JP2717874B2 - オープンケーソンの施工方法及びその装置 - Google Patents

オープンケーソンの施工方法及びその装置

Info

Publication number
JP2717874B2
JP2717874B2 JP17614090A JP17614090A JP2717874B2 JP 2717874 B2 JP2717874 B2 JP 2717874B2 JP 17614090 A JP17614090 A JP 17614090A JP 17614090 A JP17614090 A JP 17614090A JP 2717874 B2 JP2717874 B2 JP 2717874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caisson
cutting edge
ground
along
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17614090A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0464620A (ja
Inventor
清 田岡
克彦 伊藤
啓内 福岡
修三 福本
克洋 森山
豊 中島
善友 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP17614090A priority Critical patent/JP2717874B2/ja
Publication of JPH0464620A publication Critical patent/JPH0464620A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2717874B2 publication Critical patent/JP2717874B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、従来の水中掘削を前提としたオープンケー
ソンの欠点であった不確実性や施工精度の悪さを改善
し、地盤条件に拘らず確実で精度良い施工を可能にする
ことのほか、掘削排土と躯体構築を同時に進行させて、
工期を短縮させることにより、水中掘削を前提とした大
深度への沈設に適するように改良された、オープンケー
ソンの施工方法及びその装置に関するものである。
〔従来の技術〕
地下空間の有効利用を図るための大深度立坑や、大深
度大型基礎に適用する従来の施工技術としては、地下連
続壁工法、ニューマチックケーソン工法、オープンケー
ソン工法の3つがある。
地下連続壁工法は、泥水中でコンクリートを打設する
ため、躯体の品質が他工法に比べて落ちることや、全体
をエレメントに分割して施工せざるをえないため、工期
が長くかかること、また、掘削底面下に被圧水を有する
地盤においては、床付下に非常に長い根入れ長を必要と
するなどの欠点がある。
ニューマチックケーソン工法は、圧気をかけた作業室
内での掘削となり、作業員が作業室内に立ち入ることの
できる圧気圧に限界があるため、地下水位が高い地盤に
おいては掘削深さが制約されるほか、排土のための開口
を大きくとれないため、排土能率が悪く、地下連続壁工
法と同様、工期が長くかかるなどの欠点がある。
オープンケーソン工法は、前記二工法と比べて一般的
に工期が短くて安価な工法であるが、水中掘削を行う場
合、刃口部の掘削に不確実さがあるため、周辺地盤の沈
下を招いたり、姿勢制御が困難となって、傾斜が直せず
に、場合によっては沈下不能となることもあって、次第
に適用例が減少する傾向があり特に水中掘削を前提とし
た大深度施工に際しては、不確実さや精度の悪さから採
用に問題があった。しかし最近では、刃口下の掘削を確
実に行えるオープンケーソン工法も実用化されてきてい
る。
従来の水中掘削を前提としたオープンケーソンの施工
方法を概観してみると次のようである。
最も一般的な施工方法は揚土を兼用したクラムシェ
ル、ハンマグラブ等のバケットで水中掘削を行いなが
ら、躯体の自重あるいは自重に鋼材等の載荷重の付加を
行って、沈下荷重を沈下抵抗より大きくすることにより
沈設する工法(第1の工法)がある。
上記工法より一歩進んだ工法としては、周辺地盤の沈
下防止や施工精度の確保のため、アースアンカー等を反
力とした圧入装置をケーソン天端に備え、この装置によ
りケーソン刃口部をあらかじめ地山に貫入させながら、
揚土を兼用したクラムシェル、ハンマクラブ等のバケッ
トで水中掘削揚土を行って沈設する工法(第2の工法)
がある。
また、近年では圧入装置を天端に備えると共に、回転
式カッタを有し土砂を水と共にエアリフト方式で揚土す
る掘削機(アーム式水中掘削機)を用いて掘削し、沈設
する工法(第3の工法)がある。
また、プレキャスト製品を躯体に用いた小型のオープ
ンケーソンにおいては、遊星駆動型の拡底ビットを備え
た特殊掘削機により、ケーソン天端に設けられた圧入支
持桁により圧入掘削を計る他、ケーソン刃口外径より大
きめに掘削した後、懸吊支持装置によりケーソン躯体を
一時的に支持し、掘削完了後徐々に沈設する工法(第4
の工法)がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記の従来のオープンケーソン施工法においては、第
1から第4のいずれの工法を取りあげても、鉄筋組立、
型枠組立、コンクリート打設等の躯体構築時は、掘削揚
土は停止しており、互いに作業が干渉しないように作業
の一工程ずつ順次行う必要があった。このため工期が長
くかかる欠点があり、特にその手順の繰り返しが多くな
る大深度ケーソンにおいて、工程的にも経済的にも大き
な問題となる。
また、ケーソンを大深度に施工するに際しては、地下
水位が高い地点で比較的硬質の地層(砂礫、シルト岩
等)に対してケーソンを沈設しなければならないが、前
記第1の工法はもちろんのこと、第2の工法において
も、この様な刃口部の地盤反力が大きい地盤への沈設に
際して問題がある。例えば、砂礫への沈設の場合、刃口
直下の土砂を除去しないと圧入力のみで沈設不可能とな
るため、刃口近傍をクラムシェルで余掘りし、刃口部の
砂礫地盤を余掘り部へ崩壊させながら沈設せざるをえ
ず、このため掘削面の安定管理が困難となってケーソン
外周地山の崩壊をまねき、周辺地盤を著しく沈下させる
ことがある。また、泥岩等の比較的硬質で自立性の高い
地山では、クラムシェル等のバケットによる掘削そのも
のが困難であるばかりでなく、たとえ刃口近傍を余掘り
できたとしても、刃口直下の地盤を余掘り部へ崩壊させ
るには至らず、沈下不能といった状態を招く。
これらの理由により、刃口部の正確な掘削ができない
第1、第2のような工法は大深度ケーソンに適用するに
は問題がある。
また、前記第3、第4の工法では掘削機やその取付架
台が大掛かりとなるため、大型のケーソンへの適用には
問題があり、第3の工法では外径10mまで、第4の工法
では外径4mまでの比較的小径のケーソンの実績しか有し
ていない。
さらに、従来のオープンケーソンでは、傾斜しはじめ
ると修正が難しく、そのために特に地層構成の複雑な場
合には施工可能深度に限界があった。大深度施工の場合
はこの問題を克服することが必須条件となるが、これに
は早期にケーソンの傾きをキャッチしてそれに対してす
ばやく姿勢を制御する必要があり、従来のオープンケー
ソンではこのような制御は行っていない。
以上のような問題点のほかにも、オープンケーソンを
大深度に沈設するに際して次の様な課題がある。
まず、シルト岩、固結砂等の低固結地山に対してオー
プンケーソンを大深度に沈設する際には、特にフリクシ
ョンカットより下部刃口背面と地山との間に作用する周
面摩擦が非常に大きくなり、沈設に支障をきたし、スム
ーズな沈設が不可能になる場合があり、この部分の周面
摩擦を確実に低減させる手段を備えておくことが必要で
ある。
また、大深度の沈設を確実にするために、フリクショ
ンカットより上部のケーソン外周部と地山との間に作用
する周面摩擦の低減も行う必要があり、このためベント
ナイト溶液等の滑材をケーソン外周部と地山との間隙に
確実に充填することが必要である。
しかしながら、ケーソン刃口背面土砂は、下部水中掘
削機械の施工により、刃口部より外側に掘削されたり、
ジェットによる刃口背面の周面摩擦低減のための薄層掘
削により削り取られることがあり、これにより刃口背面
に空隙ができる場合があるが、ケーソンと地山との間に
介在させたベントナイト液等の滑材が上記空隙から漏出
し、周面摩擦の低減効果や、周辺地盤の沈下防止効果が
十分に発揮できないという問題もある。
本発明は、これらの問題を解決することによって、大
深度施工に適したオープンケーソンの施工方法及びその
装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記問題を解決し、目的を達成するためにな
したものである。
まず大深度施工に対する工期短縮という課題に対して
は、コンクリート打設後十分な養成期間を経たケーソン
躯体の外周部に移動可能にケーソン押下げ装置を設け、
このケーソン押下げ装置によりケーソンを所定の位置ま
で押下げた後、ケーソン躯体の下部内壁に設けた水中掘
削機を用いて刃口下を地上から操作することにより掘削
し、この掘削土砂を排出手段にて順次排出しながら、ケ
ーソン上部では鉄筋の組立、滑動型枠装置を用いた型枠
の組立及びその後のコンクリート打設工事を同時になす
ものとする。
上記の工事は、ケーソン押下げ装置をケーソン躯体の
外周部に順次上方に継ぎ足し築造されるケーソン躯体に
移動可能に配設することにより可能となるが、このケー
ソン押下げ装置は直線状の鋼桁数本をケーソンを取囲む
ように設置して、個々の鋼桁間接続部や鋼桁のスパン中
央部に、アースアンカーや反力杭等を反力としたセンタ
ーホールジャッキを配設するか、直線状の鋼桁の代わり
に同形の反力桁を用いて、センターホールジャッキを等
間隔に配設する。また、全体を継いだ上記のような抱持
枠方式とせずにセンターホールジャッキ位置で個別に反
力架台を設ける方式を採ることもできる。
次に、刃口部土砂の正確で確実な水中掘削という課題
に対して、ケーソン躯体の下部内壁に横方向に設置した
レールに移動自在に設置した取付架台にバックホウ等の
公知手段の掘削機を取付け、掘削機先端位置をセンサー
で常時確認しながら地上から操作することにより、刃口
部やケーソン中央部の土砂を掘削するものとする。これ
により刃口部土砂を確実に取り除くことができるほか、
場所により掘削形状を変化させることもできる。
ケーソンの沈設は、刃口部先端を地山にあずけながら
沈下荷重と沈下抵抗のバランスを取りつつ、ジャッキの
圧入力により行う。
さらに、ケーソンの施工精度の確保は以下の手段によ
るものとする。
沈設中のケーソンには、ケーソンの傾きや深さを検知
するセンサーを配置し、各々の数値をコンピュータ処理
することによりケーソンの姿勢、位置を迅速に把握する
と共に、ケーソン躯体に設けた各種センサーによる計測
値を用いて、ケーソンの沈下荷重と沈下抵抗をできるだ
け正確に把握することにより、ケーソン押下げ装置に配
設された個々のジャッキの圧入力や刃口下の掘削形状を
決定して沈設と同時にその姿勢制御を行う。
この姿勢制御は、側面に設けたジャッキの個々の圧入
力を変化させることや刃口部の掘削形状を場所によって
変化させることにより行うものとする。
また、姿勢や位置の修正をさらに効果的に行う場合
は、次の手段をとるものとする。すなわち、ケーソン下
部の刃口背面フリクションカット上部に、外周部に沿っ
て横方向に複数個のジャッキを配設し、個々のジャッキ
の圧力を変化させることによって、ケーソン下部の水平
移動を起こさせる。これを地上部のジャッキによる偏圧
載荷と併用したり、水中掘削機による刃口部の掘削形状
の場所的変化と合わせて用いたりもできる。
上記に用いるケーソン下部刃口背面のジャッキは、ケ
ーソン壁体の有効断面積を減少させないよう、できるだ
け偏平な形状で、しかも構造が複雑でなく、ケーソンの
沈下に伴い損傷しないものが必要である。そのための手
段としては、金属、ゴムあるいは高強度繊維を材料とし
て、偏平で膨張可能な袋体とし、当袋体に注入する注入
材の量を制御することによりジャッキの機能を持たせる
ものとする。また当ジャッキがケーソンの沈下に伴い損
傷のないように、ケーソン刃口鉄板から継げた薄鉄板で
カバーするものとする。
ケーソンを大深度に沈設する場合のその他の課題、刃
口背面の周面摩擦の増大、刃口背面からの滑材の漏出に
対しては、各々以下の手段を用いるものとする。
刃口背面の周面摩擦の増大に対しては、ケーソン下部
内壁にレールに沿って移動自在に取付けた架台に、刃口
に沿って伸縮機構を有し、パイプ先端ノズルの上方への
屈折機構を有することにより、刃口背面上方に正確にノ
ズルを向けることができる高圧水ジェット周面摩擦除去
装置を係合させる。
ケーソンのフリクションカットより上部の周面摩擦の
低減や周辺地盤の沈下防止のために用いる滑材の漏出に
対しては、滑材注入パイプ直下でフリクションカット直
上に下端を刃口金物あるいはコンクリートにボルト等で
係止し、上端が外周部地山と同径だけ広がることを特徴
とした滑材漏出防止部材を設ける。
この滑材漏出防止部材は、薄鉄板やワイヤ等高強度の
ものを用いて、下端を刃口金物あるいはコンクリートに
ボルトで係止して、上端が注入液圧により地山に追従す
るようにし、ケーソン外周上に隙間なく配置するものと
する。
〔作 用〕
ケーソン押下げ装置をコンクリート打設後十分な養成
期間を経たケーソン躯体の外周部に移動可能に設置する
ため、ケーソン押下げ装置によるケーソンの沈設作業
が、上部に継ぎ足していくケーソン躯体構築の作業及び
設備(鉄筋組立作業、型枠組立作業、作業用の足場等)
に支障を及ぼすことがない。
したがって、ケーソンの沈設や掘削揚土と躯体構築作
業を同時に行うことができる。さらに、ケーソン押下げ
装置と躯体との接続部のコンクリートは打設後十分養成
期間を経ているため、従来のように上部コンクリート打
設後養成期間を確保した後に押下げ装置をセットして押
下げる必要がない。したがって、作業性が向上し、工期
が大幅に短縮できる。
また、ケーソン躯体の下部内壁に横方向に延設したレ
ールに沿って移動自在に取付けた架台に係止した掘削機
械により刃口下の土砂を確実に取り除くことができ、固
結地盤に対しても大深度に確実にケーソンを沈設でき
る。
沈設中のケーソンの姿勢や位置及び沈下抵抗要因(刃
口反力、周面摩擦、浮力)は、センサーの数値をコンピ
ュータ処理することにより迅速に把握し、押下げ装置に
配設されたジャッキの圧入力や刃口の掘削形状を決定す
ることができるので、姿勢が大きく変化する前に修正す
ることが可能で、ケーソンの施工精度の向上が計れる。
さらに、ケーソン刃口背面側フリクションカット上部に
設けたジャッキによってケーソン下端を動かし、これを
上部押下げ装置に配設されたジャッキによる偏圧の載荷
と併用したり、刃口部地盤の場所的に変化させ掘削と合
わせて用いれば、より効果的な姿勢や位置の修正効果が
得られる。以上の姿勢制御機構により、従来のオープン
ケーソンの欠点である施工精度の悪さが克服されるばか
りでなく、大深度の施工を可能にすることができる。
また、刃口背面の周面摩擦が大きく沈設に支障となる
場合は、ケーソン躯体の下部内壁に取付けた前述の横方
向に移動自在な架台に取付けた、伸縮機構、屈折機構を
有する高圧水ジェット周面摩擦除去装置を用い、刃口背
面土砂を薄く削り取ることにより確実に低減できる。
漏材の刃口背面からの漏出は、フリクションカット直
材に設けた滑材漏出防止部材により防止することがで
き、周面摩擦の確実な低減がはかれると共に、周辺地盤
の沈下防止効果を十分に期待できるものとなる。
このように沈下抵抗を確実に低減し、姿勢制御を行い
ながら掘削揚土と躯体構築作業を同時に行うことによ
り、大深度においてもスムーズな沈設が可能となり、精
度が高く、確実な大深度オープンケーソンが施工でき
る。
〔実施例〕
以下、本発明のオープンケーソンの施工方法及びその
装置を図示の実施例にもとづいて説明する。
第1図は本発明施工方法の全体図を示す。
図においてKは所要の径と高さを有するコンクリート
製のケーソン躯体で、この下部ケーソン1には刃口1aが
形成される。
この下端に刃口1aを有する下部ケーソン1は、従来の
工法で築造するか、その他の方法で製する。ケーソン躯
体Kの下部内壁1bには、水平方向にレールRを延設す
る。
第2図に示すようにレールRは、ケーソン躯体Kに対
してアンカー31で固定され、このレールRには水平方向
に移動自在な架台21を数台係合し、当架台には地上より
操作するバックホウ等の公知の手段による掘削機2を設
置して、刃口部やケーソン下端中央部の土砂を掘削す
る。
上記掘削機2で掘削集土された土砂は、クラムシェル
又は土砂バケツ等の公知の手段で上部開口部より排出す
る。
第3図は本発明施工方法の基本的構成(刃口部水中掘
削機、滑動型枠装置、ケーソン押下げ装置)のうち滑動
型枠装置の詳細を示す。
下部ケーソン1周囲方向に定間隔で樹立される鋼棒10
には、昇降機能を有する滑動型枠装置4を支持せしめ
る。この滑動型枠装置4はサイロ等の築造に採用される
ものと同種のもので、鋼棒10を挟持する挟持手段41及び
鋼棒10に沿って荷重を支持しつつ滑動型枠装置全体を上
昇せしめる上昇手段42及び築造するケーソンの内外径に
あわせて対設した内型枠43、外型枠44、作業床47を備え
ている。そして、必要に応じ滑動型枠装置を支持し、上
昇せしめるための鋼棒に嵌合するさや管45を用いる。ま
た、鋼棒挟持、上昇手段、内外型枠を下部に垂吊したヨ
ーク46に設けられている。
また、下部ケーソン1の上部に順次継ぎ足し築造され
るケーソン躯体Kの外周位置には、アースアンカーや反
力杭を反力としたケーソン押下げ装置8が配設される。
このケーソン押下げ装置8は、ケーソン躯体Kの外周面
を抱持する抱持枠81と、この抱持枠81がケーソン躯体K
外周と近接する位置に設けられるブラケット82又はくさ
び85と、当抱持枠を押下げるために所定の位置に設けら
れるセンタホールジャッキ83により構成される。押下げ
装置は、アースアンカや反力杭等と接続したロッド84を
センターホールジャッキ中空部で把握し、ジャッキの油
圧シリンダを伸ばすことにより抱持枠全体を押下げ、ブ
ラケット又はくさびを介してか、あるいは抱持枠を締付
けることによる外周面との摩擦力によりケーソン躯体K
を押下げるようになす。ケーソン躯体Kと共に押下げら
れた抱持枠は、次回押下げに必要な所定の位置まで上げ
て設置しなおす。
ケーソンの押下げ装置の例を第4図〜第6図に示す。
第4図に示す実施例は直線状の鋼桁数本をケーソンを
取囲むように設置して抱持枠81とし、個々の鋼桁間接続
部のピン支承上にセンターホールジャッキ83を設け、抱
持枠とケーソン躯体K間の力の伝達は、ブラケット82に
よったものである。第5図の実施例は、鋼桁支間を短く
して接続部を連結ピン86で継いで、同形に近い多角形の
抱持枠とし、センターホールジャッキ83を等間隔に鋼桁
スパン中央部に設け、抱持枠とケーソン躯体K間の力の
伝達はくさび85によったものである。くさび85はねじ込
み方式又は圧入方式により、圧入前に効果が出る状態に
しておくことができる。第6図の実施例は抱持枠を円形
とし、抱持枠に取付けた締付けジャッキ87によりケーソ
ン躯体Kを締付け、抱持枠とケーソン外壁面間の摩擦力
により、ケーソンに押下げ力を伝達する方式である。
ケーソン沈設中は、ケーソンに設けた固定式傾斜計9
1、沈下計92のデータをコンピュータ処理するか、地上
部固定点に設けたレーザー発進機とケーソン躯体K下部
に設置したターゲットを用いたりすることによりケーソ
ンの位置、発生を迅速に把握する。また、ケーソン躯体
Kに設けた刃口荷重93、周面摩擦計94、油圧ジャッキの
圧力計95等の各種センサーによる計測値及びその変化に
より、沈下荷重に占める自重と圧入力の割合や、沈下抵
抗に占める周面摩擦及び浮力と刃口反力の割合を正確に
把握して、姿勢修正のために最適の押下げ装置に配設さ
れたジャッキの個別の圧力や、刃口下の掘削形状の場所
的な変化を、コンピュータ処理により決定しながら掘削
と圧入を繰り返す。
以上の方法により姿勢制御を行いつつケーソンを沈設
する。
姿勢や位置の修正を更に効果的に行いたい場合は、第
7図に示すようにフリクションカット11の上部に設けた
金属、ゴム又は高強度繊維を偏平で膨張可能な袋状にし
た袋体14に液体をポンプで注入することによりふくらま
せたりしぼめたりさせ、これをジャッキとして用いるこ
とによって下部刃口の位置を動かせる下部刃口位置修正
ジャッキ12をケーソン側面の地上部ジャッキと併用す
る。この下部ジャッキは、ケーソン沈設中に破壊しない
ように刃口鉄板から継げた薄板で防護する。
フリクションカット下刃口背面の周面摩擦が非常に大
きく、ケーソン沈設に支障がある場合には、第8図に示
すような高圧水ジェット周面摩擦除去装置7を用いて、
刃口背面の土砂を薄く削り取ることによりフリクション
カット下の周面摩擦を除去する。これはケーソン下部内
壁に横方向に延設したレールに沿って移動自在な前述の
水中掘削機取付架台にガイド72を係合して、高圧水ジェ
ットパイプ71をガイド72に添って伸縮自在とし、油圧ジ
ャッキ装置73によりノズル74を上方に屈折させる機構を
有することにより刃口背面下に正確に位置させ、必要に
応じてフリクションカット下刃口背面の土砂を薄層に削
り取り、周面摩擦を除去する。
前記高圧水ジェット周面摩擦除去装置7は、姿勢制御
や最終沈下時で微妙な薄層掘削が要求される場合は刃口
下掘削に用いることもできる。
また、前述の刃口背面側下部ジャッキと併用すること
により、刃口位置の修正をより効果的に行える。
フリクションカットより上部の周面摩擦低減や周辺の
地盤沈下防止のために注入したベントナイト等の滑材の
刃口下部から漏出を防止するため、ケーソンには、第9
図に示すように、滑材漏出防止部材13を設ける。この滑
材漏出防止部材13は、薄鉄板を短冊状にして重ね合わせ
たり、ワイヤーを密に束ねたりしたものを用いて、下端
をケーソンフリクションカット直上のコンクリート又は
刃口金物に係止し、上部を滑材の注入圧により地山に追
従するようにして、隙間なく配置することにより、滑材
の漏出防止に効果を発揮することができる。
上述のような施工装置を用いることにより、下部や側
部では掘削や圧入、姿勢制御を行いつつ、掘削された土
砂をクラムシェルや土砂バケツ等の従来の排出手段を用
いてケーソン外へ排出せしめると同時に、上部にて鉄筋
の組立を行った後、滑動型枠を所定位置まで上昇させ
て、この内外型枠間にコンクリートを打設する。このと
き鉄筋の組立が完了している高さのみコンクリートを打
設しつつ滑動型枠装置を順次上昇せしめる。
このようにして、上下で異なる作業を同時に行うこと
ができるので、作業効率が極めて良くなるほか、その姿
勢制御機構や、周面摩擦低減機構などにより、確実で精
度の高い施工が可能となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、下部ケーソンの刃口部の掘削やケー
ソンの沈設を行いながら、上部で鉄筋組立、コンクリー
トの打設作業等、ケーソンの上下部で異なる作業を同時
に行うことができ、しかも型枠の組立、解体作業が必要
でないので作業性が向上し、工期を大幅に短縮すること
ができる。
また、刃口下の確実な掘削、周面摩擦の低減とその姿
勢制御機構により、地盤の性状に拘らず確実で精度の高
い施工が確保される。
以上により、大深度施工に適した、工期が短く、確実
で精度の良いオープンケーソンが施工可能となる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明のオープンケーソンの施工方法を示し、第
1図は全体の説明図、第2図は水中掘削機取付部の断面
図、第3図は滑動型枠装置の拡大断面図、第4図、第5
図及び第6図はそれぞれ異なるケーソン押下げ装置の説
明図で、第4図(A)は平面断面図、(B)は正面図、
第5図(A)は平面断面図、(B)は正面図、(C)は
拡大図、第6図(A)は平面断面図、(B)は正面図、
第7図はケーソン下部姿勢、位置制御装置の説明図、第
8図(A)、(B)は高圧水ジェット周面摩擦除去装置
の説明図、第9図(A)、(B)は滑材漏出防止部材の
説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E02D 23/14 102 E02D 23/14 102 E02F 3/30 E02F 3/30 Z E04G 11/20 E04G 11/20 (72)発明者 福本 修三 大阪府和泉市池田下町1779―3 ファミ リープラザ光明池1―301 (72)発明者 森山 克洋 埼玉県大宮市大字西遊馬1117―2 (72)発明者 中島 豊 神奈川県川崎市麻生区東百合ケ丘3―1 ―14―106 (72)発明者 谷 善友 埼玉県入間郡鶴ケ島町松ケ丘4―1―1 ―503 (56)参考文献 特開 昭48−19014(JP,A) 特開 昭63−44019(JP,A) 特開 平1−190876(JP,A) 実開 昭60−172896(JP,U) 特公 昭48−14087(JP,B1) 特公 昭61−27527(JP,B2) 特公 昭54−9809(JP,B2)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーソン躯体の下部内壁に横方向に延設し
    たレールに沿って移動自在な地上より操作する水中掘削
    機械を、ケーソン躯体の上部には作業床付滑動型枠を、
    コンクリート打設後十分な養成期間を経たケーソン躯体
    の外周部には移動可能にケーソン押下げ装置をそれぞれ
    備え、ケーソン下部の刃口部では前記水中掘削機械によ
    り水中掘削を行い、この掘削土砂を排出手段にて順次排
    出し、前記ケーソン押下げ装置にてケーソンの沈設を行
    いながら、ケーソン上部で鉄筋型枠の組立及びその後の
    コンクリート打設を同時に行うことを特徴とするオープ
    ンケーソンの施工方法。
  2. 【請求項2】沈設中のケーソンの姿勢や位置及びケーソ
    ンに作用する刃口反力や周面摩擦、周面土圧を常時検出
    し、ケーソン押下げ装置により偏荷重を作用させたり、
    刃口下掘削形状を場所により変化させたりすることによ
    って、沈設と同時にその姿勢、位置制御を行うことを特
    徴とする請求項1記載のオープンケーソンの施工方法。
  3. 【請求項3】ケーソン下部の刃口背面フリクションカッ
    ト上部に、外周部に沿って横方向に複数個のジャッキを
    配設し、個々のジャッキの圧力を変化させることによっ
    てケーソン下部の水平移動を起こさせ、ケーソンの姿
    勢、位置制御を行うことを特徴とする請求項2記載のオ
    ープンケーソンの施工方法。
  4. 【請求項4】地上より操作する、ケーソンの下部内壁に
    横方向に延設したレールに沿って移動自在な高圧水ジェ
    ットパイプノズルを用い、ケーソン刃口直下より刃口背
    面側の土砂を薄く削り取ることによって、ケーソン刃口
    背面の周面摩擦を除去することを特徴とする請求項1又
    は2記載のオープンケーソンの施工方法。
  5. 【請求項5】ケーソン下部の刃口背面フリクションカッ
    ト上部に、上端が地山に追従するように広がる滑材漏出
    防止部材の下端を、躯体外周部に沿って横方向に係止す
    ることによって、ケーソン外周部と地山との間に介在さ
    せた滑材の漏出を防止することを特徴とする請求項1又
    は2記載のオープンケーソンの施工方法。
  6. 【請求項6】ケーソン躯体の下部内壁に横方向に延設し
    たレールに沿って移動自在な地上より操作する水中掘削
    機械と、ケーソン躯体の上部に設置した作業床付滑動型
    枠と、コンクリート打設後十分な養成期間を経たケーソ
    ン躯体の外周部に移動可能に設置したケーソン押下げ装
    置と、ケーソンの位置や姿勢、沈下抵抗力の検出装置と
    からなることを特徴とするオープンケーソンの施工装
    置。
  7. 【請求項7】ケーソン下部の刃口背面フリクションカッ
    ト上部に、金属、ゴムあるいは高強度繊維を材料とし
    て、膨張可能な袋体とし、当袋体に注入する注入材の量
    を制御することによりジャッキの機能を持たせた袋状ジ
    ャッキを、ケーソン外周部に沿って複数個配設し、個々
    のジャッキの圧力を地上から操作することにより変化さ
    せ、ケーソン下部を水平移動させられる姿勢、位置制御
    装置を有することを特徴とする請求項6記載のオープン
    ケーソンの施工装置。
  8. 【請求項8】ケーソン下部内壁に、横方向に延設したレ
    ールに沿って移動自在に取付けた架台に係合させた、刃
    口に沿って伸縮自在で、先端ノズルが刃口背面直下にお
    いて上方へ屈折自在な高圧水ジェット周面摩擦除去装置
    を有することを特徴とする請求項6記載のオープンケー
    ソンの施工装置。
JP17614090A 1990-07-03 1990-07-03 オープンケーソンの施工方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2717874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17614090A JP2717874B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 オープンケーソンの施工方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17614090A JP2717874B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 オープンケーソンの施工方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0464620A JPH0464620A (ja) 1992-02-28
JP2717874B2 true JP2717874B2 (ja) 1998-02-25

Family

ID=16008363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17614090A Expired - Fee Related JP2717874B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 オープンケーソンの施工方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2717874B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027080A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 株式会社安藤・間 ケーソン刃口の地盤掘残し検知方法及びシステム

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2935099B2 (ja) * 1996-04-10 1999-08-16 古久根建設株式会社 オープンケーソンの施工法
JP4504166B2 (ja) * 2004-11-19 2010-07-14 靖子 長谷川 反力装置
JP2006207152A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Ps Mitsubishi Construction Co Ltd オープンケーソン圧入工法
JP6076271B2 (ja) * 2013-05-14 2017-02-08 Jfeシビル株式会社 ケーソン圧入装置およびケーソン圧入工法
JP6552204B2 (ja) * 2015-01-28 2019-07-31 大成建設株式会社 ケーソンの沈設方法およびフリクションカット構造
JP2017218841A (ja) * 2016-06-09 2017-12-14 鹿島建設株式会社 筒体の沈設方法及び沈設支援システム
JP6995555B2 (ja) * 2017-10-04 2022-01-14 オリエンタル白石株式会社 ケーソンの状態予測システム及びプログラム
CN113718757A (zh) * 2021-08-28 2021-11-30 中铁时代建筑设计院有限公司 一种基于现浇大直径管桩的扩底装置及扩底方法
CN114908788B (zh) * 2022-06-22 2023-03-31 同济大学 一种沉井刃脚辅助下沉装置
CN114908789B (zh) * 2022-06-22 2023-03-21 同济大学 一种沉井刃脚自沉和自撑装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019027080A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 株式会社安藤・間 ケーソン刃口の地盤掘残し検知方法及びシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0464620A (ja) 1992-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110258582B (zh) 基于钢管桩与拉森钢板的斜支撑基坑支护结构及施工方法
CN109555116A (zh) 一种高密度岩溶强烈发育地区全套管灌注桩施工方法
JP2022528743A (ja) 壁沈下施工方法
JP2717874B2 (ja) オープンケーソンの施工方法及びその装置
CN106930321A (zh) 一种大直径顶管结合洞桩修建地下结构新工法
CN208088288U (zh) 大粒径碎块石高填区桩基快速成孔结构
CN110629747A (zh) 复杂地质条件下桩基础全套管全回转施工工艺
CN108316289A (zh) 大粒径碎块石高填区桩基快速成孔结构及其施工工艺
CN112064751A (zh) 一种排水管线的深沟槽施工方法
CN113026715A (zh) 高填方路基强夯施工方法
CN104264683A (zh) 三面环绕文保建筑凹字形超深基坑分区支护方法
CN105220719A (zh) 深厚软土地区桥梁灌注桩纠偏方法
CN109056763A (zh) 组合式围堰结构及水中作业平台
CN111287194A (zh) 利用倾斜钢板桩的可回收基坑支护结构及其支护方法
CN108797609A (zh) 绿色环保钢管钢板组合支护施工方法
JP4313263B2 (ja) 連続地中壁及び山留め工法
CN210621709U (zh) 基于钢管桩与拉森钢板的斜支撑基坑支护结构
CN114922195A (zh) 一种紧邻保护对象的软土深大基坑施工方法
CN114657974A (zh) 一种在复杂地质情况下灌注桩快速接桩方法
JP4260448B2 (ja) 水中立坑と横坑との連結方法及び坑構造
CN109098205B (zh) 人防地下通道及其施工方法
CN106759377A (zh) 可回收围护结构的施工方法
CN112065433A (zh) 一种顶管工作井支护、止水组件及施工方法
CN209975535U (zh) 一种无支撑双层弧形钻孔灌注深基坑围护结构
CN212248262U (zh) 利用倾斜钢板桩的可回收基坑支护结构

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees