JP2699247B2 - 銀塩拡散転写法による画像形成方法 - Google Patents

銀塩拡散転写法による画像形成方法

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JP2699247B2 JP34728892A JP34728892A JP2699247B2 JP 2699247 B2 JP2699247 B2 JP 2699247B2 JP 34728892 A JP34728892 A JP 34728892A JP 34728892 A JP34728892 A JP 34728892A JP 2699247 B2 JP2699247 B2 JP 2699247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀塩拡散転写法による画
像形成方法のうちでも、受像要素と感光要素を貼り合わ
せて転写反応を起こしたのち、受像要素を剥離して画像
を得る画像形成方法に関するものである。更に詳しく
は、より短時間のうちに画像を形成する方法及びそこで
使用する処理組成物並びに受像要素に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】拡散転写法は、現在、当業界では周知で
あり、その詳細については省略する。詳しくは、エイ・
ロット(A.Rott)、イー・ワイデ(E.Weyde)、”フォ
トグラフィック シルバー ハライド ディフュージョ
ン プロセシズ(PhotographicSilver Halide Diffusio
n Processes )”、フォーカル プレス社刊(FocalPre
ss 、1972) ;ジェー・スタージ(J.Sturge)、ヴィー
・ウォルワース(V.Walworth)、エー・シェップ(A.Sh
epp)、”イメージング プロセシズ アンドマテリアル
ズ: ネブレット第8版(Imaging Processes and Materi
als :Neblete's Eighth Edition )”、バン ノストラ
ンド レインホールド社刊(Van Nostrand Reinhold 19
89) 、チャプター(Chapter )6 、インスタントフォト
グラフィ アンド リレーティッド リプログラフィッ
ク プロセシズ(Instant photography and Related Re
prographic Processes);ジー・ハイスト(G.Hais
t)、”モダン フォトグラフィック プロセシング(M
odernPhotographic Processing Vol. 2)、ジョン ウ
ィリー アンド サンズ社刊 (John Wiley And Sons 19
79)、チャプター(Chapter )8 、ディフュージョント
ランスファー(Diffusion Transfer )などを参照された
い。
【0003】この拡散転写法では、多くの種類の写真材
料を作製することができる。一例として、ハロゲン化銀
乳剤が支持体上に塗布された感光要素と、銀沈澱核を含
む受像層が別の支持体上に塗布された受像要素とを重ね
合わせて、処理要素であるアルカリ性処理組成物、例え
ば、現像主薬とハロゲン化銀溶剤とを含む高粘度の、あ
るいは低粘度のアルカリ性処理組成物を、前記2つの要
素の間に展開し、転写現像処理後受像要素と処理組成物
の間で剥離することにより受像要素上に銀画像を得る、
いわゆるピールアパート方式の銀塩拡散転写写真材料が
知られている。また受像要素を剥離することなく転写画
像を観察することのできる、モノシート方式の写真材料
も知られている。さらには感光要素のみを処理組成物に
接触させた後、改めて感光要素と受像要素を重ね合わせ
て転写反応を起こし、両者を剥離して受像要素上に転写
画像を得る方式の写真材料も知られている。
【0004】これら銀塩拡散転写法においては画像をそ
の場で、即時に得るということがひとつの重要な特徴で
ある。この即時性の観点から、近年、より短時間のうち
に転写画像を得ることが重要な課題となっている。この
ためには感光要素と受像シートでの転写現像反応を促進
させることにより、より高感度で、最大濃度の高い画像
を得るという根本的な技術開発が必要となっている。さ
らにこの迅速化の技術に加えて、ピールアパート方式を
はじめとする受像要素を剥離することにより画像を得る
方式の写真材料においては、より短時間に受像要素を剥
離するということに伴う問題解決が必要となってきた。
従来より受像要素では転写現像の際に処理液が受像要素
中に浸透してゆくことによって処理液成分が受像要素内
に剥離後も残留し、保存時にステインとなって画像の低
下を引き起こすことが知られている。この問題について
はエイ・ロット(A.Rott)、イー・ワイデ(E.Weyd
e)、”フォトグラフィック シルバー ハライド デ
ィフュージョン プロセシズ(PhotographicSilver Hal
ide Diffusion Processes )”、フォーカル プレス社
刊(Focal Press 、1972) 、第68頁〜71頁に記載さ
れている。そこでは処理液成分、特にアルカリ成分が受
像要素内に浸透してゆくことが問題とされ、受像要素中
に酸を放出する機能を設ける方法などが記載されてい
る。この問題点はどちらかというと剥離時間が長い場合
にアルカリ成分が受像要素内のより深いところまで浸透
することに対しての問題であり、転写現像反応を迅速化
することにより剥離時間が短くなった場合に対しての問
題点についてはこれまであまり議論されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題のひと
つとして処理後の受像シートの表面面状が曇ったように
なってしまう問題がさらに重要な問題となってきた。ピ
ールアパート方式の銀塩拡散転写法においてはより短時
間のうちに剥離して転写画像を得ようとすると、受像シ
ート表面付近にアルカリ性の処理組成物成分が残留し易
くなる。その場合受像シートの表面で処理液成分と空気
中の炭酸ガスとが反応して炭酸塩(又は重炭酸塩)の結
晶が析出することにより、受像シート表面が曇ったよう
な状態となってしまう現象が起きやすくなる。この現象
は一般に失透と呼ばれており、受像シートを剥離するこ
とにより転写画像を得る画像形成方法における根本的な
問題として知られている。より短時間に転写画像を得よ
うとする上ではこの問題がより一層顕著な問題となって
くることがわかってきたため、これを克服することが強
く必要となってきた。
【0006】本発明の目的は、転写現像反応を遅くさせ
ることなく、より短時間において受像要素を剥離した場
合に、上記の失透の起こらない良好な転写銀画像の得ら
れる銀塩拡散転写法による画像形成方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる諸目的
は、(1)画像露光された感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
む感光要素をハロゲン化銀溶剤を含むアルカリ処理組成
物を用いて現像して、該感光性ハロゲン化銀乳剤層の未
露光ハロゲン化銀の少なくとも一部を転写性銀錯塩と
し、該転写性銀錯塩の少なくとも一部を銀沈澱核含有受
像層へ転写して、該銀沈澱核含有受像層に画像を形成さ
せ、画像形成の後に該銀沈澱核含有受像層を該感光要素
から切り離すことにより画像を得る銀塩拡散転写法によ
る画像形成法において、該アルカリ性処理組成物に少な
くともカリウム塩とリチウム塩とを添加し、該アルカリ
性処理組成物へのカリウム塩とリチウム塩との添加量の
比率がグラム当量比で1:0.001から1:0.1で
あり、リチウム塩の添加量が処理組成物1kg当たり
0.001グラム当量から0.25グラム当量であり、
かつ該銀沈澱核含有受像層が銀沈澱核を分散させたセル
ロースエステル及び/又は銀沈澱核を分散させたセルロ
ースエステルを加水分解させたセルロースからなること
を特徴とする銀塩拡散転写法による画像形成方法、(2)
(1)に記載された銀塩拡散転写法による画像形成方法に
おいて、該アルカリ性処理組成物に少なくともカリウム
塩を添加し、かつ該銀沈澱核含有受像層中にリチウム塩
を含有せしめることを特徴とする銀塩拡散転写法による
画像形成方法により達成された。
【0008】本発明者は上記の目的を達成するため、処
理液のアルカリ組成として水酸化セシウムと水酸化カリ
ウムをある範囲の比率で含有する処理組成物を用いてピ
ールアパート方式の銀塩拡散転写処理を行うと、転写現
像反応を速めつつ、失透を防止できることを見出し、特
許出願した(特願平4−41646号)。この方法の欠
点は、水酸化セシウムが高価な化合物であることにあ
り、より安価な失透防止方法を目指してさらに検討を進
めた。その結果、セルロースエステル又はセルロースエ
ステルを加水分解したセルロースからなる受像層を含む
受像要素を用いるピールアパート方式の銀塩拡散転写処
理において一定少量の水酸化リチウムの存在下で転写現
像処理を行うと転写反応を遅らせることなく失透を防止
できることを見出し、本発明をなすに到ったものであ
る。
【0009】水酸化リチウムをはじめリチウム化合物を
銀塩拡散転写処理において用いる方法は従来より幾つか
の方法が知られている。特公昭44−19751号には
水酸化リチウムを1から7重量%含有し、さらにカーボ
ンブラック及びp−アミノフェノールを含有する粘性処
理組成物を、ケイ酸マトリックスよりなる像受像層を含
む受像要素と感光要素の間に展開し、転写現像の後に剥
離すると処理組成物が受像要素に付着しないことが記載
されている。しかしながら本発明のような失透を防止す
る作用については何ら記載されておらず、さらにセルロ
ースエステル又セルロースエステルを加水分解したセル
ロースからなる受像層を含む受像要素を用いた場合に
は、実施例に示すように特公昭44−19751号の記
載とは逆に水酸化リチウムの添加量が処理組成物の1重
量%以上になると処理組成物が受像要素に付着する故障
が認められた。本発明の水酸化リチウム化合物の添加量
の好ましい範囲は後述するように処理液組成物の0.5
重量%以下であり、本発明の系と特公昭44−1975
1号の系とは全く異なった系であることは明らかであ
り、従って本発明の実施態様並びに効果については特公
昭44−19751号から容易に類推できるものではな
い。特公昭51−41811号には硝酸リチウムをリチ
ウムイオンの濃度で0.002〜0.07重量%含む拡
散転写法に有用な処理組成物を用いることにより感光要
素中のハロゲン化銀乳剤のカブリを防止する方法が記載
されている。これに対し本発明は銀塩拡散転写用の特定
の受像要素とリチウム化合物を含む処理組成物とを組み
合わせることにより、剥離したときの受像要素の表面面
状を改良するものである。従って本発明は特公昭51−
41811号とは技術内容、効果が全く異なるものであ
る。さらに特公昭51−41811号には銀塩拡散転写
処理に用いられる受像要素についての記載がほとんどな
く、本発明で用いられる銀沈澱核を分散させたセルロー
スエステル及び/又は銀沈澱核を分散させたセルロース
エステルを加水分解させたセルロースからなる銀沈澱核
含有受像層を含む受像要素については何ら具体的記載が
なく、また示唆する記載もない。従って本発明の実施態
様並びに効果については特公昭51−41811号から
容易に類推できるものではない。さらに米国特許3,5
67,443号には銀塩拡散転写法による印刷用金属版
を水酸化リチウムを13から25g/リットル含有する
処理液で処理することにより処理液の安定性を改良する
方法が記載されている。ここでも本発明の失透改良効果
については何ら記載されておらず、好ましい添加量も本
発明の実施態様よりもはるかに高濃度であることから、
本発明の実施態様を記載したものでもない。以上のよう
に本発明のリチウム化合物による失透改良効果について
は従来の知見からは容易に類推されるものではなく、本
発明の実施態様により失透改良効果が得られるというこ
とは全く驚くべきことであった。
【0010】本発明のアルカリ性処理組成物に添加され
るカリウム塩はアルカリ剤として添加するものであり、
水酸化カリウムであることが好ましいが、炭酸カリウ
ム、リン酸三カリウム、酢酸カリウム、硫酸カリウム、
塩化カリウム、マロン酸カリウムなど無機または有機の
カリウム塩であってもよい。
【0011】本発明のアルカリ性処理組成物に添加され
るリチウム塩は転写現像を遅らせない観点から水酸化セ
シウムであることが好ましいが、塩化セシウム、炭酸セ
シウム、硫酸セシウム、リン酸セシウム、酢酸セシウ
ム、クエン酸セシウム、マロン酸セシウム、フタル酸セ
シウム等無機または有機のセシウム塩であってもよい。
【0012】本発明のアルカリ性処理組成物にはカリウ
ム塩とリチウム塩以外のアルカリ金属塩が含まれていて
もよいが、転写現像を迅速に進める観点からその添加量
はカリウム塩とリチウム塩の合計量に対してグラム当量
比で10%以下であることが好ましい。
【0013】本発明のアルカリ性処理組成物に含まれる
カリウム塩とリチウム塩の添加量比は当量比で1:0.
001から1:0.1であることが好ましいが、特に
1:0.005〜1:0.05であることが好ましい。
またリチウム塩の添加量は処理組成物1kg当たり0.
001グラム当量から0.25グラム当量であることが
好ましく、特に0.001グラム当量から0.1グラム
当量であることが好ましい。
【0014】以下に本発明に用いられる感光要素、処理
組成物並びに受像要素について説明する。本発明では、
二酸化チタンまたはカーボンブラックを含むポリエチレ
ンテレフタレートフィルムの両面に下塗り層を有する支
持体の一方に感光性ハロゲン化銀乳剤層、その上に保護
層を設け、もう一方の面にはカーボンブラック層と、そ
の上に保護層を設ける感光要素が好ましく用いられる。
上記層構成のほか、二酸化チタンまたはカーボンブラッ
クを含むポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に
下塗り層を有する支持体の一方に二酸化チタンの層、そ
の上に感光性ハロゲン化銀乳剤層、さらにその上に保護
層を設け、もう一方の面にはカーボンブラック層と、そ
の上に保護層を設ける感光要素が好ましく用いられる。
また上述のカーボンブラックの代わり、または、それに
追加して有色染料を用いることができる。また、ポリエ
チレンテレフタレートにカーボンブラックおよび/また
は有色染料を含む場合は、一方の面にカーボンブラック
および/または有色染料の層を設けなくても良い。ま
た、上記二酸化チタンは他の白色顔料に置き換えても良
い。
【0015】支持体としては、上記ポリエステル化合物
の他に、ポリエチレンでラミネートされた紙、バライタ
紙および三酢酸セルロースが用いられる。上記の感光性
ハロゲン化銀乳剤層、保護層、カーボンブラック層など
には、通常、親水性バインダー、例えばゼラチンなどを
含む。
【0016】本発明における感光性ハロゲン化銀乳剤
は、ハロゲン化銀の平均沃化銀含有量10モル%以下の
沃臭化銀(純臭化銀を含む)、塩沃臭化銀(塩臭化銀を
含む)、又は塩沃化銀(塩化銀を含む)のいずれかであ
るが、特に処理液を経時保存した場合の写真性能の変動
を少なくする点で沃化銀2.0から10.0モル%の沃
臭化銀、塩沃臭化銀、又は塩沃化銀であることが好まし
い。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤はアスペクト比3
以上の平板状粒子が乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の少な
くとも50%存在する乳剤であることが好ましい。本明
細書において用いる「アスペクト比」とは粒子の厚さに
対する直径の比を示す。ここで粒子の「直径」とは、ハ
ロゲン化銀粒子を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で観察した
時、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径を示
すものとする。粒子試料の陰影のある電子顕微鏡写真か
ら、各粒子の厚さ及び直径を測定することができ、各粒
子のアスペクト比を測定することができる。
【0017】ハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子直径は4
μm以下が好ましく、さらに3μm以下が好ましく、特
に好ましいのは0.2〜2μmである。粒子の厚みは
0.3μm以下であることが好ましい。平板上粒子の平
均アスペクト比は3以上30以下であることが好まし
く、特に4以上10以下であることが好ましい。
【0018】本発明に用いる平板状ハロゲン化銀粒子は
のサイズ分布は狭くても広くてもよいが、好ましくは単
分散粒子であり、単分散の程度を表す粒子サイズ分布は
統計学上の標準偏差(s)と平均粒子サイズ(d)との
比(s/d)で0.25以下であり、好ましくは0.2
3以下である。
【0019】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は上
記平板状ハロゲン化銀粒子を含むものであるが、そのほ
かに立方体、八面体のような等軸晶系結晶形を有するハ
ロゲン化銀粒子を含んでいても良く、また球状などのよ
うな異形結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の
複合形をもつものでも良い。
【0020】ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成分布につ
いては、ハロゲン化銀のどの部分をとっても組成の等し
い所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒子内部のコ
ア(芯)とそれを取り囲むシェル(殻)(一層又は複数
層)とでハロゲン組成の異なる所謂積層型構造粒子ある
いは、粒子内部もしくは表面に非層状にハロゲン組成の
異なる部分を有する構造(粒子表面にある場合は粒子の
エッジ、コーナーあるいは面上に異組成の部分が接合し
た構造)の粒子などを適宜選択して用いることができ
る。高感度を得るには、均一型構造の粒子よりも後二者
のいずれかを用いることが有利であり、耐圧力性の面か
らも好ましい。ハロゲン化銀粒子が上記のような構造を
有する場合には、ハロゲン組成において異なる部分の境
界部は、明確な境界であっても、組成差により混晶を形
成して不明確な境界であっても良く、また積極的に連続
的な構造変化を持たせたものであっても良い。さらに潜
像がそれらのいずれにも局在していなくても良い。特に
潜像が主として表面に形成される粒子の方が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層の厚さは0.5〜8.0μm、特に
0.6〜6.0μmであり、ハロゲン化銀粒子の塗布量
は、銀量として0.1〜3g/m2、好ましくは0.2〜
1.5g/m2である。
【0021】感光性ハロゲン化銀乳剤層には、写真材料
の製造工程、保存中、あるいは写真処理中のカブリを防
止したり写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物
を含有させることができる。これらの化合物としては、
アゾール類(例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイ
ミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベ
ンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール
類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチア
ジアゾール類、アミノトリアゾール類、ニトロベンゾト
リアゾール類、ベンゾトリアゾール類)、メルカプトピ
リミジン類、メルカプトトリアジン類、チオケト化合
物、アザインデン類(例えば、トリアザインデン類、テ
トラザインデン類、ペンタアザインデン類)、ベンゼン
スルホン酸類、ベンゼンスルフィン酸類、ベンゼンスル
ホン酸アミド類、α−リポ酸などのよく知られたカブリ
防止剤や安定剤が好ましく用いられる。代表例として
は、1−フェニル−2−メルカプトテトラゾール、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン、2−メルカプトベンゾチアゾール、5−カル
ボキシブチル−1,2−ジチオランなどがある。これら
のさらに詳しい具体例およびその使用方法については、
例えば、米国特許3,982,947号、特公昭52−
28660号に記載されたものを用いることができる。
【0022】また、本発明のハロゲン化銀乳剤層には分
光増感剤を添加することができる。用いられる増感色素
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキサ
ノール色素が好ましい。特に有用な色素は、シアニン色
素、メロシアニン色素、および複合メロシアニン色素に
属する色素である。また特開昭59−114533号、
同61−163334号に記載されているように、増感
色素を複数組み合わせて用いることができる。
【0023】本発明の感光要素には、無機または有機の
硬膜剤を含ませることができる。例えば、クロム塩(ク
ロムミョウバン、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホ
ルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒ
ドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、
メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘
導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビ
ニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒ
ドロ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコ
クロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)などを単独ま
たは組み合わせて用いることができる。本発明の感光要
素のハロゲン化銀乳剤層およびその他の親水性コロイド
層には塗布助剤を用いることができる。塗布助剤とし
て、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclos
ure)第176巻、17643、26頁(1978.1
2発行)の「Coating aids」の項に記載されている化合
物や特開昭61−20035号に記載されている化合物
を用いることができる。本発明の感光要素のハロゲン化
銀乳剤層およびその他の親水性コロイド層には感度上
昇、コントラスト上昇または現像促進の目的で、例え
ば、ポリアルキレンオキシドまたはそのエーテル、エス
テル、アミンなどの誘導体、チオエーテル化合物、チオ
モルホリン類、四級アンモニウム化合物、ウレタン誘導
体、尿素誘導体、イミダゾール誘導体、3−ピラゾリド
ン類などの化合物を含んでも良い。このような化合物例
として、米国特許2,400,532号、同2,42
3,549号、同2,716,062号、同3,61
7,280号、同3,772,021号、同3,80
8,003号などに記載されている化合物を用いること
ができる。
【0024】本発明の感光要素のハロゲン化銀乳剤層お
よびその他の親水性コロイド層には寸度安定性の改良の
目的で、水不溶性または難溶性合成ポリマーの分散物を
含むことができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレ
ート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例え
ば、酢酸ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン、ス
チレンなどの単独または組み合わせ、あるいはこれらと
アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレ
ンスルホン酸などの組み合わせを単量体成分とするポリ
マーを用いることができる。
【0025】本発明の感光要素に用いるハロゲン化銀乳
剤層の上に保護層を設けることができる。その保護層は
ゼラチンなどの親水性ポリマーから成り、特開昭61−
47946号、同61−75338号に記載されている
ようなポリメチルメタアクリレートラテックスやシリカ
などのマット剤またはすべり剤を含むことができる。
【0026】本発明の感光要素には、ハロゲン化銀乳剤
層およびその他の親水性コロイド層にフィルターあるい
はイラジエーション防止などの目的で、染料や紫外線吸
収剤を含ませても良い。その他、本発明の感光要素に
は、帯電防止剤、可塑剤、空気カブリ防止剤を含ませる
ことができる。
【0027】本発明で用いられるアルカリ性処理組成物
とは、主成分として現像主薬、ハロゲン化銀溶剤および
アルカリ剤とが含まれているものである。さらに目的に
応じて、現像主薬および/またはハロゲン化銀溶剤を感
光要素中および/または受像要素中に含ませておくこと
もできる。本発明に用いられる現像主薬は、少なくとも
2つのヒドロキシル基および/またはアミノ基がベンゼ
ン核のオルトまたはパラ位に置換されているベンゼン誘
導体(例えば、ハイドロキノン、アミドール、メトー
ル、グリシン、p−アミノフェノール、ピロガロール)
およびヒドロキシルアミン類、特に第一級脂肪族N−置
換、第二級脂肪族N−置換、芳香族N−置換あるいはβ
−ヒドロキシルアミン類で、これらは水性アルカリに可
溶性であり、例えば、ヒドロキシルアミン、N−メチル
ヒドロキシルアミン、N−エチルヒドロキシルアミン、
米国特許2,857,276号に記載されているものお
よび米国特許3,293,034号に記載されているN
−アルコキシアルキル置換ヒドロキシルアミン類が包含
される。また、特開昭49−88521号に記載されて
いるテトラヒドロフルフリル基をもつヒドロキシルアミ
ン誘導体も用いられる。また、***特許出願(OLS)
2,009,054号、同2,009,055号、同
2,009,078号に記載されているアミノレダクト
ン類や、米国特許4,128,425号に記載されてい
る複素環アミノレダクトン類も用いられる。また、米国
特許3,615,440号に記載されているテトラアル
キルレダクチン酸も用いることができる。これら現像主
薬の添加量はアルカリ性処理組成物100g当たり0.
5×10-2モルから5×10-2モル含有させることが好
ましい。上記の現像主薬とともに、補助現像薬として、
フェニドン類、p−アミノフェノール類およびアスコル
ビン酸を併用することができ、フェニドン類を併用する
ことが好ましい。これら補助現像主薬の添加量はアルカ
リ性処理組成物100g当たり0.1×10-3モルから
5×10-3モルであることが好ましい。
【0028】本発明に用いられる定着剤(ハロゲン化銀
溶剤)には、通常の定着剤(例えば、ウラシル及びその
誘導体、ナトリウムチオサルフェート、ナトリウムチオ
シアネート、アンモニウムチオサルフェート及び上述の
米国特許2,543,181号に記載されているも
の)、特願平3−99107号等に記載のチオエーテル
化合物及び環式イミドと窒素塩基とが組み合わされたも
の及び米国特許2,857,274号に記載されている
ような組合せが用いられる。また1,1−ビススルホニ
ルアルカン及びその誘導体も知られており、本発明のハ
ロゲン化銀溶剤として用いることができる。これらハロ
ゲン化銀溶剤の添加量はアルカリ性処理組成物100g
当たり1×10-4から5×10-1モル含有させることが
好ましく、特に1×10-3から2×10-2モル含有させ
ることが好ましい。
【0029】重ね合わされた感光要素と受像要素との間
に薄い層として本発明のアルカリ性処理組成物を展開さ
せるために、本発明のアルカリ性処理組成物は重合体フ
ィルム形成剤、濃厚化剤あるいは増粘剤を含んでいると
好ましい。ヒドロキシエチルセルロースおよびナトリウ
ムカルボキシメチルセルロースはこの目的のために特に
有用であり、拡散転写写真法の公知の技術により、適当
な粘度を与えるのに効果的な濃度で処理組成物の中に含
有させる。処理組成物はさらに、銀塩拡散転写法におい
て公知の別の助剤、例えば、カブリ防止剤、色調剤(To
ning agents)、安定剤などを含有させても良い。これ
ら助剤としては、例えば特開平2−146542号等に
記載の化合物を使用することができる。
【0030】本発明のアルカリ性処理組成物には、展開
処理時異なる温度で処理された場合の写真性の変動を小
さくする目的および転写画像が金属光沢状となる銀鏡を
防止する目的でメルカプトイミダゾール化合物を添加す
ることが好ましい。
【0031】本発明のアルカリ性処理組成物には沃化物
イオンを添加することが、処理組成物を保存した場合の
写真性能の変動の影響を少なくする観点から好ましい。
沃化物イオンの添加量は処理組成物100g当たり、1
×10-5モルから1×10-3モルであることが好まし
く、とくに5×10-5モルから5×10-4モルであるこ
とが好ましい。沃化物イオンは通常アルカリ金属塩又は
アルカリ土類金属塩の形で添加することが好ましい。
【0032】本発明における受像要素は、銀沈澱核を含
有する受像層を担持する支持体、例えば、バライタ紙、
三酢酸セルロースあるいはポリエステル化合物上に塗布
される。このような受像要素は、好ましくは、銀沈澱核
を分散させた適当なセルロースエステル、例えば二酢酸
セルロースの被覆用溶液で、必要により、下塗りした支
持体を被覆することにより作ることができる。得られた
セルロースエステルの層をアルカリ加水分解させて、セ
ルロースエステルの深度方向の少なくとも一部分をセル
ロースに変える。本発明において受像要素にリチウム塩
を含有せしめる方法としてはアルカリ加水分解させる際
のアルカリ溶液として水酸化リチウム溶液または水酸化
リチウムと水酸化ナトリウムの混合溶液、水酸化リチウ
ムと水酸化カリウムの混合溶液を用いることが好まし
い。これらのアルカリ剤はメターノールもしくはエタノ
ールに溶解させることが好ましく、アルカリ剤の添加量
はアルカリ溶液1リットル当たり0.1モルから3モル
であることが好ましく、特に0.5モル〜2モルである
ことが好ましい。また該アルカリ溶液にはグリセリンを
添加することが好ましい。特に有用な具体例において、
銀沈澱核層および/あるいは下にある加水分解を受けな
かった下層のセルロースエステル、例えば二酢酸セルロ
ースを含有するセルロースエステル層の加水分解を受け
なかった部分は、銀転写像の色調、安定性あるいは他の
写真性能を改良するのに適している1種あるいはそれ以
上のメルカプト化合物を含んでいる。このようなメルカ
プト化合物はインビビジョン中に、これが最初に置かれ
た位置から拡散して利用される。この型の受像要素は米
国特許3,711,283号に記載されている。
【0033】該メルカプト化合物として特開昭49−1
20634号、特公昭56−44418号、英国特許
1,276,961号、特公昭56−21140号、特
開昭59−231537号、特開昭60−122939
号に記載されている化合物が好ましい。
【0034】銀沈澱核の具体例としては重金属、例えば
鉄、鉛、亜鉛、ニッケル、カドミウム、錫、クロム、
銅、コバルト、又は貴金属、例えば金、銀(微小コロイ
ド銀を含む)、白金、パラジウムなどがある。また重金
属、及び貴金属の硫化物塩、同セレン化物塩、たとえ
ば、銅、アルミニウム、亜鉛、コバルト、ニッケル、
銀、鉛、アンチモン、ビスマス、セリウム、マグネシウ
ム、金、白金、パラジウム等の硫化物塩、又は、鉛、亜
鉛、アンチモン、ニッケル等のセレン化物塩も好ましく
用いることができる。またあらかじめかぶらせておいた
ハロゲン化銀粒子も、現像により還元され、金属銀とし
ての銀沈澱核として好ましく使用することができる。
【0035】また未ケン化層(タイミング層)と支持体
との間に中和用酸性ポリマー層(アルカリ中和層)を設
けることが好ましい。本発明に用いるアルカリ中和層に
は、例えば米国特許3,594,164号に記載の重合
体酸などが用いられる。好ましい重合体酸としては無水
マレイン酸共重合体(例えば、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体など)およ
び(メタ)アクリル酸(共)重合体(例えば、アクリル
酸−アルキルアクリレート共重合体、アクリル酸−アル
キルメタアクリレート共重合体、メタアクリル酸−アル
キルアクリレート共重合体、メタアクリル酸−アルキル
メタアクリレート共重合体など)が挙げられる。この他
にポリエチレンスルホン酸、ベンズアルデヒドスルホン
酸とポリビニルアルコールとのアセタール化物のような
スルホン酸を含むポリマーも有用である。また、中和層
にタイミング層で用いられるメルカプト化合物を含んで
いても良い。また膜物理性改良の目的でこれらの重合体
酸と加水分解可能なアルカリ非浸透性ポリマー(特に前
記のセルロースエステルが好ましい)またはアルカリ浸
透性ポリマーを混合しても良い。
【0036】また、受像要素には、画像保存性を良化さ
せるための画像安定化層を有することが好ましく、この
安定化剤としてカチオン高分子電解質が好ましく、特に
特開昭59−166940号、米国特許3,958,9
95号、特開昭55−142339号、同54−126
027号、同54−155835号、同53−3032
8号に記載されている水分散ラテックス、米国特許2,
548,564号、同3,148,061号、同3,7
56,814号に記載のポリビニルピリジニウム塩、米
国特許3,709,690号に記載の水溶性四級アンモ
ニウム塩ポリマーあるいは米国特許3,898,088
号に記載の水不溶性四級アンモニウム塩ポリマーがカチ
オン高分子電解質として好ましい。また、画像安定化層
のバインダーとして、酢酸セルロースが好ましく、特に
酢化度が40〜49%の二酢酸セルロースが好ましい。
この画像安定化層は前述の中和層とタイミング層の間に
設けることが好ましい。
【0037】また、タイミング層には、長期保存したと
きにセルロースエステルの変化によってタイミング時間
が長くなることを防いだり、タイミング時間を短縮した
りする目的のために、酸ポリマー(例えば、メチルビニ
ルエーテルと無水マレイン酸の共重合体やメチルビニル
エーテルと無水マレイン酸ハーフエステルの共重合体)
を含ませることができる。さらに、タイミング層や中和
層には、光がシートの断面方向から内部まで侵入するこ
と(ライトパイピング)を防ぐ目的で、白色顔料(例え
ば、二酸化チタン、二酸化珪素、カオリン、二酸化亜
鉛、硫酸バリウム)を含ませることができる。また、受
像層とタイミング層との間に中間層を設けることもあ
る。中間層として好ましいものは、アラビアゴム、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの親水性ポ
リマーを用いることができる。
【0038】受像層の表面には、処理液展開後の剥離時
に処理液が受像層の表面に付着するのを防止するため
に、剥離層を設けることが好ましい。このような剥離層
として好ましいものは、アラビアゴム、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリ
ウムの他に、米国特許3,772,024号、同3,8
20,999号および英国特許1,360,653号に
記載されているものを挙げることができる。
【0039】遮光の方法として、支持体の紙の中に遮光
剤(例えば、カーボンブラックや有機黒色顔料)を含ま
せる方法や、支持体の裏面に上記遮光剤を塗布し、さら
にその上に、白くするために白色顔料(例えば、二酸化
チタン、二酸化珪素、カオリン、二酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム)を塗布することが好ましい。また、カールや脆性
を良くする目的で、グリセリンなどの吸湿剤やポリエチ
ルアクリレートラテックスのような膜質改良化剤を含ま
せても良い。また、それらの最上層に保護層を設けるこ
とが好ましい。その保護層には、マット剤を含ませて接
着性を良化させたり、筆記性を持たせたりすることがで
きる。上記の遮光層および保護層のバインダーとして
は、ゼラチン、セルロースエステル、ポリビニルアルコ
ールなどが用いられる。以下に本発明を実施例でもって
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0040】
【実施例】
実施例1. 1.受像要素の作成 支持体ポリエチレンラミネート紙の上に順に次の層を設
け受像要素(2A)を作成した。( )内の数値は塗布量
をg/m2 で示すものである。 (1)中和層 酢酸セルロース(酢化度55%)(6)、メチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体(4)、ユビテック
ス(Uvitex)OB(チバガイギー社の商品名)
(0.04)、1ー(4ーヘキシルカルバモイルフェニ
ル)−2,3−ジヒドロキシイミダゾール−2−チオン
(0.25) (2)画像安定化層 酢酸セルロース(酢化度46%)(4)、下記ポリマー
A(2) ポリマーA
【0041】
【化1】
【0042】(3)タイミング層 酢酸セルロース(酢化度55%)(8) (4)受像層 酢酸セルロース(酢化度55%)(2)、硫化パラジウ
ム(7.5×10-4)、1−(4−ヘキシルカルバモイ
ルフェニル)−2,3−ジヒドロイミダゾール−2−チ
オン(1.0×10-2) (5)ケン化 水酸化ナトリウム 12gとグリセリン 24gとメタ
ノール 280mlを混合した液で表面からケン化し、水
洗した。 (6)剥離層 ブチルメタアクリレート−アクリル酸共重合体(モル比
15:85)(0.1) (7)バック層 上記支持体の裏面には遮光層、白色層および保護層が塗
布される。 (7-1) 遮光層 カーボンブラック(4)、ゼラチン(8)、ポリアクリ
レート球状粒子(平均直径0.05μm)(0.2) (7-2) 白色層 二酸化チタン(6)、ゼラチン(0.7) (7-3) 保護層 ポリメチルメタアクリレート(平均直径0.05μm)
(0.2)、ゼラチン(1.6)
【0043】2.感光要素の作成 支持体(ポリエチレンテレフタレート)上に下記の各層
を塗布して感光要素を作製した。()内の数値は塗布量
をg/m2 で示すものである。 (1)感光層 平均粒径1.8μm、アスペクト比5.0の沃臭化銀
(AgI含量3.0モル%)(銀換算0.60)、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a、7−テトラザ
インデン(0.012)、下記増感色素A(4.1×1
-4)、下記増感色素B(4.1×10-4)、下記増感
色素C(1.4×10-4)、ゼラチン(3.6) 増感色素A
【0044】
【化2】
【0045】増感色素B
【0046】
【化3】
【0047】増感色素C
【0048】
【化4】
【0049】(2)保護層 ゼラチン(0.7)、ポリメチルメタクリレート粒子
(平均直径4.7μm)(0.1) (3)バック層 (3−1)遮光層 カーボンブラック(4.0)、ゼラチン(2.0) (3−2)保護層 ゼラチン(0.7)、ポリメチルメタクリレート粒子
(平均直径0.05μm)(0.1)
【0050】3.処理組成物の作成 アルカリ性処理組成物を下記の処方に従い、窒素気流中
で調製した。調製後、複数の開裂可能容器(ポッド)に
1個当たり0.7gの処理組成物を充填して処理組成物
(1A)を作成した。 組成 添加量 二酸化チタン 5 g 水酸化カリウム 280 g ウラシル 90 g テトラヒドロピリミジンチオン 0.2 g 硝酸亜鉛・9H2O 40 g トリエタノールアミン 6 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス ホン酸(60%水溶液) 15 g ヒドロキシエチルセルロース 45 g 沃化カリウム 1 g N,N−ビス(メトキシエチル)ヒドロキシ ルアミン(17%水溶液) 220 g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル−1−フ ェニル−3−ピラゾリジノン 10 g 水 1300 ml
【0051】次に処理組成物(1A)について水酸化リ
チウムを第1表に示したように添加し、他は(1A)と
同様に処理要素(1B)〜(1T)を作成した。ここで
水酸化リチウムは1水和物で添加した。
【0052】4.展開処理 上記感光要素を露光することなく、受像要素(2A)、
処理組成物(1A)〜(1J)とそれぞれ組み合わせた
試料について、25℃で液厚35μmとなるように展開
処理した後、15秒後にそれぞれ剥離した。受像要素上
に得られた黒色画像の濃度を測定した後、その受像要素
を25℃湿度55%で、炭酸ガス濃度2000ppmの
室内に3日間静置し、黒色の受像要素上に曇ったような
析出物の有無(失透の有無)を観察した。また同様に組
み合わせた試料を展開処理したのち25分後に剥離し、
受像要素表面上に処理組成物が付着していないかどうか
観察した。これらの結果を第1表にまとめた。
【0053】
【表1】
【0054】第1表より明らかなように、アルカリ処理
組成物中に水酸化カリウムと水酸化リチウムとを添加し
た組成物(1B)から(1J)で処理した場合には、水
酸化リチウムを添加していない組成物(1A)に比べる
と明らかに失透の少ない好ましい結果が得られた。しか
しながら水酸化リチウムの添加量比が水酸化カリウムに
対してグラム当量比で1:0.1以上である処理組成物
(1I)、(1J)を用いて処理し、25分後に剥離し
た場合には添加量が多くなるとともに処理組成物が受像
要素の表面に多く付着するようになり、(1J)では受
像表面の半分に処理液組成物が付着していた。また15
秒剥離した場合黒色画像の最大濃度が(1B)から(1
H)に比べてやや低下していた。このように本発明の処
理組成物(1B)から(1H)を用いて処理した場合に
は失透、最大濃度、処理組成物の付着のいずれも良好な
結果が得られた。さらに処理組成物への水酸化リチウム
の添加量が多くなるとともに剥離後の受像要素への処理
組成物の付着は多くなり悪化の傾向がみられたが、この
結果は特公昭44−19751号に記載されている内容
とは一致しないものであった。この原因については確認
していないが、受像要素の受像層のバインダーの違い、
処理組成物の添加物(カーボンブラックなど)の違いに
より一致していないものであろうと考えられる。
【0055】実施例2.実施例1.で作成した処理組成
物(1E)について水酸化リチウムを第2表に示した化
合物に等グラム当量分だけ変更し、他は実施例1.と同
様にして処理組成物(1K)〜(1Q)作成した。これ
らの試料について実施例1.と同様に失透、最大濃度並
びに処理組成物の受像要素への付着を調べ、得られた結
果を第2表に示した。
【0056】
【表2】
【0057】第2表より明らかなように、水酸化リチウ
ム以外のリチウム塩についても失透防止効果が見られ
た。しかしながら水酸化リチウムが他のリチウム塩に比
較して失透、最大濃度並びに受像要素への付着のすべて
の点で最も優れた結果が得られた。また水酸化リチウム
の代わりに他のアルカリ剤を添加した場合にも、水酸化
セシウムでやや失透防止効果がみられたものの、水酸化
リチウムに比べると効果の少ないものであった。これら
の結果より失透防止効果にはリチウム塩が特異的に有効
であり、特に水酸化リチウムが有効であることがわかっ
た。
【0058】実施例3.実施例1.で作成した受像要素
(2A)についてケン化工程を以下のように変更して、
他は実施例1.と同様にして、受像要素(2B)から
(2D)を作成した。これらの受像要素、感光要素、お
よび処理組成物(1A)を組み合わせて、他は実施例
1.と同様にして失透、最大濃度及び処理組成物の受像
要素への付着を調べた。得られた結果を第3表に示し
た。 受像要素 2B:水酸化ナトリウム 6gと水酸化リチ
ウム・1水和物 6.3 gとグリセリン24 gとメ
タノール280mlを混合した液で表面からケン化し、
水洗した。 2C:水酸化カリウム 8.4gとグリセリン24gと
メタノール280mlを混合した液で表面からケン化
し、水洗した。 2D:水酸化カリウム 8.4gと水酸化リチウム・1
水和物 6.3 gとグリセリン24 gとメタノール
280mlを混合した液で表面からケン化し、水洗し
た。
【0059】
【表3】
【0060】第3表より明らかなように、水酸化カリウ
ムをアルカリ剤として添加した処理組成物とケン化工程
において水酸化リチウムを添加して作成した受像要素と
を組み合わせて処理した場合には、失透、最大濃度、処
理組成物の付着の少ない好ましい結果が得られた。
【0061】
【発明の効果】本発明のカリウム塩とリチウム塩とを含
む銀塩拡散転写用処理組成物で処理した場合には失透の
発生しない好ましい結果が得られる。またカリウム塩を
含む処理組成物と、リチウム塩を含有させた受像要素と
を組み合わせて銀塩拡散転写処理するとやはり失透の発
生しない好ましい結果が得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像露光された感光性ハロゲン化銀乳剤
    層を含む感光要素をハロゲン化銀溶剤を含むアルカリ性
    処理組成物を用いて現像して、該感光性ハロゲン化銀乳
    剤層の未露光ハロゲン化銀の少なくとも一部を転写性銀
    錯塩とし、該転写性銀錯塩の少なくとも一部を銀沈澱核
    含有受像層へ転写して、該銀沈澱核含有受像層に画像を
    形成させ、画像形成の後に該銀沈澱核含有受像層を該感
    光要素から切り離すことにより画像を得る銀塩拡散転写
    法による画像形成法において、該アルカリ性処理組成物
    に少なくともカリウム塩とリチウム塩を添加し、該アル
    カリ性処理組成物中でのカリウム塩とリチウム塩との添
    加量の比率がグラム当量比で1:0.001から1:
    0.1であり、リチウム塩の添加量が処理組成物1kg
    当たり0.001グラム当量から0.25グラム当量で
    あり、かつ該銀沈澱核含有受像層が銀沈澱核を分散させ
    たセルロースエステル及び/又は銀沈澱核を分散させた
    セルロースエステルを加水分解させたセルロースからな
    ることを特徴とする銀塩拡散転写法による画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された銀塩拡散転写法に
    よる画像形成方法において、該アルカリ性処理組成物に
    少なくともカリウム塩を添加し、該銀沈澱核含有受像層
    中にリチウム塩を含有せしめることを特徴とする銀塩拡
    散転写法による画像形成方法。
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