出端20の検出値を
考慮する方法)ことで大きく改善されることになるとと
もに、ネットワーク構造部30に入力する温度検出値の微
分情報として1次微分情報を用いることで大きく改善さ
れることが確認された。
本発明は、鋳型10の側壁の温度パターンの状態をネッ
トワーク構成を採るデータ処理機能に従って監視するこ
とで、ブレークアウトの徴候状態の発生を検出するよう
構成することを特徴とするものである。このように、鋳
型10の側壁の温度パターン状態をパターン的に捉えるこ
とを特徴とするものであることから、この実施例では温
度検出値の微分情報の時系列データによるパターン把握
しか開示しなかったが、微分演算部32を備えず温度検出
値のそのものの時系列データによるパターン把握により
本発明を構成することも可能であるし、また、第16図に
示すように、ブレークアウトの徴候状態の発生時におけ
る空間的な温度パターンの特徴を利用して、ネットワー
ク構造部30a,bに対してこの空間的な温度パターンを検
出する温度検出端20を温度検出値を入力していくという
パターン把握により本発明を構成することも可能である
のである。
そして、この実施例では、ブレークアウトの検出精度
を高めるために、先ず最初に、横方向に配設される温度
検出端20をもってブレークアウトの徴候状態の発生を検
出し、次に、流れ方向に配設される温度検出端20でもっ
てブレークアウトの徴候状態の発生を確認していくとい
うものを開示したが、これとは逆に、先ず最初に、流れ
方向に配設される温度検出端20でもってブレークアウト
の徴候状態の発生を検出し、次に、横方向に配設される
温度検出端20でもってブレークアウトの徴候状態の発生
を確認していくという構成を採ることも可能であり、更
に言うならば、本発明は、温度検出端20の配列方法やそ
の検出順序により限定されるものではないのである。
図示実施例について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。例えば、ネットワーク構造部30a,
bとして階層ネットワーク構成のものを開示したが、本
発明はこれに限られることなく他の如何なるネットワー
ク構成によるものであってもよいのである。また、学習
処理装置40が実行する学習アルゴリズムとしてバック・
プロパゲーション法によるものを開示したが、本発明は
これに限られることなく他の如何なる学習アルゴリズム
によるものであってもよいのである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、適応的なデー
タ処理を実行するネットワーク構成のデータ処理機能に
より構成されるブレークアウト予知装置に従い、ブレー
クアウトの徴候の発生の検出をパターン的に捉えて適応
的に実行するよう構成することから、従来のようなレベ
ル判定的な予知処理よりも飛躍的にその検出能力を高め
られることになる。そして、その並列分散処理構成によ
り、従来よりも高速にブレークアウトの徴候状態の発生
を検出できるようになる。しかも、オペレータはただ単
純に操業データから得られる温度パターン情報を入手す
るだけで機械的に本発明に係るブレークアウト予知装置
を構築できることから、従来のような試行錯誤的な調整
の負荷をオペレータに強いることがなくなる。そして、
新たな温度パターン情報を入手することができれば、一
度構築したブレークアウト予知装置であってもその検出
能力を簡単に高めていくことができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成図、 第2図はブレークアウトの徴候の発生時における鋳型の
表面温度の説明図、 第3図は本発明が適用される連続鋳造システムの説明
図、 第4図はブレークアウト予知装置の一実施例、 第5図はネットワーク構造部の一実施例、 第6図は階層ネットワーク構造部の一実施例、 第7図は基本ユニットの一実施例、 第8図は階層ネットワークの一実施例、 第9図は重み値の学習処理を実現するためのシステム構
成図、 第10図は本発明の処理手順の説明図、 第11図は採取された温度検出値の時系列データの一例、 第12図は採取された温度検出値の微分情報の時系列デー
タの一例、 第13図は階層ネットワーク構造部の内部結合の重み値の
学習に用いる学習信号の説明図、 第14図は実験データの説明図、 第15図及び第16図は拘束性ブレークアウトの説明図、 第17図は基本ユニットの基本構成図、 第18図は階層ネットワークの基本構成図である。 図中、1′は入力ユニット、1は基本ユニット、10は鋳
型、20は温度検出端、30はネットワーク構造部、32は微
分演算部、33は時系列データ格納部、34は第1の演算
部、35はブレークアウト予知部、36は第2の演算部、40
は学習処理装置、41は学習信号格納装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 都築 裕之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 川崎 貴 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 内藤 修治 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番 1号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 福永 新一 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番 1号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 小南 秀隆 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番 1号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (72)発明者 高木 徹 福岡県北九州市八幡東区枝光1丁目1番 1号 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造における鋳型内の鋳片のブレーク
    アウトの発生を予知する連続鋳造のブレークアウト予知
    処理方式において、 内部状態値の割り付けられるネットワーク構造のデータ
    変換機能に従って、入力信号に対応する出力信号を算出
    して出力するネットワーク構造部(30)を用意し、 かつ、鋳型の側壁の空間的な温度分布情報を検出する複
    数の温度検出端(20)の温度検出値を上記ネットワーク
    構造部(30)に入力する構成を採り、 更に、上記内部状態値として、上記温度検出端(20)の
    検出する温度分布情報が上記ネットワーク構造部(30)
    に入力されるときに、その温度分布情報の指すブレーク
    アウトの徴候の発生情報が上記ネットワーク構造部(3
    0)から出力されることになる値が設定されるよう構成
    されることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
  2. 【請求項2】連続鋳造における鋳型内の鋳片のブレーク
    アウトの発生を予知する連続鋳造のブレークアウト予知
    処理方式において、 鋳型の側壁の温度情報を検出する1つ又は複数の温度検
    出端(20)に対応付けて備えられて、内部状態値の割り
    付けられるネットワーク構造のデータ変換機能に従っ
    て、入力信号に対応する出力信号を算出して出力するネ
    ットワーク構造部(30)を用意し、 かつ、上記温度検出端(20)の検出する温度検出値の時
    系列データを、上記温度検出端(20)に対応付けて用意
    される上記ネットワーク構造部(30)に入力する構成を
    採り、 更に、上記内部状態値として、上記温度検出端(20)の
    検出する温度検出値の時系列データが上記ネットワーク
    構造部(30)に入力されるときに、その時系列データの
    指すブレークアウトの徴候の発生情報が上記ネットワー
    ク構造部(30)から出力されることになる値が設定され
    るよう構成されることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
  3. 【請求項3】連続鋳造における鋳型内の鋳片のブレーク
    アウトの発生を予知する連続鋳造のブレークアウト予知
    処理方式において、 鋳型の側壁の温度情報を検出する1つ又は複数の温度検
    出端(20)に対応付けて備えられて、内部状態値の割り
    付けられるネットワーク構造のデータ変換機能に従っ
    て、入力信号に対応する出力信号を算出して出力するネ
    ットワーク構造部(30)を用意し、 かつ、上記温度検出端(20)の検出する温度検出値の微
    分情報の時系列データを、上記温度検出端(20)に対応
    付けて用意される上記ネットワーク構造部(30)に入力
    する構成を採り、 更に、上記内部状態値として、上記温度検出端(20)の
    検出する温度検出値の微分情報の時系列データが上記ネ
    ットワーク構造部(30)に入力されるときに、その時系
    列データの指すブレークアウトの徴候の発生情報が上記
    ネットワーク構造部(30)から出力されることになる値
    が設定されるよう構成されることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の連続鋳造のブレーク
    アウト予知処理方式において、 ネットワーク構造部(30)の出力する出力信号値から、
    隣接する温度検出端(20)に対応付けて設けられる複数
    のネットワーク構造部(30)が同一に係るブレークアウ
    トの徴候の発生を検出したのか否かを判断する第1の演
    算部(34)を備えることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4記載の連続鋳造のブレー
    クアウト予知処理方式において、 鋳型の側壁に上下2列構成で配列されて該側壁の温度情
    報を検出する温度検出端(20)に対応付けて、ネットワ
    ーク構造部(30)を備える構成を採り、 かつ、ネットワーク構造部(30)の出力する出力信号値
    から、上記2列の対応する同一部位又はその近傍の部位
    の温度検出端(20)に対応付けて設けられる複数のネッ
    トワーク構造部(30)が同一に係るブレークアウトの徴
    候の発生を検出したのか否かを判断する第2の演算部
    (36)を備えることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
  6. 【請求項6】請求項4記載の連続鋳造のブレークアウト
    予知処理方式において、 第1の演算部(34)は、 ネットワーク構造部(30)に対応付けて備えられて、該
    ネットワーク構造部(30)の出力信号値の時系列データ
    を保持するとともに、該保持データの内の最もブレーク
    アウト状態を表示する保持データを出力するバッファ部
    (341)と、 上記バッファ部(341)の出力信号を入力として、階層
    ネットワーク構造のデータ変換機能に従って、同一に係
    るブレークアウトの徴候の発生の判断値を出力する階層
    ネットワーク構造部(342)とから構成されることを、 特徴とする連続鋳造のブレークアウト予知処理方式。
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