JP2707608B2 - 紫外線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

紫外線硬化型樹脂組成物

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JP2707608B2
JP2707608B2 JP63155960A JP15596088A JP2707608B2 JP 2707608 B2 JP2707608 B2 JP 2707608B2 JP 63155960 A JP63155960 A JP 63155960A JP 15596088 A JP15596088 A JP 15596088A JP 2707608 B2 JP2707608 B2 JP 2707608B2
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義宏 押部
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子材料等に使用される紫外線硬化型樹脂組
成物に関するものであり、さらに詳しくは安定な電気特
性を維持する等の目的のために防湿性が要求される高分
子材料に対して添加剤として内添して使用することによ
り優れた防湿性を付与することができる紫外線硬化型樹
脂組成物に関するものである。
[従来の技術] 近年、高分子材料が電子部品等の電気特性を利用する
分野の材料として多用されている。例えば、エポキシ樹
脂は半導体封止材料として利用されている。また、プリ
ント配線板加工工程において使用されるソルダーレジス
トインキとして紫外線硬化型ポリマー等の高分子材料が
利用されている。さらに、電気導電体部分や光導電体部
分の保護に高分子材料からなる絶縁塗料が使用されてい
る。
これらの高分子材料には、電気特性が温度や湿度等の
外的環境の影響を受けないためのバリヤー層の役割を果
たすことが要求されている。このため、高分子材料自体
に安定な絶縁特性、防湿特性を付与する検討が試みられ
ている(特開昭62−7773号公報、特公昭61−42954号公
報等)。また、パーフルオロアルキル基を有するアクリ
ル樹脂で電気導電体部分を被覆する方法が提案されてい
る(特開昭49−93870号公報)。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記高分子材料には、防湿性以外にも密着
性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等の特性
も満足することが必要とされる。防湿性を維持しなが
ら、これらの要求特性を満たすことは非常に困難であ
り、さらに改善が要求されている。
一方、本発明者らは、含フッ素ブロック共重合体をコ
ーティング剤用のポリマー溶液に添加した場合、ポリマ
ー溶液中で含フッ素重合体部分が不溶性の核を形成し、
かつフッ素を含有しない重合体部分が可溶性を示して安
定に分散することを既に明らかにした。また、このポリ
マー溶液の成膜時に、分散粒子が効率よく表面に配向し
て含フッ素重合体部分の特性、例えば撥水性、撥油性等
を表面に付与できることを明らかにした〔特開昭60−22
1410号公報、高分子学会予稿集33巻,226頁(1984)〕。
本発明の目的は、高分子材料に対し密着性、機械的強
度、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等の特性を維持しなが
ら防湿性を付与できる紫外線硬化型樹脂組成物を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、下記一般式
(I)から誘導される重合体部分よりなる構造単位と、
一般式(II)から誘導される重合体部分よりなる構造単
位とが結合して構成され、一般式(I)から誘導される
構造単位/一般式(II)から誘導される構造単位の割合
が重量比で80/20〜10/90であるフッ素含有ブロック共重
合体が溶液中に分散粒子として存在し、その分散粒子の
大きさが0.02〜5μmの範囲にある溶液よりなる防湿性
付与剤を、紫外線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜30
重量部含有するという手段を採用している。
CH2=CR1COOR2RF ……(I) (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
−C(CpH2p+1)H,−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2
O−、RFはCnF2n+1,(CF2nH,(CF2pOCmH2mClF2l+1,
(CF2pOCmH2mClF2lH, である。但し、pは1〜10,nは1〜16,mは0〜10,lは0
〜16の整数である。
CH2=CR3R4 ……(II) 〔式中、R3は水素原子,メチル基又はCH2COOH、R4はCOO
R5(式中、R5は水素原子、 −CH2CH2N(CsH2s+1直鎖状又は分枝状のCnH2n+1,直鎖状又は分枝状のCpH2pO
H, (C2H4O)rCsH2s+1, である。但し、pは1〜10,nは1〜16,rは2〜20,sは0
〜8の整数である。)、−CONR6R7(式中、R6は水素原
子又はCpH2p+1,R7は水素原子,CpH2p+1又はCH2OHであ
る。但し、pは1〜10の整数である。)、 −CONHC(CH32CH2COCH3、 −CONHC(CH32CH2SO3H、 −CN又は−OCOCnH2n+1(式中、nは1〜16の整数であ
り、直鎖状又は分枝状のいずれでもよい。) また、前記フッ素含有ブロック共重合体が、一般式
(I)から誘導される重合体部分40重量%以上及び一般
式(II)から誘導される重合体部分60重量%以下よりな
る構造単位(A)と、前記一般式(II)から誘導される
重合体部分よりなる構造単位(B)とが結合して構成さ
れ、構造単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で
80/20〜10/90であるという手段を採用することも好適で
ある。
[手段の詳細な説明] 前記一般式(I)で表される単量体は含フッ素重合体
部分を構成する単量体であって、以下のようなものが使
用できる。
CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2 CF3(CF24CH2CH2OCOC−(CH3)=CH2 CF3CH2OCOCH=CH2 (CF32CF(CF2(CH2−OCOCH=CH2 (CF32CF(CF210(CH2−OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF24CH(CH3)−OCOC(CH3)=CH2 CF3CH2OCH2CH2OCOCH=CH2 HCF2CF2OCH2CH2OCOCH=CH2 C2F5(CH2CH2O)2CH2OCO−CH=CH2 C8F17OCOC(CH3)=CH2 (CF32CFO(CH25OCOCH=CH2 CF3(CF24OCH2CH2OOCOC−(CH3)=CH2 (CF32CF(CF2(CH2−OCH2CH2OCOCH=CH2 C7F15CON(C2H5)CH2OCO−C(CH3)=CH2 C2F5CON(C2H5)CH2OCO−CH=CH2 CF3(CF22CON(CH3) CH−(CH3)CH2OCOCH=CH2 CF3(CF27CON(CH2CH2CH3)−CH2CH2OCOC(CH3)=
CH2 H(CF26C(C2H5)OCOC−(CH3)=CH2 H(CF28CH2OCOCH=CH2 H(CF24CH2OCOCH=CH2 H(CF26CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF23CFHCF2CH2O−CH=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3)−CH2CH2OCOC(CH3)=CH2 CF3(CF27SO2N(CH3)−CH2CH2OCOCH=CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH210−OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C2H5)CH2CH2−OCOC(CH3)=CH2 C8F17SO2N(CH3)(CH2−OCOCH=CH2 C2F5SO2N(C3H7)CH2CH2−OCOC(CH3)=CH2 C2F5SO2N(C2H5)C(C2H5)−HCH2OCOCH=CH2 これらの単量体は1種又は2種以上が適宜選択して使
用される。
次に、一般式(II)で表される単量体は、フッ素を含
有しない重合体部分を構成するものであって、防湿性を
付与しようとする高分子材料と適度の混和性を有するも
のである。この混和性の良否は、対象とする高分子材料
と含フッ素ブロック共重合体とを混ぜ合わせてフィルム
化した後、目視により判定することができる。即ち、フ
ィルムが透明になるか、透明でなくとも混ぜ合わせた際
に分離がなく、均一なフィルムが得られれば適度な混和
性を有すると判断される。一般式(II)で表される単量
体として具体的には、以下に示されるようなものが使用
できる。
アクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸メチル〔以
下(メタ)アクリル酸メチルと総称する。以下同様〕、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−
プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸グリシジル等の低級アルキル(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−
ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)
アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等の高級アルキル(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエ
チル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ポリエチレントキサイド、
(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド等の(メ
タ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等の低級脂肪酸ビニルエステル、酪酸ビニル、カプ
ロン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸ビニルエ
ステル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N,N
−ジメチルアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単
量体、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸、イタコン酸等があげられる。これらの単量体は、1
種又は2種以上が適宜選択して使用される。
また、フッ素を含有しない重合体部分となる上記一般
式(II)で表される単量体のうち、防湿性を向上させる
には転移温度が高く、しかも疎水性であることが好まし
く、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル等が好適である。
なお、本発明においては、高分子材料との混和性を損
なわない範囲でその他のビニル系単量体を併用すること
もできる。
次に、本発明のフッ素含有ブロック共重合体における
含フッ素重合体部分(以下重合体Aという)/フッ素を
有しない重合体部分(以下重合体Bという)の重量比率
は80/20〜10/90である。重合体A/重合体Bの重量比率が
80/20を超えると防湿性付与剤と高分子材料との混和性
が低下してしまい、効率よく分散粒子を表面に配向でき
なくなり、重合体A/重合体Bの重量比率が10/90未満で
は表面活性が低下し、分散粒子の形成能も低下するので
充分な防湿性が付与できない。
本発明においては、含フッ素ブロック共重合体に基づ
いて発現される前記特性を阻害しない限り、前記以外の
他の重合体、低分子化合物等が存在していてもよい。例
えば、含フッ素ブロック共重合体の合成時に副生する重
合体が含有されていても差し支えない。特に、含フッ素
系重合体部分の合成時に副生する含フッ素重合体が分散
粒子内に安定に吸着されることがあり、この場合にはむ
しろ表面活性を助長するという好ましい作用をする。こ
のような作用は重合を非水分散重合法で行った場合に得
られる。
次に、本発明における含フッ素ブロック共重合体の製
造は、例えばポリメリックペルオキシドを重合開始剤と
する2段階重合法が採用される。即ち、例えば下記式で
示されるポリメリックペルオキシド −〔CO(CH25CH(C2H5)−(CH210COOO〕10− を使用して、前記一般式(II)に示した単量体の1種又
は2種以上を溶液重合法で重合する。この際、ポリメリ
ックペルオキシドの活性酸素量を約50%残存させたとこ
ろで重合を停止させることにより、ペルオキシ結合を含
有する重合体を得ることができる。次いで、これを重合
開始剤として、前記一般式(I)に示した単量体の1種
又は2種以上及び前記一般式(II)に示した単量体を共
重合することによって目的とする含フッ素ブロック共重
合体を得ることができる。
このように含フッ素ブロック共重合体が分散粒子とし
て得られ、含フッ素重合体部分が核となり、フッ素を含
まない重合体部分が粒子表面に形成される。この分散粒
子の大きさは0.02〜5μmの範囲が好適である。0.02μ
m未満では高分子材料に防湿性を付与する効果が充分で
なく、5μmを超えると分散安定性が悪くなるととも
に、分散粒子が表面に均一に配向しにくくなる。
本発明の防湿性付与剤の形態は、粉末状、溶剤や反応
性希釈剤で希釈された重合体溶液であってもよい。例え
ば、紫外線硬化型重合体から形成される高分子材料の改
質剤とする場合には、粉末状又は反応性希釈剤で希釈さ
れた重合体溶液であることが好適である。
次に、防湿性を付与しようとする高分子材料として
は、特に制限はないが、含フッ素ブロック共重合体の表
面配向性という特性を有効に利用するために、重合体溶
液からコーティングによって形成されるものが好適であ
る。
また、本発明の防湿性付与剤の高分子材料への添加量
は、要求される防湿性の程度、高分子材料の種類等によ
って適宜設定されるが、高分子材料100重量部に対して
0.1〜30重量部が好ましく、0.3〜25重量部がさらに好ま
しい。この添加量が0.1重量部未満では、高分子材料に
充分な防湿性を付与することができず、30重量部を超え
ると高分子材料自体が有する諸特性を阻害する場合があ
る。
[作用] 前記手段を採用したことにより、フッ素含有ブロック
共重合体のうち、前記一般式(I)から誘導されるフッ
素を含有する重合体部分が核となり、フッ素を含有しな
い重合体部分がその表面に位置する分散粒子となるた
め、同ブロック共重合体からなる防湿性付与剤を高分子
材料に添加すると、高分子材料の表面近傍に分散粒子が
高濃度に移行して優れた防湿性を発揮するとともに、高
分子材料内部においては分散粒子の存在量が非常に少な
いため、高分子材料の有する密着性、機械的強度、耐熱
性等の諸特性が阻害されることがないので、これらの特
性も充分に発揮される。
また、前記一般式(I)から誘導される重合体部分40
重量%以上及び一般式(II)から誘導される重合体部分
60重量%以下からなる構造単位(A)と、下記一般式
(II)から誘導される構造単位(B)とからなり、構造
単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/20〜1
0/90であるフッ素含有ブロック共重合体を有する防湿性
付与剤もフッ素を含有する重合体部分とフッ素を含有し
ない重合体部分に基づいて、上記と同様の作用が奏せら
れる。
[実施例] 以下に本発明を具体化した実施例について比較例と対
比して説明する。なお、各製造例、実施例及び比較例に
おいて、部は重量部を、%は重量%を表す。
(製造例1) (イ)ペルオキシ結合含有重合体の製造 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、メ
チルエチルケトン(以下MEK)という)300部を仕込み、
窒素ガスを吹き込みながら70℃に加熱し、MEK119部、メ
タクリル酸メチル(以下MMAという)117部、メタクリル
酸イソブチル(以下IBMAという)117部、メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル(以下HEMAという)26部、 −〔CO(CH24COO(C2H4O)−CO(CH24COOO〕10
21部 からなる混合液を2時間かけて仕込み、更に4時間重合
反応を行ってペルオキシ結合含有重合体の溶液を得た。
上記3種類の単量体の重合転化率はいずれも97重量%
以上であり、溶液の性状は25℃における粘度が3.3P(ポ
イズ)の透明な溶液であった。
(ロ)フッ素含有ブロック共重合体の製造 上記(イ)のペルオキシ結合含有重合体のMEK溶液40
部を360部のアセトンで希釈し、大過剰のメタノール中
に撹拌しながら投入して、重合体の再沈を行った。沈澱
した重合体を充分に乾燥して粉末状の重合体を得た。ガ
スクロマトグラフ分析(以下GC分析という)によりモノ
マーが存しないことを確認した。この粉末状の重合体の
活性酸素量は0.12%であり、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフ(以下GPCという)で測定したポリスチレン
換算の数平均分子量は17000であった。
得られた粉末状の重合体7部、CH2=CHCOOC2H4(C
F27CF313部、MEK37部をアンプル中に仕込み、窒素置
換後封管して70℃で10時間重合を行った。各単量体の重
合転化率は98%であった。得られた重合体溶液は青白色
透明であり、MEKで0.01%まで希釈してスライドガラス
上に滴下して溶剤を除去後、走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、粒径が0.1μmの均一な粒子を形成している
ことがわかった。
得られた重合体溶液からMEKを減圧除去して充分に乾
燥後、固形分を粉砕して微粉末化した。この微粉末7部
をn−ヘキサン120部、トルエン80部からなる混合溶剤
に投入し、50℃で48時間撹拌して副生した重合体の一方
の成分であるフッ素を含有しないアクリル系重合体の抽
出を行った。次いで、残った重合体をトリクロロトリフ
ルオロエタン200部に投入し、40℃で48時間撹拌して含
フッ素単独重合体の抽出を行った。その結果、上記微粉
末7部は、ブロック共重合体/フッ素を含有しないアク
リル系重合体/含フッ素単独重合体の重量比率が4.40/
0.70/1.9から構成されていることがわかった。従って、
ブロック共重合体における含フッ素重合体部分とフッ素
を含有しない重合体部分の重量比率は約60/40であるこ
とが明らかとなった。
次に、副生単独重合体を除去したブロック共重合体を
重アセトンで希釈してNMR分析を行ったところ、含フッ
素重合体部分に由来するピークは全く認められなかっ
た。また、走査型電子顕微鏡で観察したところ、約0.08
μmの分散粒子を形成することがわかった。このことか
ら、得られたブロック共重合体はアセトン中で含フッ素
重合体部分を核とする分散粒子を形成することが示され
た。この副生単独重合体を除去して得たブロック共重合
体をMEKで希釈して20%の重合体溶液とした。
(製造例2〜11) 上記製造例1における(イ)のペルオキシ結合含有重
合体のMEK溶液と下記表−1に示す混合溶液を、温度
計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に仕込み、前
記製造例1と同様にして重合反応を行った。重合条件及
びその結果を下記表−2に示す。重合後、MEKで希釈し
て20重量%の溶液とした。
(製造例12〜14) 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、ME
K60部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃まで加
熱し、それに下記表−3に示した混合溶液を2時間かけ
て仕込み、更に75℃で5時間、80℃で5時間重合反応を
行った。
重合結果を表−4に示す。重合後、MEKで希釈して20
重量%の溶液とした。
(製造例15) 温度計、撹拌器及び還流冷却器を備えた反応器に、ME
K600部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃まで加
熱し、それにMEK375部、MMA600部、HEMA400部、 CH3(CH23CH(C2H5)−COOO−tBu 25部 からなる混合溶液を2時間かけて仕込み、更に75℃で5
時間、80℃で5時間重合反応を行い、重合体溶液を得
た。この重合体溶液中に占める割合は49.5%であり、GP
Cで測定したポリスチレン換算のMnは18500、Mw/Mnは2.2
であった。この重合体溶液をMEKで希釈して30%の溶液
を得た。
(製造例16) (イ)ペルオキシ結合含有重合体の合成 製造例12で使用したものと同じ反応装置にトルエン25
部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃に加熱し、
それにトルエン21部、スチレン30部、GMA5部、BA15部、 −〔CO(CH26CH(C2H5−COOO〕10− 4部 からなる混合液を1時間かけて仕込み、更に5時間重合
反応を行って重合体溶液を得た。各単量体の重合転化率
は94〜97%であった。また、GPCで測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量は17500、重合体溶液の活性酸素
量は0.03%であった。
(ロ)含フッ素ブロック共重合体の製造 上記(イ)で得た重合体溶液80部に CH2=C(CH3)COOC2H4−(CF25CF3 40部 トルエン60部を混合溶解後、上記(イ)で用いた反応装
置に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃で8時間重
合を行い、白色の重合体を得た。重合転化率は97%であ
った。この重合体溶液からトルエンを減圧除去し、充分
に乾燥して粉末状の重合体を得た。これをジアクリル酸
ネオペンチルグリコールで重合体の濃度が20重量%とな
るように希釈して白色の重合体溶液を得た。このブロッ
ク共重合体の含フッ素重合体部分の存在率は50%であっ
た。
(製造例17) 前記製造例1において、副生ホモポリマーを除去して
得たブロック共重合体の粉末をジアクリル酸ネオペンチ
ルグリコールで希釈してブロック共重合体20重量%の青
白色透明な重合体溶液を得た。
(製造例18) 前記製造例3と同様の条件で製造した重合体溶液から
MEKを減圧除去し、充分に乾燥して粉末状の重合体溶液
を得た。これをジアクリル酸ネオペンチルグリコールで
重量比率が20/80となるように希釈して白色透明の重合
体溶液を得た。
(製造例19) 前記製造例13と同様の条件で製造した重合体溶液から
MEKを減圧除去し、充分に乾燥して粉末状の重合体を得
た。これをジアクリル酸ネオペンチルグリコールで重量
比率が20/80となるように希釈して青白色透明の重合体
溶液を得た。
(実施例1〜3及び比較例1,2) 次に示す単量体を使用して前記製造例16〜19と同様に
重合体溶液を製造した。
エポキシアクリレート(昭和高分子株式会社製商品名
SP−1506)30部、ウレタンアクリレート(東亜合成化学
工業株式会社製商品名アロニックスM−1100)30部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート20部、エチレン
グリコールジアクリレート15部、ベンゾインイソブチル
エーテル5部からなる重合体溶液を調製し、前記製造例
16〜19で得た重合体溶液を下記表−9に示す量添加し
た。次に、この重合体溶液を5cm×10cmの大きさに切り
取ったアルミニウム板(日本テストパネル株式会社製商
品名A1100)上にアプリケータを用いて硬化後の膜厚が3
5μmとなるように塗布した。
これを、120W/cmの強度を有する高圧水銀灯の下10cm
の所をコンベアスピード5m/分にて通過させることによ
り紫外線を照射して塗膜を形成させた。得られた塗膜に
ついて、前記実施例1と同様の試験を行って吸湿の程度
及び密着性を評価した。その結果を表−5及び6に示
す。
表−5及び6に示されるように、各実施例の防湿性付
与剤を高分子材料としての紫外線硬化型樹脂に添加する
ことによって、紫外線硬化フィルムに良好な防湿性が付
与されるとともに、密着性の低下も避けられることがわ
かる。従って、各実施例の防湿性付与剤は紫外線硬化型
塗料、紫外線硬化型インキ等に有効に利用される。
[発明の効果] 本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、高分子材料に対
し密着性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性等
の特性を維持しながら防湿性を付与できるという優れた
効果を奏する。
また、前記一般式(I)から誘導される重合体部分40
重量%以上及び一般式(II)から誘導される重合体部分
60重量%以下からなる構造単位(A)と、下記一般式
(II)から誘導される構造単位(B)とからなり、構造
単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/20〜1
0/90であるフッ素含有ブロック共重合体を有する紫外線
硬化型樹脂組成物も高分子材料の諸特性を維持しながら
防湿性を付与できるという効果を奏する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)から誘導される重合体部
    分よりなる構造単位と、一般式(II)から誘導される重
    合体部分よりなる構造単位とが結合して構成され、一般
    式(I)から誘導される構造単位/一般式(II)から誘
    導される構造単位の割合が重量比で80/20〜10/90である
    フッ素含有ブロック共重合体が溶液中に分散粒子として
    存在し、その分散粒子の大きさが0.02〜5μmの範囲に
    ある溶液よりなる防湿性付与剤を、紫外線硬化型樹脂10
    0重量部に対して0.1〜30重量部含有する紫外線硬化型樹
    脂組成物。 CH2=CR1COOR2RF ……(I) 〔式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は−CpH2p−,
    −C(CpH2p+1)H,−CH2C(CpH2p+1)H−又は−CH2CH2
    O−、RFはCnF2n+1,(CF2nH,(CF2pOCmH2mClF2l+1,
    (CF2pOCmH2mClF2lH, である。 但し、pは1〜10,nは1〜16,mは0〜10,lは0〜16の整
    数である。〕 CH2=CR3R4 ……(II) 〔式中、R3は水素原子,メチル基又はCH2COOH、R4はCOO
    R5(式中、R5は水素原子, −CH2CH2N(CsH2s+12, −CH2CH=CH2,直鎖状又は分枝状のCnH2n+1,直鎖状又は
    分枝状のCpH2pOH, (C2H4O)rCsH2s+1, である。 但し、pは1〜10,nは1〜16,rは2〜20,sは0〜8の整
    数である。)、−CONR6R7(式中、R6は水素原子又はCpH
    2p+1,R7は水素原子,CpH2p+1又はCH2OHである。但し、p
    は1〜10の整数である。)、 −CONHC(CH32CH2COCH3−CN又は−OCOCnH2n+1(式中、nは1〜16の整数であ
    り、直鎖状又は分枝状のいずれでもよい。)である。〕
  2. 【請求項2】前記フッ素含有ブロック共重合体が、一般
    式(I)から誘導される重合体部分40重量%以上及び一
    般式(II)から誘導される重合体部分60重量%以下より
    なる構造単位(A)と、前記一般式(II)から誘導され
    る重合体部分よりなる構造単位(B)とが結合して構成
    され、構造単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比
    で80/20〜10/90であることを特徴とする請求項1に記載
    の紫外線硬化型樹脂組成物。
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