JP2707252B2 - 抗ウィルス剤 - Google Patents

抗ウィルス剤

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JP2707252B2 JP62192692A JP19269287A JP2707252B2 JP 2707252 B2 JP2707252 B2 JP 2707252B2 JP 62192692 A JP62192692 A JP 62192692A JP 19269287 A JP19269287 A JP 19269287A JP 2707252 B2 JP2707252 B2 JP 2707252B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗ウィルス作用を示し、医薬品として有用
なヘテロポリ酸塩を有効成分とする抗ウィルス剤、特に
抗ヘルペスウィルス剤に関するものである。 (従来の技術) これまで、実際のウィルス疾患に対して全身投与で明
らかな治療効果を示した化合物はなかったが、最近、ア
シクロビル(Acyclovir:ACV)が発見されて全身投与が
可能な抗ヘルペスウィルス化学療法剤が開発された。抗
ウィルス剤研究における隘路は、ウィルムが偏性細胞内
寄生体であり、増殖機構のほとんど全てを宿主細胞に依
存するために選択毒性の高い有効薬剤を得る事が困難で
あること、および抗ウィルススペクトルの広い薬剤を見
出せないことにあった。ヒトや動物に疾患を引き起こす
種々の病原ウィルスの中で、単純ヘルペスウィルス(He
rpes simplex virus:HSV)を含むヘルペスウィルス群の
ウィルスは、回帰感染を起こすことからワクチンの開発
には未だ多くの解決すべき問題が残されており、より優
れた抗ウィルス剤の開発が望まれてきた。また、従来HS
Vによる感染は乳幼児を除いて、その90%以上は不顕性
感染に終わると考えられていたが、近年初感染時期の高
年齢化に伴って成人初感染者による***為感染、さらに
水平または垂直感染による新生児ヘルペス感染が増加し
ていること、医療技術の発達の反面、免疫不全状態で観
察されている患者が増え、しばしば重篤なHSV感染症の
発症の危険にさらされていること、および子宮頚癌とHS
Vとの関係が明らかにされつつあること等から、HSV感染
の予防と治療法確立の必要性がさらに認識され、社会的
関心も高まってきている。このような背景の中でアシク
ロビル(Acyclovir:ACV)は比較的高い選択毒性を示
し、HSV感染症の全身療法を可能にし、治療効果を挙げ
つつあるものである。 しかしながら、ACVにも問題点がある。それは顕著な
抗HV活性が認められる反面、比較的速やかに耐性ウィル
スが出現することである。これはACVを初めとする抗HSV
活性を持つ核酸の構成塩基類似体化合物に共通した現象
のようである。ACVの場合、その作用発現はヘルペスウ
ィルスによって感染細胞に誘導されるチミジンキナーゼ
(Virus−induced thymidine Kinase:TK(V))により
リン酸化を受けてアシクロ−GMP(Acyclo−GMP)にな
り、さらに細胞のチミジンキナーゼ(Cellular thymidi
ne Kinase:TK(c))によりアシクロ−GTP(Acyclo−G
TP)に転換され、それがウィルスDNA合成酵素の活性を
顕著に抑制し、かつ合成されつつあるDNA鎖の末端に取
り込まれて終末点となり、DNA合成を停止することによ
る。 ACVはTK(c)よりTK(v)に200倍以上親和性がある
ことら非感染細胞におけるよりもHSV感染細胞において
はるかにすみやかに、かつ、多量にリン酸化されること
が高い選択毒性または特異的抗ヘルペス作用につなが
る、一方で、耐性ウィルスを誘導することになる。ま
た、TKあるいはDNAポリメラーゼに異常のあるウィルス
もACVに抵抗性を示す。今日までの基礎的および臨床知
見から、臨床分離ウィルス株の中にはTKの欠如したHSV
が存在するとの報告もあり、そのようなウィルス株には
ACVは作用しない。 金属ポリ酸イオン化合物の抗ウィルス活性に関する報
告には現在までに次にようなものがある。 (1)ポリオキソタングステート(Polyoxotungstate)
はin vitroでラビエス(Rabies)ウィルスに抗ウィルス
効果を発揮する。また、マウス乳癌ウィルス由来の逆転
写酵素活性を阻止することからヒトレトロウィルスに有
効性が期待され、実際HPA−23としてAIDSウィルスに有
効性が報告されている。 (2)アンモニウム−5−タングスト−2−O−2−ア
ンチモネート(Ammonium−5−tungsto−2−O−2−a
ntimonate)は、脳心筋炎(Encephalomyocarditis)ウ
ィルスあるは水疱性口内炎(Vesticular stomatitis)
ウィルス感染マウスに有効性が報告されている。 (3)ヘテロポリアニオン−5−タンクスト−2−アン
チモネート(Heteropolyanion−5−tungsto−2−anti
monate)および21−タングスト−9−アンチモネート
(2−tungsto−9−antimonate)等がマウス白血病ウ
ィルスまたはマウス肉種ウィルスに有効であることが報
告されている。これらは、マウスレトロウィルスの逆転
写酵素活性の阻止剤として抗ウィルス活性を発現する。 以上のように現在では抗ヘルペス感染症に対する有効
な薬剤(ACV)が開発され、実用化されており、この抗
ヘルペス剤は比較的毒性(副作用)も少ないので、ヘル
ペスウィルスの急性感染症の治療を一応可能にしたと言
える。しかしながら、上述のこどく耐性ウィルスの出
現、あるいはまたTKウィルスに対する有効性に問題が残
っており、潜伏感染ウィルスの再活性化による回帰発症
というこのウィルスの特異な感染形式からも、ヘルペス
ウィルスによる感染症の制御の最終目標は感染そのもの
の予防とウィルスの撲滅にあることは言うまでもないこ
とであるが、ワクチンの早期開発の困難な現状では、ま
ず作用機序と作用部位の異なる新しいタイプの抗ヘルペ
スウィルス作用を有する抗ウィルス剤の出現が望まれ
る。 (発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明の目的は、上述の目的にかなう性質を
持ち、核酸構成塩基関連化合物とは全く異なる新規な抗
ウィルス剤を提供することにある。また本発明の他の目
的は、強い抗ウィルス作用を有し、かつ副作用の非常に
低い抗ウィルス剤を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) これらの諸目的は、つぎの一般式(I) [XM12O40p- (I) [ただし、Xは周期律表III−VI族および遷移金属群よ
り選ばれた1種の元素のイオン、Mはモリブデン、タン
グステン、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、タンタ
ル、コバルトおよびチタンよりなる群から選ばれた1種
または3種まで混合されたイオン、Oは酸素であり、ま
たPは正の整数である。]で表わされるヘテロポリ酸イ
オンの塩を有効成分とする抗ウィルス剤により達成され
る。 本発明の抗ウィルス剤を水溶液とするときは、pH4〜
8の範囲で化学的に十分安定である。 ここで化学的に十分安定とは、ポリ酸化合物の水溶液
の室温下での経時変化が、ポリ酸イオンの電気科学的な
還元に基づく電流測定による結果、ほとんど変化しない
ことを表わしている。具体的には、0.1モルを含むpH4〜
8までの種々のpHに調整(HCl4およびHCl、その他の緩
衝溶液で調製)された本発明のポリ酸化合物の水溶液に
ついて、滴下水銀電極による微分パルスマポーラログラ
ム測定(EG&G PRA−174A+303ポーラログラフィ測定器
使用)を行った場合、ポリ酸イオンの第一還元波(最も
正の電位を示す還元波)の電流ピーク値が、測定開始後
1時間以内で2.5℃の測定温度下、70%以上保持される
ことを意味する。 (作用) 本発明による抗ウィルス剤(得に抗ヘルペスウィルス
剤)に使用されるペンタポタシウムドデカタングストボ
レート(Pentapotassium dodeca tungsto borate)およ
びヘプタポタシウムジチタネートデカタングストホスフ
ェート(Heptapottasium dititinate decatungsto phos
phate)は一般式[XM12O40P-で表わされるKeggin型ヘ
テロポリ酸イオン(ただし、Xは周期率表III−VI族お
よび遷移金属群より選ばれた1種のイオ、Mはモリブデ
ン、タングステン、アルミニウム、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、コバルトおよびチタンよりなる群から選
ばれた1種または3種まで混合されたイオン、Oは酸素
であり、またPの正の整数である)ヘテロポリ酸イオン
の塩である。 本発明で使用されるポリタングステン酸塩は、クラス
ター化合物であるヘテロポリ酸の1種であり、タングス
テン原子に酸素原子が通常4あるいは6個配置した構造
を基本単位として、これが陵または頂点を介して結合し
た構造をもつオキソ酸イオン多核錯体である。このよう
なヘテロポリ酸中のポリ酸イオンの一般的特徴として、
次のようなものがある。 (1)6〜25Åのイオンサイズであり、1,000〜10,000
の分子量を示す。 (2)多くのものは結晶として得られ、水および極性溶
媒に対する溶解度が大きい。 (3)水和分子の数が大きい。 (4)強い酸化剤である(多電子プール剤として働
く)。 ポリ酸イオンは、固体および溶液において、光酸化還
元反応を行なう性質を有し、表示機能素子への応用等、
工業的にも非常に期待をもたれつつある。一方、これら
の化合物の反応性の高さは、生理活性作用を有すること
が予想され、種々の研究の結果、ポリ酸イオン、例えば
ポリタングステン酸塩に非常に顕著な抗ウィルス効果
(特に抗ヘルペスウィルス効果)を有することを見出だ
したのである。特に、最近問題になってきた後天性免疫
不全症候群(AIDS)ウィルスを初めヒトレトロウィルス
による諸疾患に有効性が期待される。このことは、これ
らポリタングステン酸塩がウィルスの逆転写酵素活性の
阻害作用を有していることから予想されることである。 このようなポリタングステン酸塩としては、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、アンモニウム、水素、メチルアンモニウ
ム、エチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリ
メチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、ジエ
チルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソ
プロピルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ジプロ
ピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ジブチルアン
モニウム、トリブチルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウム、グアニジウム等からなる群より選ばれた陽イ
オンの塩が挙げられる。 本発明のヘテロポリ酸塩としては、例えば次のような
化合物がある。 1.[XW12O40P-:X=H,H2,B,Al,Ga(III),P(V),As
(V),Cr(III),Mn(IV),Fe(III),Co(III),Co
(II),Cu(II),Cu(I),Zn,Se(IV),Te(IV),Sb
(III),Bi(III)。 2.[XMo12O40P-:X=Si,Ge(IV),P(V),As(V),V
(V),Ti(IV),Zn(IV),In(III),H2,Mo。 3.[PVMo12-XO40(3+X)-:X=1〜3, [PVW12-XO40(3+X)-:X=1〜4, 4.[ZnW11CoO409-, [ZnW11CoO4010-, [GaW11CuO4010-, [GaW11GaO408-, [PW10Ti2O407-, [PW11TiO406- 5.[(n−C4H94N]4SiMo12O40, H4GeMo12O40,Na4GeMo12O40, [(n−C4H94N]4GeMo12O40, Na2HPMo12O40, [(n−C4H94N]4PMo12O40, [(n−C4H94N]4AsMo12O40, K5BW12O40, [(n−C4H94N]4HBW12O40, H4SiW12O40,K4SiW12O40, Ba2SiW12O40 [(CH34N]4SiW12O40, [(n−C4H94N]4SiW12O40, (NH4)SiW12O40, H4GeW12O40,K4GeW12O40, [(n−C4H94N]4GeW12O40, H3PW12O40,Na3PW12O40, Na3AsW12O40 [(n−C4H94N]4AsW12O40 本発明による抗ウィルス剤(特に抗ヘルペスウィルス
剤)は、通常、固体または液体担体、特に液体担体中で
一般式[XM12O40p-を有する前記化合物の少なくとも
1種を含んでいる。本発明による化合物は、公知の活性
物質と併用することもできる。本発明によれば、抗ウィ
ルス用の投与形態はいかなる適当なおよび/または従来
のタイプのものでもよい。前記化合物が被経口的、皮下
的、静脈的および腹腔内経路で投与される場合には、担
体は蒸留水または生理食塩水の無菌液体、特に水であ
る。一般に注射用水溶液の水担体は有効物質10mg/ml
(1.0%)を含有している。発明による化合物は、経口
投与形態でも投与でき、軟膏剤、外用点眼剤等の剤型と
しても好適である。もっと好適な経口投与形態ではタブ
レット、カプセル、粉末、懸濁液等である。これらの投
与形態では、組成物全量に対して少なくとも1.0〜3.0%
(重量)が好ましい。前記化合物の投与量は大人で通常
1日当100mg〜3000mgである。 (実施例) 次ぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明す
る。 合成例1 ガラスビーカー中の純水100mlにタングステン酸ナト
リウム100gおよびホウ酸5gを溶解後、6N−塩酸を加えて
溶液をpHを2.0にした。この酸性溶液を約5時間還流
し、冷却後濾液を再び塩酸で溶液pHを2.0にした後30分
還流し、20gの塩化カリウムを加えて冷却した。生成し
た沈澱を濾別しジエチルエーテルで2回洗條し、温水で
2回再結晶した。元素分析、熱分析およびNMRスペクト
ルにより得られた結晶は、K5BW12O40・15H2O(化合物
A)であった。 合成例2 ガラスフラスコ中にリン酸二水素ナトリウム6gおよび
タングステン酸ナトリウム30gを加え、これを100mlの純
水に溶解させる。さらに四塩化チタン1.8mlをゆっくり
と滴下させながら溶液を攪拌した。20分間溶液を還流
し、直ちに濾過し、濾液に30gの塩化カリウムを加え、
さらに生じた沈澱を濾別し、温水で2回再結晶した。元
素分析、熱分析およびNMRスペクトルは、K7PW10Ti2O40
・6H2O(化合物B)を与えた。 実施例1 ポリタングステン酸カリウム塩のベロー(Vero)細胞に
対するin vitro細胞毒性 化合物Aおよび化合物Bを5mg/mlになるように蒸留市
に溶解し、これを化合物原液とした。化合物原液を10%
の牛胎児血清を含むイーグルスMEN(Eagle′s MEM)培
地で適宜希釈し、この0.2mlを予めマイクロプレート上
に培養されかつ単層に生育したベロー(Vero)細胞上に
加え、さらに37℃で3〜5日間培養し、3日目と5日目
に低倍率の顕微鏡にて薬物による細胞変性の有無を検鏡
した。 細胞変性の程度は、次の四段階で表した。 +++:細胞がほぼ完全に死滅する。 ++:細胞の形態は保っているが、強い細胞変性が
認められる。 +:軽度ではあるが、非処理対照と比較すると明
らかに細胞形態は変化している。 +:細胞形態の変化は殆ど認められない。 実験の結果を第1表に示す。 第1表の実験結果より化合物Aおよび化合物Bの両化
合物とも、ベロー細胞に対する最大非毒性量(Meximum
nontoxic dose,MNTD)は、200μg/ml以上の濃度であっ
た。 実施例2 ポリタングステン酸カリウム塩のベロー細胞増殖に対す
る作用 培養チューブにベロー細胞を各々(7.8〜0.7)×104/
0.9ml注入し、別に調製された化合物Aおよび化合物B
の溶液(予め10%牛胎児血清を含むEagle′s MEM培地で
調製)0.1mlを加え、最終濃度100,200および500μg/ml
にし、また細胞数は(7.8〜0.7)×104/mlとした。対照
群は培養液(10%牛胎児血清を含むEagle′s MEM培地)
0.1mlを加えた。 実験は各群3本のチューブを使用し、37℃で3日間培
養し色素排除法(dye−exclusion法)により生細胞数を
調べた。 実験結果を第2表に示す。 ベロー細胞に対して化合物Aおよび化合物Bはいずれ
も100,200μg/mlの濃度で細胞増殖に全く影響を及ぼさ
ず、500μg/mlの濃度で化合物Aは36.2%、化合物Bは1
3.5%のそれぞれ細胞増殖抑制を示した。 この結果は実施例1より得られたMNTD(最大非毒性
量)、200μg/ml以上の結果とよく一致している。 実施例3 ヘルペスウィルス1型(HF株)に対する化合物Aのin v
itroにおける抗ウィルス活性 化合物Aの抗ウィルス効果は、次の二つの方法、より
検討した。 (1)CPE発現抑制 ウィルス感染により発現する細胞病変(Cytopathic e
ffect;CPE)マイクロプレート上に培養させ、単層に生
成したベロー細胞に化合物Aの各希釈液とウィルスの希
釈液をそれぞれ0.1ml添加し、5%CO2、37℃にて培養
し、CPE発現を顕微鏡にて観察した。観察は5〜6日目
で行なった。 ウィルス感染により発現するCPEの程度は、次の通り
である。 3:CPEが培養細胞の75%以上に認められる、 2:CPEが培養細胞の50%に認められる、 1:CPEが培養細胞の25%に認められる、 0.5:極めて微細なCPEが1〜2ケ認められる、 0:CPEが全く認められない、 の5段階のCPEスコアーに表わし、マイクロプレートの
4穴におけるCPEスコアーの平均値を求め、薬物非処理
対照との指を△CPEで表した。 (2)50%細胞感染価(50%tissue culture infective
dose:TCID50) 50%の細胞に感染するウィルスの感染量(TCID50)を
リードムンク(Read−Munch)法で求め、ウィルスの最
高希釈倍数の負対数(−Log)で表わし、薬物非処理対
照との差を△TCID50とした。観察終了日および経過観察
日における△CPEが1.0以下を示した化合物を有効と判断
した。 実験の結果を第3表に示す。 観察5日目における抗ウィルス効果は、化合物Aの5
〜100μg/mlでいずれも△TCID50=0.3であった。既知の
抗ウィルス剤のACVでは100μg/ml(1/10MNTD)で△TCID
50=2.5であり、化合物Aはヘルペスウィルス1型(HF
株)に対して比較的弱い抗ウィルス効果を示した。 実施例4 ヘルペスウィルス2型(169株)に対する化合物Aのin
vitro抗ウィルス活性 実験方法は、実施例3と同様に行った。実験の結果を
第4表に示す。 ヘルペスウィルス2型(169株)に対する化合物Aの
抗ウィルス効果は5日目の観察で△TCID50は、10μg/ml
が0.2,20μg/mlが0.3,50μg/mlが1.0、そして100μg/ml
が3.0であった。 一方、既知抗ウィルス剤のACVは、100μg/mlの濃度で
△TCID50=3.0であり、化合物Aの100μg/mlと同じであ
った。 このように化合物Aは、ヘルペスウィルス2型(169
株)に対してACVと同程度の強い抗ウィルス効果を示し
た。 実施例5 ヘルペスウィルス1型(HF株)に対する化合物Aのin v
itro抗ウィルス活性 実験方法は、実施例3と同様に行った。実験の結果を
第5表に示す。 6日目の観察日における化合物Aの抗ウィルス効果
は、100μg/mlでの△TCID50=1.3また200μg/mlでの△T
CID50=>2.8であった。既知の抗ウィルス剤、ATC100μ
g/mlの濃度で△TCID50=2.0であり、アデニンアラビノ
シド(Ara−A),イドクスウリジン(IDU)のそれぞれ
20μg/mlの濃度では、いずれの薬物にも抗ウィルス効果
は認められなかった。 このように、ヘルペスウィルス1型(HF株)に対する
化合物の抗ウィルス活性は強くその抑制程度はACVより
も強い抗ウィルス効果を示した。 実施例6 ヘルペスウィルス2型(169株)に対する化合物Aのin
vitro抗ウィルス活性 実験方法は、実施例3と同様に行った。実験の結果を
第6表に示す。 6日の観察日における化合物Aの抗ウィルス効果は、
100μg/mlでの△TCID50=>3.2,200μg/mlでの△TCID50
=>3.2であったが、既知の抗ウィルス剤、ACVは100μg
/mlの濃度で△TCID50=3.2であり、IDUは20μg/mlで△T
CID50=1.2またAra−Aには20μg/mlで抗ウィルス抑制
効果は認められなかった。 このように、化合物Aはヘルペスウィルス2型(169
株)に対して、ACVより強いウィルス抑制効果を示し
た。 実施例7 ヘルペスウィルス1型(KOS株)に対する化合物Aと化
合物Bの抗ウィルス活性 実験方法は、実施例3と同様に行った。実験の結果を
第7表に示す。 5日目の観察日における抗ウィルス効果は、化合物A
の100μg/mlでの△TCID50=2.5,200μg/mlでの△TCID50
=2.5、また化合物Bの抗ウィルス効果は、100μg/mlで
の△TCID50=2.5,200μg/mlでの△TCID50=2.5であっ
た。 一方、既知の抗ウィルス剤、ACVは、100μg/mlで△TC
ID50=2.5であり、IDUおよびAra−Aの30μg/mlではい
ずれも△TCID50=0.3であった。 このようにしてヘルペスウィルス1型(KOS株)に対
して化合物Aならびに化合物Bは強い抗ウィルス活性を
示し、それらの効果は既知の抗ウィルス剤ACVの抗ウィ
ルス活性と同程度であった。 実施例8 ヘルペスウィルス1型(KOS株)の一段増殖に対する化
合物Aおよび化合物Bの抗ウィルス活性 実験方法は、単層に生育した細胞に試験薬物の希釈液
を添加し、15分間、前処理をした。その後、ヘルペスウ
ィルス1型(KOS株)細胞当り0.25の感染率で感染さ
せ、24時間後の細胞内および細胞外ウィルス量をVero細
胞におけるPlaque assayで測定した。実験の結果を第8
表に示す。 化合物Aおよび化合物Bは、いずれもヘルペスウィル
ス1型(KOS株)の一段増殖において細胞内並びに細胞
外ウィルスを著しく抑制した。 すなわち、細胞内ウィルス量に関して化合物Aは50μ
g/mlで99.7%、100μg/mlで>99.9%、200μg/mlで>9
9.9%の抑制率であった。化合物Bも50μg/mlで99.8
%、100μg/mlで>99.9%、200μg/mlで>99.9%の抑制
率であった。また、Ara−Aは30μg/mlで>99.9%IDUは
30μg/mlで99.8%、ACVは100μg/mlで>99.9%の抑制率
を示した。 一方、細胞外ウィルス量に関して化合物Aの50μg/ml
で97.6%、100μg/mlで99.7%、200μg/mlで>99.9%の
抑制率を示し、化合物Bの50μg/mlは98.1%、100μg/m
lでは99.3、200μg/mlでは99.8%のそれぞれ抑制率であ
った。また、Ara−Aは30μg/mlで>99.9%,IDUは30μg
/mlで99.9%、ACVは100μg/mlの濃度で>99.9%のそれ
ぞれ抑制率を示した。 このように化合物Aおよび化合物Bはいずれもヘルペ
スウィルス1型(KOS型)の一段増殖で強いウィルス抑
制効果を示した。 急性毒性: 一般式[XM12O40p-で与えられるヘテロポリ酸イオ
ン塩の中で化合物Aおよび化合物Bに強い抗ヘルペスウ
ィルス活性が得られたが、これら化合物はICR/CD−1、
雌マウスの腹腔内に2,000mg/kg投与しても、体重減少を
初めとする毒性の発現は認められなかった。 薬効 本発明のヘテロポリ酸イオンの塩は、単純ヘルペスウ
ィルスの1型(HF株,KOS株)と2型(169株)に対して
強い抗ウィルス効果を発現しその効果は、現在抗ヘルペ
スウィルス剤としてもっと有効なACVの抗ヘルペルウィ
ルス効果と同等かまたは強い抗ウィルス効果が得られ
た。 化合物Aおよび化合物Bはベロー細胞における一段増
殖に対して、腹腔内および細胞内ウィルス量の99.9%以
上を抑制した。 (発明の効果) 以上述べたように、本発明は前記の一般式(I)[XM
12O40p-で表わされるヘテロポリ酸イオンの塩を有効
成分とする抗ウィルス剤である。多くの実施例で述べた
ごとく、これらの化合物は、単純ヘルペスウィルス1型
ならびに2型の各ウィルス株に対して強い抗ウィルス活
性を示し、それらの抗ウィルス効果は従来臨床的に使用
されているADV,Ara−A、IDU等の効果と比較して勝とも
劣らない強い抗ウィルス活性を示した。 毒性面ではin vitroにおける細胞毒性(Cyto−toxici
ty)は非常に低く、また、マウスに対しても極めて低毒
性である。しかも、これらの化合物は水に易溶性である
ため、非常に扱いやすく、かつ、製剤も安定である。 従って、これらヘテロポリ酸イオンの塩はウィルス
(特に単純ヘルペスウィルス)抑制化合物としては極め
て有用なものである。
フロントページの続き (72)発明者 福島 紘司 東京都多摩市聖ヶ丘2丁目23番地5−3 (56)参考文献 特開 昭52−94431(JP,A) 特開 昭53−92400(JP,A) 特開 昭61−165336(JP,A) 特開 昭61−227525(JP,A) 特開 昭61−63619(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一般式(I) [XM12O40P- (I) 、ただしXはボロン及びリンから成る群より選ばれた一
    種類のイオン、Mはタングステン及びタングステンとチ
    タンの混合物から成る群より選ばれた一種類のイオン、
    Oは酸素、またPは整数である、 で表わされるイオンの塩を有効成分とする抗ウィルス
    剤。
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