JP2701318B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2701318B2
JP2701318B2 JP63119773A JP11977388A JP2701318B2 JP 2701318 B2 JP2701318 B2 JP 2701318B2 JP 63119773 A JP63119773 A JP 63119773A JP 11977388 A JP11977388 A JP 11977388A JP 2701318 B2 JP2701318 B2 JP 2701318B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はいわゆる現代制御理論に基づく内燃機関の燃
料噴射量制御装置に関する。
[従来の技術] 現代制御理論に基づく独立噴射方式の内燃機関の燃料
噴射量制御装置として、例えば特開昭59−196930号公報
記載のものが知られている。
この制御装置は、内燃機関に供給される燃料混合気の
空燃比が目標の空燃比になるように噴射弁からの燃料噴
射量を制御するものであって、内燃機関の回転速度と吸
入空気量とから求められる基本燃料噴射量を補正する補
正値を制御入力,空燃比センサを用いて検出される空燃
比の実測値を制御出力とし、制御入力と制御出力との間
に線形な近似が成り立つものとして同定を行なって内燃
機関の動的な振舞いを記述する物理モデルを構築し、こ
れに基づいて設計された制御則により燃料噴射量を制御
するよう構成されたものである。
この制御装置は、制御入力と制御出力との線形近似が
成り立つ運転条件の下で複数の運転領域毎に制御則を設
計し、かつ運転領域の境界点で切替制御を行なって運転
状態に応じた燃料噴射量を供給する。
また、本願出願人は、上記のように運転領域毎に制御
則を切り替えることなく(即ち一つの制御則で)内燃機
関の広範囲な運転条件の下で燃料噴射量を精度よく制御
することができる燃料噴射量制御装置を提案した(特願
昭62−189889号)。この制御装置における制御則は内燃
機関のシリンダ内に流入する燃料の挙動を表し物理モデ
ルに則って設計されており、正確に最適な燃料噴射量を
算出できる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの燃料噴射量制御装置では、以
下に掲げる点において猶一層の改善が要望された。即
ち、内燃機関の加速運転初期(加速開始から2ないし3
爆発行程期間)にシリンダの要求燃料量に見合う燃料量
が噴射されずリーンスパイクが発生して、運転者の意図
に応じた加速がなされないことがあるという点である。
このことを第6図を用いて具体的に説明する。
図示するように、4シリンダ独立噴射方式の内燃期間
では、クランク角180゜毎にシリンダ#1,#3,#4,#2
の順番で各シリンダに燃料噴射がなされ、同様の順番で
吸気・燃料が行なわれる。
燃料噴射量の計算は、吸気行程の終了時期から所定ク
ランク角手前、例えばクランク角540゜手前の時期に行
なわれるが、この540゜CAの期間は、燃料噴射量の計算
時期から計算された燃料噴射量が吸入空気と共にシリン
ダ内に流入し終るまでの時間を考慮して決定されてい
る。したがって、燃料は計算時からクランク角540゜経
過後に燃焼に供されることになる。
ところで、内燃機関が定速運転状態にあるときには、
計算された燃料噴射量は540゜CA経過後のシリンダの要
求燃料量と一致しているが、内燃機関が加速や減速の運
転状態にあるときには540゜CA経過後のシリンダの要求
燃料量とは一致しない。そこで、燃料噴射量の計算時に
は、常に540゜CA先の吸気圧力の値を予測して吸入空気
量を推定し燃料噴射量の計算を行っている。
例えば、図示のように、クランク角900゜〜1080゜の
間に加速が開始された場合を考えると、開始直後のシリ
ンダ#1の燃料噴射量の計算時期(N)に、スロットル
開度TAの変化分△TAに応じて540゜CA先の吸気圧力P
(N+3)を予測し、この値の計算時期(N)の吸気圧
力P(N)の代わりに用いる。
ところが、加速開始直後の吸気行程(図中,,
)でシリンダ#3,#4,#2内に吸入される燃料噴射量
は、定速運転状態での計算(N−3,N−2,N−1)結果で
あることから加速運転状態に応じた吸気圧力Pに基づく
ものではなく、加速時のシリンダ#3,#4,#2の要求燃
料量に満たない。この結果、リーンスパイクが発生して
しまう。
これに対し、加速初期に非同期噴射を実行して加速開
始時の燃料噴射量を増量することもなされているが、加
速開始直後のスロットル開度TAの変化から非同期噴射量
を決めているため、加速の状況とは一致しない燃料量を
非同期噴射してしまうことがあった。したがって、急加
速時には非同期噴射を行なってもまだ要求燃料量に至ら
ないといったことがあった。急加速時に備えて多量の燃
料噴射量を非同期噴射してしまうといったことも考えら
れるが、実際の加速が急加速でなく緩やかな加速であっ
た場合に次の燃料噴射工程において燃料噴射量が過多と
なってリッチスパイクが発生してしまうことから、通
常、多量の非同期噴射量を噴射することはなされない。
本発明は上記問題点を解決し、加速運転時の燃料噴射
量を好適に行なうことを目的としてなされた。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明の内燃機関の燃料噴射量制御装置は、第1図に
例示するように、 吸気管M1壁面に付着された付着燃料量fw,吸気管M1内
に蒸発された蒸発燃料量fvを状態変数として内燃機関M2
のシリンダM3内に流入する燃料の挙動を記述した物理モ
デルを構築し、該モデルに従って前記状態変数を推定す
る推定手段M4を設け、該推定された状態変数を用いて燃
料噴射量を制御する内燃機関の燃料噴射量制御装置にお
いて、 加速時の初期に、前記燃料噴射量とは別に非同期燃料
噴射量を総ての前記シリンダに噴射する非同期噴射を実
行する非同期燃料噴射手段M5と、 前記非同期噴射が吸気行程中に実行されたシリンダ
と、前記非同期噴射が前記燃料噴射から吸気行程前まで
に実行されたシリンダと、前記非同期噴射が吸気行程後
の前記燃料噴射前に実行されたシリンダとを判別し、該
判別結果および前記非同期燃料噴射量に基づき前記シリ
ンダ毎に前記状態変数を修正する状態変数修正手段M6
と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
置。
ここで、上記構成の基本となる物理モデルの一例につ
いて説明する。
まず、内燃機関M2のシリンダM3内に流入する燃料量fc
は、燃料噴射弁からの燃料噴射量qと、吸気管M1壁面へ
の付着燃料量fwと、吸気管M1内部での蒸発燃料量fvとを
用いて次式(3)のように記述することができる。
fc=α1・q+α2・fw+α3・fv …(3) 即ち上記燃料量fcは、燃料噴射弁からの噴射燃料の直
接流入量α1・qと、その噴射燃料が付着した吸気管M1
からの間接流入量α2・fwと、噴射燃料或は壁面付着燃
料の蒸発により吸気管M1内部に存在する蒸発燃料の流入
量α3・fvとの総和であると考えられることから、上式
(3)のようにシリンダM3内に流入する燃料量fcを記述
することができるのである。
上式(3)において、燃料噴射量qは燃料噴射弁の制
御量によって定まるので、吸気管M1壁面への付着燃料量
fwおよび吸気管M1内での蒸発燃料量fvを知ることができ
れば、燃料量fcを予測することができる。
そこで、次に上記付着燃料量fw及び蒸発燃料量fvにつ
いて考える。
まず、吸気管M1壁面への付着燃料量fwは、吸気行程時
のシリンダM3内への流入によって、吸気サイクル毎にそ
の一部α2が減少する他、吸気管M1内部への蒸発によっ
て減少し、吸気サイクルと同期して燃料噴射弁から噴射
される燃料噴射量qの一部α4が付着することによって
増加する。また、吸気行程毎の燃料蒸発量はα5・Vf/
ωとして表すことができる。このため吸気管M1壁面への
付着燃料量fwは次式(4)に示す如く記述できる。
fw(k+1)=(1−α2)・fw(k)+α4・q(k) −α5・Vf(k)/ω(k) …(4) (但し、k:吸気サイクル) 一方、吸気管M1内部での蒸発燃料量fvは、吸気行程時
のシリンダM3内への流入によって、吸気サイクル毎にそ
の一部α3が減少する他、燃料噴射量qの一部α6が蒸
発することによって増加し、更に上記付着燃料の燃料蒸
発によって増加する。このため吸気管M1内の蒸発燃料量
fvは次式(5)に示す如く記述できる。
fv(k+1)=(1−α3)・fv(k)+α6・q(k) +α5・Vf(k)/ω(k) …(5) 次に内燃機関M2のシリンダM3内に吸入された燃料量fc
(k)は、内燃機関M23に供給された燃料混合気の燃空
比λ(k)とシリンダM3内に流入した空気量m(k)と
から、次式(6)のように記述できる。
fc(k)=λ(k)・m(k) …(6) したがって上記各式の係数α1〜α6をシステム同定
の手法により決定すれば、次式(7)及び(8)に示す
ように、内燃機関M2の吸気サイクルをサンプリング周期
として離散系で表現された、吸気管壁面への付着燃料量
と蒸発燃料量との状態変数とする状態方程式(7)及び
出力方程式(8)を得ることができ、これによって内燃
機関での燃料挙動を表す物理モデルが定まる。
ここで、燃料噴射量は、シリンダM3毎に所定のクラン
ク角に同期して算出される同期燃料噴射量であってもよ
いし、シリンダM3をグループに分けてグループ毎に算出
されるグループ燃料噴射量であってもよい。燃料噴射量
の算出は、少なくともシリンダM3に供給される目標燃料
量m・λr(吸入空気量mと目標燃空比λrとの積)、
吸気管M1壁面から吸気行程間に蒸発される燃料の蒸発量
Vf/ωおよび推定手段M4で推定された状態変数w,v
を含んで行なう構成とすることができる。
燃料噴射量の算出に際して、内燃機関M2が加速あるい
は減速の運転状態にあるときには、算出時から算出され
た燃料噴射量が吸入空気と共にシリンダM3内に流入し終
るまでの期間を考慮して吸気行程の終わりの時期を予測
して行なう構成とすることもできる。
推定手段M4は、上記物理モデル(具体的には(7)式
の状態方程式)または該物理モデルに基づき推定された
演算式を用いて、燃料噴射が実行された後にシリンダM3
毎に状態変数w及びvを推定するものである。即
ち、付着燃料量fw及び蒸着燃料量fvは、直接検出でき
ず、またセンサによる検出結果をパラメータメータとす
る演算式等を用いて間接的に検出することもできないの
で、推定により求めるのである。前述した式(7)をそ
のまま用いて状態変数を算出する構成とすることができ
る他、最小次元オブザーバ,同一次元オブザーバ,有限
整定オブザーバ,線形関数オブサーバあるいは適応オブ
ザーバの構成とすることができる。
非同期燃料噴射手段M5は、内燃期間M2の加速運転開始
直後に非同期噴射を実行することにより、所定の非同期
燃料噴射量を噴射するものである。例えば、アイドル時
に運転状態から急加速する場合や定速運転状態から急加
速する場合などに実行する構成とすることができる。所
定の非同期燃料噴射量は、加速が急加速である場合に備
えて通常の加速より多めに噴射する構成とすることがで
き、この値は運転状態(例えばスロットル変化分△TA)
に応じて予め設定されたマップを用いて決定することが
できる。非同期噴射は総てのシリンダM3に一斉に1回行
なう構成とすることができる他、シリンダM3を分けて別
々に2回行なう構成としてもよい。2回行なう構成のと
きには吸気行程中を避けて噴射することができる。
状態変数修正手段M6は、非同期噴射が実行された後、
その非同期噴射が吸気行程中に実行されたシリンダM3
と、非同期噴射が燃料噴射から吸気行程前までに実行さ
れたシリンダM2と、非同期噴射が吸気行程後の燃料噴射
前に実行されたシリンダM3とを判別し、この判別結果お
よび非同期燃料噴射量に基づきシリンダM3毎に状態変数
を修正するものである。推定手段M4の同じ制御式を用い
て修正する構成とすることができる他、推定手段M4と同
じ物理モデルに基づいて新たに設計された制御式にした
がって修正する構成とすることもできる。
[作用] 上記構成を有する本発明の内燃期間燃料噴射量制御装
置は、 付着燃料量fw,蒸発燃料量fvを状態変数として内燃期
間M2のシリンダM3内に流入する燃料の挙動を記述した物
理モデルに則かってかつ推定手段M4により指定された状
態変数を用いて燃料噴射量を制御する。さらに、非同期
燃料噴射手段M5により内燃機関M2の加速初期に非同期噴
射を実行して、非同期噴射量を総てのシリンダM3に噴射
し、状態変数修正手段M6により、その非同期噴射が吸気
行程中に実行されたシリンダM3と、非同期噴射が燃料噴
射から吸気行程前までに実行されたシリンダM3と、非同
期噴射が吸気行程後の燃料噴射前に実行されたシリンダ
M3とを判別し、この判別結果および非同期燃料噴射量に
基づきシリンダM3毎に状態変数を修正する。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明の内燃機関の燃料噴射量制御装置の
好適な実施例について説明する。
第2図は本発明が適用された内燃機関2及びその周辺
装置の構成を表す概略構成図である。
図示するように、本実施例の内燃機関2は、シリンダ
毎に吸気ポートを備えた4シリンダ独立噴射方式のもの
であり、電子制御装置30によって制御される。
内燃機関2の吸気管4には、吸入空気を浄化するエア
クリーナ6、吸入空気量を制御するためのスロットルバ
ルブ8、スロットルバルブ8に軸支されスロットル開度
TAを検出するスロットルセンサ9、吸気の脈動を抑える
ためのサージタンク10、その内部の圧力(吸気圧力)P
を検出する吸気圧センサ12、及び吸気温度Tiを検出する
吸気温センサ14が備えられている。
一方、排気管16には、排気を浄化するための三元触媒
コンバータ18が備えられている。
また、内燃機関2には、その運転状態を検出するため
のセンサとして、前述した吸気圧センサ12及び吸気温セ
ンサ14の他、内燃機関2の回転速度ωを検出するために
ディストリビュー20内に設けられた回転速度センサ22、
同じくディストリビュータ20内に設けられ各シリンダへ
の燃料噴射タイミングtを検出するクランク角センサ2
5、及びウォータジャケットに取り付けられ、冷却水温
Tを検出する水温センサ26等が備えられている。
各種センサからの検出信号は、論理演算回路として構
成された電子制御回路30に出力される。電子制御装置30
は、主に内燃機関2の各シリンダに設けられた燃料噴射
弁32を駆動して燃料噴射量を制御する共に、イグナイタ
28からの高電圧の発生タイミング(即ち点火時期)を制
御する。
尚、ディストリビュータ20はイグナイタ28により発生
された高電圧を各シリンダの点火プラグ29に分配するた
めのものである。
電子制御回路30は、予め設定された制御プログラムに
従って燃料噴射量制御や点火時期制御のための演算処理
を実行するCPU40、CPU40で演算処理を実行するのに必要
な制御プログラム(後述する非同期噴射時実行ルーチ
ン)や初期データが予め記録されたROM42、同じくCPU40
で演算処理を実行するのに用いられるデータが一時的に
読み書きされるRAM44、各種センサからの検出信号を入
力するための入力ポート46、及びCPU40での演算結果に
応じて各シリンダの燃料噴射弁32に駆動信号を出力する
ための出力ポート48、等から構成される。
したがって、ROM42内に予め記憶された制御プログラ
ムに基づき、内燃機関2の運転状態に応じて燃料噴射量
及び点火時期を最適に制御するのである。
上記のように構成された本実施例の電子制御装置30
は、燃空比が内燃機関2の運転状態に応じて設定される
目標燃空比λrになるように、シリンダの燃料噴射弁32
に開弁時間を印加することによってシリンダ毎に最適な
燃料量を供給する。
以下、この燃料噴射制御のための制御系を第3図に示
すブロックダイヤグラムに基づき説明する。尚、第3図
は一つのシリンダに対する制御系を示す図であって、ハ
ード的な構成を示すものではなく、実際にはプログラム
の実行により各シリンダ毎に実現される。また本実施例
の制御系は、前述の(7)及び(8)式に示した物理モ
デルに基づき設計されている。
第3図に示すように、まず吸気圧センサ12で検出され
た吸気圧力P及び温水センサ26で検出された冷却水温T
が演算部P1に入力される。演算部P1では、入力された冷
却水温Tが演算式 Ps=β1・T2−β2・T+β3 …(1) (但し、β1,β2,β3:定数) を用いて吸気管4内での燃料の飽和蒸気圧Psに変換さ
れ、さらに、変換された飽和蒸気圧Psに吸気圧力Pに基
づく定数を乗ずることによって吸気管4の壁面に付着し
た燃料の蒸発量Vfが演算式(2)によって算出される。
Vf=β4・Ps …(2) (但し、β4は定数) 蒸発量Vfは除算部P2に入力されると、回転速度センサ
22で検出される回転速度ωによって除算される。除算結
果Vf/ωは係数f4乗算部P3に入力されて予め設定された
係数f4が乗算される。
一方、吸入空気量演算部P4には、スロットルセンサ9
により検出されるスロットル開度TA,吸気圧センサ12に
より検出される吸気圧力P,回転速度センサ22により検出
される回転速度ω及び吸気温センサ14により検出される
吸気温Tiが入力される。吸入空気量演算部P4は、演算式
(2.5) m={βx(ω)・P−βy(ω)}/Ti …(2.5) に基づいて回転速度ωと吸気圧力Pと吸気温度Tiとから
シリンダ内に流入する空気量mを算出する。βx
(ω),βy(ω)は回転速度ωに依存する定数であ
り、実験式もしくはマップにより定まる。空気量mの算
出に際して、スロットルバルブ8が変化してからシリン
ダ内に空気が流入されるまでには時間遅れがあることか
ら、これを補正するために加速もしくは減速時の運転状
態ではスロットルセンサ9からスロットル開度TAを検出
し予めROM42に記憶されたスロットル開度TAと吸気圧力
Pとの関係を表すマップに照らして、クランク角540゜
先の吸気圧力Pを予測して用いる。算出結果は乗算部P5
に出力される。
乗算部P5では、吸入空気量演算部P4で算出された空気
量mと予め設定された目標燃空比λr(本実施例では理
論燃空比)とが乗算され、これによってシリンダ内に流
入すべき燃料量(目標燃料量)λr・mが算出される。
乗算部P5で算出された目標燃料量λr・mは係数f3乗算
部P6に入力され、予め設定された係数f3が乗算される。
また、除算部P2の除算結果Vf/ωは状態変数推定部P7
にも出力される。状態変数推定部P7は、予め設定された
演算式(本実施例では前述の(7)式)を用いて、除算
部P2の除算結果Vf/ωと、前回算出したシリンダ毎の要
求燃料量qと、前回推定した吸気管4壁面への付着燃料
量w、吸気管4内での蒸発燃料量vおよび後述する
非同期噴射量演算部P13の出力とから、付着燃料量fwと
蒸発燃料量fvとを推定する。推定結果wおよびvに
は、係数f1乗算部P8及び係数f2乗算部P9でそれぞれ係数
f1及びf2が乗算される。
乗算部P8及びP9からの乗算結果は、他の乗算部P3、P6
での乗算結果と共に加算部P10〜P12で加算され、これに
よって燃料噴射量qが決定される。
非同期噴射量演算部P13では、スロットルセンサ9で
検出されるスロットル開度TAに変化が生じたとき、その
変化分△TAに応じた非同期噴射量qaを算出して内燃機関
2および状態変数推定手段P7に出力するものである。
以上説明したように、本実施例の制御系は、前述の
(7)及び(8)式に示した物理モデルに基づいて設計
されている。
したがって、以下に示す燃料噴射量q,状態変数w,
vの制御式が導出されるが、導出に関しては特願昭62−
189889号,特願昭62−189891号に詳しく説明してあるの
で参照下さい。
q(k)=f1・w(k)+f2・v(k)+f3・m(k)λ
r +f4・Vf(k)/ω(k) …(15) w(k+1)=P・w(k)+R・q(k)−Vf/ω
(k) …(16) v(k+1)=Q・v(k)+S・q(k)−Vf/ω
(k) …(17) ここで、kは吸気サイクルを表す。
制御式(15)は、前回燃料噴射された後に制御式(1
6),(17)にしたがって算出された状態変数w,
v、吸気圧力P,吸気温Ti,冷却水温Tから定まる吸入空
気量m及び蒸発量Vf(k)/ω(k)にしたがって次回
燃料噴射に寄与する燃料噴射量q(K)をシリンダ毎に
算出するものである。
制御式(16),(17)は、制御式(15)にしたがって
算出された燃料噴射量q(k)を基に、次回の燃料燃料
量q(k+1)を算出に用いられる付着燃料量w(k
+1)および蒸発燃料量v(k+1)を推定するもの
である。ここで、係数P,Q,R,Sは、それぞれ吸気後に付
着燃料量,蒸発燃料量がシリンダ内に留まる割合及び燃
料噴射後に付着燃料量,蒸発燃料量がシリンダ内に発生
する割合を示している。これらは実験式により同定され
る。
また、加速初期に非同期噴射がなされたときには、以
下に示すように非同期噴射量qaを考慮して状態変数は修
正される。吸気行程中に非同期噴射されたシリンダn
(ここで、nはシリンダ番号ではなく、吸気行程中にあ
るシリンダを表す)では、総ての非同期噴射量qaがシリ
ンダn内に流入せず、一部は次の吸気行程まで吸気管内
に残留することになる。非同期噴射の終了時期と吸気行
程の終了時期とから吸気管内に燃料が留まる割合つまり
残留率βを計算し、非同期噴射量qaに残留率βを乗算し
て残留燃料量 を推定する。
推定された残留燃料量 は総てシリンダnの吸気管壁面に付着するものとして、
状態変数を次式(18)にしたがって修正する。
(但し、wo,voは修正前の状態変数を表す。) 非同期噴射後に吸気行程を行なうシリンダ(n+
1),(n+2)では、非同期噴射される前の燃料噴射
量q(k−1)と非同期噴射量qaとの和を用いて制御式
(16),(17)から次回の状態変数が算出される。次式
(19)にその制御式を示す。ここで、状態変数wo−1,
vo−1は、燃料噴射量q(k−1)の計算に用いられ
た1回前の状態変数を表す。
w(k)=P・wo−1+R・(q(k−1)+qa(k))+Vf/ω(k) v(k)=Q・Vo−1+S・(q(k−1)+qa(k))+Vf/ω(k) …(19) 吸気行程後から次の燃料噴射前までの間に非同期噴射
されたシリンダ(n+3)では、加速初期に非同期噴射
をしなくても、吸気圧力の先読みによって加速に応じた
燃料噴射量qを算出できるのであるが、非同期噴射が一
斉にされた場合には次式(20)に示すように付着燃料量
woに非同期噴量qa(k)を加えた値を付着燃料量w
(k)とする。
w(k)=wo+qa(k) v(k)=vo …(20) つぎに、以上示した制御式(15),(16),(17),
(18),(19),(20)を基にして、電子制御装置30に
より実行される燃料噴射量制御について説明する。
ROM42には、予め、内燃機関2の加減速時においてス
ロットル開度TAの変化分△TAに基づき現在の吸気圧力P
(k)から540゜CA先に到達すると予測される吸気圧力P
MFWDが示されたマップが記憶されている。
第4図は非同期噴射時実行ルーチンのフローチャート
を表す。
第5図は燃料噴射,吸気行程のタイミングを表す。
尚、各シリンダは番号#1〜#4を付けて表し、添字k
は吸気サイクルを表す。
内燃機関2が定速運転状態にあるとき(クランク角0
゜〜720゜)には、制御式(15)に基づきシリンダ別に
計算時期の吸気圧力Pにしたがって燃料燃噴射量q
(k)が計算され、計算された燃料噴射量q(k)に基
づいて燃料噴射が実行される。燃料噴射が実行される
と、制御式(16),(17)にしたがって付着燃料量w
(k+1),蒸発燃料量v(k+1)がその後に算出
される。
定速運転状態から加速が開始される(720℃A〜900℃
A)と、加速開始以後の燃料噴射量q(k)の計算は、
540゜CA先の吸気圧力PMFWDをマップから読み取って行な
い、加速運転状態に適したものとする。たとえば、シリ
ンダ#1の加速開始以後の計算時期Nでは、計算時期N
の吸気圧力P(N)の代わりにクランク角1620゜の吸気
圧力PMFWDがスロットル開度TAの変化分△TAに基づいて
用いられる。
ところが、加速が開始された初期の吸気行程(図中
,,)では、加速に応じたシリンダの要求燃料量
に満たされていないので、総てのシリンダ#1〜#4に
非同期噴射が一斉に実行される。非同期噴射量qa(k)
はリーンスパイクが発生しない程度にスロットル開度TA
の変化分△TAに基づいて多めになされる。
非同期噴射がなされると、状態変数を修正する非同期
噴射時実行ルーチンが実行される。以下にに非同期噴射
時実行ルーチンについて説明する。
第4図に示すように、始めに吸気行程中に非同期噴射
が実行されたシリンダnをチェックする(ステップ110
0)。添え字nは前述したように吸気行程にあるシリン
ダの番号を示しており、同様にn+1,n+2,n+3はそれ
以後順番に吸気行程を行なうシリンダの番号を示してい
る。
つづいて、非同期噴射の終了時期、つまり燃料噴射弁
32の閉弁時期を計算して、この閉弁時期とシリンダnの
吸気行程終了時期とからシリンダn内に流入されずに吸
気管内に留まる残留率βを計算し、非同期噴射量qa
(k)の残留燃料量 を算出する(ステップ1200,1300)。
つぎに、シリンダnの状態変数修正サブルーチンに移
行して、シリンダnにおいて吸気行程前に算出された付
着燃料量wo,蒸発燃料量voの修正を行なう(ステッ
プ1400)。
即ち、制御式(18)にしたがって、付着燃料量woに
残留燃料量 を加えて付着燃料量w(k)を算出する(ステップ14
10)。算出された付着燃料量w(k)を非同期噴射後
の付着燃料量woとする(ステップ1420)。蒸発燃料量
v(k)については吸気行程前の蒸発燃料量voの値
そのままとする。シリンダnについて状態変数の修正を
し終るとメインルーチンに戻る。
つづいて、シリンダ(n+1),(n+2)について
も状態変数の修正を行なう。シリンダ(n+1)及び
(n+2)は、燃料噴射後から吸気行程前に非同期噴射
が実行されたシリンダである。シリンダ(n+1),
(n+2)の状態変数修正サブルーチンにて状態変数の
修正を行なう(ステップ1500,1600)。
この場合には、非同期噴射が実行された際の吸気行程
の付着燃料量wo,蒸発燃料量voを用いずに、1回前
の付着燃料量wo−1,蒸発燃料量vo−1を用いる。燃
料噴射量q(k−1)と非同期噴射量qa(k)との和を
噴射燃料量として、制御式(19)に基づいて付着燃料量
w(k),蒸発燃料量v(k)を算出する(ステッ
プ1610)。算出された値を非同期噴射後の付着燃料量
wo,蒸発燃料量voとする(ステップ1620)。
シリンダ(n+3)では、シリンダ(n+3)の状態
変数修正サブルーチンを実行して状態変数の修正を行な
う(ステップ1700)。このときには、吸気行程後から次
の燃料噴射前までに非同期噴射がなされているので、制
御式(20)にしたがって、非同期噴射前の付着燃料量
woに総ての非同期噴射量qa(k)を加えて付着燃料量
w(k)とする(ステップ1710)。算出された値を非同
期噴射後の付着燃料量woとする(ステップ1720)。蒸
発燃料量voは非同期噴射前のそのままの値とする。
以上示したように、加速初期に総てのシリンダ#1〜
#4に一斉に非同期噴射を実行すると、各シリンダ#1
〜#4毎に、非同期噴射が吸気行程中に実行されたか、
燃料噴射から吸気行程前までに実行されたか、吸気行程
後の燃料噴射前に実行されたかを判別し、その判別結果
に応じた状態変数修正サブルーチン(ステップ1400、15
00、1600、1700)を実行するので、シリンダ#1〜#4
別に非同期噴射後の付着燃料量w(k),蒸発燃料量
v(k)が正確に算出される。算出された付着燃料量
w(k),蒸発燃料量v(k)に基づいてつぎの燃
料噴射量q(k)が計算され、適量の燃料噴射が実行さ
れる。
したがって、本実施例の内燃機関2の燃料噴射量制御
装置によれば、急加速時に見合った多めの燃料量を非同
期噴射できるので、急加速時にリーンスパイクの発生を
防ぐことができる。この結果、運転者の意図に応じた急
加速を実現でき、ドライブフィーリングを高めることが
できる。
また、非同期噴射後の燃料噴射量qは、各シリンダ#
1〜#4毎に、非同期噴射が吸気行程中に実行された
か、燃料噴射から吸気行程前までに実行されたか、吸気
行程後の燃料噴射前に実行されたかを判別し、その判別
結果に応じて、余剰の燃料量を考慮して計算されるの
で、各シリンダ#1〜#4毎に過不足のない燃料噴射を
制度良く実行することができる。したがって、つぎの吸
気行程でオーバリッチとなることはなく過補正を防止で
きる。
さらに、総てのシリンダ#1〜#4に一斉の非同期噴
射を行っているので、非同期噴射の制御を簡単にできる
上、プログラム容量を低減できる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明の内燃機関の燃料噴射量
制御装置によれば、 急加速時に見合った多めの燃料量を非同期噴射できる
ので、急加速時にリーンスパイクの発生を防ぐことがで
きる。この結果、運転者の意図に応じた急加速を実現で
き、ドライブフィーリングを高めることができる。
また、非同期噴射後の燃料噴射量は、各シリンダ毎
に、非同期噴射が吸気行程中に実行されたか、燃料噴射
から吸気行程前までに実行されたか、吸気行程後の燃料
噴射前に実行されたかを判別し、その判別結果に応じ
て、余剰の燃料量を考慮して計算されるので、各シリン
ダ毎に過不足のない燃料噴射を精度良く実行することが
できる。したがって、つぎの吸気行程でオーバリッチと
なることはなく過補正を防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の内燃機関の燃料噴射量制御装置の構成
を例示するブロック図、第2図は実施例の内燃機関およ
び周辺装置の構成を示す構成図、第3図は内燃機関のシ
リンダ毎に設定された制御系を示すブロックダイヤグラ
ム、第4図は非同期噴射時実行ルーチンを示すフローチ
ャート、第5図は燃料噴射,吸気行程のタイミングを表
す説明図、第6図は従来の燃料噴射,吸気行程のタイミ
ングを表す説明図である。 2……内燃機関 8……スロットルセンサ 12……吸気圧センサ 30……電子制御装置 32……燃料噴射弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管壁面に付着された付着燃料量,吸気
    管内に蒸発された蒸発燃料量を状態変数として内燃機関
    のシリンダ内に流入する燃料の挙動を記述した物理モデ
    ルを構築し、該モデルに従って前記状態変数を推定する
    推定手段を設け、該推定された状態変数を用いて燃料噴
    射量を制御する内燃機関の燃料噴射量制御装置におい
    て、 加速時の初期に、前記燃料噴射量とは別に非同期燃料噴
    射量を総ての前記シリンダに噴射する非同期噴射を実行
    する非同期燃料噴射手段と、 前記非同期噴射が吸気行程中に実行されたシリンダと、
    前記非同期噴射が前記燃料噴射から吸気行程前までに実
    行されたシリンダと、前記非同期噴射が吸気行程後の前
    記燃料噴射前に実行されたシリンダとを判別し、該判別
    結果および前記非同期燃料噴射量に基づき前記シリンダ
    毎に前記状態変数を修正する状態変数修正手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
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