JP2702857B2 - 系統安定化制御方式 - Google Patents

系統安定化制御方式

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JP2702857B2 JP4257722A JP25772292A JP2702857B2 JP 2702857 B2 JP2702857 B2 JP 2702857B2 JP 4257722 A JP4257722 A JP 4257722A JP 25772292 A JP25772292 A JP 25772292A JP 2702857 B2 JP2702857 B2 JP 2702857B2
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茂生 水谷
秀治 押田
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力系統に発生した
振動発散現象が発電機間脱調に至る前に電力系統を安定
化する系統安定化制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は、例えば「平成元年電気学会全
国大会講演論文集1323の脱調予測制御システムの開
発(10−59,10−60ページ)」に記載された、
従来の振動発散による脱調現象を未然に防止する安定化
制御方式を用いた系統安定化装置のシステム構成図であ
る。図14において、1Aは脱調予測制御装置、1Bは
脱調予測制御装置1Aの制御端末装置、1Nは中央給電
指令所(中給)システム、21は電流計測用CT、22
は電圧計測用PT、31A〜31Cはデータや信号の受
け渡し用のコントロール・ケーブル、32A,32Nは
伝送路、41は遮断器(発電機分存在)、51A〜51
Eは母線、52A〜52Dは送電線、53は変圧器、6
はこの系統安定化装置の制御(電源制限)対象となる多
くの発電機6aを含む発電所、7Aは本系統、7Bはこ
の系統安定化装置の電源制限による安定化対象外の電源
系統である。
【0003】次に動作について説明する。脱調予測制御
装置1Aでは、常時一定サンプリング間隔(例えば電気
角30°)で、電源系統7Bと本系統7Aとの連系線の
一部である送電線52Aの電流データを、電流計測用C
T21で計測し、コントロール・ケーブル31Aを介し
て入力している。また、同じタイミングで系統安定化装
置設置の変電所における500KV母線51Aの電圧デ
ータを、電圧計測用PT22で計測し、コントロール・
ケーブル31Bを介して入力している。脱調予測制御装
置1A内のCPUでは、この計測した電圧、電流データ
を用いて連系線の有効電力潮流Pと無効電力潮流Qを各
サンプリングデータ毎に演算する。このPQデータに基
づいてPQ座標平面上に有効・無効電力軌跡(PQロー
カス)を描き、このPQローカスを使用して図15に示
した安定化制御方式による脱調予測検出を行う。すなわ
ち、PQローカス上に張った図15のベクトルの象限方
向が第1象限から第2象限(時刻t1,→の変化
点)に変化したことによって、脱調に至ると判断する。
そして、脱調予測検出した場合には、下記(1)式より
必要電源制限量(必要電制量)を演算し、あらかじめ中
央給電指令所システム1Nより伝送路32Nを介して入
力しておいた、制御対象の発電所6の発電情報(発電機
6aの運転状態)に基づいて、必要電源制限量を満足す
るように遮断対象発電機を選択する。
【0004】
【数1】
【0005】選択後この選択発電機の遮断器41に対し
て、トリップ信号が出力されるように、脱調予測制御装
置1Aから情報伝送路32Aを介して、制御端末装置1
Bに電源制限信号が出力される。この従来例において
は、この系統安定化装置1を数秒〜10数秒の制御がで
きるものとして説明しているが、もちろん、この装置に
は、数10秒〜数分の非常にゆっくりした、例えば動揺
発散に対する緩慢な制御に対しても対応する機能も備え
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動発散による
脱調現象を未然に防止する安定化制御方式では、以上の
ように構成されているので、PQローカス上に張った弦
ベクトルの象限方向の変化で脱調を予測検出するため、
弦ベクトルの偏角相等で90°を越えた時点で始めて脱
調を検出し、その後安定化制御(電源制限)を実施しな
ければならない。このため、安定化制御のタイミングが
遅れ、安定化に必要な電源制限量が膨大なものなる問題
点があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、早い時点で振動発散による
脱調現象を予測検出し、必要最少な電源制限量を決定、
かつ、最適なタイミングで電源制限が実施できる系統安
定化制御方式を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る系統安定
化制御方式では、図2で示すように、電力系統の所定の
計測点における電流データ及び電圧データを等価背後電
源の内部電圧に補正し、この補正値より計算される有効
電力及び無効電力をPQローカス等の有効・無効電力軌
跡として直交する平面座標に描き、この有効・無効電力
軌跡を用いて脱調を予測して防止する系統安定化制御方
式において、電力系統に発生した振動発散現象が発電機
間脱調に至る前に、上記有効・無効電力軌跡の動揺から
脱調を予測検出(θset:脱調予測検出レベル)し、
発電機等の電源制限対象機器の安定化に必要な電源制限
量を決定し、上記有効・無効電力の動揺が最適電源制限
領域に入ったことを判定し、この判定のタイミングで、
上記電源制限対象機器の中から上記電源制限量だけ電源
制限を行うことにより、脱調を防止するようにした。
【0009】また、上記有効・無効電力軌跡の動揺から
脱調を予測検出するために、あらかじめ90°より小さ
い脱調予測検出レベルを設け、上記有効・無効電力軌跡
上に張った弦ベクトル偏角が上記脱調予測検出レベルを
越えたときに脱調と判定するようにした。更に、安定化
に必要な上記電源制限量を決定するために、上記有効・
無効電力軌跡が描かれている平面座標の無効電力軸方向
の最大振れ幅に対応する、かつ、電力系統容量に適応す
る要素を算出して用いた。また、上記有効・無効電力軌
跡の動揺が電源制限領域に入ったことを判定するため
に、脱調予測検出後の上記有効・無効電力軌跡における
有効電力及び無効電力の時間に対する変化率を用いた。
【0010】
【作用】この発明による系統安定化制御方式では、電力
系統に振動発散現象が発生し、この振動発散現象が発電
機間脱調に至る前に予測して防止するようにした。この
手順は、以下のように行う。まず、発散現象が発電機脱
調に至る前に、有効・無効電力軌跡(PQローカス)の
動揺から脱調を予測し、次に発電機等の電源制限対象機
器の安定化に必要な電源制限量を判定し、判定後、この
判定のタイミングで、上記電源制限対象機器の中から上
記電源制限量だけ電源制限を行う。この電源制限によ
り、脱調が防止できる。
【0011】また、上記有効・無効電力軌跡上に張った
弦ベクトルの偏角そのものを、脱調を予測するための検
出要素とし、かつ、その検出要素の検出レベルを90°
より小さく設定したので、脱調する1つ手前もしくはそ
の前の動揺で振動発散による脱調現象が予測できる。更
に、脱調を未然防止するのに必要な電源制限量を決定
し、最適な電源制限実施領域に入ったことを判定できる
ようにしたので、必要最少な電源制限量で振動発散現象
を発電機間脱調に至る前に安定化できる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図に基づいて説
明する。図1はこの発明の一実施例(実施例1)を示す
系統安定化制御方式に基づく系統安定化システムの構成
図である。図1において、1Aは系統安定化システムの
中央装置、1B,1Cは系統安定化システムの制御端末
装置、1Nは中央給電指令所システム、21は電流計測
用CT、22は電圧計測用PT、31A〜31Bは計測
データを装置に入力するためのコントロール・ケーブ
ル、31C1,31CM及び31D1,31DNはトリ
ップ信号を遮断器に出力するためのコントロール・ケー
ブル、32A,32B,32Nは各種情報・信号をやり
とりするための伝送路、41A1〜41AM及び41B
1〜41BNは発電機の遮断器、51A〜51Fは母
線、52A〜52Eは送電線、53A,53Bは変圧
器、6A,6Bは系統安定化システムが制御対象とする
発電所、61A1〜61AMは発電所6Aに所属する複
数の発電機、61B1〜61BNは発電所6Bに所属す
る複数の発電機、7Aは本系統、7Bはこの系統安定化
システムの対象外系統である。
【0013】次にこの実施例1の動作について説明す
る。この系統安定化システムの制御対象である発電所6
A,6Bの運転発電機群(発電機61A1〜61AM,
61B1〜61BNの中で系統に並列されているもの)
が一体となって振動発散し、本系統7Aに対して加速脱
調に至る場合、本系統7Aとの送電線52Aとで計測さ
れるPQローカスは、図2のような形状となる(ただ
し、この図は3波脱調の例で、脱調中心は計測点より本
系統側にあると仮定している。また、見易くするため、
各動揺でローカスが同一座標点を通らないように描いて
あるが、実際はもっと重なったものとなる。)。この有
効電力潮流P,無効電力潮流Q演算においては、電流計
測用CT21で計測される電流データはそのまま使う
が、電圧計測用PT22で計測される電圧データは、等
価背後電源(発電所6A,6Bの運転発電機群を等価1
機にまとめたもの)の内部電圧相当に補正した値を使用
する。この系統安定化システムでは、PQローカス上一
定長の弧に張った弦ベクトルの偏角θが、図2に示すよ
うに脱調予測検出レベルθset(<90°)を越えた
ことによって、次の動揺で脱調に至ると判断する。次
に、θsetを越えた動揺のPQローカスにおいて、Q
軸方向の最大振れ幅(図2のQmax)に対応する要素
より、脱調を未然に防止するのに必要な電源制限量を決
定し、その量に見合う発電機を発電機61A1〜61A
M,61B1〜61BNの中から適当な優先順位に従っ
て選択する。その後PQローカスが第2象限内に入り、
Pの変化が減少から増加に転じた直後の領域(図2の最
適電源制限実施領域)に入ったことを判定し、直ちに選
択した電源制限発電機の遮断器に対してトリップ信号を
出力する。以上をフローチャートの形でまとめると図3
のようになる。
【0014】図3において、初めに、中央装置1Aは電
流計測用CT21で計測される電流データと電圧計測用
PT22で計測される電圧データから、常時、有効電力
潮流を演算しておき、その有効電力潮流の急変をもって
故障検出を行い、安定化システムを起動させる(ステッ
プST1)。次に、故障発生時点を時間基準とするた
め、時刻をリセット(図2の故障クリア)し、時間のカ
ウントを開始する(ステップST2)。そして、有効電
力潮流の復帰をもって故障除去検出を行う(ステップS
T3)。次に、この故障除去時点よりPQローカスの演
算を開始する(ステップST4)。ステップST4で
は、時刻がこの系統安定化システムの動作責務時間Tr
を越えているか否かを判定し(ステップST5)、動作
責務時間を越えた場合(Yes)には、装置の起動を終
了させ(ステップST11)、動作責務時間内の場合
(No)には、PQローカス上一定長の弧に張った弦ベ
クトルとその偏角θを演算する(ステップST6)。ス
テップST6では、θがあらかじめ設定しておいた脱調
予測検出レベルθsetより大きくなる状態が適当な条
件(例えば照合回数)を満足して成立したか否かを判断
することによって脱調予測検出をする判断し(ステップ
ST7)、脱調予測検出した場合(Yes;θ>θse
tが適当な条件をもって満足)には、脱調予測検出した
動揺のPQローカスにおけるQ軸方向の最大振れ幅に対
応する要素より安定化に必要な電源制限を決定して、そ
の電源制限の量に見合う発電機を発電機61A1〜61
AM,61B1〜61BNの中から適当な優先順位に従
って選択し(ステップST8)、脱調予測検出できなか
った場合(No)には、ステップST5に戻る。次に、
PQローカスの軌跡から最適電源制限実施領域に入った
か否かを判断し(ステップST9)、最適電源制限実施
領域に入った場合(Yes)には、電源制限対象発電機
のCBに対して、伝送路32A〜32B、制御端末装置
1B〜1C、コントロール・ケーブル31C1〜31C
M,31D1〜31DNの中から該当する経路を介して
トリップ信号を出力し(ステップST10)、装置の起
動を終了させる(ステップST11)。また、ステップ
ST8で最適電源制限実施領域に入らない場合(No)
には、ステップST8の処理をくり返し行う。なお、中
央装置1Aには常時適当な時間周期で発電所6A,6B
の発電機情報(運転状態、出力等や安定化対象系統の系
統容量等)が伝送路32Nを介して送られ、ステップS
T8の電源制限対象の選択はこれらの情報に基づき実施
される。
【0015】図4はこの発明の第2の実施例(実施例
2)における脱調予測検出の基本系統モデルを示す図で
ある。上記実施例1では、この発明に基づく系統安定化
システム全体の装置構成例、制御のフローチャートにつ
いて示したが、この実施例2では、PQローカスを用い
た振動発散による脱調現象の具体的な予測検出の一例に
ついて更に詳細に説明する。まず、所定の計測点におけ
る有効電力潮流P,無効電力潮流Qの演算手法を示す。
等価背後電源と本系統を図4に示すような2機系モデル
で表現すると、各点で同図に示すような電圧、電流分布
となる。従って、計測点をBとし、そこで計測される電
圧VB(ベクトル)と電流I(ベクトル)より電気的セ
ンターCの電圧VCを求めると、
【0016】
【数2】
【0017】上式(2)となる。次に、等価背後電源の
内部電圧VAと電気的中心点電圧VCの位相差αを求め
ると、
【0018】
【数3】
【0019】上式(3)となる。これにより、等価背後
電源の内部電圧に補正した有効電力Pと無効電力Qは下
記(4)式より算出できる。
【0020】
【数4】
【0021】ここで、Iとαは計測データより与えられ
る量であるが、VAについては事前の整定値として与え
ておく。次に、弦ベクトルの演算手順について説明す
る。図5に示すように一定時間間隔で(4)式より算出
されるPQ値をPQ座標平面上にプロットしていき、1
つ手前のデータと現在のデータの間でできる線分(素
弦)をつなぎ合わせることにより弧を作成する。この素
弦の長さを1nとすると、
【0022】
【数5】
【0023】上式(5)となる。弧の長さ(Σ1n)
が、あらかじめ設定しておいた一定値Lsetとなった
時点で素弦の連結をやめ、弦ベクトルDを求める。この
偏角をθとし下式(6)によってその値を算出する。
【0024】
【数6】
【0025】上式(6)において、θが不定の場合には
1つ前の計算値を保持しておく。またLsetは系統容
量によって適正値が変化するので、整定により可変とす
る。PQローカスが第1象限上にあり、かつ、(6)式
から計算されるθが下記条件を満足したとき、次の動揺
で脱調に至ると判定する。すなわち、 〔(θ>θset).AND.(F>Fset)がn1
回連続して成立〕 の条件である。ここでθsetは脱調予測検出レベルで
60°前後の値をあらかじめ整定で与えておく。またF
は、図6に示すように、
【0026】
【数7】
【0027】上式(7)となる。この(7)式で定義さ
れた曲率で、この値があらかじめ整定で与えておいた曲
率タップFset(0.9程度の値)より小さな場合に
は、安定化対象外の系統における脱調や安定動揺に対し
て不要な検出をしないように、脱調予測検出の判定をロ
ックする。n1は脱調予測検出条件成立の照合回数で、
やはり整定で事前に与えておくものとする。
【0028】図7は、この第3の実施例(実施例3)に
おける必要電源資源量決定要素の説明図である。この実
施例3においては、振動発散による脱調現象を未然防止
するのに必要な実施例1で説明した安定化制御量(電源
制限量)の具体的な決定手法の一例について説明する。
脱調を予測検出した動揺におけるPQローカスのQ軸方
向の最大振れ幅にQmaxに対応するPQローカス上の
何らかの要素を用いれば、必要電源制限量の決定が可能
となる。この要素として、Qmaxそのものを使う方法
が考えられるが、対象とする系統の系統容量が変化した
場合には、電源制限量決定用のしきい値も変化するた
め、事前の整定作業の負担が大きくなる問題がある。そ
こで、ここではより汎用性のある要素として、図7のよ
うに定義したδを用いた例を示す。まず、図7における
PQローカス中心(P0,Q0)のオンライン決定方法
を説明する。PQローカスを真円と仮定して、その中心
を(P0,Q0)、半径をRとする(図8)。このと
き、PQローカスの式は、
【0029】
【数8】
【0030】上式(8)となるので、これを展開・整理
すると、
【0031】
【数9】
【0032】上式(9)を得る。ここで、有効電力潮流
P,無効電力潮流Qはオンライン的に計算される既知
量、P0,Q0,Rが求めるべき未知量となる。従っ
て、
【0033】
【数10】
【0034】とおき、上式(10)を下式(11)に書
きなおす。
【0035】
【数11】
【0036】脱調予測検出するまでの適当な期間におけ
るPQローカスデータより、P,Qのオンラインデータ
がnc個(≧3)得られたとすると、上式(11)より
次の行列形式の方程式が導かれる(ただし、同一添字は
同時刻のデータを表す)。
【0037】
【数12】
【0038】上式(12)に最小二乗法を適用すること
によって未知ベクトルBは、
【0039】
【数13】
【0040】上式(13)で同定される。この(13)
式より得られるX,Y,Zの同定結果をX’,Y’,
Z’とすると、(10)式より、
【0041】
【数14】
【0042】のようにPQローカス中心および半径を求
めることができる。脱調予測検出するまでに、以上
(9)式から(14)式の手順を何回かくり返し、得ら
れたP0,Q0データの平均値をPQローカス中心と決
定する。次にδによる必要電源制限量決定手法について
説明する。図7の定義と上記方法によって決定されたP
Qローカス中心(P0,Q0)より、
【0043】
【数15】
【0044】上式(15)で計算される(電源制限量決
定領域においては、常にP>P0)。(15)式より、
脱調予測検出後のδを計算していき、その最大値をδm
axとすると、これはQmaxに1対1で対応する量と
なる。従って、事前のオンライン計算によって、δma
xと必要電源制限量の関係をテーブル化しておき、オン
ライン的に得られた実際のδmaxとこのテーブルとを
照合することによって、必要電源制限量のオンライン決
定が可能となる。例えば図9のように事前テーブルを与
え、実際のδmaxが、
【0045】
【数16】
【0046】上式(16)の場合には、必要電源制限量
は(C2×系統容量)と決定される。
【0047】次に、図11はこの発明の第4の実施例
(実施例4)による最適な電源制限実施領域に入ったこ
とを判定する動作を示すフローチャートである。この実
施例4では、振動発散による脱調現象を未然防止するの
に最も効果のある、安定化制御(電源制限)実施領域に
入ったことを判定する具体的な手法について示してい
る。上記の振動発散の安定化を目的とする場合、適切な
タイミングで電源制限を実施しないと、却って振動発散
を助長させることになる。この安定化に最適な電源制限
実施領域は、時間対等価背後電源の内部位相角θにおけ
る平面上では図10に示す領域となる。すなわち、脱調
予測検出後、等価背後電源が減速から加速に転じた直後
の領域である。これはPQローカス上においては、図2
に示す最適電源制限実施領域に相当する。以下、図11
を用いて、PQローカスの振舞いから、この領域に入っ
たことを判定する具体的な手順について説明する。
【0048】以下、この実施例4の系統安定化制御方式
において、PQローカスの振舞いから、最適な電源制限
実施領域に入ったことを判定する動作を図11を用いて
説明する。初めに、中央装置1Aは、脱調予測検出条件
が成立したことで、状態インデックスidsを1にセッ
トする(ステップST11)。次に、状態インデックス
idsの値がいくらあるかを判断する(ステップST1
2)。まず、状態インデックスidsの値が1の場合
は、曲率F(実施例2の(8)式で定義)がFsetよ
り大きく、かつ、PQローカス上の一定長Lsetの弧
に張った弦ベクトルの象限方向が第3象限となるか否か
を判断し(ステップST13)、これらの判断条件を満
足する場合(Yes)には、ステップST14に進み、
これらの判断条件を満足しない場合(No)は、ステッ
プST12に戻る。次に、状態インデックスidsに2
をセットする(ステップST14)。そしてPの変化率
(dP/dt)が負から正に転じたか否かを判断し(ス
テップST15)、その変化率が負から正に転じた場合
(Yes)は最適電源制限実施領域と判断し、その変化
率が負から正に転じていない場合(No)はステップS
T12に戻る。
【0049】次に、状態インデックスidsの値が2の
場合は、曲率FがFsetより大きく、かつ、PQロー
カスの一定長Lsetに張った弦ベクトルの象限方向が
第2象限となるか否かを判断し(ステップST16)、
これらの判断条件を満足する場合(Yes)は、ステッ
プST17に進み、これらの条件を満足しない場合(N
o)は、ステップST15に進む。次に、状態インデッ
クスidsに3をセットする(ステップST17)。そ
してQの変化率(dQ/dt)が正から負に転じたか否
かを判断し(ステップST18)、その変化率が正から
負に転じた場合(Yes)は、最適電源制限実施領域と
判断し、その変化率が正から負に転じていない場合はス
テップST12に戻る。このようにして、PQローカス
の振舞いから、最適な電源制限実施領域に入ったことを
判定する。ここで、ステップST15は図12に示すよ
うにPQローカスが第1象限上のみで動く場合、ステッ
プST18は図13で示すようにPQローカスが第1象
限と第2象限にまたがって動く場合に対応する最適電源
制限実施領域の判定を行っている。
【0050】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、電力
系統に発生した振動発散現象が発電機間脱調に至る前
に、上記有効・無効電力軌跡の動揺から脱調を予測検出
し、発電機等の電源制限対象機器の安定化に必要な電源
制限量を決定し、上記有効・無効電力の動揺が電源制限
領域に入ったことを判定し、この判定のタイミングで、
上記電源制限対象機器の中から上記電源制限量だけ電源
制限を行うような構成としたので、脱調する1つ手前も
しくはそれ以前の動揺で早期に振動発散による脱調現象
を予測検出できる効果がある。また、必要最小な電源制
限量で振動発散による脱調現象を未然に防止できる効果
がある。更に、安定化対象系統の系統容量の変化にも柔
軟に対応できる効果がある。また、必要な電源制限量も
最少にすることができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す系統安定化制御
方式に基づく系統安定化システムの構成図である。
【図2】この発明の第1の実施例における系統安定化制
御方式のPQローカス上での説明図である。
【図3】図1の系統安定化システムの動作を示すフロー
チャートである。
【図4】この発明の第2の実施例における脱調予測検出
の基本系統モデルを示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例における弦ベクトルの
作成方法を示す説明図である。
【図6】この発明の第2の実施例における曲率Fの定義
を示す図である。
【図7】この発明の第3の実施例における必要電源資源
量決定要素の説明図である。
【図8】この発明の第3の実施例におけるPQローカス
中心決定手法のモデルを示す図である。
【図9】この発明の第3の実施例における必要電源制限
量決定テーブルを示す図である。
【図10】図2の時間対等価背後電源の内部電圧位相角
の平面上における最適電源制限実施領域を示す図であ
る。
【図11】この発明の第4の実施例に基づく最適な安定
化制御実施領域判定手法のフローチャートである。
【図12】第1象限上のみを動くPQローカスの例を示
す図である。
【図13】第1象限と第2象限にまたがって動くPQロ
ーカスの例を示す図である。
【図14】従来の安定化制御方式を実現した系統安定化
システムの構成図である。
【図15】従来の安定化制御方式における脱調予測検出
の原理図である。
【符号の説明】
1A 中央装置 1B,1C 制御端末装置 1N 中央給電指令所(中給)システム 6,6A,6B 発電所 7A 本系統 7B 安定化システムの対象外系統 21 電流計測用CT 22 電圧計測用PT 31A,31B,31C,31C1〜31CM,31D
1〜31DN, コントロール・ケーブル 32A,32B,32N 伝送路 41,41A1〜41AM,41B1〜41BN, 遮
断器 51A〜51F 母線 52A〜52E 送電線 53,53A,53B 変圧器 61A1,61AM,61B1,61BN,6a 発電
フロントページの続き (72)発明者 小和田 靖之 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三菱電機株式会社 制御製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−110441(JP,A) 特開 昭62−110440(JP,A) 特開 平1−122326(JP,A) 特開 昭60−194729(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の所定の計測点における電流デ
    ータ及び電圧データを等価背後電源の内部電圧に補正
    し、この補正値より計算される有効電力及び無効電力を
    PQローカス等の有効・無効電力軌跡として直交する平
    面座標に描き、この有効・無効電力軌跡を用いて脱調を
    予測して防止する系統安定化制御方式において、電力系
    統に発生した振動発散現象が発電機間脱調に至る前に、
    上記有効・無効電力軌跡の動揺から脱調を予測検出し、
    発電機等の電源制限対象機器の安定化に必要な電源制限
    量を決定し、上記有効・無効電力の動揺が電源制限領域
    に入ったことを判定し、この判定のタイミングで、上記
    電源制限対象機器の中から上記電源制限量だけ電源制限
    を行うことにより、脱調を防止することを特徴とする系
    統安定化制御方式。
  2. 【請求項2】 上記有効・無効電力軌跡の動揺から脱調
    を予測検出するために、あらかじめ90°より小さい脱
    調予測検出レベルを設け、上記有効・無効電力軌跡上に
    張った弦ベクトル偏角が上記脱調予測検出レベルを越え
    たときに脱調と判定するようにしたことを特徴とする請
    求項第1項記載の系統安定化制御方式。
  3. 【請求項3】 安定化に必要な上記電源制限量を決定す
    るために、上記有効・無効電力軌跡が描かれている平面
    座標の無効電力軸方向の最大振れ幅に対応する、かつ、
    電力系統容量に適応する要素を算出して用いたことを特
    徴とする請求項第1項記載の系統安定化制御方式。
  4. 【請求項4】 上記有効・無効電力軌跡の動揺が電源制
    限領域に入ったことを判定するために、脱調予測検出後
    の上記有効・無効電力軌跡における有効電力及び無効電
    力の時間に対する変化率を用いたことを特徴とする請求
    項第1項記載の系統安定化制御方式。
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