JP2711728B2 - 新規キノリン誘導体およびその製造法 - Google Patents

新規キノリン誘導体およびその製造法

Info

Publication number
JP2711728B2
JP2711728B2 JP22035289A JP22035289A JP2711728B2 JP 2711728 B2 JP2711728 B2 JP 2711728B2 JP 22035289 A JP22035289 A JP 22035289A JP 22035289 A JP22035289 A JP 22035289A JP 2711728 B2 JP2711728 B2 JP 2711728B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
mmol
reaction
chloroform
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22035289A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0383986A (ja
Inventor
善光 長尾
修造 高木
けい子 井上
正枝 山木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP22035289A priority Critical patent/JP2711728B2/ja
Publication of JPH0383986A publication Critical patent/JPH0383986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2711728B2 publication Critical patent/JP2711728B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規キノリン誘導体に関し、更に詳細には抗
癌剤として有用なカンプトテシン誘導体の合成中間体と
して有用な新規キノリン誘導体およびその製造法に関す
る。
〔従来の技術〕
カンプトテカ・アクミナタ(Camptotheca acuminat
a)の樹皮、根、果実及び葉などから単離されたカンプ
トテシンは5環性のアルカロイドで、核酸合成を阻害す
ることによって抗腫瘍活性を示すことが知られている。
そして該カンプトテシンの全合成については、G.Stork
ら〔J.Am.Chem.Soc.,93,4074(1971)〕の報告をはじめ
として数多くの報告がある。
一方、より優れた抗腫瘍活性を有する化合物を求めて
種々研究がなされており、下記式 で示される化合物は優れた抗腫瘍活性を有し、かつ安全
性も高く抗癌剤として有用であることが知られている
〔特開昭58-39683号;Jpn.J.Cancer Chemother.,14,Part
-II,850(1985)〕。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の上記カンプトテシン誘導体の製
造法は工程数が長く、工業的に有利な方法とは言い難か
った。従って、上記カンプトテシン誘導体の工業的に有
利な製造法及び合成中間体の提供が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
かかる実情において、本発明者は上記課題を解決すべ
く鋭意研究してきたところ、p−アニシジンを原料とし
て短い工程で合成される新規なキノリン誘導体が、上記
抗癌剤として優れたカンプトテシン誘導体の合成中間体
として有用であることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は次の一般式(I) 〔式中、AはC=O又はCHOHを示し、R1は水素原
子、アラルキル基又は低級アルキル基を示す〕 で表わされる新規キノリン誘導体およびその製造法を提
供するものである。
上記一般式(I)中、R1で示されるアラルキル基と
してはベンゼン基が好ましく;低級アルキル基としては
炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が、特
にt−ブチル基が好ましい。
本発明の新規キノリン誘導体(I)は、例えば次の反
応式に従って製造される。
〔反応式中、R2、R3、R4、R6及びR7はそれぞれ低
級アルキル基を示し、R5はアラルキル基を示し、Xは
ハロゲン原子を示す〕 以下、上記反応式の各工程について説明する。
(1) p−アニシジン(II)とプロピオニトリルを塩
化ホウ素及び塩化アルミニウムの存在下に反応させれ
ば、2−アミノ−5−メトキシプロピオフェノン(II
I)が得られる。この反応は菅沢らの方法〔J.Am.Chem.S
oc.,100,4842(1978)〕に従って実施することができ
る。
(2) 2−アミノ−5−メトキシプロピオフェノン
(III)にピロリジン誘導体(IV)を反応させて、化合
物(V)を得る。この反応は、例えばトルエン等の芳香
族炭化水素類溶媒中、加熱還流することにより行われ
る。
(3) 化合物(V)を水酸化カリウム等の塩基の存在
下に加熱すれば化合物(VI)が得られる。この反応は、
エタノール、水などの溶媒中で加熱還流するのが好まし
い。
(4) 化合物(VI)にアルキルマロニルハライド(VI
I)を反応させれば、化合物(VIII)が得られる。この
反応は、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸
ナトリウムなどの塩基の存在下に実施するのが好まし
い。
(5) 化合物(VIII)に塩基を反応させれば、化合物
(IX)が得られる。塩基としては、ナトリウムエトキシ
ドなどの金属アルコラートが好ましい。
(6) 化合物(IX)を酸の存在下に加熱すれば、化合
物(X)が得られる。用いられる酸としては、酢酸など
が挙げられる。
(7) 化合物(X)を還元して化合物(XI)を得る。
還元は水素化ホウ素ナトリウムを用いて行うのが好まし
い。
(8) 化合物(XI)を酸の存在下に加熱せしめれば、
化合物(XII)が得られる。用いられる酸としては、酢
酸ナトリウム及び無水酢酸の混合物が好ましい。
(9) 次いで、化合物(XII)に酪酸誘導体(XIII)
を反応せしめれば、化合物(Ia)が製造される。この反
応は、n−ブチルリチウムなどの存在下に−80〜0℃の
低温下に行われる。反応溶媒はテトラヒドロフランなど
のエーテル類、n−ヘキサンなどの炭化水素類が好まし
い。
(10) 化合物(Ia)を加水素分解すれば、化合物(I
b)が製造される。反応は、パラジウム炭素などの触媒
の存在下、メタノールなどのアルコール溶媒中で水素を
添加することにより実施される。
(11) 次に化合物(Ib)又はその反応性誘導体に低級
アルコール又はアルキル化剤を作用させればエステル誘
導体(Ic)が製造される。
(12) 更に(Ic)をテトラヒドロフラン等のエーテル
系溶媒中で水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用
いて還元することにより化合物(Id)を製造することが
できる。
〔発明の効果〕
本発明の新規キノリン誘導体(I)を利用すれば抗癌
剤として有用なカンプトテシン誘導体が短い工程で効率
よく製造できる。従って、本発明化合物はカンプトテシ
ン誘導体の製造中間体として有用である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1 (1) 2−アミノ−5−メトキシプロピオフェノン
(III)の合成: アニシジン615mg(5mmol)をベンゼン5mlに溶かし、
氷冷で冷却したBCl3の2.22molのベンゼン溶液2.47ml
(5.5mmol)に加えた。アニシジン−BCl3の白色付加物
が析出する。次にプロピオニトリル500.8mg(10mmol)
とAlCl3 733mg(5.5mmol)を加え、室温下BCl3−アニシ
ジン付加物及びAlCl3を攪拌溶解後、6時間加熱還流さ
せた。冷却後、2NHC10mlを加え、70〜80℃で20分間加
熱し、反応生成物を加水分解した。反応液を10%NaOHで
中和した後、酢酸エチルで抽出、水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧で留去した
後、残渣をシリカゲルカラムクロマト(塩化メチレン)
で精製し、(III)の黄色結晶420mg(47%)を得た。
黄色針状晶:mp 58℃(塩化メチレン−n−ヘキサン1 H−NMR(CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7.3Hz),2.96(2
H,q,J=7.3Hz),3.78(3H,s),6.63(1H,d,J=9.0Hz),
6,96(1H,dd.,J=9.0,2.9Hz),7.23(1H,d,J=2.9Hz) IR(CHCl3):3500,1650cm-1 MS m/z:179(M+) 元素分析(C16H13NO2として) 計算値:C 67.04;H 7.26;N 7.82 実測値:C 66.95;H 7.54;N 7.83 (2) 化合物(V)〔式(V)中、R2=R3=C2H5
の合成: 2−アミノ−5−メトキシプロピオフェノン358mg(2
0mmol)と1−エキシカルボニル−3−オキソプロリジ
ン−2−酢酸エチルエステル486mg(20mmol)をトルエ
ン20mlに溶かし、トシル酸34mg(2mmol)を加え、ディ
ーン−スターク(Dean-Stark)装置を用いて8時間加熱
還流させた。反応後トルエンを減圧で留去した後、残渣
をシリカゲルカラムクロマト(塩化メチレン)で精製
し、目的物(V)の無色結晶726mg(94%)を得た。
無色針状晶:mp 85℃(エーテル−n−ヘキサン)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.09(3H,t,J=7.1Hz),1.33(3
H,t,J=7.6Hz),1.35(3H,t,J=7.1Hz),2.95(2H,m),
3.21(2H,m),3.95(3H,s),4.06(2H,m),4.27(2H,
m),4.82(2H,m),5.32(1H,m),7.26(1H,d,J=2.7H
z),7.34(1H,dd.,J=9.1,2.7Hz),7.96(1H,d,J=9.1H
z) IR(CHCl3):1730,1690,1620cm-1 MS m/z:386(M+) 元素分析(C21H26N2O5として) 計算値:C 65.28;H 6.74;N 7.25 実測値:C 65.09;H 6.91;N 7.24 (3) 化合物(VI〔式(VI)中、R3=C2H5〕の合
成: 化合物(V)2g(5.2mmol)をエタノール20mlに溶か
し、10%KOH溶液10mlを加え、8時間加熱還流した。エ
タノールを減圧で留去した後、10%HCl溶液で中和する
と沈澱が析出し、これを濾取した。沈澱物を真空下乾燥
した後、エタノール20mlに溶かし、HClガスを通し、3
時間加熱還流した。エタノールを減圧で留去した後、10
%KOH溶液でアルカリ性にすると沈澱が析出し、これを
濾取した。沈澱をエーテル−n−ヘキサンから再結晶
し、目的物(VI)を1.1g(67%)を得た。
無色粉末:mp 86〜87℃(エーテル−n−ヘキサン)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.27(3H,t,J=7.3Hz),1.30(3
H,t,J=7.3Hz),2.64(1H,dd.,J=16.4,10.0Hz),2.96
(2H,q,J=7.3Hz),3.29(1H,dd.,J=16.4,2.9HZ),3.9
5(3H,s),4.20(2H,q,J=7.3Hz),4.40(2H,s),4.88
(2H,dd.,J=10.0,2.9Hz),7.26(1H,d,J=2.5HZ),7.3
2(1H,dd.,J=9.0,2.5Hz),7.96(1H,d,J=9.0Hz) IR(CHCl3):3350,1720,1630cm-1 MS m/z:314(M+) 元素分析(C18H2203N2として) 計算値:C 68.79;H 7.01;N 8.92 実測値:C 68.56;H 7.18;N 9.00 (4) 化合物(VIII)〔式(VIII)中、R3=R4=C2
H5〕の合成: 化合物(VI)942mg(3mmol)をベンゼン5mlに溶か
し、10%NaHCO3溶液3.3mlを加えた。反応液を攪拌しな
がらエチルマロニルクロライド541.8mg(3.6mmol)のベ
ンゼン溶液3mlを滴下した。反応液を1時間室温で攪拌
した後、ベンゼン層を分取し、水洗、乾燥した。ベンゼ
ンを減圧で留去し、残渣をメタノールから再結晶して目
的物(VIII)1.1g(86%)を得た。
無色粉末:mp 105〜106℃(メタノール)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.07(3H,t,J=7.3Hz),1.30(6
H,t,J=7.3Hz),2.98(2H,m),3.22(1H,dd.,J=17.1,
3.4Hz),3.53,3.61(each 1H,d,J=15.1Hz),3.63(1H,
m),3.90(2H,m),3.95(3H,s),4.25(2H,q,J=7.3H
z),4.94,5.04(each 1H,d,J=13.3Hz),5.48(1H,m),
7.25(1H,d,J=2.7Hz),7.35(1H,dd.,J=9.3,2.7Hz),
7.98(1H,d,J=9.3Hz) IR(CHCl3):1730,1650,1632cm-1 MS m/z:428(M+) 元素分析(C23H2806N2として) 計算値:C 64.49;H 6.54;N 6.54 実測値:C 64.22;H 6.71;N 6.56 (5) 化合物(IX)〔式(IX)中、R4=C2H5〕の合
成: 化合物(VIII)428mg(1mmol)に1%NaOEt溶液10ml
を加え、1時間加熱還流した。反応後エタノールを減圧
で留去し、水を加え、10%HCl溶液で中和すると沈澱を
生じた。沈澱を濾取しクロロホルム−メタノールから再
結晶して目的物(IX)290mg(76%)を得た。
無色粉末:mp 165℃(クロロホルム−メタノール)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(3H,t,J=7.8Hz),1.44(3
H,t,J=7.3Hz),2.84(1H,dd.,J=17.1,3.4Hz),3.02
(2H,q,J=7.8Hz),3.32(1H,dd.,J=17.1,4.4Hz),3.9
7(3H,s),4.43(2H,m),4.76(1H,d.J=16.1Hz),5.13
(1H,d,J=16.1Hz),5.17(1H,m),7.28(1H,d,J=2.4H
z),7.38(1H,dd.,J=9.3,2.4Hz),7.98(1H,d,J=9.3H
z) IR(CHCl3):1650,1590cm-1 MS m/z:382(M+) (6) 化合物(X)の合成: 化合物(IX)1g(2.6mmol)に10%酢酸溶液10mlを加
え、30分間加熱する。反応液をクロロホルムで抽出し、
水洗、乾燥後、クロロホルムを減圧で留去した。残渣を
シリカゲルカムクロマト(クロロホルム)で精製し、n
−ヘキサン−クロロホルムから再結晶して目的物(IX)
543mg(67%)を得た。
無色粉末mp 183〜184℃(n−ヘキサン−クロロホル
ム)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.35(1H,t,J=7.8Hz),2.57(1
H,dd.,J=17.6,12.0Hz),3.02(2H,q,J=7.8Hz),3.42
(1H,d,J=19.0Hz),3.47(1H,dd.,J=17.6,3.9Hz),3.
60(1H,d,J=19.0Hz),3.97(3H,s),4.83(1H,d,J=1
6.1Hz),5.21(1H,d,J=16.1Hz),5.32(1H,d,J=12.0,
3.9Hz),7.28(1H,d.J=2.7Hz),7.40(1H,dd.,J=9.3,
2.7Hz),7.98(1H,d,J=9.3Hz) IR(CHCl3):1730,1660,1620cm-1 MS m/z:310(M+) (7) 化合物(XI)の合成: 化合物(X)310mg(1mmol)をエタノール10mlに溶か
し、攪拌しながら、NaBH418.9mg(0.5mmol)を少しずつ
加える。1時間室温で攪拌した後エタノールを減圧で留
去し、水を加え、10%HCl溶液で中和すると沈澱が生じ
る。沈澱を濾取し、クロロホルム−n−ヘキサンから再
結晶して目的物(XI)250mg(80%)を得た。
無色粉末:mp 105〜108℃(クロロホルム−n−ヘキサ
ン)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.33(3H,t,J=7.6Hz),1.79(1
H,m),2.47(1H,m),3.02(4H,m),3.97(3H,s),4.45
(1H,m),4.60(1H,d,J=16.1Hz),4.86(1H,m),5,25
(1H,d,J=16.1Hz),7.27(1H,d,J=2.9Hz),7.37(1H,
dd.,J=9.0,2.9Hz),7.99(1H,d,J=9.0Hz) IR(CHCl3):3400,1620cm-1 MS m/z:312(M+) (8) 化合物(XII)の合成: 化合物(XI)312mg(1mmol)に無水酢酸ナトリウム82
mg(1mmol)と無水酢酸1mlを加え、窒素気流下1時間加
熱する。反応液を氷水中にあけると沈澱が析出する。沈
澱を濾取した後、クロロホルム−n−ヘキサンから再結
晶し、黄色結晶の目的物(XII)250mg(85%)を得た。
mp:73〜75℃(n−ヘキサン−酢酸エチル)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.34(3H,t,J=7.6Hz),2.51(1
H,m),3.01(2H,q,J=7.6Hz),3.15(1H,m),3.97(3H,
s),5.14(1H,d,J=16.1Hz),4.77(1H,d,J=16.1Hz),
5.21(1H,m),6.12(1H,m),6.74(1H,m),7.28(1H,d,
J=2.7Hz),7.38(1H,dd.,J=9.3,2.7Hz),7.99(1H,d,
J=9.3Hz) IR(CHCl3):1660,1620,1600cm-1 MS m/z:294(M+) (9) 化合物(Ia)〔式(Ia)中、R5=ベンジル〕
の合成: 窒素気流下0℃でテトラヒドロフラン15ml中にジイソ
プロピルアミン1.09ml(15mmol)を加える。次にn−ブ
チルリチウムの1.62mol/lのn−ヘキサン溶液9.26ml(1
5mmol)を攪拌下滴下する。20分後、ドライアイス−ア
セトン浴で−78℃としα−エトキシカルボニルオキシ酪
酸ベンジル3.99g(15mmol)のテトラヒドロフラン溶液2
0mlを滴下する。1時間後化合物(XII)882mg(3mmol)
のテトラヒドロフラン溶液20mlを滴下する。−78℃で2
時間攪拌後、徐々に室温に挙げる。
反応後、反応液を氷水中に注ぎ10%HCl溶液で、弱酸
性にしてクロロホルムで抽出する。水洗、乾燥した後、
溶媒を留去してシリカゲルカラムクロマト(クロロホル
ム)に付し、精製すると目的物(Ia)740mg(48%)を
得た。
無色粉末:mp 197℃(酢酸エチル−n−ヘキサン)1 H−NMR(CDCl3)δ:0.99(3H,t,J=7.3Hz),1.32(3
H,t,J=7.6Hz),1.62(1H,m),1.97(1H,m),2.16(1H,
m),2.97(3H,m),3.28(1H,m),3.60(1H,d,J=7.6H
z),3.96(3H,s),4.63(1H,d.J=16.1HZ),4.84(1H,d
d.,J=11.5,2.9Hz),5.28(2H,s),5.28(1H,d,J=16.1
Hz),7.26(1H,d,J=2.4Hz),7.39(6H,br.s),7.95(1
H,d,J=9.0Hz) IR(CHCl3):1790,1740,1660,1620cm-1 MS m/z:514(M+) (10) 化合物(Ib)の合成: 化合物(Ia)514mg(1mmol)をメタノール50mlに溶解
し、触媒として10%パラジウムカーボン50mgを用い常圧
で水素添加した。反応後触媒を濾去し、濾液を減圧下乾
固し、残留物をクロロホルムより結晶化することにより
目的物(Ib)402mg(95%)を得た。
無色粉末:mp 231〜232℃(クロロホルム)1 H−NMR(CD3OD)δ:1.07(3H,t,J=7.3Hz),1.33(3
H,t,J=7.6Hz),1.62(1H,m),1.96(1H,m),2.20(1H,
m),2.93(1H,m),3.09(2H,q,J=7.6Hz),3.47(1H,
m),3.97(3H,s),4.68(1H,d,J=16.1Hz),4.98(1H,d
d.,J=11.5,2.9Hz),5.19(1H,d,J=16.1Hz),7.43(2
H,m),7.94(1H,d,J=10.0Hz) IR(KBr):3500-3100(br,OH),1790,1710,1640,1620cm
-1 MS m/z:424(M+) (11) 化合物(Ic)〔式(Ic)中、R7=−C(CH3)3
の合成: 化合物(Ib)424mgを塩化メチレン50mlに懸濁し、こ
れに濃硫酸0.5mlを加え、次いで−15℃でイソブテン
(ガス)を30分間通じ、反応させ、更に室温で一夜攪拌
する。
反応混合物を、氷水に注ぎ中和後、クロロホルム抽出
する。有機層を取り、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下濃縮する。残留物を、シリカゲルカラムクロマト
(クロロホルム)に付し精製することにより、目的物
(Ic)422mg(88%)を得た。
無色粉末:mp 225℃(酢酸エチル)1 H−NMR(CDCl3)δ:1.06(3H,t,J=7.3Hz),1.33(3
H,t,J=7.6Hz),1.53(10H,br.s),1.95(1H,m),2.11
(1H,m),2.95(3H,m),3.30(1H,m),3.67(1H,d,J=
7.1Hz),3.97(3H,s),4.66(1H,d,J=16.1Hz),4.88
(1H,dd.,J=11.5,2.7Hz),5.30(1H,d,J=16.1Hz),7.
27(1H,d,J=2.4Hz),7.38(1H,dd.,J=9.3,2.4Hz),7.
96(1H,d,J=9.3HZ) IR(CHCl3):1790,1730,1650,1620cm-1 MS m/z:480(M+) (12) 化合物(Id)〔式(Id)中、R7=C(CH3)3〕の
合成: テトラヒドロフラン10mlに水素化リチウムホウ素22m
を加え、氷冷下(11)で得られた化合物(Ic)480mg(1
mmol)テトラヒドロフラン溶液30mlを滴下した。10分後
10%HCl溶液で反応を止めた。
テトラヒドロフランを留去した後、クロロホルムで抽
出し、水洗、乾燥後、クロロホルムを留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマト(酢酸エチル)に付し、精製
すると目的物(Id)290mg(60%)を得た。
無色粉末:mp 238℃(n−ヘキサン−酢酸エチル)1 H−NMR(CDCl3)δ:0.99(3H,t,J=7.3Hz),1.33(3
H,t,J=7.6Hz),1.53(9H,br.s),1.78(1H,m),1.93
(1H,m),2.76(1H,m),3.00(2H,q,J=7.6Hz),3.12
(2H,m),3.96(3H,s),4.65(1H,d,J=16.2Hz),4.86
(1H,dd.,J=11.5,2.9Hz),5.29(1H,d,J=16.2Hz),5.
55(1H,m),7.27(1H,d,J=2.8Hz),7.37(1H,dd.,J=
9.0,2.8Hz),7.97(1H,d,J=9.0Hz) IR(CHCl3):3350(OH),1720,1640,1620cm-1 MS m/z:482(M+

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式(I) 〔式中、AはC=O又はCHOHを示し、R1は水素原
    子、アラルキル基又は低級アルキル基を示す〕 で表わされる新規キノリン誘導体。
  2. 【請求項2】次式(XII) で表わされる新規キノリン誘導体。
  3. 【請求項3】次式(XII) で表わされる化合物に次の一般式(XIII) 〔式中、R5はアラルキル基を示し、R6は低級アルキル
    基を示す〕 で表わされる酪酸誘導体を反応させることを特徴とする
    次の一般式(Ia) 〔式中、R5は前記と同じ〕 で表わされる新規キノリン誘導体の製造法。
JP22035289A 1989-08-29 1989-08-29 新規キノリン誘導体およびその製造法 Expired - Lifetime JP2711728B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22035289A JP2711728B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 新規キノリン誘導体およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22035289A JP2711728B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 新規キノリン誘導体およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0383986A JPH0383986A (ja) 1991-04-09
JP2711728B2 true JP2711728B2 (ja) 1998-02-10

Family

ID=16749792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22035289A Expired - Lifetime JP2711728B2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29 新規キノリン誘導体およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2711728B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA936580B (en) * 1992-09-08 1994-08-01 Smithkline Beecham Corp Process for preparing certain pyrrolo (3 4-b)quinolines certain 1H-pyrano(3' 4':6,7)indolizino(1 2-b)quinolin-3 14(4H 12H)-diones and certain 8-methyl-7-(oxopropyl)-idolizino(1 2-b)quinolin-9(11H)-ones
US8420815B1 (en) * 2010-06-24 2013-04-16 U.S. Department Of Energy Anti-cancer agents based on N-acyl-2, 3-dihydro-1H-pyrrolo[2,3-b] quinoline derivatives and a method of making

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0383986A (ja) 1991-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0524495B1 (en) Process for the preparation of pyranones and pyrandiones
JP3119663B2 (ja) (+)−コンパクチンおよび(+)−メビノリンの類似体であるβ−ヒドロキシ−δ−ラクトン基を含有する化合物の調製方法
CN112638870A (zh) 用于制备6-(2,4-二氯苯基)-5-[4-[(3s)-1-(3-氟丙基)吡咯烷-3-基]氧基苯基]-8,9-二氢-7h-苯并[7]轮烯-2-甲酸甲酯的方法
JPH0686441B2 (ja) バカチン111および10―デアセチルバカチン111の誘導体を調製する方法
KR100712003B1 (ko) 펜세린 및 그 유사체의 제조방법
EP3543229B1 (en) Method for preparing optically pure (r)-4-n-propyl-dihydrofuran-2(3h)-one
JP2711728B2 (ja) 新規キノリン誘導体およびその製造法
WO2021020998A1 (ru) Способ получения роксадустата
CN113264850A (zh) 一种益智酮甲的合成方法
JP4144048B2 (ja) 1−アシル−4−アリールピペリジン類の製造方法
JP2992334B2 (ja) 軟体動物駆除剤の2,4,5―トリブロモピロール―3―カーボニトリル化合物の製造法
Nemeroff et al. Synthesis and Characterization of Novel Ferrocenyl-Substituted Pyrroles
US2744114A (en) Pyridoxine synthesis
Hudson et al. Ester functionalised alkene-extended cyclohexadienyliron complexes
JP2004506628A (ja) ビタミンeの調製に用いるための中間体
JP2002533334A (ja) 抗ヒスタミン活性を有する三環式化合物を調製するためのプロセス
JPH1067744A (ja) 6−(ヒドロキシメチル−エチル)ピリジン類
NZ236080A (en) 2(s)-stereoisomeric form of 2-aminomethyl-3- (1-carboxycyclopentyl)propanoic acid derivatives, intermediates thereto and processes for the preparation thereof
JP3207184B2 (ja) 抗生物質mi43−37f11の製造方法および製造中間体
JPH0692988A (ja) 2,2′−アンヒドロアラビノシルチミン誘導体の合成法
JP3142274B2 (ja) 抗生物質mi43−37f11の製造中間体
Ma et al. β-Amino ester route to tussilagine, isotussilagine and (–)-petasinecine
JP3142273B2 (ja) 抗生物質mi43−37f11の製造中間体
CN116217475A (zh) 一种多取代喹啉类衍生物的制备方法
CN116675629A (zh) 一种基于天然氨基酸的手性双羧酸四齿双核铑催化剂、合成方法及其应用