JP2712698B2 - 複合型気相含浸法によるc/c複合材の製造方法 - Google Patents

複合型気相含浸法によるc/c複合材の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は強度、靭性に優れたC/C複合材の製造方法
に関するものである。
[従来の技術] 炭素繊維は高い引っ張り強度を有しており、この性質
を利用して、炭素繊維と他の炭素質材料とを複合化した
炭素繊維強化炭素(以下C/Cと略称する)複合材があ
る。かかるC/C複合材は在来の炭素材料と比較して数倍
の強度を有し、炭素材料の持つ脆くて弱い材料というイ
メージを一変させるものであり、その高強度、耐熱、耐
摩耗性等の物性を生かしてエレクトロニクス産業、原子
力産業、航空宇宙産業等の分野で巾広い利用が期待され
ている素材である。
この種の複合材の製造方法としては、例えば、セルロ
ースやポリアクリロニトリル系繊維を炭化して得る炭素
繊維のトウ、編織布、不織布などを熱硬化性樹脂によ
り、所要の形状に成形した後、不活性ガス雰囲気中で熱
処理を行って樹脂を炭化させ、必要なら冷却後、再度同
じ工程を繰り返して製造する方法が知られている(例え
ば炭素No.115,P.196〜208,(1983))。
この方法で得られたC/C複合材は耐衝撃性に優れてお
り、比較的安価であることもあって実用に供されてい
る。しかし、樹脂の熱処理による炭化工程で体積収縮が
非常に大きいことから、条件によっては繊維の抜けだし
や亀裂の発生、また残留気孔を完全に除去することは不
可能であり、このことにより強度、靭性が不十分であ
る。また、他の方法として、第4図に示すように、セル
ロースやポリアクリロニトリル系繊維を炭化して得る炭
素繊維のトウ、編織布、不織布などを簡単に成形してプ
リフォーム(13)とした後、ヒータ(14)を備えた、炉
(15)に入れて800〜2000℃に加熱し、そこへ炭化水素
ガスを導入口(16)から導入して炭素繊維表面で分解炭
化させ、炭素を該繊維表面に沈着せしめて固める方法が
知られている(以下この方法をCVD法と称する)。(1
7)はガス排出口である。
該CVD法で得るC/C複合材は上記方法により得られるC/
C複合材よりは機械的特性に優れているものの、反応ガ
スをプリフォーム(13)、即ち予備成形体内部へ十分に
含浸させることができず、成形体内部に残留気孔が多
く、強度特性が不十分であった。この原因としては下記
のことが考えられる。炭化水素ガスが反応容器内に継続
的に供給され、最初に容器内に供給されたガスがプリフ
ォーム(13)内に含浸され、熱分解により炭素質が堆積
する。しかしながら、反応後に発生するガスがその場に
滞留することにより、反応可能な新たな炭化水素ガスの
プリフォーム(13)内への含浸が妨げられるので、プリ
フォーム(13)内部と周りの容器内とでは大きな差のあ
る濃度勾配が生じる。加えて、通常はガスの導入口(1
6)側と排出口(17)側とでは、常に圧力勾配が生じて
いるため、ガスの流れは、この勾配に従った一定のもの
となり、プリフォーム(13)内部ではなく排出口(17)
側へ向かって流れていくことになる。これら二つの勾配
がプリフォーム(13)内部への炭化水素ガスの十分な含
浸を妨げ、プリフォーム(13)内部より外部へ炭素質の
堆積が集中し、不均質な分解堆積を招き、その結果、成
形体内部に残留気孔が多く、強度特性の低い成形体しか
得られなくなるからである。また、複合化に長時間を要
し、複雑な形状の成形体を効率よく製造することは困難
であった。また、改良法として炭素繊維のマットにピッ
チ類を含浸後、加熱炭化させ、さらに多孔質部分を熱分
解炭素で充填し、複合材を得るというプロセスが知られ
ている。しかし、これらの方法では依然として、マトリ
ックス炭素質の不均一による、強度面の不具合が生じ、
より優れた製造方法が要求されている。
[発明が解決しようとする課題] 従来のC/C複合材の製造方法では炭素系繊維を出発原
料にして、それらの織物など所要の形状に成形された成
形体に対して、樹脂の含浸、焼成、または単一の加熱方
式、または原料ガスの供給方式によるCVDによって炭素
質の充填などを行うため、残留気孔による機械的性質の
不十分さ、製造時の低効率、また、成形体の形状、大き
さなどの制約を免れないという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされ
たもので、複合型の気相含浸によって、成形体の残留気
孔をほぼ完全になくし、強度の改善を可能にするととも
に、高速の成形を可能にすることを目的としている。
[課題を解決するための手段] この発明に係る複合型気相含浸法によるC/C複合材の
製造方法は、炭素系繊維を強化材とし、炭化水素ガス及
びハロゲン元素を含む炭化水素ガスの少なくとも1種以
上からなる原料ガスを熱分解し、生成した炭素質を堆
積、充填してC/C複合材を製造するに際して、光あるい
は電磁波で励起し反応を促進する、及びガスを間欠供給
する手法の少なくともいずれかをさらに加えて施すよう
にしたものである。
[作用] この発明における複合型気相含浸法によるC/C複合材
の製造方法は、炭素系繊維のトウ、または炭素系繊維を
主成分とする予備成形体を反応容器内に導入し、加熱す
るとともに炭化水素原料ガスを導入して分解反応を生じ
せしめ、さらに例えばマイクロ波を重畳して分解、及び
炭素質の堆積、充填を効率よく実現する。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図はこの発明の製造方法を示す図である。
レーヨン、ポリアクリロニトリル、石油あるいは石炭
ピッチを原料とした炭素系繊維のトウ(1)(繊維数10
0〜20000本からなる繊維の束)を反応容器(3)に導入
し、原料ガスとして、メタン、エタン、プロパン、ベン
ゼンなどの炭化水素ガスを導入口(6)から供給し、熱
源の一つとしてまず繊維のトウ(1)に電極(4)を通
じて電流を流して、繊維のトウ自体を加熱する。(5)
はシール部であり、(7)はガス排出口である。この段
階で原料ガスの熱分解は進行して繊維のトウの空間に炭
素質が分解、堆積して行くが、充填効率は十分でない。
従って、さらに導波管(9)を通してマグネトロン
(8)で発生した2000〜3000MHzのマイクロ波の重畳を
行う。このとき水素プラズマを発生させるのが効果的で
あった。この段階で原料ガスの分解、堆積は著しく促進
され、複合材の完全な緻密化と高速の製造が可能とな
る。この実施例ではメタンの分圧を20〜200Torr、繊維
温度700〜1400℃としたが、マイクロ波重畳の効果で比
較的低温、即ち、700〜1000℃で良好な炭素質の充填が
できた。メタン分圧は40〜80Torrの範囲で特に良好な結
果が得られた。原料ガスとしては他の炭化水素でも同様
な結果が得られているが、ジクロルエチレンなどではさ
らに低温(700℃以下)でも同様の結果を得ている。従
来の方法で熱分解のみで製造した場合には、繊維のトウ
のように小さい体積の複合材であっても高温と長時間を
要していた。第2図は熱分解とマイクロ波の複合方式で
C/C複合材を製造した場合の炭素質充填量の反応時間に
対する変化を従来の熱分解単独によるC/C複合材製造時
の炭素質充填の反応時間に対する変化とを比較した結果
である。縦軸は炭素質充填量(任意スケール)、横軸は
反応時間(任意スケール)である。図の曲線(a)はこ
の発明に係る複合型気相含浸法によるC/C複合材の製造
方法のグラフ、曲線(b)は従来の製造方法の結果を示
す。従来の方式ではある程度分解、堆積が進行すると閉
塞した気孔ができ、充填が進まなくなる。一方、複合方
式では残留気孔がほぼゼロに到達するまで炭素質の充填
が行われる。この結果、得られたC/C複合材の曲げ強度
は炭素系繊維の体積率約50%の時、450MPa以上であっ
た。この複合方式は他の組合せによっても可能であり、
例えば反応容器の外部から高周波などによって加熱し、
さらに繊維の部分に光、あるいは電磁波で励起し反応を
促進する方法などがある。いずれの方法によっても繊維
のトウへの炭素質の充填は可能であった。特に、繊維へ
の直接通電による方法とマイクロ波の複合方式が簡便で
効率が良かった。第3図はこの発明の他の実施例として
なされたもので、原料ガスの供給を、通常の気相含浸法
において一般的に行われる継続的、定常的な供給ではな
く、間欠的に(パルス状に)行うものである。即ち、繊
維のトウ(1)を反応容器(3)に導入し、原料ガスを
反応容器(3)に導入する際に、リザーバタンク(11)
にガスを蓄積するなどしてガス圧力を高めて(制御し
て)おくとともに、反応容器(3)は排気系によって減
圧状態にする。その状態で、ガス導入ライン(6)のバ
ルブ(10)を開いて、リザーバタンク(11)に蓄積した
ガスを一気に放出し、反応容器内のガス圧力を一気に高
める。このようにしてガスを供給した後、一旦供給を停
止し、反応容器内が減圧状態になったところで、また反
応容器内にガスを一気に放出し、ガス圧力を一気に高め
る。これを繰り返し、ガスを間欠的(パルス状)に供給
することにより、反応容器内で原料ガスの圧力勾配、濃
度勾配が生じるのを防止できるので、繊維のトウ(1)
内部への炭素質の堆積が十分に、効率的に行われるた
め、炭素質の分解堆積はトウ(1)外部に集中すること
なく、トウ(1)全体に均質に行える。加えて、ガスの
供給停止期間に反応容器内が減圧状態にされる際に、ト
ウ(1)内部、近傍に滞留する反応後のガスが十分に排
気されるので、新たなガスがトウ(1)内部へ十分に含
浸される。ガスが予備成形体内部へ十分に含浸されるた
め、成形体内部の気孔が少ない、全体に均質な炭素質の
分解堆積が行える。さらにマグネトロン(8)で発生し
たマイクロ波によるガスの活性化を行い、分解、析出を
促進する。第3図で(12)は原料ガスボンベであり、
(9)は導波管、(7)はガス排出口、(2)は得られ
たC/C複合材を示す。この結果得られたC/C複合材は炭素
質組織の均一性がよく、強度劣化の原因となる欠陥の発
生を防ぐ効果がある。また、C/C複合材の製品の品質を
一定にし、歩留まりを向上させる。
この実施例では炭素系の繊維のトウを出発原料とし
て、ロッド状のC/C複合材の製造に関して述べたが、例
えばここで得られたロッド状のC/C複合材を出発原料と
して、所要の形状に成形したプリフォーム、即ち、織物
や編物に成形した成形物に対して、炭素質を充填する製
造プロセスに於いても同様に実施でき、単一の加熱方式
あるいは励起方式、ガス供給方式によって製造した場合
に比べ、性能の向上が見られた。
原料ガスとしては上記炭化水素ガスの他に塩素などの
ハロゲン元素を含む炭化水素ガスが、単独、あるいは混
合して用いられる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば炭素系繊維を強化材
とし、炭化水素ガス及びハロゲン元素を含む炭化水素ガ
スの少なくとも1種以上からなる原料ガスを熱分解し、
生成した炭素質を堆積、充填してC/C複合材を製造する
に際して、光あるいは電磁波で励起し反応を促進する、
及びガスを間欠供給する手法の少なくともいずれかをさ
らに加えて施すことによって炭素質を完全致密に充填し
て高性能のC/C複合材を製造することができる。また、
この製造方法をとることによって強度と靭性に優れたC/
C複合材を安定に得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の製造方法を示す説明図、第2図は炭
素質の充填速度の測定結果を示すグラフ、第3図はこの
発明の他の実施例を示す説明図、第4図は従来の製造方
法を示す説明図である。 図において、(1)は炭素系繊維トウ、(2)はC/C複
合材、(3)は反応容器、(4)は電極、(5)はシー
ル、(6)は原料ガス導入口、(7)はガス排出口、
(8)はマグネトロン、(9)は導波管、(10)はバル
ブ、(8)はマグネトロン、(9)は導波管、(10)は
バルブ、(11)はリザーバタンク、(12)は原料ガスボ
ンベ、(13)はプリフォーム、(14)はヒータ、(15)
は炉、(16)はガスを導入口、(17)ガス排出口であ
る。 なお、各図中同一符号は同一叉は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素系繊維を強化材とし、炭化水素ガス及
    びハロゲン元素を含む炭化水素ガスの少なくとも1種以
    上からなる原料ガスを熱分解し、生成した炭素質を堆
    積、充填するC/C複合材の製造方法において、上記原料
    ガスを熱分解し炭素質を堆積、充填する際に、光あるい
    は電磁波で励起し反応を促進する、及びガスを間欠供給
    する手法の少なくともいずれかを加えて施すようにした
    ことを特徴とする複合型気相含浸法によるC/C複合材の
    製造方法。
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