JP2700276B2 - リポソーム - Google Patents

リポソーム

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JP2700276B2
JP2700276B2 JP50302389A JP50302389A JP2700276B2 JP 2700276 B2 JP2700276 B2 JP 2700276B2 JP 50302389 A JP50302389 A JP 50302389A JP 50302389 A JP50302389 A JP 50302389A JP 2700276 B2 JP2700276 B2 JP 2700276B2
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oligosaccharide
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幸弘 難波
敏之 榊原
直人 奥
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、リポソームに関し、詳しくは、細網内皮系
(RES)組織による取込みを回避し、長時間にわたり高
濃度で血中に存在し得るリポソームに関する。
背景技術 リポソームは、主としてリン脂質からなる脂質膜の閉
鎖小胞であり、生体膜モデルとして物理化学的な研究に
利用されたり、その内水層や膜内に各種物質を保持させ
ることができるため、各種薬物を保持させた薬物運搬シ
ステムの1つとして盛んに研究が行われている。運搬シ
ステムとしては、例えば、ピーマン、ビー.イー.らの
報告〔アカデミック サイエンス(Acad.Sci.)308,281
(1978)〕、グレゴリアジス ジー.の報告〔リポソー
ム テクノロジー シーアールシープレス インク(Li
posome Technology CRCP ress Inc.)〕、ウェインステ
ィン ジェー.エヌの報告〔サイエンス(Science)20
4,188(1979)〕等を挙げることができる。特に毒性の
強い薬物の低毒化、体内で不安定な薬物の安定化、生体
内での薬物の徐放化等に有効であり、更には細胞と融合
したり取り込まれたりする性質を利用して、特定の細胞
に選択的に薬物を移行させるための手段として利用でき
ることも知られている。具体的な応用例としては、例え
ば、酵素(スパーオキサイドジィスムターゼ)、薬物
(特に抗腫瘍剤、アドリアマイシン)、キレート剤、ホ
ルモン剤(ステロイド系化合物)、放射性核種、インタ
ーフェロン、インターロイキン、抗原、抗体のリポソー
ム化等が知られている。また、リポソームにインシュリ
ン等の血中半減期が短い薬剤を内封して、その薬効の持
続性を高めたり、あるいは制癌剤を含ませたリポソーム
にガン表面特異抗体を結合させて、ガン細胞を選択的に
攻撃する療法(ミサイル療法)が開発されたりしてい
る。
しかし、in vivo利用の場合、生体に投与されたリポ
ソームは短時間で細網内皮系組織により捕捉されてしま
う。この捕捉は、高分子であるリポソームが異物として
認識される結果である。このような性質は、リポソーム
をRES以外の組織へ指向させたり、また血中での薬効の
持続性を高めることを目的とする場合には、大きな障害
となるものである。
このような欠点を解消するため、脂質の2重膜にシア
ル酸を含むリポソームが提案されている(アメリカ特許
第4501728号)。しかしながら、このリポソームもRESに
よる捕捉を充分に回避することはできず、血中での薬効
の持続効果も満足のゆくものではない。
発明の開示 本発明の目的は、RESによって捕捉され難く、且つ長
時間にわたり高濃度で血中に存在し得るリポソームを提
供することにある。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の記載から明らか
になる。
即ち本発明は、リポソームの脂質膜に、ウロン酸、ウ
ロン酸オリゴ糖、グルコサミンとグルクロン酸からなる
オリゴ糖、ガラクトサミンとグルクロン酸からなるオリ
ゴ糖、グルクロン酸とキシロースからなるオリゴ糖、グ
ルクロン酸とグルコースからなるオリゴ糖、グルクロン
酸とガラクトースからなるオリゴ糖、グルクロン酸とマ
ンノースからなるオリゴ糖、ガラクツロン酸とラムノー
スからなるオリゴ糖、ケトアルドン酸、2−アセトアミ
ド−2−デオキシウロン酸、2−アセトアミド−2−デ
オキシウロン酸オリゴ糖、6−O−カルボキシエチル−
β−D−グルコース、6−O−カルボキシメチル−β−
D−グルコース、6′−O−カルボキシメチル−β−D
−マルトース及び6′−O−カルボキシエチル−β−D
−マルトースよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
糖と脂質がO−グリコシド結合又はS−グルコシド結合
してなる糖脂質が含有されていることを特徴とするリポ
ソームを提供する。
本発明者の研究によれば、その脂質膜に、シアル酸以
外の特定の糖脂質を組み込んだリポソームが、RESによ
って捕捉され難く、且つ長時間にわたり高濃度で血中に
存在し得ること、並びに、このような顕著な効果を有す
るリポソームを用いれば、従来にない高い血中濃度が長
時間にわたって持続され、制ガン剤、酵素製剤、タンパ
ク、ペプチド製剤等の医薬用途に極めて有用であること
を見出し、本発明を完成した。
本発明において、リポソームの脂質2重膜に組み込ま
れる糖脂質は、下記に示す糖と脂質がO−グリコシド結
合又はS−グリコシド結合してなるものである。
糖としては、ウロン酸、ウロン酸オリゴ糖、グルコサ
ミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖、ガラクトサミン
とグルクロン酸からなるオリゴ糖、グルクロン酸とキシ
ロースからなるオリゴ糖、グルクロン酸とグルコースか
らなるオリゴ糖、グルクロン酸とガラクトースからなる
オリゴ糖、グルクロン酸とマンノースからなるオリゴ
糖、ガラクツロン酸とラムノースからなるオリゴ糖、ケ
トアルドン酸、2−アセトアミド−2−デオキシウロン
酸、2−アセトアミド−2−デオキシウロン酸オリゴ
糖、6−O−カルボキシエチル−β−D−グルコース、
6−O−カルボキシメチル−β−D−グルコース、6′
−O−カルボキシメチル−β−D−マルトース及び6′
−O−カルボキシエチル−β−D−マルトースよりなる
群から選ばれた少なくとも1種を使用できる。これらの
糖は、いずれも、糖鎖上に少なくとも1つのカルゴキシ
ル基を有する単糖又は2糖である。
ウロン酸としては、例えば、L−イズロン酸、D−ガ
ラクツロン酸、D−グルクン酸、L−グルクロン酸、D
−マンヌロン酸等を挙げることができる。
ウロン酸オリゴ糖としては、例えば、2−β−グルク
ロノシルグルクロン酸、α−1,−4′−ガラクツロノシ
ルガラクツロン酸、4−β−マンヌロノシルマンヌロン
酸、2−β−グルクロノシルグルクロン酸等を挙げるこ
とができる。
グルコサミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖として
は、例えば、ヒアロビオウロン酸、ヘパロシン等を挙げ
ることができる。
ガラクトサミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖とし
ては、例えば、コンドロシン等を挙げることができる。
グルクロン酸とキシロースからなるオリゴ糖として
は、例えば、4−β−グルクロノキシロース、3−α−
グルクロノキシロース、2−α−グルクロノキシロー
ス、2−α−4−O−メチルグルクロノキシロース、3
−α−4−O−メチルグルクロノキシロース等を挙げる
ことができる。
グルクロン酸とグルコースからなるオリゴ糖として
は、例えば、セロビオウロン酸等を挙げることができ
る。
グルクロン酸とガラクトースからなるオリゴ糖として
は、例えば、6−β−グルクロノガラクトース等を挙げ
ることができる。
グルクロン酸とマンノースからなるオリゴ糖として
は、例えば、2−β−グルクロノマンノース等を挙げる
ことができる。
ガラクツロン酸とラムノースからなるオリゴ糖として
は、例えば、2−α−ガラクツロノ−L−ラムノース等
を挙げることができる。
ケトアルドン酸としては、例えば、D−アラビノース
−ヘキスロン酸等を挙げることができる。
6−O−カルボキシエチル−β−D−グルコースは、
例えば、グルコースをベンジル化して得られる1,2,3,4
−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコースと無水コ
ハク酸とを反応させた後、脱ベンジル化することにより
製造できる。
6−O−カルボキシメチル−β−D−グルコースは、
例えば、1,2,3,4−テトラベンジル−β−D−グルコー
スを水素化ナトリウムの存在下ブロム酢酸メチルと反応
させた後、メチルエステルの加水分解及び接触還元によ
り脱ベンジル化することにより製造できる。
6′−O−カルボキシルメチル β−D−マルトース
は、例えば、マルトースのベンジル化より得られる1,2,
3,6,2′,3′,4′−ヘプタベンジルマルトースを水素化
ナトリウム存在下ブロム酢酸エチルと反応させた後、エ
チルエステル加水分解、接触還元により脱ベンジル化し
てすることにより製造できる。
上記糖の中でも、ウロン酸、ウロン酸オリゴ糖、グル
コサミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖、ガラクトサ
ミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖、グルクロン酸と
ガラクトースからなるオリゴ糖、グルクロン酸とマンノ
ースからなるオリゴ糖等が好ましく、さらにウロン酸、
ウロン酸オリゴ糖、グルコサミンとグルクロン酸からな
るオリゴ糖、ガラクトサミンとグルクロン酸からなるオ
リゴ糖、等が特に好ましい。
上記糖とO−又はS−グリコシド結合して糖脂質を形
成する脂質としては、公知のものが使用できるが、その
中でも、ジアシルグリセライド類、ジアルキルグリセラ
イド類、スフィンゴシン、セラミド、炭化水素及びコレ
ステロールから選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ジアシルグリセライド類としては、例えば、1,2−ジ
パルミトイルグリセライド、1,2−ジステアロイルグリ
セライド、1,2−ジオレオイルグリセライド等のアシル
部分が炭素数10〜40程度の飽和若しくは不飽和脂肪酸の
アシル基である1,2−ジアシルグリセライド類等を挙げ
ることができる。
ジアルキルグリセライド類としては、例えば、1,2−
O−ジヘキサデシルグリセライド、1,2−O−ジオクタ
デシルグリセライド等のアルキル部分が炭素数10〜40程
度の直鎖若しくは分枝状アルキル基である1,2−O−ジ
アルキルグリセライド類等を挙げることができる。
炭化水素としては、例えば、炭素数10〜60程度好まし
くは14〜40程度の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分
枝状の脂肪族炭化水素等を挙げることができる。上記脂
質は単独で若しくは2種以上併用して使用できる。
本発明で使用する糖脂質は、上記の糖と脂質を、ケー
ニッヒ・クノール法等の公知のグリコシド化法に供する
ことにより製造できる。
本発明では、リポソーム膜構成成分として、上記糖脂
質とともにリン脂質、コレステロール等の、糖脂質以外
の公知の脂質を使用する。リン脂質としては公知のもの
が何れも使用でき、その具体例としては、例えば、大豆
レチシン、卵黄レシチン、ジパルトイルホスファチジル
コリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレ
イルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエ
リン、ホスファチジルイノシトール等のリン脂質、水素
添加レシチン等の天然リン脂質に水素添加を行ったもの
などを挙げることができる。リポソームの融合及び内封
物の漏れ出しを更に防止するために、コレステロール及
びホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファ
チジルグリセロール、カルジオピリン等の荷電を有する
リン脂質を他のリン脂質とともに用いてもよい。上記リ
ン脂質は単独で若しくは2種以上併用して使用できる。
本発明では、必要に応じ、リポソーム膜構成成分とし
て、上記脂質の他に、炭素数10〜40程度の直鎖若しくは
分枝状の飽和若しくは不飽和の脂肪酸、前記脂肪酸のジ
グリセライド、トリグリセライド、コレステロールエス
テル等を適宜使用してもよい。
本発明リポソームは公知のリポソームの形態とするこ
とができる。その具体例としては、例えば、多重膜リポ
ソーム(MLV;multilamellar vesicle)、小さな一枚膜
リポソーム(SUV;small unilamellar vesicle)、大き
な一枚膜リポソーム(LUV;large unilamellar vesicl
e)等を挙げることができる。
本発明リポソームは公知の方法に従って製造できる。
以下にその一例を挙げる。
まずリン脂質、本発明の糖脂質、必要に応じてコレス
テロールを適当な溶媒に溶解する。次いで得られた溶液
を、例えばロータリーエバポレーターに入れて溶媒を留
去し、エバポレーター内壁面に脂質のフィルムを形成す
る。この中に内封物の水溶液若しくは緩衝溶液を加え、
激しく振とうすることにより、本発明リポソームの分散
液を得ることができる。振とう後に必要に応じて凍結融
解超音波処理を行ってもよい。また、ポリカーボネート
フィルムを用いたリポソーム粒径のサイジングを行なっ
てもよい。
リン脂質の使用量は特に制限されず、使用する内封物
の種類等に応じて適宜選択すればよい。糖脂質の使用量
も特に制限はないが、リポソームの形成し易さ等を考慮
すると、糖脂質の脂質膜中に1〜50モル%程度、好まし
くは5〜30モル%程度含まれるように配合すればよい。
内封物としては、得ようとするリポソームの用途に応じ
て、薬剤、マーカー等の公知のリポソーム用内封物から
適宜選択して使用すればよい。内封物の使用量も特に制
限されず、適宜選択すればよい。適当な溶媒としては使
用する脂質を 溶解し得るものが何れも使用でき、例えば、クロロホル
ム、メチルクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化
炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエー
テル類等を挙げることができる。溶媒を留去し脂質のフ
ィルムを形成する際の温度条件は特に制限されず、0〜
100℃程度の広い範囲から適宜選択できるが、脂質の酸
化を防ぐことを考慮すると好ましくは25〜60℃程度、よ
り好ましくは30〜40℃程度とすればよい。また、リポソ
ーム調製時のpH、塩濃度は、脂質及びリポソームの変性
が起らない範囲であれば特に制限されないが、通常pH7
程度、オスモラリティ0.3程度とすればよい。
得られたリポソーム分散液を、ゲル濾過、遠心分離等
の公知の方法に準じて精製することによって、リポソー
ムとリポソームに内封されなかった薬剤、マーカー等と
を分離することができる。分離されたリポソームにリポ
ソームの内封液と等張になるように調製した緩衝水溶液
(Tris、リン酸、HEPES、MOPS等)を加えることによ
り、上記特定の糖脂質を含有した本発明リポソームの懸
濁液が得られる。上記操作によって本発明のリポソーム
が得られることは、後記実施例において上記と同様の操
作により得られたリポソームが長時間にわたり高濃度で
血中に存在することができ、且つRESによって捕捉され
難いことが示されていることからも明らかである。
本発明リポソームの粒径は特に制限されないが、通常 0.03〜0.8μm程度、好ましくは 0.05〜0.5μm程度とするのがよい。
実施例 以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明する。
参考例1(糖脂質の合成) グルクロノラクトン〔半井化学薬品(株)製〕を触媒
量のナトリウムメチラート存在下メタノール中で反応さ
せ、メチル D−グルコピラノシル ウロネートを得
た。これを、ピリジン中無水酢酸によりアセチル化し、
メチル(2,3,4−トリ−O−アセチル−β−D−グリコ
ピラノシルウロネートとし、更にこれを臭化水素飽和酢
酸中にて臭素化し、メチル(2,3,4−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル プロマイド)ウロネー
トを合成した。これとパルミチルアルコールとを炭酸銀
の存在下25℃で反応させ、生成物をエタノールより再結
晶し、メチル(ヘキサデシル 2,3,4−トリ−O−アセ
チル−β−D−グリコピラノシル)ウロネートを収率50
%(グルクロノラクトンより)で得た。更に、これをメ
タノール中にて触媒量のソジウムメチラートで脱アセチ
ル化して乾固した。得られた残渣を50%メタノール水溶
液に懸濁し、水酸化カリウムを加えてエステル加水分解
を行なった後、希塩酸でpH3に調整し、クロロホルム/
メタノール(2/1)にて抽出し、淡黄色結晶としてヘキ
サデシル β−D−グルコピラノシルウロン酸(糖脂質
Aとする)を30%(グルクロノラクトンより)の収率で
得た。
実施例1 本実施例で得られるリポソームを、後記細網内皮系の
回避及び血中濃度試験に供するため、リポソーム膜成分
の1つとして14Cでラベルしたトリパルミチンを、また
リポソーム内封物として3H−イヌリンを用い、以下のよ
うにしてリポソームを製造した。
ナス型フラスコにジパルミトイルホスファチジルコリ
ン(DPPC)80マイクロモル、コレステロール80マイクロ
モル及び糖脂質A40マイクロモルをクロロホルム:メタ
ノール=2:1(v:v)20mlに溶解して加えさらに14C−ト
リパルミン30μciを加えた後、ロータリーエバポレータ
ーにて溶媒を留去した。フラスコ内に生成したフィルム
に、滅菌蒸留水0.79ml、3Hイヌリン200μci(0.2ml)を
加えて、ボルテックスミキサーにて、フィルムがはがれ
落ちるまで攪拌した。得られた乳濁液を液体窒素にて凍
結させた後、40℃の温水で溶解した。この操作を二回繰
り返したのち、滅菌済み3Mグルコール0.11mlを加え凍結
融解操作を2回行った。得られた乳濁液を、0.1μmの
メンブランフィルターに2回通過させた。処理液を3000
rpm、5分間遠心分離し、上層部を取り、滅菌した0.15M
NaClにて3.2mlに希釈し、50000rpm・30間遠心処理し
た。沈殿物に0.15MNaClを加えて懸濁し、2.5mlとした。
同様の操作を再度おこなったのち、本発明の糖脂質含有
リポソーム(粒径0.17μm)懸濁液3.2mlを得た。
比較例1 糖脂質Aに代えてジパルミトイルホスファチジルグリ
セロール(DPPG)40マイクロモルを使用する以外は実施
例1と同様にして、糖脂質を含有しないリポソーム懸濁
液3.2mlを得た。
実施例1(血清及び組織への14C及び3H分布率の測定) 上記実施例1及び比較例1で得られたリポソーム懸濁
液を用い、以下の操作に従って試験を行なった。
ラットの頸静脈よりリポソーム懸濁液0.5ml(1匹あ
たり)を注入した。採血は5、15、30、60分、1、2、
4、6、20時間後に大腿部静脈より行った。採血した血
液は、2000rpm、5分間遠心し血清部分30μlを取り、
組織溶解剤(ソルエン、Merk社)を1ml加え40℃、2時
間処理後、過酸化水素水及びイソプロピルアルコールを
加え、測定用試料とした。20時間後、ラットより、肝臓
を摘出し、その一部を血清と同様に処理して測定用試料
とした。
上記で調製した試料につき、液体シンチレーションカ
ウンターにより14C及び3Hの測定を行い、得られた値か
ら、各時間毎のリポソームの血中濃度(注入時の濃度を
100とする)及び22時間後の肝臓への分布率(%)を算
出した。結果を第1表及び第2表に示す。尚、各々の値
は5匹のラットより得た値の平均値である。
第1表より、実施例1のリポソーム(本発明品)は、
比較例1のリポソーム(比較品)に比べ、長時間に亘り
高い濃度で血中に存在していることがわかる。このこと
はグラフ化することにより、一層明らかとなる。即ち、
3Hイヌリンの経時的血中濃度の変化を示す第1図によれ
ば、8時間後における本発明品の血中濃度は比較品のそ
れの1.4倍、20時間後では3倍である。
第2表において、14C及び3Hの何れも、比較品に比し
て、肝臓への分布がかなり低くなっているから、本発明
品が比較品よりも細網内皮系組織(肝臓)に極めて取り
込まれ難いことがわかる。
以上の結果から、本発明リポソームが細網内皮系組織
による取込みを効率よく回避し、高い血中濃度を長時間
維持することがわかる。
図面の簡単な説明 第1図は、3Hイヌリンの血中濃度の経時的変化を示す
グラフである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リポソームの脂質膜に、ウロン酸、ウロン
    酸オリゴ糖、グルコサミンとグルクロン酸からなるオリ
    ゴ糖、ガラクトサミンとグルクロン酸からなるオリゴ
    糖、グルクロン酸とキシロースからなるオリゴ糖、グル
    クロン酸とグルコースからなるオリゴ糖、グルクロン酸
    とガラクトースからなるオリゴ糖、グルクロン酸とマン
    ノースからなるオリゴ糖、ガラクツロン酸とラムノース
    からなるオリゴ糖、ケトアルドン酸、2−アセトアミド
    −2−デオキシウロン酸、2−アセトアミド−2−デオ
    キシウロン酸オリゴ糖、6−O−カルボキシエチル−β
    −D−グルコース、6−O−カルボキシメチル−β−D
    −グルコース、6′−O−カルボキシメチル−β−D−
    マルトース及び6′−O−カルボキシエチル−β−D−
    マルトースよりなる群から選ばれた少なくとも1種の糖
    と脂質がO−グリコシド結合又はS−グリコシド結合し
    てなる糖脂質が含有されていることを特徴とするリポソ
    ーム。
  2. 【請求項2】糖が、ウロン酸、ウロン酸オリゴ糖、グル
    コサミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖、ガラクトサ
    ミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖、グルクロン酸と
    ガラクトースからなるオリゴ糖、及びグルクロン酸とマ
    ンノースからなるオリゴ糖よりなる群から選ばれた少な
    くとも1種である請求項のリポソーム。
  3. 【請求項3】糖が、ウロン酸、ウロン酸オリゴ糖、グル
    コサミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖及びガラクト
    サミンとグルクロン酸からなるオリゴ糖よりなる群から
    選ばれた少なくとも1種である請求項のリポソーム。
  4. 【請求項4】糖が、ウロン酸及び/又はウロン酸オリゴ
    糖である請求項のリポソーム。
  5. 【請求項5】糖とO−グリコシド結合又はS−グリコシ
    ド結合して糖脂質を形成する脂質が、ジアシルグリセラ
    イド類、ジアルキルグリセライド類、スフィンゴシン、
    セラミド、炭化水素及びコレステロールから選ばれた少
    なくとも1種である請求項のリポソーム。
  6. 【請求項6】糖脂質が、脂質膜中に1〜50モル%含まれ
    ている請求項のリポソーム。
  7. 【請求項7】糖脂質が、脂質膜中に5〜30モル%含まれ
    ている請求項のリポソーム。
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