JP2709097B2 - スプリングリテーナ - Google Patents

スプリングリテーナ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明ほエンジン機関に係り、さらに詳しくはエンジ
ン機関の動弁系に組込まれるスプリングリテーナに関す
るものである。
〔従来の技術および課題〕
従来のエンジン機関のバルブ機構は例えば第3図のよ
うになっている。すなわちシリンダヘッド6にはバルブ
ガイド2が設けられ、バルブガイド2にはバルブステム
3が上下方向に摺動可能に支持されている。バルブステ
ム3の下端にはバルブフェース4が備えなられ、バルブ
フェース4は吸・排気ポートのバルブシート5と接離さ
れて吸・排気ポートを開閉するようになっている。
バルブステム3の上端にはコッター7を介してスプリ
ングリテーナ1が固定されている。スプリングリテーナ
1とシリンダヘッド6の上面との間にはバルブスプリン
グ8が介装され、バルブスプリング8はバルブフェース
4をバルブシート5に着座させる方向に付勢している。
またシリンダヘッド6の上方には潤滑油が送油される
中空軸状のロッカーシャフト10が設けられ、ロッカーシ
ャフト10にはロッカーアーム11が摺動可能に取付けられ
ている。ロッカーアーム11の一端部はバルブステム3の
上端部に当接し、ロッカーアームの他端部はバルブリフ
タ(図示せず)の動きを伝達するプッシュロッド12に当
接されている。すなわちプッシュロッド12によってロッ
カーアーム11の他端部を突き上げるとバルブステム3は
押し下げられ、バルブフェース4はバルブシート5から
離間され吸・排気ポートが開かれる。プッシュロッド12
の下降時には、バルブスプリング8の作用でスプリング
リテーナ1を押し上げると、コッター7を介して接続さ
れているバルブステム3が上昇し、吸・排気ポートは閉
じられる。
さてこのようなスプリングリテーナ1は従来はJISA G
4105に規定されているクロムモリブデン鋼などの強靱鋼
が使用されてきた。ところが上述したスプリングリテー
ナ1の機能からも分かるようにバルブリテーナはバルブ
−スプリング系統から発生する熱を速やかに放散させる
ための熱伝導率の大きいこと、およびバルブ、スプリン
グの負担を軽くするための慣性質量の小さいものが望ま
れていた。
〔課題を解決するための手段〕
そこで上述の課題を解決するためにアルミニウム合金
(熱伝導率は鋼の薬4倍、質量は鋼の薬1/3)が考えら
れる。このため本件発明者は細菌開発されたFe、Mnを含
む高Siアルミニウム合金粉末に角のない球状セラミック
粒子あるいはセラミック粒子のうちでも比較的軟かいも
のを上記アルミニウム合金に配合すると耐摩耗性も向上
し相手材も摩耗することなく、優れたスプリングリテー
ナになることを確認し、提案した(特願昭63−8684
2).本願発明は先の発明の改良にかかわり、耐久性と
潤滑性を一層向上させたものである。
すなわち本件発明の要旨は、第1は重量比でSil0.0〜
30.0%と、Fe0.5〜7.0%とMn0.5〜4.0%とを含有し、残
部が不可避的不純物を含むAl合金から成るマトリックス
中に、平均粒子2〜30μmのAl2O3−ZrO2−SiO2系セラ
ミック粒子を、重量比で1〜10%分散させてなるスプリ
ングリテーナであり、第2は重量比でSil0.0〜30.0%
と、Fe0.5〜7.0%とMn0.5〜4.0%とを含有し、さらにCu
0.5〜5.5%およびMg0.2〜3.0%を含み、残部が不可避的
不純物を含むAl合金から成るマトリックス中に、平均粒
子2〜30μmのAl2O3−ZrO2−SiO2系セラミックス粒子
を、重量比で1〜10%分散させてなるスプリングリテー
ナにある。
〔発明の構成〕
以下本発明を詳しく述べる。
本発明では高温においても耐摩耗性および強靱性のあ
る、特開昭61−295301号公報記載のアルミニウム合金粉
末を母材として使用する。
本発明における成分限定理由は、下記の通りである。
Siは10重量%以下では分散量が少なく、耐熱性や耐摩
耗性に及ぼす効果が不十分である。Si10重量%程度の亜
共晶領域では、初晶Siは晶出せず、微細な共晶組織を呈
するものとなる。Si量が増すにしたがってSi初晶が晶出
するようになり、耐熱性、耐摩耗性が向上する。しかし
ながら、Siが30重量%を越えるといかなる急冷凝固法を
採用して粉末化しても、粗大なSi初晶が消失しなくな
る。急冷速度103℃/秒程度でも、初晶Siを微細化させ
るには、Si量を25重量%以下にする必要がある。
粗大なSi初晶組織を有するAl合金粉末の押出成形加工
を行うに当っては、粉末の圧縮性が著しく悪いため、圧
粉体の成形が困難であり、熱間押出加工においても変形
抵抗が大きく、大きな押出力を必要とするほか、押出ダ
イスの寿命を著しく短縮する結果をもたらす。
従って、Si含有量は10.0〜30重量%、好ましくはSi 1
3.0〜25重量%とするのが良い。
FeおよびMnは、本発明においては重要な成分である。
FeおよびMnは、Al中への溶解度が低く、かつ拡散速度が
遅いため、微細な金属間化合物として分散晶出し、材料
の高温強度を向上せしめる。さらに、FeおよびMnの重要
な役割は、耐応力腐食割れ性を向上させる点にある。本
発明者らが、耐応力腐食割れ性について詳細に検討した
結果、公知のAl合金におけるが如く、FeまたはMnを単独
に添加したのでは、耐応力腐蝕割れ性に対しては効果が
無く、FeおよびMnを一定範囲で共存させると著しい効果
があることを見出し、本発明に至ったものである。
通常、Al地金中に存在するFeおよびMnは、それぞれ、
せいぜい、0.8重量%、0.03重量%程度であり、この程
度では、高温強度、耐応力腐食割れ性に対して不十分で
ある。また、添加量が多過ぎると熱間加工性および靱性
が低下するので好ましくない。
FeおよびMnを固溶限界を越えて添加すると、Al−Fe−
Mn−Si系の金属間化合物として析出し、その形状は、添
加量が多いほど、また冷却速度が遅いほど、粗大化す
る。この金属間化合物は、分散急冷凝固法による合金粉
末においては、棒状組織として存在し、後続の熱間押出
工程において分断され、マトリックス中に微細に分散す
る。この化合物は、高温においても安定で、粗大化成長
することもなく、長時間高温保持しても強度の低下は生
じない。
また、この金属間化合物は、Al−Fe系、あるいはAl−
Mn系金属間化合物に比して耐応力腐食割れ性に対して著
しい効果を有するものである。
従って、シリンダーライナー、ピストン、コンロッ
ド、ロッカーアーム、コンプレッサー用翼体等の高温に
さらされ、しかも強度を要求される機械部品用材料とし
て好適なものとなる。特に応力腐食が問題とされるよう
な長寿命、高信頼性を要求される機械部品に最適な材料
となり得る。FeおよびMnの添加量は、Fe:0.5〜7重量
%、Mn:0.5〜4重量%が適当である。Feが7重量%を越
え、またはMnが、4重量%を越えた場合には、硬さや耐
摩耗性がかえって低くなり、成形体を作った場合には材
質が脆くなる傾向がある。
Feに比較してMn含有量を少なくする理由は、熱間加工
性の改善、押出歩留りの向上、応力腐食割の改善、靱性
の改善を計るためである。
また、FeとMnは単独添加では耐応力腐食割れ性が認め
られず、両者を同時添加する必要がある。
本発明におけるAl合金粉末では、必要に応じてCu、あ
るいはMgを添加しても良い。Cu、Mgは、Al合金におい
て、時効硬化性を付与して材質を強化する成分として広
く使用されており、好適な添加量は、Cuは0.5〜5.0重量
%、Mgは0.2〜3.重量%の範囲である。本発明において
も、溶体化処理温度での固溶限度内の範囲で、Cu、Mgを
添加することは、材質を強化するために有効である。本
発明の合金粉末においては、高温強度を改善する目的
で、さらにTi、Zr、Mo、V、Co、Zn、Li等を少量添加す
ることは何ら支障はない。しかし、添加量が多過ぎる
と、成分管理、溶解温度の上昇等、製造上の問題が生じ
てくる。
Al合金粉末中のSi結晶粒の大きさは15μm以下が好ま
しく、主として、初晶Siの大きさが15μm以上になると
後続の合金粉末の成形加工性が悪くなり、材料特性が悪
化するからである。
本発明のAl合金粉末は、前記目標組成を有する合金溶
湯をアトマイズ法、遠心力による微粉末製造法をもって
0.5mm以下の粒子サイズに急速分散凝固させることによ
り得られるものである。粉末化の際における冷却速度
は、103℃/秒程度以上であれば十分であり、合金成分
量が多くなるほど冷却速度を早くしないと、微細組織は
得られない。かくして得られたAl合金粉末は、大きさが
15μm以下のSi結晶と、成長を抑制された金属間化合物
晶を有しており、このような組織の合成を鋳造法で得る
ことは困難である。
セラミック粒子としてはアルミナ(Al2O3)−ジルコ
ニア(ZrO2)−シリカ(SiO2)系のものを使用する。Al
2O3−ZrO2−SiO2系セラミックはAl2O3単独粒子よりは軟
かくて相手材を傷付ける程度が小さく、しかも耐摩耗性
を向上させるのに充分な硬さを備えている。セラミック
の組成範囲はAl2O3:45〜55wt%、ZrO2:25〜35wt%、SiO
2:15〜25wt%が適当である。Al2O3が45wt%以下で耐摩
耗性が改善されず、55wt%以上では硬すぎて相手材を傷
付けるZrO2は硬さをやわらげる働きをし、SiO2は潤滑性
を向上させる働きをする。Al2O3の機能を補足する目的
でZrO2とSiO2はセラミック中でおのおの25〜35wt%、15
〜25wt%含まれていることが必要である。このようなセ
ラミック粒子としては昭和電工(株)製モランダムAZが
利用できる。もちろん球状であればなお好ましい。セラ
ミックの平均粒子径は2〜30μmのものが好ましい。平
均粒子径が2μm未満では細かすぎて耐摩耗性の効果が
余り得られないし、30μm以上では熱間加工が困難にな
るとともに強度の低下をまねく。
セラミック粒子の添加量は1〜10wt%とする必要があ
る。1wt%以下では添加効果が発揮されず、10wt%を越
えると添加効果は飽和し、かえって材質強度の低下を招
くからである。
セラミック粒子の分散のための手段としてはアルミニ
ウム合金溶湯に分散させる方法、アルミニウム合金粉末
に混合し押出す方法のいずれでもよいが合金粉末に混合
して用いる方が好ましい。その理由はセラミック粒子を
多量に均一分散させるのはアルミニウム合金溶湯ではか
なり困難であるからである。セラミック粒子とアルミニ
ウム合金とからなる成形体を得る方法は例えば次のよう
にする。
アルミニウム合金溶湯をアトマイズ法や遠心微粉化法
など既知の方法によってアルミニウム粉末合金を得る。
このアルミニウム粉末合金に所定量のセラミックス粒子
を配合し、V型コーンミキサー等によって均一に混合す
る。そして得られた混合粉を200〜350℃に加熱して圧縮
成形する。成形圧力は0.5〜3ton/cm2程度でよい。そし
てつぎに350℃以上の温度、好ましくは400〜500℃の温
度で熱間押出しを行なえばよい。又この成形品は必要に
応じて焼なまし、焼入れ、焼きもどしなどの熱処理を行
って合金の強度を改善してもよい。最後に熱間鍛造など
のわずかな操作で最終製品でだるスプリングリテーナを
得る。
次に、本発明の実施例を挙げて説明する。
(実施例1) Si 14.5%、Cu 2.5%、Mg 0.5%、Fe 4.5%、Mn 2.0
%、残部がAlである合金組成を有する高Siアルミニウム
合金溶湯を空気アトマイズして冷却速度103〜104℃/sec
で急冷して急冷凝固粉末として、得られた粉末を−60me
shとなるようにフルイ分けを行った。
このアルミニウム合金粉末に表1に示す硬質セラミッ
ク粒子を3wt%添加し、V型混合器を使用して混合した
後、サンプルa,bについてはプレス成形法(CIP法)によ
り密度比75%の圧粉体を得た。冷間静水圧プレス成形法
においてはゴム製チューブ内に混合粉末を入れ、圧力1.
5〜3.0ton/cm2程度の静水圧下で成形した。サンプル
c、dについては金型圧縮成形法にて密度比75%の圧粉
体を得た。金型圧縮成形法では金型内に混合粉末を入
れ、常温大気中で1.5〜3.0ton/cm2程度の圧力で成形し
た。
このようにして得られた圧粉体を炉内温度400℃の均
熱炉内に4時間保持し、次いでこの圧粉体で熱間押出加
工を施し、直径20.5mm,長さ400mmの丸棒状の押出棒を得
た。
この押出棒に表2に示す熱処理を施した後、引張試験
片SCCテスト用試験片を切出し、引張試験、SCCテスト、
150℃×2000時間大気中に暴露後の引張試験を行った。
これらの試験結果を表3に示す。
また比較のため、特開昭61−295301号公報の実施例中
に供試材No.3として示されている、17.5Si−2.9Cu−1.0
Mg−4.2Fe−2.1Mn−残Alの組成を有し、硬質セラミック
粒子を添加しない従来のアルミニウム合金を用い、最大
強度が要求される場合に適用されるT6処理を施した場
合、及び熱処理なしの場合について同様のテストを行な
った。これらのテスト結果を表3に合わせて示した。
(実施例2) Si 14.5%、Cu 2.2%、Mg 0.4%、Fe 4.5%、Mn 2.0
%、残部がAlである合金組成を有する高Siアルミニウム
合金溶湯を空気アトマイズして急冷凝固粉末として、得
られた粉末を−60meshとなるようにフルイ分けを行っ
た。次いで平均粒子10μm組成Al2O3:50.6%、ZrO2:31.
1%、SiO2:16.8%、Fe2O3:0.1%:TiO21.1%の組成を有
する昭和電工(株)製のモランダムAZ粒子を5重量%に
なるように前記急冷凝固粉末に配合し、V型コーンミキ
サーを使用して窒素ガス封入下で均一に混合した。これ
らの混合粉を250℃に1時間加熱した後、同温度に加熱
された金型中に充填し上下パンチにて圧縮成形してビレ
ットとした。次に該ビレットをArガス中で450℃で30分
間加熱した後熱間押出しによって丸棒を得た。その後、
約430℃に加熱されたスプリングリテーナ成形用金型に
鍛造用ブランクを配置し、上下より加圧することにより
熱間鍛造にてスプリングリテーナ素材を形成した。この
素材をT6処理したのち、材料試験を行ったところ、引張
強さ44.2kgf/mm2、0.2%耐力38f/mm2、伸び0.6%、硬さ
(HRB)93、シャルビー衝撃値0.50kgf/mm2であつた。
(摩耗試験) このようにして作ったアルミニウム合金−セラミック
ス複合材の摩耗試験を行った。
試験は第2図で示す方法で実施した。試験片13を試験
片ホルダ14で保持し、相手方回転円板15の外周面に一定
圧力で圧接させ、潤滑油供給管16から潤滑油を供給しな
がら摺動させる。試験片は5×5×20mmの角柱状を呈
し、先端摺動面には半径6mmの丸みが付せられ、研磨仕
上げが施されている。相手円板15はAA規格390番のアル
ミニウム合金(Si17%、Cu4.5%、Mn0.55%残部がAl)
のT6処理(480℃焼入れ後120℃×24時間焼もどし)した
ものでHRB 80の硬さを有し、外径44.2mmで、摺動外周面
は表面粗さ約1.5μmに研磨仕上げが施されている。こ
のような装置によって相手円板15を3m/秒の周速で回転
させ、80±1℃に加熱されたコンプレッーサオイル(ス
ニソ5GSを500ml/minの割合で供給管から給油しながら試
験片13を相手円板15の外周面に3kg/mm2の押圧力で押付
け、摩擦距離を150kmとして試験片13と相手円板15とを
摺動させた。
この摩耗特性試験の結果を第4表に示す。
第4表より明らかなように本発明品はスプリングリテ
ーナとしての現用材であるクロモリ鋼に近い特性を有す
る。
このスプリングリテーナ素材に対して研削などの機械
加工を行って第1図に示されているスプリングリテーナ
1を製作した。このスプリングリテーナ1は長さ9mm、
外形32mm、筒状部17の外径15mm、円錐面18の大径端部の
直径11mm、円錐面18の傾斜角15°、フランジ部19の厚さ
4mmである。このスプリングリテーナについての性能を
評価すべく、実際のガソリンエンジンに組込む試験を行
ったところ十分な耐久性を有するものであることが確認
された。又スプリングリテーナおよびバルブスプリング
にも実質的な摩耗は生じなかった。さらにこのスプリン
グリテーナの重量は10.1gであり、従来のクロムモリブ
デン鋼製のスプリングリテーナは約20〜30gであるのに
対して1/2〜1/3への軽量化がはかられた。
(実施例3) アルミニウム合金としてSi 16.5%、Fe 5.5%、Mn 2.
5%を含む合金を使用し、O(オー)処理をした以外は
実施例2と同様の方法でスプリングリテーナを作製し
た。この素材の機械的性質は引張強さ40.1kgf/mm2、0.2
%耐力35.2kgf/mm2、伸び0.45%、硬さ(HRB)91、シャ
ルピー衝撃値0.41kgf/mm2であった。
これらの結果より、本発明によれば従来のアルミニウ
ム合金では得られなかった耐熱強度、高剛性、高耐摩耗
性を備え、耐SCC性も兼ね備えたアルミニウム合金を提
供することができることが明かとなった。
〔発明の効果〕
本発明に係るスプリングリテーナは(イ)従来の1/2
〜1/3と軽量になること,(ロ)熱伝導率が大きくバル
ブ−スプリング系統より発生する熱の放散が容易である
こと,(ハ)スプリングリテーナの摩耗がないこと,
(ニ)相手材であるバルブスプリングを摩耗させないこ
と,などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略図。第2図は摩耗
試験機を示す概略図、第3図はスプリングリテーナの作
用を示す概略図。 1……スプリングリテーナ、2……バルブガイド、3…
…バルブステム、4……バルブフェース、5……バルブ
シート、11……ロッカーアーム、13……試験片、14……
試験片ホルダ 15……回転円板、17……筒状部、18……円錐面、19……
フランジ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椎名 治男 埼玉県和光市中央1―4―1 株式会社 本田技術研究所内 (72)発明者 星 雅巳 埼玉県和光市中央1―4―1 株式会社 本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−295301(JP,A) 実開 昭63−24311(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比でSil0.0〜30.0%と、Fe0.5〜7.0%
    とMn0.5〜4.0%とを含有し、残部が不可避的不純物を含
    むAl合金から成るマトリックス中に、平均粒径2〜30μ
    mで、Al2O3:45〜55wt%、ZrO2:25〜35wt%、SiO215〜2
    5wt%の組成を有するセラミック粒子を、重量比で1〜1
    0%分散させてなることを特徴とするスプリングリテー
    ナ。
  2. 【請求項2】重量比でSil0.0〜30.0%と、Fe0.5〜7.0%
    とMn0.5〜4.0%とを含有し、さらにCu0.5〜5.0%および
    Mg0.2〜3.0%を含み、残部が不可避的不純物を含むAl合
    金から成るマトリックス中に、平均粒径2〜30μmで、
    Al2O3:45〜55wt%、ZrO2:25〜35wt%、SiO215〜25wt%
    の組成を有するセラミック粒子を、重量比で1〜10%分
    散させてなることを特徴とするスプリングリテーナ。
  3. 【請求項3】Al合金マトリックスがアルミニウム合金粉
    末成形体であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のスプリングリテーナ。
  4. 【請求項4】Al合金マトリックス中のSi結晶粒の大きさ
    が15μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載のスプリングリテーナ。
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